JP3797341B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、先行車両に対して目標車間距離を維持しながら自車を追従走行させる車両用走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用走行制御装置として、例えば、スキャニング式のレーザレーダ装置により先行車両を除いた並走車両の数をカウントすることで道路の閑散状況を判断し、道路が空いていないと判断されるときには、他車の動きに取り残されたり他車に割り込まれたりすることを抑制するために目標車間距離を短い値に変更し、逆に道路が空いていると判断されるときには、先行車両との車間を十分にとるために目標車間距離を長い値に変更するように構成されたオートクルーズ装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−120594号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、スキャニング式のレーザレーダ装置により先行車両を除く並走車両の数をカウントして道路の閑散状況を判断するように構成されているので、片側1車線の道路では閑散状況を的確に判断することができないという未解決の課題がある。
【0005】
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、道路の車線数に係りなく的確に道路の閑散状況を判断し、この道路の閑散状況に応じた適切な車間距離を維持しながら先行車両に対して追従走行できる車両用走行制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用走行制御装置は、先行車両の更に前方の交通状況、及び自車両後方の交通状況の少なくとも一方又は双方を検出して道路の閑散度合を判定し、この道路の閑散度合が低いときには、目標車間距離を非閑散時用車間距離に設定し、道路の閑散度合が高いときには、目標車間距離を非閑散時用車間距離よりも長い閑散時用車間距離に設定し、道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断したときには、先行車両と先々行車両との相対速度が接近方向に増加するほど、目標車間距離を前記閑散時用車間距離から前記非閑散時用車間距離に変更する速度を遅くすることを特徴としている。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る車両用走行制御装置によれば、先行車両の更に前方の交通状況、及び自車両後方の交通状況の少なくとも一方又は双方を検出して道路の閑散度合を判定し、この道路の閑散度合に応じて目標車間距離を変更するように構成されるので、道路の車線数に係りなく的確に道路閑散状況を判断し、この道路の閑散状況に応じた適切な車間距離を維持しながら先行車両に対して追従走行できるという効果が得られる。すなわち、道路の閑散度合が低いときには、目標車間距離を非閑散時用車間距離に設定し、道路の閑散度合が高いときには、目標車間距離を非閑散時用車間距離よりも長い閑散時用車間距離に設定するように構成されているので、目標車間距離を道路の閑散度合に応じた最適な値に設定できる。また、道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断したときには、先行車両と先々行車両との相対速度が接近方向に増加するほど、目標車間距離を前記閑散時用車間距離から前記非閑散時用車間距離に変更する速度を遅くするように構成されているので、先行車両の挙動をある程度予測して車間距離を詰めることができ、安全性を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を後輪駆動車に適用した場合の第1実施形態を示す概略構成図であり、図中、1FL及び1FRは従動輪としての前輪、1RL及び1RRは駆動輪としての後輪であって、後輪1RL、1RRは、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャフト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて回転駆動される。
【0009】
前輪1FL、1FR及び後輪1RL、1RRには、夫々制動力を発生するディスクブレーキ7が設けられていると共に、これらディスクブレーキ7の制動油圧が制動制御装置8によって制御される。この制動制御装置8は、図示しないブレーキペダルの踏込みに応じて制動油圧を発生すると共に、入力される制動圧指令値P*に応じた制動油圧を発生させてディスクブレーキ7に供給するように構成されている。
【0010】
また、エンジン2は、その出力がエンジン出力制御装置9によって制御されている。エンジン出力の制御方法として、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転数を制御する方法と、アイドルコントロールバルブの開度を調整してエンジン2のアイドル回転数を制御する方法とが考えられるが、本実施形態におけるエンジン出力制御装置9は、入力されるスロットル開度指令値θ*に応じてスロットルバルブの開度を調整するように構成されている。
【0011】
また、車両の前方及び後方側の車体下部には、先行車両との車間距離LFを検出する前方車間距離センサ10F、及び後続車両との車間距離LRを検出する後方車間距離センサ10Rが夫々設けられている。これら前方及び後方の車間距離センサ10F及び10Rは、例えば、レーザ光を発しその反射光を受光することにより、先行車両及び後続車両との車間距離Lを計測するレーザレーダ装置やミリ波レーダ装置で構成されている。
【0012】
また、車両には、先行車両との車両間で通信可能な車両間通信装置11が備えられており、この車両間通信により先行車両が検出する先行車両自身と更に前方の先々行車両との車間距離LPを取得する。
