JP3790224B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、磁気記録媒体へのデータの記録・再生を行なうのに用いられる磁気ヘッドに関する。本明細書でいう「磁気ヘッド」とは、磁界発生用のコイルを備えたデータ記録・再生用のヘッドを意味しており、光磁気ヘッドを含む概念である。また、本明細書でいう「磁気記録媒体」とは、磁気的手段を用いることによりデータの記録および/または再生を行なうことが可能な記録媒体を意味している。したがって、磁気ディスクや光磁気ディスクなどに加え、あらゆる形状を有する磁気的手段によるデータ記録媒体も含む広い概念である。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体へのデータの記録は、磁気ヘッドに備えられたコイルにより発生された記録用磁界の磁束の方向を制御することにより行なわれる。この記録用磁界は、上記コイルに高周波電流が通電されることにより、その磁束の方向が急峻かつ連続的に反転される。磁気記録媒体には、記録用磁界をできる限り効果的に作用させることが好ましく、そのための手段として、高透磁率を有する磁性体膜を磁気ヘッドに具備させる手段がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
従来、このようなデータの記録・再生を行なうための磁気ヘッドの一例として、たとえば図11に示されるような構成のものがある。磁気ヘッドH’は、スライダ80と、スライダ80に搭載された対物レンズ81と、コイル82と、磁性体膜83とを備えている。コイル82は、記録用の磁界を発生させるためのものであって、2つの渦巻状の導体膜82a,82bにより形成されており、絶縁保護の観点から誘電体層86によって覆われている。2つの導体膜82a,82bのそれぞれの内周端部は、接続部84を介して互いに導通接続されている。導体膜82a,82bのそれぞれの外周端部には、コイル82の半径方向に延びる引き出し配線部85a,85bが連接されており、これらに配線部材86a,86bを接続することにより、コイル82に対する外部からの電力供給が行なえるようになっている。磁性体膜83は、高透磁率を有する物質から形成されており、コイル82の下方に配されている。このような構成によれば、コイル82により発生された記録用の磁界が磁性体膜83の下方に漏洩することが抑制され、上記磁界を光磁気ディスクDに向けて効果的に作用させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−51144号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手段においては、次のような不具合があった。
【0006】
光磁気ディスクDへのデータ書込みを磁界変調方式によって行なう場合、コイル82に高周波電流を流すことにより磁界の磁束の方向が切り替えられる。図12に示すように、コイル82に電力供給するための一対の出力端子88a,88bを備えた電源装置88には、高周波電流の方向を急峻にかつ連続的に切り替える機能を具備させる必要がある。そのために、電源装置88が複雑化し、コストアップや、装置の信頼性の低下の要因となる可能性があった。また、より高速な書込み処理の要請に対して、電源装置88による電流の切り替えは、その反転速度が十分でない場合もあった。
【0007】
このような問題を解決するための手段としては、図13に示す構造のコイルを採用することが考えられる。同図に示すコイル91は、2つの導体膜91a,91bにより構成されている。これらの導体膜91a,91bの一端部が端子93に接続されており、端子93は、電源装置(図示略)の負極の端子へと接続されている。導体膜91a,91bの他方の端部94,95は、それぞれが電源装置の正極の端子へと接続されている。端部94側に通電を行なわせると、導体膜91aの中心部には上向きの磁界が発生する。一方、端部95側に通電を行なわせると、コイル91bの中心部に下向きの磁界が発生する。このような構造のコイルを用いれば、電源装置から供給される電流の向きを変化させることなく、コイルにより発生する磁界の方向を反転させることが可能である。つまり、電源装置には高周波電流を発生させる機能を備えるが必要なく、電流の向きを一定として高速反転が可能である。また、電源装置の構成を簡素なものとすることができる。
【0008】
ところが、図13に示す構造のコイル91は、従来技術による磁気ヘッドH’が2本の引き出し配線部85a,85bを備えるのに対して、3本の引き出し配線部を備えており、その数が多い。したがって、図13の構造をそのまま磁気ヘッド用いたのでは、増加した引き出し配線部を設けるためのスペースが必要であり、その分だけ磁気ヘッドの厚みが大きくなる。これに伴って誘電体層86の厚みが増加すると、その形成による応力が増大し、この応力はスライダ80に作用することとなる。スライダ80はたとえばガラスにより形成されているために、上記応力により、スライダ80が反ってしまったり、割れてしまうなどの不具合が生じる虞れがある。従来技術による磁気ヘッドH’は、誘電体層86の形成による応力に対して、スライダ80の強度上の余裕がほとんどなく、誘電体層86の厚みを増加させることは困難である。
