JP3777944B2 - 熱間連続圧延機における走間板厚変更制御方法 - Google Patents

熱間連続圧延機における走間板厚変更制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間連続圧延機における走間板厚変更制御方法に関し、特に板厚変更部が複数のスタンドにまたがる場合、また、板厚変更中に加減速圧延を実施する場合に対する、安定な走間板厚変更制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間連続圧延機において圧延中に出側板厚目標値を変更し、一つのスラブから複数のコイルを製造する、また、複数のコイルを溶接してつなぎ、圧延を停止することなく連続的に相異するサイズのコイルを圧延する走間板厚変更方法は一般に公知である。この走間板厚変更方法において、変更点が各スタンド間を通過しているときの設定は、圧下位置に関しては、変更点が通過した時点で次材の設定値へ変更し、ロール速度に関しては、変更点より下流のスタンドでは、現材の設定値を保ち、変更点より上流のスタンドでは、板材に裂け目や弛みが発生せず円滑な速度変更できるように、次材設定の各スタンド間の速度比となるように各スタンド通過するごとに順次変更する。しかし、前記のような変更はタイミングよく瞬時にできれば問題は生じないが、実際には、圧下と速度制御系の応答速度が違うので、新たに制御系の応答を合せる制御が必要となる。そのため、例えば、特公昭63−52963号、特開平06−170423号および特開平10−249423号の公報では、圧下とロール速度の応答を合せる方法を提案している。それらの方法では、圧下位置とロール速度のうち、応答の速い方の指令値を応答の遅い方に合せるようにしている。その結果、板厚変更部はある長さのテーパー状となり、変更量が大きく、圧延速度が大きい場合には、テーパー部の長さはスタンド間距離よりも長くなる場合が生じ、当該スタンドの圧下と速度変更が終了しないうちに次スタンドの変更を始める必要がある。そのため、例えば、特公平03−10404号公報では、板厚変更点がj番目のスタンドに到達したときにおける第i番目スタンドのロール間隙及びロール速度の設定変更量を、各スタンド別々に予め計算しておき、更に板厚変更点がj番目のスタンドに到達すると同時に0から1にランプ関数状に変更する制御パラメータを各スタンドのロール間隙、ロール速度ごとに持ち、上記のj番目のスタンドに到達した時の設定変更量と制御パラメータを乗算して第i番目スタンドのロール間隙及びロール速度の変更量命令値を求め、さらに全スタンドにわたり加算することにより第i番目スタンドの命令値を計算して、ロール間隙とロール速度を制御するような方法を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特公平03−10404号公報の方法では、各スタンドのロール間隙及びロール速度を指令として板厚変更を行っおり、ロール間隙を指令値として使う場合、制御系のパラメータ設定やロール間隙の設定計算誤差などによりスタンドの出側板厚変更精度が低くなるいう問題が存在する。また、0から1にランプ関数状に変更する制御パラメータを時間で管理する(例えば、各スタンドの変更時間を同じにする)方法は一般的であり、圧延速度が一定である場合、問題はないが、実際の圧延では板厚変更中に加減速することがある。その場合設定変更時間に対する各スタンドの板厚変更テーパー部の長さは圧延速度の変化に応じてばらばらになり、スタンド間張力が大きく変動することにより予定通りの板厚変更はできなくなるだけではなく、板切断などのトラブルを引き起こす恐れもある。また、前記従来技術では、各スタンドロール速度の変更量の設定値は変更前後のロール速度設定スケジュール(絶対値)から直接計算されている。走間板厚変更中に加減速が実施されると想定して変更前後のロール速度スケジュールを設定する場合、圧延中に板厚変更と加減速のタイミングをうまく合わせないと、各スタンドで予定した速度変更量と実際必要な速度変更量の値が合わなくなり、予定通りの走間板厚変更はできなくなる。走間板厚変更中に加減速の実施を想定しないで変更前後のロール速度スケジュールを設定する場合、実際圧延中に加減速が要求されるときの対応はできない問題も存在する。
