JP3887335B2 - 光磁気ヘッドおよび光磁気情報処理装置 - Google Patents

光磁気ヘッドおよび光磁気情報処理装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、光磁気記録媒体へのデータの記録・再生を行なうための光磁気ヘッドおよび、光磁気情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光磁気ヘッドの一例としては、高透磁率を有する磁性体膜を備えたものがある。図8は、そのような光磁気ヘッドの一例を示している。この光磁気ヘッドH’は、スライダ80と、このスライダ80に搭載された対物レンズ81aと、コイル82と、磁性体膜83とを備えている。スライダ80は、このスライダ80と光磁気ディスクDとの間に流入してくる空気流によりもたらされる、いわゆるくさび効果により、光磁気ディスクDとの間に微小な隙間を隔てて浮上するものである。対物レンズ81aは、レンズホルダ85に保持された対物レンズ81bを透過してきたレーザ光Lを集束させ、記録対象部分91にレーザスポットを形成するためのものである。磁性体膜83の中央には、レーザ光を透過させるための孔83aが形成されている。スライダ80の下方には、フォーカシング制御やトラッキング制御のためにレンズホルダ85を移動可能とするアクチュエータ84が配されている。
【0003】
光磁気ヘッドH’においては、コイル82によって発生された記録用磁界88の磁束が高透磁率を有する磁性体膜83に集中することにより、磁性体膜83より下方への記録用磁界88の漏洩が抑制される。さらに、図9(a)に示すように、磁性体膜83に対物レンズ81aの光軸Aを中心とする放射線状の高密度な磁界88aが形成されることにより、光磁気ディスクDの記録対象部分91に記録用磁界88が効果的に集中する。
【0004】
また、従来においては、上記とは異なる光磁気ヘッドとして、磁性体膜の下方に円錐状の追加の磁性体膜を設けたものもある。(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−23257号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手段においては、以下に述べるように、記録処理の信頼性を確保する上で未だ充分とは言えない場合があった。
【0007】
アクチュエータ84は、たとえば一対の永久磁石87とレンズホルダ85に設けられたコイル86との間に発生する磁力を制御することにより、対物レンズ81bの上下方向および光磁気ディスクDの半径方向への移動を可能とするものである。この一対の永久磁石87による磁界は、これらに挟まれた空間だけでなく、アクチュエータ84の外部にも漏洩する。この漏洩磁界89は、光磁気ディスクDの記録対象部分91やその近傍に対して、次のような影響を及ぼす。
【0008】
漏洩磁界89の方向が、記録面Fの法線方向である場合には、磁性体膜83の孔83aを通して記録対象部分91に向けて漏洩されやすい。一方、コイル82によって記録対象部分91に印可される磁界の方向も、記録面Fの法線方向である。したがって、この場合には、漏洩磁界89が記録処理に直接影響し、記録処理の信頼性が低くなり易い。
【0009】
このようなことを防止する手段としては、漏洩磁界89の方向を、記録面Fの法線方向と垂直な方向、つまり、光磁気ディスクDと平行な方向とすることが考えられる。アクチュエータ84の一対の永久磁石87を異なる磁極同士が対向する配置とすることにより、漏洩磁界89の方向を光磁気ディスクDと略平行とすることができる。この場合、漏洩磁界89の磁束は、記録用磁界88と同様に磁性体膜83に集中することとなり、磁性体膜83には、図9(b)に示すような新たな磁界89aが生じる。よって磁性体膜83に生じる磁界は、磁界88aと磁界89aとが重なり合ったものとなり、軸Aを中心とする放射線状の均一な分布とはならない。記録対象部分91における磁界は、理想的には図10に示す曲線94により表されるように軸Aについて対称な磁束密度分布を有することが望ましいが、磁界88a,89aが重なり合うと、図10に示す曲線95により表される非対称な磁束密度分布を有するものとなる。これでは、記録処理において適正に磁化の方向を制御することが困難となり、記録エラーが引き起こされるなど、記録処理の信頼性が低下する。
