JP3788221B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置において形成されるトナー像を記録シートに定着する定着装置に係り、特に、定着対象の記録シートを加熱加圧した後に無端ベルトに当接させた状態で冷却手段により冷却してから剥離する方式の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される定着装置として、加熱ロールとこのロールに間隔を空けて配設される剥離用ロールとに少なくとも張架されて回転走行する無端ベルトと、この無端ベルトを加熱ロールに圧接する加圧ロールと、無端ベルトの加熱ロールから剥離ロールにむかうベルト内周面に接して冷却する冷却構造体とを備え、その無端ベルトを加熱ロール、冷却構造体、剥離用ロールの順番で通過する方向に回転走行させるとともに、トナー像を担持する記録シートを、加熱ロールに架かる無端ベルトと加圧ロールとの間の圧接域(ニップ部)に導入し、かかる無端ベルトに当接させた状態で冷却構造体が接触する部分を通過させて剥離用ロールに架かる部分まで搬送して剥離させることにより、トナー像を記録シートに定着させる方式の定着装置が提案されている(例えば、特開平4−216580号公報、特開平5−72926号公報など)。
【0003】
このうち特開平4−216580号公報に記載の定着装置は、冷却構造体として無端ベルトの内周面に接離可能に配設した空冷式の冷却ロールを適用したものであり(その図3、図5などを参照)、また、特開平5−72926号公報に記載の定着装置は、冷却構造体として無端ベルトの内周面との接触面に多数の空気流通孔が開設された空冷ボックスを適用したものである(その図2などを参照)。そして、このような定着装置はいずれも、トナー像を担持した記録シートを加熱加圧した後に無端ベルトに当接した状態で冷却ロール又は空冷ボックスの冷却作用により冷却してから無端ベルトから剥離することにより定着を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような定着対象の記録シートを加熱加圧後に無端ベルトに当接させた状態で冷却をして剥離する方式の定着装置にあっては、如何にしてその冷却を均一にかつ安定して行うかが1つの課題となっている。
【0005】
すなわち、前記冷却ロールを適用した定着装置にあっては、その冷却ロールを無端ベルトに単に接触させているため、無端ベルトに発生するしわや波打ち状の変形が起因して無端ベルトが冷却ロールと十分に接触せず冷却されない部分が生じ、この結果、加熱加圧後の記録シート上のトナー像が一様に冷却されず、これが原因で画質にもムラが発生するおそれがある。
【0006】
また、前記空冷ボックスを適用した定着装置にあっては、その空冷ボックスを無端ベルトに押し付けているため、無端ベルトとの接触が多数の空気流通孔がある分だけ損なわれる点以外はほぼ十分になされて無端ベルトを均一に冷却することが可能であるが、その空冷ボックスの無端ベルトへの押し付け量が大きすぎてベルトを大きく曲げた状態にしてしまうと、加熱加圧後の記録シートが空冷ボックスにより押し付けられている無端ベルト部分から剥がれやすくなったり、あるいは、その押し付けられている無端ベルト部分から離れる時点においても無端ベルトから剥がれやすくなり、この結果、やはり加熱加圧後の記録シート上のトナー像が一様に冷却されず、かかる冷却ムラによる画質障害が発生するおそれがある。しかも、このような冷却ムラは、同公報に例示されているように前記空冷ボックスの無端ベルトをはさんだ反対側にも無端ベルトの外周面側に接触する空冷ボックス付きの無端ベルトを配設する構成とした場合には、ある程度防止されるが、そのベルト内周面を冷却する側の空冷ボックスの押し付け量によっては記録シートがベルトから剥がれやすくなる状態が常に存在するため、冷却ムラを誘発するおそれがある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述したような定着対象の記録シートを無端ベルトに当接させた状態で冷却手段により冷却してから剥離する方式の定着装置として、無端ベルトの内周面から押圧しながら冷却を行う冷却手段により、加熱ロールから剥離用ロールに向かう無端ベルト及びそのベルトに当接した状態で搬送される定着対象の記録シートを均一にかつ安定して冷却し、冷却ムラのない良好な定着を行うことができる定着装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得る本発明の定着装置は、図1に例示するように、加熱ロール(1)と、この加熱ロール(1)と間隔をあけて配設される剥離用ロール(2)と、この剥離用ロール(2)と前記加熱ロール(2)とに少なくとも張架されて回転走行する無端ベルト(3)と、この無端ベルト(3)を前記加熱ロール(1)に圧接させる加圧ロール(4)と、前記無端ベルト(3)の内周面側(3a)に配設され、その無端ベルト(3)のうち前記加熱ロール(1)から前記剥離用ロール(2)に至る側のベルト内周面部分をそのベルト外周面側(3b)の方向に押圧しながら冷却する押圧冷却面(5a)のある冷却構造体(5)とを備え、前記無端ベルト(3)を前記加熱ロール(1)、前記冷却構造体(5)、前記剥離用ロール(2)の順番で通過する方向(A)に回転走行させるとともに、トナー像(T)を担持する記録シート(P)を、前記加熱ロール(1)に架かる前記無端ベルト(3)と前記加圧ロール(4)との間の圧接域(N)に導入し、その無端ベルト(3)に当接させた状態で前記冷却構造体(5)の押圧冷却面(5a)が接触する部分を通過させて前記剥離用ロール(2)に架かる部分まで搬送して剥離させることにより前記トナー像を記録シートに定着させる定着装置であって、前記冷却構造体(5)は、前記無端ベルト(3)がその冷却構造体(5)の押圧冷却面(5a)と接触して離れるまでの間で曲げられる部位の曲げ角度(α)が0°<α≦7°の範囲内となるように配設されていることを特徴とするものである。図中の一点鎖線Kは、無端ベルト(3)が冷却構造体(5)によって押圧されず、加熱ロール(1)と剥離用ロール(2)に自然に張架されている場合の状態を示すものであり、便宜上、加熱ロール(1)及び剥離用ロール(2)の双方のロール面における頂部に接する直線とみなす。