また、自車両には、GPS衛星から送られる衛星電波を受信して現在の自車位置を検出すると共に、所定範囲の道路交通情報を記憶したナビゲーションシステム12が搭載されている。具体的には、人口が所定数以下の指定地域や、交差点、橋、踏切等の交通を規制し得る地点が記憶されている。
【0013】
さらに、自動変速機3の出力側には、自車速Vを検出する車速センサ13が設けられている。また、運転席近傍には、運転者が車両用走行制御装置のON/OFF切換えと、設定車速Vset及び設定車間距離Lsetの設定とを操作できる操作スイッチ14が設けられている。これら設定車速Vset及び設定車間距離Lsetの夫々は、運転者の好みに応じて複数の段階に切換えられるように構成されている。
【0014】
これら前方車間距離センサ10F、後方車間距離センサ10R、車両間通信装置11、ナビゲーションシステム12、車速センサ13、及び操作スイッチ14からの各種信号が、例えばマイクロコンピュータで構成された走行制御用コントローラ15に入力され、操作スイッチ14が車両用走行制御装置のONに設定されたときに、図2に示す走行制御処理を常時実行して、制動制御装置8に対する制動指令値P*及びエンジン出力制御装置9に対するスロットル開度指令値θ*を出力して自車速を制御する。
【0015】
次に、走行制御用コントローラ15で実行される走行制御処理を、図2及び図3のフローチャートに従って説明する。
先ず、ステップS1で、各種センサ及び装置から、先行車両との車間距離LF、後続車両との車間距離LR、先行車両と先々行車両との車間距離LP、道路交通情報、自車速V、設定車速Vset及び設定車間距離Lsetを読み込んでからステップS2に移行する。
【0016】
ステップS2では、前方車間距離センサ10Fで先行車両が検出されているか否かを判定し、先行車両が検出されていないときには後述する図3のステップS35に移行し、先行車両が検出されているときにはステップS3に移行する。
ステップS3では、後方車間距離センサ10Rで後続車両が検出されているか否かを判定し、後続車両が検出されていないときには後述するステップS7に移行し、後続車両が検出されているときにはステップS4に移行する。
【0017】
ステップS4では、後続車両の有無を表す後続車両フラグFRを、後続車両が存在することを示す“1”にセットしてからステップS5に移行する。
ステップS5では、後続車両との車間距離LRが所定値L1以下であるか否かを判定する。この判定結果がLR≦L1であるときには、自車両後方の交通状況が空いていない可能性があると判断して、後述するステップS11に移行し、判定結果がLR>L1であるときには、自車両後方の交通状況は空いていると判断してステップS6に移行し、道路の閑散度合を表す閑散度合フラグFCを、道路の閑散度合が高いことを示す“1”にセットする。
【0018】
そして、前記ステップS3で後続車両が検出されていないと判定されて移行するステップS7では、後続車両フラグFRが“1”にセットされているか否かを判定する。この判定結果がFR=1であるときには、後続車両が検出されなくなった直後であると判断して、ステップS8に移行する。
ステップS8では、後続車両が検出されなくなった時点から所定時間が経過しているか否かを判定しており、所定時間未満であるときには後続車両を一時的に見失ったものと判断し、ステップS9に移行してから前回の処理で読込まれた後続車両との車間距離LR(n-1)を今回値LR(n)として設定して前記ステップS5に移行する。一方、後続車両が検出されなくなった時点から所定時間が経過しているときには、後続車両が走行車線から離脱したものと判断してステップS10に移行し、前述した後続車両フラグFRを、後続車両が存在しないことを示す“0”にリセットしてから前記ステップS6に移行する。したがって、前記ステップS7の判定結果がFR=0であるときには、そのままステップS6に移行する。
【0019】
そして、前記ステップS5で自車両後方の交通状況が空いていない可能性があると判断されて移行するステップS11では、車両間通信装置11による先行車両との通信結果に基づいて先行車両が先々行車両を検出しているか否かを判定し、先々行車両が検出されていないときには後述するステップS14に移行し、先々行車両が検出されているときにはステップS12に移行する。
【0020】
ステップS12では、先々行車両の有無を表す先々行車両フラグFPを、先々行車両が存在することを示す“1”にセットしてからステップS13に移行する。
ステップS13では、先行車両と先々行車両との車間距離LPが所定値L2以下であるか否かを判定している。この判定結果がLP>L2であるときには、先行車両の更に前方の交通状況は空いていると判断して、前記ステップS6に移行する。一方、この判定結果がLP≦L2であるときには、先行車両の更に前方の交通状況が空いていない可能性があると判断して、後述するステップS18に移行する。
【0021】
そして、前記ステップS11で先々行車両が検出されていないと判定されて移行するステップS14では、先々行車両フラグFPが“1”にセットされているか否かを判定している。この判定結果がFP=1であるときには、先々行車両が検出されなくなった直後であると判断して、ステップS15に移行する。
ステップS15では、先々行車両が検出されなくなった時点から所定時間が経過しているか否かを判定しており、所定時間未満であるときには、先々行車両を一時的に見失ったものと判断し、ステップS16に移行してから前回の処理で読込まれた先行車両と先々行車両との車間距離LP(n-1)を今回値LP(n)として設定して前記ステップS13に移行する。一方、先々行車両が検出されなくなった時点から所定時間が経過しているときには、先々行車両が走行車線から離脱したものと判断してステップS17に移行し、前述した先々行車両フラグFPを、先々行車両が存在しないことを示す“0”にリセットしてから前記ステップS6に移行する。したがって、前記ステップS9の判定結果がFP=0であるときには、そのままステップS6に移行する。
