JP3793470B2 - 給紙機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置等の用紙処理装置に用いられ、収納位置に収納された複数枚の用紙(OHPフィルム等の紙以外のシート体を含む。)を画像形成部等の用紙処理部に1枚ずつ搬送する給紙機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
用紙に対して画像を形成する画像形成装置等の用紙処理装置では、給紙カセット等の収納位置に複数枚の用紙を積層して収納し、収納位置から画像形成部等の用紙処理部に対して1枚ずつ用紙を給紙する給紙機構が用いられている。このような給紙機構として、特に、比較的小型の用紙処理装置に用いられるものは、ピックアップローラと捌き部材とから構成されている。ピックアップローラは、給紙位置に積層して収納された複数枚の用紙のうち最上部に位置する用紙の上面に周面を接触させて回転し、最上部に位置する用紙を収納位置から給紙方向に繰り出す。捌き部材は、用紙給紙方向におけるピックアップローラの下流側に配置され、ピックアップローラの回転よって収納位置から繰り出された複数枚の用紙を分離し、最上部に位置する用紙のみを給紙方向に導く。
【0003】
即ち、収納位置に積層して収納された複数枚の用紙は、静電気力や摩擦力によって互いに吸着している場合があり、回転するピックアップローラの周面との摩擦によって最上部に位置する用紙が繰り出される際に、その下方に位置する用紙も最上部の用紙とともに給紙方向に繰り出される場合があり、これを放置すると2枚以上の用紙が同時に用紙処理部に向けて給紙され、途中の搬送経路中でジャムを発生したり、用紙処理部において適正な処理を行うことができなくなる。このため、ピックアップローラによって収納位置から複数枚の用紙が繰り出された場合にも用紙処理部に向けて1枚の用紙のみを給紙すべく、捌き部材が設けられている。
【0004】
従来の捌き部材は、上側に位置する捌きローラと下側に位置する捌きシートとからなり、捌きローラの周面に対して捌きシートの上面を下方から所定の押圧力によって圧接させて構成されており、給紙方向に回転する捌きローラの周面と捌きシートの上面との間に用紙を通過させる。収納位置から複数枚の用紙が繰り出され、複数枚の用紙が捌きローラの周面と捌きシートの上面との間に達した際に、捌きローラの周面に上面が当接する最上部の用紙のみが捌きローラの周面から作用する摩擦力によって継続的に捌きローラと捌きシートとの間を通過する一方、最上部の用紙の下方に位置する用紙は捌きシートとの当接によって給紙方向への移動を阻止され、捌きローラと捌きシートとの間を通過することができない。これによって、収納位置において最上部に位置していた用紙のみが捌きローラと捌きシートとの間を通過して用紙処理部に給紙される。
【0005】
ところが、収納位置に収納されている用紙の厚み、紙粉量及び水分含有量等の条件に応じて、捌きローラの周面に対する捌きシートの圧接力の適正値が変化し、これらの条件が変化した際に捌きローラの周面に対する捌きシートの上面の圧接力が不足して複数枚の用紙が捌きローラと捌きシートとの間を通過したり、反対に捌きシートの圧接力が過大になって用紙の前端部に折れを生じたり、用紙の給紙タイミングが遅延する等の給紙ミスを発生する場合がある。
【0006】
そこで、従来の給紙機構として、図6に示すように、給紙方向における捌きシート72の下流側に、周面が捌きローラ71の周面に圧接して捌きローラ71の回転に従動する搬送コロ73を備えた構成が提案されている。