JP3779334B2 - 耐熱性接着剤、耐熱性接着剤層付きフィルムおよび熱可塑性樹脂の製造法 - Google Patents
耐熱性接着剤、耐熱性接着剤層付きフィルムおよび熱可塑性樹脂の製造法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は耐熱性接着剤、この耐熱性接着剤を含有する層を積層してなる耐熱性接着剤層付きフィルム、その耐熱性接着剤の主成分となる熱可塑性樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、エレクトロニクスの分野において用いられる接着剤、例えば印刷回路用基板における金属箔とポリイミドフィルム等の支持材との接着剤や樹脂封止型等の半導体装置内におけるリードフレームと半導体素子(チップ)の接着剤やいわゆるTABテープの金属箔とポリイミドフィルムとの接着剤には高温特性、純度、作業性にすぐれた材料が求められている。
【0003】
従来、これら接着剤として用いられてきたエポキシ系、ゴム変性エポキシ系、フェノール系、アクリル系等の熱硬化性樹脂はすぐれた接着力を示すが、耐熱性、純度に劣り、また硬化時に副生するアウトガスにより被着体を汚染するという欠点がある。
【0004】
一方、耐熱性にすぐれ、また硬化が不要のためアウトガスの発生も少ない接着剤として、耐熱性の高い熱可塑性樹脂を溶融圧着して用いる検討もなされている(例えば、特開昭61−143479号公報、特開平1−268778号公報参照)。
【0005】
しかし、これらの熱可塑性樹脂を溶融接着型の接着剤として用いた場合、溶融接着時の粘度が低いため吸湿水分に起因する接着時の発泡や接着剤の流れ過ぎに起因する接着剤の厚み減りが大きいといった問題がある。これらを改善するために接着前に接着剤の吸湿水分を乾燥したり、接着温度や接着圧力を調整することも行われるが、これらの方法では一定の接着強度や接着状態を得ることは難しく、改善が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決し、耐熱性、接着力にすぐれた耐熱性接着剤、耐熱性接着剤層付きフィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明における耐熱性接着剤は、アミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られる熱可塑性樹脂(以下、「原料熱可塑性樹脂」という)80〜99.9重量部に対し、この熱可塑性樹脂と化学的に結合し得る官能基を有するカップリング剤を0.1〜20重量部配合して反応させて得られる新規な熱可塑性樹脂を含有してなるものである。
【0008】
また、前記耐熱性接着剤は、支持フィルムの片面または両面に前記耐熱性接着剤を含有する層を積層してなる耐熱性接着剤層付きフィルムとして利用することができる。
【0009】
前記したアミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られる熱可塑性樹脂、すなわち、原料熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、芳香族ポリエーテル、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエステルイミド、芳香族ポリエーテルイミド等が含まれる。これらの樹脂はいずれも、塩基成分である芳香族ジアミンおよび/またはビスフェノールと酸成分であるジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸もしくは芳香族塩化物またはこれらの反応性誘導体を重縮合させて製造することができる。これらの原料熱可塑性樹脂中、カップリング剤と反応する官能基としては、分子鎖末端のアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等がある。したがって、これらの官能基を有する樹脂であれば、本発明における原料熱可塑性樹脂の構造は特に限定されるものではない。
【0010】
本発明における原料熱可塑性樹脂の例としては、下記化4に示すような繰り返し単位を有する樹脂を挙げることができる。
【化4】
【0011】
前記原料熱可塑性樹脂の例として、また、下記化5〔一般式(I)〕で表される繰り返し単位を有する樹脂がある。
【化5】
〔ただし、一般式(I)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基またはハロゲンを示し、Xは結合、−O−、−S−、−C(C=0)−、−SO2 −、−S(=0)−、化6
【化6】
(ここでR5およびR6は各々独立して水素、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基またはフェニル基を示す)で表される基を示し、Xは繰り返し単位毎に相違してもよく、Yは化7
【化7】
(ここで、Arは芳香族の2価の基を、Ar′は3価の基を示す)で表される基を示し、Yは繰り返し単位毎に相違してもよい。〕
