JP3792824B2 - 水性ゲル基材の製法およびそれによって得られた水性ゲル基材 - Google Patents

水性ゲル基材の製法およびそれによって得られた水性ゲル基材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルボキシメチルセルロースアルカリ塩を原料とする水性ゲルに関するものであって、例えば、ゲル状保冷剤や、車用芳香剤,室内用芳香剤,トイレ用芳香剤等各種芳香剤の基材成分として用いられる水性ゲル基材の製法およびそれによって得られた水性ゲル基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ゲル状の保冷剤が種々の分野に使用されている。上記ゲル状保冷剤は、冷却作用を奏するゲル状物を密封袋あるいはプラスチック容器に充填してなるものである。上記ゲル状物としては、例えば、グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉にアクリル酸またはアクリルアミドをグラフト重合させたもの等水溶性高分子化合物の高粘度水溶液、もしくは上記水溶性高分子化合物をホウ酸塩等の無機塩または有機系架橋剤により架橋した基材に水を加えることにより得られる含水ゲル状物があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記水溶性高分子化合物の高粘度水溶液は、密封袋の破袋時等において流出し、しかも粘着性を有するために保冷対象物に付着して汚損するという欠点がある。一方、上記グアーガム、ポリビニルアルコールをホウ酸塩で架橋させ水を加えてゲル化させたものは、粘着性は有しないが流動性を有するために、密封袋の破袋等により密封していた内容物であるゲルが流出したり、袋内の形状が変化するため異形のまま凍結されることがあり、断熱材容器への梱包が困難となる等の欠点がある。また、上記グアーガムは、天然成分であることから、その成分中に蛋白質や脂肪等を含有しており、微生物の栄養源となるため、保冷剤製造時または運搬時等に腐敗を生ずる等の欠点がある。さらに、上記ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミドを架橋させ水を加えて得られた含水ゲル状物は、保冷剤として容器に充填した後、経時変化によって重合度の低下が生起する等して商品価値を失ったり、密封袋の破袋時に流出して保冷対象物を汚損するおそれがある。
【0004】
このような欠点を解決するために、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を多価金属イオンを用いて架橋した水性ゲル基材が提案されている。しかしながら、上記カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を多価金属イオンで架橋した水性ゲル基材に水を加えてゲル化させた水性ゲルは、ゲル化速度が遅いため、水性ゲルを袋や容器に充填する際の充填作業性に関して問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、強度が高く保形性に優れ、かつ離水が生じない水性ゲルを得ることのできる水性ゲル基材を効率良く製造することのできる水性ゲル基材の製法およびそれによって得られた水性ゲル基材の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、カルボキシメチルセルロースアルカリ塩にグリオキサールを架橋剤として添加して上記カルボキシメチルセルロースアルカリ塩を架橋反応させた後、上記架橋反応における反応生成物に多価金属塩を架橋剤として添加し、さらに上記反応生成物を架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造する水性ゲル基材の製法を第1の要旨とし、上記水性ゲル基材の製法によって得られた水性ゲル基材を第2の要旨とする。
【0007】
なお、本発明において、カルボキシメチルセルロースアルカリ塩(以下「CMC」と略す)のアルカリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩があげられる。
【0008】
すなわち、本発明は、まず、出発原料となるCMCに架橋剤となるグリオキサールを添加して上記CMCを架橋反応させてグリオキサール架橋処理したCMC(反応生成物)を作製する。ついで、このグリオキサール架橋処理したCMCに架橋剤である多価金属塩を添加して、さらに上記グリオキサール架橋処理したCMCを架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造するという新規の製法である。このようにグリオキサール架橋処理したCMCに多価金属塩を添加することにより、上記CMC中のアルカリイオンと多価金属塩の金属イオンとの置換反応が促進され、通常のCMCを用いてのゲル化の場合よりも、上記水性ゲル基材に水を加えてゲル化させる際のゲル化時間を大幅に短縮することができる。また、グリオキサール架橋処理したCMCを、架橋剤である多価金属塩の添加によって架橋させた場合、得られるゲル基材は分子内で三次元架橋構造を形成するために、これに水を添加して得られる水性ゲルは高い強度を有するようになり、結果、従来よりも保形性に優れた固い水性ゲルが得られる。
