JP3776206B2 - ペン型入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は図形及び文字を入力するペン型入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ装置等の入力装置としてはキーボード、マウス、デジタイザ、ライトペン及びタブレット等が用いられている。コンピュータ装置の小型化に伴い、携帯端末装置のニーズが高まり利用者も年々増加している。そこで、小型の入力装置が求められるようになった。
【0003】
キーボードの小型化にはヒューマンインターフェイスの点で限界があり、携帯端末装置の入力装置としては実用性が低い。また、マウスはポインティングデバイスとしては小型化が可能であるが、図形及び文字等の入力には適さない。
【0004】
このため、携帯端末装置の入力装置としてはタブレットとペンを用いたペン型の入力装置が多く採用されている。このタブレットを用いたペン型の入力装置をさらに小型化しようとした場合にはタブレットの大きさが問題となる。そこで、例えば特開平7-84716号公報に掲載されたデータ入力装置、特開平7-200127号公報に掲載された手書き入力装置及び特開平6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置のようなタブレットレスの入力装置が開発された。特開平7-84716号公報に掲載されたデータ入力装置は互いに直角に配置された振動ジャイロからの極性及び振幅を示す信号を基に装置の移動方向及び移動量を検出している。さらに、特開平7-200127号公報に掲載された手書き入力装置は2個の加速度センサからの信号を基に装置の移動方向及び移動距離を求めている。また、特開平6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置は、ジャイロと2個の加速度センサを有し、ジャイロを用いてペン軸のローテーションを計算し、計算したローテーションと2個の加速度センサからの信号を基に装置の移動方向及び移動距離を求めている。
【0005】
また、ペン軸と直交する平面上で直交する2方向の加速度を検出する加速度センサを2組備えた装置として、例えば特開平6-230886号公報に掲載されたペンシル型入力装置では、2組の加速度センサの出力を積分した後、加速度センサの取付け位置の影響を補正し、ペン先部の移動方向及び移動量を検出している。
【0006】
また、ペン型入力装置に関するものでなく、例えばゲーム機に利用され、人体頭部の移動速度、位置、姿勢等を検出するものであるが、特開平7-294240号公報に掲載された位置センサは、X軸方向,Y軸方向及びZ軸方向の加速度を検出する加速度センサとX軸周り,Y軸周り及びZ軸周りの角速度を検出するジャイロを備え、これらが検出した加速度及び角速度基にストラップダウン方式の演算を行って、頭部の移動速度、位置、姿勢及び向きを検出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7-84716号公報に掲載されたデータ入力装置は手首の回転動作を検出して移動方向及び移動距離を入力するものなので、図形等の入力には適さない。
【0008】
さらに、特開平7-200127号公報に掲載された手書き入力装置では、装置の傾斜に対する補正手段がないため、装置がダイナミックな傾斜を伴う場合には補正することができない。通常の筆記動作では装置のダイナミックな傾斜を伴うので、検出結果が不正確になる場合がある。
【0009】
また、特開平6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力装置では、ペン軸のローテーションを計算しているが、装置がダイナミックな傾斜を伴う場合には補正することができない。
【0010】
また、特開平6-230886号公報に掲載されたペンシル型入力装置では、加速度の積分を行なった後に補正をしているが、補正前の加速度を積分することにより、誤差に検出が困難になり、正確な補正ができない。また、ペン先部における加速度の検出成分がペン軸の傾斜により変化することを考慮していない。
【0011】
また、特開平7-294240号公報に掲載された位置センサは、頭部の移動速度、位置、姿勢及び向きを空間的に検出するものなので、複雑な演算処理を採用しているが、ペン型入力装置では装置の小型化が要求されているため、簡単な演算処理で正確に筆記面上の移動方向及び移動距離を検出しなければならない。
【0012】
また、ペン型入力装置において3個の加速度センサをペン先部に設けることは困難であり、加速度センサの取付け位置がペン先部から離れている場合、加速度センサがペン軸の傾斜運動による成分を拾ってしまう場合がある。このペン軸の傾斜運動による成分は大きく、検出精度に大きな影響を与えていた。
【0013】
また、加速度センサを用いて検出した加速度を基に筆記軌跡を検出するには積分演算処理を2回行なわなければならず、2回の積分演算処理による誤差が累積していた。特に測定時間が長くなるとその累積誤差が大きくなっていた。
【0014】
この発明はかかる短所を解消するためになされたものであり、筆記入力を簡単な構成で正確に検出する小型なペン型入力装置を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るペン型入力装置は、複数の加速度センサを有し、各加速度センサが出力した加速度を示す信号を基に装置の移動方向及び距離を検出するペン型入力装置において、ペン先部に加わる筆記面からの圧力を示す信号を検出する感圧センサを有し、高周波判別部と速度ゼロ検出部と速度補正部を有し、高周波判別部は各加速度センサからの加速度信号中に高周波成分が含まれているか否かを判別し、速度ゼロ検出部は高周波判別部による判別結果各加速度センサからの加速度信号中に高周波成分が含まれていないとき、及び感圧センサからの検出信号からペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出したときに、ペン先部が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別し、度補正部は速度ゼロ検出部によってペン先部が筆記面上での停止状態であることを検出すると、その検出した際における加速度を基に求めた速度がゼロになるようにその速度を補正して、補正した速度を基に装置の移動方向及び距離を検出し、累積誤差が発生することを防止する。
【0016】
また、ペン型入力装置は、感圧センサと3個の加速度センサと3個のジャイロと演算部を有し、感圧センサはペン先部に加わる筆記面からの圧力を示す信号を検出し、3個の加速度センサはそれぞれペン軸をZs軸としたペン座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の加速度を示す信号を出力し、3個のジャイロはそれぞれXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度を示す信号を出力し、演算部は初期回転角度演算部と筆記中回転角度演算部と座標変換演算部と速度演算部と高周波判別部と速度ゼロ検出部と速度補正部と移動量演算部を備え、初期回転角度演算部は静止状態において加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を基に装置の初期回転角度を算出し、筆記中回転角度演算部は初期回転角度演算部が算出した初期回転角度とジャイロを用いて検出した回転角速度を基に筆記中の回転角度を算出し、座標変換演算部は筆記中回転角度演算部が算出した筆記中の回転角度を基に各加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力加速度方向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度に変換し、速度演算部は座標変換演算部が座標変換して得た重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度を積分して、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を算出し、高周波判別部は各加速度センサ及び各ジャイロからの信号中に高周波成分が含まれているか否かを判別し、速度ゼロ検出部は高周波判別部による判別結果各加速度センサ及び各ジャイロからの信号中に高周波成分が含まれていないとき、及び感圧センサからの検出信号からペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出したときに、ペン先部が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別し、速度補正部は速度ゼロ検出部によってペン先部が筆記面上での停止状態であることを検出すると、その検出した際における速度演算部が算出した速度を基に重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度がゼロになるように速度演算部が算出した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を補正し、移動量演算部は重力座標系(Xg,Yg,Zg)における各軸方向の速度を基に装置の移動方向及び移動距離を算出して、ペン軸の傾斜による影響を除去するとともに速度の累積誤差が発生することを防止する。