【0010】
一方、特許文献1においては、磁性体膜の下方に、円錐状の追加の磁性体膜を設けているために、アクチュエータからの漏洩磁界が上記追加の磁性体膜によって遮断されて光磁気ディスク側に漏洩することが抑制される。しかし、上記追加の磁性体膜は円錐形状であるために、光磁気ディスクDと平行とされた漏洩磁界に対しては、磁性体膜の方向が異なるものとなっている。したがって、この円錐形状の磁性体膜に集中した漏洩磁界の磁束は、その方向が歪められることとなる。漏洩磁界の磁束の向きが歪められると、記録面の法線方向の成分を有する磁束が生じる可能性がある。このような磁束は、上記磁性体膜に設けられている孔を通して記録対象部分に漏洩されやすく、やはり記録処理の信頼性が低下する虞れがある。
【0011】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、アクチュエータなどにより発生される外部磁界が記録対象部分に悪影響を及ぼすことを抑制し、記録処理の信頼性を向上させることができる光磁気ヘッドおよび光磁気情報処理装置を提供することをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本願発明の第1の側面によって提供される光磁気ヘッドは、光磁気記録媒体の表面にレーザスポットを形成するための対物レンズと、記録用磁界を発生させるためのコイルと、上記コイルを挟んで上記光磁気記録媒体とは反対側の位置に設けられた第1の磁性体膜と、を備えている光磁気ヘッドであって、上記第1の磁性体膜の外周を囲う第2の磁性体膜を備えており、上記第1および第2の磁性体膜は、高透磁率を有しており、上記第1および第2の磁性体膜には、レーザ光を通過させるためのものであって、その中心が上記対物レンズの光軸および上記コイルの中心と一致する孔がそれぞれに形成されており、上記第1および第2の磁性体膜は、上記対物レンズの光軸方向における位置が互いに同一とされており、かつ固定されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、上記アクチュエータなどからの漏洩磁界の磁束の多くが第2の磁性体膜に集中し、第1の磁性体膜が上記漏洩磁界により磁化されることを抑制することができる。したがって、記録処理の信頼性を向上させることができる。さらに、第2の磁性体膜については、第1の磁性体膜と同層に設けることができるために、これら第1および第2の磁性体膜が嵩張らないようにして、光磁気ヘッドの厚さを、第2の磁性体膜を備えない従来の光磁気ヘッドと同等とすることができる。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記第2の磁性体膜の体積は、上記第1の磁性体膜の体積よりも大きくされている。
【0016】
上記構成によれば、第2の磁性体膜は、第1の磁性体膜と比較して、磁気飽和に至りにくいために、第1の磁性体膜が上記漏洩磁界により磁化されることをさらに抑制することができる。
【0019】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記第1の磁性体膜と上記第2の磁性体膜とは、これらの厚さ方向に直交する面への投影面積が互いに異なる。
【0020】
上記構成によれば、上記第1の磁性体膜と上記第2の磁性体膜の厚みを同一としつつ、上記第2の磁性体膜を上記第1の磁性体膜よりも体積が大きいものとすることができる。
【0021】
本願発明の第2の側面によって提供される光磁気情報処理装置は、本願発明の第1の側面により提供される光磁気ヘッドを備えていることを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、本願発明の第1の側面により提供される光磁気ヘッドについて述べたのと同様な効果が期待できる。
【0023】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】
