JP3788101B2 - 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体 - Google Patents

紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP3788101B2
JP3788101B2 JP10529999A JP10529999A JP3788101B2 JP 3788101 B2 JP3788101 B2 JP 3788101B2 JP 10529999 A JP10529999 A JP 10529999A JP 10529999 A JP10529999 A JP 10529999A JP 3788101 B2 JP3788101 B2 JP 3788101B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas barrier
composite film
film material
layer
oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10529999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000006305A (ja
Inventor
守 関口
圭子 中村
昌由 鈴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP10529999A priority Critical patent/JP3788101B2/ja
Publication of JP2000006305A publication Critical patent/JP2000006305A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3788101B2 publication Critical patent/JP3788101B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子フィルム基材の少なくとも片面に、気相成長法により成膜された金属もしくは金属酸化物からなるガスバリア層が形成されてなる複合フィルム材料であって、ガスバリア性と紫外線カット性を両立させた機能性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業資材をはじめ医薬品、食品等の包装材料として、高分子フィルム基材にガスバリア層としてアルミ箔を積層した材料が広く用いられているが、最近ではガスバリア層としてアルミニウム等の金属蒸着薄膜や、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物蒸着薄膜を高分子フィルム基材上に形成してなる複合フィルム材料が包装材料として利用されるようになっている。
【0003】
特に、金属酸化物蒸着薄膜が形成されている複合フィルム材料は、高い透明性を有しており、内容物を目視にて確認できるという利点を有する。しかも、金属蒸着薄膜に比べ易焼却性を有しているため、地球環境の点からのその使用が推奨されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複合フィルム材料のガスバリア層である金属酸化物蒸着薄膜は可視領域での光線透過率に優れる反面紫外線も同時に透過してしまう。従って、内容物によっては紫外線により変質、変色する問題が残されていた。このため従来から用いていたアルミ蒸着した材料からの代替が進んでいない。また、一方ではフィルムが折り曲げやヒートショックによってバリア層にクラックやピンホールが入ることで、水蒸気バリア性の低下が顕著であり、従って、従来の複合フィルム材料は酸素だけでなく特に水蒸気の侵入を嫌うスナックフードや菓子類用の包装材料として、更にガスバリア性を高めることが求められている。
【0005】
本発明は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、極めて優れたガスバリア性を維持したまま紫外線カット性を同時に付与した透明性ガスバリア複合フィルム材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、複合フィルム材料のガスバリア層上に、超微粒子に顔料分散材料を配合した樹脂層を形成することにより、透明性を損なうことなしに上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は、高分子フィルム基材と、この基材の少なくとも片面に気相成長法により成膜した金属酸化物からなるガスバリア層とからなる複合フィルム材料において、ガスバリア層上に、平均粒径が10〜100nmの範囲の超微粒子に顔料分散材料を添加量が超微粒子に対し0.1〜5重量%の範囲で配合し、且つ樹脂100重量部に対し超微粒子を0.01〜3重量部の範囲になるように配合した樹脂層を形成し、光線透過率が波長400〜700nmの平均光線透過率で70%以上、360nmで7%以下であることを特徴とする複合フィルム材料を提供する。
【0008】
具体的に各請求項における課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
【0009】
請求項1の発明においては、高分子フィルム基材と、この基材の少なくとも片面に気相成長法により成膜した金属酸化物からなるガスバリア層とからなる複合フィルム材料において、ガスバリア層上に、平均粒径が10〜100nmの範囲の超微粒子に顔料分散材料を添加量が超微粒子に対し0.1〜5重量%の範囲で配合し、且つ樹脂100重量部に対し超微粒子を0.01〜3重量部の範囲になるように配合した樹脂層を形成し、光線透過率が波長400〜700nmの平均光線透過率で70%以上、360nmで7%以下であることを特徴とする紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料である。
【0010】
請求項2の発明においては、前記樹脂層上に、ヒートシール性樹脂層が積層されている請求項1記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料である。
【0011】