【0009】
ここで、上記冷却構造体(5)は、定着時に加熱される定着ベルトを押圧しながら冷却する(実際には定着対象の記録シート(P)を、無端ベルトを介在させた状態で冷却する)押圧冷却面(5a)を備えたものであれば如何なる構成のものであっても適用可能であるが、例えば、その全体の形態について大別すれば、回転するように配設されるロール形態又はベルト形態のものや、固定配設される形態のものが挙げられる。その冷却方式は、空冷式をはじめ、冷却媒体を利用した方式(水、冷媒などを循環させる方式)などが適用可能である。好ましい冷却構造体(5)としては、無端ベルトの内周面との広い接触面積が確保でき冷却効率が良くなり、しかも簡易な構成であるという観点から、例えば無端ベルトに放熱部材を押圧接触させるとともにその放熱部材を空冷する構成のものである。また押圧冷却面(5a)については、無端ベルトとの密着性を確保する観点から平滑な面であることが望ましい。
【0010】
また、上記曲げ角度(α)は、無端ベルト(3)が冷却構造体(5)の押圧冷却面(5a)に接触して最初に曲げられる部位において、その無端ベルト(3)の加熱ロール1と剥離用ロール2との間の自然張架(押圧冷却面による押圧なし)での状態線に対する無端ベルト(3)のなす角度である。ここでいう状態線は、図1で示した一点鎖線Kと同じものである。
【0011】
図2は、その冷却構造体やその押圧冷却面の形態の違いに伴う曲げ角度αの代表例を示すものである。同図aは冷却構造体(5)が回転するロール形態である場合か又は押圧冷却面(5a)が円筒曲面である場合の曲げ角度αを例示するものであり、図中の符号S1、S2は無端ベルトの押圧冷却面との最初又は最後の接触点、符号Oはそのロール又は円筒曲面の中心点、符号θは無端ベルトのラップ角である。図2における一点鎖線Kはすべて、図1中における一点鎖線Kと同じものであって、無端ベルト(3)が押圧冷却面に最初に接触する部分と交わる位置まで平行移動して示したものである。また、図2bは冷却構造体(5)が固定配設される部材であってその押圧冷却面(5a)が平面である場合の曲げ角度αを例示するものである。さらに、図2cは冷却構造体(5)が固定配設される部材であってその押圧冷却面(5a)が一部曲面で、一部平面である場合の無端ベルト3が曲げられる各部位の曲げ角度α1〜α4をそれぞれ示すものであり、図中のM1〜M2は各押圧冷却面(5a)の曲面部分を示す(なお、M1等で示していない各押圧冷却面5aの部分は平面部分を示す)。ちなみに、図2cの上部に示す冷却構造体5(押圧冷却面5a)の場合、無端ベルト(3)は接触点S1で曲げられておらず、接触点S2で初めて曲げられている。
【0012】
そして、この曲げ角度αが0°以下であると、冷却構造体の押圧冷却面が無端ベルトを押圧した状態にならず無端ベルトが押圧冷却面に接触しない非接触部分が発生しやすくなり、冷却ムラが発生しやすくなる。反対に7°を超えると、無端ベルトが冷却構造体の押圧冷却面と接触して離れるまでの間において定着対象である記録シートが(シートの自重や腰の強さによる作用が勝ることにより)その無端ベルトから剥がれやすくなり、均一で十分な冷却ができなくなる。
【0013】
このような本発明の定着装置によれば、特に無端ベルトを押圧しながら冷却する冷却構造体が、その無端ベルトが冷却構造体の押圧冷却面と接触して離れるまでの間で曲げられる部位の曲げ角度(α)が上記特定の範囲内となるように配設されているため、定着対象の記録シートが、冷却構造体の押圧冷却面により押圧される無端ベルト部分(冷却構造体による強制冷却域)に進入してから離れるまでの間において、そのベルト部分から剥がれることなく密着した状態で搬送されるようになる。これにより、定着対象の記録シートが加熱加圧後において無端ベルトに密着した状態で均一にかつ安定して冷却されるようになる。
【0014】
また、この定着装置における前記冷却構造体(5)は、前記無端ベルト(3)がその冷却構造体の押圧冷却面(5a)から曲げられた状態で離れる部位の曲げ角度(β)が0°<β≦22°の範囲内となるように配設するとよい。
【0015】
この曲げ角度(β)は、図2bや図2cの上部に例示するように、あくまで無端ベルト(3)が冷却構造体の押圧冷却面(5a)から曲げられた状態で離れる構成とする場合に必要となる角度条件である。このため、図2cの下部に例示するように、無端ベルト(3)が押圧冷却面(5a)から曲げられることなく直線的に離れる構成とする場合には無関係のものである。ちなみに、かかる直線的に離れる構成の場合における無端ベルト(3)について上記曲げ角度(β)で敢えて示せばβ=0°となる。したがって、この曲げ角度(β)は、無端ベルト(3)が押圧冷却面(5a)を通過し終えて離れるときの曲げ状態を示す角度となる。より具体的には、例えば、図2bに例示するように無端ベルト(3)が離れる手前の押圧冷却面(5a)が前記した無端ベルト(3)の自然張架の状態線Kと平行状態にある場合には、その状態線Kに対する無端ベルト(3)のなす角度となり、また、図2cの上部に例示するように無端ベルト(3)が離れる直前の押圧冷却面(5a)が前記した無端ベルト(3)の自然張架の状態線Kと平行状態にない場合(例えば、傾いている場合、曲面になっている場合など)には、その離れる直前の押圧冷却面(5a)の無端ベルトの離れる部位での接線又は延長線(J)に対する無端ベルト(3)のなす角度となる。
【0016】
このように曲げ角度(β)について構成した場合には、冷却構造体の押圧冷却面から離れる無端ベルトから定着対象の記録シートが剥がれることなくその無端ベルトに密着した状態のままで搬送されるようになる。これにより、定着対象の記録シートが剥離用ロールのある剥離地点で剥離されるまでの間、無端ベルトに密着した状態で十分に冷却されるようになる。
【0017】
また、この定着装置における前記冷却構造体(5)の押圧冷却面(5a)はベルト回転方向(A)に対して曲率をもつ曲面であるとよい。この場合、その曲率については押圧冷却面に対する無端ベルトの密着性の確保を主に考慮して適宜選定される。このように構成した場合には、無端ベルトが冷却構造体の押圧冷却面とより密着した状態で十分に接触するようになる。これにより、その曲面からなる押圧冷却面に接触する無端ベルトを介して定着対象の記録シートが冷却構造体により確実に冷却されるようになる。
