JP4408174B2 - 電池用セパレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電池(例えば、アルカリ電池)の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起電反応を円滑に行なうことができるように、正極と負極との間にセパレータが使用されている。
このセパレータに必要とされる要件として、高容量化できしかも充放電特性に優れるように電気抵抗が低く、また電極からの活物質の脱落を防止できるように電極表面との密着性に優れている、ということがある。
このように電気抵抗が低く、しかも電極表面との密着性に優れている、極細繊維を利用した不織布からなるセパレータが公知である。この極細繊維を利用したセパレータの製造方法の1つとして、水流などの外力によって分割されて極細繊維を発生可能な分割性繊維を含む繊維ウエブに対して水流を噴出して、分割性繊維を分割して極細繊維を発生させる方法がある。この方法によれば、分割性繊維から極細繊維を発生させることができるが、分割性繊維を十分に分割するためには、高圧の水流を噴出する必要があり、このような高圧水流を噴出すると、水流による貫通孔を形成しやすい傾向があった。このような貫通孔はセパレータ本来の働きである正極と負極との分離という働きを損なうため、到底受け入れられないものである。
特にアルカリ電池用のセパレータの場合には、耐アルカリ性や耐酸化性に優れるように、ポリオレフィン系の樹脂のみから構成されているのが好ましいため、ポリオレフィン系樹脂のみから構成されている分割性繊維を使用するのが好ましいが、この分割性繊維は樹脂成分同士の相溶性が高く分割しにくく、更に高圧の水流を噴出する必要があるため、貫通孔を形成しやすい傾向の強いものであった。
また、湿式法のように繊維長の短い繊維を使用する場合、分割性繊維も繊維長の短いものを使用する必要があるが、繊維長が短いと分割性繊維の自由度が高く、水流が効率的に作用せず、更に高圧の水流を噴出する必要があるため、貫通孔を形成しやすい傾向が強かった。なお、貫通孔が形成されないまでも、高圧水流により地合が乱れ、濃淡(繊維量の多い個所と少ない個所)が発生しやすい傾向があった。濃淡が大きくなると、それにしたがって、正極と負極との分離や電解液の保持といったセパレータ性能の局所的なばらつきが発生し、薄い部分(繊維量の少ない個所)では、正極と負極の短絡や電解液保持量の不足といった問題が発生しやすい傾向があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、電気抵抗が低く、電極表面との密着性に優れ、しかも貫通孔や濃淡がなく地合いの優れる電池用セパレータを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある)は、内部に中空部を有する、より細い繊維に分割可能な分割性繊維を含む、湿式法により形成した繊維ウエブに対して、流体を作用させることにより、前記分割性繊維が分割して発生したより細い繊維を含む不織布からなる繊維シートを備えたものである。前記のような中空部を有する分割性繊維は水流などの外圧力が弱くても容易に分割して、より細い繊維を発生させることができるため、貫通孔や濃淡がなく地合いの優れるセパレータであり、しかもより細い繊維を含んでいるため電気抵抗が低く、しかも電極表面との密着性に優れるセパレータであることを見出したのである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のセパレータは構成する繊維として、内部に中空部を有する、より細い繊維に分割可能な分割性繊維から発生したより細い繊維を含んでいる。この内部に中空部を有する分割性繊維は低い外圧力で容易に分割されるため、この分割性繊維から発生したより細い繊維を含むセパレータは貫通孔や濃淡のない地合いの優れるものである。
この分割性繊維は1種類以上の樹脂成分から構成されており、この樹脂成分としては、耐アルカリ性や耐酸化性などに優れているように、ポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましく、例えば、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン共重合体など)、エチレン系共重合体(例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体など)、ポリプロピレン(例えば、ポリプロピレン、プロピレン系共重合体など)、プロピレン系共重合体、ポリメチルペンテン(例えば、ポリメチルペンテン、メチルペンテン系共重合体など)などの、1種類以上のポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましい。これらの中でも、分割性繊維を構成する樹脂成分として、エチレン−ビニルアルコール共重体などの親水性ポリオレフィン系樹脂を含んでいると、水酸化カリウム水溶液などの電解液の保持性向上に効果的である。
なお、分割性繊維が分割されやすいように、分割性繊維は2種類以上の樹脂成分から構成されているのが好ましく、2種類以上のポリオレフィン系樹脂のみから構成されているのがより好ましい。分割性繊維が2種類のポリオレフィン系樹脂からなる場合、ポリプロピレンとポリエチレンから構成されていたり、ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体から構成されているのが好ましい。後者のように、ポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体から構成されている場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体は親水性に優れているため、特に親水化処理をしなくてもセパレータとして使用できることもあり得る。また、親水化処理を実施した場合も、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる繊維の存在により、セパレータ内部においても良好な親水性をもたせることができ、電解液の保持性をより向上させることができる。