請求項3の発明においては、ガスバリア層と前記樹脂層との間に、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解物及び塩化錫の少なくとも一種とを含有する保護層が形成されている請求項1〜2のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料である。
【0012】
請求項4の発明においては、超微粒子が、セラミックまたは粘土鉱物の少なくとも一種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア材料である。
【0013】
請求項5の発明においては、超微粒子が、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化セシウムの少なくとも一種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料である。
【0014】
請求項6の発明においては、微粒子を含有する層に、電子線または紫外線の照射により硬化する材料が含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料である。
【0015】
請求項7の発明においては、ガスバリア層が、アルミニウム酸化物、珪素酸化物及びマグネシウム酸化物の少なくとも一種からなる単層構造または多層構造を有する請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料である。
【0017】
請求項の発明においては、請求項1〜のいずれかに記載の材料の高分子フィルム基材のガスバリア層形成面の反対側に、包装材用ベース基材を積層したことを特徴とする包装材料。
【0018】
請求項の発明においては、請求項記載の包装材料を製袋することにより得られるスナックフード用包装体である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料の一例の概略断面図である。この紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料は、高分子フィルム基材(1)の片面に気相成長法により成膜された金属もしくは金属酸化物からなるガスバリア層(2)と、その上に超微粒子に顔料分散材料を配合した樹脂層が形成されている構造を有する。このように、ガスバリア層(2)上に、超微粒子を含有する樹脂層(3)を設けることにより、紫外線カット性を付与すると同時にガスバリア層(2)にマイクロクラックやピンホールが生じてしまった場合でも、それらを透過してくる水蒸気を微粒子を含有する樹脂層の表面及び内部で遮断することができる。このため、複合フィルム材料の水蒸気バリア性を大幅に向上させることができる。
【0021】
本発明において、高分子フィルム基材(1)としては、寸法安定性、耐熱性並びに機械的強度に優れた樹脂フィルムを使用する。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン11、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド等からなるフィルムあるいは上記ポリマーを構成するモノマーを含む共重合体等を好ましく挙げることができる。中でも、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンを好ましく使用することができる。
【0022】
また、高分子フィルム基材(1)としては、一軸延伸もしくは無延伸のフィルム材料を使用することもできるが、強度、寸法安定性、耐熱性等の点から縦横方向に延伸された二軸延伸フィルムの利用が望ましい。
【0023】
また、高分子フィルム基材(1)には、必要に応じ、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、顔料、染料等の公知の添加剤を含有させてもよい。但し、表面ヘのブリードアウトを防止するために、少なくとも有機系滑剤、帯電防止剤の添加量については小さくすることが好ましい。
【0024】
高分子フィルム基材(1)の厚みは、一般に3〜400μm厚であるが、後述するように、気相成長法でガスバリア層を形成する際の加工性、更に印刷やラミネート加工などの二次加工の際のハンドリングの観点から、好ましくは6〜200μmである。
【0025】
ガスバリア層(2)は、金属酸化物からなる薄膜であり、気相成長法により成膜されたものが特に均一に形成でき、ガスバリア効果に秀でている。
【0026】
金属酸化物としては珪素、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、ニッケル、コバルト、鉄、鉛、銅、バナジムウム、インジウム等の酸化物を挙げることができる。中でも、アルミニウム酸化物、珪素酸化物あるいはマグネシウム酸化物から形成されたガスバリア層(2)は、透明製でガスバリア性にも優れているので好ましい
【0027】
ガスバリア層(2)は、上述のような金属酸化物から選択される単一材料からなる単層あるいは複数の混合材料からなる単層の構造、またはそれらを複数積層した多層構造をとることができる。この場合、多層構造には組成が連続的に変わるいわゆる傾斜材料であっても良い。
【0028】
ガスバリア層(2)の層厚としては、薄すぎるとガスバリア層(2)の構造が不均一でガスバリア性が不十分となり、厚すぎると材料の種類によってはガスバリア層に大きなクラックが発生し、また、高分子フィルム基材(1)とガスバリア層(2)との密着性が低下し、しかもガスバリア性も不十分となるので、好ましくは5nm〜1000nm、より好ましくは5nm〜50nmである。
ところで蒸着部の透明性を低くしてしまう材料(例えば、アルミニウム)を用いてガスバリア層(2)を形成するときにはその層厚を薄くする配慮が必要である。
【0029】
ガスバリア層(2)の形成は、気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ化学気相成長法等の公知の真空プロセスを用いることができる。
【0030】
超微粒子を含有する樹脂層(3)は、セラミックまたは粘土鉱物の少なくも一種以上の超微粒子が高分子バインダー樹脂、あるいは電子線または紫外線の照射により硬化する樹脂に分散した構造を有する。
【0031】