【0018】
また、本発明では、上記したような各定着装置において、前記無端ベルト(3)をそのベルト外周面側(3b)から前記冷却構造体(5)の押圧冷却面(5a)に対して押し付ける押圧回動体(6)を配設する。このような押圧回動体としては、ロール形態のものか、あるいは無端ベルトを支持ロールに回転可能に掛け回したベルト形態のものがある。このように構成する本発明の定着装置によれば、無端ベルトが押圧回動体の押し付けによって押圧冷却面に対してより高い接触圧で接触するようになり、また、より確実かつ一様に接触するようになる。これにより、冷却構造体による無端ベルト及ぶ記録シートに対する冷却効率がより高められるとともにその冷却ムラも少なくなる。
【0019】
前記押圧回動体(6)の無端ベルト(3)を押圧する位置は、少なくとも前記冷却構造体(5)の押圧冷却面(5a)における前記無端ベルト(3)が最初に接触する部位から内側30mmまでの領域(E)内であるように構成するとよい。このように構成した場合には、無端ベルトが押圧冷却面に接触した直後に発生しやすい非接触部分が押圧回動体によってベルト外周面側から確実に押さえ付けられて消失し、無端ベルトが押圧冷却面により一層確実に密着するようになる。
【0020】
さらに、本発明では、前記押圧回動体(6)の無端ベルト(3)と接触する部位合成樹脂発泡体にて形成する。この合成樹脂発泡体としては、例えば、ポリウレタン、スチレン等の合成樹脂からなる発泡体(例えばスポンジ状の形態)が使用される。このように構成する本発明の定着装置によれば、加熱ロールに架けられて加熱された無端ベルトにより押圧回動体が加熱されても合成樹脂発泡体の断熱作用により蓄熱することがなく、これにより畜熱された押圧回動体によって冷却構造体の冷却作用が阻害されることがない。
【0021】
た、前記押圧回動体(6)の押圧力は700gf以下に設定するとよい。このように構成した場合には、押圧回動体の押し付けによる無端ベルトの回転走行や記録シートの搬送が阻害されることなく円滑に行われるようになる。
【0022】
た、前記押圧回動体(6)は、その回動体(6)の無端ベルト(3)を押圧する位置よりもベルト回転方向上流側の位置を支点として揺動し得る支持フレームに支持するように構成するとよい。このように構成した場合には、押圧回動体が記録シートの搬送方向の前方を開放する側に無端ベルトから離間するように搖動し得るため、定着対象の記録シートが定着装置に導入された後に紙詰まりを起こしても、かかる紙詰まりした記録シートにより押圧回動体が上記の側に搖動するため、かかる紙詰まりした記録シートが装置内に留まることなく排出されやすくなる。
【0023】
このような本発明の定着装置は、電子写真方式を用いた多色又は単色の画像形成装置の定着装置として使用することができるほか、定着装置を装備する多色又は単色の画像形成装置に連結して使用するようにしてもよい。特に後者の場合にあっては、例えば、画像形成装置側の定着装置で1回目の定着を行った後にその画像形成装置に連結する本発明の定着装置で2回目の定着を行うようにしたり、あるいは、画像形成装置側の定着装置による定着を行わず、本発明の定着装置による定着のみを行うようにすることが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図3〜図6は、本発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示すもので、図3はその斜視図、図4は図3のIV−IV線に沿う概略断面図、図5は図3のV−V線に沿う概略断面図、図6はその概略底面図である。
【0025】
この実施の形態1に係る定着装置は、加熱ロール10と、剥離用ロール20と、無端ベルト30と、加圧ロール40と、冷却構造体50とでその主要部が構成されている。図中において符号Pは記録シート、Tはトナー像を示す。
【0026】
上記加熱ロール10は、アルミニウム、ステンレス等からなる円筒状のロール芯材11上に被覆層12を形成したロール本体と、そのロール芯材11の内部空間に配設される加熱用ハロゲンランプ13とで構成されている。被覆層12は、例えば、シリコーンゴム等からなる厚さが0.5〜5mm程度の弾性体層と、その弾性体層の表面に形成されるフッ素系樹脂(PFA等)等からなる厚さが数μm〜数10μm程度の表面層などで形成されている。この加熱ロール10は、図示されていない支持フレームに回転自在に支持されているとともに、公知の回転駆動手段により所定の方向(A)に回転駆動されるようになっている。また、この加熱ロール10は、加熱用ハロゲンランプ13により所定の定着加熱温度(例えば120〜180℃)になるまで加熱され、しかも、そのハロゲンランプ13の加熱動作が加熱ロール表面の温度を測定する図示されていない温度センサによる検知情報に基づきフィードバック制御されて所定の定着加熱温度に保持されるようになっている。
【0027】
上記剥離用ロール20は、無端ベルト30を所定の曲率で曲げた状態で張架することによりそのベルト30に当接した状態で搬送される定着対象の記録シートPが剥がれることを促すためのロールであり、例えばアルミニウム、SUS(ステンレス鋼)等の金属材料にて形成されている。この剥離用ロール20は、図示されていない支持フレームに回転自在に支持されているとともに、バネ等からなる公知の張力付与機構によって無端ベルト30に張力を付与する方向に対し弾性的に付勢されるようになっている。
【0028】
上記無端ベルト30は、図8に示すように厚さが30〜200μm程度のベルト基材31とその基材31の外周面側に形成される厚さが10〜200μm程度の弾性離型層32とで構成されている。このうちベルト基材31については、ポリイミド、ポリアミド等の耐熱性樹脂やニッケル、アルミニウム等の金属材料を用いて形成される。また、弾性離型層32については、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム等にて形成される。この無端ベルト30の外周面(具体的には弾性離型層32の表面)は、できる限り平滑面(鏡面に近いもの)であることが望ましい。この無端ベルト30は、加熱ロール10と剥離用ロール20の間に張架され、加熱ロール10の回転駆動により図中の矢印A方向に回転走行するようになっている。