なお、分割性繊維を構成する樹脂成分数の上限は特に限定するものではないが、分割性繊維の実際の製造上から、3種類程度であるのが好ましい。
また、分割性繊維が2種類以上の樹脂成分からなる場合、樹脂成分はどのように配置していても良いが、いずれの樹脂成分も繊維表面に露出しているように配置していると、外圧力によって分割しやすいため好適である。
本発明の分割性繊維は弱い外圧力によって容易に分割できるように、分割性繊維の内部に中空部を有するものである。本発明で使用できる分割性繊維について、分割性繊維の模式的断面図である図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は繊維軸と一致する中心を有する中空部Sを備えており、繊維軸から一定角度ごとに伸びる直線を樹脂成分11、12間の境界とする分割性繊維1である。この分割性繊維1は外力を受けた際に、その力を支えることのできる内部が存在していない、つまり中空部Sを有するため、外力によって容易に分割されて、樹脂成分11からなるより細い繊維及び樹脂成分12からなるより細い繊維を発生させることができる。
図2の分割性繊維1は、繊維軸から不規則な角度ごとに伸びる直線を樹脂成分11、12間の境界としていること以外は図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は外力によって大小様々なより細い繊維を発生させることができ、繊維シートがより緻密な構造を採ることができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面との密着性に優れるセパレータとすることができる。このように、本発明の分割性繊維1は大きさの異なるより細い繊維に分割可能であっても良い。
図3の分割性繊維1は、樹脂成分11、12間の境界が互いに平行であること以外は図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1も外力によって大小様々なより細い繊維に分割可能であり、繊維シートはより緻密な構造を採ることができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面との密着性に優れるセパレータとすることができる。このように、本発明の分割性繊維1は樹脂成分がどのように配置していても良い。
図4の分割性繊維1は、中空部Sの中心が分割性繊維1の繊維軸と一致していないこと以外は図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1も外力によって大小様々なより細い繊維を発生させることができ、繊維シートはより緻密な構造を採ることができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面との密着性に優れるセパレータとすることができる。このように、本発明の分割性繊維1の中空部Sの中心は繊維軸と一致している必要はない。
図5の分割性繊維1は、中空部Sが9つ存在していること以外は、図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は中空部Sが多いため外力によって分割してより細い繊維を発生しやすい繊維である。このように、本発明の分割性繊維1の中空部Sは1つである必要はなく、2つ以上であっても良い。
図6の分割性繊維1は、単一樹脂成分からなること以外は、図5の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は同じ樹脂成分からなるより細い繊維のみを発生させることができるため、繊維シート全体を均一に親水化することができる。また、分割性繊維1が不規則に分割されて、繊維シートが緻密な構造を採ることができるため、電気抵抗がより低く、しかも電極表面との密着性に優れるセパレータとすることができる。このように、本発明の分割性繊維1は2種類以上の樹脂成分から構成されている必要はなく、1種類の樹脂成分から構成されていても良い。
図7の分割性繊維1は、中空部Sの断面形状が星状に凹凸を有すること以外は、図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は中空部Sの凸部において繊維表面と中空部Sとの距離がより短くなっているため、容易に分割されやすい繊維である。このように、本発明の分割性繊維1の中空部Sの断面形状は円形である必要はなく、非円形(例えば、楕円状、長円状、T状、Y状、+状、多角形状など)であっても良い。
図8の分割性繊維1は、繊維断面における外周形状が凹凸状であること以外は、図1の分割性繊維1と全く同様である。この分割性繊維1は繊維表面の凹部において外力を受け止めやすいため、容易に分割されやすい繊維である。このように、本発明の分割性繊維1の繊維断面における外周形状は円形である必要はなく、非円形(例えば、楕円状、長円状、T状、Y状、+状、多角形状など)であっても良い。
本発明の分割性繊維1は、図1〜8をもとに説明した分割性繊維1の特徴を適宜組み合わせた繊維(例えば、図9)であっても良い。
更に、分割性繊維を構成する少なくとも1種類の樹脂成分中に、その樹脂成分の融点よりも10℃以上(より好ましくは20℃以上)高い融点を有する樹脂が混在していると、その樹脂成分を融着させたとしても、混在している樹脂によって繊維形状(分割性繊維や発生したより細い繊維の繊維形状)を維持できる。
本発明における融点は、示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。
本発明の分割性繊維はより細い繊維に分割可能なものであり、繊度が0.01〜0.5dtex(デシテックス)のより細い繊維を発生可能であるのが好ましく、繊度が0.01〜0.3dtexのより細い繊維を発生可能であるのがより好ましい。
