JP3784274B2 - 静電チャック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PVD装置、CVD装置、イオンプレーティング装置、蒸着装置等の成膜装置やエッチング装置において、例えば半導体ウエハ等の被加工物を保持するのに用いる静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、PVD装置、CVD装置、イオンプレーティング装置、蒸着装置等の成膜装置やエッチング装置では、被加工物を精度良く固定するため、平坦かつ平滑に仕上げられた板状体の表面に強制的に吸着させることが行われており、この吸着手段として、静電吸着力を利用した静電チャックが用いられている。
【0003】
これら成膜装置やエッチング装置に用いられる従来の静電チャックは、板状セラミック体の内部やその一方の主面(一方の最も広い面)に静電吸着用電極を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面(他方の最も広い面)を吸着面としたもので、静電吸着用電極に電圧を印加して被加工物との間に誘電分極によるクーロン力や微少な漏れ電流によるジョンソン・ラーベック力等の静電吸着力を発現させることにより、被加工物を吸着面に強制的に吸着固定させることができるようになっており、この時、被加工物の保持精度は、吸着面の面精度に倣うことから、吸着面全体を平滑かつ平坦に仕上げたものが用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら成膜装置やエッチング装置では、その多くが真空中での処理のため、被加工物の温度を如何に均一に保つか、また各種処理時に発生する熱を如何に外部へ逃がすかが重要な要件となっており、また、被加工物の処理時間を短くするためには、成膜やエッチングに要する本来の時間以外の時間、即ち被加工物を吸着面に載せてから静電吸着力により吸着保持するまでの時間及び吸着面から被加工物を離脱させるまでの時間を短縮する必要があり、特に被加工物の離脱時間の短縮が重要な要件となっている。
【0005】
しかしながら、従来の静電チャックの吸着面は、前述したように平滑かつ平坦に仕上げられているため、静電吸着用電極への通電を止めても直ちに被加工物を離脱させることができないといった課題があった。
【0006】
即ち、静電チャックによる吸着原理は、板状セラミック体の吸着面近傍と、被加工物の当接面近傍にそれぞれ極性の異なる電荷を帯電させることにより静電吸着力を発現させ、被加工物を吸着面に吸着させるのであるが、被加工物を離脱させるため、静電吸着用電極への通電を止めても板状セラミック体の吸着面近傍の電荷が直ちになくならず、残留吸着力として残るため、被加工物を吸着面より直ちに離脱させることができなかった。
【0007】
また、吸着面を平滑かつ平坦に仕上げたとしても、ミクロ的に見ると、静電チャックの吸着面と被加工物との間には、吸着面の表面粗さや加工傷等の凹凸、あるいは被加工物の反り等により実際に接触している面積が小さく、さらに真空中では大気中にくらべて熱伝導量が小さいこと、被加工物の中央部は周縁部に比較して熱引けが悪いこと等の理由によって、成膜時やエッチング時に被加工物に発生した熱を均一に逃がすことができず、被加工物の温度分布を一様にすることができないため、成膜時の膜厚みが不均一となったり、エッチング時の形状に悪影響を与えるといった課題があった。
【0008】
そこで、図5に示すように、吸着面23に様々なパターン形状を有する深さ数十〜数百μm程度のガス溝24を形成するとともに、上記ガス溝24に、Heガス等の熱伝導性ガスを供給するためのガス導入孔25を備えた静電チャック21が提案されている(特許2626618号公報、特開平9−134951号公報、特開平9−232415号公報、特開平7−86385号公報等参照)。
【0009】
このような静電チャック21によれば、吸着面23にガス溝24を設け、被加工物との接触面積を少なくすることができるため、静電吸着用電極26への通電を止めた時、板状セラミック体22の吸着面近傍に存在する電荷が少なく残留吸着力を小さくできるため、被加工物の離脱性を高めることができるといった利点があった。
【0010】