【0029】
加圧ロール40は、無端ベルト30を加熱ロール10に圧接させるように配設されるものであり、例えば前記した加熱ロール10のロール本体と同じ層構造からなるものである。なお、この加圧ロール40には、必要に応じて加熱ロール10と同様に、加熱用ハロゲンランプ13を配設して加熱機能を付加してもよい。この加圧ロール40は、図示されていない支持フレームに回転自在に支持されているとともに、所定の圧力(50〜200kgf)で圧接方向に付勢されるように図示されていない公知の加圧機構に支持されている。また、この加圧ロール40の圧接により、当該ロール40と加熱ロール10に架かる無端ベルト30との間には所定幅の圧接部(N)が形成される(図4、図6)。
【0030】
冷却構造体50は、無端ベルト30の加熱ロール10から剥離用ロール20に至るまでの側のベルト内周面部分をそのベルト外周面側にむかって押圧しながら冷却する放熱部材51と、この放熱部材51にエアーを供給して空冷する空冷機構52とで構成されている。
【0031】
このうち放熱部材51は、図4や図7に示すように、複数枚の放熱フィン51aが無端ベルト30の幅方向(その走行方向Aと直交する方向)に沿って平行して並んだ状態で形成されたアルミニウム製等のヒートシンクからなるものであり、その底面が無端ベルト30の内周面を押圧する押圧冷却(吸熱)面51bとして形成されているものである。この押圧冷却面51bは、その断面形状がほぼ矩形状であり、その全面が平滑な平面からなるものである。一方、空冷機構52は、図3〜図5に示すように、送風ファン53と、吸気ファン54と、送風ファン53から放熱部材51を通過して吸気ファン54に至るように連通する通気ダクト55とで構成されている。この冷却構造体50においては、例えば定着対象の記録シートPを如何なる所要条件(通過時間)で何度まで冷却する必要があるかによって放熱部材51の放熱効率や空冷機構52の空冷能率などが適宜設定される。また、この冷却構造体50による空冷動作(ファン53、54の稼動)は、加熱ロール10が所定の定着温度に加熱された後において一連の定着動作が実行される間行われるように設定されている。
【0032】
そして、この定着装置における冷却構造体50は、図7に示すように、無端ベルト30がその冷却構造体の押圧冷却面51bと接触して離れるまでの間で曲げられる部位の曲げ角度(即ち、この実施形態では押圧冷却面51bのベルト進入側の角部に接した後の無端ベルトの曲げ角度)αが約5℃となるように設定している。また、この冷却構造体50は、無端ベルト30がその冷却構造体の押圧冷却面51bから曲げられた状態で離れる部位の曲げ角度(即ち、この実施形態では押圧冷却面51bのベルト離反側の角部に接した後の無端ベルトの曲げ角度)βが約15°となるように設定している。このような放熱部材51は、その曲げ角度α、βが上記した各数値条件を満たすように、図示されていない支持フレームに前記通気ダクト55を介して固定支持されるように配設されている。
【0033】
また、この定着装置においては、電子写真方式を利用したカラープリンタ等のカラー画像形成装置で形成されたトナー像Tを担持する記録シートPが定着対象物となる。このため、この定着装置では、かかるトナー像Tを担持する記録シートPを無端ベルト30と加圧ロール40との間の前記圧接域Nに導入するように搬送するための図示されていないベルト搬送装置等のシート搬送手段が配設されている。また、この定着装置には、無端ベルト30が剥離用ロール20に到達する時点で無端ベルト30から剥離される記録シートPを、定着装置外にある収容トレイや他の後処理装置などに対して排出する図示されていない排出ロール対等の排出手段が配設されている。
【0034】
さらに、この定着装置の定着対象となる記録シートPは、画像形成装置に適用可能である記録媒体であれば特に制約されるものではないが、この定着装置により光沢性に富む写真調の画像が得る観点から、図9に例示するように基材100に熱可塑性樹脂を主成分とする透明樹脂層120を積層形成したものが使用される。基材100としては、画像形成用の普通紙、コート紙や、印画紙等が挙げられる。透明樹脂層120を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。また、透明樹脂層120は、定着時の加熱加圧により溶融してトナー像Tが埋め込まれる程度の層厚さからなるものであることが好ましい。
【0035】
次に、この定着装置の動作について図10や図11を参照しながら説明する。
【0036】
まず、定着動作時期が到来すると、加熱ロール10が無端ベルト30を矢印A方向に回転走行させるように回転駆動し始めるとともに、加熱用ハロゲンランプ13が通電により発熱して加熱ロール10を所定の定着温度まで加熱して保持するようになっている。この際、加圧ロール40は無端ベルト30を介して加熱ロール10の回転に応じて従動回転し始める。また、冷却構造体50の冷却機構52(各ファン53,54)は、加熱ロール10が所定の定着温度まで加熱された後であって定着動作が開始される前に作動し始める。
【0037】
これにより、定着ベルト30と加圧ロール40との間の圧接域Nは所定の定着温度に加熱された状態になり、また、無端ベルト30は冷却構造体50の放熱部材51にて押圧されている部分を通過する際に放熱作用により強制的に冷却された状態となる。
【0038】
続いて、このような状態にある定着装置に対して、図10aに示すように、画像形成装置側で画像情報に応じて形成されたトナー像Tが転写された記録シートP(図11a)が、図示されていない用紙搬送装置によって定着ベルト30と加圧ロール40との間の圧接域Nに送り込まれる。これにより、記録シートPは、その圧接域Nにおいてトナー像Tが加熱加圧されて溶融するとともに記録シートP(の透明樹脂層120)内に埋め込まれるようになる(図11b)。そして、記録シートPは圧接域Nを通過した後も無端ベルト30の外周面に当接(密着)した状態でベルト30の回転にともなって矢印A方向に搬送される。