この構成により、捌きローラ71と捌きシート72との間を複数枚の用紙が通過した場合に、これらの複数枚の用紙がさらに捌きローラ71と搬送コロ73との間を通過しようとする際に、最上部の用紙については回転する捌きローラ71の周面から作用する摩擦力によって確実に捌きローラ71と搬送コロ73との間を通過させるとともに、捌きローラ71との間を最上部の用紙が通過することによって従動回転を停止した搬送コロ73の周面との当接によって最上部の用紙以外の用紙が捌きローラ71と搬送コロ73との間を通過することを確実に阻止し、用紙処理部に対して1枚の用紙をより安定した状態で給紙できるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す従来の捌きローラ71、捌きシート72及び搬送コロ73を含む給紙機構では、捌きローラ71の周面に対して捌きシート72の上面及び搬送コロ73の周面をそれぞれ個別のスプリング74及び75の弾性力によって圧接させていたため、捌きシート72及び搬送コロ73が互いに独立した状態でのみ捌きローラ71の周面に対して移動し、両者の協働した連携によって用紙の給紙ミスを防止することができない問題があった。また、給紙機構内において用紙が停止した状態で用紙処理装置の動作が停止した場合、給紙機構内部から用紙を取り除くためには捌きシート72と搬送コロ73とを捌きローラ71から離間させる必要があるが、一人の作業者によって捌きシート72と搬送コロ73とを個別に捌きローラ71から離間させつつ、給紙機構の内部から用紙を引き抜くことはできず、用紙の破損による資源の浪費を生じる問題があった。
【0008】
この発明の目的は、捌きローラの周面に対して捌きシート及び搬送コロを一体的に動作させることができるようにし、両者の協働した連携によって用紙の給紙ミスを防止することができるとともに、一人の作業者によって捌きシートと搬送コロとを捌きローラから離間させつつ、給紙機構の内部から用紙を引き抜くことができ、資源の浪費を防止できる給紙機構を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)収納位置から給紙された用紙の上面に当接する捌きローラと、捌きローラの周面に下方から圧接する捌きシートと、を備えた給紙機構において、
用紙給紙方向における捌きシートの下流側に周面が捌きローラの周面に圧接する搬送コロを配置するとともに、用紙給紙方向における搬送コロの下流側で搬送コロの回転軸に平行な軸を中心に揺動する単一の揺動部材に捌きシート及び搬送コロを支持し、
前記捌きローラの周面に対する捌きシートの上面の付勢力を、捌きローラの周面に対する搬送コロの周面の付勢力に比較して大きくしたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、上面が捌きローラの周面に圧接する捌きシートと周面が捌きローラの周面に圧接する搬送コロとが、用紙給紙方向における搬送コロの下流側で搬送コロの回転軸に平行な軸を中心に揺動する単一の揺動部材に支持された状態で、用紙給紙方向の上流側から下流側に向かってこの順に配置される。したがって、捌きシート及び搬送コロは揺動部材を介して捌きローラに対して一体的に動作し、捌きローラの周面と捌きシートの上面との間、及び、捌きローラの周面と搬送コロの周面との間をこの順に通過する用紙に対して捌きシート及び搬送コロの分離機能が協働して作用する。また、単一の揺動部材の揺動操作によって捌きシート及び搬送コロの両方が同時に捌きローラの周面に対して離間又は圧接する。
また、捌きローラの周面に対して、捌きシートの上面が搬送コロの周面よりも大きい付勢力で圧接する。したがって、捌きローラの周面と捌きシートの上面との間において十分な用紙の分離機能が発揮され、給紙位置から複数枚の用紙が同時に繰り出された場合に、複数枚の用紙が捌きローラと捌きシートとの間を超えて捌きローラと搬送コロとの間に達する頻度が低くなる。
【0012】
(2)前記捌きシート及び搬送コロは、それぞれ個別の弾性部材の弾性力によって捌きローラの周面側に付勢されることを特徴とする。
【0013】
この構成においては、捌きローラの周面に対する捌きシート上面及び搬送コロ周面の圧接力がそれぞれ個別に設定される。したがって、給紙位置から複数枚の用紙が同時に繰り出された際に、用紙の下面に平板状の上面から摩擦力を作用させて用紙を分離する捌きシートと、用紙の下面に周面から摩擦力を作用させて用紙を分離する搬送コロと、のそれぞれの分離機能に応じた圧接力が設定される。
【0016】
(3)前記捌きシートの用紙給紙方向の延長線が、搬送コロの周面において、捌きローラの回転軸と搬送コロの回転軸とを結ぶ線によって分割された捌きシート側の範囲であって、かつ、この線に直交する搬送コロの直径によって分割された捌きローラ側の範囲に交わることを特徴とする。
