JP3788229B2 - 透過型スクリーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面投射型プロジェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンに係わり、さらに具体的には温度・湿度変化での反りを防止した透過型スクリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶パネル等の映像投射装置からの映像を背面からスクリーン上に拡大投射して、映像を観察する背面投射型プロジェクションテレビに用いられる透過型スクリーンは、図3(a)に示すように、映像光の投射側より、フレネルレンズシート40、レンチキュラーレンズシート50を順次配設したスクリーンが用いられていた。レンチキュラーレンズシートは、種々の構成のものが用いられているが、一例として、図3(b)は、図3(a)の透過型スクリーンをA−A´線断面図であり、図に示すように、基材52上に設けられたレンチキュラーレンズ部51と、基材54に拡散剤55を混入した拡散板からなる構成のレンチキュラーレンズシート50が用いられている。
フレネルレンズシート40は、映像投射装置からの映像光を観察者のいる方向に向ける作用をし、画面全体を均一に明るくするために用いられる。一方、水平方向に映像光を屈折させる作用を持つシリンドリカルレンズ群を配列したレンチキュラーレンズシートは、観察者のいる左右方向に映像投射装置からの映像光を屈折拡散させる作用をし、水平方向の視野角すなわち観察領域を広げ、多くの人が観察できるようにするために用いられる。また、拡散板は、垂直方向に映像光を拡散させる効果を有すると同時にスクリーン上に映像を結像させるために用いられる。
【0003】
また、コントラスト向上のために、レンチキュラーレンズシートの観察側の平坦面に映像光の通過しない非集光部の領域に外光を吸収するストライプ状の遮光層53が並設されている。
【0004】
従来の透過型スクリーンに用いられる拡散板は、その基材54がアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂等のいずれかの樹脂からなり、上記樹脂を板状に成形する際に、粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等の拡散剤55を練り込む方法や、上記拡散剤55を塗料化して板に塗布形成して拡散層を設ける方法等によって製造されていた。
【0005】
通常、上記拡散板とレンチキュラーレンズシートとは、レンチキュラーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面と拡散板とが積層されている。
【0006】
図3(c)は従来の透過型スクリーンを装着した背面投射型プロジェクションテレビ装置の断面図である。図に示すように、背面投射型プロジェクションテレビ装置60のキャビネット63内には液晶パネル等の映像投射装置61が収納され、この映像投射装置からの映像光が反射ミラー62を介してリア側より、フレネルレンズシート40とレンチキュラーレンズシート50とからなる透過型スクリーン2に投射される。スクリーン2はキャビネットのフラットな取り付け部(図示せず)に取り付けられている。
【0007】
しかしながら、キャビネット63内外の温度差や湿度差によって、キャビネットの取り付け部に取り付けられた上記透過型スクリーン2が、特にレンチキュラーレンズシート50中心部が膨らんで外側(観察側に凸状に)に反り、レンチキュラーレンズシート50とフレネルレンズシート40の間に間隙Sが生じ、焦点ぼけ、色再現性の低下、2重像といった現象による映像の画質が低下するという問題があった。
【0008】
上記の問題を解消するために、一例として、図4に示すように、スクリーンをキャビネットの取り付け部70が、その前面に上下側取り付け面(71,72)と左右側取り付け面(73,74)とを有し、上下側取り付け面(71,72)はフラットな面として構成されているが、左右側取り付け面(73,74)は上端部から中央部分に向かうに従って徐々に内側に傾斜する傾斜面(傾斜角θ)として構成された取り付け部に強制的にスクリーンを内側に反った状態で取り付ける方法が提案されているが、キャビネット内外の温度差や湿度差が特に大きい場合には、やはりスクリーン中央部が外側に膨らむという問題があった。
【0009】
また、上記の問題を解消するための別の方法として、レンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートを成形した後、例えば材質がアクリル樹脂の場合、内部温度60℃の部屋で反らしたまま放置し、アニールすることによって、図5に示すように、予め投射側に凸状に反らしたレンチキュラーレンズシート90とフレネルレンズシート80を、レンチキュラーレンズシート90の方がフレネルレンズシート80よりも大きく反るように予め成形した後、両シート同士が全面にわたって密着するように重ね合わせたスクリーン3をキャビネットのフラットな取り付け部に装着・固定する方法が提案されている。しかしながら、上記の予めシートを反らす方法は、シートの内部応力を充分に取り除いてシートの中心部が膨れないようにすることは困難であって、歩留まりが悪く製造上大きな問題となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、環境の温度・湿度変化によりスクリーン特にスクリーンを構成するレンチキュラーレンズシートの中央部が膨らむことのない高画質の映像を観察できる透過型スクリーンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1に係る発明は、