しかしながら、このような静電チャック21では、吸着面23にガス溝24を設けたことにより、吸着面23と直接接触している部分の被加工物表面の温度と、ガス溝24と接している部分の被加工物表面の温度との間には温度差が発生し、この温度差を小さくするため、被加工物とガス溝24とで構成される空間にガス導入孔25よりHe等の熱伝導性ガスを供給することで、ガス溝24と被加工物との間の熱伝達特性を高め、吸着面23と被加工物との間の熱伝達効率に近づけることにより、被加工物の温度分布が一様となるように制御することが行われているが、このように被加工物とガス溝24とで構成される空間にHe等の熱伝導性ガスを供給したとしても、吸着面23の占める割合が多く、吸着面23とガス溝24とが交互に配置された構造となっていること、被加工物の中央部は周縁部に比較して熱引けが悪いこと等から十分に満足できるものではなく、被加工物のさらなる温度均一性が要求されていた。
【0011】
また、吸着面23に様々なパターン形状を有するガス溝24を形成したものでは、ガス溝24によって区画される領域の吸着面23の周縁にはシャープエッジが形成されており、被加工物がシリコンウエハのように比較的硬度の低いものである場合、その吸着時や離脱時の摺動によって傷付けられたり、エッジが欠けたりしてパーティクルが発生し、このパーティクルが被加工物に付着すると、成膜精度やエッチング精度に悪影響を与える恐れもあった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題に鑑み、請求項1に係る発明は、板状セラミック体の一方の主面又は内部に静電吸着用電極を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面にガス溝を備え、上記ガス溝で囲まれる領域を吸着面とした静電チャックにおいて、上記板状セラミック体を切断した時の吸着面の形状を、柱状で中央に平坦部を有する略円弧状凸部とし、該略円弧状凸部とガス溝側面との交点から略円弧状凸部の平坦部までの高さを0.5〜10μmであり前記交点から前記平坦部までの円弧状部の幅よりも小さいものとしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、板状セラミック体の一方の主面又は内部に静電吸着用電極を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面にガス溝を備え、上記ガス溝で囲まれる領域を吸着面とした静電チャックにおいて、上記板状セラミック体を切断した時の吸着面の形状を、2つの円弧状凸部と、該2つの円弧状凸部の略中央部内方に凹むように設けられた円弧状凹部とから構成し、上記略円弧状凸部とガス溝側面との交点から略円弧状凸部の頂部までの高さを0.5〜10μmとしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は本発明に係る静電チャックを示す図で、(a)はその正面図、(b)はその断面図である。
【0016】
この静電チャック1は、シリコンウエハ等の被加工物と同程度の大きさを有する円盤状をした板状セラミック体2中に、一対の静電吸着用電極3を埋設するとともに、上記板状セラミック体2の他方の主面(他方の最も広い面)には、ガス溝5を設け、ガス溝5で囲まれる領域の凸部頂面を吸着面6としてある。その為、被加工物を吸着面6に載せ、静電吸着用電極3間に通電して静電吸着用電極3と被加工物との間に静電吸着力を発現させることにより、吸着面6に被加工物を吸着固定するようになっている。なお、4は板状セラミック体2の一方の主面側に接合され、静電吸着用電極3と電気的に接続された給電端子である。
【0017】
また、板状セラミック体2の中央部には、一方の主面からガス溝底面まで連通するガス導入孔7を有し、上記吸着面6に被加工物を吸着した時、被加工物とガス溝5とで構成される空間にHeガス等の熱伝導性ガスを供給することにより、ガス溝5と被加工物との間の熱伝達特性を高め、吸着面6と被加工物との間の熱伝達効率に近づけることにより、被加工物の温度分布が一様となるように制御するようになっている。
【0018】
なお、この静電チャック1では、板状セラミック体2の他方の主面周縁部は閉じられた円環状の凸部としてあり、被加工物とガス溝5とで構成される空間に供給された熱伝導性ガスが外部に多量に漏れることを防止するようにしてある。
