JP3781167B2 - 演奏情報入力装置および演奏情報入力方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーケンサ等に用いて好適な演奏情報入力装置および演奏情報入力方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、シーケンサ等の自動演奏装置では、ユーザー操作により生成される演奏情報を楽曲の進行順に内部メモリに取込む演奏情報入力装置を備えている。この種の装置は、大別して2つの入力形態に対応しており、その一つはリアルタイム入力と呼ばれ、鍵盤やホイール等の演奏操作子を備えるMIDI楽器を用いて入力したい楽曲を弾くことにより、その際の押離鍵操作や演奏操作子の操作に応じて生成される演奏情報(音高、音符長あるいは音量や効果等)を順次メモリ記憶するものである。一方、ステップ入力と呼ばれる形態では、入力したい楽曲を形成する各音毎に、少なくともその音符長および音高からなる演奏情報を逐次入力して行くものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、パーソナルコンピュータを用いたDTM(デスクトップミュージック)にてシーケンサ機能を具現する形態も知られているが、かかる形態にてMIDI楽器を使用しない場合には、例えばディスプレイに表示される五線譜の所望位置に、キーボードやマウスを用いて指定した音符(音高および音符長)を表示させる操作を行うことでステップ入力するようになっている。
このように、キーボードやマウスを用いたステップ入力では、同時に入力し得る演奏情報が音符単位、つまり音高および音符長に限られてしまい、それら以外の音量や効果などの楽音要素を演奏情報として入力するには、一旦、音高および音符長を入力した後に、対象となる音符を選択し、選択した音符について音量や付与すべき効果種類などの楽音要素を追加することになる結果、入力操作が煩わしく非効率になる、という問題がある。
そこで本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、音高および音符長と共にそれ以外の楽音要素を含む演奏情報を簡単に入力することができる演奏情報入力装置および楽音情報入力方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、複数の入力キーを備えるキー入力操作子と、変位操作の開始と終了を指定するスイッチと、2次元変位操作に応じた信号を出力する位置決め操作子と、を有する演奏情報入力装置において、前記キー入力操作子に割り当てられた音高キーの操作に応じて音高および音符長を指定する第1の指定手段と、前記位置決め操作子変位操作の開始から終了までの変位量に応じて音量を指定する第2の指定手段と、前記位置決め操作子の2次元変位操作の方向に応じて音色および奏法の少なくともいずれかひとつを指定する第3の指定手段と、前記第1乃至第3の指定手段によって指定された音高と、音符長と、音量と、音色および奏法の少なくともいずれか一方と、を演奏情報として記憶する記憶手段とを具備することを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明では、複数の入力キーを備えるキー入力操作子と、変位操作の開始と終了を指定するスイッチと、2次元変位操作に応じた信号を出力する位置決め操作子と、を用いる演奏情報入力方法において、前記キー入力操作子に割り当てられた音高キーの操作に応じて音高および音符長を指定する第1の指定過程と、前記位置決め操作子変位操作の開始から終了までの変位量に応じて音量を指定する第2の指定過程と、前記位置決め操作子の2次元変位操作の方向に応じて音色および奏法の少なくともいずれかひとつを指定する第3の指定過程と、前記第1乃至第3の指定過程によって指定された音高と、音符長と、音量と、音色および奏法の少なくともいずれか一方と、を演奏情報として記憶する記憶過程とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明では、複数の入力キーを備えるキー入力操作子と、変位操作の開始と終了を指定するスイッチと、2次元変位操作に応じた信号を出力する位置決め操作子と、を有する演奏情報入力装置において、前記キー入力操作子に割り当てられた音高キーの操作に応じて音高および音符長を指定する第1の指定手段と、前記位置決め操作子変位操作の開始から終了までの変位量に応じて音量を指定する第2の指定手段と、前記位置決め操作子の2次元変位操作の方向に応じて音色および奏法の少なくともいずれかひとつを指定する第3の指定手段と、前記第1乃至第3の指定手段によって指定された音高と、音符長と、音量と、音色および奏法の少なくともいずれか一方と、を演奏情報として記憶する記憶手段とを具備するようにしたので、音高、音符長、音量、音色および奏法を含む演奏情報を簡単に入力し得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明による演奏情報入力装置は、シーケンサ等の自動演奏装置や自動演奏機能を備える電子楽器もしくはDTM装置に適用され得る。