【0012】
前記一般式(I)で表される繰り返し単位としては、下記化8、化9で示される例がある。
【化8】
【化9】
【0013】
前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体は、例えば、芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸またはこれらの反応性誘導体と化10〔一般式(II)〕
【化10】
〔ただし、一般式(II)中R1、R2、R3、R4、X、は一般式(I)におけるのと同じ意味である〕で表される芳香族ジアミンを重縮合させて製造することができる。
【0014】
前記芳香族ジカルボン酸は、芳香核に2つのカルボキシル基が結合しているものである。もちろん、この芳香環はヘテロ環の導入されたものでもよく、また芳香環同士がアルキレン、酸素、カルボニル基などと結合されていてもよい。さらに芳香環に、たとえば、アルコキシ、アリルオキシ、アルキルアミノ、ハロゲンなどの縮合反応に関与しない置換基が導入されていてもよい。上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸および1,5−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができるが、テレフタル酸およびイソフタル酸が入手容易であり好ましい。また上記、芳香族ジカルボン酸の反応性誘導体とは、前記芳香族ジカルボン酸のジクロライド、ジブロマイドおよびジエステル等をあげることができる。テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが好ましい。本発明における芳香族トリカルボン酸は芳香核に3つのカルボキシル基の内2つの隣接炭素に結合しているものである。もちろん、この芳香環はヘテロ環の導入されたものでもよく、また芳香環同士がアルキレン、酸素、カルボニル基などと結合されてもよい。さらに芳香環に、たとえば、アルコキシ、アリルオキシ、アルキルアミノ、ハロゲンなどの縮合反応に関与しない置換基が導入されていてもよい。
【0015】
前記芳香族トリカルボン酸としては例えば、トリメリット酸、3,3,4′−ベンゾフェノントリカルボン酸、2,3,4′−ジフェニルトリカルボン酸2,3,6−ピリジントリカルボン酸、3,4,4′−ベンツアニリドトリカルボン酸、1,4,5−ナフタリントリカルボン酸、2′−メトキシ−3,4,4′−ジフェニルエーテルトリカルボン酸、2′−クロロベンツアニリド−3,4,4′−トリカルボン酸などをあげることができる。また上記芳香族トリカルボン酸の反応性誘導体とは、前記芳香族トリカルボン酸の酸無水物、ハライド、エステル、アミド、アンモニウム塩等を意味する。これらの例としては、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライド、1,4−ジカルボキシ−3−N,N−ジメチルカルバモイルベンゼン、1,4−ジカルボメトキシ−3−カルボキシベンゼン、1,4−ジカルボキシ−3−カルボフェノキシベンゼン、2,6−ジカルボキシ−3−カルボメトキシピリジン、1,6−ジカルボキシ−5−カルバモイルナフタリン、上記芳香族トリカルボン酸とアンモニア、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどからなるアンモニウム塩類などが挙げられる。これらのうちでは、トリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物モノクロライドが好ましい。
【0016】
前記一般式(II)で表される芳香族ジアミンとしては、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン,2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロペンタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、4,4′カルボニルビス(p−フェニレンオキシ)ジアニリン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等がある。これらのうちでは、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンが好ましい。必要ならば上記のジアミンの混合物を用いることができる。
【0017】
更に前記の芳香族ジアミン以外の既知のジアミン、たとえば4,4′ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン、ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、p−キシリレンジミン、m−キシリレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン等を併用することができる。これらのジアミン類のジアミン類全体に対する割合としては40モル%以下であることが好ましい。この割合が40モル%を越えると熱安定性あるいは接着性が悪くなる傾向がある。