なお、本発明の分割性繊維の繊維長は繊維シートの種類によって異なり、繊維シートが乾式不織布からなる場合には25〜160mm程度であり、湿式不織布からなる場合には1〜25mm程度である。なお、スパンボンド不織布のようにフィラメント状であっても良い。
本発明の分割性繊維は水流などの流体流、ニードル、カレンダーなどの外力によって分割可能であるのが好ましく、水流などの流体流で分割可能であるのがより好ましい。
このような本発明の分割性繊維は、常法の複合紡糸装置を利用して紡糸することができる。
【0006】
本発明のセパレータは前述のような分割性繊維から発生したより細い繊維を含む繊維シートを備えたものであるが、その含有量は繊維シート質量全体の30mass%以上であるのが好ましい。より細い繊維が30mass%以上含まれていれば、電気抵抗が低く、電極表面との密着性に優れているためで、より好ましくはより細い繊維が50mass%以上含まれている。
本発明のセパレータは前述のような分割性繊維から発生したより細い繊維以外に、引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度繊維や融着可能な融着性繊維などを含んでいるのが好ましい。
【0007】
本発明の繊維シートを構成する繊維として、引張り強さが4.5cN/dtex以上の高強度繊維が含まれていると、極板群を形成する際に、極板のバリがセパレータを突き抜けたり、極板のエッジによって切断されて短絡するのを防止することができる。より好ましくは引張り強さが6.2cN/dtex以上の高強度繊維を含み、更に好ましくは引張り強さが7.9cN/dtex以上の高強度繊維を含み、最も好ましくは引張り強さが10.5cN/dtex以上の高強度繊維を含んでいる。なお、高強度繊維の引張り強さの上限は特に限定するものではないが、50cN/dtex程度が適当である。本発明における引張り強さはJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)によって測定した値をいう。
この高強度繊維も耐アルカリ性や耐酸化性に優れるように、ポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましく、前述の分割性繊維を構成するポリオレフィン系樹脂と同様のポリオレフィン系樹脂1種類以上から構成されているのが好ましい。特に、ポリプロピレンや超高分子量ポリエチレンを少なくとも繊維表面に含む高強度繊維が好ましい。この高強度繊維の繊度は電解液の保持性を低下させないように、0.5〜5dtex程度であるのが好ましい。
【0008】
本発明のセパレータを構成する繊維シート中に融着性繊維を含んでいると、この融着性繊維の融着によってセパレータの引張り強さや剛性が向上するため、効率的に極板群を製造することができる。この融着性繊維の融着成分の融点は分割性繊維から発生したより細い繊維を構成するいずれの樹脂成分よりも低いのが好ましく、10℃以上低いのがより好ましい。なお、より細い繊維を融着させる場合には、融着性繊維の融着成分はより細い繊維を構成するいずれの樹脂成分よりも低い必要はない。また、前述のような高強度繊維を含む場合、融着性繊維の融着成分の融点は高強度繊維を構成するいずれの樹脂成分よりも低いのが好ましく、10℃以上低いのがより好ましい。なお、高強度繊維を融着させる場合には、融着性繊維の融着成分は高強度繊維を構成するいずれの樹脂成分よりも低い必要はない。
この融着性繊維も耐アルカリ性や耐酸化性に優れるように、ポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましく、前述の分割性繊維を構成するポリオレフィン系樹脂成分と同様のポリオレフィン系樹脂成分1種類以上から構成されているのが好ましい。特に、融着性繊維の融着成分は低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどから構成されているのが好ましい。この融着性繊維の繊度は短絡防止性に優れるように、また、電解液の保持性を低下させないように、0.5〜5dtexであるのが好ましい。
なお、融着性繊維は単一の樹脂成分から構成されていても良いし、2種類以上の樹脂成分から構成されていても良いが、後者の方が、セパレータの引張り強さをより向上させることができるため好適である。融着性繊維が2種類以上の樹脂成分からなる場合、樹脂成分はどのように配置していても良く、例えば、2種類の樹脂成分からなる場合、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型に配置していることができる。
【0009】
本発明のセパレータは前述のような分割性繊維から発生したより細い繊維を含み、好ましくはこのより細い繊維に加えて、高強度繊維及び/又は融着性繊維を含む繊維シートを備えたものである。
本発明のセパレータを構成する繊維シート、つまり前述のような分割性繊維から発生したより細い繊維を含む繊維シートの平均地合指数が0.25以下であることが好ましく、より好ましくは0.20以下であり、更に好ましくは0.15以下である。他方、下限は0である。
この「平均地合指数」は繊維シートの地合いの状態を表す数値であり、この数値が小さいほど、繊維シートの地合いが均一であることを意味する。すなわち、この数値が小さいほど、貫通孔や濃淡が少ないことを意味する。
この「平均地合指数」は特願平11−152139号に記載されている方法により得られる値をいう。つまり、次のようにして得られる値をいう。
(1)光源から被測定物(繊維シート)に対して光を照射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得する。
(2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得する。
(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出する。