あるいはまた、超微粒子を含有する樹脂層(3)は、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セシウムの少なくも一種以上の超微粒子が高分子バインダー樹脂、あるいは電子線または紫外線の照射により硬化する樹脂に分散した構造を有する。
【0032】
本発明に用いる超微粒子としては、Si,AlO2 ,FeO3 ,FeO,FeO3 ,CaO,MgO,Mn3 4 ,TiO2 ,ZrO2 ,HfO2 ,ThO2 ,BeO,Y2 3 ,La2 3 ,CeO2 ,3Al2 3 2SiO2 ,2Al2 3 SiO2 ,Al2 SiO5 ,MgSiO3 ,MgSiO4 ,CaOMgO,CaSiO3 ,CaSi2 7 ,MgAl2 4 FeCr2 4 ,MgFe2 4 ,MgCr2 4 ,FeTiO3 ,CaTiO3 ,3Y2 3 5Fe2 3 ,BaO6 Fe2 3 ,Ba2 SiO4 ,3CaOMgO2 SiO2 ,2CaOMgO2 SiO2 ,Li2 OAl2 3 2SiO2 ,2CaOAl2 3 SiO2 ,3CaOAl2 3 2SiO2 ,2Na2 OAl2 3 4SiO2 等の酸化物やSiC,WC,TiC,TaC,ZrC,B4 C等の炭化物、Si3 4 ,BN,TiN,ZrN,AlN等の窒化物等の材料から選ばれる一種以上のセラミック材料が適宜利用できる。
【0033】
また、SiO4 が二次元的に重合した正四面体層とAlO4 (OH)2 が正八面体層が結合した層状粘土鉱物で代表されるものでパイロフィライト、タルク、セリサイト、モンモリロナイト、雲母等も利用できる。
【0034】
本発明における微粉末の粒径としては、1μmより小さいものであって、好もしくは5〜50nmの範囲であることが必要である。1μmを超えると樹脂中に添加しても粒子径が大きいため均一に分散せずバリア性機能発現が不安定になるばかりでなく透明性も損なうことになる。
【0035】
また、下限値はなるべく小さい方が好ましいが分散方法に制約をうけたり、分散に時間がかかったりする。
【0036】
そしてまた本発明に用いる超微粒子としては酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セシウムのいずれかが単独または組合せて利用できる。
【0037】
超微粒子の平均粒径としては、10〜100(nm)の範囲のものが良好に利用できるが、後述するバインダー樹脂中では少なからず数〜数十μmに二次凝集化してしまうため均一に分散させるためには顔料分散材料を適宜配合することが好ましい。
ステアリン酸のような高級脂肪酸やその塩、エステル、アミド等が利用できる。また、500〜1000程度の分子量を持つ低分子量ポリエチレンワックスまたはその酸変成物も利用できる。顔料分散剤の添加量は、微粒子1に対し0.1〜5重量%の範囲が好もしい。0.1重量%より少ないとバインダー樹脂中での粒子の分散性が悪く透明性が低下してしまう。5重量%より多くなるとバインダー樹脂の機械的強度が低下し好ましくない。
【0038】
樹脂層(3)には、必要に応じて公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、滑剤、表面改質剤等をバリア性能を損なわれない範囲で適宜添加しても一向に構わない。
【0039】
高分子バインダー樹脂としては、非水溶媒に溶解あるいは分散可能な樹脂や、熱により溶融ができる熱可塑性樹脂を使用することができる。非水溶媒に溶解あるいは分散可能な樹脂としては、例えば、塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合、ニトロセルロース、ウレタン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂が使用できる。ここで、これらの樹脂を溶解あるいは分散させることのできる非水溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、ヘプタン、トルエン、ベンゼン等の脂肪族及び芳香炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類の汎用溶剤を挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が利用できる。
【0040】
電子線の照射により硬化する樹脂としては、例えば下記に示すモノマーやオリゴマーあるいはこれらの混合物が用いられる。
【0041】
ラジカル重合性単官能基モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、トリロキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、グリシジルアクリレート、カルビトールアクリレート、イソボニルアクリレート等が使用できる。
【0042】
ラジカル重合性多官能基モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ペンタリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピオンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート等が使用できる。
【0043】
ラジカル重合性オリゴマーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリオールアクリレート等が使用できる。
【0044】
さらに、上述の電子線硬化樹脂に公知の開始剤を添加して硬化のエネルギーに紫外線を用いたものも本発明の範疇に入る。
【0045】
樹脂層(3)には、必要に応じ、レベリング促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の公知の添加剤を適宣添加してもよい。
【0046】
樹脂中に含有する超微粒子の含有量は、少なすぎると紫外線カット性と水蒸気の遮断性能の両方が不十分になる傾向があり、多すぎると上述したように成膜性が低下してひび割れ等が生じたり接着性に問題がある。好ましくは高分子バインダー樹脂や電子線硬化樹脂100重量部に対し0.01〜3重量部の範囲である。
【0047】
樹脂層(3)の厚みとしては、用いる材料により最適条件は異なるが、薄すぎると紫外線カット性と水蒸気の遮断性能が不十分になるので、好ましくは少なくとも0.1μm、より好ましくは2μm以上である。