【0022】
そして、前記ステップS13で先行車両の更に前方の交通状況も空いていない可能性があると判断されて移行するステップS18では、ナビゲーションシステム12からの道路交通情報が道路の混雑を示しているか否かを判断する。すなわち、人口が所定数以下の指定地域を走行しているとき、又は自車位置を含む所定範囲内で交差点、橋、踏切等の交通を規制し得る地点が所定数未満であるときに、道路が混雑する可能性は低いと判断して前記ステップS6に移行する。一方、前述した指定地域外を走行しており、且つ交通を規制し得る地点が所定数以上であるときには、道路が混雑していると判断して、ステップS19に移行する。
【0023】
ステップS19では、閑散度合フラグFCが道路の閑散度合が高いことを示す“1”にセットされているか否かを判定する。この判定結果がFC=1であるときには、道路の閑散度合が高い状態から低くなった直後であると判断してステップS20に移行する。
ステップS20では、閑散度合の高い状態から低い状態への移行状態を表す判断移行フラグFSを、閑散度合が高い状態から低い状態へ移行していることを示す“1”にセットし、ステップS21に移行してから閑散度合フラグFCを、道路の閑散度合が低いことを示す“0”にリセットする。また、ステップS19の判定結果がFC=0であるときには、道路の閑散度合が高いとは判断されていないので、そのままステップS21に移行する。
【0024】
前記ステップS6又はステップS21で、閑散度合フラグFCを設定したら、図3のステップS22に移行し、図4の目標車間距離算出マップを参照し、閑散度合フラグFCの設定状態、設定車間距離Lsetの設定状態、及び車速センサ13で検出された自車速Vに基づいて目標車間距離L*を算出する。この目標車間距離算出マップは、図4に示すように、横軸が自車速Vを表しており、縦軸が目標車間距離L*を表している。先ず、閑散度合フラグFCが“0”にリセットされた非閑散時用目標車間距離L*の特性線は、自車速Vが0(零)から増加するときに、これに比例して非閑散時用の目標車間距離L*が所定値Loffsetから増加するように設定されている。さらに、自車速Vに対する目標車間距離L*の増加率が設定車間距離Lsetの段階ごとに変化するように、すなわち設定車間距離Lsetが長く設定されているほど自車速Vに対する目標車間距離L*の増加率が大きくなるように設定されている。一方、閑散度合フラグFCが“1”にセットされた閑散時用目標車間距離L*の特性線は、自車速Vが0(零)から増加するときに、これに比例して閑散時用の目標車間距離L*が所定値Loffsetから増加し、この増加率が設定車間距離Lsetの段階ごとに変化することは非閑散時用と同様であるが、自車速Vに対する目標車間距離L*の増加率が非閑散時用よりも大きくなるように設定されている。
【0025】
次に、ステップS23に移行して、判断移行フラグFSが“0”にリセットされているか否かを判定する。この判定結果がFS=1であるときには、閑散度合の判断が移行状態にあると判断してステップS24に移行する。
ステップS24では、前回の処理で算出された目標車間距離L* (n-1)から今回の処理で算出された目標車間距離L* (n)を減じた値(=L* (n-1)−L* (n))が所定値L3より大きいか否かを判定する。この判定結果がL* (n-1)−L* (n)>L3であるときには、閑散時用目標車間距離から非閑散時用目標車間距離への変更が完了していないと判断して、ステップS25に移行する。
【0026】
ステップS25では、先行車両と先々行車両との相対速度VRPを算出する。ここでは、先行車両と先々行車両との車間距離LPにバンドパスフィルタ処理を行って、ノイズ等の影響を受けにくいようにする。なお、バンドパスフィルタ処理を行う場合に代えて、ハイパスフィルタ処理を行うようにしてもよい。
次に、ステップS26に移行して、図5の目標車間距離変更速度算出マップを参照し、先行車両と先々行車両との相対速度VRPに基づいて目標車間距離L*を閑散時用から非閑散時用に変更する速度VCを算出する。この目標車間距離変更速度算出マップは、図5に示すように、横軸に相対速度VRP、縦軸に変更速度VCを夫々とり、相対車速が0(零)から両者の接近方向へ増加するときに、これに比例して変更速度が所定値VC1から減少するように設定されている。
【0027】
次に、ステップS27に移行して、ステップS26で算出された変更速度VCに1サイクル分の処理速度tを乗じた値(=VC・t)を、前回の処理で算出された目標車間距離L* (n-1)から減じて、今回の目標車間距離L* (n)として設定してからステップS28に移行する。したがって、前記ステップS24の判定結果がL* (n-1)−L* (n)≦L3であるときには、既に閑散時用目標車間距離から非閑散時用目標車間距離への変更が完了していると判断してステップS29に移行し、前述した判断移行フラグFCを、閑散度合が高い状態から低い状態へ移行していないことを示す“0”にリセットしてからステップS28に移行する。また、前記ステップS23の判定結果がFS=0であるときには、閑散度合の判断が移行状態にはないと判断してそのままステップS28に移行する。
【0028】
ステップS28では、実際の車間距離LFが目標車間距離L*に収束するよう車間距離と相対速度の時間的推移を規定する車間距離指令値LTと相対速度指令値VRTとを算出する。具体的には、目標車間距離L*に対して、減衰係数ζT及び固有振動数ωTを用いた下記(1)式に従って二次形式のフィルタ処理を行うことにより車間距離指令値LTと相対速度指令値VRTとを演算する。なお、先行車両を認識した直後の車間距離L0と相対速度VR0を初期値とする。
【0029】
【数1】
Figure 0003797341
【0030】
また、(1)式を展開してラプラス変換すると、目標車間距離L*に対する車間距離指令値LTの伝達関数が下記(2)式で表される。