【0004】
本発明は前記のような問題点を解決し、板厚変更のテーパー部が複数のスタンドにまたがっても、また、板厚変更中に加減速圧延が実施されても、安定で、かつ、高精度な走間板厚変更方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は次の発明により解決される。本発明の請求項1に係わる発明は、複数のスタンドを有する熱間連続圧延機で、スタンドの出側板厚を目標に制御する自動板厚制御装置及びロールの回転速度を調整する速度制御装置を備え、圧延材を圧延しながら、圧延の目標設定値を変更し、圧延機出側板厚を圧延中に変更する走間板厚変更制御において、板厚変更開始点がiスタンド(iはスタンド番号であり、i=1〜n(nは圧延機のスタンド数を示す))に到達してから、iスタンドの板厚目標値及びロール速度目標値を予め決めたパターンで変更すると同時に、iスタンドより上流側または下流側のスタンドのロール速度も変更するようにし、前記板厚変更開始点がiスタンドに到達してから、板厚変更終了点がiスタンドを通過するまでの全過程における圧延機全スタンドの状態を一つのステージとして、圧延機スタンド数と同数のステージを設定し、圧延する前に、前記設定された全てのステージに対し、予め各ステージにおける各スタンドの板厚設定変更量及び速度設定変更量をそれぞれ設定計算しておき、また、iスタンドにおいて、変更開始点からの既圧延長、出側板厚及び板幅の実績から既圧延部分の体積を求め、該既圧延部分の体積の、変更部の圧延材総体積(変更開始点から変更終了点までの全体)に対する比をステージ進捗率として各ステージごとに持つようにし、走間板厚変更を行う際には、前記各ステージに対して、順に番号を付与したステージ番号を管理しながら、ステージ進捗率を計算し、前記各スタンドの板厚設定変更量及び速度設定変更量に対応のステージ進捗率を乗算し、各スタンドごとに全ステージ分の総和を計算することにより各スタンドの板厚及びロール速度変更指令値を求めることを特徴とする熱間連続圧延機の走間板厚変更制御方法である。
【0006】
本発明の請求項2に係わる発明は、前記ステージ進捗率の計算において、各スタンド板厚変更開始点から終了点までの変更部の圧延材総体積量を同じ値に設定することを特徴とする請求項1記載の熱間連続圧延機の走間板厚変更制御方法である。
【0007】
本発明の請求項3に係わる発明は、前記各ステージにおける各スタンドの板厚設定変更量及び速度設定変更量の設定計算は、板厚変更前後各スタンドの速度が最終スタンドの速度に対する比の変更量で求めることを特徴とする前記請求項1または2記載の熱間連続圧延機の走間板厚変更制御方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の詳細を説明する。走間板厚変更前の圧延材をA材とし、変更後の圧延材をB材として、第i−1スタンド、第iスタンド、及び第i+1スタンドを示しており、第iスタンドと第i+1スタンドの板厚変更に対して説明するが、連続圧延機の他のスタンドに対して同じように考えることができる。
【0009】
図1は、走間板厚変更を実施する前のA材を圧延する時の状態である。その時、各スタンドにおける板厚及びロール速度はA材スケジュールの設定値であり、(1)式で表される。
【0010】
【数1】
Figure 0003777944
【0011】
ここで、iはスタンド番号であり、i=1〜n(nは圧延機のスタンド数を示す)の値を取る。
【0012】
図2は、第iスタンド板厚変更開始直後の状態を示している。本発明の走間板厚変更方法は、変更点がiスタンドに到達するとき、iスタンドの圧下変更を実施して板厚の変更を行うと同時に、板厚変更により先進率の変化を吸収するために、iスタンド及びiスタンドより上流側スタンドのワークロール速度変更も実施する。ここで、iスタンドにおける板厚変更の開始点から終了点までの全過程を一つのステージとし、これをjステージと呼ぶ。このjステージにおいて、板厚及びロール速度の変更は次のように実施される。
【0013】