【0009】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、磁気ヘッドの厚みの増加を抑制しつつ、データ書込みの高速化を可能とすること、をその課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本願発明によって提供される光磁気ヘッドは、磁気記録媒体に対向して配置される磁界発生用コイルと、上記コイルに通電を行なわせるための複数の引き出し配線部と、上記コイルを挟んで上記磁気記録媒体とは反対側に設けられた磁性体膜と、を備えている磁気ヘッドであって、上記複数の引き出し配線部のうち少なくともつは、上記磁性体膜に形成された切り欠き部を上記磁性体膜の面内方向に通過した構成とされていることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、コイルに接続された複数の引き出し配線部の少なくとも1つは、磁性体膜を設けるためのスペースを利用して設けられた構造となっており、磁気ヘッド全体の厚みが増加することを抑制することが可能となる。したがって、たとえばコイルの反転速度の高速化を図ることを目的として、引き出し配線部の数を増やすような場合であっても、磁気ヘッドの厚みの増加を抑制し、磁気ヘッドが反ったり、割れてしまうなどの不具合を抑制することができる。
【0013】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記コイルは、互いに巻き方向が相違する2つの渦巻状の導体膜が積層し、かつこれら2つの導体膜の各内周端部どうしがつながった構成とされ、上記複数の引き出し配線部としては、上記2つの導体膜の各外周端部に一端が繋がった一対の第1の引き出し配線部と、上記2つの導体膜の各内周端部に一端が繋がった第2の引き出し配線部とが設けられている。
【0014】
上記構成によれば、たとえば一対の第1の引き出し配線部を電源装置の正極の端子へと接続し、第2の引き出し配線部を電源装置の負極の端子へと接続し、かつ電源装置に備えられたスイッチング機能を用いて、一対の第1の引き出し配線部のいずれかに通電することにより、記録用磁界の方向を反転させて、磁界変調方式の書込みを行なうことが可能である。よって、高周波電流を発生可能な電源装置を用いる必要がないために、従来と比較して、電源装置を簡素な構成とすることが可能である。また、上気したスイッチングによれば、データ書込みの高速化を図ることができる。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記第2の引き出し配線部の一部が、上記磁性体膜に形成された切り欠き部を上記磁性体膜の面内方向に通過した構成とされているとともに、上記各第1の引き出し配線部は、上記2つの導体膜と同層に形成されている。このような構成によれば、磁気ヘッドの薄型化を図る点において好適である。
【0016】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記コイルの2つの導体膜に同じ電圧を印加した場合に、これら2つの導体膜による磁界強度が上記磁気記録媒体において同一となるように、上記コイルの2つの導体膜のうち、上記磁気記録媒体から遠い側に位置する一方は、他方よりも巻き数が多くされている。
【0017】
上記構成によれば、データの書込みが行なわれる磁気記録媒体からの距離が異なる導体膜どうしであっても、同じ電圧を印加したときに、それらにより発生される磁界の磁気記録媒体の記録層における強さを等しくすることが可能である。よって、上記電源装置は電圧を調整可能とする必要がなく、簡素な構造とすることができる。また、書込み処理の信頼性の低下を防ぐこともできる。
【0018】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1〜図3は、磁気ヘッドの参考例を示している。
【0021】
まず、図1を参照しながら、参考例としての磁気ヘッドが用いられている磁気情報処理装置の構成の一例について説明する。同図に示す磁気情報処理装置Pは、磁気ヘッドHと、キャリッジ6と、固定光学部7と、電源装置8とを備えた光磁気ディスク装置として構成されている。なお、磁気情報処理装置Pの構成および磁気情報処理装置Pにおける磁気ヘッドHの役割は、後述する本願発明に係る磁気ヘッドの場合も同様である。
【0022】