図1および図2は、光磁気ディスク装置の参考例を示している。図1によく表われているように、本参考例の光磁気ディスク装置Pは、光磁気ヘッドHと、キャリッジ6と、固定光学部7とを備えている。この参考例は、本願発明に係る光磁気ディスク装置と構成要件の一部が異なるものであるが、基本的構成要件が共通しているため、本願発明に係る光磁気ディスク装置の理解を助けるものとして記載する。
【0026】
光磁気ディスクDは、スピンドル8に備えられたスピンドルモータMの駆動力により、図1の仮想線Cを中心として高速回転可能である。光磁気ディスクDの記録層71は、光磁気ディスクDの両面のうち、スライダ1と対向する側の面に設けられている。記録層71の表面は、透光性を有する絶縁保護膜72によって覆われている。
【0027】
キャリッジ6は、光磁気ディスクDの下方に配されており、たとえば図示されていないボイスコイルモータの駆動力によって光磁気ディスクDの半径方向に移動自在である。このキャリッジ6の移動により、光磁気ヘッドHを目的のトラックに対向配置させるシーク動作がなされる。固定光学部7は、レーザダイオードやコリメータレンズなど(いずれも図示略)を備えており、この固定光学部7から発せられたレーザ光Lは、キャリッジ6に向けて進行し、このキャリッジ6に搭載された立ち上げミラー13に到達するようになっている。立ち上げミラー13によって上方に反射されたレーザ光Lは、対物レンズ11bおよび対物レンズ11aに順次入射することにより集束され、これにより記録層71にはレーザスポットが形成される。固定光学部7には、ビームスプリッタや光検出器(いずれも図示略)も設けられており、記録層71によってレーザ光Lが反射されると、この反射光は上記光検出器により検出されるようになっている。
【0028】
アクチュエータ14は、光磁気ディスクDへの記録および再生時におけるフォーカス制御およびトラッキング制御を行なうためのものである。このアクチュエータ14は、キャリッジ6に搭載されており、一対の永久磁石15と、これに対応するようにしてレンズホルダ5に組み込まれたコイル16とを備えている。このアクチュエータ14により、レンズホルダ5は、上下方向および光磁気ディスクDの半径方向の移動が可能とされている。
【0029】
光磁気ヘッドHは、スライダ1と、このスライダ1に搭載された対物レンズ11aと、コイル2と、第1および第2の磁性体膜30,31とを具備して構成されている。スライダ1は、上下方向に撓み変形可能なサスペンション12を介してキャリッジ6に支持されており、光磁気ディスクDに対向して配されている。このスライダ1は、このスライダ1と光磁気ディスクDとの間に流入してくる空気流によりもたらされる、いわゆるくさび効果により、光磁気ディスクDとの間に微小な隙間を隔てて浮上するものである。このスライダ1は、たとえば対物レンズ11aと同材質のガラス製であり、その上面および下面には透光性を有する誘電体層40,41が積層されている。
【0030】
図2によく表われているように、コイル2は、誘電体層40の表層近傍部分に埋設されている。このコイル2は、たとえば2層の導体膜を有する2層構造のものであり、それらの2層の導体膜が渦巻状とされた渦巻コイルである。このコイル2は、対物レンズ11aを透過してきたレーザ光Lを遮らないように形成され、かつ対物レンズ11aの光軸Aをその中心としている。
【0031】
第1の磁性体膜30は、コイル2による記録用磁界50の漏洩を抑制し、光磁気ディスクDの方向に効率よく作用させるためのものである。この第1の磁性体膜30は、コイル2の下方に位置し、光磁気ディスクDに略平行となるように誘電体層40内に埋設されている。上記の機能を効果的に発揮させるためには、第1の磁性体膜30とコイル2とは互いに接近して配されていることが望ましく、その間隔はたとえば10μm程度とされている。この第1の磁性体膜30は、パーマロイなどの高透磁率を有する材料を用いて形成されており、レーザ光を通過させるための孔を中央に有し、光軸Aをその中心とするリング形状である。その厚みは5〜20μm程度である。
【0032】