【0048】
なお、超微粒子を含有する層の厚みの上限については特に限定はないが、厚すぎると透明性が低下するばかりでなく形成時に収縮がおき、複合フィルム材料がカールしたり、下地のガスバリア層(2)との密着性が不十分となる傾向があるので、50μm程度までとすることが好ましい。
【0049】
本発明は、透明性を維持したまま紫外線カット性を付与したところに特徴があり、この指標としては光線透過率またはヘイズ値等で表すことができる。可視領域での平均光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上であり、かつ、紫外線領域たとえば360nmでの透過率が30%以上好ましくは7%以下であることが要件である。
【0050】
樹脂層(3)の形成は、非水溶剤を使用する場合には、高分子バインダー樹脂と吸湿性材料と非水溶剤とを均一に混合したコーティング組成物を、グラビア法、ロールコート法、エアーナイフ法、ブレードコート法等の公知の塗布方法を利用して、ガスバリア層(2)上に塗布し乾燥することにより行うことができる。また、熱により溶融押し出しさせる場合は、公知のTダイから超微粒子を含有した樹脂を押し出しコーティングすることができる。特に方法に限定するものではない。
【0051】
さらに電子線硬化樹脂を使用する場合には、電子線硬化樹脂に上述の吸湿性材料を所定量添加したものを前述のグラビア法等公知の塗布方法によりコートして、例えば加速電圧;100〜300kVで、吸収線量;1〜100kGy、好ましくは2〜50kGyで硬化することができる。
電子線照射時における雰囲気中の酸素濃度は、好ましくは1,000ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。酸素濃度が高いと樹脂の硬化が酸素により阻害され硬化不良をおこし好ましくない。
【0052】
電子線照射に用いられる電子線加速器は、スキャニングタイプ、ダブルスキャニングタイプ、ブロードビーム方式、カーテンビーム方式等公知のものが利用でき特に限定されるものではない。
【0053】
本発明においては、超微粒子含有する樹脂層(3)の上に、更にヒートシール性樹脂層(4)を設けることが好ましい。これにより、製袋を容易にするとともに複合フィルム材料のガスバリア性も高めることができる。
【0054】
ヒートシール性樹脂層(4)を構成するヒートシール性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂等公知の樹脂を利用することができる。
【0055】
ヒートシール性樹脂層(4)の形成は、フィルム化したものを接着剤を介して水蒸気トラップ層すなわち樹脂層(3)上にラミネートしてもよく、溶融物を直接押出しコーティングして形成してもよい。
【0056】
ヒートシール性樹脂層(4)の層厚は、特に限定されないが、一般的には10〜100μm、好ましくは15〜30μmである。
【0057】
また、本発明の複合フィルム材料においては、ガスバリア層(2)と超微粒子含有する樹脂層との間に、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解物及び塩化錫の少なくとも一種とを含有する保護層(5)を形成することが好ましい。このような保護層(5)を設けることにより、複合フィルム材料のガスバリア性(特に酸素や窒素ガスなどの無機ガス類に対するガスバリア性)を更に高めることができる。また、複合フィルム材料に高いガスバリア性、特に高温(例えば40℃)高湿(例えば90%RH)環境下での長期保存性を向上させることができる。
【0058】
このような保護層(5)としては、水溶性高分子と、金属アルコキシド及びその加水分解並びに塩化錫の少なくとも一種とを、水あるいは水とアルコール(プロパノール等)との混合用溶媒に溶解した水性塗料を塗布し、乾燥することにより成膜したものを好ましく使用することができる。
【0059】
保護層(5)に使用する水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の単体、あるいはこれらの二種以上の混合物を利用することができる。中でも、ポリビニルアルコールを好ましく使用することができる。ここで、ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるもので、酢酸残基が数十パーセント残存する部分ケン化のものから、数パーセントしか残存しない完全ケン化度のポリビニルアルコールが含まれる。
【0060】
金属アルコキシドとしては、M(OR)n(式中、MはSi、Ti、Al、Zr等の金属であり、RはCH3 、C2 5 等低級アルキル基であり、nは金属Mの原子価に対応する数である。)で表されるものを好ましく使用することができる。中でも、テトラエトキシシラン(Si(OC2 5 4 )、トリイソプロポキシアルミニウム(Al(O−2−C3 7 3 )等を好ましく使用することができる。
【0061】
塩化錫としては、塩化第一錫(SnCl2 )、塩化第二錫(SnCl4 )あるはこれらの混合物を使用することができ、無水物でも水和物であってもよい。
【0062】
保護層(5)を形成するための水性塗料には、上述した成分の他に、ポリプロピレン複合フィルム材料のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、安定剤、粘度調整剤など公知の添加剤を添加することができる。
【0063】
イソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有する、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシリンジイソシアネートなどのモノマー類とこれらの重合体や誘導体を使用することができる。
【0064】
保護層(5)の厚みとしては、コーティングの種類により異なるが、乾燥後の厚みが好ましくは約0.01〜100μmの範囲であり、より好ましくは0.01〜50μmである。
【0065】
保護層(5)の形成は、保護層形成用の水性塗料を公知のディッピング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、スプレー法、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法等を利用して行うことができる。