【0039】
次いで、無端ベルト30に当接した状態で搬送される定着対象の記録シートPは、図10bに示すように、冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51bにより押圧されるベルト部分(冷却領域)を無端ベルト30に当接した状態のままで通過するように搬送され、その通過の際に放熱部材51の放熱作用により冷却される。すなわち、前記圧接域Nで加熱された記録シートP及びトナー像Tは、上記冷却領域を通過する間にその保有する熱が無端ベルト30を介して放熱部材51に伝達されて放熱される(図11c)。しかも、このときの放熱は放熱部材51が空冷機構52により空冷されるため効率良く行われる。これにより、トナー像T及び記録シートP(の透明樹脂層120)は、前記したトナー像Tが記録シートP(の透明樹脂層120)内に埋め込まれるような状態でもって放熱作用により冷却されてほぼ固まる。
【0040】
この冷却領域を通過した記録シートPは、図10cに示すように、無端ベルト30に当接した状態で剥離用ロール20側まで搬送され、その剥離用ロール20に架かる無端ベルト30の曲率をもった回転状態と記録シート自身の腰の強さとが相反することにより、剥離用ロール20に架かる無端ベルト部分から自然に剥離される。これにより、定着が終了する。なお、この無端ベルト30から剥離された記録シートPは、図示されていない排出手段によって収容トレイ等に送られる。
【0041】
この定着装置による定着が正常になされると、特に冷却領域での冷却がムラなく一様に行われる結果、図11dに示すように、トナー像Tが記録シートP(の透明樹脂層120)内に一様に埋め込まれたような状態で定着されるとともに、その定着後のシート表面(透明樹脂層120の表面)が無端ベルト30の平滑な表面にならって平滑性に優れた状態となるように定着される。すなわち、この定着後における記録シートP上の画像は、表面凹凸による光の乱反射が少なく光沢性に富み、写真画像に近似した高画質のものとして得られる。
【0042】
図12は、この定着装置において、その無端ベルト30が冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51bを通過する冷却領域の前後及びその通過時期における無端ベルト30により搬送される記録シートPの温度状態を計測した結果(実線)を示すものである。この温度測定は、無端ベルト30の幅方向の中央部に相当する記録シートPの部位に熱電対(1個)を取り付けた状態で無端ベルトを一定の速度で回転走行させたとき(つまり定着装置全体を実際の定着時と同じ条件下で作動させたとき)の温度を測定し、その温度を示したものであるまた、同図には、比較のため、上記放熱部材51の押圧冷却面51bを無端ベルト30に単に接触させた場合(つまり、前記曲げ角度α、βがいずれも「0°」である場合)における温度状態についても同様に計測した結果(点線)を併せて示す。
【0043】
そして、この試験に使用した定着装置の主な構成及び記録シートの構成は、以下の通りとした。加熱ロール10及び加圧ロール40についてはいずれも、そのロール基材11、41を外径44mm、肉厚3mmのアルミニウム製円筒ロール、被覆層12、42における弾性層を厚さ3mmのシリコーンゴム(JIS−A硬度40度)、その被覆層における表面離型層を厚さ3μmのPFAチューブとした。無端ベルト30については、ベルト基材31を厚さ80μmの熱硬化ポリイミドフィルムからなる周長168mmのベルト、弾性離型層32をPFAからなる厚さ3μmのPFAコート層とした。無端ベルト30と加圧ロール40の間の圧接域(N)の幅を85mm、その圧力を5kg/cm2、定着速度(加熱ロールの回転駆動速度)を30mm/sとした。一方、記録シートPについては、基材100を坪量180gsmのコート紙、透明樹脂層120をポリエステル樹脂のコート層からなるものを使用した。また、トナー像を構成するトナーとしては、ワックス入りのスチレンアクリル製の球形トナー(平均粒径5μm)を使用した。
【0044】
この図12に示す結果から、冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51bを無端ベルト30に所定の量だけ押し当てた場合(実線)には、それを単に接触させた場合(点線)に比べて、ほぼ一様に冷却されて温度ムラが大幅に改善されることがわかる。これは、冷却領域となる押圧冷却面51bと無端ベルト30の間に介在する僅かな空気層が押圧冷却面51bの押圧によって押し出され、無端ベルト30の押圧冷却面51bに対する密着力が高まったため、記録シートPから無端ベルト30を介して放熱部材51に至る間の熱伝達率が安定したことによるものである。なお、押圧冷却面51bを無端ベルト30に押し付けた場合であっても少しの温度ムラがあるのは、主に、無端ベルト30が冷却領域に進入する際に押圧冷却面51bとの間の任意の一部分に上記したような僅かな空気層が時々存在し、その空気層が存在しているときと存在していないときとで冷却効果に差が生じて温度ムラ(冷却ムラ)となり、そのような温度ムラが測定値に反映されている結果である。
【0045】
また、この冷却領域を通過する間において記録シートPに対する冷却が均一にかつ安定して行われない場合は、図13に示すように、加熱加圧により記録シート(の透明樹脂層120)に一旦埋め込まれたトナー像Taが冷却温度ムラによって埋め込まれた状態に保持されず、記録シートPの表面との間に微小な段差Dが生じるように浮き上がってしまい、平滑性に劣る定着が行われる可能性が高くなる。図中のTbは、良好に冷却されて定着したトナー像を示す。また、上記した冷却ムラにより、記録シートP(の透明樹脂層の120)やトナーTが十分に冷却されずそれらの粘着性が残るため、無端ベルト30から剥離される際にその十分な冷却がされない透明樹脂層120等の表面部分が微小に毛羽立った状態となってしまい、この結果、光沢性が損なわれる。
【0046】