【0009】
そして、出発原料となるCMCとして、エーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘度が100〜5000mPa・sを有するものを用いることにより、遅くもなく、また極端に早くもなく適度なゲル化時間の設定が可能となり、上記特定のエーテル化度および1%水溶液粘度の設定とともに、グリオキサールを用いた架橋処理との併用によって、ゲル化時間を好ましいものに制御することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0011】
本発明の水性ゲル基材は、CMCに、架橋剤となるグリオキサールを添加して上記CMCを架橋反応させた後、上記架橋反応における反応生成物(グリオキサール架橋処理したCMC)に、架橋剤となる多価金属塩を添加して、さらに上記反応生成物を架橋反応させることにより得られる。
【0012】
本発明の水性ゲル基材の製法の出発原料となるCMCとしては、特に限定するものではなく従来のCMCがあげられる。なかでも、グリオキサールで架橋処理した後、さらに多価金属塩で架橋して水性ゲル基材を生成するという点を考慮した場合、エーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘度が100〜5000mPa・sを有するCMCを用いることが好ましい。すなわち、エーテル化度が0.5未満では、多価金属塩との置換反応基が少なく、結果、充分なゲル化がなされず目的とするゲル化物が得られ難い。また、エーテル化度が1.5を超えると、多価金属塩との置換反応速度が遅くなり、結果、充分なゲル化がなされず目的とするゲル化物が得られ難いからである。一方、1%水溶液粘度が100mPa・s未満では粘度が低いことにより、粘弾力の強いゲル状物が得られ難く、5000mPa・sを超えると逆に固過ぎる水性ゲルが得られ易く好ましいものではない。
【0013】
なお、上記エーテル化度は、つぎのようにして測定される。すなわち、75℃で3時間真空乾燥した測定対象のCMC粉末約1.0gを精秤し、るつぼ中で灰化する。ついで、これを冷却した後、温水中で灰化物を溶出し、N/10−硫酸50〜80mlを加えて酸性にして煮沸し冷却する。そして、過剰の酸をN/10−水酸化ナトリウムで逆滴定し、灰分中のアルカリ中和に消費された硫酸量よりエーテル化度が求められる。
【0014】
また、上記CMCの1%水溶液粘度は、つぎのようにして測定される。すなわち、300ml共栓付三角フラスコ中にCMC約2.4g精秤して、蒸留水200gを加え、直ちに栓をして激しく三角フラスコを振動させることにより、CMCを小固まりに分散させて放置する。なお、別にCMCの水分を測定しておく。そして、一夜(約18〜20時間)放置した後、水分測定値から下記の式により補正水量を算出して不足の水を補う。
【0015】
【数1】
[試料(g)×〔99−水分(%)〕]−200=補正水量(g)
【0016】
補正終了後、三角フラスコ中に小回転子を入れ、マグネチックスターラーにて5分間攪拌を行い、膨潤状態の液を完全に分散溶解させる。ついで、溶液を250ml容蓋付容器(口径50mm×高さ140mm)に移し蓋をして25℃の恒温槽中に30分間放置する。この後、温度を確認し、この蓋付容器にBM型粘度計、ローター、ガードを取付け3分後の目盛りを読み取る。そして、用いたローターと回転数より係数を乗じた値をCMCの1%水溶液粘度とする。
【0017】
上記グリオキサール架橋処理したCMCをさらに架橋させるために用いられる多価金属塩としては、配合することにより三次元架橋構造を形成することが可能な架橋剤としての作用を奏するものであれば特に限定するものではなく、例えば、アルミニウム化合物,鉄化合物,クロム化合物,亜鉛化合物,バリウム化合物,鉛化合物,銅化合物,スズ化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。特に、安全性、得られる水性ゲルのゲル化強度の面から、経済的にも容易に入手可能なアルミニウム化合物を用いることが好ましい。上記アルミニウム化合物としては、具体的には、カリミョウバン,ナトリウムミョウバン,酢酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,硝酸アルミニウム等があげられる。
【0018】
本発明の水性ゲル基材の製造は、例えば、つぎのようにして行われる。まず、CMCに対して、溶剤とグリオキサールとpH調整剤を溶解した溶液を添加し混合して加熱乾燥させた後室温まで冷却する。この工程によってCMCをグリオキサール架橋処理する。上記工程をより詳しく述べると、CMCへの不均一な付着を抑制し均一化するために、炭素数1〜4程度の低級アルコールに濃度40%のグリオキサールとpH調整剤を溶解した溶液(架橋不溶化薬剤)を、CMCに添加する。添加した後、80〜100℃で1〜2時間加熱乾燥を行う。この加熱乾燥により、上記低級アルコールは除去されて出発原料であるCMCは粉末状になり、架橋剤であるグリオキサールとpH調整剤は均一にCMCに接触して架橋反応が進行しCMCがグリオキサール架橋処理されることとなる。