【0017】
さらに、上記演算部は角加速度演算部と加速度補正部を備え、角加速度演算部は3個のジャイロを用いて検出した回転角速度から回転角加速度を求め、加速度補正部は3個のジャイロを用いて検出した回転角速度、角加速度演算部が算出した回転角加速度及び各加速度センサの取付位置を基に3個の加速度センサを用いて検出した加速度のペン先部を中心とした傾斜運動による加速度成分を算出し、算出した傾斜運動による加速度成分を基に加速度センサの取付け位置におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を補正してペン先部におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を求め、座標変換演算部は筆記中の回転角度を基に加速度補正部が補正して求めたペン先部のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に変換して、加速度センサの取付け位置がペン先部と離れていることに起因するペン軸の傾斜運動の影響を除去する。
【0024】
また、上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにリセットして、速度の累積誤差が発生することを防止する。
【0025】
また、上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように前回停止状態を検出してから今回停止状態を検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を補正して、さらに正確に速度の誤差発生を防止する。
【0026】
また、上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにするとともに、重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度変化及び速度変化が連続するようにスプライン補間による補正をして、ペン先部の軌跡を正確に検出できるようにする。
【0027】
また、上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにする補正量を算出し、算出した補正量を基に次ぎに停止状態であることを検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を補正する。
【0028】
また、上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように初期回転角度を補正して、速度検出の累積誤差をなくすとともに、ペン型入力装置の回転角度の検出誤差もなくす。
【0029】
また、上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように筆記中の回転角度を補正する。
【0030】
【発明の実施の形態】
この発明のペン型入力装置は、コンピュータ装置等に文字、記号及び図形等を入力するものある。ペン型入力装置は、静止状態において加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を基に装置の初期回転角度を算出し、算出した初期回転角度とジャイロを用いて検出した回転角速度を基に筆記中の回転角度を算出し、算出した筆記中の回転角度を基に各加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力加速度方向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度に変換し、変換した加速度を基にペン先部の移動方向及び移動距離を算出して、正確に筆跡の検出を行なうものである。
【0031】
ここで、上記処理には積分処理が含まれ、誤差を生じる場合がある。また、ペン軸の回転角度の検出誤差が生じ、重力加速度の成分を正確に除去できない場合もある。そこでこれらの影響をなくし、正確な移動量及び移動距離の算出を行なう。
【0032】
ペン型入力装置は、例えば3個の加速度センサと3個のジャイロと感圧センサと演算部を有する。3個の加速度センサはそれぞれペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の加速度を示す信号を出力する。3個のジャイロはそれぞれペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度を示す信号を出力する。感圧センサは、例えばペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出する。
【0033】
演算部は、例えばAD変換器とハイパスフィルタ(以後「HPF」という。)とローパスフィルタ(以後「LPF」という。)と静止判別部と初期回転角度演算部と回転角度変化演算部と筆記中回転角度演算部と角加速度演算部と加速度補正部と座標変換演算部と重力加速度除去部と速度演算部と高周波判別部と速度ゼロ検出部と速度補正部と移動量演算部を備える。AD変換器は加速度センサ、ジャイロ及び感圧センサからのアナログ信号をデジタル変換する。HPFは加速度センサ及びジャイロからの信号のうちペン先部と筆記面との摩擦により発生する高周波数成分を抽出する。LPFは加速度センサ及びジャイロからの信号のうちペン先部の移動により発生する低周波数成分を抽出する。静止判別部は、例えば各加速度センサ及び各ジャイロからの信号を基に静止状態か否かを判別する。
【0034】
初期回転角度演算部は静止状態において加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を基に装置の初期回転角度を算出する。回転角度変化演算部はジャイロを用いて検出したXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度を基に筆記中の回転角度の変化を算出する。筆記中回転角度演算部は初期傾回転角度演算部が算出した初期回転角度と回転角度変化演算部が算出した回転角度の変化を基に筆記中の回転角度を算出する。角加速度演算部は3個のジャイロを用いて検出した回転角速度から回転角加速度を求める。加速度補正部は3個のジャイロを用いて検出した回転角速度、角加速度演算部が算出した回転角加速度及び各加速度センサの取付位置を基に3個の加速度センサを用いて検出した加速度のペン先部を中心とした傾斜運動による加速度成分を算出し、算出した傾斜運動による加速度成分を基に加速度センサの取付け位置におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を補正してペン先部におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を算出する。座標変換演算部は筆記中の回転角度を基に加速度補正部が補正して求めたペン先部のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に変換する。重力加速度除去部は座標変換演算部が変換して得た重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度から重力加速度成分を除去する。速度演算部は重力加速度除去部が重力加速度成分を除去して得た加速度を積分して、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を算出する。