光磁気ディスクDは、スピンドルSpに支持されており、スピンドルモータMの駆動力により、スピンドルSpを中心として高速回転可能である。光磁気ディスクDの両面のうち、磁気ヘッドHと対向する側の面には記録層40が設けられている。この記録層40の表面は、透光性を有する絶縁保護膜41によって覆われている。
【0023】
キャリッジ6は、光磁気ディスクDの下方に配されており、たとえば図示されていないボイスコイルモータの駆動力によって光磁気ディスクDの半径方向に移動自在である。このキャリッジ6の移動により、光磁気ヘッドHを目的のトラック近傍に配置させるシーク動作がなされる。固定光学部7は、レーザダイオードやコリメータレンズなど(いずれも図示略)を備えており、この固定光学部7から発せられたレーザ光Lは、キャリッジ6に向けて進行し、キャリッジ6に搭載された立ち上げミラー13に到達するように構成されている。固定光学部7には、ビームスプリッタや光検出器(いずれも図示略)も設けられている。
【0024】
アクチュエータ9は、光磁気ディスクDへの記録および再生時における、フォーカス制御およびトラッキング制御を行なうためのものである。このアクチュエータ9は、キャリッジ6に搭載されており、対物レンズ5bが搭載されたレンズホルダ10の上下方向および光磁気ディスクDの半径方向への移動を可能とするものである。
【0025】
図2によく表われているように、磁気ヘッドHは、スライダ1と、このスライダ1に搭載された対物レンズ5aと、コイル2と、磁性体膜3とを備えた光磁気ヘッドとして構成されている。スライダ1は、上下方向に撓み変形可能なサスペンション12に支持されており、光磁気ディスクDに対向して配されている。このスライダ1は、このスライダ1と光磁気ディスクDとの間に流入してくる空気流によりもたらされる、いわゆるくさび効果により、光磁気ディスクDとの間に微小な隙間を隔てて浮上するものである。スライダ1は、たとえば対物レンズ5aと同材質のガラス製であり、その表面には透光性を有する誘電体層4が形成されている。
【0026】
対物レンズ5aは、対物レンズ5bを透過してきたレーザ光Lを集束させ、光磁気ディスクDの記録層40の記録対象部分にレーザスポットを形成するためのものである。
【0027】
コイル2は、誘電体層4の表層近傍部分に埋設されており、第1の導体膜20aと、第2の導体膜20bとを具備して構成されている。第1および第2の導体膜20a,20bは、いずれも渦巻コイルであり、互いの巻き方向が相違する。第1および第2の導体膜20a,20bは、対物レンズ5aを透過してきたレーザ光Lを遮らないように形成され、かつ対物レンズ5aの光軸Aをその中心としている。
【0028】
第1および第2の導体膜20a,20bの間には、導体からなる接続部24が設けられている。第1の導体膜20aの内周端部21aと、第2の導体膜20bの内周端部21bとは、この接続部24を介して互いに導通接続されている。第1および第2の導体膜20a,20bのそれぞれの外周端部22a,22bには、コイル2の半径方向に延びる一対の第1の引き出し配線部25a,25bが連接されている。第2の導体膜20bの内周端部21bには、第2の引き出し配線部25cが連接されている。この第2の引き出し配線部25cは、その一部を磁性体膜3により形成されており、端部21bと磁性体膜3とを接続する配線部25c1と、磁性体膜3に連接されて光磁気ディスクDの半径方向に延びる配線部25c2とを具備して構成されている。これらの第1および第2の引き出し配線部25a〜25cは、第1および第2の導体膜20a,20bに通電を行なわせるための部分であり、誘電体層4の外部まで延びていることにより、それらの各一端部は、誘電体層4の一側面またはスライダ1の一側面において外部に露出している。この露出部分には、第1および第2の引き出し配線部25a〜25cに導通する銅などの金属膜からなる配線部材26a〜26cが接続されており、これらの配線部材26a〜26cを介してコイル2に対する電源装置8からの電力供給が行なえるようになっている。
【0029】
磁性体膜3は、コイル2の下方に配されており、コイル2により発生された記録用磁界の下方への漏洩を抑制し、光磁気ディスクDに対して磁界を効率よく作用させるためのものである。この磁性体膜3は、パーマロイなどの高透磁率を有する物質により形成されており、レーザ光Lを遮らないように、光軸Aをその中心とするリング状である。
【0030】
コイル2を構成する第1および第2の導体膜20a,20b、第1および第2の引き出し配線部25a〜25c、および磁性体膜3などは、半導体製造プロセスと同様なプロセスにより製造することが可能である。第1および第2の導体膜20a,20b、第1および第2の引き出し配線部25a〜25cは、銅などの金属膜を所定形状にパターニングすることにより形成されたものであり、第1および第2の導体膜20a,20bを覆うように誘電体の薄い層が形成される。同様に磁性体膜3も、パーマロイなどの膜をパターニングすることにより形成され、磁性体膜3を覆うように誘電体の薄い層が形成される。このような工程が繰り返されることにより、スライダ1の表面には、積層構造の誘電体層4が形成され、その内部に第1および第2の導体膜20a,20b、第1および第2の引き出し配線部25a〜25cおよび磁性体膜3などが埋設された構造が得られる。