以下では、本発明の実施の一形態による演奏情報入力装置を備えたDTM装置を実施例とし、これについて図面を参照して説明して行く。
(1)構成
本実施例によるDTM装置は、図1に図示するように、キーボード5およびマウス6を入力操作子として用いるパーソナルコンピュータPCからなり、概略的には図2に示す構成要素1〜6を有する。図2において、CPU1はマウス6の操作およびキーボード5の操作に応じて発生する演奏情報をRAM等の内部メモリに記憶する。また、CPU1は周知の波形メモリ読み出し方式の音源として機能し、内部メモリに記憶された演奏情報を指定テンポに同期して再生する自動演奏を行う。
【0010】
メモリ部2は、CPU1にロードされる各種制御プログラム等を記憶するROMと、CPU1のワークエリアとして各種レジスタ・フラグデータや、キーボード5およびマウス6の操作に応じてCPU1が生成する演奏情報を一時記憶するRAMとから構成される。メモリ部2のRAMに記憶される演奏情報は、図7に図示するように、時系列順にアドレッシングされた曲データKD(1)〜KD(n)と、曲の終わりを表わす終了データENDとから形成され、その内容は楽曲再生に応じて歩進されるポインタレジスタADの値(読み出しアドレス)に従って順次読み出される。曲データKDは、所謂、絶対時間方式によるデータ形式をなしており、具体的にはオンイベント/オフイベントのタイミングを示す実行時間ET、音高PB、符長LB、音量PBおよび効果EBからなる。
【0011】
サウンドシステム3は、CPU1が発生する楽音信号をD/A変換した後に増幅してスピーカより放音する。ディスプレイ4は、CPU1から供給される表示制御信号に応じて、後述するキーボード5やマウス6の操作により入力される演奏情報を楽譜表示したり、動作状態を表示する。キーボード5は、通常のキー配列を備えるものであり、例えば図3に図示する一例のように、所定のアルファベットキーを音高指定する音高キーに、シフトキーをオクターブ指定するオクターブ指定キーに、ブランクバーを休符入力用のrestキーにそれぞれ割り当て、それらキーの操作に応じて一音毎の音高、音符長あるいは休符長を表す演奏情報の発生を指示する。なお、音符長は音高キーの押下時間により指定される。
【0012】
マウス6は、上記キーボード5の操作にて指定される演奏情報(音高、音符長)に対して、さらに音量および効果を付与する為の操作子として用いられる。具体的には、図4〜図6に図示する態様で操作する。
すなわち、図4は、上記キーボード5の操作によって単数・複数音高が指定されている時に共通する操作態様であり、マウス5の左ボタンを押下しながら後方(図中では上方向)にドラッグした場合に「ディストーション」、前方(図中では下方向)にドラッグした場合に「コンプレッサー」、左方にドラッグした場合に「リバーブ」がそれぞれ指定され、右方にドラッグした場合には効果付与しない状態が指定される。また、前後左右各方向へのドラッグ移動量に対応して音量が指定される。
【0013】
次に、図5は上記キーボード5の操作によって単数音高指定されている時の操作態様であり、マウス5の右ボタンを押下しながら後方(図中では上方向)にドラッグした場合に「ピッチベンド(UP)」、前方(図中では下方向)にドラッグした場合に「ピッチベンド(DOWN)」、左方にドラッグした場合に「トレモロ」、右方にドラッグした場合に「ビブラート」がそれぞれ指定されると共に、各方向へのドラッグ移動量に対応して音量が指定される。
図6は上記キーボード5の操作によって複数音高指定されている時の操作態様であり、マウス5の右ボタンを押下しながら後方(図中では上方向)にドラッグした場合に「ポルタメント(UP)」、前方(図中では下方向)にドラッグした場合に「ポルタメント(DOWN)」、左方にドラッグした場合に「アルペジオ(DOWN)」、右方にドラッグした場合には「アルペジオ(UP)」がそれぞれ指定されると共に、各方向へのドラッグ移動量に対応して音量が指定される。
【0014】
(2)動作