【0017】
この構成においては、捌きシートの用紙給紙方向の延長線が、搬送コロの周面における用紙給紙方向に対向する範囲に交わる。したがって、捌きローラと捌きシートとの間を通過した用紙の先端が搬送コロの周面における用紙給紙方向に対向する範囲に当接し、捌きローラと捌きシートとの間を通過した用紙が捌きローラと搬送コロとの間を経由して確実に給紙される。
【0018】
(4)前記搬送コロは、捌きローラよりも硬度が高いことを特徴とする。
【0019】
この構成においては、捌きローラに比較して搬送コロが変形し難くされる。したがって、捌きローラの周面と搬送コロの周面との圧接部分において、捌きローラの周面が捌きローラの回転軸側に凸となるように変形し、捌きローラと搬送コロとの間を通過した用紙の捌きローラの周面への巻き付きが防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態に係る給紙機構を、用紙処理部としての画像形成部を備えた用紙処理装置である画像形成装置に適用した場合を例にあげて説明する。図1は、この発明の実施形態に係る給紙機構が適用される画像形成装置の構成を示す概略図である。画像形成装置100は、上部に画像読取部110、中央部に画像形成部210、下部に用紙給紙部250を配置して構成されている。この画像形成装置100の上面に配置された透明ガラス体の原稿台111上には、原稿セットトレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿台111上へ給送する自動原稿搬送装置112が備えられている。また、画像形成部210の一方の側面に後処理ユニット260が装着されているとともに、用紙給紙部250の下方に載置台を兼ねた多段給紙ユニット270が配置されている。
【0021】
原稿台111の下方に位置する画像読取部110は、第1の走査ユニット113、第2の走査ユニット114、光学レンズ115、光電変換素子であるCCDラインセンサ116を有し、自動原稿搬送装置112との関連した動作により、原稿台111上に載置された原稿の画像を所定の露光位置において相対的に走査して読み取る。第1の走査ユニット113は、原稿面上を露光する露光ランプユニット、及び、原稿からの反射光像を所定の方向に反射させる第1ミラーを搭載している。第2の走査ユニット114は、第1ミラーで反射された原稿からの反射光を光電変換素子であるCCDラインセンサ116に導く第2ミラー及び第3ミラーを搭載している。光学レンズ115は、原稿からの反射光をCCDラインセンサ116の受光面に結像させる。
【0022】
原稿読取部110において読み取られた原稿画像は、画像データとして図示しない画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施された後、画像処理部のメモリに一旦記憶され、出力指示に応じてメモリからよみだされて画像形成部210に転送される。
【0023】
画像形成部210には、感光体ドラム222を所定の電位に帯電させる帯電器223、原稿読取部110又は外部装置から転送された画像データに応じてレーザ光を出射して感光体ドラム222上に静電潜像を形成するレーザ書込ユニット227、感光体ドラム222上に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像に顕像化する現像器224、感光体ドラム222上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写器225、転写工程後の感光体ドラム222上に残留したトナー等を回収するクリーニング器226、転写工程後の感光体ドラム222から用紙を剥離する剥離器229が設けられている。また、画像形成部210には、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧して用紙上にトナー像を定着させる定着ユニット217が設けられている。さらに、定着ユニット217の排出側には、用紙の両面に画像を形成する両面画像形成モード時に用紙の前後を反転させるスイッチバック路221が形成されている。