【0031】
図3によく表われているように、電源装置8は、コイル2に電力供給をするためのものであり、一対の正極の端子8a,8bと負極の端子8cとを備えている。一対の第1の引き出し配線部25a,25bは、配線部材26a,26bを介して一対の正極の端子8a,8bへと接続されており、第2の引き出し配線部25cは、負側の端子8cへと接続されている。電源装置8は、スイッチング機能を備えており、正極の端子8a,8bのいずれかに切り替えて通電することが可能とされている。上記スイッチングにより端子8aから通電されたときには、図3(a)に示すように、第1の引き出し配線部25aおよび第2の引き出し配線部25cを介して第1の導体膜20aに対して電力を供給する回路が形成される。この際には、渦巻コイルとされた第1の導体膜20aにより、その中心部において下向きの方向の記録用磁界40が発生する。一方、上記スイッチングにより端子8bから通電されたときには、図3(b)に示すように、第1の引き出し配線部25bおよび第2の引き出し配線部25cを介して第2の導体膜20bに対して電力を供給する回路が形成される。第1および第2の導体膜はその巻き方向が互いに反対とされているために、第2の磁性体膜により発生する記録用磁界40の方向は第1の磁性体膜による磁界の方向と反対であり、上向きとなる。
【0032】
次に、磁気ヘッドHの作用について説明する。
【0033】
光磁気ディスクDへのデータ書込みを磁界変調方式によって行う場合、まず、光磁気ディスクDを回転させることにより、スライダ1を光磁気ディスクDから微小な間隔を隔てて浮上させる。そして、記録層40の記録対象部分にレーザ光Lを連続的に照射することにより、記録層40の温度を上昇させる。一方、コイル2により発生する記録用磁界は、記録データの内容に応じてその方向が切り替えられる。これにより記録層40を構成する磁性体の磁化の向きを制御する。この際、コイル2による記録用磁界の方向の切り替えは、電源装置8に備えられたスイッチング機能により、電源装置8からの電流が第1の導体膜20a,または第2の胴体膜20bのいずれかに適宜通電されることによってなされる。よって、簡素な構造の電源装置を用いて、磁界変調方式によるデータ書込みを行うことが可能であり、コストアップや装置の信頼性の低下を抑制することができる。さらに、従来技術に用いられた、高周波電流を発生させる機能を有する電源装置と比較して、電源装置8に備えられたスイッチングによる電流の反転は、その高速化が可能であり、データ書込みの高速化を図ることができる。
【0034】
また、上述した効果を発揮する電源装置8の採用を可能とするために設けられた第2の引き出し配線部25cは、その一部が磁性体膜3を利用して形成されている。したがって、第2の引き出し配線部25cを設けるために新たなスペースを必要とせず、たとえば、第2の引き出し配線部25cを設けるために誘電体層4を厚くすることもない。よって、磁気ヘッドHの厚みは、従来技術による磁気ヘッドと同等とすることが可能であり、磁気ヘッドHが反ってしまうことや、割れてしまうことなどの不具合の発生を防ぐことができる。
【0035】
図4〜図は、本願発明に係る磁気ヘッドの実施形態を示している。これらの図において、上記参考例と同一または類似の要素には、上記参考例と同一符号を付している。
【0036】
図4〜図7に示す実施形態においては、第2の引き出し配線部25cが、磁性体膜3に形成された切り欠き部を通過する構成とされている。
【0037】
より具体的には、図4に示す構成においては、導体膜20bの内周端部21bに連接された第2の引き出し配線部25cが、磁性体膜3に接続されずに、磁性体膜3を通過して、誘電体層4の外部へと延びている。図5によく表れているように、磁性体膜3は、その一部が分断されて切り欠き部3aが形成されており、この切り欠き部3a内を、第2の引き出し配線部25cが通過している。このような構成によれば、コイル2に供給される電流は、磁性体膜3を流れることがない。したがって、上述した効果に加えて、磁性体膜3における過電流損失を防ぐ効果も得られ、磁性体膜3が高抵抗率を有する材質により形成されている場合などにおいても、発熱などによるエネルギーロスを抑制し、コイル2への電源供給を効率よく行うことができる。
【0038】
図6および図7に示す構成においては、磁性体膜3には、その厚みの半分程度の深さの切り欠き部3bが形成された構造となっている。この切り欠き部3b内を第2の引き出し配線部25cが通過している。このような構成によっても、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0039】