【0019】
また、図1(b)のA部を拡大した断面図を図2に示すように、板状セラミック体2を切断した時の吸着面6の形状は、中央に平坦部10を有する略円弧状凸部8としてあり、この略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)を0.5〜10μmとしてある。
【0020】
その為、本発明によれば、被加工物の吸着時及び離脱時に、被加工物が吸着面6と摺動したとしても、略円弧状凸部8とガス溝側面9とで構成されるエッジ部(交点S)が、略円弧状凸部8の平坦部10より低い位置にあるため、吸着面6のエッジ部で被加工物を引っ掻いたり、エッジ部が欠けるようなことがないため、パーティクルの発生を効果的に防止することができる。
【0021】
特に、吸着面6が幅広で、かつ吸着面全体が平坦面であると、被加工物が吸着面6に吸着された時、その間には隙間が殆どなく、ガス溝5に充填された熱伝導性ガスが被加工物と吸着面6との間に流れ難くなり、その結果、吸着面中央部上に位置する被加工物の表面温度が、吸着面周縁部上に位置する被加工物の表面温度より小さくなり、被加工物の全体では表面温度にバラツキが発生するのであるが、本発明によれば、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sが、略円弧状凸部8の平坦部10より低く位置にあることから、被加工物と吸着面6との隙間にも熱伝導性ガスが流れ易くなり、特に被加工物と吸着面中央との隙間にも熱伝導性ガスを供給することができるため、被加工物の全体の表面温度を一様にすることができる。
【0022】
さらに、被加工物を吸着面6に吸着すると、吸着面6の表面形状に倣って固定されるのであるが、静電吸着用電極3への通電を止めると、若干変形していた被加工物には元の状態に戻ろうとする力が働くため、被加工物の離脱性を高めることができる。
【0023】
ただし、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)が0.5μm未満であると、吸着時や離脱時に吸着面6のエッジ部が被加工物と当接し、被加工物を引っ掻いて傷を付けたり、エッジ部に欠けが発生する恐れがあるとともに、被加工物と吸着面6との隙間に熱伝導性ガスを送り込む効果が小さくなり、さらには離脱時において、被加工物が吸着面6から離れようとする力が小さいため、離脱時間を短くすることが難しい。
【0024】
一方、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)が10μmを超えると、被加工物と吸着面6との接触面積が少なくなり、吸着力が低下する。
【0025】
その為、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)は0.5〜10μmとすることが良い。
【0026】
また、吸着面6に形成する円弧状部11は、ガス溝側面9より0.1〜3mm、好ましくは0.1〜1mmの幅Kで形成することが好ましい。
【0027】
なぜなら、円弧状部11の幅Kがガス溝側面9より0.1mm未満であると、被加工物と吸着面6との隙間に熱伝導性ガスを送り込む効果が小さくなり、また離脱時において、被加工物が吸着面6から離れようとする力が小さいため、離脱時間を短くすることができないからであり、逆に円弧状部11の幅Kがガス溝側面9より10mmを超えると、被加工物との接触面積が小さくなり過ぎ、吸着力が大きく低下するといった不都合があるからである。
【0028】
さらに、パーティクルの発生を防止するためには、吸着面6の面粗さは算術平均粗さ(Ra)で0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下とするが良い。
【0029】
ところで、このような静電チャック1を製造する方法としては、セラミックグリーンシートの積層技術を用いるか、プレス成形技術を用いて板状セラミック体2を製作する。
【0030】
例えば、セラミックグリーンシートの積層技術を用いて板状セラミック体2を製作する場合、複数枚のセラミックグリーンシートを用意し、あるセラミックグリーンシート上に静電吸着用電極3をなす導体ペーストを印刷するか、あるいは金属箔又は金網を載せ、残りのセラミックグリーンシートを積み重ねて積層し、セラミックグリーンシートを焼結させることができる温度にて焼成することにより得ることができる。