(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出する。
(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求める。
(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出する。
変動係数(CV)=(σ/X)×100
ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。
(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とする。
(8)上記(1)〜(7)の操作を被測定物(繊維シート)の3箇所以上について繰り返して、それぞれの地合指数を算出した後、これら地合指数の平均値を平均地合指数とする。
【0010】
本発明のセパレータを構成する繊維シートの態様としては、例えば、織物、編物、不織布、或いはこれらの複合シートを挙げることができる。これらの中でも電解液の保持性に優れている不織布を含んでいるのが好ましい。
なお、本発明のセパレータは繊維シートのみから構成することもできるし、繊維シートに加えて微孔フィルムなどを備えていても良い。後者のように微孔フィルムと繊維シート(特に不織布)とを組み合わせたセパレータは微孔フィルムを含んでいることによって短絡が発生しにくいため、繊維シートを薄くすることができ、結果として軽量かつ薄いセパレータとすることができる。
本発明のセパレータは繊維シート単独又は繊維シートと微孔フィルムなどとの複合体からなるが、その面密度は前者の場合には30〜100g/m2であるのが好ましく、40〜80g/m2であるのがより好ましく、後者の場合には10〜60g/m2であるのが好ましく、20〜40g/m2であるのがより好ましい。また、繊維シート単独からなる場合の厚さは0.1〜0.3mmであるのが好ましく、繊維シートと微孔フィルムなどとの複合体からなる場合には、0.02〜0.1mmであるのが好ましい。
【0011】
本発明のセパレータを構成する繊維シートは常法により製造することができる。例えば、本発明のセパレータとして好適である不織布は、次のようにして製造できる。
まず、前述のような分割性繊維を含む繊維ウエブを、湿式法又は乾式法(例えば、カード法、エアレイ法、メルトブロー法、スパンボンド法など)により形成する。なお、繊維配合の異なる繊維ウエブを積層したり、繊維ウエブ形成方法の異なる繊維ウエブを積層するなど、異種の繊維ウエブを積層しても良い。特に、湿式法により形成した繊維ウエブと乾式法により形成した繊維ウエブとを積層すると、地合いに優れるとともに強度的にも優れるセパレータを製造することができる。
次いで、形成した繊維ウエブを絡合及び/又は融着させて、不織布を得ることができる。前者の絡合方法としては、水流などの流体を繊維ウエブに対して噴出する方法がある。この流体流を噴出する方法であると、高度に絡合した緻密な構造を有する不織布を得ることができる。なお、本発明の分割性繊維は水流などの流体の作用によって分割されて、より細い繊維を発生できる。
この流体流による絡合は、例えば、ノズル径が0.05〜0.3mmで、ピッチが0.2〜3mmで、1列以上に配列したノズルプレートを使用し、内圧1〜30MPa程度の流体を繊維ウエブに対して噴出して実施することができる。また、流体流の噴出は繊維ウエブの片面又は両面に対して実施することができ、流体流の噴出は2回以上であるのが好ましい。更に、流体流を噴出する際に繊維ウエブを支持する支持体として目の粗いものを使用すると、開孔を有する不織布となり短絡する可能性が高くなるため、目の開きが0.295mmよりも目の細かい支持体を使用するのが好ましい。
他方、融着処理は融着性繊維を融着させる場合、分割性繊維を融着させる場合、より細い繊維を融着させる場合、及び/又は高強度繊維を融着させる場合に実施する。この融着処理は無圧下で行なっても良いし、加圧下で行っても良い。後者のように加圧下で実施すると、厚さを調整することができる。この加圧は加熱と同時に行っても、加熱した後に行っても良い。なお、融着処理における加熱温度は、加熱と加圧とを同時に行う場合には、融着させる樹脂の軟化点から融点までの範囲内の温度で実施するのが好ましく、加熱後に加圧を行う場合には、融着させる樹脂の軟化点から融点よりも20℃程度高い温度までの範囲内の温度で実施するのが好ましい。また、加圧は加熱と同時に加圧する場合であっても、加熱後に加圧する場合であっても、線圧力5〜30N/cm程度であるのが好ましい。なお、「軟化点」は示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/分で室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいう。
なお、本発明の分割性繊維は繊維ウエブを形成する前に、外力によってより細い繊維に分割しても良いし、絡合処理とは別に分割処理を実施しても良い。前者の分割処理としては、例えば、ビーターなどがあり、後者の分割処理としては、例えば、カレンダーロール、フラットプレス機、ニードルパンチ、水流などの流体流、などがある。
例えば、繊維ウエブに対して融着処理を実施した後に、水流などの流体流を作用させると、絡合はほとんど生じず、主として分割性繊維の分割が生じる。このように融着処理後に流体流を作用させると、分割性繊維の自由度が低いため分割性繊維が更に分割されやすくなる。特に、分割性繊維がポリオレフィン系樹脂のみからなる場合及び/又は分割性繊維の繊維長が25mm程度以下の短い場合、のように分割性繊維が分割されにくい場合に有効である。
【0012】