板厚変更では、変更開始点がiスタンドに到達してから、板厚変更指令を予め設定したパターンで出力し、ロールの圧下位置を変更する。変更終了点がiスタンドに到達するとき、板厚の変更を完了し、iスタンドの出側板厚設定値はA材の板厚設定値hAiからB材の板厚設定値hBiに、(2)式のように変更される。
【0014】
【数2】
Figure 0003777944
【0015】
ロール速度変更では、変更開始点がiスタンドに到達してから変更終了点がiスタンドに到達するまで、各スタンドのロール速度変更指令を予め設定したパターンで出力してロールの回転速度を変更するが、jステージにおいて、各スタンドのロール速度変更は各スタントがiスタンドとの相対位置によって違う。
iスタンドより下流側のスタンドでは、板厚の変更は実施されていないため、板厚及びロール速度の設定値は変わることなく、(3)式のようにA材の設定スケジュールをそのまま保持する。
【0016】
【数3】
Figure 0003777944
【0017】
iスタンドでは、板厚変更は実施されるので圧延材の先進率はA材の先進率fAiからB材の先進率fBiに変化し、出側板速度も先進率の変化に従って変動する。iスタンドでの板厚変更を下流側のスタンドに影響を与えないようにするには、iスタンドのロール速度を変更し、先進率変化による出側板速度の変動を打ち消して出口の板速度を不変にする必要がある。そのため、jステージ終了時のiスタンドのロール速度は(4)式のようになる。
【0018】
【数4】
Figure 0003777944
【0019】
iスタンドより上流側のスタンドでは、マスフロー一定則を保つため、iスタンドのロール速度変更に応じて自スタンドのロール速度変更が必要となる。iスタンドより上流側のスタンドの板厚変更は完了しており、出側板厚はB材の設定値となっているので、スタンド間の速度比はB材の速度比に等しいはずである。そのため、jステージ終了時の各ロール速度は次式のようになる。
【0020】
【数5】
Figure 0003777944
【0021】
従ってjステージにおける板厚及びロール速度の変更量は式(6)と式(7)のように計算できる。
【0022】
【数6】
Figure 0003777944
【0023】
【数7】
Figure 0003777944
【0024】
前記iスタンドjステージの板厚変更方法を用いて、連続圧延機の1スタンドからnスタンドまで順次板厚及びロール速度の変更を実施することにより圧延機を停止することなく、走間板厚変更ができる。その走間板厚変更の過程中で、任意のjステージ変更を実施後、各スタンドの板厚及びロール速度の設定値は次のようになる。
【0025】
出側板厚:
【数8】
Figure 0003777944
【0026】
ロール速度:
【数9】
Figure 0003777944
【0027】
従って、jステージにおける各スタンドの板厚及びロール速度変更量は次のように求められる。
【0028】
【数10】
Figure 0003777944
【0029】
【数11】
Figure 0003777944
【0030】
前記の各ステージにおける各スタンドのロール速度及びその変更量はワークロールの回転速度設定値で計算されており、走間板厚変更中に加減速が実施される場合、その値が合わなくなり、予定通りの走間板厚変更はできなくなる。この問題を解決するため、本発明は各ステージにおける各スタンドのロール速度及びその変更量をワークロールの回転速度ではなく、各スタンドの速度が最終端のn番目のスタンドの速度に対する比で設定するようにする。具体的には、下記式のように計算する。
A材及びB材におけるスタンド間の設定速度比:
【0031】
【数12】
Figure 0003777944
【0032】
【数13】
Figure 0003777944
【0033】
各ステージにおける各スタンドの速度比:
【0034】
【数14】
Figure 0003777944
【0035】
各ステージにおける各スタンドの速度比変更量:
【0036】
【数15】
Figure 0003777944
【0037】
各ステージにおける各スタンドのロール速度変更量は前記式(15)の速度比変更量に各スタンドのロール速度実績を乗算すればよい。
【0038】
【数16】