第2の磁性体膜31は、アクチュエータ14からの磁界の漏洩を抑制するためのものであり、材質は第1の磁性体膜と同様にパーマロイなどを用いて形成されている。形状も第1の磁性体膜と同様のリング形状である。この第2の磁性体膜31は、誘電体層41により覆われるようにしてスライダ1の下面側に設けられており、光磁気ディスクDと略平行である。この第2の磁性体膜31は、第1の磁性体膜30よりもその厚みが厚くされていることにより、第1の磁性体膜30よりも体積が大きくされている。そのため、第2の磁性体膜31は第1の磁性体膜30より磁気飽和に至りにくく、より強い磁界を遮断することができるという性質を備えている。なお、本願発明においては、第1および第2の磁性体膜30,31の厚みを同一にしつつ、これらの水平面への投影面積を相違させることにより、第2の磁性体膜31を第1の磁性体膜30よりも体積が大きいものとすることもできる。
【0033】
コイル2を構成する2層の導体膜、第1および第2の磁性体膜30,31などは、半導体製造プロセスと同様なプロセスにより製造することが可能である。コイル2を構成する2層の導体膜は、銅などの金属膜を所定形状にパターニングすることにより形成されたものであり、このコイル2を覆うように誘電体の薄い層が形成される。同様に、第1および第2の磁性体膜30,31も、パーマロイなどの膜をパターニングすることにより形成し、これらを覆うように誘電体の薄い層が形成される。このような工程が繰り返されることにより、スライダ1の表面には、誘電体の層が積層され、その内部にコイル2や第1および第2の磁性体膜30,31が埋設される。
【0034】
次に、光磁気ディスク装置Pの作用について、以下に説明する。
【0035】
光磁気ディスクDへの記録を磁界変調方式によって行なう場合、まず、光磁気ディスクDを回転させることにより、スライダ1を光磁気ディスクDから微小な間隔を隔てて浮上させる。そして、記録層71の記録対象部分71aにレーザ光Lを連続的に照射することにより、記録層71の温度を上昇させる。一方、コイル2には高周波電流を流して、記録用磁界50の方向を切り替えることにより、記録対象部分71aの磁化の方向を切り替える。これにより、記録層71を構成する磁性体の磁化の向きを制御する。
【0036】
このような記録処理時において、コイル2の直下に位置する第1の磁性体膜30により、記録用磁界50がこの第1の磁性体膜30の位置において遮断され、第1の磁性体膜30の内部には、光軸Aを中心とした放射線状で、かつ高密度な磁界が形成される。
【0037】
一方、一対の永久磁石15は、反対の磁極どうしが向かい合う配置となっていることにより、光磁気ディスクDと略平行な方向の漏洩磁界51が生じる。この漏洩磁界51は、スライダ1および光磁気ディスクDにも及ぶ。ただし、第2の磁性体膜31は、スライダ1の下面側に位置し、かつ高透磁率を有するために、第2の磁性体膜31により漏洩磁界51はこの第2の磁性体膜31の位置において遮断される。この第2の磁性体膜31は、第1の磁性体膜30と比較して、その体積が大きく、磁気飽和に至りにくいために、漏洩磁界51が、第2の磁性体膜31が磁気飽和に至ることによりさらに上方に漏洩することを効果的に抑制する。
【0038】
第1の磁性体膜30は、第2の磁性体膜31の上方に位置するために、漏洩磁界51によってはほとんど磁化されない。したがって、第1の磁性体膜30に形成された放射線状の高密度な磁界はほとんど乱されることがない。記録対象部分71aにおいては、光軸Aを中心とした対称な磁束密度分布が得られ、均一な磁界が形成されるために、記録層71の所定の磁性体の磁化の向きを適切に制御することが可能である。
【0039】
さらに、第2の磁性体膜31と漏洩磁界51とは、ともにその方向が光磁気ディスクDと略平行であり、第2の磁性体膜31の内部およびその周辺においても、漏洩磁界51の方向は、光磁気ディスクDに略平行に保たれる。そのために、記録面Fの法線方向の成分を有する磁束の発生が抑制され、漏洩磁界51による記録対象部分71aにおける磁界への直接的な影響が、好適に抑制される。よって、記録エラーなどの発生が抑制され、記録処理の信頼性を向上させることができる。
【0040】
参考例においては、対物レンズ11bの移動を制御するためのアクチュエータ14からの漏洩磁界に対する作用について述べているが、本参考例の作用はこれに限らず、光磁気ディスク装置に設けられる、種々の磁気回路からの漏洩磁界に対して、上述したのと同様の効果が得られる。