本発明の平均地合指数が0.25以下である繊維シート(前述のような前述のような分割性繊維から発生したより細い繊維を含む)は、例えば、前述のような分割性繊維を多く使用したり、繊維ウエブを湿式法により形成したり、分割性繊維を分割する際の外力として流体流を使用する場合には、ノズルプレートの内圧を10MPa以下としたり、カレンダ−処理を行ったり、微粒子を吹き付けたり、ニ−ドルパンチを行うなどして、前述のような分割性繊維の分割を促進させるなど、これらの処理を単独で、好ましくは併用することにより得ることができる。
【0013】
本発明のセパレータの繊維シートを構成する繊維は、耐アルカリ性や耐酸化性に優れるポリオレフィン系繊維から構成されているのが好ましいため、電解液の保持性が劣る傾向がある。そのため、電解液の保持性に優れるように、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、グラフト処理、界面活性剤処理、放電処理、親水性樹脂付着処理などの、少なくとも1つの親水化処理を実施するのが好ましい。この親水化処理は繊維の段階(つまり、繊維シート形成前の段階)で行っても良いが、繊維シート形成後に親水化処理した方が製造上好ましい。
スルホン化処理としては、例えば、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸、又は塩化スルフリル溶液に繊維シートを浸漬する方法、繊維シートを三酸化硫黄ガスと接触させる方法、一酸化硫黄や二酸化硫黄の存在下において放電を作用させて繊維シートにスルホン酸基を導入する方法などがある。
フッ素ガス処理としては、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫黄ガスなどの中から選ばれる少なくとも1種類のガスとを混合したガスに、繊維シートをさらすことにより処理することができる。なお、繊維シートに二酸化硫黄ガスを予め付着させた後にフッ素ガスと接触させる方法は、より効率的で恒久的な親水化処理方法である。
ビニルモノマーのグラフト重合方法としては、例えば、(1)ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中に繊維シートを浸漬し加熱する方法、(2)繊維シートにビニルモノマーを塗布した後、放射線を照射する方法、(3)繊維シートに放射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、(4)増感剤を含むビニルモノマー溶液を繊維シートに含浸した後、紫外線を照射する方法などがある。なお、ビニルモノマー溶液と繊維シートとを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電などにより、繊維シート表面を処理すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高いため効率的にグラフト重合できる。
このビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、或いはスチレンなどを使用することができる。なお、スチレンをグラフト重合した場合には、電解液との親和性をもたせるために、スルホン化するのが好ましい。これらの中でも、アクリル酸は電解液との親和性に優れているため好適に使用できる。
界面活性剤処理としては、例えば、アニオン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エステル塩など)又はノニオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液中に繊維シートを浸漬したり、この溶液を塗布又は散布して付着させることができる。
放電処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理又は電子線処理などがある。これら放電処理の中でも、空気中の大気圧下で、それぞれが誘電体を担持する一対の電極間に、これら両方の誘電体と接触するように繊維シートを配置し、これら両電極間に交流電圧を印加し、繊維シート内部で放電を発生させる方法であると、繊維シートの外側だけではなく、繊維シートの内部を構成する繊維表面も処理することができる。したがって、繊維シートの内部における電解液の保持性に優れているため、過充電時における酸素吸収性に優れ、内圧特性の優れる電池を製造できる。
親水性樹脂付与処理としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架橋可能なポリビニルアルコール、又はポリアクリル酸などの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶媒中に繊維シートを浸漬したり、この溶媒を塗布又は散布し、乾燥して付着させることができる。なお、親水性樹脂の付着量は、通気性を損なわないように、セパレータ全体の0.3〜1mass%であるのが好ましい。
この架橋可能なポリビニルアルコールとしては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールがあり、より具体的には、感光性基としてスチリルピリジニウム系、スチリルキノリニウム系、スチリルベンゾチアゾリウム系で置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能なポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして繊維シートに付着させた後、光を照射することによって架橋させることができる。このような水酸基の一部を感光性基で置換したポリビニルアルコールは、耐アルカリ性に優れ、しかもイオンとキレートを形成できる水酸基が多く存在しており、放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析出する前のイオンとキレートを形成して、電極間の短絡を生じにくいので好適である。
なお、セパレータが繊維シート以外に微孔フィルムなども備えている場合には、この微孔フィルムなどもポリオレフィン系樹脂から構成されているのが好ましいため、この微孔フィルムなども親水化処理されているのが好ましい。
【0014】