【0066】
また、本発明の複合フィルム材料を用いて包装材料を得る方法としては、ガスバリア層(2)が形成されていない高分子フィルム基材(1)の表面に、和紙、ナイロンシート、ポリエステルシート、ポリプロピレンシートなどの包装材用ベースを積層することが好ましい。包装材用ベースは、製袋した際に最外層となるものである。従って、本発明の効果には直接は関与しない為に厚さ、材料とも限定されず、全面に形成する必要もない。さらに、これらの包装材用ベースとの接着を行うために各種接着剤を用いることも自由である。
【0067】
本発明の複合フィルム材料は、常法により製造することができ、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面改質処理をしてもよい高分子フィルム基材(1)上に、真空蒸着プロセス成膜法によりガスバリア層(2)を形成し、必要に応じて保護層(5)、超微粒子含有する樹脂層を形成した後、更にヒートシール性樹脂層(4)を形成することにより製造することができる。
【0068】
このようにして得られる紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料は、蒸着加工時の熱やストレスにより生じた欠陥やピンホール、さらには絵柄印刷やラミネーション、製袋といった後加工時に生じるガスバリア層のマイクロクラックにより透過性が増大する水蒸気を十分に遮断することができるので高防湿性及び高バリア性と同時に紫外線カット性も付与でき、紫外線により変質しやすい内容物を保護できる機能性包装材料となる。このため、従来のアルミ箔を利用した積層材料の代替品として食品、医薬品、産業資材分野の包装材料に利用できる。特に、水蒸気や酸素の透過を非常に嫌うスナックフード用包装体として利用価値の高いものとなる。また、消費者にとっても内容確認が直接視認できるので、商品の信頼性が向上する。
【0069】
印刷は、直接複合フィルムに行うのであっても、包装材用ベースに行うものであっても、用途により省略するものであってもかまわない。
また、製袋方法もピロー包装の他、三方シール、四方シール袋、合掌シールなど各種製袋方法を用いることができる。
【0070】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
まず、可視光透明性の比較的高い群についていくつかの実施例、比較例を用いて説明する。
【0071】
<実施例1>
プレーンの12μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、真空蒸着法により酸化アルミニウムを30nm厚で形成し、更に以下に説明するように調製された保護形成用組成物をグラビアロール法により塗布し、120℃の乾燥機で1分間乾燥させて厚さ0.3μmの保護層を形成した。次に、以下に説明するように調製された超微量子含有する樹脂層組成物Aを押し出しコーティングして厚さ20μmの層を形成した。
【0072】
更に、超微粒子含有する樹脂上に、2液硬化型のポリウレタン系接着剤を介して60μm厚の低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネート法によりヒートシール性樹脂層を形成し、紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料を得た。
【0073】
参考例1
アルミニウムを蒸着で30nm形成する以外は実施例1と同様にして紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料を得た。
【0074】
(保護層形成用組成物の調製)
テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸を89.6g加え30分間攪拌して加水分解させた。得られた加水分解液の固形分を3重量パーセント(SiO2 換算)に調製し、その加水分解液に、ポリビニルアルコールを3重量パーセント含有する水/イソプロピルアルコール(90/10)混合溶液を混合することにより保護層形成用組成物を調製した。
【0075】
(超微粒子含有形成用組成物Aの調製)
熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレートを、微粒子に平均一次粒子系が20nmの酸化亜鉛を、顔料分散剤として低分子量ポリエチレンワックスを使用した。このとき酸化亜鉛の添加量は低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し1重量部、顔料分散剤を0.1重量部に設定した。この混合物溶融状態のポリエステル樹脂に添加した。これらの混練には2軸押し出しき機を利用して水冷ペレタイズ後乾燥した。
【0076】
(超微粒子含有形成用組成物Bの調製)
熱可塑性樹脂として、ポリプロピレンを、微粒子に平均一次粒子系が20nmの酸化亜鉛を、顔料分散剤として低分子量ポリエチレンワックスを使用した。このとき酸化亜鉛の添加量は低密度ポリエチレン樹脂100重量部に対し
1重量部、顔料分散剤を0.1重量部に設定した。この混合物溶融状態のポリプロピレン樹脂に添加した。これらの混練には2軸押し出し機を利用して水冷ペレタイズ後乾燥した。
【0077】
<比較例1>
実施例1で用いた超微粒子を含有する樹脂層を形成しない以外は、実施例1と同様にして複合フィルム材料を作製した。
【0078】
<実施例3〜4>
ガスバリア層として40nm厚の酸化珪素、40nm厚の酸化マグネシウムを成膜し、微粒子含有率を0.2、1.0重量部にそれぞれ変えて実施例1と同様に試験した。
【0079】
<実施例5>
超微粒子含有形成組成物Bを用いて、実施例1と同様に試験した。
【0080】
<比較例2〜3>
微粒子含有量を0.01、3.0重量部にそれぞれ変えて実施例1と同様に試験した。
【0081】
(評価)以上の実施例1、実施例3〜5、参考例1及び比較例1〜3の複合フィルム材料について、以下に説明するように、光線透過率と酸素及び水蒸気に対するガスバリア性について試験し評価した。そして、それらの結果を踏まえて、総合評価した。得られた結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
Figure 0003788101
【0083】
(紫外線カット性)
分光計で波長360nmの光線透過率を測定