【0041】
図3および図4は、光磁気ディスクヘッドの他の参考例を、図5は、本願発明に係る光磁気ヘッドの実施形態の一例を示している。これらの図において、上記参考例と同一または類似の要素には、上記参考例と同一符号を付している。これらの構成における光磁気ヘッドは、上記参考例における光磁気ヘッドと同様の要素により構成されており、第2の磁性体膜の構成が上記参考例とは異なっている。それぞれの例について、以下に述べる。
【0042】
図3に示す参考例においては、第2の磁性体膜31が、第1の磁性体膜30とともに誘電体層40内に埋設されている点が、上記参考例とは異なっている。このような構成によれば、スライダ1の下面に第2の磁性体膜31やこれを覆うための誘電体層41を設ける場合よりも、光磁気ヘッドHを簡素な構造とすることができる。
【0043】
図4に示す参考例においては、第2の磁性体膜31として、2つの磁性体膜31a,31bが設けられている。本参考例によれば、第2の磁性体膜31を1つだけ設ける場合と比較して、第2の磁性体膜31のトータルの体積を、容易に大きくすることができる。特に、磁性体膜を半導体プロセスにより形成する場合には、同一のプロセスを2回繰り返すことによって2つの磁性体膜31a,31bを簡単に形成可能であり、第2の磁性体膜31の体積を大きくする場合に好適である。また、漏洩磁界51を2つの磁性体膜31a,31bによって二重に遮断する効果が得られ、漏洩磁界51が第1の磁性体膜30に向けて漏洩することをさらに抑制することができる。
【0044】
図5に示す実施形態においては、第2の磁性体膜31の内径が第1の磁性体膜30の外径よりも大きくされ、第2の磁性体膜31が、第1の磁性体膜30の外周を囲むように配されている点が、上記実施形態とは異なっている。これら第1および第2の磁性体膜30,31は、同層(スライダ1の表面からの高さが同一の層)に形成されている。本実施形態においては、第1の磁性体膜30を囲っている第2の磁性体膜31により、漏洩磁界51が遮断される。図6に示されるように、第2の磁性体膜31には、その内側に位置する第1の磁性体膜30を迂回するような磁界51aが形成される。このために、漏洩磁界51によっては第1の磁性体膜30は磁化されず、放射状の磁界50aは維持される。このような構成によれば、第1および第2の磁性体膜30,31どうしが上下方向に嵩張らないようにし、光磁気ヘッドHの厚さを、第2の磁性体膜を備えない従来の光磁気ヘッドと同等とすることができる。
【0045】
本願発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。
【0046】
上述した実施形態においては、第1および第2の磁性体膜はレーザ光を通過させるための孔を中央に有するリング状とされているが、本願発明はこれに限らない。C字状などの一部切り欠きリング状でもよい。また、その外形は円形状に限らず、楕円形、矩形、多角形などあらゆる形状にすることができる。さらに、複数の微小な磁性体膜がリング状に配されるなどして1つに纏ったものとして構成されていても構わない。
【0047】
上記実施形態における光磁気ヘッドは、浮上式のスライダを用いて構成されているが、本願発明はこれに限らない。図7に示すように、近接アクチュエータを用いて構成された光磁気ヘッドにも、本願発明を適用することができる。同図に示す光磁気ヘッドHは、アクチュエータ14により昇降およびディスク半径方向への移動が可能とされたホルダ5に、コイル2や第1および第2の磁性体膜30,31が形成された基板1Aと、2つの対物レンズ11a,11bとが搭載された構成を有している。
【0048】
本願発明でいう光磁気記録媒体とは、光磁気ディスクに加え、カード状などのものも含む概念である。したがって、本願発明でいう光磁気情報処理装置とは、光磁気ディスク装置に限定されない。
【0049】
(付記1) 光磁気記録媒体の表面にレーザスポットを形成するための対物レンズと、記録用磁界を発生させるためのコイルと、上記コイルを挟んで上記光磁気記録媒体とは反対側の位置に設けられた第1の磁性体膜と、
を備えている光磁気ヘッドであって、
