JP3570282B2 - 光学物品及び該光学物品を用いた背面透過型スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクションテレビなどに使用されるフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、拡散シート等の光学物品とそれらを組み合わせてなる背面透過型スクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記背面透過型スクリーンに用いられる光学部品としてのフレネルレンズシートは通常、透明な熱可塑性樹脂シートを熱プレス成形したり、熱可塑性樹脂シート上に紫外線硬化型樹脂でフレネルレンズ形状を形成する方法が一般的に行われている。
また、レンチキュラーレンズシートは、透明な熱可塑性樹脂シートを熱プレス成形したり、溶融押し出し成形により製造されている。上記背面透過型スクリーンの役目として、プロジェクターからの画像情報を映像として視覚することにあるが、画像情報をスクリーン面に結像させるためにスクリーンを構成する何れかの部材に拡散剤の混入や拡散板を併用することが一般的である。しかしながら、この拡散板の特性によってはスクリーンの効率低下を招くなどの影響を及ぼすことが知られており、効率低下が極力少ない拡散板の開発が要求されている。
【0003】
近年、液晶プロジェクションテレビが普及し、その映像を観察するための透過型スクリーンが要求されている。
映像画質の高精細化に伴い、液晶プロジェクターの画素数も増大していることから、レンチキュラーレンズやフレネルレンズのファインピッチ化が要求されている。具体的には、現状の0.7mm前後から0.3mm以下、さらに0.2mm以下のファインピッチ化が要求されている。また、液晶プロジェクター用のスクリーンとしては、視野が明るいことやコントラストを向上させるためファインピッチレンチキュラーレンズに対応した外光吸収層となるストライプ状の黒色の遮光層を付けることが必要となってきている。また、液晶プロジェクターでは画像にちらつきが生じるシンチレーション現象が顕著であり、このシンチレーション対策としてフレネルレンズの基材に拡散材を混入することが定法として用いられているが、適正な拡散特性を有する基材を用いないと、上記遮光層で光線の一部が遮られて光量損失が発生する。そこで、フレネルレンズシートの拡散特性を適性にすることでシンチレーションを減少させ、光量損失の低下を防止する必要がある。また、背面透過型スクリーンとしては、光源が透けるシースルー現象を防止することが必要で、そのためにはレンチキュラーレンズ基材の拡散特性も適正にする必要がある。これまでにも、フレネルレンズ単体やレンチキュラーレンズ単体での拡散基材の開発が種々行われてきたが、ストライプ状遮光層を設けたファインピッチレンチキュラーレンズシートとフレネルレンズとを組み合わせた背面透過型スクリーンの拡散特性に関する発明は殆どなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、フレネルレンズシート光学物品とレンチキュラーレンズフィルム光学物品と透光性拡散シート光学物品とからなり、前記レンチキュラーレンズフィルムに設けられたストライプ状の遮光層にて投射光線が遮られることによる光量損失が少なく、画面が明るく、シンチレーション現象やシースルー現象の発生を低減した背面透過型スクリーンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、
光学物品において、透明樹脂基材に拡散剤を含有する透光性拡散シート上に、放射線硬化型樹脂の硬化物からなるフレネルレンズ形状部を形成したフレネルレンズシートであって、前記フレネルレンズシートの光学特性として、曇り度Hが、
30%<H<60%
なる条件を満たし、及び平行光線透過率PTが、
30%<PT<65%
なる条件を満たし、かつ垂直方向の曲げ角度で表わした場合、最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度が、
0.7゜<α角<2.0゜、
0.7゜<β角<2.0゜、
1.0゜<γ角<6.0゜、
2.0゜<δ角<6.0゜
なる条件を満たすフレネルレンズシートであることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、光学部品において、透明樹脂基材に少なくとも拡散剤を含有する透光性拡散シートであって、その光学特性として、曇り度H'が、
75%<H'<85%
なる条件を満たし、及び平行光線透過率PT'が、
11%<PT'<25%
なる条件を満たし、かつ、最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度が、
3゜<α角<7゜、
5゜<β角<9゜、
10゜<γ角<16゜、
14゜<δ角<22゜