映像光の投射側より、フレネルレンズシートと、レンチキュラーレンズシートとを順次配置してなる透過型スクリーンにおいて、
前記レンチキュラーレンズシートが、透明基材(A)の片面にシリンドリカルレンズが並設されてなるレンズ部と、基材(B)に拡散剤が混入されてなる拡散板と、透明基材(C)とからなり、レンズ部と反対側の基材(A)平坦面と基材(B)と基材(C)とがこの順に一体に積層されてなり、
前記レンチキュラーレンズシートのレンズ部が、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂の硬化物からなると共に、
前記基材(A)の線膨張係数をα A 、基材(B)の線膨張係数をα B 、基材(C)の線膨張係数をα C と表したとき、α B が、α A およびα C よりも大きく、かつ前記基材(A)の厚さをt A 、基材(B)の厚さをt B 、基材(C)の厚さをt C と表したとき、t B が、t A およびt C よりも大きいことを特徴とする透過型スクリーンである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例としての実施の形態について、図に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1(a)は、本発明の透過型スクリーンの構成の一例を示した斜視図である。
図1(b)は、図1(a)に示した本発明の透過型スクリーンのA−A´線断面図であって、スクリーンの構成を詳細に示したものである
本発明の透過型スクリーン1は、映像光の投射側より、フレネルレンズシート10と、レンチキュラーレンズシート20とを順次配置してなる透過型スクリーンであって、レンチキュラーレンズシート20は、図1(b)に示すように、透明基材(A)22の片面にシリンドリカルレンズが並設されてなるレンズ部21と、基材(B)24に拡散剤25が混入されてなる拡散板と、透明基材(C)26からなり、レンズ面と反対側の基材(A)の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層23が並設されており、レンズ部と反対側の基材(A)平坦面と基材(B)と基材(C)とがこの順に一体に積層されたレンチキュラーレンズシート20であることを特徴とするものである。
【0018】
図1(c)は、本発明の透過型スクリーンを取り付けた背面投射型プロジェクションテレビ装置を示す断面図である。
図1(c)に示すように、上記テレビ装置60は、箱状のキャビネット63内には映像投射装置61が収納されている。キャビネットの後方開口部はミラーカバーで覆われ、このミラーカバー内に反射ミラー62が配置されている。また、キャビネットの前面側には長方形状の開口部が形成され、この開口部の全周囲にフラットな取り付け部(図示せず)が設けられており、その取り付け部にフレネルレンズシート10と、レンチキュラーレンズシート20とからなる透過型スクリーン1を装着・固定される。
【0019】
本発明の透過型スクリーンにおいて、レンチキュラーレンズシート20を構成する基材(A)の線膨張係数をαA、基材(B)の線膨張係数をαB、基材(C)の線膨張係数をαCと表したとき、より一層望ましくはαAとαC等しい場合であって、αBが、αAおよびαCよりも大きい関係を満たし、かつ基材(A)の厚さをtA、基材(B)の厚さをtB、基材(C)の厚さをtCと表したとき、tBが、tAおよびtCよりも大きい関係を満たすことによって、キャビネット内外の温度差や湿度差が生じても、スクリーン特にスクリーンを構成するレンチキュラーレンズシートの中心部が膨らんで外側(観察側に凸状)に反ることがなく、スクリーンがほぼフラットな(または投射側に凸状に若干反った)状態が保持され、映像画質に優れた透過型スクリーンを実現できることを特徴とするものである。
上記、
【0020】
本発明の透過スクリーンにおいて、拡散板として機能する拡散剤25が混入されている基材(B)24としては、ポリスチレン樹脂(6〜8)、アクリル樹脂(7〜8)、アクリル−スチレン共重合樹脂(6〜7)、ポリカーボネート樹脂(7)、塩化ビニル樹脂(5〜18.5)等のシート状基材が挙げられる。なお、上記樹脂の線膨張係数(単位×10―5cm/cm/℃)を括弧内に示した。基材の厚さは1〜2mm程度が望ましいが、特に限定されるものではない。
【0021】
上記拡散剤としては、通常、粉末ガラス、微粉砕ガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム、各種粘土等の無機微粉末または架橋重合体樹脂微粒子等が挙げられる。拡散剤の種類、拡散剤の混入量は必要に応じて適宜設定されるもので、特に限定されるものではない。
【0022】