次に、図8〜図14を参照して上記構成による実施例の動作について説明する。以下では、最初に全体動作として、図8を参照してメインルーチンの動作について説明した後、モード切り替えに応じて選択的に実行される「自動演奏処理ルーチン」および「データ入力処理ルーチン」の動作について説明して行く。
▲1▼メインルーチンの動作
さて、実施例に電源が投入されると、CPU1はメモリ部2のROMから所定の制御プログラムを読み出して自身にロードし、図8に示すメインルーチンを実行してステップSA1に処理を進め、メモリ部2のRAMに格納される各種レジスタやフラグ類をリセットしたり初期値をセットするイニシャライズを行う。
【0015】
そして、イニシャライズ完了後、ステップSA2に処理を進め、モード切り替え操作に応じた処理、すなわち、入力モードが選択された時にはステップSA3に進み、キーボード5およびマウス6の操作に応じて生成される演奏情報(曲データKD)をメモリ部2のRAMに入力するデータ入力処理ルーチンを実行する。
一方、演奏モードが選択された時にはステップSA4に進み、データ入力処理にてメモリ部2のRAMに格納した演奏情報(曲データKD)を所定テンポで再生して自動演奏する自動演奏処理ルーチンを実行する。そして、ステップSA5では、入力したデータを修正したり、あるいは自動演奏にて再生される曲データを画面表示する等の、その他の処理を実行し、以後、電源がオフされる迄、ステップSA2〜SA5を繰り返すようになっている。
【0016】
▲2▼タイマインタラプト処理ルーチンの動作
電源投入後、CPU1は一定周期毎に、図9に示すタイマインタラプト処理ルーチンを起動している。タイマインタラプト処理ルーチンが起動されると、CPU1はステップSB1に処理を進め、符長入力の状態を表すフラグNF(後述する)が「1」、つまり符長入力中であるかどうかを判断する。当該フラグNFが「1」となる符長入力中であれば、判断結果が「YES」となり、ステップSB2に処理を進め、符長時間をカウントする符長カウンタの内容を1インクリメントして歩進させて本ルーチンを完了する。一方、符長入力中でなければ、符長時間をカウントする必要がないので、上記ステップSB1の判断結果は「NO」となり、この場合、何も処理せずに本ルーチンを完了させる。
【0017】
▲3▼自動演奏処理ルーチンの動作
次に、図10を参照して自動演奏処理ルーチンの動作について説明する。上述したステップSA4(図8参照)を介して自動演奏処理ルーチンが実行されると、CPU1は図10に示すステップSC1に処理を進め、リセット指示の有無を判断する。ここで、リセット指示が無ければ、判断結果は「NO」となり、ステップSC3二処理を進めるが、リセット指示があると、判断結果が「YES」となり、ステップSC2に処理を進め、データ読み出しポインタ(ポインタレジスタADに格納される読み出しアドレス)を曲の先頭にリセットしてステップSC3に進む。
【0018】
ステップSC3では、曲再生指示の有無を判断する。曲再生指示が無ければ、判断結果は「NO」となり、ステップSC5に処理を進めるが、曲再生指示があると、判断結果が「YES」となり、ステップSC4に進み、データ読み出しポインタに対応する曲データKDをメモリ部2のRAMから読み出して再生する読出再生処理を実行する。次いで、ステップSC5では、曲停止指示の有無を判断し、曲停止指示が無ければ、判断結果は「NO」となり、一旦、本ルーチンを完了して前述したメインルーチン(図8参照)へ復帰する。一方、曲停止指示があると、判断結果は「YES」となり、ステップSC6に進み、曲データKDの読み出しを停止させてからメインルーチン(図8参照)に復帰する。
【0019】
▲4▼データ入力処理ルーチンの動作
次に、図11〜図14を参照してデータ入力処理ルーチンの動作について述べる。上述したステップSA3(図8参照)を介してデータ入力処理ルーチンが起動されると、CPU1は図12に示すステップSD1以降を実行する。以下、図11(イ)〜(ニ)に図示するデータ入力例1〜4を具体例として動作説明を進める。
【0020】
(a)データ入力例1
図11(イ)に図示する音符(音高C4,4分音符長)を「中音量」で「効果付与無し」として入力する場合について説明する。この場合、まずキーボード5において音高C4が割り当てられた音高キーを押下する。すると、ステップSD1の判断結果が「YES」となり、ステップSD2に処理を進める。ステップSD2では、符長入力の状態を表すフラグNFが「1」、つまり、符長入力中であるかどうかを判断する。この場合、まだ符長入力されていないので、判断結果は「NO」となり、ステップSD3に処理を進める。