そして、この定着装置においては、冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51bを無端ベルト30に押圧させて冷却領域を形成しているが、その押圧冷却面51bの押し付ける量を大きくすると、定着対象の記録シートPが搬送途中において無端ベルト30から剥がれやすくなり、これにより均一で安定した冷却ができなくなる傾向にある。そこで、本発明者らは、前記の構成からなる定着装置及び記録シートPを用いて、その記録シートPの剥がれと放熱部材51の押圧冷却面51bの押圧量との関係を調べた。押圧量については、無端ベルト30が押圧冷却面51bにより押圧されて曲がる部位における曲げ角度を指標として調べた。
【0047】
すなわち、図14aに例示するように、無端ベルト30が放熱部材51に接して曲げられる部位(ベルト進入側の端部51b)におけるベルトの曲げ角度αを放熱部材51の押圧量を変えることで徐々に変化させ、その曲げ角度αが何度になったところで記録シートPが無端ベルト30から剥がれるかを調べる実験を行った。この結果、曲げ角度αが「7°」を超えると、同図aに例示するように無端ベルト30に密着して搬送されてきた記録シートP(の少なくとも先端部)が放熱部材51のベルト進入側の端部51bを通過した直後に無端ベルト30の曲がった走行状態に追従できず剥がれるようになった。
【0048】
また同様に、図14bに例示するように、無端ベルト30が放熱部材51から曲げられて離れる部位(ベルト離反側の端部51c)におけるベルトの曲げ角度βを放熱部材51の押圧量を変えることで徐々に変化させ、その曲げ角度αが何度になったところで記録シートPが無端ベルト30から剥がれるかを調べる実験を行った。この結果、曲げ角度βが「22°」を超えると、同図bに例示するように無端ベルト30に密着して冷却領域を通過するように搬送されてきた記録シートP(の少なくとも先端部)が、放熱部材51のベルト離反側の端部51cを通過した直後に無端ベルト30の曲がった走行状態に追従できず剥がれるようなった。
【0049】
このような実験結果から、この定着装置においては、無端ベルト30が放熱部材51の押圧冷却面51bに押圧される冷却領域に進入した地点で記録シートPが剥がれないようにするためには、少なくとも上記曲げ角度αを0<α≦7°の範囲内にすることが必要であることが判明した。また、無端ベルト30がその零着領域を通過し終えた地点で剥がれないようにするためには、さらに上記曲げ角度βを0<β≦22°の範囲内にすることが必要であることが判明した。
【0050】
ちなみに、この実施の形態に係る定着装置では、上記曲げ角度α、βについて前記したように約5°、約15°にそれぞれ設定しているため、無端ベルト30に密着して搬送される記録シートPが上記冷却領域の進入地点や離反地点で剥がれることはなかった。これにより、記録シートPが無端ベルト30によって冷却領域の前後及びその領域内を通過して搬送される途中で剥がれることに伴う冷却不良や冷却ムラの発生が防止される。この結果、冷却不良や冷却ムラに起因する前記したような定着不良(図13参照)が発生することはない。
【0051】
[実施の形態2]
図15は、本発明の実施の形態2に係る定着装置の要部を示すものである。この実施の形態に係る定着装置は、無端ベルト30をそのベルト外周面側から冷却構造体50における放熱部材51の押圧冷却面51bに対して押し付ける押圧ロール60を設けた以外は実施の形態1に係る定着装置と同じ構成からなるものである。
【0052】
上記押圧ロール60は、図16に示すように金属材料又は合成樹脂からなるロール芯材61に、合成樹脂発泡体(例えばウレタンのスポンジ)等からなる弾性体層62を形成したロール径5〜30mm程度の構造のものであって、図17に示すようにそのロール長さ(幅)が無端ベルト30の幅よりも長く(広く)なるように形成されたものである。また、この押圧ロール60は、図15や図16に示すように、そのロール60の無端ベルト30を押圧する位置Mよりもベルト回転方向A上流側の位置にある支軸65aを支点として矢印G,H方向に揺動する支持アーム65に回転自在に取り付けられている。図中の符号68は一端部が図示されていない支持フレームに固定されているとともその他端部が支持アーム65の中程に係止された引っ張りバネ66である。この引っ張りバネ68により、支持アーム65ひいては押圧ロール60が無端ベルト30を所定の圧力で押圧する方向Gに付勢されるようになっている。この押圧ロール60の押圧力については約700gfとなるように設定されている。
【0053】
さらに、この押圧ロール60は、その無端ベルト30を押圧する位置が、少なくとも放熱部材51の押圧冷却面51bのうち無端ベルト30が最初に接触する部位から内側30mmまでの領域E内となるように配設されている。これは、図18に示すように、上記領域Eにおいては無端ベルト30が押圧冷却面51bに接した直後にベルト自体のしわや空気層の発生等により押圧冷却面と接触しない非接触部分(点線で描いた部分)が発生しやすく、この非接触部分が冷却ムラの1つの要因となることから、かかる非接触部分を有効かつ確実に消失させる必要があるためである。この実施の形態では、押圧ロール60をその内側約10mmの位置で押圧させるように設定している。
【0054】
このような押圧ロール60を設けた定着装置では、実施の形態1に係る定着装置と基本的に同じ定着を行うことができるうえに、その押圧ロール60があることによって次のような作用効果が得られる。
【0055】
すなわち、押圧ロール60の押圧により、無端ベルト30が押圧冷却面51bに対してより高い接触圧で接触するようになり、このため冷却構造体50による無端ベルト30及ぶ記録シートPに対する冷却効率がより高められる。また、押圧ロール60の押圧が上記領域E内でなされることにより、無端ベルト30の押圧冷却面51aへの進入時に発生しやすい非接触部分が消失させられ、無端ベルト30が押圧冷却面51aに対してより確実かつ一様に接触するようになり、このため、かかる無端ベルト30の非接触部に起因した冷却むらが少なくなる。この結果、この定着装置では、定着対象の記録シートPがより均一で安定した冷却がなされるため、より光沢性や平滑性に富んだ高品位の画像が得られる定着を行うことができる。