【0018】
芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸またはこれらの反応性誘導体の酸成分はジアミンの総量に対して80〜120モル%使用することが好ましく、特に95〜105モル%使用することが好ましい。これらを等モルを使用したときもっとも高分子量のものが得られる。ジアミンに対して上記酸成分が多すぎても少なすぎても分子量が低下して機械的強度、耐熱性等が低下する傾向がある。
【0019】
このような反応に際しては、アミンと酸との反応に用いられている公知の方法をそのまま採用することができ、諸条件などについても、特に限定されるものではない。芳香族ジカルボン酸、芳香族トリカルボン酸またはこれらの反応性誘導体とジアミンとの重縮合反応については、公知の方法が利用できる。2種以上の芳香族ジアミンを使用すること、あるいは2種以上の芳香族ジカルボン酸若しくはその反応性誘導体、2種以上の芳香族トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体を使用することにより前記一般式(I)で表される繰り返し単位が相違する重合体を得ることができる。また、芳香族ジカルボン酸若しくはその反応性誘導体と芳香族トリカルボン酸若しくはその反応性誘導体とを併用することにより前記一般式(I)で表される繰り返し単位が相違する重合体を得ることができる。重合体は、ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液における30℃での還元粘度が0.2〜2.0dl/gであるのが好ましい。この還元粘度が小さすぎると、耐熱性、機械的強度が低下し、大きすぎると接着性が低下する傾向にある。
【0020】
本発明において使用するカップリング剤は、その化合物分子中に2個以上の官能基を有し、そのうちの少なくとも1個は前記原料熱可塑性樹脂と反応し、残りの官能基は前記原料熱可塑性樹脂と反応するか官能基どうしで反応する必要がある。かかる2個以上の官能基を有する限り、その分子構造、分子量などに特に制限はない。このようなカップリング剤としてシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等がある。前記原料熱可塑性樹脂の官能基としては分子末端のアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基などが考えられるので、カップリング剤中の前記原料熱可塑性樹脂と反応性の官能基としては、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、メタクリロイル基などがある。またカップリング剤中の自己反応する官能基としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
【0021】
本発明におけるカップリング剤として好ましいのは、シランカップリング剤であり、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチレンジメトキシシランなどが挙げられる。
【0022】
本発明において、前記原料熱可塑性樹脂とカップリング剤の配合割合は、両者を合計した固形分全体に対し、カップリング剤の配合割合を0.1〜20重量%にすることが好ましい。更に好ましくは0.5〜10重量%である。カップリング剤が0.1重量%未満の場合には、接着時の発泡防止や接着剤の流れ過ぎ防止の効果が低く、また20重量%を越える場合には接着強度が低下する傾向にある。
【0023】
本発明における新規な熱可塑性樹脂は、前記の原料熱可塑性樹脂とカップリング剤をあらかじめ反応させて調整されるが、その方法について特に制限はない。例えば、原料熱可塑性樹脂とカップリング剤をN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の極性溶剤に溶解し、熱を加えて溶剤を乾燥させると同時に反応させるのが効率的である。この時の温度としては150℃以上、好ましくは200℃以上で5分以上乾燥するのが好ましい。このようにして充分に反応させることにより、新規な熱可塑性樹脂として、上記のような極性有機溶剤に不溶であるが溶融可能な樹脂となる。
【0024】
新規な熱可塑性樹脂を含有する接着剤は、あらかじめ原料熱可塑性樹脂、カップリング剤等を溶剤に溶解して作製したワニスをガラス板、ステンレス板等に流延、乾燥し引き剥すことによりフィルム状とした後加熱反応させて極性有機溶剤に不溶であるが溶融可能な樹脂を形成することによりフィルム状接着剤とすることができる。また、このようなワニスをポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、テフロンフィルムの片面または両面に塗工した後加熱反応させて極性有機溶剤に不溶であるが溶融可能な樹脂を形成することによりフィルムに耐熱性接着剤層を積層してなる耐熱性接着剤層付きフィルムを得ることができる。このワニスをガラス繊維等の耐熱性にすぐれた繊維の薄布マットに含浸させ後加熱反応させて極性有機溶剤に不溶であるが溶融可能な樹脂を形成することにより繊維強化型のシート状として得ることができる。また、このワニスをそのまま被着物に塗布した後、加熱反応させて極性有機溶剤に不溶であるが加熱により軟化する樹脂を形成し、この後他の被着物と加熱圧着することができる。