また、本発明の透過スクリーンにおいて、レンズ部を形成する透明基材(A)22および透明基材(C)26としては、上記拡散剤25が混入されている基材(B)24の線膨張係数よりも小さい線膨張係数を持つ基材であれば特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂(1〜5)フィルムまたはシート状基材が好適に用いられる。上記ポリエステル樹脂の線膨張係数(単位×10―5cm/cm/℃)を括弧内に示した。上記透明基材(A)および(C)の厚さは1mm以下が望ましいが、前記基材(B)の厚さよりも薄い厚さであれば良く、特に限定されるものではない。
【0023】
本発明の透過スクリーンにおいて、レンチキュラーレンズシートのレンズ部が、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の硬化物からなることを特徴とするものであり、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂は、代表的なものとしては、分子中にアクリロイル基を有する紫外線硬化型樹脂であり、エポキシアクリレート系,ウレタンアクリレート系,ポリエステルアクリレート系,ポリオールアクリレート系のオリゴマー、ポリマーと単官能・2官能・あるいは多官能重合性(メタ)アクリル系モノマー、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリプロピレングリコールジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリトリトールトリアクリレート,ペンタエリトリトールテトラアクリレートなどのモノマー、オリゴマー、ポリマーなどの混合物が使用される。
【0024】
また、放射線硬化型樹脂に配合されるものとして、光重合開始剤、例えばベンゾフェノン,ジエチルチオキサントン,ベンジルジメチルケタール,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン,1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン,2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリフォリノプロパン−1,アシルホスフィンオキサイドなどがあるが、光重合開始剤は100%反応するわけではなく、未反応のものが成形されたレンズの性能に悪影響を及ぼすことから、0.1〜7重量%の範囲、好ましくは0.5〜5重量%で、未硬化部が残らない程度に添加量をとどめるべきである。
【0025】
また、必要に応じて、希釈剤が用いられることもあり、有機溶剤、例えばアセトン,エタノール,メタノール,酢酸エチル,クロロホルム,四塩化炭素,テトラヒドロフラン,シクロヘキサン,ジエチルエーテル,メチルエチルケトン,トルエン,ベンゼンなどが使用される。
【0026】
さらに、その他添加されるものとして、紫外線吸収剤,光安定剤,界面活性剤,消泡剤,帯電防止剤,酸化防止剤,難燃剤などがあるが、これらの添加剤は、成形されるレンズの性能に悪影響を及ぼさないものや、悪影響を及ぼさない程度の添加量でなければならない。
【0027】
上記紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の硬化物からなるレンチキュラーレンズシートのレンズ部を形成する方法は、一例として、上記の紫外線または電子線硬化性樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、基材をエンボスロール金型に供給して、該基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを基材に重合接着せしめる方法等によって製造できる。生産性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。
【0028】
また、本発明の透過型スクリーンにおいて使用されるレンチキュラーレンズシート20は、レンズ面と反対側の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層23が配列されていることを特徴とするものである。
上記ストライプ状の遮光層は、粘着性の紫外線硬化型樹脂が、紫外線の照射によって硬化して非粘着性となることを利用して設ける下記の方法によるのが望ましいが、特に限定されるものではない。
【0029】
遮光層を形成する方法の一例として、レンチキュラーレンズシートのレンズ面と反対側の平坦面に、紫外線硬化型樹脂層を形成する。レンズ側からレンチキュラーレンズシートの平坦面に形成した紫外線硬化型樹脂層に対して各々のレンチキュラーレンズ群を介して、紫外線を垂直に照射して、各レンチキュラーレンズ群によって集光された部分の前記樹脂を硬化させて非粘着性とした後、粘着性の前記樹脂の未硬化部分にのみ黒色の着色剤を付着させることにより遮光層が形成される。
【0030】
着色剤として黒色微粉体トナーを、未硬化部分にのみに選択的に付着させることもできる。また、黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ層を未硬化部分にのみに選択的に付着させることもできる。
【0031】
上記の露光プロセスによれば、各レンチキュラーレンズに対しては、レンズ側からレンチキュラーレンズシートの全面に平行光を一括的に照射することになる。