【0019】
上記工程において用いられる低級アルコールに対して、CMCは不溶性を示すため、上記架橋不溶化薬剤の添加によりCMCは湿潤状態となり、いわゆるCMCのだんご状物が生成されずその使用が好ましい。
【0020】
また、上記pH調整剤としては、特に限定するものではないが、例えば、濃度80〜100%のギ酸等が用いられる。
【0021】
ついで、上記グリオキサール架橋処理したCMCに、前記多価金属塩を添加して均一混合することより架橋反応が進行して水性ゲル基材が得られる。このようにして得られた水性ゲル基材に水を加えることによりゲル化させて水性ゲルが得られる。上記多価金属塩の添加による架橋工程およびこれに水を加えて水性ゲル基材をゲル化させるゲル化工程をより詳しく述べると、上記グリオキサール架橋処理したCMCの水溶液に、架橋剤である多価金属塩を添加し、系全体に粘性が出て均一な液状品となるまで攪拌を続ける。つぎに、所望の形状に成形するための成形型等に仕込みゲル化が進行して所望形状の水性ゲルが得られる。この場合、上記グリオキサール架橋処理したCMCをグリセリン,エチレングリコール,エタノール,その他の親水性有機溶剤を用いて湿潤または分散させて、これを水に溶解させるとともに多価金属塩を添加する方法によっても、最終的に均一な水性ゲルを得ることができる。
【0022】
上記水性ゲル基材の製造工程における、各成分の添加量は、つぎのように設定することが好ましい。まず、グリオキサール架橋処理に用いるグリオキサールの添加量は、40%グリオキサールではCMC100重量部(以下「部」と略す)に対して1〜20部の範囲に設定することが好ましい。また、上記低級アルコールの添加量は、CMC100部に対して10〜100部の範囲に、上記pH調整剤の添加量は、CMC100部に対して0.1〜5部の範囲にそれぞれ設定することが好ましい。
【0023】
さらに、上記多価金属塩の添加量は、グリオキサール架橋処理したCMC100部に対して1〜30部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは2〜10部である。すなわち、多価金属塩の添加量が1部未満では、固形分が少なくゲル形成が充分になされないおそれがあり、逆に多価金属塩の添加量が30部を超えると、その水性ゲル基材に水を加えて形成される水性ゲルが固過ぎて脆くなる傾向がみられるからである。また、上記多価金属塩を添加する際の系、すなわち、グリオキサール架橋処理したCMCが水溶液の場合、多価金属塩の添加量は1〜20重量%に設定することが好ましく、特に好ましくは2〜5重量%である。
【0024】
また、本発明の製法によって得られる水性ゲル基材の優れた特性を損なわない範囲内であれば、上記グリオキサール架橋処理したCMCとともに、通常のCMC,グアーガム,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子化合物を併用することもできる。
【0025】
そして、上記水性ゲル基材の製造において、多価金属塩を添加して水性ゲル基材を得る際に、必要に応じて、防腐剤,着色剤、および、エチレングリコール,プロピレングリコール,グリセリン,ソルビトール等の多価アルコールや、塩化ナトリウム,塩化カリウム,硝酸ナトリウム,硫酸ナトリウム等の塩類を適宜に添加することもできる。
【0026】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0027】
【実施例1〜16】
下記の表1に示す各CMC(出発原料)を準備し、上記CMC100部に対して、メチルアルコール20部、40%グリオキサールを7.5部、88%ギ酸を0.5部添加して、95℃で2時間加熱乾燥することによりグリオキサール架橋処理したCMCを作製した。
【0028】
ついで、上記グリオキサール架橋処理したCMC100部に、下記の表1に示す多価金属塩を同表に示す割合で配合して架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造した。そして、この水性ゲル基材に200mlの水を添加し、攪拌機を取り付けて回転数500rpmで上記CMCが完全に水に溶解するまで攪拌を続けることによりゲル状物を得た。得られたゲル状物の100gを100mlガラス容器(ビーカー)に採取して約16時間室温(25℃)にて放置した。このようにして水性ゲルを製造した。なお、下記の表1中に、水200mlに対するゲル基材の溶解量を併せて示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003792824
【0030】
【比較例1〜16】
グリオキサールを用いた架橋処理を行わずに、そのまま下記の表2に示す各CMC(出発原料)を用いて、上記実施例と同様、多価金属塩による架橋処理を行った。すなわち、下記の表2に示す各CMC100部と、下記の表2に示す多価金属塩を同表に示す割合で配合して架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造した。そして、この水性ゲル基材に200mlの水に添加し、攪拌機を取り付けて回転数500rpmで上記CMCが完全に水に溶解するまで攪拌を続けゲル状物を得た。得られたゲル状物の100部を100mlガラス容器(ビーカー)に採取して約16時間室温(25℃)にて放置した。このようにして水性ゲルを製造した。なお、下記の表2中に、水200mlに対するゲル基材の溶解量を併せて示す。