【0021】
さて、キーボード5の押下に応じてステップSD3に進むと、CPU1は押下されたキーが音高キーのみであるか否かを判断する。この場合、音高C4が割り当てられた音高キーが押下されるので、判断結果が「YES」となり、ステップSD4に進む。ステップSD4では、押下された音高キーに対応する音高データをレジスタPBにストアする。
次いで、ステップSD5では、休符入力用のrestキーの押下を有無を判断するが、この場合、restキーは押下されないので、判断結果は「NO」となり、図13に示すステップSD15に進み、マウスボタンの押下の有無を判断する。
【0022】
そして、ユーザーが「中音量」かつ「効果付与なし」を入力すべく、マウス6の左ボタンを押しながら右方向へ中程度(2.3〜4.5cm)の移動量でドラッグすると、ここでの判断結果が「YES」となり、ステップSD16に進む。ステップSD16では、レジスタPBに音高データがセットされているか否かを判断し、この場合、既にレジスタPBには音高データがセットされているので、判断結果は「YES」となり、ステップSD17に処理を進める。ステップSD17では、マウス6の左ボタンの押下に対応した釦種別データをレジスタSBにストアする。次いで、ステップSD18では、マウス6の移動の有無を判断するが、ドラッグされているので、判断結果は「YES」となり、図14に示すステップSD26に処理を進める。
【0023】
ステップSD26では、レジスタDBにストアされる移動方向と現在ドラッグされている移動方向とが一致するか否かを判断する。この場合、レジスタDBには移動方向が未だストアされていないので、判断結果は「NO」となり、ステップSD27に処理を進める。ステップSD27では、レジスタDBの値が「0」かどうかを判断する。この場合、移動方向がストアされていないので、判断結果は「YES」となり、ステップSD28に進み、レジスタDBに移動方向(右方向)を表すデータをストアする。
【0024】
そして、ステップSD29では、ドラッグされた移動量(2.3〜4.5cm)をレジスタKBにストアし、続くステップSD30ではレジスタKBにストアされた移動量が1cm以上であるか否かを判断する。この場合、中程度(2.3〜4.5cm)の移動量なので、判断結果は「YES」となり、ステップSD39に処理を進める。ステップSD39では、レジスタKBにストアされた移動量に対応する音量データを生成し、それをレジスタVBにセットする。
次いで、ステップSD40では、レジスタPB,DB,SBにそれぞれストアされた内容に応じた効果データを選択し、続くステップSD41では選択した効果データをレジスタEBにセットする。なお、この一例の場合、マウス6の左ボタンを押しながら右方向へドラッグしたので、効果付加しない状態(図4参照)となる。
【0025】
次に、音高キーを押下したままの状態でユーザーがマウス6の左ボタンを離すと、ステップSD15(図13参照)の判断結果が「NO」となり、CPU1はステップSD19に処理を進める。ステップSD19では、レジスタPBに音高データがストアされているか否かを判断する。この場合、レジスタPBに音高データがストアされているので、判断結果は「YES」となり、ステップSD20に進む。
ステップSD20では、レジスタVBに音量データがストアされているか否かを判断する。この場合、音量データはセットされているので、判断結果は「YES」となり、ステップSD21に進み、符長カウンタをゼロリセットし、続くステップSD22ではフラグNFを「1」にセットする。これにより、前述したタイマインタラプト処理ルーチンにて符長時間が計時され始める。
【0026】
次に、ステップSD23では、レジスタPB,VB,EBの内容に応じた楽音を発音させる。つまり、この例の場合、ドラッグ後にマウス6の左ボタンを離すと、中音量で効果付与されていない音高C4の楽音が発音され始める。こうして、発音が開始すると、CPU1はステップSD24にてフラグMFをゼロリセットした後、ステップSD25にてレジスタSB,DB,KBをクリアして一旦、本ルーチンを完了させる。
そして、発音開始から4分音符長分の時間が経過した時点で、ユーザーが押下中の音高キーを離すと、前述したステップSD1の判断結果が「NO」となり、図12に示すステップSD7に処理を進める。
【0027】