【0031】
【数2】
Figure 0003797341
【0032】
次に、ステップS30に移行して、車間距離指令値LTと相対速度指令値VRTとに応じたフィードバック制御用車速指令値VT-FBを下記(3)式に従って算出する。
T-FB=(LT−LF)gL+(VRT−VRF)gV ・・・(3)
ここで、VRFは自車両と先行車両との相対速度であり、前述したステップS25の処理と同様に、先行車両との車間距離LFから演算する。また、gL及びgVは、夫々係数であり、下記(4)、(5)式に従って算出される。
L=1−2・ωnFB・Z・TB ・・・(4)
V=ωnFB 2・TB ・・・(5)
ここで、Zはオーバーシュートを規制する定数、TBは制御対象固有振動数ωPの逆数(=1/ωP)である。また、ωnFBはフィードバック制御用の固有振動数であり、図6の固有振動数算出マップを参照し、閑散度合フラグFCの設定状態、及び先行車両との相対速度VRFに基づいて算出される。
【0033】
このフィードバック制御用の固有振動数算出マップは、図6に示すように、横軸に相対速度VRF、縦軸に固有振動数ωnFBを夫々とり、相対速度VRFは、自車両と先行車両との接近傾向が負値、両者の離間傾向が正値で表されている。先ず、閑散度合フラグFCが“0”にリセットされた非閑散時における固有振動数ωnFBの特性線は、相対速度が0(零)から接近方向の所定値VRF1まで減少するときに、固有振動数が所定値ωnFB1(0<ωnFB1<1)から所定値ωnFB2(ωnFB1<ωnFB2<1)に向けて最初は緩やかで次第に急峻となる放物線状に増加し、相対速度が所定値VRF1以下となるときに、固有振動数が所定値ωnFB2を維持するように設定されている。また、相対速度が0(零)から離間方向の所定値VRF2まで増加するときに、固有振動数が所定値ωnFB1から所定値ωnFB2に向けて最初は緩やかで次第に急峻となる放物線状に増加し、相対速度が所定値VRF2以上となるときに、固有振動数が所定値ωnFB2を維持するように設定されている。一方、閑散度合フラグFCが“1”にセットされた閑散時における固有振動数ωnFBの特性線は、相対速度が0(零)から接近方向の所定値VRF1まで減少するときに、固有振動数が所定値ωnFB1よりも小さな所定値ωnFB3(0<ωnFB3<1)から、所定値ωnFB2よりも小さなωnFB4(ωnFB3<ωnFB4<1)に向けて最初は緩やかで次第に急峻となる放物線状に増加し、相対速度が所定値VRF1以下となるときに、固有振動数が所定値ωnFB4を維持するように設定されている。また、相対速度が0(零)から離間方向の所定値VRF2まで増加するときに、固有振動数が所定値ωnFB3から所定値ωnFB4に向けて最初は緩やかで次第に急峻となる放物線状に増加し、相対速度VRFが所定値VRF2以上となるときに、固有振動数が所定値ωnFB4を維持するように設定されている。
【0034】
次に、ステップS31に移行して、前記(2)式の伝達関数を利用し、規範モデル追従用の車速指令値VREF及び車間距離指令値LREFを下記(6)、(7)式に従って算出する。なお、添え字(n1)は夫々の1サンプリング前の値を示し、添え字INIは夫々の初期値を示している。また、先行車両を認識した直後の車間距離L0と相対速度VR0を初期値とする。
REF=∫ACCREF+VREF-INI ・・・(6)
ACCREF=−(VFB+LFB)
FB=2ζT・ωT・VREF(n-1)
FB=ωT 2・LREF(n-1)
REF=∫VREF(n)+(L0‐L*) ・・・(7)
次に、ステップS32に移行して、規範モデル追従用の車速指令値VREF及び車間距離指令値LREFに応じてフィードフォワード制御用車速指令値VT-FFを下記(8)式に従って算出する。
T-FF=(c2・VREF−a0・LREF)・TB ・・・(8)
2=1/TB−a1
1=2ζT・ωnFF
0=ωnFF 2
ここで、ζTは減衰係数で、TBは制御対象固有振動数ωPの逆数(=1/ωP)である。また、ωnFFはフィードフォワード制御用の固有振動数であり、図7の固有振動数算出マップを参照し、閑散度合フラグFCの設定状態、及び先行車両との相対速度VRFに基づいて算出される。
【0035】
このフィードフォワード制御用の固有振動数算出マップは、図7に示すように、横軸に相対速度VRFを、縦軸に固有振動数ωnFFを夫々とり、相対速度VRFは、自車両と先行車両との接近傾向が負値、両者の離間傾向が正値で表されている。先ず、閑散度合フラグFCが“0”にリセットされた非閑散時における固有振動数ωnFFの特性線は、相対速度が接近側から離間側に増加するとき、固有振動数が0(零)より大きく1より小さい範囲内で直線的に減少するように設定されている。一方、閑散度合フラグFCが“1”にセットされた閑散時における固有振動数ωnFFの特性線は、相対速度が接近側から離間側に増加するときに、固有振動数が0(零)より大きく1より小さい範囲内で、直線的に減少することは非閑散時用と同様であるが、非閑散時の固有振動数よりも小さくなるように設定されている。
【0036】
次に、ステップS33に移行して、フィードフォワード制御用の車速指令値VT-FFを、フィードバック制御用の車速指令値VT-FBから減じて、最終車速指令値VT(=VT-FB−VT-FF)を算出してステップS34に移行する。
ステップS34では、最終車速指令値VTが運転者により設定された設定車速Vsetより大きいか否かを判定している。この判定結果がVT>Vsetであるときには、ステップS36に移行してこの設定車速Vsetを最終車速指令値VTとして設定してからステップS35に移行し、判定結果がVT≦Vsetであるときには、そのままステップS36に移行する。
【0037】
ステップS36では、自車速Vを最終車速指令値VTに一致させるために、制動制御装置8に対する制動指令値P*と、エンジン出力制御装置9に対するスロットル開度指令値θ*とを算出、出力して前記ステップS1に戻る。