(透明性)
分光計で波長400〜700nmの光線透過率を測定し、平均化した。
(ガスバリア性)
酸素透過度(cm2 /m2 /day)
測定方法 JIS K7126B法(同圧法)
測定条件 27℃、75%RHで測定
測定装置 MoconOxtran
水蒸気透過度(g/m2 /day)
測定方法 JIS K7129B法(赤外センサー法)
測定条件 40℃、90%RHで測定
測定装置 MoconPermatran
【0084】
表1から、実施例1、実施例3〜5、参考例1の複合フィルム材料は、超微粒子含有する樹脂層を設けていない比較例1の複合フィルム材料に比べて、紫外線カット性に優れかつ酸素バリア性と水蒸気バリア性を示していることがわかる。比較例1の複合フィルム材料の場合には紫外線カット性が全くないことがわかる。
【0085】
次に、可視光透明性の比較的低い群についていくつかの実施例、比較例を用いて説明する。
【0086】
参考例5
プレーンの12μm厚の二軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、真空蒸着法により酸化アルミニウムを30nm厚で形成し、更に以下に説明するように調整された保護形成用組成物をグラビアロール法により塗布し、120°Cの乾燥機で1分間乾燥させて厚さ0.3μmの保護層を形成した。次に、以下に説明するように調整された超微量子含有する樹脂組成物Aを押し出しコーティングして厚さ20μmの層を形成した。
【0087】
更に、超微粒子含有する樹脂上に、2液硬化型のポリウレタン系接着剤を介して60μm厚の低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネート法によりヒートシール性樹脂層を形成し、紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料を得た。
【0088】
(保護層形成用組成物の調製)
テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸を89.6g加え30分間攪拌して加水分解させた。得られた加水分解液の固形分を3重量パーセント(SiO2 換算)に調製し、その加水分解液に、ポリビニルアルコールを3重量パーセント含有する水/イソプロピルアルコール(90/10)混合溶液を混合することにより保護層形成用組成物を調製した。
【0089】
(超微粒子含有形成用組成物Aの調整)
ボールミルと湿式破砕装置により平均粒径を18nmに超微粒子化した酸化珪素を酢酸ビニル樹脂に対して5重量パーセントの濃度になるようにメチルエチルケトン/トルエン(50/50)の溶剤に溶解させ、溶液の固形分を20重量パーセントに調整することにより樹脂組成物を調整した。
【0090】
<比較例4>
参考例5で用いた超微粒子を含有する樹脂層を形成しない以外は、参考例5と同様にして複合フィルム材料を作製した。
【0091】
参考例6、7、参考例2>
ガスバリア層として40nm厚の酸化珪素、40nm厚の酸化マグネシウムを成膜する以外は、参考例5と同様にして参考例6、7の複合フィルム材料を製作した。
ガスバリア層として50nm厚のアルミニウムを成膜する以外は、参考例5と同様にして参考例2の複合フィルム材料を製作した。
【0092】
参考例8〜10
超微粒子を含有する樹脂組成物の固形分を調整し、その厚みを1μm、5μmまたは10μmとする以外は、参考例5と同様にして参考例8〜10の複合フィルム材料を製作した。
【0093】
参考例1〜12
超微粒子を含有する樹脂組成物Aに代えて、以下の樹脂組成物BまたはCを使用する以外は、参考例5と同様にして参考例11〜12の複合フィルム材料を製作した。
【0094】
(超微粒子含有形成用組成物Bの調整)
ボールミルと湿式破砕装置により平均粒径を20nmに超微粒子化した酸化チタン微粒子をスチレン−アクリル樹脂に対して7重量パーセントの濃度になるようにメチルエチルケトン/トルエン(50/50)の混合溶剤に溶解させ、溶液の固形分を20重量パーセントになるように調整することにより組成物Bを調整した。
【0095】
(超微粒子含有形成用組成物Cの調整)
同様に二酸化珪素と酸化マグネシウムを平均粒径それぞれ30nm、20nmに超微粒子化したものを塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂に対して5重量パーセントの濃度になるようにメチルエチルケトン/トルエン(50/50)の混合溶剤に溶解させ、溶液の固形分を20重量パーセントになるように調整することにより組成物Cを調整した。
【0096】
参考例13
参考例5で用いた超微粒子を2官能ウレタンアクリレートオリゴマー樹脂に対し6重量パーセントになるように混合分散させた組成物(組成物Dとする)をロールコート法により2μmの厚さに塗布し、175kVの加速電圧で30kGyの条件で硬化させ成膜する以外は、参考例5と同様にして参考例13の複合フィルム材料を作製した。
【0097】
参考例14〜16
ガスバリア層として40nm厚の酸化珪素、40nm厚の酸化マグネシウムを成膜する以外は、参考例13と同様にして参考例14、15の複合フィルム材料を製作した。
ガスバリア層として50nm厚のアルミニウムを成膜する以外は、参考例13と同様にして参考例3の複合フィルム材料を製作した。
【0098】
参考例16、17、参考例4>
参考例6、7、参考例2で得た複合フィルム材料のガスバリア層と反対側の表面に、それぞれ20μm厚の二軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートし、積層包装材料を得た。この積層包装材料を縦ピロー製袋機によりピロー包装体を作製した。
【0099】
<比較例5>
比較例4の複合フィルム材料を用いた以外は、実施例19と同様に比較のための積層包装材料を製作し、更にビロー包装体を製作した。
【0100】
(評価)以上の参考例5〜7、8〜15、参考例2、3および比較例4の複合フィルム材料について、以下に説明するように、酸素と水蒸気に対するガスバリア性と耐折り曲げ性について試験し評価した。そして、それらの結果を踏まえて、総合評価した。得られた結果を表2に示す。
【0101】
また、参考例16、17、参考例4および比較例5のピロー包装体に塩化カルシウムを一定量充填し、40°C90%RHで一ヶ月保存し、全体の重量変化により防湿性を評価した。その結果を表2に示す。