なる条件を満たす透光性拡散シートであることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、背面透過型スクリーンにおいて、透明樹脂フィルム上に放射線硬化型樹脂の硬化物からなる凸状のシリンドリカルレンズが並設してなるレンチキュラーレンズ形状部を形成し、レンズ面の反対側の平坦面に光集光部に相当する以外の非集光部の領域にストライプ状の遮光層を設けたレンチキュラーレンズフィルムであって、凸状のシリンドリカルレンズのピッチをP、レンズ部の凸部頂点から前記レンズ部の反対側の平坦面までの厚さをD、各凸状のシリンドリカルレンズの非集光部に相当する位置の前記平坦面に設けたストライプ状の遮光層の幅をP′、厚さをD′とした場合、ピッチPが、
0.05 mm <P<0.3 mm
なる条件を満たし、及びレンズ部の凸部頂点からレンズ部の反対側の平坦面まで厚さDが、
0.05 mm <D<0.3 mm
なる条件を満たし、さらにストライプ状の遮光層の厚さD ' が、
D′<10μ m
なる条件を満たし、かつ開口率を、
開口率(%)=(θ′/θ)*100
とあらわした場合(但し、θ=tan -1 {(P−P′)/2D}、θ′=tan -1 {(P−P′)/2(D+D′)}、ここで透明樹脂フィルム面に接するストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度をθ、透明樹脂フィルム面に接しないストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度をθ′と表わす)、90%以上の開口率を有するレンチキュラーレンズフィルム光学物品と、
請求項1記載のフレネルレンズシート光学物品と、
請求項2記載の透光性拡散シート光学物品とからなり、
前記フレネルレンズシートと、前記レンチキュラーレンズフィルムの平坦面に前記透光性拡散シートを積層した該レンチキュラーレンズシートとを、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを重ね合わせるように組み合わせ、かつ透光性拡散シートが観察面となるように配設した背面透過型スクリーンであって、該スクリーンの光学特性として全光線透過率T"が、
50%<T"<85%
なる条件を満たし、及び垂直方向における最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度(光線曲げ角度)が、
5゜<α角<14゜
8゜<β角<16゜
15゜<γ角<22゜
18゜<δ角<28゜
なる条件を満たすことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1、2、3に記載の光学部品又は背面透過型スクリーンにおいて、前記透光性拡散シートが、粒径3〜25μのガラスビーズを必須主成分とする拡散剤を含有することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項2、4に記載の背面透過型スクリーンにおいて、前記透光性拡散シートの観察側の最外面に、少なくとも帯電防止、擦傷防止、反射防止機能から選ばれる少なくとも1種以上の機能を有する層が形成されていることを特徴とする。
【0011】
<作用>
一般に、フレネルレンズシートの光学特性として、平行光線透過率Tが低く、曇り度Hが高く、α・β・γ・δ角が広い場合は、レンチキュラーレンズシートのストライプ状の遮光層での光線が遮られことによる光量損失が増加し、画面の明るさが低下する。逆に、平行光線透過率Tが高く、曇り度Hが低く、α・β・γ・δ角が狭い場合は、ストライプ状の遮光層での光線が遮られことによる光量損失は減少するが、垂直方向の視野角を充分にかせぐことができない。
一方、レンチキュラーレンズシートの平行光線透過率Tが高く、曇り度Hが低く、α・β・γ・δ角が狭い場合は、垂直方向の視野角を充分にかせぐことができず、また、シースルー現象が発生する。逆に、平行光線透過率Tが低く、曇り度Hが高く、α・β・γ・δ角が広い場合は、視野角をかせぐことはできるが、光線のロスが増加し、画面の明るさが低下すると共に画像の解像度が劣化してしまう。
本発明のフレネルレンズシート光学物品とレンチキュラーレンズフィルム光学物品を組み合わせた場合、前記フレネルレンズシート及び透光性拡散シート光学物品の平行光線透過率、曇り度及び拡散特性等の光学特性が所定の範囲を満たすように選ぶことにより、レンチキュラーレンズフィルムに形成されたストライプ状遮光層での投射光線が遮られことによる光量損失が少なくなると同時に垂直視野角が広く、画像の明るさや解像度が向上し、シンチレーション現象やシースルー現象の発生を低減した液晶プロジェクター用背面透過型スクリーンとして好適に用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、従来の背面透過型スクリーンの一例を示した斜視図である。フレネルレンズシート10及びレンチキュラーレンズシート20の光学物品からなり、通常垂直視野角を広げるための拡散剤42やコントラストを改良するための着色剤43等を前記何れかの光学物品に設ける。本例の場合は、フレネルレンズシート10の透明樹脂基材41に上記拡散剤42及び着色剤43を混入してある。一方、レンチキュラーレンズシート20の観察面側の平坦面に、スクリーンのコントラストを向上する目的で外光を吸収するストライプ状の遮光層23が形成されている。