【0024】
定着ユニット217においてトナー像が定着された用紙は、必要に応じてスイッチバック路221を経て排紙ローラ219にて後処理装置260へと導かれ、ここでステープル処理や穿孔処理等の後処理が施された後、トレイ261上に排出される。
【0025】
用紙給紙部250は、本体側面に装着された手差トレイ254、両面ユニット255、給紙トレイ251と多段給紙ユニット270に備えられた給紙トレイ252,253で構成されている。また、これらの給紙トレイ251〜254がこの発明の収納位置であり、複数枚の用紙を積層して収納する。これらの給紙トレイ251〜254から給紙した用紙を画像形成部210における感光体ドラム222と転写器225との間の転写位置へと搬送するローラ等の搬送手段を備えている。両面ユニット255は、用紙を反転させるスイッチバック路221に通じており、両面画像形成モード時に表裏面が反転された用紙を一時貯留する。なお、両面ユニット255は通常の給紙トレイと交換可能にされている。
【0026】
給紙トレイ251〜254のそれぞれには、ピックアップローラ5、捌きローラ1及び捌きシート2を含む給紙機構が備えられている。ピックアップローラ5は、その周面を各給紙トレイ251〜254において積層して収納された複数枚の用紙のうち、最上部に位置する用紙の上面に選択的に圧接できるようにされている。ピックアップローラ5は、画像読取部110の画像読取処理、及び、画像形成部210の画像形成処理に同期したタイミングで最上部の用紙の上面に圧接して回転し、周面の摩擦力を用紙上面に作用させることによって最上部の用紙を用紙給紙方向に繰り出す。
【0027】
捌きローラ1及び捌きシート2は、用紙給紙方向におけるピックアップローラ5の下流側に位置しており、ピックアップローラ5によって繰り出された用紙を捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間に通過させる。捌きローラ1は、一例として、ピックアップローラ5と共通の駆動モータから回転力の供給を受けて回転する。捌きシート2は、平板状を呈し、上面が捌きローラ1の周面に所定の押圧力で圧接する。なお、後述するように、用紙給紙方向における捌きシート2の下流側には、周面が捌きローラ1の周面に所定の押圧力で圧接する円筒状の搬送コロ3が捌きローラ1の回転軸に平行な回転軸を中心として回転自在に配置されている。このため、搬送コロ3は、捌きローラ1の回転に従動して回転する。
【0028】
図2は、この発明の給紙機構の要部の構成を示す外観図である。この発明の給紙機構10を構成する捌きシート2及び搬送コロ3は、この発明の揺動部材であるホルダ4に支持されている。ホルダ4は、捌きローラ1の下方に配置され、上面に露出したリブ4b,4c,4dによって用紙給紙経路の下側面を構成している。ホルダ4は、矢印A方向の用紙給紙方向の上流側から下流側に向かって、捌きシート2及び搬送コロ3をこの順に支持している。また、ホルダ4は、用紙給紙方向における搬送コロ3の下流側の位置で搬送コロ3の回転軸3aに平行な軸4aを中心に揺動自在にされている。捌きシート2は上面をホルダ4の上面に露出した状態で、搬送コロ3は周面の一部をホルダ4の上面に露出した状態で、それぞれホルダ4に支持されており、前述のように、捌きシート2の上面及び搬送コロ3の周面は捌きローラ1の周面に当接する。
【0029】
図3は、上記給紙機構の要部の概略の側面図である。この発明の給紙機構10は、上述のように、捌きローラ1、捌きシート2、搬送コロ3及びホルダ4を含み、ピックアップローラ5によって収納位置である給紙トレイ251〜254から繰り出された最上部の用紙のみを矢印A方向の用紙給紙方向に導く。即ち、収納位置に積層して収納された複数枚の用紙の紙質や環境条件等によっては用紙同士が強固に吸着している場合があり、このような場合に回転するピックアップローラ5の周面を最上部の用紙の上面に当接させると、最上部の用紙にともなってその下方に位置する単一又は複数の用紙が同時に繰り出されることがある。そこで、この発明の給紙機構10では、捌きローラ1、捌きシート2及び搬送コロ3によって最上部の用紙を下方の用紙から分離し、最上部の1枚の用紙のみを正確に画像形成部210に搬送できるようにしている。