以上より、図1の前方車間距離センサ10Fが前方車間距離検出手段に対応し、後方車間距離センサ10Rが後方車間距離検出手段に対応し、車間距離通信装置11が車両間通信手段に対応し、ナビゲーションシステム12が道路交通情報取得手段に対応し、図2のステップS3〜ステップS21の処理が閑散度合判定手段に対応し、図3のステップS22〜ステップS27の処理が目標車間距離変更手段に対応し、ステップS28〜ステップS36の処理と、図1の制動制御装置8及びエンジン出力制御装置とが車速制御手段に対応している。
【0038】
次に、上記第1実施形態の動作を説明する。
今、運転者によって走行制御装置の操作スイッチ14がONにされると、走行制御用コントローラ15は、自車両後方の交通状況、先行車両の更に前方の交通状況、及びナビゲーションシステム12に予め記憶された道路交通情報に基づいて道路の閑散度合を判定し、この判定結果に応じて先行車両に対する目標車間距離L*を変更する。
【0039】
先ず、後方車間距離センサ10Rで自車両後方の交通状況を検出し、後続車両が始めから存在しないとき(ステップS7の判定が“No”)、後続車両が検出されなくなってから所定時間が経過したとき(ステップS8の判定が“Yes”)、又は後続車両との車間距離LRが所定値L1を上回るときに(ステップS5の判定が“No”)、現在の交通状況は空いていると判断して閑散度合フラグFCを“1”にセットする(ステップS6)。
【0040】
また、先行車両が自ら検出した前方の車両との車間距離LP(自車から見た先行車両と先々行車両との車間距離)を当該先行車両との車両間通信で取得して先行車両の更に前方の交通状況を検出し、先々行車両が始めから存在しないとき(ステップS14の判定が“No”)、先々行車両が検出されなくなってから所定時間が経過したとき(ステップS15の判定が“Yes”)、又は先行車両と先々行車両との車間距離LPが所定値L2を上回るときに(ステップS13の判定が“No”)、現在の交通状況は空いていると判断して閑散度合フラグFCを“1”にセットする。
【0041】
さらに、ナビゲーションシステム12に予め記憶された道路交通情報に基づいて、人口が所定数以下の指定地域を走行しているとき、又は自車位置を含む所定範囲内で交差点、橋、踏切等の交通を規制し得る地点が所定数未満であるときに、道路が混雑する可能性は低いと判断して閑散度合フラグFCを“1”にセットする。
【0042】
こうして道路の閑散度合が低いと判断され、閑散度合フラグFC=1となるときには、先行車両に対する目標車間距離L*を比較的長い閑散時用車間距離に設定する(ステップS22)。
そして、先行車両との車間距離LFを目標車間距離L*に一致させるために、前記(3)式に従ってフィードバック制御用の車速指令値VT-FBを、また前記(8)式に従ってフィードフォワード制御用の車速指令値VT-FFとを夫々算出する(ステップS28〜ステップS32)。この際、道路の閑散度合に基づいて目標車間距離L*に対する自車両の応答特性を決定する。すなわち、閑散度合フラグFC=1となるときには、応答特性を緩やかにするために、フィードバック制御用の固有振動数ωnFBと、フィードフォワード制御用の固有振動数ωnFFとを、夫々閑散時用に設定する。
【0043】
そして、フィードバック制御用の車速指令値VT-FBからフィーフォワード用の車速指令値VT-FFを減じて最終車速指令値VTを算出する(ステップS33)。ここで、最終車速指令値VTが、運転者により設定された設定車速Vsetよりも大きいときには、この設定車速Vsetを最終車速指令値VTとして設定する(ステップS35)。次いで、自車速Vを最終車速指令値VTに一致させるために、制動制御装置8に対する制動指令値P*と、エンジン出力制御装置9に対するスロットル開度指令値θ*とを算出、出力して自車両の走行を制御する(ステップS36)。
【0044】
したがって、道路の閑散度合が高いときには、先行車両に対して十分な車間距離をとると共に、その応答特性を緩やかにして、運転者の感覚に合った走行制御を実現することができる。
この状態から、後続車両との車間距離LRが所定値L1以下となり(ステップS5の判定が“Yes”)、先行車両と先々行車両との車間距離LPが所定値L2以下となり(ステップS13の判定が“Yes”)、更に人口が所定数を超える地域を走行しており、且つ交通を規制し得る地点が所定数以上となるときには(ステップS18の判定が“Yes”)、道路の閑散度合が低いと判断して閑散度合フラグFCを“0”にリセットする。
【0045】
こうして道路の閑散度合が低いと判断され、閑散度合フラグFC=0となるときには、先行車両に対する目標車間距離L*を比較的短い非閑散時用車間距離に変更する(ステップS22)。
このとき、目標車間距離L*の非閑散時用への変更速度VCを、先行車両と先々行車両との相対速度VRPに基づいて算出することが望ましい。それは、先々行車両が減速する等して先行車両と先々行車両が接近傾向にあるときには、これに応じて先行車両が減速する可能性があるからである。したがって、先行車両と先々行車両との相対速度VRPが接近方向に増加するほど目標車間距離L*の変更速度VCが遅くなるように設定する。こうして、先行車両の挙動をある程度予測して車間距離LFを詰めることができ、安全性を向上させることができる。
【0046】
また、先行車両に対する車間距離LFが短くなる分、目標車間距離L*に対する自車両の応答特性を比較的鋭くするために、フィードバック制御用の車速指令値VT-FB及びフィードフォワード制御用の車速指令値VT-FFを算出する際、フィードバック制御用の固有振動数ωnFBと、フィードフォワード制御用の固有振動数ωnFFとを、夫々非閑散時用に設定する(ステップS28〜ステップS32)。
【0047】
したがって、道路の閑散度合が低いときには、先行車両に対する目標車間距離L*を短くすることで、他車の動きに取り残されたり他車に割り込まれたりすることを抑制し、その応答特性を比較的鋭くすることで運転者の感覚に合った走行制御を実現することができる。