【0025】
前記の新規な熱可塑性樹脂を含有してなる耐熱性接着剤は、被着体と重ねた後、軟化点以上の温度で加熱圧着して接着する。この際、吸湿状態で使用しても接着時に発泡が少なく又はなく、また、接着剤の流れ過ぎによる厚み減りも少ない又はない。接着後は耐熱性、接着強度にすぐれる。
【0026】
更に、本発明における耐熱性接着剤には、前記した新規な熱可塑性樹脂以外に三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、ホウ酸バリウム等の難然性無機化合物、シリカ、アルミナ、マイカ、酸化チタン、ジルコニア、珪酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化ホウ素、銀粉、金粉、銅粉、ニッケル粉等の無機フィラーを接着剤総量に対して70重量%以下の割合で含有させてもよい。これら無機フィラーが70重量%を越えると、接着強度が低下する傾向にある。更に、これら以外の充填剤、安定剤、界面活性剤、溶剤などを目的に応じて含んでもよい。
【0027】
支持材と金属箔とを本発明の耐熱接着剤を用いて(例えば、耐熱性接着剤からなるシート状接着剤を介して)接着させてなる印刷回路用基板は有用である。例えば、シート状接着剤を支持材と金属箔の間に挟み300℃〜400℃、5〜100Kg/cm2 で1秒〜10分間加熱溶融し加圧して圧着することにより印刷回路用基板を製造できる。この時、耐熱性接着剤層付きフィルム(支持フィルムがポリイミドフィルムのもの)を用いればフレキシブル印刷回路用基板を生産性良く製造することができる。
【0028】
前記支持材としては、例えば、紙フェノール系支持材、エポキシ系支持材、ポリイミド系支持材等が挙げられる。
【0029】
また、本発明の耐熱性接着剤または耐熱性接着剤層付きフィルムを用いれば、高容量の半導体で信頼性の優れたものを作業性、歩留まりよく簡便に製造することができる。例えば、支持フィルムとしてポリイミドフィルム(両面接着剤層付き)を所定の大きさに打ち抜くか、切り取ったもの(フィルム片)を、リードフレームと半導体素子の間に挟み300℃〜400℃、5〜100Kg/cm2 で1秒〜10分間加熱溶融し加圧して圧着し、その後リードフレームと半導体素子を金線等で接合しエポキシ樹脂等の成形材料でトランスファ成形して封止することにより半導体装置を製造することができる。
【0030】
【作用】
本発明における耐熱性接着剤は、特定の原料熱可塑性樹脂に特定のカップリング剤を特定量配合しこれらを極性有機溶剤に不溶になるまで反応させて得られるものであり、この接着剤を使用して基板等の被着体を加熱圧着した場合、接着時の発泡や接着剤の流れ過ぎがなく、かつ優れた接着強度を示す。シランカップリング剤に代表されるいわゆるカップリング剤は、有機質と反応する官能基と無機質と反応する官能基を有し、これらの反応を利用し有機質と無機質を化学的に結合する性質があるため、これまで、この性質を利用し、各種接着剤にカップリング剤を配合し無機質の被着体との接着性を改良することはよく行われてきたのであり、この場合、カップリング剤の無機質に対する官能基が無機被着体との接着時に反応し接着性を改善するものであって、接着時の発泡や接着剤の流れ過ぎを防止することは期待できない。ところが、本発明においては、接着する前に、これらカップリング剤の有機質に対する官能基だけでなく無機質に対する官能基もあらかじめ反応させておいて、極性有機溶剤に不溶にしておくものであり、これにより吸湿状態で使用しても接着時の発泡がなく、また、接着剤の流れ過ぎを防止することができ、しかもすぐれた接着強度を得ることができる。上記の不溶化は、原料熱可塑性樹脂とカップリング剤の反応の結果、架橋構造を有する重合体が生成しているため考えられる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
【0032】
実施例1