【0030】
このため、給紙機構10には、ホルダ4に固定した捌きシート2をホルダ4とともに捌きローラ1側に付勢するスプリング6、及び、ホルダ4に軸支した搬送コロ3を回転軸3aの端部において捌きローラ1側に付勢するスプリング7を備えている。スプリング6及びスプリング7は、この発明の弾性部材である。ホルダ4は、上述のように、用紙給紙方向における搬送コロ3の下流側で搬送コロ3の回転軸3aに平行な軸4aを中心として、矢印B及びC方向に揺動自在にされている。したがって、ホルダ4は、外力が作用しない限り、スプリング6の弾性力によって捌きシート2とともに捌きローラ1側に付勢されている。
【0031】
以上の構成によって、この実施形態に係る給紙機構では、単一の部材であるホルダ4に支持した捌きシート2の上面及び搬送コロ3の周面を収納位置から繰り出された用紙の用紙給紙方向に沿ってこの順に捌きローラ1の周面に圧接させ、収納位置から同時に繰り出された複数枚の用紙を、捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間、及び、捌きローラ1の周面と搬送コロ3の周面との間の2箇所において分離することができる。これによって、捌きシート2及び搬送コロ3がホルダ4を介して捌きローラ1に対して一体的に動作し、捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間、及び、捌きローラ1の周面と搬送コロ3の周面との間をこの順に通過する用紙に対して捌きシート1及び搬送コロ3の分離機能を協働して作用させることができる。したがって、同時に繰り出された複数枚の用紙同士の吸着力が強く、捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間を複数枚の用紙が通過した場合でも、これらの用紙を再度捌きローラ1の周面と搬送コロ3の周面との間において分離することができるため、最上部に位置する1枚の用紙のみを正確に用紙給紙方向に通過させることができる。
【0032】
なお、捌きローラ1に対する捌きシート2の圧接力は、捌きローラ1に対する搬送コロ3の圧接力よりも強くされている。これによって、捌きローラ1と捌きシート2との間において十分な分離作用が発揮され、収納位置から複数枚の用紙が同時に繰り出された場合にも、捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間を同時に通過する用紙の枚数を確実に減少させることができる。このため、仮に、捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間を同時に複数枚の用紙が通過するとしても、その枚数は十分に少なく、捌きローラ1の周面と搬送コロ3の周面との間において最上部の用紙をその他の用紙から確実に分離することができ、給紙機構10からは最上部に位置する1枚の用紙のみを正確に用紙給紙方向に導くことができる。
【0033】
また、ホルダ4において搬送コロ3の回転軸3aは、搬送コロ3の周面の捌きローラ1の周面との接触部における法線方向の捌きローラ1側の反対側においてはホルダ4に当接していない。即ち、ホルダ4は、搬送コロ3の回転軸3aに対して搬送コロ3を捌きローラ1側に付勢する方向には当接しておらず、捌きシート1とともにホルダ4を捌きローラ1側に付勢するスプリング6の弾性力は搬送コロ3に作用することがない。このため、スプリング6の弾性力をスプリング7の弾性力に比較して大きくすることにより、捌きローラ1に対する捌きシート2の圧接力を、捌きローラ1に対する搬送コロ3の圧接力よりも強くすることができる。
【0034】
図4は、上記給紙機構の要部の動作を説明する概略の側面図である。この発明の給紙機構10において、捌きシート2及び搬送コロ3を支持するホルダ4は、用紙給紙方向における搬送コロ3の下流側に配置された軸4aを中心に矢印B及びC方向に揺動自在にされている。図3に示したように、捌きシート2の上面及び搬送コロ3の周面が捌きローラ1の周面に所定の圧接力で当接する状態から、ホルダ4を矢印B方向に揺動させると、図4に示すように、捌きシート2の上面及び搬送コロ3の周面と捌きローラ1の周面との間に間隙が形成される。