【0013】
図2は、本発明のフレネルレンズシート光学物品の構成の一例を示す断面図である。
透明樹脂基材41に拡散剤42を混入分散させた透光性拡散シート40の片面に放射線硬化型樹脂の硬化物からなるフレネルレンズ部30を形成したフレネルレンズシート光学物品10である。
本発明で使用される基材41としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂または上記の樹脂の共重合体からなるシート等の透明樹脂を挙げることができる。特に、限定されるものではないが、アクリル樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレートとスチレンとを共重合させた樹脂)、ポリカーボネート樹脂が光学的に透明性が高い点から好ましい。
【0014】
また、本発明で使用される拡散剤42としては、ガラスビーズを必須主成分とし、適宜必要に応じて、珪素、アルミニウム、カルシウム等の酸化物を含む無機質粉末あるいは樹脂を架橋させたポリマービーズ等の通常使用される拡散剤を少量添加しても良い。
これらの拡散剤を前記透明樹脂基材に混入、練り込み、透光性拡散シートとする。拡散剤の添加量は、5乃至30重量%の範囲が望ましい。
【0015】
本発明で使用されるフレネルレンズ部30を形成するに放射線硬化型樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートおよび/またはエポキン(メタ)アクリレートオリゴマー、反応希釈剤、光重合開始剤、増感剤の成分を含む組成物である。
【0016】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、エチレングリコール、1、4ブタンジオール、ネオペンチルグルコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類とヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンイソシアネート等の有機ポリイソシアネート類とを反応させて得ることができる。しかし、特に限定されるものではない。
【0017】
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得ることができる。しかし、特にこれらに限定されるものではない。
【0018】
本発明のフレネルレンズ部30は、フレネルレンズと逆形状の金型を別途作製し、紫外線硬化型樹脂を金型上に塗布し、透光性拡散シート40を塗布面に積層・加圧した後、透光性拡散シートを介して紫外線を照射し、硬化させることで、該シート上に前記樹脂の硬化物からなるフレネルレンズ部30を有するフレネルレンズシート光学部品10が得られる。
【0019】
紫外線硬化型樹脂の塗布方法は、特に限定されるものではないが、ナイフコート、ダイコート、カーテンコートなどの塗布方法が望ましい。また、その塗布厚は形成するフレネルレンズ部の形状によっても異なるが、0.1mm〜0.2mmが適当である。なお、塗布厚は、樹脂の粘度や塗布速度によって調整することができる。
【0020】
上記で得られた透光性拡散シート上に、放射線硬化型樹脂の硬化物からなるフレネルレンズ形状部を形成したフレネルレンズシート光学物品の光学特性として、曇り度Hが、30%<H<60%なる条件を満たし、及び平行光線透過率PTが、30%<PT<65%なる条件を満たし、かつ垂直方向における最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度が、0.7゜<α角<2.0゜、0.7゜<β角<2.0゜、1.0゜<γ角<6.0゜、2.0゜<δ角<6.0゜なる件を満たすことを特徴とする。
【0021】
上記の光学特性は、フレネルレンズ形状、基材と拡散剤の屈折率差、拡散剤の粒径及びその分布、さらに拡散剤の添加量等を制御することによって実現できる。
【0022】
フレネルレンズシート光学物品の拡散度の高いものを使用した場合は、レンチキュラーレンズフィルムに設けられたストライプ状の遮光層で投射光線が遮られることによる光量損失が多くなり、また平行光線透過率Tが30%以下と低く、曇り度Hが60%以上と高く、かつα・β・γ・δ角が上記で特定した範囲外での広い場合は、投射光線が遮られることによる光量損失が増加し画面の明るさが低下する。逆に、平行光線透過率Tが60%以上と高く、曇り度H30%以下と低く、かつα・β・γ・δ角が上記で特定した範囲外の狭い場合は、投射光線が遮られることによる光量損失は減少するが、垂直方向の視野角を充分にかせぐことができない。
【0023】