Figure 0003777944
【0039】
走間板厚変更を行う前に、セットアップ計算で予め各ステージにおける各スタンドの板厚変更量及びロール速度比変更量を前記のように計算しておき、走間板厚変更を行うとき、任意の変更ステージに対して、そのステージにおける各スタンドの板厚変更量及びロール速度変更量を指令値として圧下位置及びロールの回転速度を変更すればよい。
【0040】
しかし、もしも瞬時に前記のような板厚及びロール速度変更が同時に行われることができれば問題は生じないが、実際には、板厚及びロール速度制御系の応答速度に限界があり、瞬時変更(例えば指令値をステップ状に出力する)はできない。そのため、指令値をランプ状に出力し、さらに板厚及びロール速度制御系の応答を一致させる様々な解決策が公知である。本発明では、指令値をランプ関数状に出力するのではなく、板厚変更部の進捗率実績に応じて変更指令を出力するようにする。ただし、制御系応答に合せる方法は公知のいずれの方法においても適用できるものとする。指令値出力制御パラメータについて本発明は、板厚変更ステージに応じてステージ進捗率を導入し、各ステージにおいて板厚変更の既完成率(既変更部分が板厚変更部全体に対する比率)を当該ステージの進捗率としてステージごとに持ち、この進捗率を用いて指令値を出力する。具体的には、jステージにおいて、変更開始点がiスタンドに到達してから、iスタンド出口の板速度実績vi、板幅実績wi、及び板厚実績hiを用いて変更開始点からの既変更部の体積をリアルタイムに計算し、この体積が予め設定した変更部の総体積に対する比率をステージの進捗率とする。さらに、各スタンドにおける板厚変更テーパー部の総体積を同じ値に設定する。ステージの進捗率は速度実績で計算されるので、板厚変更中に加減速を実施しても問題なく、各スタンドにおいて圧延材上の同じ開始点と終了点内で板厚変更ができる。以下、体積及びステージ進捗率の計算式を示す。
【0041】
【数17】
Figure 0003777944
【0042】
【数18】
Figure 0003777944
【0043】
【数19】
Figure 0003777944
【0044】
ここで、Diはiスタンド既変更部の体積、Dは変更部の総体積、Wは仕上げ板幅設定値、hは仕上げ板厚設定値、Lは板厚変更オフゲージ長設定値で、Rpはjステージの進捗率である。ただし、この場合、j = iである。jステージにおける各スタンドの板厚及びロール速度変更指令値を次の式により算出する。
【0045】
【数20】
Figure 0003777944
【0046】
【数21】
Figure 0003777944
【0047】
前記のように、板厚とロール速度の変更指令値をステージ進捗率実績に応じて出力することにより変更部はテーパー状となり、変更量が大きく、圧延速度が高い場合、そのテーパー部の長さがスタンド間の距離より長くなり、変更部は2つ、または複数のスタンドにまたがっている場合が生じる。
【0048】
図3にi+1スタンド板厚変更開始後の状態を示している。iスタンドと同様に、i+1スタンドにおける板厚及びロール速度の変更全過程をj+1ステージと呼ぶ。この場合、iスタンドの変更が終了していないうちに、i+1スタンドの変更が開始されているので、各スタンドにおいてjステージの変更を実施すると同時にj+1ステージの変更も実施する必要がある。例えば、図3に示すi−1スタンドの速度変更では、まず、jステージが開始してからiスタンドの速度変更に応じて速度変更を実施する。次に、j+1ステージ開始してから、前記iスタンドに応じる速度変更を実施すると同時に、i+1スタンドに応じる速度変更も必要なので、その結果、i−1スタンドの速度変更指令は次のようになる。
【0049】
【数22】
Figure 0003777944
【0050】
他のスタンドの変更指令も式(22)と同じように計算できる。すると、走間板厚変更中の任意の時刻における各スタンドの板厚及びロール速度変更指令は次のように算出できる。
【0051】
【数23】
Figure 0003777944
【0052】
【数24】
Figure 0003777944
【0053】