【0035】
高周波判別部はHPFを介して入力した加速度信号及び回転角速度信号のいずれかにペン先部と筆記面との摩擦による高周波数成分が含まれているか否かを判別する。速度ゼロ検出部は感圧センサを用いたペン先部に対する筆記面からの圧力及び高周波判別部の判別結果を基にペン先部が移動を停止したか否かを検出する。例えば高周波判別部がHPFを介して入力した加速度信号及び回転角速度信号のいずれにもペン先部と筆記面との摩擦による高周波数成分が含まれていないと判別する場合として、ペン先部が筆記面上で移動を停止している場合とペン先部が空中にある場合がある。この両者を判別できないと、ペン先部が筆記面上で移動を停止しているか否かを正確に検出することができない。そこで、速度ゼロ検出部は、高周波判別部がHPFを介して入力した加速度信号及び回転角速度信号のいずれにもペン先部と筆記面との摩擦による高周波数成分が含まれていないと判別した場合であって、かつ、感圧センサからの信号を用いてペン先部に対する筆記面からの圧力を検出したときを筆記軌跡の「曲がり角」等でペン先部が筆記面上で移動を停止している状態(停止状態)であると判別する。
【0036】
速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部が筆記面上で停止状態であることを検出すると、その検出した際における速度演算部が算出した速度がゼロになるように速度演算部が算出した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を補正する。ここで、速度演算部が算出した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度がゼロになるように補正する方法としては、例えば静止状態を検出した方向の速度をゼロにリセットし、ゼロにリセットしたことによって生じた誤差分を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度から引いたり、静止状態を検出した際の速度がゼロになるように前回静止状態を検出してから今回静止状態を検出するまでの重力座標系における速度を補正したりする。また、速度補正部は静止状態を検出した方向の速度がゼロになるように初期回転角度を補正しても良い。
【0037】
移動量演算部は重力座標系(Xg,Yg,Zg)における各軸方向の速度を基に装置の移動方向及び移動距離を算出して、装置の筆跡を正確に検出する。
【0038】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例のペン型入力装置1の構成図である。以下の説明では、図2に示すようにペン先部8を原点としペン軸9をZs軸とした座標系をペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)といい、ペン軸9と直交する2軸をXs軸及びYs軸として説明する。また、重力加速度方向に伸びる軸をZg軸とする座標系を重力座標系(Xg,Yg,Zg)といい、Zg軸と直交する2軸をXg軸及びYg軸という。さらに、筆記面とXg軸及びYg軸が成す面とは一致しているものとする。
【0039】
図に示すように、ペン型入力装置1は加速度センサ2a,2b,2c、ジャイロ3a,3b,3c、感圧センサ4、処理部5、記憶部6及び電源部7を有する。加速度センサ2a,2b,2cは、それぞれXs軸に平行なXsa軸方向,Ys軸に平行なYsa軸方向及びZs軸方向に向けて設けられ、Xsa軸方向,Ysa軸方向及びZsa軸方向の加速度(Axs,Ays,Azs)を示す信号を出力する。加速度センサ2a,2b,2cは、小型且つ高感度で加速度検出に対する直線性が良好なものであれば良く、ピエゾ抵抗方式のもの、圧電方式のもの又は静電容量方式のもののいずれでも良い。ジャイロ3a,3b,3cはそれぞれXs軸及びXsa軸に平行なXsb軸周り,Ys軸及びYsa軸に平行なYsb軸周り及びZs軸周りの回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を示す信号を出力する。ジャイロ3a,3b,3cはスケールファクタ(回転運動検出の正確さ)とドリフトレート(出力オフセットの安定度)が良好で小型なものであれば良く、回転ジャイロ、振動ジャイロ又は光学式ジャイロ等のいずれでも良い。感圧センサ4は、例えばペン先部8に取り付けられ、ペン先部8に加わる筆記面からの圧力の検出信号を出力する。
【0040】
処理部5は、図3に示すように入力部5aと演算部5bを備える。入力部5aは、AD変換器51a〜51gとHPF52a〜52fとLPF53a〜53fを備える。AD変換器51a〜51gは、それぞれ加速度センサ2a,2b,2c、ジャイロ3a,3b,3c及び感圧センサ4からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。HPF52a〜52fは、例えばほぼ10Hz程度のカット負不周波数でペン先部8と筆記面との摩擦力により生じる加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信号の高周波成分を抽出する。LPF53a〜53fはペン先部8と筆記面との摩擦力により生じる加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信号の高周波成分を遮断する。これは、ペン先部8と筆記面との摩擦により加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信号に高周波成分が発生するからである。
【0041】
演算部5bは、静止判別部54と初期回転角度演算部55と回転角度変化演算部56と筆記中回転角度演算部57と角加速度演算部58と加速度補正部59と座標変換演算部60と重力加速度除去部61と速度演算部62と高周波判別部63と速度ゼロ検出部64と速度補正部65と移動量演算部66を備える。静止判別部54は加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信号を基に静止中か否かを判別する。初期回転角度演算部55は、筆記開始の際に各加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度Axso,Ayso,Azsoを基に初期回転角度(φo,θo,Ψo)を算出する。回転角度変化演算部56はジャイロ3a,3b,3cが検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を基に回転角度の変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を算出する。筆記中回転角度演算部57は初期回転角度演算部55が算出した初期回転角度(φo,θo,Ψo)と回転角度変化演算部56が算出した回転角度の変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を基に筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を算出する。
【0042】
角加速度演算部58は3個のジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)から回転角加速度(dωxs/dt,dωys/dt,dωzs/dt)を算出する。加速度補正部59は3個のジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)、角加速度演算部58が算出した回転角加速度(dωxs/dt,dωys/dt,dωzs/dt)及び各加速度センサ2a,2b,2cの取付位置を基に、3個の加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axs,Ays,Azs)のペン先部8を中心とした傾斜運動による加速度成分を算出する。加速度補正部59は、算出した傾斜運動による加速度成分を基に3個の加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度(Axs,Ays,Azs)を補正して、ペン先部8におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度(Axos,Ayos,Azos)を算出する。