図3は、透明樹脂フィルム22上に、放射線硬化型樹脂の硬化物からなるピッチPのレンズ部の凸部頂点から前記レンズ部の反対側の平坦面までの厚さをDとなるようにレンチキュラーレンズ部21を形成した反対側の平坦面に厚さD′、幅P′のストライプ状の遮光層23を設けた本発明で用いられるレンチキュラーレンズフィルム光学物品20である。図に示すように、透明樹脂フィルム面に接するストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度をθ、透明樹脂フィルム面に接しないストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度をθ′と表わす。
【0024】
本発明で用いられるレンチキュラーレンズフィルム光学物品において、レンチキュラーレンズピッチPが、0.05mm<P<0.3mmなる条件を満たし、及びレンズ部の凸部頂点からレンズ部の反対側の平坦面まで厚さDが、0.05mm<D<0.3mmなる条件を満たし、さらにストライプ状の遮光層の厚さをD′が、D′<10μmなる条件を満たし、かつ開口率を下記のようにあらわした場合、90%以上の開口率を有するレンチキュラーレンズフィルムであることを特徴とする。
開口率(%)=(θ′/θ)*100
(但し、θ=tan-1{(P−P′)/2D}、θ′=tan-1{(P−P′)/2(D+D′)})
【0025】
前記レンチキュラーレンズフィルムにおいて、そのピッチPが0.3mm以上と大きい場合は、液晶プロジェクターとの画素モアレが発生し易く画像の劣化を招く。また、遮光層の厚さD′が10μ以上と厚い場合は、レンチキュラーレンズからの光線がケラレてしまい、水平方向の視野角を充分にかせぐことが困難となる。
【0026】
本発明で用いられるレンチキュラーレンズ部を形成する透明樹脂フィルム22としては、紫外線透過性を有する透明な樹脂フィルムが好ましく、レンズ部が形成される面に易接着処理されていることが望ましい。材質としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。フィルムの透明性や強度、可撓性の点から、50μ〜250μ厚のポリエステルフィルムや0.1mm〜0.7mm厚のポリカーボネートフィルムが好適である。
【0027】
本発明で用いられるレンチキュラーレンズ部を形成する紫外線硬化型樹脂は、既に上述したフレネルレンズ部を形成するのに使用したと同様の紫外線硬化型樹脂を使用できる。紫外線硬化型樹脂の塗布は、特に限定されるものではないが、ナイフコート、ダイコート、カーテンコートなどの塗布方法が望ましい。また、その塗布厚は形成するレンチキュラーレンズの形状によっても異なるが、0.05mm〜0.1mmが適当である。なお、塗布厚は、樹脂の粘度や塗布速度によって調整することができる。
【0028】
黒色の光吸収層として機能する遮光層23を形成する方法につて詳細に説明する。
上記のようにして得たレンチキュラーレンズフィルムの平坦面に、粘着性を有し、紫外線の照射によってその粘着性が消失する特性を持つ紫外線硬化型樹脂フィルムをラミネートする。次に、レンチキュラーレンズフィルムを介して紫外線を照射し、レンズ作用によって集光して硬化した部分以外の紫外線硬化樹脂フィルムの未硬化部分に前記フィルムの粘着性を利用して、黒色の粉末トナーまたは黒色の着色層を有する転写シートを着色層側で重ね合わせ、未硬化部分の前記樹脂の粘着性を利用して、前記黒色粉末トナーまたは前記黒色着色層を未硬化部分のみに付着させ、ストライプ状の黒色の遮光層を形成する。
【0029】
黒色粉末トナーとしては、黒色の色素、顔料、カーボン、金属塩、あるいは黒色に着色したアクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。必要に応じて、2種類以上の黒色粉末トナーを組み合わせて使用してもよい。黒色着色層を有する転写シートは、転写シートの材質、構成等に特に限定されるものではなく汎用の転写シートが使用可能である。
形成される遮光層は、実際のレンチキュラーシートへの紫外線線の照射による非集光部に対してであり、真に遮光層の形成が必要な箇所、すなわち映像光の通過しない領域に、確実な位置精度で形成できる。
また、上記の露光プロセスによれば、露光量に応じて粘着部の幅を制御することによって、遮光層の幅をコントロールできる。
【0030】
図4は、本発明の透光性拡散シート光学物品の例を示した断面図である。
透明樹脂基材51に少なくとも拡散剤52を含有した透光性拡散シート50である。必要に応じて適宜着色剤53を混合したり、あるいは着色剤53を含有するシートと拡散剤52を含有するシートとを積層した2層からなる透光性拡散シートであっても良い。
【0031】
図4の(a)は、透明樹脂基材51に拡散剤52のみを混入した透光性拡散シート50である。(b)は、透明樹脂基材51に拡散剤52と着色剤53を混入した透光性拡散シート50である。(c)は、透明樹脂基材51に拡散剤52のみを混入したシートと透明樹脂基材51に着色剤53のみを混入したシートとを積層してなる透光性拡散シート50である。
【0032】
本発明の上記透光性拡散シートは、光学特性として、曇り度H’が、75%<H’<85%なる条件を満たし、及び平行光線透過率PT’が、