図4は本発明の走間板厚変更方法を実施する場合の制御系構成図である。図中に、1は変更前後の圧延材のスケジュール設定計算装置、2は走間板厚変更セットアップ計算装置、3は板厚変更制御装置、4は自動板厚制御装置、5はロール速度制御装置、6はギャップ位置制御装置、7は圧下装置、8は圧延ロール、9はロール回転駆動モータ、10は圧延材である。その中の2と3は本発明で提案する装置であり、この2つの装置での実施内容により本発明の走間板厚変更方法は2つの部分に分かれる。
【0054】
まず、走間板厚変更を実施する前では、変更前後の圧延材のスケジュール設定値を走間板厚変更セットアップ計算装置2に転送し、セットアップ計算装置2では、式(8)及び式(12)〜(14)を用いて表1、表2に示すような各ステージにおける各スタンドの板厚目標値及びロール速度比目標値を計算し、さらに、式(10)及び式(15)を用いて表3、表4に示すような各ステージにおける各スタンドの板厚変更量設定値及びロール速度比変更量設定値を計算する。
【0055】
次に、走間板厚変更を行う場合、板厚変更制御装置3では、式(17)〜(19)を用いて圧延時の板厚、板幅、速度の実績からステージ進捗率を計算し、式(23)のように前記各ステージにおける各スタンドの板厚変更量設定値及び進捗率実績から各スタンドの板厚変更指令値を計算する。その指令値を各スタンドの自動板厚制御装置4に出力し、板厚の変更を行う。それと同時に、式(24)のように各ステージにおける各スタンドのロール速度比変更量設定値及び進捗率実績から各スタンドのロール速度変更指令値を計算し、その指令値を各スタンドの速度制御装置5に出力してロールの回転速度を変更する。
【0056】
前記のように、連続圧延機において、1スタンドからnスタンドまで板厚変更を順次実施し、変更中の各ステージの進捗率を管理して当該ステージにおける各スタンドの板厚及びロール速度変更指令を算出し、さらに、全ステージの和を求め、その結果を各スタンドの板厚及びロール速度変更指令値として出力することにより板厚変更部が複数のスタンドにまたがっている場合、または、変更中に加減速圧延が実施される場合でも問題を生じることなく、安定に走間板厚変更ができる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の走間板厚変更方法を7スタンドを有する連続圧延機に実施する場合の例を示す。本実施例では、A材の仕上げ目標値3.0mm×820mm(板厚目標×板幅目標)を圧延中に圧延長50m以内でB材仕上げ目標値2.9mm×820mmに変更する。また、板厚変更中に圧延の加速も実施される。図5は前記圧延材の板厚変更を本発明の走間板厚変更方法により実施した結果である。板厚変更前のセットアップ計算では、表1〜4に示すように各ステージにおける各スタンドの板厚変更量及びロール速度比変更量を計算しておき、板厚変更時変更開始点トラッキングにより1スタンドから7スタンドまでの板厚変更を順次開始する。(a)は走間板厚変更中に計算された各ステージの進捗率で、この進捗率により各スタンドの板厚及びロール速度変更指令を算出し、それぞれ(b)と(c)に示すように板厚変更の進捗(即ち、圧延長)実績に応じて出力する。この例では、板厚変更部が複数のスタンドにまたがっており、例えば、3番目スタンドの板厚変更が終了する前に、4、5、6、7番目スタンドの板厚変更は既に開始されていることが分かる。前記のような変更指令により各スタンドの板厚及びロール回転速度が順調に変更され、その結果として、各スタンドの出側板厚実績を(d)に、ロールの速度実績を(e)に、スタンド間の張力実績を(f)に示す。この結果から、板厚変更中に圧延速度が加速されており、板厚変更部が複数のスタンドにまたがっても各スタンドの出側板厚実績が予定通りに変更され、しかも、スタンド間張力の変動も小さく、走間板厚変更が安定で実施されることが分かる。
【0058】
【表1】
Figure 0003777944
【0059】
【表2】
Figure 0003777944
【0060】
【表3】
Figure 0003777944
【0061】
【表4】
Figure 0003777944
【0062】
【発明の効果】