ステップSD7では、フラグNFが「1」となる符長入力中であるかどうかを判断するが、この場合、符長入力中なので、判断結果は「YES」となり、ステップSD8に処理を進める。ステップSD8では、符長カウンタが計時したカウンタ値に応じた符長データをレジスタLBにストアする。次いで、ステップSD9では、レジスタPB,LB,VB,EBにそれぞれストアされた音高データ、符長データ、音量データおよび効果データをメモリ部2のRAMに書き込むと共に、次回の書込みに備えて書込みポインタを歩進させる。この結果、メモリ部2のRAMには、音高C4、4分音符長、中音量および効果付与なしの曲データKDが入力される。
この後、ステップSD10に処理を進め、発音していた楽音を消音させ、続くステップSD11,12では、全レジスタPB,LB,VB,EB,SB,DB,KBをゼロクリアする一方、フラグNFもゼロリセットして本ルーチンを完了する。
【0028】
(b)データ入力例2
次に、図11(ロ)に図示する音符(音高F5,8分音符長)を「小音量」で「ピッチベンドUP」として入力する場合について述べる。この場合、キーボード5にて音高F4が割り当てられた音高キーと、+1オクターブ指定するオクターブ指定キー(oct+キー)とを押下する。これにより、図12に示すステップSD4にて、押下された音高キーに対応する音高データがレジスタPBにストアされる。
そして、ユーザーが「小音量」かつ「ピッチベンドUP効果付与」を入力すべく、マウス6の右ボタンを押しながら後方へ小程度(1〜2.2cm)の移動量でドラッグすると、図13に示すステップSD15,SD16の各判断結果は「YES」となり、ステップSD17に処理を進め、マウス6の右ボタンの押下に対応した釦種別データをレジスタSBにストアする。
【0029】
そして、ドラッグ操作に応じてステップSD18の判断結果は「YES」となり、図14に示すステップSD26,SD27を介してステップSD28に進み、レジスタDBに移動方向(右方向)を表すデータをストアし、続くステップSD29ではドラッグされた移動量(1〜2.2cm)をレジスタKBにストアする。
次いで、この例では1cm以上のドラッグ操作が行われる為、ステップSD30の判断結果は「YES」となり、ステップSD39に進み、レジスタKBにストアされた移動量に対応する音量データをレジスタVBにセットする。続いて、ステップSD40では、レジスタPB,DB,SBにそれぞれストアされた内容に応じた効果データを選択し、ステップSD41では選択した効果データをレジスタEBにセットする。
【0030】
次に、音高キーを押下した状態でユーザーがマウス6の右ボタンを離すと、ステップSD15,SD19,SD20(図13参照)を介してステップSD21に処理を進め、符長カウンタをゼロリセットした後、続くステップSD22にてフラグNFを「1」にセットする。これにより、前述したタイマインタラプト処理ルーチンにて符長時間が計時され始める。次いで、ステップSD23に進むと、レジスタPB,VB,EBの内容に応じた楽音を発音させる。つまり、ドラッグ後にマウス6の右ボタンが離されると、小音量でビッチベントUP効果が付与された音高F5の楽音が発音され始める。
【0031】
発音開始後、CPU1はステップSD24にてフラグMFをゼロリセットした後、ステップSD25にてレジスタSB,DB,KBをクリアして一旦、本ルーチンを完了させる。
そして、発音開始から8分音符長分の時間が経過した時点で、ユーザーが押下中の音高キーを離すと、前述したステップSD1,SD7(図12参照)を介してステップSD8に処理を進め、符長カウンタ値に応じた符長データをレジスタLBにストアする。この後、ステップSD9を介してメモリ部2のRAMに、音高F5、8分音符長、小音量およびピッチベンドUP効果付与の曲データKDが入力される。曲データ入力後は、ステップSD10〜SD12を経て発音中の楽音を消音させる一方、全レジスタPB,LB,VB,EB,SB,DB,KBおよびフラグNFをゼロリセットして本ルーチンを完了する。
【0032】
(c)データ入力例3
図11(ハ)に図示する4分休符を入力する場合、キーボード5のrestキーを押下する。これにより、図12に示すステップSD5を介してステップSD6に処理を進め、休符データをレジスタPBにストアする。
そして、ユーザーがマウス6の左右ボタンのいずれかを押しながら前後左右のいずれかの方向に1cm以上の移動量でドラッグすると、図13に示すステップSD15,SD16の各判断結果は「YES」となり、ステップSD17に処理を進め、ボタン押下に対応した釦種別データをレジスタSBにストアする。
【0033】
そして、ドラッグ操作に応じてステップSD18の判断結果は「YES」となり、図14に示すステップSD26,SD27を介してステップSD28に進み、レジスタDBに移動方向を表すデータをストアし、続くステップSD29ではドラッグされた移動量をレジスタKBにストアする。