【0043】
座標変換演算部60は筆記中回転角度演算部57が算出した筆記中における回転角度(φ,θ,Ψ)を用いて、加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度(Axos,Ayos,Azos)を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度(Axog,Ayog,Azog)変換する。重力加速度除去部61は、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度(Axog,Ayog,Azog)から重力加速度gの成分を除去し、重力加速度gによる影響を除去する。速度演算部62は、重力加速度除去部61が重力加速度gの成分を除去した後の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における各軸方向の加速度(Axog,Ayog,Azog)を積分して、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における各軸方向の速度(Vxog,Vyog,Vzog)を算出する。
【0044】
ここで、上記構成のペン型入力装置1におけるペン先部8の移動方向及び移動量算出について説明する。
【0045】
最初に初期回転角度演算部55が、加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axso,Ayso,Azso)を基に初期回転角度(φo,θo,Ψo)を算出する場合について説明する。静止状態において各加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axso,Ayso,Azso)と初期回転角度(φo,θo,Ψo)との間には、次ぎの関係が成り立つ。
【0046】
【数1】
Figure 0003776206
【0047】
上記式から静止状態における初期回転角度φo,θoの絶対値が求まる。ここで、静止状態か否かは、静止判別部55が加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cの出力信号の時間変化を監視することにより判別する。また、初期回転角度Ψoは初期値をゼロにリセットする。
【0048】
ここで、2つの未知数φo,θoに対して3本の方程式が立てられるので、重力加速度gについても未知数として取り扱うことができ、重力加速度gの値を定義しなくともφo,θoの絶対値を算出することができる。また、重力加速度gの値を演算し、演算した重力加速度gの値をモニタし、この値が大きく変動した場合には警告等を発するようにしても良い。
【0049】
次ぎに、回転角度変化演算部56が筆記中の回転角度の変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を算出する場合について説明する。
【0050】
ジャイロ3a,3b,3cで検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を基に回転角度の変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を算出する微分方程式は、次式で表すことができる。
【0051】
【数2】
Figure 0003776206
【0052】
次ぎに、筆記中回転角度演算部57は、上記のようにして初期回転角度演算部56が算出した初期回転角度(φo,θo,Ψo)と回転角度変化演算部56が算出した筆記中の回転角度変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を基に、次式を用いて筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を算出する。
【0053】
【数3】
Figure 0003776206
【0054】
次ぎに、上記のようにして得た筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を基に各加速度センサ2a,2b,2cの出力を用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度(Axs,Ays,Azs)を重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度(Axg,Ayg,Azg)に変換する場合について説明する。
【0055】
筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)から重力座標系(Xg,Yg,Zg)に変換する際に用いる座標変換行列invE(φ,θ,Ψ)は次式で表すことができる。ここで、invE(φ,θ,Ψ)は行列E(φ,θ,Ψ)の逆行列を表すものとする。
【0056】
【数4】
Figure 0003776206
【0057】
ペン先座標系(Xs,Ys,Zs)でのXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の各加速度センサ2a,2b,2cの取付座標をそれぞれ(Xas,Yas,Zas),(Xbs,Ybs,Zbs),(Xcs,Ycs,Zcs)とし、重力加速度gを考慮して上記座標変換行列invE(φ,θ,Ψ)を用いると、各加速度センサ2a,2b,2cから得られる加速度(Axs,Ays,Azs)から重力座標系(Xg,Yg,Zg)のペン先部8の加速度(Axog,Ayog,Azog)を求める式は、次式のようになる。
【0058】
【数5】
Figure 0003776206
【0059】
上記式の括弧内の第2項及び第3項はジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)と回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)から得た回転角加速度(dωxs/dt,dωys/dt,dωzs/dt)の関数であるので、加速度補正部58は上記式の括弧内の第2項及び第3項を算出して、加速度センサ2a,2b,2cからの信号を基に検出した加速度(Axs,Ays,Azs)を補正して、括弧内で表すペン先部8におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)での加速度を得る。重力加速度除去部62は、さらに、上記式から重力加速度成分を除去する。
【0060】
高周波判別部63はHPF52a〜52fを介して入力した加速度(Axh,Ayh,Azh)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)のいずれかにペン先部8と筆記面との摩擦による高周波数成分が含まれているか否かを判別する。ここで、加速度(Axh,Ayh,Azh)は、それぞれ加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axos,Ayos,Azos)の高周波数成分であるとする。例えば高周波判別部63は、HPF52a〜52fを介して入力した加速度(Axh,Ayh,Azh)をそれぞれ予めノイズレベルを基に定めた閾値と比較して、いずれの信号も高周波数成分を含んでいないときを停止状態又はペン先部8が空中にある状態とする。ここで、高周波判別部63は、HPF52a〜52fを介して入力した加速度(Axh,Ayh,Azh)を直交したベクトルとして、ベクトルの大きさ√(Axh2+Ayh2+Azh2)に対して包絡線を算出し、閾値と比較するようにしても良い。
【0061】
