JP3784182B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッド製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resistive )と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )と記す。)効果を用いたGMR素子とがある。AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMRヘッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMRヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1ギガビット/(インチ)を超える再生ヘッドとして利用され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/(インチ)を超える再生ヘッドとして利用されている。
【0003】
再生ヘッドの性能を向上させる方法としては、MR膜をAMR膜からGMR膜等の磁気抵抗感度の優れた材料に変える方法や、MR膜のパターン幅、特に、MRハイトを適切化する方法等がある。このMRハイトとは、MR素子のエアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいい、エアベアリング面の加工の際の研磨量によって制御されるものである。なお、ここにいうエアベアリング面は、薄膜磁気ヘッドの、磁気記録媒体と対向する面であり、トラック面とも呼ばれる。
【0004】
一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記録ヘッドの性能向上も求められている。記録ヘッドの性能を決定する要因としては、パターン幅、特に、スロートハイト(Throat Height :TH)がある。スロートハイトは、2つの磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分の、エアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。記録ヘッドの性能向上のためには、スロートハイトの縮小化が望まれている。このスロートハイトも、エアベアリング面の加工の際の研磨量によって制御される。
【0005】
記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極のエアベアリング面での幅を数ミクロンからサブミクロン寸法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利用されている。
【0006】
ここで、図17ないし図22を参照して、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。なお、図17ないし図22において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0007】
この製造方法では、まず、図17に示したように、例えばアルティック(Al・TiC)よりなる基板101の上に、例えばアルミナ(Al)よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層102の上に、磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。
【0008】
次に、図18に示したように、下部シールド層103の上に、例えばアルミナを100〜200nmの厚みにスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜104を形成する。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、再生用のMR素子105を形成するためのMR膜を、数十nmの厚みに形成する。次に、このMR膜の上に、MR素子105を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターンを形成する。このとき、リフトオフを容易に行うことができるような形状、例えば断面形状がT型のフォトレジストパターンを形成する。次に、フォトレジストパターンをマスクとして、例えばイオンミリングによってMR膜をエッチングして、MR素子105を形成する。なお、MR素子105は、GMR素子でもよいし、AMR素子でもよい。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR素子105に電気的に接続される一対の電極層106を形成する。
【0009】
次に、下部シールドギャップ膜104およびMR素子105の上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜107を形成し、MR素子105をシールドギャップ膜104,107内に埋設する。
【0010】
次に、上部シールドギャップ膜107の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)108を、約3μmの厚みに形成する。次に、下部磁極層108の上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録ギャップ層109を0.3μmの厚みに形成する。
【0011】
次に、図19に示したように、磁路形成のために、記録ギャップ層109を部分的にエッチングして、コンタクトホール109aを形成する。次に、磁極部分における記録ギャップ層109の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えば高飽和磁束密度材のパーマロイ(NiFe)またはFeNよりなる上部磁極チップ110を、0.5〜1.0μmの厚みに形成する。上部磁極チップ110は、上部磁極の一部をなす。このとき、同時に、磁路形成のためのコンタクトホールの上に、磁路形成のための磁性材料からなる磁性層119を形成する。
【0012】
次に、図20に示したように、上部磁極チップ110をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギャップ層109と下部磁極層108をエッチングする。図20(b)に示したように、上部磁極(上部磁極チップ110)、記録ギャップ層109および下部磁極層108の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。
【0013】
次に、全面に、例えばアルミナ膜よりなる絶縁層111を、約3μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層111を、上部磁極チップ110および磁性層119の表面に至るまで研磨して平坦化する。この際の研磨方法としては、機械的な研磨またはCMP(化学機械研磨)が用いられる。この平坦化により、上部磁極チップ110および磁性層119の表面が露出する。
【0014】
次に、図21に示したように、平坦化された絶縁層111の上に、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル112を形成する。次に、絶縁層111およびコイル112の上に、フォトレジスト層113を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層113の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。次に、フォトレジスト層113の上に、第2層目の薄膜コイル114を形成する。次に、フォトレジスト層113およびコイル114上に、フォトレジスト層115を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層115の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。
【0015】
次に、図22に示したように、上部磁極チップ110、フォトレジスト層113,115および磁性層119の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパーマロイよりなる上部磁極層116を形成する。次に、上部磁極層116の上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層117を形成する。最後に、スライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面118を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。図23は、この薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、この図では、オーバーコート層117を省略している。
【0016】
図22において、THは、スロートハイトを表し、MR−Hは、MRハイトを表している。また、P2Wは、磁極幅、すなわち記録トラック幅を表している。薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要因として、スロートハイトやMRハイト等の他に、図22においてθで示したようなエイペックスアングル(Apex Angle)がある。このエイペックスアングルは、フォトレジスト層113,115で覆われて山状に盛り上がったコイル部分(以下、エイペックス部と言う。)における磁極側の側面の角部を結ぶ直線と絶縁層110の上面とのなす角度をいう。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
薄膜磁気ヘッドの性能を向上させるには、図22に示したようなスロートハイトTH、MRハイトMR−H、エイペックスアングルθおよびトラック幅P2Wを正確に形成することが重要である。
【0018】