次いで、この例では1cm以上のドラッグ操作が行われる為、ステップSD30の判断結果は「YES」となり、ステップSD39に進み、レジスタKBにストアされた移動量に対応する音量データをレジスタVBにセットする。続いてステップSD40では、レジスタPB,DB,SBにそれぞれストアされた内容に応じた効果データを選択し、ステップSD41では選択した効果データをレジスタEBにセットする。
【0034】
次に、restキーを押下した状態でユーザーが押下中にあるマウスボタンを離すと、ステップSD15,SD19,SD20(図13参照)を介してステップSD21に処理を進め、符長カウンタをゼロリセットした後、続くステップSD22にてフラグNFを「1」にセットする。これにより、前述したタイマインタラプト処理ルーチンにて符長時間が計時され始める。次いで、ステップSD23に進むと、レジスタPB,VB,EBの内容に応じた楽音を発音させるが、この場合、レジスタPBには休符データがストアされているので、実際には発音は行われない。
【0035】
そして、マウスボタンを離してから4分休符長分の時間が経過した時点で、ユーザーが押下中のrestキーを離すと、前述したステップSD1,SD7(図12参照)を介してステップSD8に進み、符長カウンタ値に応じた符長データをレジスタLBにストアする。この後、ステップSD9を介してメモリ部2のRAMに4分休符データが入力される。データ入力後は、ステップSD10〜SD12を経て全レジスタPB,LB,VB,EB,SB,DB,KBおよびフラグNFをゼロリセットして本ルーチンを完了する。
【0036】
(d)データ入力例4
次に、図11(ニ)に図示する和音(音高C4,E4,G4、4分音符長)を「大音量」で「ディストーションおよびアルペジオUP効果付与」として入力する場合について説明する。
この場合、キーボード5において音高C4,E4,G4が割り当てられた各音高キーを押下する。これにより、図12に示すステップSD4にて、押下された各音高キーにそれぞれ対応する音高データがレジスタPBにストアされる。
そして、「大音量」かつ「ディストーションおよびアルペジオUP効果付与」を入力すべく、マウス6の左右両ボタンを押しながら後方へ大程度(4.6cm以上)の移動量でドラッグすると、図13に示すステップSD15,SD16の各判断結果は「YES」となり、ステップSD17に処理を進め、マウス6の両ボタンの押下に対応した釦種別データをレジスタSBにストアする。
【0037】
そして、ドラッグ操作に応じてステップSD18の判断結果は「YES」となり、図14に示すステップSD26,SD27を介してステップSD28に進み、レジスタDBに移動方向(後方)を表すデータをストアし、続くステップSD29ではドラッグされた移動量(4.6cm以上)をレジスタKBにストアする。
この場合、1cm以上のドラッグ操作が行われる為、ステップSD30の判断結果は「YES」となり、ステップSD39に進み、レジスタKBにストアされた移動量に対応する音量データをレジスタVBにセットする。次いで、ステップSD40では、レジスタPB,DB,SBにそれぞれストアされた内容に応じた効果データを選択し、続くステップSD41では選択した効果データをレジスタEBにセットする。
【0038】
続けてさらに「アルペジオUP効果」を付与すべく、マウス6の左右両ボタンを押しながら右方向へ1cm以上ドラッグさせる。そうすると、図13に示すステップSD15,SD16の各判断結果は「YES」となり、ステップSD17に処理を進め、マウス6の両ボタンの押下に対応した釦種別データをレジスタSBにストアする。
この後、ステップSD18を介して図14に示すステップSD26に進み、レジスタDBにストアした移動方向と、今回ドラッグされた移動方向とが同一であるかを判断するが、この場合、異なる移動方向なので、判断結果は「NO」となり、ステップSD27に進む。
【0039】
そして、ステップSD27では、レジスタDBの値は「0」ではない為、判断結果が「NO」となり、ステップSD31に処理を進め、今回新たにドラッグされた移動方向を表すデータをレジスタDBにストアする。次いで、ステップSD32では、レジスタVBに音量データがストア済みであるかどうかを判断し、この場合、既に音量データがセットされているから、判断結果は「YES」となり、ステップSD33に進み、フラグMFに「1」をセットして音量設定済みの旨を表す。この後、ステップSD34ではドラッグされた移動量をレジスタKBにストアし、続くステップSD35では1cm以上のドラッグ操作であるか否かを判断するが、この場合、1cm以上のドラッグ操作が行われる為、判断結果は「YES」となり、ステップSD40,SD41を介して、ドラッグ操作に対応した効果データをレジスタEBにセットする。