【0031】
また、プレス成形技術を用いて板状セラミック体2を製作する場合、セラミック原料粉末を金型中に充填してプレス成形した後、成形体上に静電吸着用電極3をなす導体ペーストを印刷するか、あるいは金属箔又は金網を載せ、さらにセラミック原料粉末を充填した後、ホットプレスで焼成することにより得ることができる。
【0032】
次いで、得られた板状セラミック体2の一方の主面に給電端子4を挿入、固定するための穴を穿孔し、この穴に給電端子4を挿入してロウ付け等の接合技術を持ちいて接合する。
【0033】
次に、板状セラミック体2の他方の主面に、ガス溝5を形成するのであるが、ガス溝5の形成にあたっては、ブラスト加工やマシニング加工、あるいは超音波加工等を用い、深さが数十μmから数百μmのガス溝を所定のパターン形状に形成する。
【0034】
しかる後、ガス溝5で囲まれる領域の凸部頂面が平坦でかつ同一平面上に位置するようにするため、ラッピング加工を施す。この時、ラップ板として鋳鉄製のものを用い、10μmから3μmの大きさを有するダイヤモンド砥粒を用いてラッピングする。なお、さらに銅盤や錫盤を用いて仕上げ研磨を施しても構わない。
【0035】
そして、本発明では、さらに図4に示すように、ポリウレタン等の樹脂パッド52を貼り付けたラップ板51を用い、回転するラップ板51の周縁部に板状セラミック体2の他方の主面を押し当てながら自転させた状態で、板状セラミック体2とラップ板51との間にコロイダルシリカを供給しながらラップ加工を行うことにより、板状セラミック体2を切断した時の吸着面6の形状を、中央に平坦部10を有する略円弧状凸部8とし、この略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)を0.5〜10μmとする。なお、吸着面6の形状を上述した形状とするには、ラップ板51に貼りつける樹脂パッド52の厚みが重要で、その厚みを1〜3mmとすることが好ましい。
【0036】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
【0037】
図3は図1(b)のA部の他の形態を示す断面図で、板状セラミック体2を切断した時の吸着面6の形状は、2つの円弧状凸部15と、これら2つの円弧状凸部15の略中央部内方に凹むように設けられた円弧状凹部16とからなり、略円弧状凸部15とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部15の頂部17までの高さ(H2)を0.5〜10μmとしてある。
【0038】
その為、図3に示すような吸着面6を有する静電チャック1によれば、被加工物の吸着時及び離脱時に、被加工物が吸着面6と摺動したとしても、略円弧状凸部15とガス溝側面9とで構成されるエッジ部(交点S)が、略円弧状凸部15の頂部17より低い位置にあるため、吸着面6のエッジ部で被加工物を引っ掻いたり、エッジ部が欠けるようなことがないため、パーティクルの発生を効果的に防止することができる。
【0039】
また、本発明によれば、略円弧状凸部15とガス溝側面9との交点Sが、略円弧状凸部15の頂部17より低くい位置にあることから、被加工物と吸着面6との隙間にも熱伝導性ガスが流れ易くなり、特に2つの円弧状凸部15の略中央部内方に円弧状凹部16を設けたことから、被加工物と吸着面中央との隙間にも十分な量の熱伝導性ガスを流すことができるため、被加工物の全体の表面温度を一様にすることができる。
【0040】
さらに、被加工物を吸着面6に吸着すると、吸着面6の表面形状に倣って固定されるのであるが、静電吸着用電極3への通電を止めると、若干変形していた被加工物には元の状態に戻ろうとする力が働くのであるが、特に2つの円弧状凸部15の略中央部内方に円弧状凹部16を設けたことから、静電吸着用電極3への通電を止めた時に被加工物に発生する元の状態に戻ろうとする力を大きくすることができるため、被加工物の離脱性をさらに高めることができる。
【0041】