また、道路の閑散度合が低いと判定されている状態から、閑散度合が高いと判定されて、閑散度合フラグFC=1となるときには、先行車両に対する目標車間距離L*をそのまま閑散時用車間距離に変更する。
【0048】
このように、先行車両との車間距離LFが目標車間距離L*と一致するように自車速を制御すると共に、先行車両の更に前方の交通状況、及び自車両後方の交通状況を検出して道路の閑散度合を判定し、この道路の閑散度合に応じて目標車間距離L*を変更するように構成されるので、道路の車線数に係りなく的確に道路閑散状況を判断し、この道路の閑散状況に応じた適切な車間距離を維持しながら先行車両に対して追従走行することができる。
【0049】
なお、上記実施形態では、自車速Vを自動変速機3の出力側の回転速度から検出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、各車輪に車輪速センサを設けて、各車輪速の平均値を求めて算出したり、アンチロックブレーキ制御装置を搭載した車両であれば、このアンチロックブレーキ制御装置が有する車体速度演算手段で演算された値を使用したりしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、エンジン2を駆動源とする車両に本発明を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、電動モータを使用する電気自動車や、エンジンと電動モータを併用するハイブリット車両にも本発明を適用し得るものである。因みに、この場合にはエンジン出力制御装置を電動モータ制御装置に換えればよい。
【0051】
また、上記実施形態では、先行車両との車両間通信により、先行車両と先々行車両との車間距離LPを受信するのみの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、自車両が検出した先行車両との車間距離LFを後続車両用に送信することで、後続車両が、後続車両自身から見た先行車両の更に前方の交通状況を把握できるようにしてもよい。
【0052】
さらに、上記実施形態では、道路の閑散度合を“低い”又は“高い”の2段階で判定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、3段階以上で判定してもよい。この場合には、各段階に応じて目標車間距離L*と、フィードバック制御用の固有振動数ωnFBと、フィードフォワード制御用の固有振動数ωnFFとを夫々設定できるようにすればよい。
【0053】
さらに、上記実施形態では、ナビゲーションシステム12から道路交通情報を取得し、人口が所定数以下の指定地域を走行しているか否か、及び自車位置を含む所定範囲内で交差点、橋、踏切等の交通を規制し得る地点が所定数未満であるか否かに基づいて道路の混雑度合を判定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、渋滞の発生頻度が高い地域をナビゲーションシステム12に予め記憶させておけば、これを供することもできる。また、図8に示すように、ナビゲーションシステム12の代わりに道路交通情報通信システム16を搭載し、受信した渋滞情報、事故情報、又は工事情報等に基づいて、混雑度合を判定するようにしてもよいし、更にはナビゲーションシステム12及び道路交通情報通信システム16の両方を搭載し、両者からの道路交通情報に基づいて混雑度合を判定してもよく、要は、混雑度合の判定に用いることができれば、如何なる道路交通情報を用いてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、先行車両と先々行車両との車間距離LPと、後続車両との車間距離LRと、道路交通情報とに基づいて道路の閑散度合を判定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。したがって、図9に示すように、前述した図2におけるステップS18の処理を省略して、後続車両との車間距離LRと、先行車両と先々行車両との車間距離LPとに基づいて道路の閑散度合を判定してもよい。また、図10に示すように、図2におけるステップS11〜ステップS17の処理を省略したり、図11に示すように、図2におけるステップS6の処理を除いたステップS3〜S10の処理を省略したりして、先行車両と先々行車両との車間距離LP、又は後続車両との車間距離LRの何れかと、道路交通情報とに基づいて道路の閑散度合を判定してもよい。さらに、図12に示すように、図2におけるステップS11〜ステップS18の処理を省略したり、図13に示すように、図2におけるステップS6の処理を除いたステップS3〜S10の処理と、ステップS18の処理とを省略したりして、先行車両と先々行車両との車間距離LP、又は後続車両との車間距離LRの何れかに基づいて道路の閑散度合を判定してもよい。要は、先行車両の更に前方の交通状況、及び自車両後方の交通状況の少なくとも一方又は双方を検出して道路の閑散度合を判定することができればよい。
【0055】
以上のように、上記第1実施形態によれば、車両間通信装置11で受信した先行車両と先々行車両との車間距離LP、又は後方車間距離センサ10Rで検出する後続車両との車間距離LRに基づいて、道路の閑散度合を判定するように構成すれば、道路の車線数に係りなく的確に道路閑散状況を判断できるという効果が得られる。
【0056】
また、車両間通信装置11で受信した先行車両と先々行車両との車間距離LP、及び後方車間距離センサ10Rで検出する後続車両との車間距離LRに基づいて、道路の閑散度合を判定するように構成すれば、道路の車線数に係りなく、より的確に道路閑散状況を判断できるという効果が得られる。