11%<PT’<25%なる条件を満たし、かつ最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度が、3゜<α角<7゜、5゜<β角<9゜、10゜<γ角<16゜、14゜<δ角<22゜
なる条件を満たすことを特徴とする。
【0033】
上記の光学特性は、基材と拡散剤の屈折率差、拡散剤の粒径及びその分布、さらに拡散剤の添加量等を制御することによって実現できる。
【0034】
透光性拡散シートの光学特性は、背面透過型スクリーンに用いるには、平行光線透過率Tが25%以上と高く、曇り度Hが75%以下と低く、上記の特定した限定範囲外でα・β・γ・δ角が狭い場合は、垂直方向の視野角を充分にかせぐことができず、また、液晶プロジェクターの光源が透けて見えるシースルー現象が発生する。逆に、平行光線透過率Tが11%以下と低く、曇り度Hが85%以上と高く、上記の特定した限定範囲外でα・β・γ・δ角が広い場合は、視野角をかせぐことはできるが、光線のロスが増加し、画面の明るさが低下すると共に画像の解像度が劣化してしまう。
【0035】
本発明で使用される透明樹脂基材51としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂または上記の樹脂の共重合体からなるシート等の透明樹脂を挙げることができる。特に、限定されるものではないが、アクリル樹脂、MS樹脂(メチルメタクリレートとスチレンとを共重合させた樹脂)、ポリカーボネート樹脂が光学的に透明性が高い点から好ましい。
【0036】
また、本発明で使用される拡散剤42としては、ガラスビーズを必須主成分とし、適宜必要に応じて、珪素、アルミニウム、カルシウム等の酸化物を含む無機質粉末あるいは樹脂を架橋させたポリマービーズ等の通常使用される拡散剤を少量添加しても良い。
これらの拡散剤を前記透明樹脂基材に混入、練り込み、透光性拡散シートとする。拡散剤の添加量は、5乃至30重量%の範囲が望ましい。
【0037】
本発明で使用される着色剤は、光吸収スペクトルが可視波長領域においてほぼ一様な黒色の可視光線吸収材料、または選択波長特性を有する可視光線吸収材料のうち何れか一方を含有させることにより、可視光線波長領域における光吸収量を増加させ、外光コントラストを向上させることができる。可視光線を吸収できる着色剤として色素、顔料、カーボン、金属塩、金属酸化物等を挙げることができる。
【0038】
図5は、本発明のフレネルレンズシート光学物品10と、レンチキュラーレンズフィルム光学物品20と透光性拡散シート光学物品50とからなる背面透過型スクリーンの断面図である。前記フレネルレンズと前記レンチキュラーレンズフィルムのレンズ部の反対側の平坦面に前記透光性拡散シートを積層したレンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレンズとフレネルレンズとが重ね合わせるように組み合わせ、透光性拡散シートが観察面の最外面となるように配設した本発明の背面透過型スクリーンの構成の一例を示した断面図である。
また、必要に応じて、適宜レンチキュラーレンズフィルム光学物品20のレンチキュラーレンズ部に、可視光線を吸収できる材料としての着色剤として色素、顔料、カーボン、金属塩、金属酸化物等着色剤を少量添加することもできる。
【0039】
上記の本発明のフレネルレンズシート光学物品と、レンチキュラーレンズフィルム光学物品と透光性拡散シート光学物品とからなる背面透過型スクリーンの光学特性として、全光線透過率T”が、50%<T”<85%なる条件を満たし、及び垂直方向における最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度(光線曲げ角度)が、5゜<α角<14゜、8゜<β角<16゜、15゜<γ角<22゜、18゜<δ角<28゜
なる条件を満たすことを特徴とする。
【0040】
上記の背面透過型スクリーンの光学特性は、本発明のフレネルレンズシート光学物品とレンチキュラーレンズフィルム光学物品と透光性拡散シート光学物品の光学特性が上記した所定の範囲を満たした場合、前記光学物品の組み合わせによって必然的に得られるものである。
【0041】
レンチキュラーレンズフィルム20と透光性拡散シート30とを積層する粘着層としては、アクリル系、エチレンビニルアセテート系などの粘着剤が使用されるが、その材質や構成等に特に限定されるものではなく汎用の粘着剤が使用可能である。また、粘着剤の代わりに紫外線硬化型接着剤を使用することも可能である。
【0042】
前記透光性拡散シートの観察側の最外面に、少なくとも擦傷防止、帯電防止、反射防止機能から選ばれる少なくとも1種以上の機能を有する層が形成されていることを特徴とする。
【0043】
擦傷防止を目的とするハードコート処理によるハードコート層は、紫外線硬化型塗料から形成する。
紫外線硬化型塗料は、一般的には皮膜形成成分としてその構造の中にラジカル重合性の二重結合又はエポキシ基を有するポリマー、オリゴマー、モノマー等を主成分とするものであり、その他光重合開始剤や増感剤を含有する。