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管をとりつけた4つ口フラスコに窒素下、2,2−ビス〔4(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン205g(0.5モル)、プロピレンオキサイド69.6g(1.2モル)を入れN−メチル−2−ピロリドン1200gに溶解した。この溶液を−5℃に冷却し、この温度でイソフタル酸ジクロライド101.5g(0.5モル)を温度が20℃を越えないように添加した。室温で3時間撹拌を続けた。得られた反応液をメタノール中に投入して、重合体を単離させた。これを乾燥した後ジメチルホルムアミドに溶解し、これをメタノール中に投入し、減圧乾燥して精製された芳香族ポリアミド粉末を得た。この芳香族ポリアミドの還元粘度(ηSP/C)(ジメチルホルムアミド0.2重量%溶液、30℃で測定、以下は同様)は1.02d1/gであった。得られた芳香族ポリアミド粉末60gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、シランカップリング剤SH−6040)1.8gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解してワニスを得た。このワニスをガラス板上に90μmの厚さに流延し、100℃で10分乾燥後、ガラス板から引き剥し、鉄枠に固定し200℃で10分、300℃で10分乾燥して厚さ25μmの接着剤フィルムを得た。得られたフィルムはN−メチルピロリドンに不溶であった。また、得られたフィルムを5mm角に切り取り、40℃、65%RHの恒温恒湿器に24時間放置し吸湿させた後、厚さ0.2mmの鉄−ニッケル合金製のリードフレームの0.2mm間隔で0.2mm幅のインナーリード上にのせ、350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間加圧して圧着した。接着した後の接着剤フィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤フィルムの変形も見られなかった。更に、リードフレームに接着した接着剤フィルムの上に5mm角のシリコンチップを350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間圧着した。チップのせん断接着強度をプッシュ・プルゲージを用いて測定しようとしたところシリコンチップが破断し、その時の強度は10Kgを超えていた。
【0033】
実施例2
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管をとりつけた4つ口フラスコに窒化下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン143.5g(0.35モル)、1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン37.2g(0.15モル)、プロピレンオキサイド69.6g(1.2モル)を入れN−メチル−2−ピロリドン1200gに溶解した。この溶液を−5℃に冷却し、この温度でイソフタル酸ジクロライド101.5g(0.5モル)を温度が20℃を越えないよに添加した。室温で3時間撹拌を続けた。得られた反応液をメタノール中に投入して、重合体を単離させた。これを乾燥した後ジメチルホルムアミドに溶解し、これをメタノール中に投入し、減圧乾燥して精製された芳香族ポリアミド粉末を得た。この芳香族ポリアミドの還元粘度は0.82dl/gであった。得られた芳香族ポリアミド粉末60gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解してワニスを得た。このワニスを50μmの厚さのポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレックスS)の両面に90μmの厚さに流延し、100℃で10分、300℃で10分乾燥して厚さ25μmの接着剤層が両面に付いたポリイミドフィルムを得た。得られた接着剤層付きポリイミドフィルムの接着剤層はN−メチルピロリドンに不溶であった。また、得られた接着剤層付きポリイミドフィルムを5mm角に切り取り、40℃、65%RHの恒温恒湿器に24時間放置し吸湿させた後、厚さ0.2mmの銅製のリードフレームの0.2mm間隔で0.2mm幅のインナーリードの上にのせ、300℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間加圧して圧着した。接着した後の接着剤フィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤フィルムの変形も見られなかった。更に、リードフレームに接着した接着剤層付きポリイミドフィルムの上に5mm角のシリコンチップを300℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間圧着した。チップのせん断接着強度をプッシュ・プルゲージを用いて測定しようとしたところシリコンチップが破断し、その時の強度は10Kgを超えていた。
【0034】
実施例3