そして、このように効果を奏するためには、上述したのと同様の理由により、略円弧状凸部15とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部15の頂部17までの高さ(H2)を0.5〜10μmとすることが良く、さらに吸着面6に形成する円弧状部18は、ガス溝側面9より0.1〜3mm、好ましくは0.1〜1mmの幅Kで形成し、吸着面6の面粗さは算術平均粗さ(Ra)で0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下とするが良い。
【0042】
なお、板状セラミック体2を切断した時の吸着面6の形状を図3に示すような形状とするには、ポリウレタン等の樹脂パッドを貼り付けたラップ板を用い、砥粒としてコロイダルシリカを用いたラッピング加工の加工時間を0.5時間〜10時間程度とすることにより達成することができる。
【0043】
【実施例】
ここで、図2に示すような形状を有する吸着面6を備えた本発明の静電チャック1と、図5に示すような吸着面全体が平坦面である従来の静電チャック21を用意し、シリコンウエハを吸着固定した後にシリコンウエハに付着するパーティクル数を測定する実験を行った。
【0044】
本実験にあたっては、本発明の静電チャック1及び従来の静電チャック21とも大きさ、材質等は全て同一とし、吸着面6,23に形状のみ異ならせるようにした。
【0045】
具体的には、以下の通りである。
【0046】
Figure 0003784274
また、吸着面6が図2に示す形状を有するものにおいては、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)を変化させるようにした。
【0047】
そして、実験にあたっては、製作した静電チャック1,21の吸着面6,23に8インチのシリコンウエハを載せた状態で静電吸着用電極3,26に通電して静電吸着力を発現させ、シリコンウエハを吸着面6,23に固定した後、ガス導入孔7,25よりHeガスを供給し、シリコンウエハに700Paの背圧をかけた状態で静電チャックを200℃まで加熱し、この時のシリコンウエハ表面における温度分布をサーモビュアにより測定した後、冷却して室温に戻し、静電吸着用電極3,26への通電を止めてシリコンウエハを離脱させた時のシリコンウエハに付着する粒径0.15μm以上のパーティクル数をパーティクルカウンターにて測定した。
【0048】
また、静電吸着用電極3,26への通電を止めてから、シリコンウエハの背圧が10Paとなるまでの時間を離脱時間として測定した。
【0049】
結果はそれぞれ表1に示す通りである。
【0050】
なお、シリコンウエハの温度分布の評価にあたっては、サーモビュアにより測定した。
【0051】
【表1】
Figure 0003784274
【0052】
この結果、表1より判るように、試料No.1の従来の静電チャック21のように、吸着面全体が平坦面からなるものでは、シリコンウエハに付着しているパーティクル数が9738個と多かった。そこで、パーティクルの付着位置を確認して見ると、吸着面23のエッジ部と当接した位置にパーティクルの付着が目立っており、この現象から吸着面23のエッジ部によりシリコンウエハが傷付けられたり、エッジ部に欠けや脱粒が発生し、パーティクルが付着したものと思われる。
【0053】
また、シリコンウエハと吸着面23との隙間にHeガスが流れ難いため、シリコンウエハの温度バラツキが10.7℃と大きく、さらにはシリコンウエハの離脱時間も25秒と長かった。
【0054】
これに対し、吸着面6の形状を中央に平坦部10を有する略円弧状凸部8としたものでは、シリコンウエハに付着しているパーティクル数を大幅に低減することができるとともに、シリコンウエハの離脱時間を短縮することができ、さらにはシリコンウエハ表面における温度バラツキも低減することができた。
【0055】
この中でも試料No.3〜10に示すように、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)を0.5〜10μmとしたものは、シリコンウエハに付着しているパーティクル数を2000個以下にまで低減できるとともに、シリコンウエハの離脱時間を15秒以内に抑えることができ、さらにはシリコンウエハ表面における温度バラツキを5℃以内とすることができ優れていた。
【0056】
