JP3779106B2 - モジュール構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子・電気部品を搭載したセラミックス回路基板を放熱板を介して放熱フィン或いは放熱ブロック等の放熱部品に一体に密着させてなるモジュール構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体素子等の電子・電気部品を搭載するための回路基板として、セラミックス基板や樹脂基板等の種々の絶縁性基板が用いられているが、近年の回路基板の小型化、半導体素子の高集積化が進むに従い、これらの基板材料の放熱特性の一層の向上が望まれている。前記セラミックス基板に用いられている材料としては、アルミナ(Al2O3)、ベリリア(BeO)を添加した炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)等が知られている。
【0003】
セラミックス基板を回路基板やパケージ用基体等として用いる場合、半導体素子からの発熱を回路基板裏面等に設けられるヒートシンクと呼ばれる放熱板を介して外部の放熱フィンや放熱ブロックに発散させることで、半導体素子の温度上昇を防止し、動作特性を確保している。
【0004】
ヒートシンク(以下、放熱板という)として銅(Cu)等を用いると、セラミックス基板と放熱板の熱膨張差に起因して、加熱接合時や実使用条件下で受ける熱サイクル等により、セラミックス基板或いはセラミックス基板と放熱板を接合している半田にクラックや割れ等が生じることがある。そのため、セラミックス基板を信頼性が要求される分野に用いる場合には、セラミックス基板と熱膨張差の小さいモリブデン(Mo)、タングステン(W)等の高融点金属を放熱板として用いていた。しかし、MoやW製の放熱板は、MoやWが重金属であるために重量が重く、放熱部品の軽量化が望まれる用途には好ましくないし、高価である。
【0005】
上記の事情から、銅やアルミニウム合金を無機質繊維または粒子で強化したMMC(Metal Matrix Composite)と略称される金属−セラミックス複合体(以下、単に複合体ともいう)が注目されている。この複合体は、一般には、強化材である無機質繊維あるいは粒子を、あらかじめ成形することでプリフォームを形成し、そのプリフォームの繊維間あるいは粒子間に基材(マトリックス)である金属を含浸或いは溶浸させて得られる。強化材として、アルミナ、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、シリカ(SiO2)、炭素等のセラミックスが用いられる。
【0006】
しかし、前記の金属−セラミックス複合体においては、強化材であるセラミックスとマトリックスである金属の濡れ性や界面の反応層等が熱伝導率に大きく寄与する。更に、マトリックスと強化材の結合が不十分であると、複合体の強度低下をももたらすという問題がある。
【0007】
前記の複合体において、熱伝導率を上げようとする場合、強化材及び合金として熱伝導率の高い物質を選択する必要があり、炭化珪素−アルミニウム合金の複合体が主に研究されている。
【0008】
さらに、セラミック基板と放熱板との接合にはSn/Pb半田が一般的に用いられるが、Pbを含む半田の使用は環境問題から敬遠され、Pbフリー半田への移行あるいは、半田を使用しない構成等が検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、放熱板として、MoやW等の重金属材料を用いる場合には、放熱部品の重量が重くなると共に、放熱性に関しても必ずしも十分でないという問題があるし、比較的軽量で放熱性に優れるCuやAl等を放熱板として用いる場合には、セラミックス基板との熱膨張差が大きく、信頼性の高い構造を得るためには接合構造自体が非常に複雑になってしまい、その結果、製造コストの増加や放熱部品としての熱抵抗の増加等を招くといった問題があった。また、セラミック基板を放熱板にSn/Pb半田で接合するため、廃棄後の環境への影響が問題である。
【0010】
そして、上記の課題を解決するため、金属−セラミックス複合体を放熱板として用いるとともに、Sn/Pb半田を使用しないモジュール構成が検討されている。放熱板に関しては、セラミックス基板に近い熱膨張率を得ようとすると、熱膨張率の低い強化材であるセラミックスの比率を上げる必要がある。しかし、セラミックス成分の比率を上げるには、高い成形圧でプリフォームを成形する必要があり、コストアップに繋がると共に、その後のアルミニウム合金等の金属の十分な含浸が難しくなるという問題がある。
