JP3779190B2 - 印刷機におけるオシレーションローラの駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷機のインキ供給装置あるいは水供給装置のローラ列に組込まれたオシレーションローラの駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷機の版胴にインキを供給するインキ供給装置においては、インキつぼのインキを元ローラから複数のローラに順に受け渡しを行なってインキを練り伸ばし、適正なインキ膜厚としたのち、着けローラから版胴に供給するようにしている。
【0003】
このとき、インキの練り伸ばしの効率化を図り、膜厚の均一なインキ膜が形成されるよう、インキ供給装置のローラ列にオシレーションローラを組込み、そのオシレーションローラを回転させた状態で軸方向に一定ストローク往復動させるようにしている。
【0004】
一方、版胴に水を供給する水供給装置においても、適正な水膜が得られるよう、水だめ内の水を版胴に供給するローラ列にオシレーションローラを組込み、そのオシレーションローラを回転状態において軸方向に一定ストローク往復動させるようにしている。
【0005】
インキ供給装置や水供給装置のオシレーションローラを軸方向に往復動させる駆動装置として、図3に示したものが従来から知られている。この駆動装置は、印刷機を駆動するモータの回転がギヤ駆動機構を介して伝達される回転軸10に駆動ディスク11を取付け、その駆動ディスク11の外周部にクランクピン12を設け、そのクランクピン12の偏心回転運動をロッド13およびレバー14を介してレバー軸15を設定角度正逆方向に回転させるようにしている。そして、レバー軸15の正逆方向の回転により、そのレバー軸15に取付けた駆動レバー16を揺動させ、その端部に設けたローラ17とオシレーションローラ18の軸端部に設けられた環状溝19の係合によって前記オシレーションローラ18を軸方向に往復動させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなクランク運動によるオシレーションローラ18の駆動装置においては、部品点数が多くなって構造が複雑になると共に、オシレーションローラ18の軸方向の移動速度が印刷機の運転速度に比例し、印刷機の運転速度を速くすると、オシレーションローラ18も軸方向に高速で移動して、インキの供給の際には、インキが霧状になって飛散する、所謂ミスチングが発生するという問題が生じる。
【0007】
また、駆動レバー16の揺動時、そのレバーの端部に設けられたローラ17はオシレーションローラ18の軸心に対する偏心位置を押圧してオシレーションローラ18を軸方向に移動させるため、オシレーションローラ18には偏荷重が作用してオシレーションローラ18をスムーズに軸方向に移動させることができず、印刷機の高速運転時にオシレーションローラ18の軸方向の荷重が大きくなり、そのオシレーションローラ18を支持するフレームの剛性を高めなければならないという問題もある。
【0008】
この発明の課題は、オシレーション駆動のタイミングおよびオシレーションの速度を自由に調整することができる簡単な構造のオシレーションローラの駆動装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、インキあるいは水を版胴に供給する複数のローラから成るローラ列に、オシレーションローラを組込み、そのオシレーションローラを回転状態において軸方向に往復動させるようにした印刷機におけるオシレーションローラの駆動装置において、前記オシレーションローラをタイマ制御されるエアシリンダにより往復動させるようにした構成を採用したのである。
【0010】
上記のように、タイマ制御されるエアシリンダによってオシレーションローラを軸方向に移動させることにより、オシレーション駆動のタイミングを自由に調整することができると共に、オシレーションの速度もスピードコントローラにより調整することができ、部品点数の少ない簡単な構成の駆動装置を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は版胴Aに水を供給する水供給装置の概略を示す。図示のように、水だめ1の貯水中には水元ローラ2の外周一部が漬かり、その水元ローラ2の回転によってその表面に付着する水はオシレーションローラ3を介して水着けローラ4に渡され、その水着けローラ4から版胴Aに供給される。
【0012】