速度ゼロ検出部64は感圧センサ4を用いたペン先部8に対する筆記面からの圧力及び高周波判別部63の判別結果を基にペン先部8が移動を停止したか否かを検出する。例えば速度ゼロ検出部64は、高周波判別部63がHPF52a〜52fを介して入力した加速度(Axh,Ayh,Azh)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)のいずれにもペン先部8と筆記面との摩擦による高周波数成分が含まれていないと判別した場合であって、かつ、感圧センサ4を用いてペン先部8に対する筆記面からの圧力を検出したときをペン先部8が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別する。例えば図4に示すように実際に文字「る」を描いた場合、ペン先部8が停止した場所A1,A2,A3,A4において、高周波判別部63はHPF52a〜52fを介して入力した加速度(Axos,Ayos,Azos)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)のいずれにもペン先部8と筆記面との摩擦による高周波数成分が含まれていないと判別する。図5に高周波判別部63に入力した信号Bの例を示す。図中B1はペン先部8が空中を移動中の信号を示し、B2,B3はペン先部8が筆記面上で静止している際の信号を示す。上記のようにペン先部8が筆記面に接触しているか否かを検出することにより、速度ゼロ検出部64は筆記面上を静止しているか否かを検出する。
【0062】
速度補正部65は、速度ゼロ検出部64が停止状態であることを検出すると、その検出した際における速度演算部62が算出した速度と筆記中回転角度演算部57が算出した筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を基に速度演算部63が算出した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度をゼロに補正する。移動量演算部66は速度補正部65が必要に応じて補正した後の重力座標系(Xg,Yg,Zg)でのペン先部8の速度(Vxog,Vyog,Vzog)を積分して、ペン先部8の軌跡(Xog,Yog,Zog)を求める。
【0063】
上記構成のペン型入力装置1の動作を、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cはそれぞれXsa軸方向,Ysa軸方向,Zs軸方向の加速度Axs,Ays,Aza及びXsb軸周り,Ysb軸周り,Zs軸周りの回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を示す信号を出力する。AD変換器51a〜51fは、各加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した加速度(Axs,Ays,Azs)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)をデジタル変換する。HPF52a〜51fは各加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信号をデジタル変換して得た加速度(Axs,Ays,Azs)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)から高周波数成分を抽出する。
【0065】
予め定めた一定周期のサンプリングタイミングになると、静止判別部54は、AD変換器51a〜51fからデジタル変換後の加速度(Axs,Ays,Azs)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を読み出し(ステップS1)、例えば読み出した加速度(Axs,Ays,Azs)及び回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)の時間変化を観察し変化が無くなったときを静止状態と判別し、変化が発生しているときを筆記中と判別する。
【0066】
静止判別部54が静止状態と判別すると(ステップS2)、初期回転角度演算部55は、既に説明したように加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axso,Ayso,Azso)を基にして初期回転角度(φo,θo,Ψo)を算出する(ステップS3)。
【0067】
その後、加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cから加速度信号及び回転角速度信号を読み出し(ステップS4)、回転角度変化演算部56は、ジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を基に回転角度の変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を求める(ステップS5)。筆記中回転角度演算部57は、既に説明したように初期回転角度(φo,θo,Ψo)と回転角度の変化(dφ/dt,dθ/dt,dΨ/dt)を基にφ=φo+Σ(dφ/dt)、θ=θo+Σ(dθ/dt)、Ψ=Ψo+Σ(dΨ/dt)を計算して、筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を算出する(ステップS6)。
【0068】
角加速度演算部58はジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)を基に回転角加速度(dωxs/dt,dωys/dt,dωzs/dt)を算出する(ステップS7)。加速度補正部60は回転角速度(ωxs,ωys,ωzs)及び回転角加速度(dωxs/dt,dωys/dt,dωzs/dt)を基に、既に説明したように加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axs,Ays,Azs)を補正して、ペン先部8におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)での加速度(Axos,Ayos,Azos)を算出する(ステップS8)。このように加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出した加速度(Axs,Ays,Azs)を基にペン先部8におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)での加速度(Axos,Ayos,Azos)を算出するので、加速度センサ2a,2b,2cの取付位置がペン先部8から離れていることによるペン軸9の傾斜運動の影響をなくすことができる。
【0069】
座標変換演算部60は、筆記中回転角度演算部57が算出した筆記中のペン軸9の回転角度(φ,θ,Ψ)を用いて、加速度補正部59が算出したペン先部8におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)での加速度(Axos,Ayos,Azos)を重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけるペン先部8の加速度(Axog,Ayog,Azog)に変換する(ステップS9)。このように、ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)での加速度(Axos,Ayos,Azos)を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度(Axog,Ayog,Azog)に変換するので、ペン軸9の傾斜による影響を除去することができる。重力加速度除去部61は、重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけるペン先部8の加速度(Axog,Ayog,Azog)から重力加速度gの成分を除去し、重力加速度gによる影響を除去する(ステップS10)。速度演算部62は重力加速度除去部61が重力加速度を除去した後の重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけるペン先部8の加速度(Axog,Ayog,Azog)を積分してペン先部8の速度(Vxog,Vyog,Vzog)を算出する(ステップS11)。
【0070】
速度補正部65は、既に説明したようにして速度ゼロ検出部64がペン先部8の停止状態を検出すると(ステップS12)、ペン先部8の速度がゼロになるように速度演算部62が算出した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度(Vxog,Vyog,Vzog)を補正する(ステップS13)。これにより、累積誤差により筆記検出誤差が発生することを防止できる。上記速度補正部65による補正のさらに具体的な方法については後に説明する。移動量演算部66は上記のようにして求めた重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度(Vxog,Vyog,Vzog)を基に移動方向及び移動量(Xog,Yog,Zog)を算出して(ステップS14)、ペン先部8の軌跡を求め、入力処理が終了するまで上記動作を繰り返す(ステップS15)。