【0056】
図19は、この定着装置において、その無端ベルト30が押圧ロール60の存在下で冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51bを通過する冷却領域の前後及びその通過時期における無端ベルト30により搬送される記録シートPの温度状態を計測した結果(実線)を示すものである。この温度測定は、実施の形態1において温度状態を測定した場合(図12)と同様にして行っている。また、同図には、比較のため、押圧ロール60を設けず、上記放熱部材51の押圧冷却面51bを無端ベルト30に単に接触させた場合における温度状態についても同様に計測した結果(点線)を併せて示す。さらに、この試験は、押圧ロール60を設けた以外は実施の形態1の試験で使用した同様の構成からなる定着装置と記録シートPを用いて行った。この図に示す結果から、押圧ロール60を設けて無端ベルト30を冷却構造体50の放熱部材51の押圧冷却面51bに押し付けた場合(実線)には、温度ムラがなく一様に冷却されることがわかる。
【0057】
この他、押圧ロール60の無端ベルト30と接する部位が合成樹脂発泡体からなる弾性層61で形成されていることにより、無端ベルト30により押圧ロール60が加熱されても蓄熱することがなく、これにより畜熱された押圧ロール60によって逆に加熱されて冷却構造体50の冷却作用が阻害されるおそれがない。また、押圧ロール60の押圧力が上記の低い値に設定されていることにより、押圧ロール60の押し付けによる無端ベル30の回転走行や記録シートPの搬送が阻害されることなく円滑に行われる。このような作用効果が得られる押圧ロール60の押圧力は、試験して調べたところ、押圧ロール60の弾性体層62の硬さ等に関係なく700gf以下に設定すれば良いことが判明した。
【0058】
さらに、押圧ロール60が上記した状態で搖動する支持アーム65に支持されていることにより、押圧ロール60が記録シートPの搬送方向Aの前方を開放する側(矢印H方向)に無端ベルト30から離間するように搖動し得るため、図20に例示するように定着対象の記録シートPが定着装置に導入された後に紙詰まりを起こしても、かかる紙詰まりした記録シートPxにより押圧ロール60が上記矢印H方向に搖動するため、かかる紙詰まりした記録シートPxが装置内に留まることなく排出されやすくなる。
【0059】
[他の実施の形態]
実施の形態1、2においては、冷却構造体50における放熱部材51の押圧冷却面51bを、図21に例示するように無端ベルト30の回転方向Aに対して曲率(R)をもつ曲面とすることがより好ましい。その曲率(R)は、押圧冷却面51bの寸法等の他の条件によっても異なるが、例えば100〜900mmに設定することができる。この曲面の押圧冷却面を有する放熱部材51においても、その曲げ角度αが前記した特定範囲内となるように配設する必要があることは言うまでもない。このように構成した場合には、実施の形態1の平面とした場合に比べて、無端ベルト30の押圧冷却面51bに対する密着性が向上する。これにより、その曲面からなる押圧冷却面51bに接触する無端ベルト30を介しての冷却構造体50による記録シートの冷却効率が向上するとともにその冷却ムラの発生もより一層低減する。
【0060】
また、実施の形態1、2においては、図22に例示するように、加熱ロール10と剥離用ロール20に加えて第3のベルト支持ロール25を配設して無端ベルト30を張架するように構成してもよい。この場合、剥離用ロール20は、テンション機能を持たせずに固定配設される従動ロールとして構成し、その第3のベルト支持ロール25をテンション用ロールとして構成することができる。さらに、第3のベルト支持ロール25はそのロール端部(その軸受)を無端ベルト30の蛇行状況に応じて上下方向等に変位(傾動)させて修正する蛇行防止機能を付加することも可能である。
【0061】
さらに、実施の形態1、2においては、図22に例示するように、冷却構造体50を無端ベルト30に対して接離可能に設けるように構成してもよい。また同様に、実施の形態2における押圧ロール60についても無端ベルト30に対して接離可能に設けるように構成してもよい。この場合にはいずれも、冷却構造体50や押圧ロール60を公知の変位機構(カム機構など)によって変位可能に支持したうえで、非動作時には冷却構造体50等を無端ベルト30から離しておき、定着動作時には記録シートPが定着装置の手前まで搬送された時点で冷却構造体50等を無端ベルト30に接触及び押圧させるように構成すればよい。
【0062】
また、実施の形態1、2に係る定着装置においては、必要に応じて、剥離用ロール20に架けられる無端ベルト30からの記録シートPの剥離を確実に行うための補助部材として剥離つめ機構を設けたり、あるいは、無端ベルト30の外周面に付着する付着物を除去するためのクリーニング装置などを設けてもよい。この他、実施の形態1、2に係る定着装置においては、加熱ロール10を回転駆動させて無端ベルト30を所定の方向Aに回転走行させるようにした場合について例示したが、必要によっては、剥離用ロール20や加圧ロール40を回転駆動させて無端ベルト30を所定の方向Aに回転走行させるように構成したり、あるいは、無端ベルト30を直接専用の駆動手段によって回転走行させるように構成しても構わない。
【0063】