【0035】
このように、捌きローラ1の周面に対する捌きシート2の上面及び搬送コロ3の周面の圧接状態を単一の部材であるホルダ4を揺動操作することのみによって解除することができる。このため、給紙機構10を用紙が通過している間に画像形成装置100の動作が停止された場合等において、給紙機構10内から用紙を取り除く際に、作業者が片方の手でホルダ4を矢印B方向に揺動させ、他方の手で用紙を引き出すことができ、作業性を向上することができるとともに、用紙の破損による資源の浪費を防止することができる。
【0036】
図5は、上記給紙機構における捌きローラ、捌きシート及び搬送コロの配置状態を示す概略の側面図である。この発明の給紙機構10においては、捌きシート2の上面の延長線Laが、搬送コロ3の周面において、捌きローラ1の回転中心及び搬送コロ3の回転中心を結ぶ線L1によって分割された捌きシート2側の範囲で、かつ、線L1に直交する搬送コロ3の直径L2によって分割された捌きローラ1側の範囲である90°の角度範囲に交わるようにされている。
【0037】
この構成により、捌きローラ1の周面と捌きシート2の上面との間を通過した用紙の先端が、搬送コロ3の周面における用紙給紙方向に対向する範囲に当接し、この用紙を捌きローラ1と搬送コロ3との間を確実に通過させることができ、用紙の先端部における紙折れの発生を防止して安定した状態で用紙を画像形成部210に給紙することができる。
【0038】
また、搬送コロ3の硬度は、捌きローラ1の硬度よりも高くされている。このため、搬送コロ3は捌きローラ1に比較して変形し難く、捌きローラ1の周面と搬送コロ3の周面との圧接部分において、捌きローラ1の周面が捌きローラ1の回転軸側(内側)に凸となるように変形する。したがって、捌きローラ1の周面と搬送コロ3の周面との圧接部分においては、捌きローラ1の周面から離間する方向に用紙搬送経路が形成され、捌きローラ1と搬送コロ3との間を通過した用紙の捌きローラ1の周面への巻き付きを防止して、給紙機構10から用紙を確実に給紙することができる。
【0039】
なお、上記の実施形態では、この発明に係る給紙機構が適用される用紙処理装置として画像形成装置を例にあげて説明したが、収納位置に積層して収納された用紙のそれぞれに対して用紙処理部において所定の処理を行う他の用紙処理装置にもこの発明に係る給紙機構を同様に適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0041】
(1)上面が捌きローラの周面に圧接する捌きシートと周面が捌きローラの周面に圧接する搬送コロとを、用紙給紙方向における搬送コロの下流側で搬送コロの回転軸に平行な軸を中心に揺動する単一の揺動部材に支持した状態で、用紙給紙方向の上流側から下流側に向かってこの順に配置することにより、捌きシート及び搬送コロが揺動部材を介して捌きローラに対して一体的に動作し、捌きローラの周面と捌きシートの上面との間、及び、捌きローラの周面と搬送コロの周面との間をこの順に通過する用紙に対して捌きシート及び搬送コロの分離機能を協働して作用させることができる。また、単一の揺動部材の揺動操作によって捌きシート及び搬送コロの両方を同時に捌きローラの周面に対して離間又は圧接させることができ、給紙機構内に停止した用紙を除去する際に、片方の手で引き出すべき用紙を把持した作業者の他方の手によって揺動部材を揺動操作することにより作業を容易に実行することができる。
【0042】
これによって、捌きローラの周面に対して捌きシート及び搬送コロを一体的に動作させ、両者の協働した連携によって用紙の給紙ミスを防止することができるとともに、一人の作業者によって捌きシートと搬送コロとを捌きローラから離間させつつ、給紙機構の内部から用紙を引き抜くことができ、用紙の破損による資源の浪費を防止できる。
【0043】