【0071】
次ぎに、上記速度補正部65による補正のさらに具体的な方法について説明する。
【0072】
上記速度補正部65は、速度ゼロ検出部64がペン先部8の停止状態を検出すると、速度演算部62が積分演算して求めた重力座標系(Xg,Yg,Zg)の各軸方向の速度をゼロにリセットして、停止状態における速度をゼロにする。これは、例えば図7(a)に示すように理想的な速度変化C1に対して補正を行なわない場合は積分による累積誤差によりドリフトが生じ、速度変化C2の波形が右下がりになる。これに対して、図中E1〜E4で示す停止状態における速度をゼロに補正することにより、図7(b)に示すように理想的な速度変化C1と誤差の少ない速度変化C3を求めることができる。このように、停止状態であることを検出した際の速度をゼロにリセットするだけでドリフトが低減でき、理想的なペン先部8の速度波形を得ることができる。このように簡単な補正をすることにより、処理速度を速めることができる。したがって、ペン先部8の停止状態を的確に検出でき、且つ、S/N比及びオフセットの良好な加速度センサを用いて加速度を検出した場合に有効な補正である。
【0073】
また、上記速度補正部65は、速度ゼロ検出部64がペン先部8の停止状態を検出すると、速度演算部62が積分演算して求めた重力座標系(Xg,Yg,Zg)の各軸方向の速度がゼロになるように前回停止状態を検出してから今回停止状態を検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を補正するようにしても良い。例えば図中点線で囲んだ速度差Fを速度演算部62の計算結果から差し引くことにより補正を行なう。この場合、前回停止状態を検出してから今回停止状態を検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を記憶部7で記憶する必要があるが、図7(c)に示すように補正を行なった部分に段のないさらに正確なペン先部8の速度波形C4を得ることができる。また、演算が簡単なので迅速な補正を行なうことができる。ここで、ペン先部8の停止時刻からの時間差で重み付けするようにしても良い。
【0074】
さらに、上記速度補正部65は、速度ゼロ検出部64がペン先部8の停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにするとともに、重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度変化及び速度変化が連続するようにスプライン補間による補正をするようにしても良い。
【0075】
また、上記速度補正部65は、速度ゼロ検出部64がペン先部8の停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにする補正量を算出し、算出した補正量を基に次ぎに停止状態であることを検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を補正するようにしても良い。例えば既に説明したようにペン先部8の停止を検出した際の速度をゼロにすると同時に、速度誤差と時間積分からそれ以後の補正量を速度誤差を積分時間で割ることにより算出する。速度誤差を積分時間で割った値は、既に説明した速度誤差Fに相当する。
【0076】
さらに、図8に示すように演算部5bが静止判別部54、初期回転角度演算部55、回転角度変化演算部56、筆記中回転角度演算部57、角加速度演算部58、加速度補正部59、座標変換演算部60、重力加速度除去部61、速度演算部62、高周波判別部63、速度ゼロ検出部64、補正判別部67、速度補正部65及び移動量演算部66を備えるようにしても良い。補正判別部67は速度ゼロ検出部64がペン先部8の停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度が予め定めた閾値以下になっているか否かを調べ、速度を補正する必要が有るか否かを調べる。速度補正部65は、補正判別部67が速度を補正する必要が有ると判別すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように初期回転角度(φo,θo,Ψo)を補正する。これにより、ペン軸9の傾斜も補正することができ、さらに正確に重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度を算出することができる。
【0077】
また、速度補正部65は、初期回転角度(φo,θo,Ψo)を補正する代わりに筆記中の回転角度(φ,θ,Ψ)を補正するようにしても良い。筆記中の回転角度を補正することにより、筆記中のペン軸9の傾きをさらに正確に補正できるようになり、さらに正確に重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度を算出することができる。
【0078】
また、上記実施例ではいずれも速度ゼロ検出部64は、加速度センサ2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信号の高周波数成分並びに感圧センサ4からの信号を基にペン先部8の停止状態を検出したが、重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度(Axog,Ayog,Azog)が予め定めた閾値以下の状態が予め定めた時間以上続いたことを検出すると停止状態であると判断するようにしても良い。入力部5aは、図9に示すようにAD変換器51a〜51fとLPF53a〜53fを有する。演算部5bは、静止判別部54、初期回転角度演算部55、回転角度変化演算部56、筆記中回転角度演算部57、角加速度演算部58、加速度補正部59、座標変換演算部60、重力加速度除去部61、速度演算部62、速度ゼロ検出部64、速度補正部65及び移動量演算部66を備える。速度ゼロ検出部64は、重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度(Axog,Ayog,Azog)がそれぞれ予め定めた閾値以下の状態が、例えば0.05秒以上続いたことを検出すると停止状態であると判断する。ここで、上記0.05秒の値はLPFのカットオフ周波数に依存する。また、閾値の値はノイズレベルから定める。この場合、停止状態の検出は遅れるが、感圧センサ4などを用いる必要がなく装置を小型化できる。
【0079】
また、ペン型入力装置1は、例えば図10に示すように演算部5bに静止判別部54、初期回転角度演算部55、回転角度変化演算部56、筆記中回転角度演算部57、角加速度演算部58、加速度補正部59、座標変換演算部60、重力加速度除去部61、速度演算部62、微分演算部68、速度ゼロ検出部64、速度補正部65a及び移動量演算部66を備えるようにしても良い。微分演算部68は座標変換演算部60が座標変換して得た重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度(Axog,Ayog,Azog)を微分する。速度ゼロ検出部64cは座標変換演算部60が座標変換して得た重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度(Axog,Ayog,Azog)と微分演算部68が重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度を時間で微分した値とがともに予め定めた閾値以下であることを検出すると、ペン先部8が停止状態であると判断する。この場合一定時間を経過するのを待つ必要がなく、停止状態の検出を迅速に行なうことができる。
【0080】