温度計、撹拌機、窒素導入管、分留頭をとりつけた4つ口フラスコに窒化下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン205g(0.5モル)を入れN−メチル−2−ピロリドン1200gに溶解した。この溶液を−10℃に冷却し、この温度でトリメリット酸無水物モノクロライド105.3g(0.5モル)を温度が−5℃を越えないように添加した。トリメリット酸無水物モノクロライドが溶解したら、トリエチルアミン76gを温度が5℃を越えないように添加した。室温で1時間撹拌後、180℃で9時間反応させてイミド化を完結させた。得られた反応液をメタノール中に投入して、重合体を単離させた。これを乾燥した後ジメチルホルムアミドに溶解し、これをメタノール中に投入し、減圧乾燥して精製されたポリアミドイミド粉末を得た。このポリアミドイミドの還元粘度は0.91dl/gであった。得られたポリアミドイミド粉末60gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gをテトラヒドロフラン200gに溶解してワニスを得た。このワニスをガラス板上に90μmの厚さに流延し、50℃で10分乾燥後、ガラス板から引き剥し、鉄枠に固定し300℃で10分乾燥して厚さ25μmの接着剤フィルムを得た。得られたフィルムはテトラヒドロフランに不溶であった。また、得られたフィルムを5mm角に切り取り、40℃、65%RHの恒温恒湿器に24時間放置し吸湿させた後、厚さ0.2mmの鉄−ニッケル合金製のリードフレームの0.2mm間隔で0.2mm幅のインナーリード上にのせ、350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間加圧して圧着した。接着した後の接着剤フィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤フィルムの変形も見られなかった。更に、リードフレームに接着した接着剤フィルムの上に5mm角のシリコンチップを350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間圧着した。チップのせん断接着強度をプッシュ・プルゲージを用いて測定しようとしたところシリコンチップが破断し、その時の強度は10Kgを越えていた。
【0035】
実施例4
温度計、撹拌機、窒素導入管、分留頭をとりつけた4つ口フラスコに窒化下、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン143.5g(0.35モル)と1,3−ビス(アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン37.2g(0.15モル)を入れN−メチル−2−ピロリドン1200gに溶解した。この溶液を−10℃に冷却し、この温度でトリメット酸無水物モノクロライド105.3g(0.5モル)を温度が−5℃を越えないように添加した。トリメット酸無水物モノクロライドが溶解したら、トリエチルアミン76gを温度が5℃を越えないように添加した。室温で1時間撹拌後、180℃で9時間反応させてイミド化を完結させた。得られた反応液をメタノール中に投入して、重合体を単離させた。これを乾燥した後ジメチルホルムアミドに溶解し、これをメタノール中に投入し、減圧乾燥して精製されたポリアミドイミド粉末を得た。このポリアミドイミドの還元粘度は0.78dl/gであった。得られたポリアミドイミド粉末60gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gをジエチレングリコールジメチルエーテル200gに溶解してワニスを得た。このワニスを厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレックスS)の両面に90μmの厚さに流延し、100℃で10分、300℃で10分乾燥して厚さ25μmの接着剤層が両面に付いたポリイミドフィルムを得た。得られた接着剤層付きポリイミドフィルムの接着剤層は、ジエチレングリコールジメチルエーテルに不溶であった。また、得られた接着剤層付きポリイミドフィルムを5mm角に切り取り、40℃、65%RHの恒温恒湿器に24時間放置し吸湿させた後、厚さ0.2mmの銅製のリードフレームの0.2mm間隔で0.2mm幅のインナーリード上にのせ、300℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間加圧して圧着した。接着した後の接着剤層付きポリイミドフィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤の変形も見られなかった。更に、リードフレームに接着した接着剤層付きポリイミドフィルムの上に5mm角のシリコンチップを300℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間圧着した。チップのせん断接着強度をプッシュ・プルゲージを用いて測定しようとしたところシリコンチップが破断し、その時の強度は10Kgを超えていた。
【0036】
実施例5