本発明に好ましいものは、皮膜形成成分がアクリレート系の官能基を有する多官能(メタ)アクリレート系の紫外線硬化型塗料を使用することによって、表面硬度、透明性、耐摩擦性、耐擦傷性等に優れたハードコート層を形成することができる。
【0044】
帯電防止処理は、保護樹脂板の基材に帯電防止剤を塗布する。一例として粒径0.5μm以下の酸化錫(SnO2)を用い、表面抵抗値が1010Ω以下となるような帯電防止層を設ける。帯電防止層の表面抵抗値が1010Ω以下であれば、特に金属酸化物微粉末を限定するものではない。特に、帯電防止剤の種類、添加量等は限定されるものではない。
【0045】
反射防止処理は、保護樹脂板の基材の屈折率よりも低屈折率の材料、透明なフッ素系樹脂またはフッ素系無機化合物からなる薄膜を塗布又は蒸着等により保護樹脂板に形成することができる。本発明では、特に低屈折材料、形成方法は限定されるものではない。これによって、外光コントラストの改善及び写り込みのない映像が得られる。
【0046】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0047】
<実施例1>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
[フレネルレンズシート用透光性拡散シート]
平行光線透過率PT=59%
曇り度H=33%
α角=0.8度
β角=0.9度
γ角=1.4度
δ角=2.3度
[レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート]
平行光線透過率PT’=17%
曇り度H’=80%
α角=4.5度
β角=6.6度
γ角=12.5度
δ角=16度
【0048】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0049】
<実施例2>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
「フレネルレンズシート用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT=50%
曇り度H=44%
α角=0.8度
β角=0.9度
γ角=1.7度
δ角=2.8度
「レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT’=17%
曇り度H’=80%
α角=4.5度
β角=6.6度
γ角=12.5度
δ角=16度
【0050】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0051】
<実施例3>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
「フレネルレンズシート用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT=39%
曇り度H=56%
α角=0.9度
β角=1.0度
γ角=2.8度
δ角=4.2度
「レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT’=17%
曇り度H’=80%
α角=4.5度
β角=6.6度
γ角=12.5度
δ角=16度
【0052】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0053】
<比較例1>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
「フレネルレンズシート用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT=64%
曇り度H=28%
α角=0.3度
β角=0.4度
γ角=0.4度
δ角=0.4度
「レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT’=17%
曇り度H’=80%
α角=4.5度
β角=6.6度
γ角=12.5度
δ角=16度
【0054】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0055】
<比較例2>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
「フレネルレンズシート用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT=38%
曇り度H=50%
α角=0.3度
β角=0.4度
γ角=0.4度
δ角=0.4度
「レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT’=17%
曇り度H’=80%
α角=4.5度
β角=6.6度
γ角=12.5度
δ角=16度
【0056】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0057】