本発明のセパレータは貫通孔や濃淡がなく地合いの優れるものであり、しかも電気抵抗が低く、電極表面との密着性に優れるものであるため、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電池用のセパレータとして使用することができる。
【0015】
以下に、本発明のセパレータの実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、「スルホン化度」は次のような操作により得られる、比率(Sm/Cm)を意味する。まず、セパレータの面密度A(g/m2)を測定する。次いで、直径44mmの試験片を採取した後、蛍光X線装置により試験片のX線強度を測定して、単位面積あたりのイオウ量msを算出する。次いで、イオウ量msをイオウの原子量(32)で除して、イオウのモル数(Sm)を算出する。他方、試験片はポリオレフィン系樹脂、つまり−(CH2n−の構成単位からなるため、試験片の面密度(A)をCH2の分子量(14)で除することにより、炭素のモル数(Cm)を算出する。次いで、イオウのモル数(Sm)を炭素のモル数(Cm)で除して、比率(Sm/Cm)を算出する。
また、「通気度」はJIS L 1096(6.27.1 A法(フラジール法))に規定されている方法により測定して得た値である。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
分割性繊維として、ポリプロピレン(融点:160℃)と高密度ポリエチレン(融点:135℃)とからなり、図1に示すような繊維断面形状を有する繊維、つまり、繊維軸と一致する中心を有する中空部S(断面形状:円)を1つ備えており、繊維軸から一定角度(約22.5°)ごとに伸びる直線をポリプロピレンと高密度ポリエチレンとの境界とする繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:5mm、16分割可能、いずれの樹脂成分も繊維表面に露出、繊維断面における外周形状は円形、水流により繊度が0.138dtexのポリプロピレンからなるより細い繊維8本と繊度が0.138dtexの高密度ポリエチレンからなるより細い繊維8本とを発生可能)を用意した。
他方、融着性繊維として、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(融着成分)が低密度ポリエチレン(融点:115℃)からなる芯鞘型融着性繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:10mm)を用意した。
次いで、前記分割性繊維80mass%と前記芯鞘型融着性繊維20mass%とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により繊維ウエブを形成した。
次いで、この繊維ウエブを温度120℃に設定された熱風循環式ドライヤー中に10分間放置して、繊維ウエブの乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)による熱融着を実施して、融着不織布を形成した。
次いで、この融着不織布をコンベア(目の開き:0.147mm)により5m/min.の速度で移動させながら、この融着不織布に対して、ノズルピッチが0.6mmでノズル径が0.13mmのノズルプレートから水圧5MPaの水流を、融着不織布の両面交互に2回づつ作用させることにより、分割性繊維の分割を実施して分割不織布を得た。
次いで、この分割不織布を温度120℃に設定された熱風循環式ドライヤー中に10分間放置して、分割不織布の乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)による再熱融着を実施して、再融着不織布(面密度:48.4g/m2、厚さ:0.42mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんどの分割性繊維が分割しているのが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ80mass%であった。また、水流による貫通孔はほとんど観察されなかった。
次いで、この再融着不織布を温度60℃の発煙硫酸溶液(15%SO3溶液)中に2分間浸漬した後、十分に水洗し、乾燥してスルホン化不織布を得た。次いで、このスルホン化不織布にカレンダー処理を実施して、本発明のセパレータ(面密度:50.5g/m2、厚さ:0.12mm、スルホン化度:2.2×10-3)を製造した。なお、このセパレータの通気度は7.2cm/sであり、この値からも水流による貫通孔がほとんど形成されていないことが推測された。
【0017】
(実施例2)
分割性繊維として、ポリプロピレン(融点:160℃)とエチレン−ビニルアルコール共重合体(融点:155℃)とからなり、図1に示すような繊維断面形状を有する繊維、つまり、繊維軸と一致する中心を有する中空部S(断面形状:円)を1つ備えており、繊維軸から一定角度(約22.5°)ごとに伸びる直線をポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体との境界とする繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:5mm、16分割可能、いずれの樹脂成分も繊維表面に露出、繊維断面における外周形状は円形、水流により繊度が0.138dtexのポリプロピレンからなるより細い繊維8本と繊度が0.138dtexのエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるより細い繊維8本とを発生可能)を用意した。
他方、融着性繊維として、芯成分がポリプロピレンからなり、鞘成分(融着成分)が低密度ポリエチレン(融点:115℃)からなる芯鞘型融着性繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:10mm)を用意した。