芳香族ポリエーテルイミド(日本ジーイープラスチック社製ウルテム1000)60gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、シランカップリング剤SH−6040)3.0gをN,N−ジメチルアセトアミド200gに溶解してワニスを得た。このワニスをガラス板に90μmの厚さに流延し、100℃で10分乾燥後、ガラス板から引き剥し、鉄枠に固定し200℃で10分、300℃で10分乾燥して厚さ25μmの接着剤フィルムを得た。得られたフィルムは、N,N−ジメチルアセトアミドに不溶であった。また、得られたフィルムを5mm角に切り取り、40℃、65%RHの恒温恒湿器に24時間放置し吸湿させた後、厚さ0.2mmの鉄−ニッケル合金製のリードフレームの0.2mm間隔で0.2mm幅のインナーリード上にのせ、350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間加圧して圧着した。接着した後の接着剤フィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤フィルムの変形も見られなかった。更に、リードフレームに接着した接着剤フィルムの上に5mm角のシリコンチップを350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間圧着した。チップのせん断接着強度をプッシュ・プルゲージを用いて測定したところ、7Kgであった。
【0037】
実施例6
芳香族ポリエーテルであるポリサルホン(アモコジャパンリミテッド社製ユーデル・ポリサルホンP−1700)60gとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、シランカップリング剤SH−6040)6.0gをN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解してワニスを得た。このワニスをガラス板上に90μmの厚さに流延し、100℃で10分乾燥後、ガラス板から引き剥し、鉄枠に固定し200℃で10分、300℃で10分乾燥して厚さ25μmの接着剤フィルムを得た。得られたフィルムは、N−メチル−2−ピロリドンに不溶であった。また、得られたフィルムを5mm角に切り取り、40℃、65%RHの恒温恒湿器に24時間放置し吸湿させた後、厚さ0.2mmの鉄−ニッケル合金製のリードフレームの0.2mm間隔で0.2mm幅のインナーリード上にのせ、350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間加圧して圧着した。接着した後の接着剤フィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤フィルムの変形も見られなかった。更に、リードフレームに接着した接着剤フィルムの上に5mm角のシリコンチップを350℃の温度で20Kg/cm2 の圧力で3秒間圧着した。チップのせん断接着強度をプッシュ・プルゲージを用いて測定しようとしたところ、7Kgであった。
【0038】
実施例7
実施例4において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gをγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製シランカップリング剤KBM903)0.06gとする以外は同様にして、接着剤層付きポリイミドフィルムの接着状態と接着強度を評価した。接着した後の接着剤層付きポリイミドフィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤の変形も見られなかった。また、そのせん断接着強度は10Kg以上であった。
【0039】
実施例8
実施例4において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gをγ−メタクリロキシププロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シランカップリング剤AY43−060)6.0gとする以外は同様にして、接着剤層付きポリイミドフィルムの接着状態と接着強度を評価した。接着した後の接着剤層付きポリイミドフィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤の変形も見られなかった。また、そのせん断接着強度は7Kgであった。
【0040】
実施例9
実施例4において、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gをγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製シランカップリング剤AY43−031)15.0gとする以外は同様にして、接着剤層付きポリイミドフィルムの接着状態と接着強度を評価した。接着した後の接着剤層付きポリイミドフィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤の変形も見られなかった。また、そのせん断接着強度は8Kgであった。
【0041】
比較例1