【0040】
次に、音高C4,E4,G4が割り当てられた各音高キーを押したままの状態でユーザーがマウス6の左右両ボタンを離すと、ステップSD15,SD19,SD20(図13参照)を介してステップSD21に処理を進め、符長カウンタをゼロリセットした後、続くステップSD22にてフラグNFを「1」にセットする。これにより、前述したタイマインタラプト処理ルーチンにて符長時間が計時され始める。次いで、ステップSD23に進むと、レジスタPB,VB,EBの内容に応じた楽音を発音させる。つまり、ドラッグ後にマウス6の左右両ボタンが離されると、大音量でディストーションおよびアルペジオUP効果が付与された音高C4,E4,G4の楽音(和音)が発音され始める。
【0041】
発音開始後、CPU1はステップSD24にてフラグMFをゼロリセットした後、ステップSD25にてレジスタSB,DB,KBをクリアして一旦、本ルーチンを完了させる。
そして、発音開始から4分音符長分の時間が経過した時点で、ユーザーが押下中の各音高キーを離すと、前述したステップSD1,SD7(図12参照)を介してステップSD8に処理を進め、符長カウンタ値に応じた符長データをレジスタLBにストアする。この後、ステップSD9を介してメモリ部2のRAMに、音高C4,E4,G4、4分音符長、大音量およびディストーションおよびアルペジオUP効果を付与した曲データKDが入力される。曲データ入力後は、ステップSD10〜SD12を経て発音中の楽音を消音させる一方、全レジスタPB,LB,VB,EB,SB,DB,KBおよびフラグNFをゼロリセットして本ルーチンを完了する。
【0042】
このように、データ入力処理ルーチンでは、キーボード5の音高キーを押下しつつマウス6の左右ボタンのいずれか一方または両方を押した状態で前後左右のいずれかの方向にドラッグすると、音高データと共に、操作されるマウスボタンの種類やドラッグ操作方向に対応した音量データおよび効果データが指定される。
そして、音高キーを押下した状態でマウスボタンを離せば、その指定された音高データ、音量データおよび効果データを備える楽音、つまり入力しようとする楽音が各データに基づいて実際に発音される。次いで、所望の音符長分の時間が経過した時点で押下中の音高キーを離すと、その楽音を消音させる一方、音高キーの離鍵に応じて、指定された音符長データ、音高データ、音量データおよび効果データがメモリ部2のRAMにストアされるので、キーボード5やマウス6を用いた場合でも音高および音符長以外の演奏情報を簡単に入力し得るようになっている。
【0043】
なお、上述した具体例(データ入力例1〜4)では言及していないが、マウス6のドラッグを一旦止めてから再び同方向へドラッグする場合、前述したステップSD26(図14参照)の判断結果が「YES」となり、ステップSD36に処理を進め、再ドラッグによる移動量をレジスタKBに加算する。そして、加算後の移動量が1cm以上あれば、次のステップSD37の判断結果が「YES」となり、ステップSD38に処理を進め、ここでフラグMFが「1」、つまり、音量データが決定されている状態にあるかどうかを判断し、音量データが未決定である時には、ステップSD39に処理を進め、再ドラッグによる移動量に対応した音量データを設定し得るようになっている。
【0044】
以上説明したように、本実施例によれば、キーボード5の音高キー操作にて音高が指定され、音高キーを押下したままマウス6の左右ボタンのいずれか一方または両方を押した状態で前後左右のいずれかの方向にドラッグすることによって、操作されるマウスボタンの種類やドラッグ操作方向に対応した音量データおよび効果データが指定され、さらに音高キーを押下した状態でマウスボタンを離してから所望の音符長分の時間が経過した時点で押下中の音高キーを離すことによって、1音につき音高、音符長、音量および効果を同時に入力することが可能になっている。
【0045】
なお、上述した実施例では、マウスドラッグ量にて音量を指定するようにしたが、これに替えて、マウスドラッグ量に応じて、ドラッグされる方向に割り当てられる効果の「深さ」を指定するようにしても良い。