【0102】
(ガスバリア性)
酸素透過度(cm2 /m2 /day)
測定方法 JIS K7126B法(同圧法)
測定条件 27℃、75%RHで測定
測定装置 MoconOxtran
水蒸気透過度(g/m2 /day)
測定方法 JIS K7129B法(赤外センサー法)
測定条件 40℃、90%RHで測定
測定装置 MoconPermatran
【0103】
(耐折り曲げ性)
複合フィルム材料を10cm角にカットし、対角線にそれぞれ折り曲げて酸素透過度および水蒸気透過度を測定し、折り曲げ前後の透過度の比を求め折り曲げ後のガスバリア劣化を調べた。透過度比の数値が小さいほど(ランクの数値が大きいほど)好ましい。
【0104】
(耐折り曲げ性評価基準)
ランク 透過度比
1 2.5以上
2 2.0以上2.5未満
3 1.5以上2.0未満
4 1.0以上1.5未満
5 1.0未満
【0105】
(総合評価)
○;酸素透過度および水蒸気透過度の耐折り曲げ性評価ランクいずれも4以上である場合
×;酸素透過度および水蒸気透過度の耐折り曲げ性評価ランクいずれも4未満である場合
【0106】
【表2】
Figure 0003788101
【0107】
表2から、参考例5〜7、8〜15の複合フィルム材料は、超微粒子を含有する樹脂層を設けていない比較例4の複合フィルム材料に比べて、非常に優れた酸素バリア性と水蒸気バリア性を示していることがわかる。特に、参考例の中で、耐折り曲げ性試験後の水蒸気透過率が最も高い(水蒸気バリア性が最も小さい)参考例8の複合フィルムの場合、耐折り曲げ試験結果の比値が2.0であるが、比較例4の複合フィルム材料の場合には4.4もあり、著しく水蒸気バリア性が低下していることがわかる。
【0108】
また、実際にピロー包装体を製作した際に、超微粒子を含有する樹脂層が存在しない比較例6の場合には、超微粒子を含有する樹脂層を有する参考例16、17、参考例4の場合に比べて水蒸気バリア性が大きく低下していることがわかる。
【0109】
【発明の効果】
本発明の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料は、完全ないし不完全な透明性を維持したまま紫外線カット性を付与したところに特徴があり、可視光領域での平均光線透過率が50%以上、好ましくは70%以上で、かつ、紫外線領域たとえば360nmでの透過率が30%以下好ましくは7%以下を達成したものである。本発明の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料によれば、可視光線領域での透明性を高度に維持しながら紫外線カット性も付与でき、また後加工時に生じるガスバリア層のダメージにより劣化するガスバリア性、特に水蒸気バリア性の劣化を防止することができたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料の概略断面図である。
【符号の説明】
1… 高分子フィルム基材
2… ガスバリア層
3… 超微粒子含有樹脂層
4… ヒートシール性樹脂層
5… 保護層

Claims (9)

  1. 高分子フィルム基材と、この基材の少なくとも片面に気相成長法により成膜した金属酸化物からなるガスバリア層とからなる複合フィルム材料において、ガスバリア層上に、平均粒径が10〜100nmの範囲の超微粒子に顔料分散材料を添加量が超微粒子に対し0.1〜5重量%の範囲で配合し、且つ樹脂100重量部に対し超微粒子を0.01〜3重量部の範囲になるように配合した樹脂層を形成し、光線透過率が波長400〜700nmの平均光線透過率で70%以上、360nmで7%以下であることを特徴とする紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料。
  2. 前記樹脂層上に、ヒートシール性樹脂層が積層されている請求項1記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料。
  3. ガスバリア層と前記樹脂層の間に、水溶性高分子と、金属アルコキシド、その加水分解物及び塩化錫の少なくとも一種とを含有する保護層が形成されている請求項1〜2のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料。
  4. 超微粒子が、セラミックまたは粘土鉱物の少なくとも一種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア材料。
  5. 超微粒子が、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化セシウムの少なくとも一種からなる請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料。
  6. 微粒子を含有する層に、電子線または紫外線の照射により硬化する材料が含有されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料。
  7. ガスバリア層が、アルミニウム酸化物、珪素酸化物及びマグネシウム酸化物の少なくとも一種からなる単層構造または多層構造を有する請求項1〜6のいずれかに記載の紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の材料の高分子フィルム基材のガスバリア層形成面の反対側に、包装材用ベース基材を積層したことを特徴とする包装材料。
  9. 請求項8記載の包装材料を製袋することにより得られるスナックフード用包装体。
JP10529999A 1998-04-24 1999-04-13 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体 Expired - Fee Related JP3788101B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10529999A JP3788101B2 (ja) 1998-04-24 1999-04-13 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-115663 1998-04-24
JP11566398 1998-04-24