単一スタンドでの板厚変更及びそれに対応するロール速度(自スタンド及び上流、または、下流スタンド)変更の全過程を一つのステージとし、ステージ進捗率を圧延の実績で計算して、進捗率で各スタンドの板厚及びロール速度変更指令を出力するようになっているので、各スタンドでの板厚変更を完全独立に扱うことができ、板厚変更部が複数のスタンドにまたがっても予定の走間板厚変更がスムーズに実現でき、高速、大寸法の走間板厚変更ができる。また、板厚変更の指令値として、ロールの間隙ではなく、ロールの出側板厚目標値を用いるので、より高精度な板厚変更ができ、走間板厚変更の歩留が向上する。また、前記各ステージにおける各スタンドのロール速度変更量設定値は変更前後の速度スケジュールから直接求めた速度変更量の絶対値ではなく、変更前後各スタンドの速度が最終スタンドの速度に対する比の変更量で求めることにより、走間板厚変更中の加減速圧延もできるようにしている。さらに、前記ステージ進捗率を各スタンド既変更部の圧延材体積が変更部総体積設定値に対する比で管理し、各スタンドの変更部の圧延材総体積量を同じ値に設定するようにしているので、板厚変更中の如何なる圧延条件の変化があっても各スタンドにおける板厚変更は同じ圧延材の胴体部(すなわち、仕上げ出側換算で同じ圧延長)で実施することができ、より安定で、高精度な走間板厚変更が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走間板厚変更制御方法に係わる板厚変更前の状態を示す図である。
【図2】本発明の走間板厚変更制御方法に係わるiスタンド板厚変更時の状態を示す図である。
【図3】本発明の走間板厚変更制御方法に係わるi+1スタンド板厚変更時の状態を示す図である。
【図4】本発明の走間板厚変更制御方法に係わる制御系構成図である。
【図5】本発明の走間板厚変更制御方法を説明する実施例の結果図である。

Claims (3)

  1. 複数のスタンドを有する熱間連続圧延機で、スタンドの出側板厚を目標に制御する自動板厚制御装置及びロールの回転速度を調整する速度制御装置を備え、圧延材を圧延しながら、圧延の目標設定値を変更し、圧延機出側板厚を圧延中に変更する走間板厚変更制御において、
    板厚変更開始点がiスタンド(iはスタンド番号であり、i=1〜n(nは圧延機のスタンド数を示す))に到達してから、iスタンドの板厚目標値及びロール速度目標値を予め決めたパターンで変更すると同時に、iスタンドより上流側または下流側のスタンドのロール速度も変更するようにし、
    前記板厚変更開始点がiスタンドに到達してから、板厚変更終了点がiスタンドを通過するまでの全過程における圧延機全スタンドの状態を一つのステージとして、圧延機スタンド数と同数のステージを設定し、圧延する前に、前記設定された全てのステージに対し、予め各ステージにおける各スタンドの板厚設定変更量及び速度設定変更量をそれぞれ設定計算しておき、
    また、iスタンドにおいて、変更開始点からの既圧延長、出側板厚及び板幅の実績から既圧延部分の体積を求め、該既圧延部分の体積の、変更部の圧延材総体積(変更開始点から変更終了点までの全体)に対する比をステージ進捗率として各ステージごとに持つようにし、
    走間板厚変更を行う際には、前記各ステージに対して、順に番号を付与したステージ番号を管理しながら、ステージ進捗率を計算し、前記各スタンドの板厚設定変更量及び速度設定変更量に対応のステージ進捗率を乗算し、各スタンドごとに全ステージ分の総和を計算することにより各スタンドの板厚及びロール速度変更指令値を求めることを特徴とする熱間連続圧延機の走間板厚変更制御方法。
  2. 前記ステージ進捗率の計算において、各スタンド板厚変更開始点から終了点までの変更部の圧延材総体積量を同じ値に設定することを特徴とする請求項1記載の熱間連続圧延機の走間板厚変更制御方法。
  3. 前記各ステージにおける各スタンドの板厚設定変更量及び速度設定変更量の設定計算は、板厚変更前後各スタンドの速度が最終スタンドの速度に対する比の変更量で求めることを特徴とする前記請求項1または2記載の熱間連続圧延機の走間板厚変更制御方法。
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