特に、近年は、高面密度記録を可能とするため、すなわち、狭トラック構造の記録ヘッドを形成するために、トラック幅P2Wには1.0μm以下のサブミクロン寸法が要求されている。そのために半導体加工技術を利用して上部磁極をサブミクロン寸法に加工する技術が必要となる。また、狭トラック構造となるに伴って、磁極にはより高い飽和磁束密度を持った磁性材料の使用が望まれている。
【0019】
ここで、問題となるのは、エイペックス部の上に形成される上部磁極層を微細に形成することが困難なことである。
【0020】
ところで、上部磁極層を形成する方法としては、例えば、特開平7−262519号公報に示されるように、フレームめっき法が用いられる。フレームめっき法を用いて上部磁極層を形成する場合は、まず、エイペックス部の上に全体的に、例えばパーマロイよりなる薄い電極膜を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレーム(外枠)を形成する。そして、先に形成した電極膜をシード層として、めっき法によって上部磁極層を形成する。
【0021】
ところが、エイペックス部と他の部分とでは、例えば7〜10μm以上の高低差がある。このエイペックス部上に、フォトレジストを3〜4μmの厚みで塗布する。エイペックス部上のフォトレジストの膜厚が最低3μm以上必要であるとすると、流動性のあるフォトレジストは低い方に集まることから、エイペックス部の下方では、例えば8〜10μm以上の厚みのフォトレジスト膜が形成される。
【0022】
上述のようにサブミクロン寸法の記録トラック幅を実現するには、フォトレジスト膜によってサブミクロン寸法の幅のフレームパターンを形成する必要がある。従って、エイペックス部上で、8〜10μm以上の厚みのあるフォトレジスト膜によって、サブミクロン寸法の微細なパターンを形成しなければならない。ところが、このような厚い膜厚のフォトレジストパターンを狭パターン幅で形成することは製造工程上極めて困難であった。
【0023】
しかも、フォトリソグラフィの露光時に、露光用の光が、シード層としての下地電極膜で反射し、この反射光によってもフォトレジストが感光して、フォトレジストパターンのくずれ等が生じ、シャープかつ正確なフォトレジストパターンが得られなくなる。
【0024】
このように、従来は、磁極幅がサブミクロン寸法になると、上部磁性層を精度よく形成することが困難になるという問題点があった。
【0025】
このようなことから、上述の従来例の図19ないし図22の工程でも示したように、記録ヘッドの狭トラックの形成に有効な上部磁極チップ110によって、1.0μm以下のトラック幅を形成した後、この上部磁極チップ110と接続されるヨーク部分となる上部磁極層116を形成する方法も採用されている(特開昭62−245509号公報、特開昭60−10409号号公報参照)。このように、通常の上部磁極層を、上部磁極チップ110とヨーク部分となる上部磁極層116とに分割することにより、トラック幅を決定する上部磁極チップ110を、記録ギャップ層109の上の平坦な面の上に、サブミクロン幅で微細に形成することが可能になる。
【0026】
しかしながら、このような薄膜磁気ヘッドにおいても、依然として、以下のような問題点があった。
【0027】
(1)まず、従来の磁気ヘッドでは、上部磁極チップ110のエアベアリング面118から遠い側の端部においてスロートハイトを決定している。しかし、この上部磁極チップ110の幅が狭くなると、フォトリソグラフィーにおいて、パターンエッジが丸みを帯びて形成される。そのため、高精度な寸法を要求されるスロートハイトが不均一となり、エアベアリング面118の加工、研磨工程において、MR素子のトラック幅との間のバランスに欠ける事態が発生していた。例えば、トラック幅として、0.5〜0.6μm必要なときに、上部磁極チップ110のエアベアリング面118から遠い側の端部がスロートハイトゼロ位置(スロートハイトを決定する絶縁層のエアベアリング面側の端部の位置)からエアベアリング面118側にずれ、大きく記録ギャップが開き、記録データの書き込みができなくなるという問題がしばしば発生していた。
【0028】
(2)次に、図22に示した従来の薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極チップ110により記録ヘッドのトラック幅が規定されるため、上部磁極層116は、上部磁極チップ110ほどには微細に加工する必要はないと言える。しかしながら、上部磁極層116は、上部磁極チップ110の上部にフォトリソグラフィの位置合わせにより位置が決定されるため、エアベアリング面118側から見た場合、双方が片側に大きく位置ずれすると、上部磁極層116側で書き込みが行われ、実効トラック幅が広くなる場合がある。その結果、記録媒体に対して、本来、データを記録すべき領域以外の領域にもデータを書き込んでしまう、いわゆるサイドライトが発生するという不具合があった。
【0029】
また、記録ヘッドのトラック幅が極微細、特に0.5μm以下になってくると、上部磁極層116においてもサブミクロン幅の加工精度が要求される。すなわち、エアベアリング面118側から見た場合、上部磁極チップ110と上部磁極層116との横方向の寸法差が大き過ぎると、上記と同様に、サイドライトが発生し、本来のデータ記録領域以外の領域においても書き込みが行われるという不具合が発生する。
【0030】
このようなことから、上部磁極チップ110だけでなく、上部磁極層116もサブミクロン幅に加工する必要があるが、上部磁極層116の下のエイペックス部には、依然として、大きな高低差があるため、上部磁極層116の微細加工が困難であった。
【0031】
(3)更に、従来の薄膜磁気ヘッドでは、磁路長(Yoke Length )を短くすることが困難であるという問題点があった。すなわち、コイルピッチが小さいほど、磁路長の短いヘッドを実現することができ、特に高周波特性に優れた記録ヘッドを形成することができるが、コイルピッチを限りなく小さくしていった場合、スロートハイトゼロ位置からコイルの外周端までの距離が、磁路長を短くすることを妨げる大きな要因となっていた。磁路長は、1層のコイルよりは2層のコイルの方が短くできることから、多くの高周波用の記録ヘッドでは2層コイルを採用している。しかしながら、従来の磁気ヘッドでは、1層目のコイルを形成した後、コイル間の絶縁膜を形成するために、フォトレジスト膜を約2μmの厚みで形成している。そのため、1層目のコイルの外周端には丸みを帯びた小さなエイペックス部が形成される。次に、その上に2層目のコイルを形成するが、その際に、エイペックス部の傾斜部では、コイルのシード層のエッチングができず、コイルがショートするため、2層目のコイルは平坦部に形成する必要がある。
【0032】
従って、例えば、コイルの厚みを2〜3μmとし、コイル間絶縁膜の厚みを2μmとし、エイペックスアングルを45°〜55°とすると、磁路長としては、コイルに対応する部分の長さに加え、コイルの外周端からスロートハイトゼロ位置の近傍までの距離である3〜4μmの距離の2倍(上部磁極層と下部磁極層とのコンタクト部からコイル内周端までの距離も3〜4μm必要。)の6〜8μmが必要である。このコイルに対応する部分以外の長さが、磁路長の縮小を妨げる要因となっていた。
【0033】
ここで、例えば、コイルの線幅が1.0μm、スペースが0.5μmの11巻コイルを2層で形成する場合を考える。この場合、図22に示したように、1層目を6巻、2層目を5巻とすると、磁路長のうち、2層目のコイル114に対応する部分の長さは7μmである。磁路長には、これに加え、2層目のコイル114の外周端および内周端より、2層目のコイル114を絶縁するためのフォトレジスト層115の端部までの距離として、合計6〜8μmの長さが必要になる。磁路長には、更に、フォトレジスト層115の端部から、1層目のコイル112を絶縁するためのフォトレジスト層113の端部までの距離として、合計6〜8μmの長さが必要になる。なお、本出願では、磁路長を、磁極層のうちの磁極部分およびコンタクト部分を除いた部分の長さで表す。図22では、磁路長Lは、19μmとなっている。従来技術では、これ以上、磁路長の縮小は不可能であり、これが高周波特性の改善を妨げていた。
【0034】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、記録ヘッドのトラック幅の縮小および磁路長の縮小を可能にした薄膜磁気ヘッド製造方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明における薄膜磁気ヘッドは、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して対向する2つの磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に絶縁された状態で配設された薄膜コイルと、基板とを備え、第1および第2の磁性層、ギャップ層および薄膜コイルは基板に積層され、且つ第1および第2の磁性層のうち、第1の磁性層の方が基板に近い位置に配置された薄膜磁気ヘッドであって、
第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方は、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、磁極部分を形成し、且つ第1の部分に接続された第2の部分と、第1の部分と他方の磁性層とを接続するための第3の部分とを有し、
薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方における第2の部分と第3の部分の間において、平坦な第1の部分の上または平坦なギャップ層の上に配置され、
薄膜磁気ヘッドは、更に、薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方と第2の部分の側壁または第3の部分の側壁との間、および薄膜コイルの少なくとも一部と第1の部分またはギャップ層との間に連続的に形成された絶縁膜を備え、
薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方は、絶縁膜を介して第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接し、薄膜コイルの少なくとも一部は、絶縁膜を介して第1の部分の上面またはギャップ層に接するものである。
【0036】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して対向する2つの磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
第1の磁性層を形成する工程と、第1の磁性層の上にギャップ層を形成する工程と、ギャップ層の上に第2の磁性層を形成する工程と、第1の磁性層と第2の磁性層の間に絶縁された状態で配置されるように薄膜コイルを形成する工程とを備え、
第1の磁性層を形成する工程と第2の磁性層を形成する工程の少なくとも一方は、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、磁極部分を形成し、且つ第1の部分に接続された第2の部分と、第1の部分と他方の磁性層とを接続するための第3の部分とを有するように、磁性層を形成し、
薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部が第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方における第2の部分と第3の部分の間において、平坦な第1の部分の上または平坦なギャップ層の上に配置されるように薄膜コイルを形成し、
薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、薄膜コイルの少なくとも一部を形成する前に、薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方と第2の部分の側壁または第3の部分の側壁との間、および薄膜コイルの少なくとも一部と第1の部分またはギャップ層との間に連続的に配置される絶縁膜を形成する工程を備え、
薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、絶縁膜を介して第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接し、且つ最外周端と第2の部分との間の絶縁膜の上または最内周端と第3の部分との間の絶縁膜の上にはみ出し、薄膜コイルの少なくとも一部が、絶縁膜を介して第1の部分の上面またはギャップ層に接するように、フレームめっき法によって薄膜コイルを形成するものである。
【0037】
本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、薄膜コイルの少なくとも一部を、第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方における第2の部分と第3の部分の間に配置し、且つ、薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方を、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接するように形成するようにしたので、磁路長の縮小が可能となる。
【0038】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、絶縁膜の厚みを、例えば1μm以下とする。
【0039】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、第1の磁性層が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、第1の磁性層における第2の部分がスロートハイトを規定するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、第2の磁性層が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、第2の磁性層における第1の部分の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置してもよい。
【0041】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、第1の磁性層と第2の磁性層の双方が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有するようにしてもよい。この場合、第2の磁性層における第2の部分の長さが、第1の磁性層における第2の部分の長さ以上となるようにしてもよい。また、薄膜コイルが、第1の磁性層における第2の部分と第3の部分の間に配置された第1層部分と、第2の磁性層における第2の部分と第3の部分の間に配置された第2層部分とを有するようにしてもよい。
【0042】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、第2の磁性層が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、薄膜コイルが、第2の磁性層における第2の部分と第3の部分の間に配置された第1層部分と、第1層部分の第1の磁性層とは反対側に配置された第2層部分とを有するようにしてもよい。
【0043】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、薄膜磁気ヘッドが、更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを備えるようにしてもよい。この場合、第2のシールド層が、第1の磁性層を兼ねるようにしてもよい。
【0044】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、例えば、第1の磁性層を形成する工程は、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有する第1の磁性層を形成し、薄膜コイルを形成する工程は、第1の磁性層の第1の部分、第2の部分および第3の部分の上全体に絶縁膜を形成した後、薄膜コイルの少なくとも一部が第2の部分と第3の部分の間に配置され、且つ薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接するように、薄膜コイルの少なくとも一部を形成する。
【0045】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、更に、第2の部分と第3の部分の間に形成された薄膜コイルの少なくとも一部を覆うように絶縁層を形成し、その後、第2の部分、第3の部分および絶縁層の上を平坦化処理する工程を含み、ギャップ層を形成する工程は、平坦化処理された第2の部分の上にギャップ層を形成するようにしてもよい。
【0046】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、更に、第2の磁性層を形成する工程は、ギャップ層の上に第2の磁性層の第2の部分および第3の部分を形成し、薄膜コイルを形成する工程は、ギャップ層、第2の磁性層の第2の部分および第3の部分の上全体に絶縁膜を形成した後、薄膜コイルの第2層目の部分が第2の部分と第3の部分の間に配置され、且つ薄膜コイルの第2層目の部分の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接するように、薄膜コイルの第2層目の部分を形成するようにしてもよい。
【0047】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、更に、第2の磁性層の第2の部分と第3の部分の間に形成された薄膜コイルの第2層目の部分を覆うように絶縁層を形成し、その後、第2の磁性層の第2の部分、第3の部分および絶縁層の上を平坦化処理する工程を含み、第2の磁性層を形成する工程は、平坦化処理された第2の磁性層の第2の部分および第3の部分、および絶縁層の上に、第2の磁性層の第1の部分を形成するようにしてもよい。
【0048】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、例えば、第2の磁性層を形成する工程は、ギャップ層の上に第2の磁性層の第2の部分および第3の部分を形成し、薄膜コイルを形成する工程は、ギャップ層、第2の磁性層の第2の部分および第3の部分の上全体に絶縁膜を形成した後、薄膜コイルの第1層部分が第2の部分と第3の部分の間に配置され、且つ薄膜コイルの第1層部分の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接するように、薄膜コイルの第1層部分を形成し、次に、第2の磁性層の第2の部分と第3の部分の間に形成された薄膜コイルの第1層部分を覆うように絶縁層を形成し、次に、絶縁層の上に薄膜コイルの第2層部分を形成し、第2の磁性層を形成する工程は、更に、第2の磁性層の第2の部分および第3の部分、および薄膜コイルの第2層部分の上に、薄膜コイルの第2層部分に対して絶縁された状態で、第2の磁性層の第1の部分を形成する。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[本発明の第1の実施の形態]
まず、図1ないし図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。なお、図1ないし図7において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0050】
本実施の形態に係る製造方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(Al)よりなる絶縁層2を、約5μmの厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、約3μmの厚みに形成する。下部シールド層3は、例えば、フォトレジスト膜をマスクにして、めっき法によって、絶縁層2の上に選択的に形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMP(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出するまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0051】
次に、図2に示したように、下部シールド層3の上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニウムをスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜4を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5を形成するためのMR膜を、数十nmの厚みに形成する。次に、このMR膜の上に、MR素子5を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターンを形成する。次に、フォトレジストパターンをマスクとして、例えばイオンミリングによってMR膜をエッチングして、MR素子5を形成する。なお、MR素子5は、GMR素子でもよいし、AMR素子でもよい。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜7を形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,7内に埋設する。次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)の第1の部分8aを、約1.0〜2.0μmの厚みで、選択的に形成する。下部磁極層の第1の部分8aは、後述する薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置される部分である。
【0052】
次に、図3に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層9を、下部磁極層の第1の部分8aの厚みより大きい厚みに形成し、例えばCMP(化学機械研磨)によって、第1の部分8aが露出するまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0053】
次に、下部磁極層の第1の部分8aの上に、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cを、1.5〜2.5μmの厚みに形成する。第2の部分8bは、下部磁極層の磁極部分を形成し、第1の部分8aに接続される。第3の部分8cは、第1の部分8aと上部磁極層とを接続するための部分である。本実施の形態において、第2の部分8bのエアベアリング面とは反対側(図において右側)の端部の位置は、スロートハイトを規定する。すなわち、この位置が、スロートハイトゼロ位置となる。
【0054】
下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)の材料を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0055】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜10を形成する。この絶縁膜10の厚みは、1μm以下が好ましい。その理由は、これ以上厚くなると、磁路長が大きくなりすぎるからである。本実施の形態では、絶縁膜10の厚みを、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0056】
次に、図示しないが、めっき法によって薄膜コイルの第1層部分を形成するためのシード層を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレーム11を形成する。
【0057】
本実施の形態では、薄膜コイルの第1層部分が、下部磁極層の第2の部分8bと第3の部分8cとの間に配置され、且つその最外周端および最内周端が、第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に形成された絶縁膜10を介して、第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に接するように形成されるように、フレーム11を形成する。
【0058】
次に、このフレーム11を用いて、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分12を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みに形成する。この第1層部分12のピッチは、例えば約1.2〜2.0μmとする。
【0059】
このようにして、本実施の形態では、薄膜コイルの第1層部分12は、下部磁極層の第2の部分8bと第3の部分8cとの間に配置され、且つ第1層部分12の最外周端および最内周端が、第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に形成された絶縁膜10を介して、第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に接するように形成される。図3(a)では、第1層部分12の最外周端は、最外周端と第2の部分8bとの間の絶縁膜10上にはみ出し、第1層部分12の最内周端は、最内周端と第3の部分8cとの間の絶縁膜10上にはみ出している。
【0060】
なお、図3(a)において、薄膜コイルの第1層部分12のうち、絶縁膜10を介して下部磁極層の第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に接する部分の厚みが、他の部分の厚みに比べて大きくなっているのは、第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に接する部分におけるシード層の面積が、他の部分におけるシード層の面積に比べて大きくなるためである。ただし、めっき法によって薄膜コイルの第1層部分12を形成する際の電流等の条件によっては、第1層部分12の全ての部分を同じ厚みに形成することも可能である。
【0061】
次に、図4に示したように、フレーム11とその下のシード層を除去した後、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層13を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cが露出するまで、絶縁層13を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図4では、薄膜コイルの第1層部分12のうち、絶縁膜10を介して下部磁極層の第2の部分8bの側壁または第3の部分8cの側壁に接する部分は露出しているが、他の部分は露出していない。しかし、この第1層部分12の他の部分も露出するようにしてもよい。また、第1層部分12の全ての部分が同じ厚みに形成されている場合には、平坦化処理によって、第1層部分12の全ての部分が露出してもよいし、露出しなくてもよい。ただし、平坦化処理によって、第1層部分12のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分と接続される部分12aが露出しない場合には、フォトリソグラフィ技術によって、この部分12aを露出させる。
【0062】
次に、図5に示したように、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8c、および絶縁層13の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層14を、0.2〜0.3μmの厚みで形成する。記録ギャップ層14に使用する絶縁材料としては、一般的に、アルミナ、窒化アルミニウム、シリコン酸化物系材料、シリコン窒化物系材料がある。
【0063】
次に、磁路形成のために、下部磁極層の第3の部分8cの上の部分において、記録ギャップ層14を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成すると共に、薄膜コイルの第1層部分12における部分12aと第2層部分とを接続するために、部分12aの上の部分において、記録ギャップ層14を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0064】
次に、記録ギャップ層14の上に、上部磁極層の第2の部分15bを、2.0〜3.0μmの厚みに形成すると共に、下部磁極層の第3の部分8cの上に、上部磁極層の第3の部分15cを、2.0〜3.0μmの厚みに形成する。第2の部分15bは、上部磁極層の磁極部分を形成し、後述する上部磁極層の第1の部分に接続される。第3の部分15cは、後述する上部磁極層の第1の部分と下部磁極層とを接続するための部分である。本実施の形態では、上部磁極層の第2の部分15bの長さは、下部磁極層の第2の部分8bの長さ以上に形成される。
【0065】
上部磁極層の第2の部分15bおよび第3の部分15cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)の材料を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0066】
次に、上部磁極層の第2の部分15bをマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層14を選択的にエッチングする。このときのドライエッチングには、例えば、BCl,Cl等の塩素系ガスや、CF,SF等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。次に、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層の第2の部分8bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図5(b)に示したようなトリム構造とする。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。
【0067】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜16を形成する。この絶縁膜16の厚みは、1μm以下が好ましい。その理由は、これ以上厚くなると、磁路長が大きくなりすぎるからである。本実施の形態では、絶縁膜16の厚みを、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0068】
次に、図示しないが、めっき法によって薄膜コイルの第2層部分を形成するためのシード層を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレーム17を形成する。
【0069】
本実施の形態では、薄膜コイルの第2層部分が、上部磁極層の第2の部分15bと第3の部分15cとの間に配置され、且つその最外周端および最内周端が、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に形成された絶縁膜16を介して、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に接するように形成されるように、フレーム17を形成する。
【0070】
次に、このフレーム17を用いて、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分18を、例えば約2.0〜3.0μmの厚みに形成する。この第2層部分18のピッチは、例えば約1.2〜2.0μmとする。ここで、第2層部分18のうち、第1層部分12の部分12aの上に配置される部分18aは、コンタクトホールを介して部分12aに接続される。
【0071】
このようにして、本実施の形態では、薄膜コイルの第2層部分18は、上部磁極層の第2の部分15bと第3の部分15cとの間に配置され、且つ第2層部分18の最外周端および最内周端が、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に形成された絶縁膜16を介して、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に接するように形成される。
【0072】
次に、図6に示したように、フレーム17とその下のシード層を除去した後、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層19を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、上部磁極層の第2の部分15bおよび第3の部分15cが露出するまで、絶縁層19を研磨して、表面を平坦化処理する。
【0073】
次に、図7に示したように、平坦化された上部磁極層の第2の部分15bおよび第3の部分15c、および絶縁層19の上に、記録ヘッド用の磁性材料からなる上部磁極層の第1の部分15aを、例えば約2〜3μmの厚みに形成する。上部磁極層の第1の部分15aは、薄膜コイル12,18に対向する領域を含む領域に配置される部分である。この上部磁極層の第1の部分15aは、第3の部分15cを介して下部磁極層の第3の部分8cと接触し、磁気的に連結している。上部磁極層の第1の部分15aは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)の材料を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、上部磁極層の第1の部分15aを、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0074】
本実施の形態では、上部磁極層の第1の部分15aの記録媒体に対向する側(エアベアリング面側)の端面は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置(図において右側)に配置されている。
【0075】
次に、上部磁極層の第1の部分15aの上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層20を、20〜40μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0076】
本実施の形態では、第1の部分8a、第2の部分8bおよび第3の部分8cよりなる下部磁極層が、本発明における第1の磁性層に対応し、第1の部分15a、第2の部分15bおよび第3の部分15cよりなる上部磁極層が、本発明における第2の磁性層に対応する。
【0077】
図8は、上述のようにして製造された本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。この図では、オーバーコート層20は省略している。なお、図8において、図中、符号8Bは、トリム構造とするために下部磁極層の第2の部分8bがエッチングされている部分を表している。また、図9は、図8に示した薄膜磁気ヘッドの上部磁極層のみを示したものである。
【0078】
これらの図に示したように、上部磁極層は、薄膜コイル12,18に対向する領域を含む領域に配置される第1の部分15aと、磁極部分を形成する第2の部分15bと、第1の部分15aと下部磁極層とを接続するための第3の部分15cとを有している。そして、第2の部分15bのエアベアリング面の幅P2Wが、記録トラック幅を決定する。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態では、下部磁極層と上部磁極層の双方が、薄膜コイル12,18に対向する領域を含む領域に配置された第1の部分8a,15aと、磁極部分を形成し、且つ第1の部分8a,15aに接続された第2の部分8b,15bと、第1の部分8a,15aと他方の磁性層とを接続するための第3の部分8c,15cとを有している。そして、薄膜コイルの第1層部分12は、下部磁極層の第2の部分8bと第3の部分8cの間に配置され、第1層部分12の最外周端および最内周端が、それぞれ、第2の部分8bの側壁および第3の部分8cの側壁に形成された絶縁膜10を介して、第2の部分8bの側壁および第3の部分8cの側壁に接するように形成される。同様に、薄膜コイルの第2層部分18は、下部磁極層の第2の部分15bと第3の部分15cの間に配置され、第2層部分18の最外周端および最内周端が、それぞれ、第2の部分15bの側壁および第3の部分15cの側壁に形成された絶縁膜16を介して、第2の部分15bの側壁および第3の部分15cの側壁に接するように形成される。
【0080】
従って、本実施の形態によれば、記録ヘッドの磁極部分を形成する下部磁極層の第2の部分8bと上部磁極層の第2の部分15bを、共に、平坦な面の上に形成することができることから、これらの第2の部分8b,15bを微細に形成することが可能となる。そのため、記録ヘッドのトラック幅を決定する上部磁極層の第2の部分15bを、ハーフミクロン寸法やクォータミクロン寸法に形成でき、記録ヘッドのトラック幅の縮小が可能となる。これにより、今後要求される20ギガビット/(インチ)〜30ギガビット/(インチ)の面記録密度を有する薄膜磁気ヘッドも実現可能となる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、薄膜コイル12,18を平坦な面の上に形成することができることから、薄膜コイル12,18のピッチを小さくすることが可能となる。更に、薄膜コイル12,18の最外周端および最内周端が、それぞれ、第2の部分8b,15bの側壁および第3の部分8c,15cの側壁に形成された絶縁膜10,16を介して、第2の部分8b,15bの側壁および第3の部分8c,15cの側壁に接するように、薄膜コイル12,18を形成したので、薄膜コイル12,18とその周囲を囲う絶縁膜からなる部分を小さく形成することが可能となる。これらのことから、本実施の形態によれば、例えば従来に比べて30%〜50%程度、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になる。そのため、本実施の形態によれば、高周波特性の優れた薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
【0082】
ここで、図22に示した従来例と同じデザインルールで、本実施の形態における薄膜コイル12,18を形成した場合の磁路長を、図7に示したようにLとする。磁路長の具体的な数値の一例としては、Lは9.1μmとなり、図22に示した従来の薄膜磁気ヘッドにおける磁路長Lである19.0μmの50%以下に縮小される。
【0083】
また、本実施の形態によれば、スロートハイトゼロ位置の近傍に、薄膜コイル12,18の最外周端が配置されるように、薄膜コイル12,18を形成することができるので、薄膜コイル12,18で発生した起磁力が途中で飽和することを防止でき、薄膜コイル12,18で発生した起磁力を効率よく記録に利用することができる。その結果、非線形トランジションシフト(Non-linear Transition Shift ;NLTS)や、オーバライト特性の優れた薄膜磁気ヘッドを提供することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、下部磁極層の第2の部分8bによってスロートハイトを規定している。この下部磁極層の第2の部分8bは、図8に示したように、フォトリソグラフィを用いて広いパターンとして形成されるので、微細に形成する必要のある上部磁極層の磁極部分によってスロートハイトを規定する場合に比べて、パターンの端部の位置を正確に制御でき、その結果、スロートハイトを正確に規定することが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態では、上部磁極層の第1の部分15aのエアベアリング面側の端面を、薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面から離れた位置に配置している。そのため、スロートハイトが小さい場合でも、上部磁極層の第1の部分15aがエアベアリング面に露出することがなく、その結果、いわゆるサイドライトが発生せず、実効トラック幅が大きくなることを防止することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、下部磁極層(8a,8b,8c)と、薄膜コイルの第1層部分12の間に、薄く且つ十分な絶縁耐圧が得られる無機系の絶縁膜10が設けられるので、下部磁極層と第1層部分12との間に大きな絶縁耐圧を得ることができる。また、薄膜コイルの第1層部分12と第2層部分18との間には、記録ギャップ層14の他に、無機系の絶縁層13および無機系の絶縁膜16が設けられるので、薄膜コイルの第1層部分12と第2層部分18との間に大きな絶縁耐圧を得ることができると共に、薄膜コイル12,18からの磁束の漏れを低減することができる。
【0087】
また、本実施の形態では、図8に示したように、下部磁極層の第2の部分8bを、薄膜コイル12,18の周辺に広く配置しているので、薄膜コイルの第1層部分12を形成した後の平坦化処理が容易である。
【0088】
[本発明の第2の実施の形態]
まず、図10ないし図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。なお、図10ないし図16において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0089】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図10に示したように、例えばアルティック(Al・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(Al)よりなる絶縁層2を、約5μmの厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、約3μmの厚みに形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMP(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出するまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0090】
次に、図11に示したように、下部シールド層3の上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニウムをスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜4を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5を形成するためのMR膜を、数十nmの厚みに形成する。次に、このMR膜の上に、MR素子5を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターンを形成する。次に、フォトレジストパターンをマスクとして、例えばイオンミリングによってMR膜をエッチングして、MR素子5を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜7を形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,7内に埋設する。次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる下部磁極層の第1の部分8aを、約1.0〜2.0μmの厚みで、選択的に形成する。
【0091】
次に、図12に示したように、下部磁極層の第1の部分8aの上に、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cを、1.5〜2.5μmの厚みに形成する。次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層21を、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cが隠れるだけの厚みに形成する。次に、例えばCMPによって、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cが露出するまで、絶縁層21を研磨して、表面を平坦化処理する。
【0092】
次に、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8c、および絶縁層21の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層14を、0.2〜0.3μmの厚みで形成する。次に、磁路形成のために、下部磁極層の第3の部分8cの上の部分において、記録ギャップ層14を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0093】
次に、記録ギャップ層14の上に、上部磁極層の第2の部分15bを、2.0〜3.0μmの厚みに形成すると共に、下部磁極層の第3の部分8cの上に、上部磁極層の第3の部分15cを、2.0〜3.0μmの厚みに形成する。本実施の形態では、上部磁極層の第2の部分15bの長さは、下部磁極層の第2の部分8bの長さ以上に形成される。
【0094】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜22を形成する。この絶縁膜22の厚みは、1μm以下が好ましい。本実施の形態では、絶縁膜22の厚みを、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0095】
次に、図示しないが、めっき法によって薄膜コイルの第1層部分を形成するためのシード層を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレーム23を形成する。
【0096】
本実施の形態では、薄膜コイルの第1層部分が、上部磁極層の第2の部分15bと第3の部分15cとの間に配置され、且つその最外周端および最内周端が、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に形成された絶縁膜22を介して、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に接するように形成されるように、フレーム23を形成する。
【0097】
次に、このフレーム23を用いて、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分24を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みに形成する。この第1層部分24のピッチは、例えば約1.2〜2.0μmとする。
【0098】
このようにして、本実施の形態では、薄膜コイルの第1層部分24は、上部磁極層の第2の部分15bと第3の部分15cとの間に配置され、且つ第1層部分24の最外周端および最内周端が、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に形成された絶縁膜22を介して、第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に接するように形成される。
【0099】
次に、図13に示したように、フレーム23とその下のシード層を除去する。
【0100】
次に、図14に示したように、上部磁極層の第2の部分15bをマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層14を選択的にエッチングする。次に、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層の第2の部分8bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図14(b)に示したようなトリム構造とする。
【0101】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層25を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、上部磁極層の第2の部分15bおよび第3の部分15cが露出するまで、絶縁層25を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図14では、薄膜コイルの第1層部分24の全ての部分が露出しているが、全ての部分が露出しないようにしてもよいし、第1層部分24のうち、絶縁膜22を介して上部磁極層の第2の部分15bの側壁または第3の部分15cの側壁に接する部分のみが露出するようにしてもよい。ただし、平坦化処理によって、第1層部分24のうち、後述する薄膜コイルの第2層部分と接続される部分24aが露出しない場合には、フォトリソグラフィ技術によって、この部分24aを露出させる。
【0102】
次に、平坦化された絶縁層25の上に、例えばフォトレジストによって絶縁層26を形成する。なお、薄膜コイルの第1層部分24の全ての部分が露出していない場合には、絶縁層26を設けなくてもよい。
【0103】
次に、図15に示したように、第1層部分24における部分24aの上の部分において、絶縁層26を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。次に、絶縁層26の上に、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分27を形成する。ここで、第2層部分27のうち、第1層部分24の部分24aの上に配置される部分27aは、コンタクトホールを介して部分24aに接続される。
【0104】
次に、絶縁層26およびコイル27の上に、フォトレジスト層28を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層28の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。
【0105】
次に、図16に示したように、上部磁極層の第2の部分15bおよび第3の部分15c、およびフォトレジスト層28の上に、記録ヘッド用の磁性材料からなる上部磁極層の第1の部分15aを、例えば約2〜3μmの厚みに形成する。この上部磁極層の第1の部分15aは、第3の部分15cを介して下部磁極層の第3の部分8cと接触し、磁気的に連結している。
【0106】
本実施の形態では、上部磁極層の第1の部分15aの記録媒体に対向する側(エアベアリング面側)の端面は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置されている。
【0107】
次に、上部磁極層の第1の部分15aの上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層30を、20〜40μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0108】
ここで、図22に示した従来例と同じデザインルールで、本実施の形態における薄膜コイル24,27を形成した場合の磁路長を、図16に示したようにLとする。磁路長の具体的な数値の一例としては、Lは10.6μmとなり、図22に示した従来の薄膜磁気ヘッドにおける磁路長Lである19.0μmの50%程度に縮小される。
【0109】
本実施の形態では、上部磁極層の第1の部分15aが平坦な面の上に形成されないので、第1の実施の形態における効果のうち、第1の部分15aが平坦な面の上に形成されることによる効果はない。
【0110】
しかし、本実施の形態によれば、CMP工程が少ないので、製造コストを低減することができる。
【0111】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0112】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記各実施の形態では、薄膜コイルのうち、下部磁極層または上部磁極層の第2の部分と第3の部分の間に配置される部分の最外周端と最内周端の双方が、第2の部分の側壁および第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁および第3の部分の側壁に接するように、薄膜コイルを形成するようにしたが、最外周端と最内周端のいずれか一方が、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接するように、薄膜コイルを形成するようにしてもよい。
【0113】
また、上記各実施の形態では、下部磁極層によってスロートハイトを規定するようにしたが、上部磁極層によってスロートハイトを規定するようにしてもよい。
【0114】
また、上記各実施の形態では、基体側に読み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0115】
つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施の形態に示した上部磁極層の機能を有する磁性膜を下部磁極層として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介して、それに対向するように上記実施の形態に示した下部磁極層の機能を有する磁性膜を上部磁極層として形成することにより実現できる。この場合、誘導型磁気変換素子の上部磁極層とMR素子の下部シールド層を兼用させることが好ましい。
【0116】
なお、このような構造の薄膜磁気ヘッドでは、凹部を形成した基体を用いることが好ましい。そして、基体の凹部に、コイル部を形成することによって、薄膜磁気ヘッド自体の大きさをさらに縮小化することができる。
【0117】
また、本発明は、誘導型磁気変換素子のみを備え、この誘導型磁気変換素子によって読み取りと書き込みを行う薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法では、第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方が、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、磁極部分を形成し、且つ第1の部分に接続された第2の部分と、第1の部分と他方の磁性層とを接続するための第3の部分とを有し、薄膜コイルの少なくとも一部が、第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方における第2の部分と第3の部分の間に配置され、薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に形成された絶縁膜を介して、第2の部分の側壁または第3の部分の側壁に接するように形成する。従って、この薄膜磁気ヘッドまたはその薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層と第2の磁性層の少なくとも一方の第2の部分を微細に形成することが可能となり、その結果、記録ヘッドのトラック幅の縮小が可能となる。また、薄膜コイルの少なくとも一部を平坦な面の上に形成することが可能となることから、薄膜コイルの少なくとも一部のピッチを小さくすることが可能となると共に、薄膜コイルの少なくとも一部とその周囲を囲う絶縁膜からなる部分を小さく形成することが可能となり、その結果、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になるという効果を奏する。
【0119】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法において、第1の磁性層における第2の部分によってスロートハイトを規定するようにした場合には、更に、スロートハイトを正確に規定することが可能となるという効果を奏する。
【0120】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法において、第2の磁性層における第1の部分の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置した場合には、更に、実効トラック幅が大きくなることを防止することができるという効果を奏する。
【0121】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド製造方法において、第1の磁性層と第2の磁性層の双方が、第1の部分、第2の部分および第3の部分を有し、薄膜コイルが、第1の磁性層における第2の部分と第3の部分の間に配置された第1層部分と、第2の磁性層における第2の部分と第3の部分の間に配置された第2層部分とを有するようにした場合には、更に、薄膜コイルの第1層部分および第2層部分を、共に平坦な面の上に形成することが可能となり、その結果、コイルのピッチを縮小して、より磁路長を縮小することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】 図1に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】 図2に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】 図3に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】 図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】 図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】 図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図9】 図8に示した薄膜磁気ヘッドの上部磁極層のみを示す平面図である。
【図10】 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図11】 図10に続く工程を説明するための断面図である。
【図12】 図11に続く工程を説明するための断面図である。
【図13】 図12に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】 図13に続く工程を説明するための断面図である。
【図15】 図14に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】 図15に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】 従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図18】 図17に続く工程を説明するための断面図である。
【図19】 図18に続く工程を説明するための断面図である。
【図20】 図19に続く工程を説明するための断面図である。
【図21】 図20に続く工程を説明するための断面図である。
【図22】 図21に続く工程を説明するための断面図である。
【図23】 従来の薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR素子、8a…下部磁極層の第1の部分、8b…下部磁極層の第2の部分、8c…下部磁極層の第3の部分、10…絶縁膜、12…薄膜コイルの第1層部分、14…記録ギャップ層、15a…上部磁極層の第1の部分、15b…上部磁極層の第2の部分、15c…上部磁極層の第3の部分、16…絶縁膜、18…薄膜コイルの第2層部分、20…オーバーコート層。

Claims (16)

  1. 磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して対向する2つの磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層と前記第2の磁性層の間に絶縁された状態で配置されるように前記薄膜コイルを形成する工程と
    を備え、
    前記第1の磁性層を形成する工程は、前記薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置されると共に平坦な上面を有する第1の部分と、磁極部分を形成し、且つ前記第1の部分の前記上面に接続された第2の部分と、前記第1の部分の前記上面に接続されて、前記第1の部分と前記第2の磁性層とを接続する第3の部分とを有するように、第1の磁性層を形成し、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部が前記第2の部分と第3の部分の間において前記第1の部分の上に配置されるように薄膜コイルを形成し、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、前記薄膜コイルの少なくとも一部を形成する前に、前記薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方と前記第2の部分の側壁または前記第3の部分の側壁との間、および前記薄膜コイルの少なくとも一部と前記第1の部分との間に連続的に配置される絶縁膜を形成する工程を備え、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、前記絶縁膜を介して前記第2の部分の側壁または前記第3の部分の側壁に接し、且つ前記最外周端と第2の部分との間の絶縁膜の上または前記最内周端と第3の部分との間の絶縁膜の上にはみ出し、前記薄膜コイルの少なくとも一部が、前記絶縁膜を介して前記第1の部分の上面に接するように、フレームめっき法によって薄膜コイルを形成し、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、前記薄膜コイルの少なくとも一部を覆うように絶縁層を形成する工程と、前記第2の部分、前記第3の部分、前記絶縁層、および前記薄膜コイルのうち前記絶縁膜を介して前記第2の部分の側壁または前記第3の部分の側壁に隣接する部分の上面を平坦化する工程とを備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 前記絶縁膜の厚みを、1μm以下とすることを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記第2の部分がスロートハイトを規定することを特徴とする請求項または記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記ギャップ層は、前記第2の部分および前記絶縁層の上に配置されることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第2の磁性層の第1の部分と、磁極部分を形成し、且つ前記第2の磁性層の第1の部分に接続された第2の磁性層の第2の部分と、前記第2の磁性層の第1の部分と前記第1の磁性層とを接続する第2の磁性層の第3の部分とを有するように、第2の磁性層を形成し、
    前記第2の磁性層の第2の部分は、前記ギャップ層の上に配置され、
    前記第2の磁性層の第3の部分は、前記第1の磁性層の第3の部分の上に配置され、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、前記第2の磁性層の第2の部分と2の磁性層の第3の部分の間において前記ギャップ層の上に配置される薄膜コイルの第2層目の部分を形成し、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、前記薄膜コイルの第2層目の部分を形成する前に、前記薄膜コイルの第2層目の部分の最外周端と最内周端の少なくとも一方と前記第2の磁性層の第2の部分の側壁または前記第2の磁性層の第3の部分の側壁との間、および前記薄膜コイルの第2層目の部分と前記ギャップ層との間に連続的に配置される第2の絶縁膜を形成する工程を備え、
    前記薄膜コイルの第2層目の部分の最外周端と最内周端の少なくとも一方は、前記第2の絶縁膜を介して前記第2の磁性層の第2の部分の側壁または前記第2の磁性層の第3の部分の側壁に接し、前記薄膜コイルの第2層目の部分は、前記第2の絶縁膜を介して前記ギャップ層に接することを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記第2の磁性層の第1の部分の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置することを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記第2の磁性層の第2の部分の長さを、前記第1の磁性層の第2の部分の長さ以上とすることを特徴とする請求項または記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  8. 更に、前記薄膜コイルの第2層目の部分を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、前記第2の磁性層の第2の部分および第3の部分と共に前記第2の絶縁層の上面を平坦化する工程とを備え、前記第2の磁性層の第1の部分は、前記第2の磁性層の第2の部分および第3の部分、および前記第2の絶縁層の上に配置されることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  9. 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを形成する工程を備えたことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 前記第2のシールド層は、前記第1の磁性層を兼ねていることを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部がギャップ層を介して対向する2つの磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層と前記第2の磁性層の間に絶縁された状態で配置されるように前記薄膜コイルを形成する工程と
    を備え、
    前記ギャップ層は平坦であり、
    前記第2の磁性層を形成する工程は、前記薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、磁極部分を形成し、且つ前記第1の部分に接続された第2の部分と、前記第1の部分と前記第1の磁性層とを接続する第3の部分とを有するように、第2の磁性層を形成し、
    前記第2の部分は、平坦な前記ギャップ層の上に配置され、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部が前記第2の部分と第3の部分の間において平坦な前記ギャップ層の上に配置されるように薄膜コイルを形成し、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、前記薄膜コイルの少なくとも一部を形成する前に、前記薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方と前記第2の部分の側壁または前記第3の部分の側壁との間、および前記薄膜コイルの少なくとも一部と前記ギャップ層との間に連続的に配置される絶縁膜を形成する工程を備え、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部の最外周端と最内周端の少なくとも一方が、前記絶縁膜を介して前記第2の部分の側壁または前記第3の部分の側壁に接し、且つ前記最外周端と第2の部分との間の絶縁膜の上または前記最内周端と第3の部分との間の絶縁膜の上にはみ出し、前記薄膜コイルの少なくとも一部が、前記絶縁膜を介して前記ギャップ層に接するように、フレームめっき法によって薄膜コイルを形成し、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、前記薄膜コイルの少なくとも一部を覆うように絶縁層を形成する工程と、前記第2の部分、前記第3の部分、前記絶縁層、および前記薄膜コイルのうち前記絶縁膜を介して前記第2の部分の側壁または前記第3の部分の側壁に隣接する部分の上面を平坦化する工程とを備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 前記絶縁膜の厚みを、1μm以下とすることを特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記第1の部分の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置することを特徴とする請求項11または12記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記第2の部分と第3の部分の間に配置された第1層部分と、前記第1層部分の前記第1の磁性層とは反対側に配置された第2層部分とを有する薄膜コイルを形成し、
    薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、前記第1層部分を覆う絶縁層を形成する工程を備え、前記第2層部分は、前記第1層部分を覆う絶縁層の上に配置されることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを形成する工程を備えたことを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 前記第2のシールド層は、前記第1の磁性層を兼ねていることを特徴とする請求項15記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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