この結果より、吸着面6の形状を中央に平坦部10を有する略円弧状凸部8とするとともに、略円弧状凸部8とガス溝側面9との交点Sから略円弧状凸部8の平坦部10までの高さ(H1)を0.5〜10μmとすれば良いことが判る。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、板状セラミック体の一方の主面又は内部に静電吸着用電極を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面にガス溝を備え、上記ガス溝で囲まれる領域を吸着面とした静電チャックにおいて、板状セラミック体を切断した時の吸着面の形状を、柱状で中央に平坦部を有する略円弧状凸部とし、該略円弧状凸部の始点から略円弧状凸部の平坦部までの高さを0.5〜10μmであり前記交点から前記平坦部までの円弧状部の幅よりも小さいものとするか、あるいは板状セラミック体を切断した時の吸着面の形状を、2つの円弧状凸部と、該2つの円弧状凸部の略中央部内方に凹むように設けられた円弧状凹部とから構成し、上記略円弧状凸部の始点から略円弧状凸部の頂部までの高さを0.5〜10μmとしたことによって、被加工物の温度分布が均一になるように吸着保持することができるため、本発明の静電チャックを用いて成膜処理を施せば、均一な膜厚みを持った膜を被着することができ、また、エッチング処理を施せば、所定形状の加工を行うことができる。
【0058】
また、本発明の静電チャックは、吸着時や離脱時に被加工物を引っ掻くシャープエッジが少ないため、被加工物を傷付けることがなく、パーティクルの発生を従来の静電チャックと比較してさらに低減することができるとともに、被加工物の離脱性にも優れることから、成膜やエッチングのトータル時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックを示す図で、(a)はその正面図、(b)はその断面図である。
【図2】図1のA部を拡大した断面図である。
【図3】図1のA部を拡大した他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の静電チャックにおける吸着面の形成方法を示す概略図である。
【図5】従来の静電チャックを示す図で、(a)はその正面図、(b)はその断面図である。
【符号の説明】
1:静電チャック
2:板状セラミック体
3:静電吸着用電極
4:給電端子
5:ガス溝
6:吸着面
7:ガス導入孔
8:略円弧状凸部
9:ガス溝側面
10:略円弧状凸部中央の平坦部
11:円弧状部
15:円弧状凸部
16:円弧状凹部
17:円弧状凸部中央の平坦部
18:円弧状部
S:略円弧状凸部とガス溝側面との交点
H1:略円弧状凸部とガス溝側面との交点から略円弧状凸部の平坦部までの高さ
H2:略円弧状凸部とガス溝側面との交点から略円弧状凸部の平坦部までの高さ

Claims (2)

  1. 板状セラミック体の一方の主面又は内部に静電吸着用電極を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面にガス溝を備え、上記ガス溝で囲まれる領域を吸着面とした静電チャックにおいて、上記板状セラミック体を切断した時の吸着面の形状が、柱状で中央に平坦部を有する略円弧状凸部をなし、該略円弧状凸部とガス溝側面との交点から略円弧状凸部の平坦部までの高さが0.5〜10μmであり前記交点から前記平坦部までの円弧状部の幅よりも小さいことを特徴とする静電チャック。
  2. 板状セラミック体の一方の主面又は内部に静電吸着用電極を備えるとともに、上記板状セラミック体の他方の主面にガス溝を備え、上記ガス溝で囲まれる領域を吸着面とした静電チャックにおいて、上記板状セラミック体を切断した時の吸着面の形状が、2つの円弧状凸部と、該2つの円弧状凸部の略中央部内方に凹むように設けられた円弧状凹部とからなり、上記略円弧状凸部とガス溝側面との交点から略円弧状凸部の頂部までの高さが0.5〜10μmであることを特徴とする静電チャック。
JP2001132725A 2001-04-27 2001-04-27 静電チャック Expired - Lifetime JP3784274B2 (ja)

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