図2に示すように、オシレーションローラ3のローラ軸3aは左右のフレーム5に取付けられた軸受6によって回転自在に、かつ軸方向に移動自在に支持されている。
【0013】
オシレーションローラ3のローラ軸3aの一端部にはシリンダ連結板7がローラ軸3aに対して相対的に回転自在に支持されている。シリンダ連結板7の両端部には一対のエアシリンダ8が連結され、各エアシリンダ8のピストンロッド8aが前記フレーム5に連結されている。一対のエアシリンダ8は、タイマ制御されて同時に伸縮するようになっており、スピードコントローラによって伸縮速度が調整されるようになっている。
【0014】
オシレーションローラ3と水着けローラ4のそれぞれは、図示省略したギヤ伝動機構によって回転駆動されるようになっている。また、水着けローラ4は版胴Aに対して接触・離反可能に支持され、印刷しない場合には版胴Aに対して離反する位置に保持されるようになっている。
【0015】
上記の構造から成る水供給装置において、版胴Aに対する水の供給は、水元ローラ2、オシレーションローラ3および水着けローラ4を回転し、水元ローラ2の外周に付着する水をオシレーションローラ3から水着けローラ4に渡し、その水着けローラ4から版胴Aに供給する。このとき、エアシリンダ8を作動させ、オシレーションローラ3を軸方向に所定ストローク往復動させて水膜の平滑化を図る。
【0016】
ここで、オシレーションローラ3を軸方向に往復動させるエアシリンダ8はタイマ制御されるため、オシレーション駆動のタイミングを自由に調整することができると共に、オシレーションの速度(軸方向の移動速度)もスピードコントローラによって自由に調整することができる。
【0017】
このように、オシレーションローラ3の駆動のタイミングおよびオシレーション速度を印刷機の運転速度に無関係に調整することができるため、印刷機の高速運転時において、オシレーションローラ3の軸方向移動速度を適正に調整することによって、水が霧状になって飛散するのを防止することができる。
【0018】
実施の形態のように、オシレーションローラ3を対称位置に設けた一対のエアシリンダ8によって軸方向に往復動させることにより、オシレーションローラ3を軸方向にきわめて円滑に往復動させることができ、軸方向移動速度を速くしても軸方向荷重が大きく変化することはなく、軸受6を支持するフレーム5の剛性を高めることもない。
【0019】
実施の形態では、水供給装置のオシレーションローラの駆動を例にとって説明したが、インキ供給装置のオシレーションローラをエアシリンダによって軸方向に往復動させるようにしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、オシレーションローラをエアシリンダによって軸方向に往復動させるようにしたので、クランク運動によってオシレーションローラを軸方向に往復動させるようにした駆動装置に比較して、駆動装置の構成の簡素化を図ることができると共に、オシレーション駆動のタイミングやオシレーション速度を自由に調整することができ、平滑化された均一の膜厚の水あるいはインキを版胴に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る駆動装置を採用した水供給装置の概略図
【図2】図1に示すオシレーションローラの駆動装置を示す平面図
【図3】従来のオシレーションローラの駆動装置を示す断面図
【符号の説明】
A 版胴
3 オシレーションローラ
8 エアシリンダ
Claims (1)
- インキあるいは水を版胴に供給する複数のローラから成るローラ列にオシレーションローラを組込み、そのオシレーションローラを回転状態において軸方向に往復動させるようにした印刷機におけるオシレーションローラの駆動装置において、前記オシレーションローラのローラ軸の一端部にシリンダ連結板を支持し、このシリンダ連結板の両端に一対のエアシリンダを連結し、このエアシリンダのピストンロッドを、オシレーションローラのローラ軸を回転自在に、かつ軸方向に移動自在に支持するフレームに連結し、エアシリンダをタイマ制御することにより、オシレーションローラを往復動させるようにしたことを特徴とする印刷機におけるオシレーションローラの駆動装置。
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- 2001-10-12 JP JP2001315255A patent/JP3779190B2/ja not_active Expired - Fee Related
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