【0011】
更に、いずれの材質の放熱板を用いる場合であっても、セラミックス回路基板が放熱板と半田溶着し、更に放熱板を放熱フィン等の他の放熱部品にネジ止め固定して、一体型の構造体(以下、モジュール構造体という)として用いられるのが一般的であるが、この場合に、前記放熱板と放熱フィン等の他の放熱部品との接合面において、密着性が充分でなく、そのために前記モジュール構造体としての熱放散性が充分でなく、セラミックス回路基板に搭載された半導体素子の誤動作を発生しやすくなる等の問題がある。
【0012】
また、Pb含有の半田を使用しない構成に関しては、セラミックと金属を接合する技術を用いて、セラミック基板或いはセラミック板を放熱板にロウ接することが検討されている。しかしながら、セラミックと放熱板とのわずかの熱膨張差によってロウ接後の冷却過程でセラミック基板面が凸になる反りを生じる。これに半導体素子等の電子部品を搭載してモジュール化し、放熱フィンにグリースを介して締め付けた場合、ロウ接で生じた反り部の密着が確保できない。このため、大きな熱の抵抗となり、半導体素子の熱破壊を招くという問題がある。
【0013】
本発明は、従来技術の事情に鑑みてなされたものであって、熱放散性に優れ、信頼性に富むモジュール構造体を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、電気部品を搭載したセラミックス回路基板が、放熱板とロウ接され、放熱フィン或いは放熱ブロック等の放熱部品に一体に密着されてなるモジュール構造体であって、前記放熱板の放熱部品側の面の外周の一部に、放熱部品側に突き出たリブ構造を有することを特徴とするモジュール構造体であり、より具体的には、放熱板が銅やアルミニウム又はその合金を無機繊維や粒子で強化した金属セラミックからなるもので、セラミック回路基板とのロウ接で発生する好ましくない反りを、リブが補償する役割を担うことを特徴とする前記のモジュール構造体であり、更に好ましくは、リブの高さが0.05〜0.3mmであることを特徴とする前記のモジュール構造体である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記従来技術に鑑みていろいろ実験的検討を重ねた結果、従来技術においては、セラミックス回路基板を放熱フィン或いは放熱ブロック等の放熱部品に放熱板を介して取り付ける際に、放熱板の放熱部品と接する面の中央が凸の形に反っていることが望ましいとされている。これは、放熱部品に取り付けた際に、十分なグリースとの密着が確保できるという理由による。このため、モジュールを組上げた時、放熱板の放熱部品と接する面の中央が放熱部品側に凸の反りを示す様、予め放熱板を大きく反らして供するということで対処しているのが現状である。
【0016】
しかしながら、放熱板とセラミック基板をロウ接するタイプの構成については、ロウ接後の冷却過程で好ましい方向とは逆の反りを呈してしまう。そのために、グリースを介して放熱部品に締め付けた際に、十分な密着が確保できず、信頼性の高いモジュールを得ることができなかったが、特殊構造を有する放熱板を用いるときに、前記不具合なく、良好な密着が確保できることを発見し、本発明に至った。
【0017】
本発明においては、放熱板がその放熱部品側の面の外周の一部に、放熱部品側に突き出たリブ構造を有することを特徴としている。この構造を有するが故に、グリースを介して放熱部品に押圧固定するとき、押圧固定する力を受けて放熱板が変形し、固定化された際にはその中央部に引っ張り応力が作用し、中央部が放熱部品に押さえつけられる形で固定されるので、放熱部品に強く密着し、熱放散性に優れ、高信頼性のモジュールを得ることができる。
【0018】
本発明において、前記固定用治具のリブの高さが0.05〜0.3mmであることが好ましい。リブ高さが0.05mm未満では本発明の効果が充分に達せられないことがあるし、0.3mmを越える場合は、締め付け時に放熱板が割れることがあるからである。
【0019】
【実施例】
〔実施例1〕
130×80×3mmの炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸して得たMMC(Al/SiC複合体)を用意し、四角に直径7mmの貫通穴を形成した後、平面加工して、外周部の絶縁部品と接する側に2mm幅、5mm長さ、0.1mm高さのリブ(突起部)を設け、放熱板とした。
【0020】