従って、形成される遮光層は、実際のレンチキュラーレンズシートへの紫外線の照射による非集光部に対してであり、真に遮光層の形成が必要な箇所、すなわち映像光の通過しない領域に、確実な位置精度で形成できる。
【0032】
透明基材(A)の片面にシリンドリカルレンズが並設されてなるレンズ部と反対側の基材(A)の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層を設けた面と、基材(B)に拡散剤が混入されてなる拡散板と、透明基材(C)とを実質的に透明性を損なわない光学用接着剤または粘着剤を用いて積層して一体としたレンチキュラーレンズシートが得られる。
【0033】
一方、本発明の透過スクリーンにおいて用いられるフレネルレンズシート10は、その材質および製造方法が特に限定されるものではなく、一例として、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂等の基材を加熱し、熱溶融状態で平プレスにて、金型を用いて型押しする方法等の公知慣用の方法で製造できる。
【0034】
本発明の透過型スクリーンは、前記基材(C)26の観察側の最外面にハードコート処理、帯電防止処理及び反射防止処理のいずれか少なくとも1種類の表面処理が施されていることを特徴とするものである。
【0035】
基材(C)の最外面が、透過型スクリーンの観察面になるため、外部からの引っ掻きや接触による傷等に耐えるために、ハードコート処理を施すことができる。また、透過型スクリーンの観察面となる最外面の基材にゴミ、ホコリが付き難く、スクリーン表面を拭く頻度を減らすことができるように帯電防止処理を施すことができる。さらに、スクリーン表面での反射を低減し、外光の反射が少なく、外光の写り込みによる画像妨害を低減するために観察面となる最外面に反射防止処理を施すとができる。
【0036】
ハードコート処理によるハードコート層は、紫外線硬化型塗料から形成する。紫外線硬化型塗料は、一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その他光重合開始剤や増感剤を含有する。
本発明に好ましいものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することができる。
【0037】
基材に紫外線硬化型塗料を塗布する方法は、例えば、ブレードコーティング、ロッドコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレーコーティング、オフセットグラビアコーティング等の任意の塗布方法により上記の拡散層上に塗布されるが、特に塗布厚の精度、塗布表面の平滑性等に優れたグラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、リバースロールコーティング、オフセットグラビアコーティング方法等が好適である。
また、ハードコート層を転写層とした転写シートを用いて転写によって形成することもできる
【0038】
帯電防止処理は、最外面となる基材に帯電防止剤を塗布または混入する。一例として、粒径0.5μm以下の酸化錫(SnO2)を用い、表面抵抗値が1012Ω以下となるような帯電防止層を設ける。帯電防止層の表面抵抗値が1012Ω以下であれば、特に金属酸化物微粉末を限定するものではない。特に、帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものではない。
【0039】
反射防止処理は、最外面となる基材の屈折率よりも低屈折率の材料、透明なフッ素系樹脂またはフッ素系無機化合物からなる薄膜を塗布又は蒸着等により基材に形成することができる。本発明では、特に低屈折材料、形成方法は限定されるものではない。これによって、外光コントラストの改善及び写り込みのない映像が得られる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0041】
〈実施例1〉
基材(B)として、熱膨張係数(αB)が7×10-5cm/cm/℃のアクリル−スチレン共重合樹脂(MS)である熱可塑性樹脂を用いて、押し出し成形によって所定量の拡散剤を混入した厚さ(tB)2.00mmのPMS拡散板を作成し、得られたそのPMS拡散板と、基材(C)として、熱膨張係数(αC)が(1.5〜3.0)×10-5cm/cm/℃の厚さ(tC)0.05mmのポリエステルフィルム(PET)を用い、その片面にアンチグレア、ハードコート及び帯電防止処理を施し、その処理側と反対面とを光学用途の粘着フィルムを介して積層してPETフィルムを積層一体とした。
次ぎに、紫外線硬化性樹脂組成物をレンズの逆形状を有する金型の成型面に塗布し、基材(A)として熱膨張係数(αA)が(1.5〜3.0)×10-5cm/cm/℃の厚さ(tA)0.05mmのポリエステルフィルム(PET)を載置し、基材を介して紫外線を照射して、前記樹脂を硬化させると同時に該樹脂硬化成型物からなるレンズを基材に重合接着せしめた所定形状を有するレンチキュラーレンズ部を形成した作成した。