【0031】
【表2】
Figure 0003792824
【0032】
このようにして得られた各実施例および比較例の水性ゲルについて、その特性(ゲル化時間,ゲル強度,ゲル状態での離水量)を下記に示す方法に従って測定し評価した。その結果を後記の表3および表4に示す。
【0033】
〔ゲル化時間〕
上記水性ゲルの製造時において、各CMC(実施例はグリオキサール架橋処理したCMC、比較例は未処理のCMC)に多価金属塩を配合して水性ゲル基材を製造し、これに200mlの水に投入し、攪拌機による回転数500rpmで上記CMCが完全に溶解するまで攪拌を続けゲル状物を得る工程での、完全に溶解した時点からプリン状のゲル状物が確認された時点までの時間を測定した。
【0034】
〔ゲル強度〕
得られたゲル状物100gを100mlガラス容器に採取して約16時間室温(25℃)にて放置した後のゲル状物を、レオメーターで強度測定した。なお、アダプターは直径10mm粘弾性用を使用した。
【0035】
〔ゲル状態での離水量〕
100mlガラス容器(ビーカー)から各水性ゲルを取り出して、上記ビーカーの底面および内壁に付着している水の有無を確認するとともにその水量を測定した。
【0036】
【表3】
Figure 0003792824
【0037】
【表4】
Figure 0003792824
【0038】
上記表3および表4から、出発原料として同じエーテル化度および1%水溶液粘度のCMCを用いて最終的に得られた水性ゲルを比べた場合、全ての実施例の水性ゲルでは、ゲル化時間が大幅に短縮されており、また、ゲル強度も高くなっている。しかも、ゲル状態からの離水現象も認められなかった。これに対して比較例で得られた水性ゲルは、ゲル化時間が極端に長く、またゲル強度も非常に低く保形性に劣ることがわかる。また、ゲル状態からの離水現象も認められた。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、出発原料となるCMCに架橋剤としてグリオキサールを添加して上記CMCを架橋反応させて反応生成物であるグリオキサール架橋処理したCMCを作製する。ついで、このグリオキサール架橋処理したCMCに架橋剤として多価金属塩を添加し、上記グリオキサール架橋処理したCMCを架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造するものである。このようにグリオキサール架橋処理したCMCに多価金属塩を添加することにより、上記CMC中のアルカリイオンと多価金属塩の金属イオンとの置換反応が促進されるために、通常のCMCを用いてのゲル化の場合と比較すると、上記水性ゲル基材に水を加えて水性ゲル化させる際のゲル化時間を大幅に短縮することができる。したがって、本発明の水性ゲル基材に水を加えて得られた水性ゲルを、密封袋や容器等に充填する際の充填作業性が向上する。さらに、上記グリオキサール架橋処理したCMCを多価金属塩で架橋させた場合、分子内に三次元架橋構造を形成するために、水性ゲル基材に水を加えて最終的に得られる水性ゲルは高い強度を有し優れた保形性を備えたものである。したがって、保冷剤や、各種の芳香剤等の基材として広く利用することができる。
【0040】
そして、上記出発原料となるCMCとして、エーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘度が100〜5000mPa・sを有するものを用いることにより、適度なゲル化時間の設定が可能となり、上記特定のエーテル化度および1%水溶液粘度の設定とともに、グリオキサールを用いた架橋処理との併用によって、ゲル化時間を好ましいものに制御することが可能となる。

Claims (4)

  1. カルボキシメチルセルロースアルカリ塩にグリオキサールを架橋剤として添加して上記カルボキシメチルセルロースアルカリ塩を架橋反応させた後、上記架橋反応における反応生成物に多価金属塩を架橋剤として添加し、さらに上記反応生成物を架橋反応させることにより水性ゲル基材を製造することを特徴とする水性ゲル基材の製法。
  2. 上記多価金属塩が、アルミニウム化合物,鉄化合物,クロム化合物,亜鉛化合物,バリウム化合物,鉛化合物,銅化合物およびスズ化合物からなる群から選ばれた少なくとも一つの多価金属塩である請求項1記載の水性ゲル基材の製法。
  3. 上記カルボキシメチルセルロースアルカリ塩が、エーテル化度0.5〜1.5で、1%水溶液粘度が100〜5000mPa・sを有するものである請求項1または2記載の水性ゲル基材の製法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性ゲル基材の製法によって得られた水性ゲル基材。
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