また、ペン型入力装置1は、例えば図11に示すように演算部5bにAD変換器51a〜51f、LPF53a〜53f、静止判別部54、初期回転角度演算部55、回転角度変化演算部56、筆記中回転角度演算部57、角加速度演算部58、加速度補正部59、座標変換演算部60、重力加速度除去部61、速度演算部62、速度ゼロ検出部64、速度補正部65及び移動量演算部66を備えるようにしても良い。速度ゼロ検出部64は、加速度補正部59が補正した後のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度(Axos,Ayos,Azos)の大きさ√(Axos2+Ayos2+Azos2)と重力加速度gの大きさの差が予め定めた閾値以下の状態が予め定めた一定時間以上続いたことを検出すると、ペン先部8が停止状態であると判断する。この場合、座標変換前に静止状態か否かを判別するので、静止状態の場合は座標変換処理などを省略することもでき、処理を迅速に行なうことができる。
【0081】
また、速度ゼロ検出部64は、加速度補正部59が補正した後のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度(Axos,Ayos,Azos)の大きさ√(Axos2+Ayos2+Azos2)と重力加速度gの大きさの差が予め定めた閾値以下であり、且つ、加速度補正部59が補正した後のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度(Axos,Ayos,Azos)を時間で微分した値が予め定めた閾値以下であることを検出すると、ペン先部8が停止状態であると判断するようにしても良い。
【0082】
さらに、上記速度ゼロ検出部64は、感圧センサ4等を用いてペン先部8が筆記面と接触しているときにペン先部8が停止状態であるか否かを判断する要にして、ペン先部8が空中にある場合を除くようにしても良い。
【0083】
さらに、速度ゼロ検出部64は、各加速度センサ2a,2b,2cからの加速度信号の高周波数成分を検出しない状態が継続した時間間隔を予め定めた時間間隔と比較し、継続時間間隔が予め定めた時間間隔より短い場合はペン先部が停止状態であると判断する。これにより、速度がゼロであり、且つ、加速度がゼロでない状態を迅速に検出できるようになる。また、速度ゼロ検出部64は、継続時間間隔が予め定めた時間間隔以上の場合はペン先部8が長い時間停止している状態かそれとも空中を移動中であると判断して、速度及び加速度がともにゼロである状態(長期間の停止状態)を検出する。これにより、ペン先部8の停止状態を迅速に検出することができるとともに、感圧センサ4等を用いずともペン先部8が空中にある状態を検出できる。
【0084】
なお、上記実施例ではオイラー方式による座標変換を採用したペン型入力装置1について説明したが、ストラップダウン方式を採用したペン型入力装置であっても良い。ストラップダウン方式を採用したペン型入力装置は、静止状態において加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を基に装置の初期回転角度を算出し、算出した初期回転角度とジャイロ3a,3b,3cを用いて検出した回転角速度を基に筆記中の回転角度を算出し、算出した筆記中の回転角度を基に各加速度センサ2a,2b,2cを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度に変換する。
【0085】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、各加速度センサからの加速度信号中に高周波成分が含まれていないとき、及び感圧センサからの検出信号からペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出したときに、ペン先部が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別し、ペン先部が筆記面上での停止状態であることを検出すると、その検出した際における加速度を基に求めた速度がゼロになるようにその速度を補正して、補正した速度を基に装置の移動方向及び距離を検出するので、累積誤差が発生することを防止することができる。
【0086】
また、静止状態において加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を基に装置の初期回転角度を算出し、算出した初期回転角度とジャイロを用いて検出した回転角速度を基に筆記中の回転角度を算出し、算出した筆記中の回転角度を基に各加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度に変換し、変換して得た重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度を積分して、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を算出し、ペン先部が筆記面と接触している際の各加速度センサ及び各ジャイロからの信号中に高周波成分が含まれていないとき、及び感圧センサからの検出信号からペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出したときに、ペン先部が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別し、ペン先部が筆記面上での停止状態であることを検出すると、その検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度がゼロになるように重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を補正し、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における各軸方向の速度を基に装置の移動方向及び移動距離を算出するので、ペン軸の傾斜による影響を除去するとともに速度の累積誤差の発生を防止できる。
【0087】
さらに、3個のジャイロを用いて検出した回転角速度から回転角加速度を算出し、3個のジャイロを用いて検出した回転角速度、算出した回転角加速度及び各加速度センサの取付位置を基に3個の加速度センサを用いて検出した加速度のペン先部を中心とした傾斜運動による加速度成分を算出し、算出した傾斜運動による加速度成分を基に加速度センサの取付け位置におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を補正してペン先部におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を求め、筆記中の回転角度を基にが補正して求めたペン先部のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に変換するので、加速度センサの取付け位置がペン先部と離れていることに起因するペン軸の傾斜運動の影響を除去する個とができる。
【0094】
また、ペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにリセットするので、速度の累積誤差が発生することを防止することができる。
【0095】
また、ペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように前回停止状態を検出してから今回停止状態を検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を補正するので、さらに正確に速度の誤差発生を防止できる。
【0096】
また、ペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにするとともに、重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度変化及び速度変化が連続するようにスプライン補間による補正を行なうので、ペン先部の軌跡を正確に検出できる。
【0097】
また、ペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにする補正量を算出し、算出した補正量を基に次ぎに停止状態であることを検出するまでの重力座標系(Xg,Yg,Zg)の速度を補正するので、補正量を予め計算することにより処理を早めることができる。
【0098】
また、ペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように初期回転角度を補正するので、速度検出の累積誤差をなくすとともに、ペン型入力装置の回転角度の検出誤差もなくすことができる。
【0099】