JP10529999A JP3788101B2 (ja) 1998-04-24 1999-04-13 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000006305A JP2000006305A (ja) 2000-01-11
JP3788101B2 true JP3788101B2 (ja) 2006-06-21

Family

ID=26445623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10529999A Expired - Fee Related JP3788101B2 (ja) 1998-04-24 1999-04-13 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3788101B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4688009B2 (ja) * 2000-12-28 2011-05-25 東洋製罐株式会社 包装袋
US20030196914A1 (en) * 2002-04-18 2003-10-23 3M Innovative Properties Company Containers for photocurable materials
JP2006289884A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性積層体
JP4797630B2 (ja) * 2006-01-06 2011-10-19 凸版印刷株式会社 紫外線カットフィルム、及びこれを用いた容器
JP4036465B1 (ja) * 2006-08-18 2008-01-23 株式会社麗光 金属光沢に優れた絶縁性材料、及びそれを用いた成形品
WO2010024143A1 (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 コニカミノルタホールディングス株式会社 遮熱性物品、遮熱性物品の製造方法、及び建築部材
EP2926991B1 (en) 2012-11-29 2019-02-27 LG Chem, Ltd. Gas barrier film with protective coating layer containing inorganic particles
JP2015166179A (ja) * 2014-02-12 2015-09-24 ユニチカ株式会社 紫外線吸収フィルム
WO2015182203A1 (ja) * 2014-05-28 2015-12-03 リンテック株式会社 積層部材の加工方法、積層部材の加工体およびガスバリアフィルム
CN110382233B (zh) * 2017-02-07 2021-12-07 东丽薄膜先端加工股份有限公司 气体阻隔性铝蒸镀膜及使用其的层叠膜
JP2020029305A (ja) * 2018-08-24 2020-02-27 三菱ケミカル株式会社 食品包装用多層フィルム、食品包装用ラミネート複合フィルム、および、深絞り成形体
JP2020132263A (ja) * 2019-02-26 2020-08-31 凸版印刷株式会社 包装材料および包装体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000006305A (ja) 2000-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3788101B2 (ja) 紫外線カット性を有する透明性ガスバリア複合フィルム材料およびそれを用いた包装体
EP3998157A1 (en) Barrier film and barrier packaging material
JP2005145068A (ja) 共押出二軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法ならびにそれから成る包装材およびトレー用蓋材
KR101040098B1 (ko) 다층 이축배향 폴리에스테르 필름, 그 제조방법 및 용도
US6358579B1 (en) Multiple-pack system comprising a sealable polyester film
CN107075193B (zh) 对光敏实体具有增强的保护作用的材料
JP2005178010A (ja) ガスバリア透明積層体
EP2431436A1 (en) Base material film for back sheet of solar cell and method of manufacturing the same
JP2006326899A (ja) ガスバリア性積層フィルム
JPH10329256A (ja) 複合フィルム材料
EP1108741B1 (en) Packaging polyester film
JP2004042488A (ja) 蒸着フィルム
JP2005096353A (ja) ガスバリアフィルム積層体
JP2001253035A (ja) バリアー性を有する紙容器
JP3368646B2 (ja) 蒸着フィルム積層体
JP2021109381A (ja) ガスバリアフィルム、これを用いた積層体およびガスバリアフィルムの製造方法
WO2017069175A1 (ja) 吸湿材料
JP4501558B2 (ja) 高ガスバリア性を有する透明積層体
JP4548073B2 (ja) ガスバリア性透明積層体
EP3856824B1 (en) Coated heat-shrinkable films
JP4228687B2 (ja) ハイバリア透明積層体
JP7435918B1 (ja) 積層体、及び包装材
JP2003285389A (ja) ガスバリア性プラスチックフィルム積層体
JP4552392B2 (ja) 水分吸収機能を持つ蒸着フィルム積層体
JP2005169772A (ja) 遮光性バリア包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060320

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140407

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees