JP3784178B2 - 軸流送風機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータを駆動源としモータの回転軸の軸線方向の一方から空気を吸引して軸線方向の他方に空気を吐出する軸流送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4,959,571号公報、米国特許第5,028,216号公報等に示された周知の軸流送風機は、インペラを収納するケーシングの軸線方向から見た側面の輪郭が四角形をなしている。また周知の軸流送風機は、ケーシングの内部に軸線方向の両側に吸引口と吐出口を有するエアーダクトを構成する筒状の内壁面を有している。そしてこの筒状の内壁面は、吐出口に隣接し且つケーシングの吐出口側の側面の4つの角部に対応した位置に4つの吐出口側テーパ面を有しており、また吸引口に隣接し且つケーシングの吸引口側の側面の4つの角部に対応した位置に4つの吸引口側テーパ面を有している。これらのテーパ面は、ケーシングの寸法を小さくしたために形成されたものである。すなわちケーシングの寸法を小さくする必要がない軸流送風機では、風量を増大させるために、ケーシングのエアーダクトの軸線方向の両側に、軸線方向の外側に向かうに従って拡径する截頭円錐面形状(円錐面の頂部または頭部を切断した形状)の筒状のテーパがそれぞれ形成される。また最近は、截頭円錐面形状の筒状のテーパの変形として、吸引口側または吐出口側に向かうに従って拡径し且つ吸引口側または吐出口側に向かって凸となるように湾曲するテーパをエアーダクトの軸線方向の両側に形成するものもある。しかしながらケーシングを小形化した軸流送風機では、截頭円錐面形状の筒状のテーパを、ケーシングの4つの辺に対応する位置でカットせざるを得ない。そのために前述のように、4つの吐出口側テーパ面と4つの吸引口側テーパ面が形成されるのである。
【0003】
【発明が解決しよとする課題】
従来の軸流送風機ではエアーダクトの吐出口側に位置する複数本のウエブ(ケーシングとモータサポートとを連結する部材)の形状や、インペラに装着される複数枚のブレードの形状を変えることにより、送風時の騒音を低減することが試みられていた。しかしながら前述のように、特にケーシングが4つの吐出口側テーパ面を有する従来の軸流送風機では、ウエブ及びブレードの形状をいくら工夫しても、騒音を低下させることに限界があった。
【0004】
本発明の目的は、実用範囲において従来よりも騒音を低下させることができる軸流送風機を提供することにある。
【0005】
本発明の目的は、実用範囲において風量を低下させることなく、騒音を低下させることができる軸流送風機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
軸流送風機は、モータを駆動源としモータの回転軸の軸線方向の一方から空気を吸引して軸線方向の他方に空気を吐出する構造を有している。本発明が改良の対象とする軸流送風機は、軸線方向の一方側に吸引口を有し軸線方向の他方側に吐出口を有するエアーダクトを構成する筒状の内壁面を備え且つ軸線方向の両側に位置する2つの側面の輪郭形状がほぼ四角形(一般的には正方形)をなすケーシングと、エアーダクト内に配置されてモータを支持するモータサポートと、モータサポートとケーシングとを連結する複数本のウエブと、複数枚のブレードを有し、モータのロータに対して固定されてエアーダクトの内部に配置されたインペラとを具備している。一般的には、モータサポートもウエブも吐出口に隣接してエアーダクト内に配置される。なおモータサポート及びウエブが吸引口に隣接してエアーダクト内に配置される場合もある。
【0007】
そしてケーシングの筒状の内壁面は、吐出口に隣接し且つケーシングの吐出口側の側面の4つの角部に対応した位置に4つのテーパ面(吐出口側テーパ面)を有している。これら4つの吐出口側テーパ面は、吐出口に向かうに従って回転軸の径方向の外側に広がる形状を有している。典型的には、これら4つの吐出口側テーパ面は、頂点(または頭部)が回転軸のほぼ軸線上にあり且つ吸引口側に位置する第1の仮想円錐面の一部を構成する形状を有している。この典型的な形状は更に別の見方をすると、これら4つの吐出口側テーパ面は、回転軸と同心的に配置されて吐出口側に向かうに従って拡径する仮想截頭円錐面の一部を構成する形状を有している。またこれらの4つの吐出口側テーパ面が、吐出口側に向かって凸となるように湾曲していてもよいのは勿論である。
【0008】
なお一般的には、ケーシングの筒状の内壁面は、吸引口に隣接し且つケーシングの吸引口側の側面の4つの角部に対応した位置に4つの吸引口側テーパ面を有している。この4つの吸引口側テーパ面も、典型的には頂点が回転軸のほぼ軸線上にあり且つ吐出口側に位置する第2の仮想円錐面の一部を構成する形状を有しているが、吸引口側に向かって凸となるように湾曲していてもよいのは勿論である。これら4つの吸引口側テーパ面は、実用的には必要であるが、絶対的に必要なものではない。
【0009】
本発明では、4つの吐出口側テーパ面に、このテーパ面から径方向の内側と吐出口側に延びる1枚以上のフィンをそれぞれ設ける。そしてこれら4つのテーパ面にそれぞれ設けられる1枚以上のフィンを、実用的な風量が得られる動作範囲(実用範囲)で軸流送風機が使用されたときに発生する騒音を低減するように設ける(具体的には、フィンの枚数、形状及び位置を騒音を低減するように定めている)。
【0010】
発明者は、4つの吐出口側テーパ面を有する軸流送風機で騒音が低下しない原因が、本来ならば典型的には截頭円錐面形状であるべき1つのテーパ面が、カットされてケーシングの4つの辺に対応する位置にテーパ面が存在していないことにあると推測した。そしてこれらの位置にテーパ面が存在しないことにより、吐出口から吐出される空気の流れに乱れが生じ、この空気の流れの乱れが騒音を発生しているものと考えた。そこで空気の流れの乱れを少なくするためには、吐出口から吐出された空気の流れの中に整流翼または静翼を配置すればよいのではないかと発明者は考えた。しかしながら、このタイプの軸流送風機で、整流翼または静翼を配置すると、送風機の軸線方向の寸法がかなり大きくなってしまう問題が発生することが分かった。前述の通り、吐出口側テーパ面は風量を増大させるために設けるものであって、その機能から考えれば、この吐出口側テーパ面はできるだけ大きく確保しなければならない(言い換えれば吐出口側テーパ面には余計な物を取付けるべきではない)というのが当業者の常識である。しかしながら発明者は、あえてこの常識を覆して、この吐出口側テーパ面にフィンを付けてみた。その結果、フィンの数や、フィンの形状や、フィンの取付位置を適宜に選択すると、騒音が低下して、しかも風量が低下しない(場合によっては風量が増加することがある)ことを発見した。
【0011】
そこで本発明では、4つの吐出口側テーパ面にそれぞれ設けられる1枚以上のフィンを、実用的な風量が得られる動作範囲で軸流送風機が使用されたときに発生する騒音を低減するように設けることにした。4つの吐出口側テーパ面にフィンを設ける構造であれば、軸流送風機の軸線方向の寸法を従来より長くする必要もなく、しかも簡単に実現できる。そのため本発明によれば、従来の軸流送風機と比べて寸法を大きくすることなく、簡単な構造で実用範囲において従来よりも騒音を低下させることができる。
【0012】
軸流送風機の大きさにもよるが、今のところ1つの吐出口側テーパ面には、1乃至3枚のフィンを設けるのが好ましいと考えている。フィンの枚数が多くなればなるほど、テーパ面の効果が無くなるため、フィンの枚数に上限があることは容易に理解できるであろう。またフィンの枚数があまり少ないと、騒音の低減効果が得られない。したがってフィンの枚数は、軸流送風機の大きさに応じて適宜に定めることになる。特に、ウエブが吐出口側にあると、ウエブの存在でフィンを取付けることができなかったり、またウエブとフィンとの距離が短くなり過ぎると、フィンの存在がかえって騒音の発生源になることも分かってきた。したがってフィンの取付位置は、これらの点を考慮して適宜に定めることになる。ちなみに1つの吐出口側テーパ面に2枚または3枚のフィンが設けられるときには、隣接する2枚のフィンの間の角度間隔をほぼ22.5度以上にするのが好ましいと考えている。このようにすると、吐出口側に形成されるテーパ面が大形の軸流送風機と同様に完全な截頭円錐面であるとしたときに、16枚のフィンが設けられることになる。しかしながら本発明が改良の対象とする軸流送風機のように、4つの吐出口側テーパ面を有する構造で、吐出口側にウエブが存在している場合には、9〜11枚のフィンが設けられることになる。
【0013】
フィンの形状は、騒音を低減することができて、しかも風量を大幅に低下させない形状であれば、どのような形状でもよい。今のところ最良の形態を特定するには至っていない。しかしフィンを、回転軸の軸線を中心にして軸線方向と径方向の両方に延びる仮想平面に沿うように形成すれば、製造が容易である上、設計が容易になると発明者は考えている。
【0014】
またケーシングの筒状の内壁面が、4つの吸引口側テーパ面と4つの吐出口側テーパ面との間に軸線を中心線とする円筒面を有している場合には、フィンの径方向内側の端面をこの円筒面と面一にするのが好ましい。このようにすれば、フィンが円筒面から流れ出た空気の流れを乱す原因になることはないと考える。またフィンの吐出口側の端面は、ケーシングの吐出口側の側面と面一にするのが好ましい。このようにするとフィンの存在で軸流送風機の軸線方向の寸法が長くなることがない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態の一例の軸流送風機1を空気の吐出口側から見た平面図であり、図2は正面図である。そして図3は、図1のIII −III 線断面図である。この軸線送風機1は、モータ3を駆動源としてモータ3の回転軸5の軸線方向の一方(空気吸引側)から空気を吸引し軸線方向の他方(空気吐出側)に空気を吐出す。図1の状態においては、紙面の裏面側が空気吸引側で表面側が空気吐出側になり、図3の状態においては、紙面の右側が空気吸引側で左側が空気吐出側になる。なお図3には、空気の流れを矢印で示してある。
【0016】
ケーシング7は、アルミダイキャストにより一体に成形されたものであり、モータ3の軸線方向の両側に位置する2つの側面9及び11の輪郭形状がほぼ四角形(具体的には、ほぼ正方形)をなしている。このケーシング7は、軸線方向の一方側(空気吸引側)に吸引口15を有し軸線方向の他方側(空気吐出側)に吐出口17を有するエアーダクトを構成する筒状の内壁面13を中央部に備えている。この筒状の内壁面13は、図3に示すように、回転軸5の軸線を中心線とする円筒面21を中心部に有している。また筒状の内壁面13は、吐出口17に隣接し且つケーシング7の吐出口側の側面9の4つの角部9a〜9d(図1)に対応した位置に4つのテーパ面即ち吐出口側テーパ面23a〜23dを有している。これら4つの吐出口側テーパ面23a〜23dは、吐出口17に向かうに従って回転軸5の径方向の外側に広がる形状を有している。具体的には、これら4つの吐出口側テーパ面23a〜23dは、設計上は頂点(または頭部)が回転軸5の軸線上にあり且つ吸引口15側に位置する第1の仮想円錐面IC1(図3に一点鎖線でこの仮想円錐面の接線を示してある)の一部を構成する形状を有している。更に別の見方をすると、これら4つの吐出口側テーパ面23a〜23dは、回転軸5と同心的に配置されて吐出口17側に向かうに従って拡径する仮想截頭円錐面(円錐面の頂部または頭部を切断した形状のもの)の一部を構成する形状を有している。
【0017】
またケーシング7の筒状の内壁面13は、吸引口15に隣接し且つケーシング7の吸引口側の側面11の4つの角部に対応した位置に4つの吸引口側テーパ面25…を有している。なお図3には、1つの吸引口側テーパ面25だけを示してある。このような4つの吸引口側テーパ面25…は、公知の軸流送風機にも一般的に設けられている。4つの吸引口側テーパ面25…も、頂点が回転軸5のほぼ軸線上にあり且つ吐出口17側に位置する第2の仮想円錐面IC2の一部を構成する形状を有している。
【0018】
この例では、4つの吐出口側テーパ面23a〜23dに、このテーパ面から回転軸5の径方向の内側(回転軸に向かう方向)と吐出口17側に延びる1〜3枚のフィン27…がそれぞれ一体に設けられている。これら4つの吐出口側テーパ面23a〜23dにそれぞれ設けられる1枚以上のフィン27…は、実用的な風量が得られる動作範囲(実用範囲)で軸流送風機1が使用されたときに発生する騒音を低減するように設けられている。この例では、後に詳しく説明するモータサポート29とケーシング7とを連結する3本のウエブ31a〜31cが、吐出口17内に配置されているため、吐出口側テーパ面23c及び23dには、フィン27が3枚設けられるが、吐出口側テーパ面23aにはフィン27が2枚、そして吐出口側テーパ面23bにはフィン27が1枚しか設けられていない。もしウエブ31a〜31cが吸引口15側に配置されていれば、各吐出口側テーパ面には12枚のフィンが設けられることになる。これらのフィン27…は、吐出口17側に形成されるテーパ面が大形の軸流送風機と同様に完全な截頭円錐面であると仮定した場合に、隣り合う2枚のフィンの間の角度間隔がほぼ22.5度になるように配置される16枚のフィンの一部から構成されている。
【0019】
これらのフィン27…は、回転軸5の軸線を中心にして軸線方向と径方向の両方に延びる仮想平面(図1にこの仮想平面に符号ISを付してある)に沿うように形成されている。そして図3に示すように、フィン27…の径方向内側の端面27aは、筒状の内壁面13の円筒面21と面一になっており、またフィン27…の吐出口17側の端面27bは、ケーシング7の吐出口17側の側面9と面一になっている。このようにフィン27…の形状を定めると、フィン27…が円筒面21から流れ出た空気の流れを乱す原因になることがなく、またフィン27…の存在で軸流送風機の軸線方向の寸法が長くなることがない。
【0020】
モータサポート29は、ケーシング7及びウエブ31a〜31cと一緒に一体成形されて、ウエブ31a〜31cとともに筒状の内壁面13によって構成されるエアーダクトの内部に配置されている。なおこの例では、ウエブ31a〜31cは3本であり、しかも斜めに延びているが、ウエブの数及び形状は任意である。ウエブ31bには、モータ3の駆動回路に接続されるケーブル33が支持されている。モータサポート29は、中央部にモータ3の回転軸5を支持するベアリング35及び37が固定される筒状のベアリングホルダ39を備え且つ回転軸5の軸線方向と直交する径方向に延びる板状のベース壁部41を有している。36は、コイルスプリングである。この例では、ベース壁部41の中央部に筒状のボス部43が一体に形成され、このボス部43に別体に形成されたベアリングホルダ39の基部が嵌合されている。なおボス部43を延長することにより、ボス部をベアリングホルダとしてもよい。この場合には、ベース壁部41とベアリングホルダ39とが一体に形成されることになる。
【0021】
モータサポート29は、筒状の外側壁部45と筒状の内側壁部51とを一体に有している。筒状の外側壁部45は、回転軸5と同心的に配置され、ベース壁部41の外周部から空気吸引側即ち吸引口15側に向かって延び、その端部47に空気吸引側に向かって開口する開口部を有している。筒状の外側壁部45の端部47の内周部には、後に説明する第1のラビリンス構造を構成する間隙Gを形成するための環状の段部49が形成されている。この例の間隙Gは、径方向の外側に向かって開口する環状の外側開口部G1と径方向の内側に開口する環状の内側開口部G2を有しており、外側開口部G1は内側開口部G2よりも空気吸引側(吸引口15側)に位置している。そしてこの間隙Gは、外側開口部G1から径方向の内側に延びる第1の環状の通路と、第1の環状の通路と連通して空気吐出方向(吸引口17側)に延びる筒状の通路と、この筒状の通路と内側開口部G2と連通させるように径方向の内側に延びる第2の環状の通路とを備えた構造を有している。
【0022】
筒状の内側壁部51は、筒状の外側壁部45よりも径方向の内側で且つ後述するステータ63よりも径方向の外側の位置にある。筒状の内側壁部51は、空気吸引側即ち吸引口15側に向かって延び且つ空気吸引側に向かって開口する開口部を備えている。そして筒状の内側壁部51の開口部側の端部53には径方向の外側に向かって延びる環状のフランジ55を備えたフランジ部材57が固定されている。筒状の内側壁部51の軸線方向の長さ寸法は、環状のフランジ55が間隙Gの外側開口部G1よりも空気吸引側(吸引口15側)に位置するように定められている。フランジ部材57は、筒状の内側壁部51の端部53の外周部に嵌合される筒状部59と、この筒状部59の端部から径方向の外側に延びる前述の環状のフランジ55と、この環状のフランジ55の径方向の外側の端部に一体に設けられた第1の筒状の補助壁部61と、環状のフランジ55の径方向の内側の端部に一体に設けられて筒状の内側壁部51の端部53の端面と当接する環状のストッパ壁部56とから構成されている。第1の筒状の補助壁部61は、吸引口15側に向かって延び、吸引口側に向かって開口する開口部を有し且つ回転軸5と同心的に配置されている。そして筒状部59は、公知の接合技術を用いて、筒状の内側壁部51の端部53に接合されている。
【0023】
ベアリングホルダ39の外周部には、モータ3のステータ63が固定されている。この例では、モータ3はブラシレスの直流モータである。ステータ63は、ステータコア65と、ステータコア65に嵌合された絶縁用インシュレータ67と、インシュレータ67を介してステータコア65の磁極部に巻装された巻線69とから構成される。ステータ63の巻線69は、モータサポート29の筒状の内側壁部51の内部に配置された回路基板71上に構成された駆動回路に接続導体73を介して接続されている。回路基板71は、筒状の内側壁部51の内周部に設けられたリブとボス部43の外周に形成された環状のリブの上に位置決めされている。
【0024】
回転軸5の吸引口15側の端部には、筒状のボス75が嵌合され、このボス75にはカップ部材77と、インペラ83とが固定されている。カップ部材77の周壁部79の内周部には、ステータ63の磁極部と対向するように複数の永久磁石81が接合されている。回転軸5と、ボス75と、カップ部材77と永久磁石81とによりモータ3のロータが構成されている。
【0025】
インペラ83は、ロータの外側に配置され且つ外周側に複数枚のブレード85…が取付けられる筒状のブレード取付壁部87を備えて、カップ部材77の外側に嵌合されるカップ部材89を有している。このカップ部材89は、中央部にボス部75が嵌合される嵌合孔91を備えて径方向に延びるベース壁部93と、このベース壁部93の外周部から空気吐出側即ち吐出口17側に向かって延び且つその端部88に開口部を有する周壁部または筒状のブレード取付壁部87とを備えている。筒状のブレード取付壁部87の開口部側の端部88の外周部には、前述の筒状の外側壁部45の端部47に形成された環状の段部49と対向して、ラビリンス構造を構成する間隙Gを形成する環状の段部95が形成されている。この例では、モータサポート29の筒状の外側壁部45の開口部側の端部47及びインペラ83のブレード取付壁部87の開口部側の端部88は、ブレード取付壁部87の端部88の外側にモータサポート29の筒状の外側壁部45の端部47が位置し且つ2つの端部47及び88間にラビリンス構造を構成する前述の間隙Gを形成できる形状になっている。
【0026】
インペラ83のカップ部材89のベース壁部93には、ブレード取付壁部87の径方向の内側でロータの外側に回転軸5と同心的に配置され且つ空気吐出側(吐出口17側)に向かって開口する開口部を備えた第2の筒状の補助壁部97とモータ3のロータのカップ部材77の周壁部79の外側に嵌合される筒状壁部99とが一体に設けられている。モータサポート29に設けた第1の筒状の補助壁部61の開口部側の端部と第2の筒状の補助壁部97の開口部側の端部の形状を、第2の筒状の補助壁部97の開口部側の端部の外側に第1の筒状の補助壁部61の開口部側の端部が位置し且つ2つの端部間に第2のラビリンス構造を構成する間隙gが形成されている。このようにすると間隙Gと間隙gとにより二重のラビリンス構造が形成できる。そのため、モータサポート29の筒状の外側壁部45と筒状の内側壁部51との間に形成される空間内に水が入った状態の送風機にかなり激しい振動が加わったときでも、水がモータ3のステータ及びロータ側に浸入することがなくなって、防水性能が大幅に向上する。
【0027】
次に、ケーシング7の筒状の内壁面13の4つの吐出口側テーパ面23a〜23dに設けたフィン27…の効果について説明する。図4は、山洋電気株式会社が9LB1212H501の製品番号で販売するDC12Vの電源で動作する直流ブラシレスモータを駆動源とする公知の軸流送風機(ケーシングにフィンがないもの:比較例)とそのケーシングを本実施の形態で用いるケーシング(フィンがあるもの)に換えた本実施の形態の軸流送風機(実施例)について、騒音試験を行った結果を示している。図4は、送風機の風量と回転数、風量と騒音及び風量と静圧の関係を示している。まず図4において、S1は本発明の実施例の風量と回転数の関係を示しており、S2は比較例の風量と回転数の関係を示しており、N1は本発明の実施例の風量と騒音の関係を示しており、N2は比較例の風量と騒音の関係を示しており、P1は本発明の実施例の風量と静圧の関係を示しており、P2は比較例の風量と静圧の関係を示している。
【0028】
図4の試験結果からは、ケーシング7の4つの吐出口側テーパ面23a〜23dにフィン27…を設けると、実用的な風量が得られる動作範囲(実用範囲)[図4の例では風量が1.9〜2.8m/minの範囲]で軸流送風機が使用されたときに発生する騒音が低減することが分かる。しかもこの実用範囲では、実施例と比較例の風量と静圧の関係P1及びP2に大きな差がない。したがってこの実施例によれば、送風機の性能に実質的に影響を与えることなく、実用範囲で騒音を低減できる。騒音の低減理由は明確には解析されていない。しかしながらフィン27…を設けることにより、騒音が低下するのは、2つの吐出口側テーパ面の間でテーパ面がなくなることにより発生する空気の乱れを、フィン27…によって整流しているためではないかと推測する。なおこの実施例よりもフィン27の数を減らせば、各特性が比較例の特性に近付くことは理解できるであろう。またこの実施例よりもフィン27の数を少し増減した場合には、この実施例の特性よりも各特性は僅かに変動することも理解できるであろう。そしてフィン27の数を、例えばこの実施例の2倍にすると、吐出口側テーパ面23a〜23dの効果が低下して風量が低下するだけでなく、騒音の低減効果が無くなることが分かっている。したがってフィン27の最良の枚数は、本発明を適用する送風機ごとに試験を行って決定するのが好ましい。但し送風機の機種が異なっても、4つの吐出口側テーパ面のそれぞれに1〜3枚のフィンを設ける場合には、送風機の性能に影響を与えずに、騒音低減の効果が得られるものと考えられる。
【0029】
上記の例は、モータサポート29及びウエブが吐出口17側に設けられているため、フィン27…を設けたことと相俟って騒音がかなり低くなっている。しかしながらモータサポート及びウエブが吸引口側に設けられている送風機に本発明を適用しても、フィンの効果により騒音は低下する。
【0030】
上記の例では、吸引口側テーパ面及び吐出口側テーパ面のいずれもが、截頭円錐面の一部を形成する形状を有しているが、図5に示す例のように吸引口側テーパ面125…及び吐出口側テーパ面123a…の形状が、吸引口側または吐出口側に向かうにしたがって回転軸の径方向の外側に広がり、しかも吸引口側または吐出口側に向かって凸となるように湾曲する形状であってもよいのは勿論である。なお図5においては、図3に示した部材と同様の部材に、図3に付した符号に100を加えた数の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、4つの吐出口側テーパ面に1以上のフィンを設けるという簡単な構造で、実用範囲において従来よりも騒音を低下させることができる利点がある。
【0032】
またケーシングの筒状の内壁面が、4つの吸引口側テーパ面と4つの吐出口側テーパ面との間に軸線を中心線とする円筒面を有している場合に、フィンの径方向内側の端面をこの円筒面と面一にし、またフィンの吐出口側の端面をケーシングの吐出口側の側面と面一にすると、騒音を低減できる上、フィンの存在で軸流送風機の軸線方向の寸法が長くなることがないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の軸流送風機を空気の吐出口側から見た平面図である。
【図2】図1の軸流送風機の正面図である。
【図3】図1のIII −III 線断面図である。
【図4】比較例と実施例の送風機の風量と回転数、風量と騒音及び風量と静圧の関係を示している。
【図5】本発明の他の実施の形態の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 軸線送風機
3 モータ
5 回転軸
7 ケーシング
13 筒状の内壁面
15 吸引口
17 吐出口
23a〜23d,123a 吐出口側テーパ面
25,125 吸引口側テーパ面
27,127 フィン
29 モータサポート
31a〜31c ウエブ
45 筒状の外側壁部
51 筒状の内側壁部
55 環状のフランジ
57 フランジ部材
63 ステータ
83 インペラ
85 ブレード
87 筒状のブレード取付壁部
G,g 間隙

Claims (1)

  1. モータを駆動源とし前記モータの回転軸の軸線方向の一方から空気を吸引して前記軸線方向の他方に空気を吐出する軸流送風機であって、
    前記軸線方向の前記一方側に吸引口を有し前記軸線方向の前記他方側に吐出口を有するエアーダクトを構成する筒状の内壁面を備え且つ前記軸線方向の両側に位置する2つの側面の輪郭形状がほぼ正方形をなすケーシングと、
    前記吐出口に隣接して前記エアーダクト内に配置されて、前記モータを支持するモータサポートと、
    前記吐出口に隣接して前記エアーダクト内に配置されて、前記モータサポートと前記ケーシングとを連結する複数本のウエブと、
    複数枚のブレードを有し、前記モータのロータに対して固定されて前記ケーシングの前記エアーダクトの内部に配置されたインペラとを具備し、
    前記ケーシングの前記筒状の内壁面は、前記吐出口に隣接し且つ前記ケーシングの前記吐出口側の前記側面の4つの角部に対応した位置に4つの吐出口側テーパ面を有し、また前記吸引口に隣接し且つ前記ケーシングの前記吸引口側の前記側面の4つの角部に対応した位置に4つの吸引口側テーパ面を有し、更に前記4つの吐出口側テーパ面と前記4つの吸引口側テーパ面との間に位置して前記回転軸の軸線を中心線とする円筒面を有しており、
    前記4つの吐出口側テーパ面は、頂点が前記回転軸のほぼ軸線上にあり且つ前記吸引口側に位置する第1の仮想円錐面の一部を構成する形状を有しており、
    前記4つの吸引口側テーパ面は、頂点が前記回転軸のほぼ軸線上にあり且つ前記吐出口側に位置する第2の仮想円錐面の一部を構成する形状を有しており、
    前記4つの吐出口側テーパ面には、前記吐出口側テーパ面から前記径方向の内側と前記吐出口側に延びる1以上のフィンが設けられており、
    前記4つのテーパ面にそれぞれ設けられる前記1枚以上のフィンは、実用的な風量が得られる動作範囲で前記軸流送風機が使用されたときに発生する騒音を低減するように枚数、形状及び位置が定められており、
    更に、前記1以上のフィンは、前記回転軸の軸線を中心にして前記軸線方向と前記径方向の両方に延びる仮想平面に沿うように形成され、
    前記1以上のフィンの前記径方向内側の端面は前記円筒面と面一になっており、
    前記1以上のフィンの前記吐出口側の端面は前記ケーシングの前記吐出口側の前記側面と面一になっており、
    1つの前記吐出口側テーパ面に、1乃至3枚の前記フィンが設けられており、
    1つの前記吐出口側テーパ面に2枚または3枚の前記フィンが設けられるときには、隣接する2枚の前記フィンの間の角度間隔が22.5度以上である軸流送風機。
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