次ぎに、45mm×45mm×0.635mmの窒化アルミニウム基板に35mm×35mm×300μmのAl箔を接合した回路基板2枚を、前記放熱板にAlロウ材を用いてロウ接した。冷却後、放熱板の反りを測定すると、90μmであった。尚、本発明に於いて、Alロウ材とは、AlもしくはAl合金と金属やセラミックとを接合するための接合材で、被接合材の融点以下の温度で溶融し、両者を接合させるものをいう。具体的には、Al-Si組成物、Al−Si−Mg組成物、Al−Cu組成物、Al−Cu−Mg組成物、Al−Cu−Ge−Mg組成物、Al−Ge−Mg組成物、Al−Zn組成物等が知られている。これらのものは、各金属粉末を混合してペースト化したもの、各組成物の合金粉末をペースト化したもの、各組成物の合金箔等の形態で供給される。使用に際しては、被接合物間に介在させて使用するが、押圧することで、さらに強固な密着が得られる。本実施例では、Al−Ge−Mg系ペーストロウ材を用いた。
【0021】
次ぎに、50μm厚の放熱グリースを塗布したAl製ブロック(150mm×100mm×20mm)に直径6mmのネジを用いて、6Nの締め付け力で固定した。1時間放置後にネジを外して、放熱部品から剥離、放熱板の放熱部品と接触する面のグリースの付着状況を観察した。未着部分は長手方向の中央側部に2箇所(1箇所当たり1cm2程度)認められたのみで、熱伝達に殆ど影響しない程度と判断され、良好な密着状況を示した。
【0022】
〔比較例1〕
リブの無い放熱板を用いたこと以外は、実施例と同じ操作と評価を行い比較例としたところ、セラミックス基板の放熱部品側の面の長手方向の中央部全域にわったって約25cm2のグリース未着部分が認められた。
【0023】
〔実施例2〕
130×80×3mmの炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸して得たMMC(Al/SiC複合体)を用意し、四角に直径7mmの貫通穴を形成した後、平面加工して、外周部の絶縁部品と接する側に2mm幅、5mm長さ、0.15mm高さのリブを設け、放熱板とした。
【0024】
次ぎに、45mm×45mm×0.635mmの窒化珪素基板の両面を35mm×35mm×300μmのAl箔と50μm厚のAlロウ箔で挟み、これを、Alロウ箔を介して前記放熱板上に置いた後、加圧しながらロウ接を行った。冷却後放熱板の反りを測定すると、110μmであった。
【0025】
次ぎに、50μm厚の放熱グリースを塗布したAl製ブロック(150mm×100mm×20mm)に直径6mmのネジを用いて、6Nの締め付け力で固定した。1時間放置後にネジを外して、放熱部品から剥離、放熱板の放熱部品と接触する面のグリースの付着状況を観察した。未着部分は長手方向の中央側部に2箇所(1箇所当たり1cm2程度)認められたのみで、熱伝達に殆ど影響しない程度と判断され、良好な密着状況を示した。
【0026】
〔比較例2〕
リブの無い放熱板を用いたこと以外は、実施例2と同じ操作と評価を行い比較例としたところ、セラミックス基板の放熱部品側の面の長手方向の中央部全域にわったって約25cm2のグリース未着部分が認められた。
【0027】
【発明の効果】
本発明のモジュール構造体は、半田破壊の不安を無くし、モジュールと放熱部品との密着をも確保できるようした。従って、熱放散性に優れ、信頼性に優れるという特徴を有する。
Claims (3)
- 電気部品を搭載したセラミックス回路基板が、放熱板とロウ接され、放熱フィン或いは放熱ブロック等の放熱部品に一体に密着されてなるモジュール構造体であって、前記放熱板が銅やアルミニウム又はその合金を無機繊維や粒子で強化した金属セラミックからなり、前記放熱板の放熱部品側の面の外周の一部に、放熱部品側に突き出たリブ構造を有し、グリースを介して放熱部品に押圧固定するとき、押圧固定する力を受けて放熱板が変形し、固定化された際にはその中央部に引っ張り応力が作用し、中央部が放熱部品に押さえつけられる形で固定されるので、放熱部品に強く密着することを特徴とするモジュール構造体。
- 前記放熱板が、炭化珪素質多孔体にアルミニウムを主成分とする金属を含浸して得たA l /S i C複合体であることを特徴とする請求項1記載のモジュール構造体。
- 前記放熱板のリブの高さが0.05〜0.3mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のモジュール構造体。
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