<比較例3>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
「フレネルレンズシート用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT=24%
曇り度H=73%
α角=0.3度
β角=0.4度
γ角=0.8度
δ角=2.0度
「レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT’=17%
曇り度H’=80%
α角=4.5度
β角=6.6度
γ角=12.5度
δ角=16度
【0058】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0059】
<比較例4>
フレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズフィルムに用いる透光性拡散シートとして、それぞれ、厚み2mmのMS樹脂を用いた。各々の透光性拡散シートの拡散特性としては、以下のようである。
「フレネルレンズシート用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT=64%
曇り度H=28%
α角=0.3度
β角=0.4度
γ角=0.4度
δ角=0.4度
「レンチキュラーレンズフィルム用透光性拡散シート」
平行光線透過率PT’=23%
曇り度H’=73%
α角=2.5度
β角=4.5度
γ角=10度
δ角=13.5度
【0060】
レンチキュラーレンズフィルムに用いる基材フィルムは、厚み250μmのポリエステル樹脂フィルム上にレンチキュラーレンズ形状が施され、その反対面にブラックストライプがついたものを用い、これらを積層することで背面透過型スクリーンとした。
【0061】
実施例1〜3及び比較例1〜4で作成したフレネルレンズシート光学物品と、レンチキュラーレンズフィルム光学物品と、透光性拡散シート光学物品とを組み合わせてなる背面透過型スクリーンの光学特性の性能評価に関しては、次の方法で行った。
【0062】
<ピーク輝度>
A社製液晶プロジェクションテレビ(画面中央部の照度:160LUX)に背面透過型スクリーンをセットし、2m離れた位置での輝度(cd/m2)を測定した。測定には、トプコン製BM−7を使用し、2度視野にておこなった。
【0063】
<シースルーの有無>
A社製液晶プロジェクションテレビ(画面中央部の照度:160LUX)に背面透過型スクリーンをセットし、1m離れた位置でのシースルー現象(光源が透ける現象)の有無で判定。
○ → シースルー無し
× → シースルー有り
【0064】
<シンチレーションの有無>
A社製液晶プロジェクションテレビ(画面中央部の照度:160LUX)に背面透過型スクリーンをセットし、1m離れた位置でのシンチレーション現象(画面がぎらつく現象)の有無で判定。
○ → シンチレーションが目立たない
× → シンチレーションが目立つ
【0065】
<視野角>
透光性拡散シート光学物品単体、フレネルレンズシート光学物品、及び光学物品を組み合わせてなる背面透過型スクリーンをゴニオフォトメータ(村上色彩技術研究所製)にセットし、法線方向の輝度の1/2、1/3、1/10、1/20になる角度を測定し、それぞれα角、β角、γ角、δ角とした。
【0066】
<曇り度および平行光線透過率>
濁度計(NDH2000:日本電色製)をもちいて、JIS K7361(補償法)に従って測定した。
【0067】
その性能評価結果について、下記の表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、背面透過型スクリーンを構成する光学物品のうちレンチキュラーレンズフィルム光学物品に設けられたストライプ状の遮光層で光線が遮られることによる光量損失が少なく、画面が明るく、シンチレーション現象やシースルー現象が発生しないフレネルレンズシート光学物品とレンチキュラーレンズフィルム光学物品と透光性拡散シート光学物品を組み合わせてなる背面透過型スクリーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の背面透過型スクリーンの一例を示す斜視図。
【図2】本発明のフレネルレンズシート光学物品の一例を示す断面図。
【図3】本発明で用いられるレンチキュラーレンズフィルムの構成を説明する断面図。
【図4】本発明の透光性拡散シート光学物品の一例を示す断面図。
(a)は、透明樹脂基材に拡散剤のみを混入した透光性拡散シートである。
(b)は、透明樹脂基材に拡散剤と着色剤を混入した透光性拡散シートである。
(c)は、透明樹脂基材に拡散剤のみを混入したシートと透明樹脂基材に着色剤のみを混入したシートとを積層してなる透光性拡散シートである。
【図5】本発明の背面透過型スクリーンの一例を示す断面図。
【符号の説明】
10…フレネルレンズシート光学物品
20…レンチキュラーレンズフィルム光学物品
21…レンチキュラーレンズ部
22…透明樹脂フィルム
23…ストライプ状遮光層