実施例4においてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gを0gに変更する以外は実施例4と同様にして、接着剤層付きポリイミドフィルムの接着状態と接着強度を評価したところ、せん断接着強度は10Kg以上と良好な接着強度を示したが、吸湿後、リードフレームのリードに接着した状態は、顕微鏡で調べたところ接着剤全面が発泡し、また、接着剤層中にリードがめり込みリード上の接着剤の厚みは7μm薄くなり、18μmになっていた。
【0042】
比較例2
実施例4においてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.8gを20gに変更する以外は実施例4と同様にして、接着剤層付きポリイミドフィルムの接着状態と接着強度を評価したところ、接着した後の接着剤層付きポリイミドフィルムには顕微鏡で調べたところ発泡もなく、また、目視したところ接着剤の変形も見られなかった。しかし、せん断接着強度が1Kgと低い接着強度となった。
【0043】
比較例3
実施例3において、乾燥及び反応条件である300℃で10分乾燥を50℃で24時間減圧乾燥する以外は実施例3と同様にして接着剤フィルムを作製した。得られた接着剤フィルムはテトラヒドロフランに溶解し、接着剤樹脂とシランカップリング剤は3次元的には反応していないことがわかった。また、接着剤フィルムの接着状態と接着強度を評価したところ、せん断接着強度は10Kg以上と良好な接着強度を示したが、吸湿後、リードフレームのリードに接着した状態は、顕微鏡で調べたところ接着剤全面が発泡し、また、接着剤中にリードがめり込みリード上の接着剤の厚みは9μm薄くなり、16μmになっていた。
【0044】
比較例1及び3の結果からわかるように、カップリング剤を添加していない、あるいは添加しても十分に反応させていない熱可塑性樹脂接着剤は、加熱溶融接着時に発泡すると共に、接着剤が流れ過ぎて膜厚が変化してしまう。一方、実施例1〜9からわかるようにカップリング剤を0.1%〜20%添加しあらかじめ3次元的に反応させた熱可塑性接着剤は接着時に発泡することなく、また接着剤が変形することもなく厚さも変化しないと共に、良好な接着強度を示す。比較例2に示したようにカップリング剤を20%を超えて添加し反応させると接着時の発泡や変形は見られないが接着強度が低下する。
【0045】
【発明の効果】
請求項1〜3における耐熱性接着剤、請求項4〜5耐熱性接着剤層付きフィルムは、吸湿状態で使用しても熱圧着時に発泡せず、また、熱圧着時に変形に伴う厚み変化がなく、さらに、優れた接着強度を有する。請求項6〜7に記載の新規な熱可塑性樹脂は、このような接着剤の材料として有用である。
Claims (6)
- アミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られ、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエステルイミド、芳香族ポリエーテルイミドから選択される熱可塑性樹脂80〜99.9重量部に対し、この熱可塑性樹脂と化学的に結合し得る官能基を有するカップリング剤を0.1〜20重量部配合して反応させて得られる、極性有機溶剤に不溶である熱可塑性樹脂を含有してなるシート状耐熱性接着剤。
- アミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られる熱可塑性樹脂が下記化1〔一般式(I)〕で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1記載のシート状耐熱性接着剤。
- カップリング剤がシランカップリング剤である請求項1記載のシート状耐熱性接着剤。
- 支持フィルムの片面または両面に請求項1、請求項2または請求項3に記載のシート状耐熱性接着剤層を積層してなる耐熱性接着剤付きフィルム。
- アミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られ、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエステルイミド、芳香族ポリエーテルイミドから選択される熱可塑性樹脂80〜99.9重量部に対し、この熱可塑性樹脂と化学的に結合し得る官能基を有するカップリング剤を0.1〜20重量部配合して極性有機溶剤に不溶になるまで反応させることを特徴とするシート状耐熱性接着剤の製造法。
- アミド基、エステル基、イミド基またはエーテル基を生成する反応により得られ、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリエステルイミド、芳香族ポリエーテルイミドから選択される熱可塑性樹脂80〜99.9重量部に対し、この熱可塑性樹脂と化学的に結合し得る官能基を有するカップリング剤を0.1〜20重量部配合し、これらを溶剤に溶解して作成したワニスを支持フィルムの片面または両面に塗工した後、加熱反応させることにより支持フィルム上に耐熱性接着剤層を積層する耐熱性接着剤付きフィルムの製造法。
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