レンズ面と反対側の平坦面に未硬化のフィルム状紫外線硬化性樹脂を積層した後、レンズ面を介して垂直に紫外線を照射して、各レンズ群によって集光された部分の前記樹脂を硬化させて非粘着性とした後、粘着性の前記樹脂の未硬化部分にのみ黒色のインキ層を設けた転写紙を使用して、黒色インキ層を未硬化部分にのみに黒色の着色剤を付着させることによりストライプ状の遮光層を形成した。上記レンチキュラーレンズシートの遮光層を形成した面に、光学用途の粘着フィルムを介して、先に得られた表面処理が施されたPETフィルムが積層されて一体となったMS拡散板の処理面が観察側の最外面になるように積層して一体とした。
一方、所定形状のアクリル樹脂からなる厚さ1.85mmのフレネルレンズシートを作成し、そのフレネルレンズシートと上記レンチキュラーレンズシートとを組み合わせた60インチサイズの透過型スクリーンを室温20℃−90%RHの環境下で背面投射型プロジェクションテレビ装置に装着・固定した直後、60℃−90%RHの環境下24時間保存後および保存試験後室温20℃−90%RHの環境下24時間放置後のレンチキュラーレンズシート中心部の反り量を測定した。また、映像の解像度を目視観察によって比較して、3段階評価したその評価結果を表1に示す。
【0042】
〈比較例1〉
基材(C)として、熱膨張係数(αC)が7.0×10-5cm/cm/℃の厚さ(tC)0.2mmのアクリル樹脂基材を用いた以外は実施例1と同様に透過型スクリーン作成し、実施例1と同様に評価した。
【0043】
〈比較例2〉
基材(C)を積層しない以外は実施例1と同様に透過型スクリーン作成し、実施例1と同様に評価した。
【0044】
【表1】
Figure 0003788229
【0045】
【発明の効果】
本発明により、環境の温度・湿度変化により、スクリーン特にスクリーンを構成するレンチキュラーレンズシートの中央部が膨らむことのない高画質の映像を観察できる透過型スクリーンを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の透過型スクリーンの構成の一実施例を示した斜視図である。
(b)は、図(a)の本発明の透過型スクリーンのA−A´線断面図である。
(c)は、本発明の透過型スクリーンを装着した背面投射型プロジェクションテレビ装置を示す断面図である。
【図2】スクリーンを構成するレンチキュラーレンズシートの反り方とその反り量を説明した説明図である。
【図3】(a)は、従来の透過型スクリーンの構成の一実施例を示した斜視図である。
(b)は、図(a)の従来の透過型スクリーンのA−A´線断面図である。
(c)は、従来の透過型スクリーンを装着した背面投射型プロジェクションテレビ装置を示す断面図である。
【図4】従来の背面投射型プロジェクションテレビ装置のスクリーン取り付け部を示す斜視図である。
【図5】従来の予め反りを付与した透過型スクリーンの構成の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1、2、3……透過型スクリーン
10、40、80……フレネルレンズシート
11、41……フレネルレンズ
20、50、90……レンチキュラーレンズシート
21……レンチキュラーレンズ(紫外線または電子線硬化型樹脂硬化物)
22、52……基材(A)
23、53……遮光層
24、54……基材(B)
25、55……拡散剤
26……基材(C)
51……レンチキュラーレンズ
60……背面投射型プロジェクションテレビ装置
61……映像投射装置
62……反射ミラー
63……キャビネット
70……スクリーン取り付け部
71、72……スクリーン取り付け部の上下側取り付け面
73、74……スクリーン取り付け部の左右側取り付け面
S……スクリーンを構成するレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズシートとのギャップ
X……レンチキュラーレンズシートの反り量

Claims (3)

  1. 映像光の投射側より、フレネルレンズシートと、レンチキュラーレンズシートとを順次配置してなる透過型スクリーンにおいて、
    前記レンチキュラーレンズシートが、透明基材(A)の片面にシリンドリカルレンズが並設されてなるレンズ部と、基材(B)に拡散剤が混入されてなる拡散板と、透明基材(C)とからなり、レンズ部と反対側の基材(A)平坦面と基材(B)と基材(C)とがこの順に一体に積層されてなり、
    前記レンチキュラーレンズシートのレンズ部が、紫外線硬化型樹脂または電子線硬化型樹脂の硬化物からなると共に、
    前記基材(A)の線膨張係数をα A 、基材(B)の線膨張係数をα B 、基材(C)の線膨張係数をα C と表したとき、α B が、α A およびα C よりも大きく、かつ前記基材(A)の厚さをt A 、基材(B)の厚さをt B 、基材(C)の厚さをt C と表したとき、t B が、t A およびt C よりも大きいことを特徴とする透過型スクリーン。
  2. 前記レンチキュラーレンズシートが、レンズ面と反対側の基材(A)の平坦面に映像光が通過しない非集光部の領域にストライプ状の遮光層が並設されていることを特徴とする請求項1記載の透過型スクリーン。
  3. 前記基材(C)の観察側の最外面にハードコート処理、帯電防止処理及び反射防止処理のいずれか少なくとも1種類の表面処理が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載の透過型スクリーン。
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