30…フレネルレンズ部
40…透光性拡散シート
41、51…透明樹脂基材
42、52…拡散剤
43、53…着色剤
50…透光性拡散シート光学物品
60…粘着層または接着層
70…帯電防止、擦傷防止、反射防止層等の付与層
D…レンズ部の凸部頂点から前記レンズ部の反対側の平坦面までの厚さ
D′…ストライプ状遮光層の厚さ
P…シリンドリカルレンズのピッチ
P′…ストライプ状遮光層の幅
θ…透明樹脂フィルム面に接するストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度
θ′…透明樹脂フィルム面に接しないストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度
Claims (5)
- 透明樹脂基材に拡散剤を含有する透光性拡散シート上に、放射線硬化型樹脂の硬化物からなるフレネルレンズ形状部を形成したフレネルレンズシートであって、前記フレネルレンズシートの光学特性として、曇り度Hが、
30%<H<60%
なる条件を満たし、及び平行光線透過率PTが、
30%<PT<65%
なる条件を満たし、かつ垂直方向における最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度が、
0.7゜<α角<2.0゜、
0.7゜<β角<2.0゜、
1.0゜<γ角<6.0゜、
2.0゜<δ角<6.0゜
なる条件を満たすフレネルレンズシートであることを特徴とする光学物品。 - 透明樹脂基材に少なくとも拡散剤を含有する透光性拡散シートであって、その光学特性として、曇り度H'が、
75%<H'<85%
なる条件を満たし、及び平行光線透過率PT'が、
11%<PT'<25%
なる条件を満たし、かつ、最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度が、
3゜<α角<7゜、
5゜<β角<9゜、
10゜<γ角<16゜、
14゜<δ角<22゜
なる条件を満たす透光性拡散シートであることを特徴とする光学物品。 - 透明樹脂フィルム上に放射線硬化型樹脂の硬化物からなる凸状のシリンドリカルレンズが並設してなるレンチキュラーレンズ形状部を形成し、レンズ面の反対側の平坦面に光集光部に相当する以外の非集光部の領域にストライプ状の遮光層を設けたレンチキュラーレンズフィルムであって、凸状のシリンドリカルレンズのピッチをP、レンズ部の凸部頂点から前記レンズ部の反対側の平坦面までの厚さをD、各凸状のシリンドリカルレンズの非集光部に相当する位置の前記平坦面に設けたストライプ状の遮光層の幅をP′、厚さをD′とした場合、ピッチPが、
0.05 mm <P<0.3 mm
なる条件を満たし、及びレンズ部の凸部頂点からレンズ部の反対側の平坦面まで厚さDが、
0.05 mm <D<0.3 mm
なる条件を満たし、さらにストライプ状の遮光層の厚さD ' が、
D′<10μ m
なる条件を満たし、かつ開口率を、
開口率(%)=(θ′/θ)*100
とあらわした場合(但し、θ=tan -1 {(P−P′)/2D}、θ′=tan -1 {(P−P′)/2(D+D′)}、ここで透明樹脂フィルム面に接するストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度をθ、透明樹脂フィルム面に接しないストライプ状の遮光層の端部とレンズ部の凸部頂点を通るレンズ中心線とのなす角度をθ′と表わす)、90%以上の開口率を有するレンチキュラーレンズフィルム光学物品と、
請求項1記載のフレネルレンズシート光学物品と、
請求項2記載の透光性拡散シート光学物品とからなり、
前記フレネルレンズシートと、前記レンチキュラーレンズフィルムの平坦面に前記透光性拡散シートを積層した該レンチキュラーレンズシートとを、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを重ね合わせるように組み合わせ、かつ透光性拡散シートが観察面となるように配設した背面透過型スクリーンであって、該スクリーンの光学特性として全光線透過率T"が、
50%<T"<85%
なる条件を満たし、及び垂直方向における最大輝度の1/2(α角)、1/3(β角)、1/10(γ角)、1/20(δ角)になる角度(光線曲げ角度)が、
5゜<α角<14゜
8゜<β角<16゜
15゜<γ角<22゜
18゜<δ角<28゜
なる条件を満たすことを特徴とする背面透過型スクリーン。 - 前記透光性拡散シートが、粒径3〜25μのガラスビーズを必須主成分とする拡散剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3に記載の光学部品又は背面透過型スクリーン。
- 前記透光性拡散シートの観察側の最外面に、少なくとも帯電防止、擦傷防止、反射防止機能から選ばれる少なくとも1種以上の機能を有する層が形成されていることを特徴とする請求項2、4に記載の背面透過型スクリーン。
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