上記第1の磁性体膜を挟んで上記光磁気記録媒体とは反対側の位置に、上記光磁気記録媒体と略平行に設けられた第2の磁性体膜を備えていることを特徴とする、光磁気ヘッド。
(付記2) 光磁気記録媒体の表面にレーザスポットを形成するための対物レンズと、記録用磁界を発生させるためのコイルと、上記コイルを挟んで上記光磁気記録媒体とは反対側の位置に設けられた第1の磁性体膜と、
を備えている光磁気ヘッドであって、
上記第1の磁性体膜の外周を囲うように配された第2の磁性体膜を備えていることを特徴とする、光磁気ヘッド。
(付記3) 上記第2の磁性体膜は、上記光磁気記録媒体と略平行に設けられている、付記2に記載の光磁気ヘッド。
(付記4) 上記第2の磁性体膜の体積は、上記第1の磁性体膜の体積よりも大きくされている、付記1ないし3のいずれかに記載の光磁気ヘッド。
(付記5) 上記第2の磁性体膜としては、複数の磁性体膜が設けられている、付記1ないし3のいずれかに記載の光磁気ヘッド。
(付記6) 付記1ないし5のいずれかに記載の光磁気ヘッドを備えていることを特徴とする、光磁気情報処理装置。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本願発明に係る光磁気ヘッドによれば、第2の磁性体膜がアクチュエータなどからの漏洩磁界を効果的に遮断し、第1の磁性体膜がこの漏洩磁界により磁化されることがない。また第2の磁性体膜は上記漏洩磁界の方向を乱すことがなく、この漏洩磁界が記録対象部分における磁界に直接影響することを抑制することが可能である。そのために、光磁気ディスクの記録対象部分における磁界の劣化が抑制され、記録処理の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気ディスク装置の参考例を示す概略説明図である。
【図2】 図1の要部断面図である。
【図3】 磁気ヘッドの他の参考例を示す要部断面図である。
【図4】 磁気ヘッドの他の参考例を示す要部断面図である。
【図5】 本願発明に係る光磁気ヘッドの例を示す要部断面図である。
【図6】 図5のVI−VI線に沿う要部断面図である。
【図7】 磁気ディスク装置の他の参考例を示す要部断面図である
【図8】 従来技術の説明図である。
【図9】 (a)は記録用磁界により磁化された場合の、図8のIX−IX線に沿う要部断面図であり、(b)は漏洩磁界により磁化された場合の、図8のIX−IX線に沿う要部断面図である。
【図10】 光磁気ディスクの記録箇所における磁界の磁束密度分布の説明図である。
【符号の説明】
D 光磁気ディスク
H 光磁気ヘッド
P 光磁気ディスク装置
1 スライダ
2 コイル
5 レンズホルダ
11a,11b 対物レンズ
14 アクチュエータ
30 第1の磁性体膜
31 第2の磁性体膜

Claims (4)

  1. 光磁気記録媒体の表面にレーザスポットを形成するための対物レンズと、記録用磁界を発生させるためのコイルと、上記コイルを挟んで上記光磁気記録媒体とは反対側の位置に設けられた第1の磁性体膜と、
    を備えている光磁気ヘッドであって、
    上記第1の磁性体膜の外周を囲う第2の磁性体膜を備えており、
    上記第1および第2の磁性体膜は、高透磁率を有しており、
    上記第1および第2の磁性体膜には、レーザ光を通過させるためのものであって、その中心が上記対物レンズの光軸および上記コイルの中心と一致する孔がそれぞれに形成されており、
    上記第1および第2の磁性体膜は、上記対物レンズの光軸方向における位置が互いに同一とされており、かつ固定されていることを特徴とする、光磁気ヘッド。
  2. 上記第2の磁性体膜の体積は、上記第1の磁性体膜の体積よりも大きくされている、請求項1に記載の光磁気ヘッド。
  3. 上記第1の磁性体膜と上記第2の磁性体膜とは、これらの厚さ方向に直交する面への投影面積が互いに異なる、請求項1または2に記載の光磁気ヘッド。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の光磁気ヘッドを備えていることを特徴とする、光磁気情報処理装置。
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