次いで、水圧2.5MPaの水流を作用させたこと以外は、実施例1と全く同様にして、再融着不織布(面密度:47.5g/m2、厚さ:0.22mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんどの分割性繊維が分割しているのが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ80mass%であった。また、水流による貫通孔はほとんど観察されなかった。
次いで、この再融着不織布にカレンダー処理を実施して、本発明のセパレータ(面密度:47.5g/m2、厚さ:0.12mm)を製造した。
【0018】
(実施例3)
分割性繊維60mass%と芯鞘型融着性繊維40mass%とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例2と全く同様にして、再融着不織布(面密度:44.7g/m2、厚さ:0.20mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんどの分割性繊維が分割しているのが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ60mass%であった。また、水流による貫通孔はほとんど観察されなかった。
次いで、実施例2と同様にして、この再融着不織布のカレンダー処理を実施して、セパレータ(面密度:44.7g/m2、厚さ:0.12mm)を製造した。
【0019】
(比較例1)
分割性繊維として、ポリプロピレン(融点:160℃)と高密度ポリエチレン(融点:135℃)とからなり、図10に示すような繊維断面形状を有する繊維、つまり、繊維軸と一致する中心を有する円状のポリプロピレン1つと、繊維軸から一定角度(約22.5°)ごとに伸びる直線をポリプロピレンと高密度ポリエチレンとの境界とする繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:5mm、17分割可能、繊維断面における外周形状は円形、水流により繊度が0.089dtexのポリプロピレンからなるより細い繊維1本と繊度が0.133dtexのポリプロピレンからなるより細い繊維8本と繊度が0.133dtexの高密度ポリエチレンからなるより細い繊維8本とを発生可能)を用意した。
次いで、前記分割性繊維80mass%と実施例1と同様の芯鞘型融着性繊維20mass%とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により繊維ウエブを形成した。
次いで、実施例1と全く同様に、繊維ウエブの乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)による熱融着、分割性繊維の分割処理、及び分割不織布の乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)による再熱融着を実施して、再融着不織布(面密度:49.1g/m2、厚さ:0.66mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、分割性繊維があまり分割されていないことが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ40mass%であった。
次いで、実施例1と同様に、この再融着不織布のスルホン化処理及びカレンダー処理を実施して、セパレータ(面密度:51.0g/m2、厚さ:0.12mm、スルホン化度:2.1×10-3)を製造した。なお、このセパレータの通気度は12.1cm/sであった。
【0020】
(比較例2)
分割性繊維の分割処理における水流の圧力を10MPaとしたこと以外は、比較例1と全く同様にして、再融着不織布(面密度:49.8g/m2、厚さ:0.45mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんどの分割性繊維が分割されているのが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ80mass%であった。また、水流による貫通孔が多数観察された。
次いで、実施例1と同様に、この再融着不織布のスルホン化処理及びカレンダー処理を実施して、セパレータ(面密度:51.7g/m2、厚さ:0.12mm、スルホン化度:2.1×10-3)を製造した。なお、このセパレータの通気度は9.6cm/sであった。
【0021】
(比較例3)
分割性繊維として、ポリプロピレン(融点:160℃)とエチレン−ビニルアルコール共重合体とからなり、図11に示すような繊維断面形状を有する繊維、つまり、繊維軸から一定角度(約22.5°)ごとに伸びる直線をポリプロピレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体との境界とする繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:5mm、16分割可能、繊維断面における外周形状は円形、水流により繊度が0.138dtexのポリプロピレンからなるより細い繊維8本と繊度が0.138dtexのエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるより細い繊維8本とを発生可能)を用意した。
次いで、前記分割性繊維80mass%と実施例1と同様の芯鞘型融着性繊維20mass%とを混合し、分散させたスラリーから湿式法により繊維ウエブを形成した。
次いで、実施例2と全く同様に、繊維ウエブの乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)による熱融着、分割性繊維の分割処理、及び分割不織布の乾燥及び前記芯鞘型融着性繊維の鞘成分(低密度ポリエチレン)による再熱融着を実施して、再融着不織布(面密度:46.7g/m2、厚さ:0.20mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、分割性繊維があまり分割されていないことが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ20mass%であった。