また、車両間通信装置11で受信した先行車両と先々行車両との車間距離LP、又は後方車間距離センサ10Rで検出する後続車両との車間距離LRの何れかと、道路交通情報とに基づいて、道路の閑散度合を判定するように構成すれば、道路の車線数に係りなく、より的確に道路閑散状況を判断できるという効果が得られる。
【0057】
さらに、上記実施形態のように、車両間通信装置11で受信した先行車両と先々行車両との車間距離LP、後方車間距離センサ10Rで検出する後続車両との車間距離LR、及び道路交通情報に基づいて、道路の閑散度合を判定するように構成すれば、道路の車線数に係りなく、より的確に道路閑散状況を判断できるという効果が得られる。
【0058】
さらにまた、道路交通情報は、ナビゲーションシステム12、及び道路交通情報通信システム16の一方又は双方から取得するように構成されているので、道路交通情報を容易に且つ確実に取得できるという効果が得られる。
また、道路の閑散度合が低いと判断されて閑散度合フラグFC=0であるときには、目標車間距離L*を非閑散時用車間距離に設定し、道路の閑散度合が高いと判断されて閑散度合フラグFC=1であるときには、目標車間距離L*を非閑散時用車間距離よりも長い閑散時用車間距離に設定するように構成されているので、目標車間距離L*を道路の閑散度合に応じた最適な値に設定できるという効果が得られる。
【0059】
さらに、道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断されたときには、目標車間距離L*を閑散時用車間距離から非閑散時用車間距離に変更する速度を、先行車両と先々行車両との接近状況に応じて変更するように構成されているので、例えば、先々行車両の減速に応じて先行車両が減速する等、先行車両の挙動をある程度予測して車間距離LFを詰めることができるという効果が得られる。
【0060】
さらに、道路の閑散度合が低いと判断されて閑散度合フラグFC=0であるときには、目標車間距離に対する自車両の応答特性を決定するためのフィードバック制御用の固有振動数ωnFB、及びフィードフォワード制御用の固有振動数ωnFFの夫々を非閑散時用に設定し、道路の閑散度合が高いと判断されて閑散度合フラグFC=1であるときには、フィードバック制御用の固有振動数ωnFB、及びフィードフォワード制御用の固有振動数ωnFFの夫々を非閑散時用よりも応答性を低める閑散時用に設定するように構成されているので、先行車両に対する目標車間距離L*が短いときには、比較的鋭い応答特性を得ることができ、逆に先行車両に対する目標車間距離L*が長いときには、緩やかな応答特性を得ることができ、運転者の感覚に合った走行制御を実現できるという効果が得られる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態を図14に基づいて説明する。
この第2実施形態は、前述した第1実施形態において、道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断されたときに、目標車間距離L*を閑散時用車間距離から非閑散時用車間距離に変更する際の変更速度VCの算出方法を変化させたものである。
【0062】
すなわち、第2実施形態では、道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断されたときに、目標車間距離L*を閑散時用車間距離から非閑散時用車間距離に変更する速度VCを、自車両と後続車両との相対速度VRRに基づいて変更することを除いては、第1実施形態と同様の構成を有するため、その詳細説明はこれを省略する。
【0063】
この目標車間距離変更速度算出マップは、図14に示すように、横軸に相対速度VRR、縦軸に変更速度VCを夫々とり、相対車速が0(零)から両者の接近方向へ増加するときに、これに比例して変更速度が所定値VC2から増加するように設定されている。
このように、第2実施形態によれば、道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断されたときには、目標車間距離L*を閑散時用車間距離から非閑散時用車間距離に変更する速度を、自車両と後続車両との接近状況に応じて変更するように構成されているので、例えば、後続車両が自車両との車間距離を詰めてくるときには、素早く先行車両に対する車間距離LFを詰められるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における概略構成図である。
【図2】後続車両との車間距離、先行車両と先々行車両との車間距離、及び交通道路情報とに基づいて閑散度合を判定する場合の走行制御処理の一例を示すフローチャートの前半部である。
【図3】走行制御処理の一例を示すフローチャートの後半部である。
【図4】目標車間距離算出マップである。
【図5】第1実施形態における目標車間距離変更速度算出マップである。
【図6】フィードバック制御用の固有振動数算出マップである。
【図7】フィードフォワード制御用の固有振動数算出マップである。
【図8】道路交通情報通信システムから道路交通情報を取得する場合の概略構成図である。
【図9】後続車両との車間距離、及び先行車両と先々行車両との車間距離に基づいて閑散度合を判定する場合の走行制御処理を示すフローチャートの前半部である。
【図10】後続車両との車間距離、及び道路交通情報に基づいて閑散度合を判定する場合の走行制御処理を示すフローチャートの前半部である。
【図11】先行車両と先々行車両との車間距離、及び道路交通情報に基づいて閑散度合を判定する場合の走行制御処理を示すフローチャートの前半部である。
【図12】後続車両との車間距離に基づいて閑散度合を判定する場合の走行制御処理を示すフローチャートの前半部である。
【図13】先行車両と先々行車両との車間距離に基づいて閑散度合を判定する場合の走行制御処理を示すフローチャートの前半部である。
【図14】第2実施形態における目標車間距離変更速度算出マップである。
【符号の説明】
10F 前方車間距離センサ(前方車間距離検出手段)
10R 後方車間距離センサ(後方車間距離検出手段)