さらに、実施の形態2においては、押圧ロール60に代えて、図23に例示するような複数本の支持ロール67に回転走行可能に張架した押圧ベルト66を、無端ベルト30を押圧する押圧回動体として設けても構わない。この場合、支持ロール67は前記押圧ロール60と同じロール構造としてもよい。また、この押圧ベルト66の無端ベルト30を押圧するベルト回転方向Aの長さ(つまり、支持ロール67の離間距離にほぼ相当する長さ)Lは、図示するように押圧冷却面51bのベルト回転方向Aの長さと同じにする場合に限られず、その押圧冷却面51bの長さよりも短くしても或いは長くしてもよい。いずれの長さ関係の場合であっても、その押圧ベルト66による無端ベルト30の押圧冷却面51bに対する密着性を向上させることができ、この結果、冷却構造体50による冷却効果を向上させることが可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の定着装置によれば、無端ベルトの内周面から押圧しながら冷却を行う冷却手段により、加熱ロールから剥離用ロールに向かう無端ベルト及びそのベルトに当接した状態で搬送される定着対象の記録シートを均一にかつ安定して冷却し、冷却ムラのない良好な定着を行うことができる。しかも、押圧回動体を配設するとともに、その押圧回動体の無端ベルトと接触する部位を合成樹脂発泡体で形成するようにしているので、無端ベルトが押圧回動体の押し付けによって押圧冷却面に対してより高い接触圧で接触するようになり、また、より確実かつ一様に接触するようになる。また、加熱ロールに架けられて加熱された無端ベルトにより押圧回動体が加熱されても合成樹脂発泡体の断熱作用により蓄熱することがなく、これにより畜熱された押圧回動体によって冷却構造体の冷却作用が阻害されることがない。これにより、冷却構造体による無端ベルト及ぶ記録シートに対する冷却効率がより高められるとともにその冷却ムラも少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の定着装置の主な構成を例示する概念図。
【図2】 曲げ角度α(β)の代表例を示す説明図。
【図3】 実施の形態1に係る定着装置の要部を示す概略斜視図。
【図4】 図3のIV−IV線に沿う概略断面図。
【図5】 図3のV−V線に沿う概略断面図。
【図6】 図3の定着装置の概略底面図。
【図7】 実施の形態1における冷却構造体とその押圧冷却面に対する無端ベルトの曲げ角度α、βとの構成を示す要部説明図。
【図8】 無端ベルトの構成を示す概略断面図。
【図9】 記録シートの構成を示す概略断面図。
【図10】 定着動作の主な工程状態を示す概要図。
【図11】 トナー像の記録シートへの定着過程を示す概要図。
【図12】 冷却構造体の無端ベルトへの押圧配設時及び接触配設時における記録シートの温度状態を測定した結果のグラフ図。
【図13】 冷却ムラ(不良)が発生した場合における定着不良の状態を示す説明図。
【図14】 押圧冷却面に対する無端ベルトの曲げ角度α、βと記録シートの剥がれ現象との関係を示す説明図。
【図15】 実施の形態2に係る定着装置の要部を示す概略断面図。
【図16】 押圧ロールの構成を示す拡大説明図。
【図17】 押圧ロールの押圧位置を示す概略底面図。
【図18】 無端ベルトの押圧冷却面の進入時に発生する非接触部分を示す概略説明図。
【図19】 主に押圧ロールの有無に対する記録シートの温度状態を測定した結果のグラフ図。
【図20】 押圧ロールの支持構成に伴う作用効果を示す概略説明図。
【図21】 冷却構造体における押圧冷却面の他の構成例(曲率を持った曲面の場合)を示す要部説明図。
【図22】 本発明に係る定着装置の他の構成例を示す要部概要図。
【図23】 押圧ベルトを設けた構成例を示す要部概要図。
【符号の説明】
1,10…加熱ロール、2,20…剥離用ロール、3,30…無端ベルト、4,40…加圧ロール、5,50…冷却構造体、5a,51b…押圧冷却面、6…押圧回動体、60…押圧ロール(押圧回動体)、66…押圧ベルト(押圧回動体)、65…支持アーム(支持フレーム)、A…無端ベルトの回転方向、P…記録シート、T…トナー像、N…圧接域、α,β…曲げ角度、E…内側30mmまでの領域。

Claims (3)

  1. 加熱ロールと、この加熱ロールと間隔をあけて配設される剥離用ロールと、この剥離用ロールと前記加熱ロールとに少なくとも張架されて回転走行する無端ベルトと、この無端ベルトを前記加熱ロールに圧接させる加圧ロールと、前記無端ベルトの内周面側に配設され、その無端ベルトのうち前記加熱ロールから前記剥離用ロールに至る側のベルト内周面部分をそのベルト外周面側の方向に押圧しながら冷却する押圧冷却面のある冷却構造体とを備え、
    前記無端ベルトを前記加熱ロール、前記冷却構造体、前記剥離用ロールの順番で通過する方向に回転走行させるとともに、トナー像を担持する記録シートを、前記加熱ロールに架かる前記無端ベルトと前記加圧ロールとの間の圧接域に導入し、その無端ベルトに当接させた状態で前記冷却構造体の押圧冷却面が接触する部分を通過させて前記剥離用ロールに架かる部分まで搬送して剥離させることにより前記トナー像を記録シートに定着させる定着装置であって、
    前記冷却構造体は、前記無端ベルトがその冷却構造体の押圧冷却面と接触して離れるまでの間でその接触して最初に曲げられる部位の曲げ角度(α:無端ベルトの加熱ロールと剥離用ロールとの間の自然張架での状態を示す状態線に対して当該部位における無端ベルトのなす角度)が0°<α≦7°の範囲内となるように配設される一方、
    前記無端ベルトをそのベルト外周面側から前記冷却構造体の押圧冷却面に対して押し付ける押圧回動体を配設するとともに、その押圧回動体の無端ベルトと接触する部位を合成樹脂発泡体で形成することを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    前記冷却構造体は、前記無端ベルトがその冷却構造体の押圧冷却面から曲げられた状態で離れる部位の曲げ角度(β:無端ベルトが離れる手前の押圧冷却面が無端ベルトの加熱ロールと剥離用ロールとの間の自然張架での状態を示す状態線と平行状態にある場合にはその状態線Kに対する無端ベルトのなす角度、無端ベルトが離れる手前の押圧冷却面が前記自然張架での状態を示す状態線と平行状態にない場合にはその離れる直前の押圧冷却面の無端ベルトの離れる部位での接線又は延長線に対する無端ベルトのなす角度)が0°<β≦22°の範囲内となるように配設されていることを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    前記押圧回動体が、その回動体の無端ベルトを押圧する位置よりもベルト回転方向上流側の位置を支点として揺動し得る支持フレームに支持されていることを特徴とする定着装置。
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