次いで、実施例2と同様に、この再融着不織布のカレンダー処理を実施して、セパレータ(面密度:46.7g/m2、厚さ:0.12mm)を製造した。
【0022】
(比較例4)
分割性繊維の分割処理における水流の圧力を13MPaとしたこと以外は、比較例1と全く同様にして、再融着不織布(面密度:45.1g/m2、厚さ:0.20mm)を製造した。
この再融着不織布の厚さ方向における断面を観察したところ、ほとんどの分割性繊維が分割されているのが確認され、より細い繊維の再融着不織布質量全体における含有量はほぼ80mass%であった。また、水流による貫通孔が多数観察された。
次いで、実施例1と同様に、この再融着不織布のスルホン化処理及びカレンダー処理を実施して、セパレータ(面密度:45.1g/m2、厚さ:0.12mm)を製造した。
【0023】
(平均地合指数の測定)
各セパレータの平均地合指数を次のようにして測定した。
(1)光源から被測定物(繊維シート)に対して光を照射し、照射された光のうち、被測定物の所定領域において反射された反射光を受光素子によって受光して輝度情報を取得した。
(2)被測定物の所定領域を画像サイズ3mm角、6mm角、12mm角、24mm角に等分割して、4つの分割パターンを取得した。
(3)得られた各分割パターン毎に等分割された各区画の輝度値を輝度情報に基づいて算出した。
(4)各区画の輝度値に基づいて、各分割パターン毎の輝度平均(X)を算出した。
(5)各分割パターン毎の標準偏差(σ)を求めた。
(6)各分割パターン毎の変動係数(CV)を次の式により算出した。
変動係数(CV)=(σ/X)×100
ここで、σは各分割パターン毎の標準偏差を示し、Xは各分割パターン毎の輝度平均を示す。
(7)各画像サイズの対数をX座標、当該画像サイズに対応する変動係数をY座標とした結果得られる座標群を、最小二乗法により一次直線に回帰させ、その傾きを算出し、この傾きの絶対値を地合指数とした。
(8)上記(1)〜(7)の操作を被測定物(繊維シート)の5箇所について繰り返して、それぞれの地合指数を算出した後、これら地合指数の平均値を平均地合指数とした。
この結果は表1に示す通りであった。この表1から明らかなように、本発明のセパレータは貫通孔や濃淡がなく、地合の優れるものであった。
【0024】
【表1】
Figure 0004408174
【0025】
(電池製造時の不良率の評価)
電池の集電体として、水酸化ニッケルを発泡ニッケル支持体に充填した正極(33mm幅、182mm長)と、ペースト式水素吸蔵合金負極(メッシュメタル系合金NmNi5型、33mm幅、247mm長)とを用意した。
次いで、33mm幅、410mm長に裁断した各セパレータをそれぞれ正極と負極との間に挟んだ後に渦巻状に巻回して、SC型対応の電極群を作製した。この時に、極板のバリや極板のエッジによってショートしてしまい、電池を製造することができなかった割合を電池製造時の不良率とした。この結果は表1に示す通りであった。この結果から、平均地合指数と不良率との間に相関関係があり、本発明のように平均地合指数が0.25以下のセパレータはショートしにくく、不良率も低いことがわかった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の電池用セパレータは貫通孔や濃淡がなく地合いの優れるものであり、しかもより細い繊維を含んでいるため電気抵抗が低く、しかも電極表面との密着性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用できる分割性繊維の模式的断面図
【図2】 本発明で使用できる別の分割性繊維の模式的断面図
【図3】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図4】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図5】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図6】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図7】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図8】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図9】 本発明で使用できる更に別の分割性繊維の模式的断面図
【図10】 従来の分割性繊維の模式的断面図
【図11】 従来の別の分割性繊維の模式的断面図
【符号の説明】
1 分割性繊維
11 樹脂成分
12 樹脂成分
S 中空部

Claims (3)

  1. 内部に中空部を有する、より細い繊維に分割可能な分割性繊維を含む、湿式法により形成した繊維ウエブに対して、流体を作用させることにより、前記分割性繊維が分割して発生したより細い繊維を含む不織布からなる繊維シートを備えていることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 前記分割性繊維から発生したより細い繊維を、繊維シート質量全体の30mass%以上含んでいることを特徴とする、請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 前記分割性繊維から発生したより細い繊維を含む繊維シートの平均地合指数が0.25以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電池用セパレータ。
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