11 車両間通信装置(車両間通信手段)
12 ナビゲーションシステム(道路交通情報取得手段)
13 車速センサ
14 操作スイッチ
15 走行制御用コントローラ
16 道路情報通信システム(道路交通情報取得手段)

Claims (8)

  1. 自車両と先行車両との車間距離を検出する前方車間距離検出手段と、該前方車間距離検出手段で検出される先行車両との車間距離が目標車間距離と一致するように自車速を制御する車速制御手段とを備えた車両用走行制御装置において、
    先行車両の更に前方の交通状況、及び自車両後方の交通状況の少なくとも一方又は双方を検出して道路の閑散度合を判定する閑散度合判定手段と、該閑散度合判定手段で判定された道路の閑散度合に応じて前記目標車間距離を変更する目標車間距離変更手段とを備え
    前記目標車間距離変更手段は、前記閑散度合判定手段が、道路の閑散度合が低いと判断しているときには、目標車間距離を非閑散時用車間距離に設定し、道路の閑散度合が高いと判断しているときには、目標車間距離を前記非閑散時用車間距離よりも長い閑散時用車間距離に設定し、前記閑散度合判定手段が道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断したときには、先行車両と先々行車両との相対速度が接近方向に増加するほど、目標車間距離を前記閑散時用車間距離から前記非閑散時用車間距離に変更する速度を遅くすることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 自車両と先行車両との車間距離を検出する前方車間距離検出手段と、該前方車間距離検出手段で検出される先行車両との車間距離が目標車間距離と一致するように自車速を制御する車速制御手段とを備えた車両用走行制御装置において、
    先行車両の更に前方の交通状況、及び自車両後方の交通状況の少なくとも一方又は双方を検出して道路の閑散度合を判定する閑散度合判定手段と、該閑散度合判定手段で判定された道路の閑散度合に応じて前記目標車間距離を変更する目標車間距離変更手段とを備え
    前記目標車間距離変更手段は、前記閑散度合判定手段が、道路の閑散度合が低いと判断しているときには、目標車間距離を非閑散時用車間距離に設定し、道路の閑散度合が高いと判断しているときには、目標車間距離を前記非閑散時用車間距離よりも長い閑散時用車間距離に設定し、前記閑散度合判定手段が道路の閑散度合が高いと判断している状態から閑散度合が低くなったと判断したときには、自車両と後続車両との相対速度が接近方向に増加するほど、目標車間距離を前記閑散時用車間距離から前記非閑散時用車間距離に変更する速度を早くすることを特徴とする車両用走行制御装置。
  3. 前記閑散度合判定手段は、先行車両が検出する先々行車両との車間距離を当該先行車両との車両間通信で取得する車両間通信手段、又は自車両と後続車両との車間距離を検出する後方車間距離検出手段を備え、前記車両間通信手段で取得する先行車両と先々行車両との車間距離、又は前記後方車間距離検出手段で検出する後続車両との車間距離に基づいて、道路の閑散度合を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  4. 前記閑散度合判定手段は、先行車両が検出する先々行車両との車間距離を当該先行車両との車両間通信で取得する車両間通信手段と、自車両と後続車両との車間距離を検出する後方車間距離検出手段とを備え、前記車両間通信手段で取得する先行車両と先々行車両との車間距離、及び前記後方車間距離検出手段で検出する後続車両との車間距離に基づいて、道路の閑散度合を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  5. 前記閑散度合判定手段は、先行車両が検出する先々行車両との車間距離を当該先行車両との車両間通信で取得する車両間通信手段、又は自車両と後続車両との車間距離を検出する後方車間距離検出手段の何れかと、道路交通情報を取得する道路交通情報取得手段とを備え、前記車両間通信手段で取得する先行車両と先々行車両との車間距離、又は前記後方車間距離検出手段で検出する後続車両との車間距離の何れかと、前記道路交通情報取得手段で取得する道路交通情報とに基づいて、道路の閑散度合を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  6. 前記閑散度合判定手段は、先行車両が検出する先々行車両との車間距離を当該先行車両との車両間通信で取得する車両間通信手段と、自車両と後続車両との車間距離を検出する後方車間距離検出手段と、道路交通情報を取得する道路交通情報取得手段とを備え、前記車間距離情報車両間通信手段で受信取得する先行車両と先々行車両との車間距離、前記後方車間距離検出手段で検出する後続車両との車間距離、及び前記道路交通情報取得手段で取得する道路交通情報とに基づいて、道路の閑散度合を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行制御装置。
  7. 前記道路交通情報取得手段は、ナビゲーションシステム及び道路交通情報通信システムの一方又は双方で構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用走行制御装置。
  8. 前記車速制御手段は、前記閑散度合判定手段が、道路の閑散度合が低いと判断しているときには、目標車間距離に対する自車両の応答特性を決定する制御ゲインを非閑散時用制御ゲインに設定し、道路の閑散度合が高いと判断しているときには、制御ゲインを前記非閑散時用制御ゲインよりも応答性を低める閑散時用制御ゲインに設定することを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の車両用走行制御装置。
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