また、キーボード5およびマウス6の操作にて音高、音符長、音量および効果を指定する態様は、上述した実施例に開示したものに限らず、種々変形が可能である。例えば、1回の音高キー押下あたりの音符長を所定単位(例えば32分音符長)に設定しておき、音高キーの押下回数で音高および音符長を指定したり、マウスのドラッグ&ドロップ操作にてドラッグ量に対応した音量レベルを、マウスボタンをダブルクリック後にドラッグ&ドロップ操作して、ドラッグ方向に対応した効果種類とドラッグ量に対応した効果深さとを指定する態様としても良く、このようにしても音高および音符長以外の演奏情報を簡単に入力することが可能になる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1,2に記載の発明によれば、複数の入力キーを備えるキー入力操作子と、変位操作の開始と終了を指定するスイッチと、2次元変位操作に応じた信号を出力する位置決め操作子と、を有する演奏情報入力装置において、前記キー入力操作子に割り当てられた音高キーの操作に応じて音高および音符長を指定する第1の指定手段と、前記位置決め操作子変位操作の開始から終了までの変位量に応じて音量を指定する第2の指定手段と、前記位置決め操作子の2次元変位操作の方向に応じて音色および奏法の少なくともいずれかひとつを指定する第3の指定手段と、前記第1乃至第3の指定手段によって指定された音高と、音符長と、音量と、音色および奏法の少なくともいずれか一方と、を演奏情報として記憶する記憶手段とを具備するようにしたので、音高、音符長、音量、音色および奏法を含む演奏情報を簡単に入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例の外観を示す外観図である。
【図2】実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】キーボード5の音高キー配列の一例を示す図である。
【図4】マウス6の操作形態を説明するための図である。
【図5】マウス6の操作形態を説明するための図である。
【図6】マウス6の操作形態を説明するための図である。
【図7】曲データKDのデータ構成を示す図である。
【図8】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図9】タイマインタラプト処理ルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図10】自動演奏処理ルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図11】データ入力例を示す図である。
【図12】データ入力処理ルーチンに動作を示すフローチャートである。
【図13】データ入力処理ルーチンに動作を示すフローチャートである。
【図14】データ入力処理ルーチンに動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 メモリ部
3 サウンドシステム
4 ディスプレイ
5 キーボード
6 マウス
Claims (2)
- 複数の入力キーを備えるキー入力操作子と、
変位操作の開始と終了を指定するスイッチと、
2次元変位操作に応じた信号を出力する位置決め操作子と、
を有する演奏情報入力装置において、
前記キー入力操作子に割り当てられた音高キーの操作に応じて音高および音符長を指定する第1の指定手段と、
前記位置決め操作子変位操作の開始から終了までの変位量に応じて音量を指定する第2の指定手段と、
前記位置決め操作子の2次元変位操作の方向に応じて音色および奏法の少なくともいずれかひとつを指定する第3の指定手段と、
前記第1乃至第3の指定手段によって指定された音高と、音符長と、音量と、音色および奏法の少なくともいずれか一方と、
を演奏情報として記憶する記憶手段と
を具備することを特徴とする演奏情報入力装置。 - 複数の入力キーを備えるキー入力操作子と、
変位操作の開始と終了を指定するスイッチと、
2次元変位操作に応じた信号を出力する位置決め操作子と、
を用いる演奏情報入力方法において、
前記キー入力操作子に割り当てられた音高キーの操作に応じて音高および音符長を指定する第1の指定過程と、
前記位置決め操作子変位操作の開始から終了までの変位量に応じて音量を指定する第2の指定過程と、
前記位置決め操作子の2次元変位操作の方向に応じて音色および奏法の少なくともいずれかひとつを指定する第3の指定過程と、
前記第1乃至第3の指定過程によって指定された音高と、音符長と、音量と、音色および奏法の少なくともいずれか一方と、
を演奏情報として記憶する記憶過程と
を具備することを特徴とする演奏情報入力方法。
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