図8に示す実施形態においては、光磁気ディスクDから遠い側の第2の導体膜20bの巻き数が、光磁気ディスクDに近い側の第1の導体膜20aの巻き数よりも多くされている。データ書込みにおいては、発生させるべき記録用磁界の方向により、第1の導体膜20aもしくは第2の導体膜20bのいずれかが、単独で用いられる構成とされている。本実施形態とは異なり、第1および第2の導体膜20a,20bのそれぞれの巻き数が同じである場合には、これらに印加される電圧が同一であるとすると、光磁気ディスクDの記録層40までの距離の差に起因して、記録層40におけるこれら第1および第2の導体膜20a,20bによる記録用磁界の強度が相違することとなる。このような記録用磁界の強度の相違は、データ書込みにおけるエラーの原因となる虞れがある。これに対し、本実施形態によれば、光磁気ディスクDからの距離が遠い位置に配されている第2の導体膜20bの巻き数が、第1の導体膜20aよりも多いために、双方に同じ電圧を印加した場合に、記録層40おける記録用磁界の強さを等しくすることが可能である。よって、書込み処理の信頼性の低下を防ぐことができる。また、電源装置の構成をより簡素にすることができる。
【0041】
図9に示す参考例においては、コイル2は1つの導体膜20aにより形成されている。導体膜20aの内周端部21aに繋がった第2の引き出し配線部25cは、磁性体膜3の一部を利用して形成されている。この構成においては、図10に示すように、従来技術と同様に、記録用磁界の制御は、高周波電流がコイル2に供給されることにより行われており、高周波電流を発生する機能を備えた電源装置8’が用いられている
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本願発明によれば、磁気ヘッドの厚みの増加を抑制しつつ、データ書込みの高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 気ヘッドの参考例を用いた磁気情報処理装置の一例を示す概略説明図である。
【図2】 気ヘッドの参考例を示す要部断面図である。
【図3】 コイルと電源装置とによる磁界の発生の説明図である。
【図4】 本願発明に係る磁気ヘッドの実施形態を示す要部断面図である。
【図5】 図4のV−V線に沿う要部断面図である。
【図6】 本願発明に係る磁気ヘッドの他の実施形態を示す要部断面図である。
【図7】 図6のVII−VII線に沿う要部断面図である。
【図8】 本願発明に係る磁気ヘッドの他の実施形態を示す要部断面図である。
【図9】 気ヘッドの他の参考例を示す要部断面図である。
【図10】 コイルと電源装置とによる磁界の発生の説明図である。
【図11】 従来技術の説明図である。
【図12】 コイルと電源装置による磁界発生の説明図である。
【図13】 磁気発生用コイルの構造の説明図である。
【符号の説明】
H 磁気ヘッド
1 スライダ
2 コイル
3 磁性体膜
3a,3b 切り欠き部
4 誘電体層
5a,5b 対物レンズ
8 電源装置
20a 第1の導体膜
21b 第2の導体膜
25a,25b 第1の引き出し配線部
25c 第2の引き出し配線部

Claims (4)

  1. 磁気記録媒体に対向して配置される磁界発生用コイルと、
    上記コイルに通電を行なわせるための複数の引き出し配線部と、
    上記コイルを挟んで上記磁気記録媒体とは反対側に設けられた磁性体膜と、
    を備えている磁気ヘッドであって、
    上記複数の引き出し配線部のうち少なくとも1つは、上記磁性体膜に形成された切り欠き部を上記磁性体膜の面内方向に通過した構成とされていることを特徴とする、磁気ヘッド。
  2. 上記コイルは、互いに巻き方向が相違する2つの渦巻状の導体膜が積層し、かつこれら2つの導体膜の各内周端部どうしが繋がった構成とされ、
    上記複数の引き出し配線部としては、上記2つの導体膜の各外周端部に一端が繋がった一対の第1の引き出し配線部と、上記2つの導体膜の各内周端部に一端が繋がった第2の引き出し配線部と、が設けられている、請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 上記第2の引き出し配線部の一部が、上記磁性体膜に形成された切り欠き部を上記磁性体膜の面内方向に通過した構成とされているとともに、上記各第1の引き出し配線部は、上記2つの導体膜と同層に形成されている、請求項2に記載の磁気ヘッド。
  4. 上記コイルの2つの導体膜に同じ電圧を印加した場合に、これら2つの導体膜による磁界強度が上記磁気記録媒体において同一となるように、上記コイルの2つの導体膜のうち、上記磁気記録媒体から遠い側に位置する一方は、他方よりも巻き数が多くされている、請求項2または3に記載の磁気ヘッド。
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