(2)捌きローラの周面に対する捌きシート上面及び搬送コロ周面の圧接力をそれぞれ個別に設定することにより、給紙位置から複数枚の用紙が同時に繰り出された際に、用紙の下面に平板状の上面から摩擦力を作用させて用紙を分離する捌きシートと、用紙の下面に周面から摩擦力を作用させて用紙を分離する搬送コロと、のそれぞれの分離機能に応じた圧接力を設定することができる。
【0044】
(3)捌きローラの周面に対して、捌きシートの上面を搬送コロの周面よりも大きい付勢力で圧接させることにより、捌きローラの周面と捌きシートの上面との間において十分な用紙の分離機能を発揮させることができ、給紙位置から複数枚の用紙が同時に繰り出された場合に、複数枚の用紙が捌きローラと捌きシートとの間を超えて捌きローラと搬送コロとの間に達する頻度を低くして最上部に位置する1枚の用紙のみを確実に給紙することができる。
【0045】
(4)捌きシートの用紙給紙方向の延長線を、搬送コロの周面における用紙給紙方向に対向する範囲に交わらせることにより、捌きローラと捌きシートとの間を通過した用紙の先端を搬送コロの周面における用紙給紙方向に対向する範囲に当接させることができ、捌きローラと捌きシートとの間を通過した用紙をその先端に紙折れを生じさせることなく捌きローラと搬送コロとの間を経由して確実に給紙することができる。
【0046】
(5)捌きローラに比較して搬送コロを変形し難くすることにより、捌きローラの周面と搬送コロの周面との圧接部分において、捌きローラの周面を捌きローラの回転軸側に凸となるように変形させることができ、捌きローラと搬送コロとの間を通過した用紙の捌きローラの周面への巻き付きを防止して用紙を安定して給紙することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る給紙機構が適用される画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】この発明の給紙機構の要部の構成を示す外観図である。
【図3】上記給紙機構の要部の概略の側面図である。
【図4】上記給紙機構の要部の動作を説明する概略の側面図である。
【図5】上記給紙機構における捌きローラ、捌きシート及び搬送コロの配置状態を示す概略の側面図である。
【図6】従来の給紙機構の要部の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1−捌きローラ
2−捌きシート
3−搬送コロ
4−ホルダ(揺動部材)
5−ピックアップローラ
6,7−スプリング(弾性部材)
10−給紙機構
100−画像形成装置(用紙処理装置)
210−画像形成部(用紙処理部)
2251〜254−給紙トレイ(収納位置)
Claims (4)
- 収納位置から給紙された用紙の上面に当接する捌きローラと、捌きローラの周面に下方から圧接する捌きシートと、を備えた給紙機構において、
用紙給紙方向における捌きシートの下流側に周面が捌きローラの周面に圧接する搬送コロを配置するとともに、用紙給紙方向における搬送コロの下流側で搬送コロの回転軸に平行な軸を中心に揺動する単一の揺動部材に捌きシート及び搬送コロを支持し、
前記捌きローラの周面に対する捌きシートの上面の付勢力を、捌きローラの周面に対する搬送コロの周面の付勢力に比較して大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の給紙機構。 - 前記揺動部材及び搬送コロは、それぞれ個別の弾性部材の弾性力によって捌きローラの周面側に付勢されることを特徴とする請求項1記載の給紙機構。
- 前記捌きシートの用紙給紙方向の延長線が、搬送コロの周面において、捌きローラの回転軸と搬送コロの回転軸とを結ぶ線によって分割された捌きシート側の範囲であって、かつ、この線に直交する搬送コロの直径によって分割された捌きローラ側の範囲に交わることを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙機構。
- 前記搬送コロは、捌きローラよりも硬度が高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給紙機構。
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