また、ペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように筆記中の回転角度を補正するので、速度検出の累積誤差をなくすとともに、筆記中のペン型入力装置の回転角度の検出誤差もなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】座標系の説明図である。
【図3】演算部の構成図である。
【図4】ペン先部の停止点を示す説明図である。
【図5】加速度の高周波数成分の波形図である。
【図6】筆記入力動作を示すフローチャートである。
【図7】速度ずれ及びその補正した速度信号の波形図である。
【図8】回転角度を補正する演算部の構成図である。
【図9】加速度を基に停止状態を判別する演算部の構成図である。
【図10】速度及びその微分値から停止状態を判別する演算部の構成図である。
【図11】検出加速度と重力加速度を基に停止状態を判別する演算部の構成図である。
【符号の説明】
1 ペン型入力装置
2 加速度センサ
3 ジャイロ
4 感圧センサ
5 処理部
5a 入力部
5b 演算部
54 静止判別部
55 初期回転角度演算部
56 回転角度変化演算部
57 筆記中回転角度演算部
58 角加速度演算部
59 加速度補正部
60 座標変換演算部
61 重力加速度除去部
62 速度演算部
63 高周波判別部
64 速度ゼロ検出部
65 速度補正部
66 移動量演算部
67 補正判別部
68 微分演算部
8 ペン先部
9 ペン軸

Claims (9)

  1. 複数の加速度センサを有し、各加速度センサが出力した加速度を示す信号を基に装置の移動方向及び距離を検出するペン型入力装置において、
    ペン先部に加わる筆記面からの圧力を示す信号を検出する感圧センサを有し、
    高周波判別部と速度ゼロ検出部と速度補正部を有し、
    高周波判別部は各加速度センサからの加速度信号中に高周波成分が含まれているか否かを判別し、
    速度ゼロ検出部は高周波判別部による判別結果各加速度センサからの加速度信号中に高周波成分が含まれていないとき、及び感圧センサからの検出信号からペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出したときに、ペン先部が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別し、
    度補正部は速度ゼロ検出部によってペン先部が筆記面上での停止状態であることを検出すると、その検出した際における加速度を基に求めた速度がゼロになるようにその速度を補正することを特徴とするペン型入力装置。
  2. 感圧センサと3個の加速度センサと3個のジャイロと演算部を有し、
    感圧センサはペン先部に加わる筆記面からの圧力を示す信号を検出し、
    3個の加速度センサはそれぞれペン軸をZs軸としたペン座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の加速度を示す信号を出力し、
    3個のジャイロはそれぞれXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度を示す信号を出力し、
    演算部は初期回転角度演算部と筆記中回転角度演算部と座標変換演算部と速度演算部と高周波判別部と速度ゼロ検出部と速度補正部と移動量演算部を備え、
    初期回転角度演算部は静止状態において加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を基に装置の初期回転角度を算出し、
    筆記中回転角度演算部は初期回転角度演算部が算出した初期回転角度とジャイロを用いて検出した回転角速度を基に筆記中の回転角度を算出し、
    座標変換演算部は筆記中回転角度演算部が算出した筆記中の回転角度を基に各加速度センサを用いて検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力加速度方向に伸びる軸をZg軸にした重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度に変換し、
    速度演算部は座標変換演算部が座標変換して得た重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度を積分して、重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を算出し、
    高周波判別部は各加速度センサ及び各ジャイロからの信号中に高周波成分が含まれているか否かを判別し、
    速度ゼロ検出部は高周波判別部による判別結果各加速度センサ及び各ジャイロからの信号中に高周波成分が含まれていないとき、及び感圧センサからの検出信号からペン先部に加わる筆記面からの圧力を検出したときに、ペン先部が筆記面上で移動を停止している停止状態であると判別し、
    速度補正部は速度ゼロ検出部によってペン先部が筆記面上での停止状態であることを検出すると、その検出した際における速度演算部が算出した速度を基に重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度がゼロになるように速度演算部が算出した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における速度を補正し、
    移動量演算部は重力座標系(Xg,Yg,Zg)における各軸方向の速度を基に装置の移動方向及び移動距離を算出することを特徴とするペン型入力装置。
  3. 上記演算部は角加速度演算部と加速度補正部を備え、
    角加速度演算部は3個のジャイロを用いて検出した回転角速度から回転角加速度を求め、
    加速度補正部は3個のジャイロを用いて検出した回転角速度、角加速度演算部が算出した回転角加速度及び各加速度センサの取付位置を基に3個の加速度センサを用いて検出した加速度のペン先部を中心とした傾斜運動による加速度成分を算出し、算出した傾斜運動による加速度成分を基に加速度センサの取付け位置におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を補正してペン先部におけるペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度を求め、
    上記座標変換演算部は筆記中の回転角度を基に加速度補正部が補正して求めたペン先部のペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)による加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に変換する請求項記載のペン型入力装置。
  4. 上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにリセットする請求項1乃至3のいずれかに記載のペン型入力装置。
  5. 上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように前回停止状態を検出してから今回停止状態を検出するまでの重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の速度を補正する請求項1乃至3のいずれかに記載のペン型入力装置。
  6. 上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにするとともに、重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度変化及び速度変化が連続するようにスプライン補間による補正をする請求項1乃至3のいずれかに記載のペン型入力装置。
  7. 上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度を積分演算して求めた速度をゼロにする補正量を算出し、算出した補正量を基に次ぎに停止状態であることを検出するまでの重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の速度を補正する請求項1乃至3のいずれかに記載のペン型入力装置。
  8. 上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように初期回転角度を補正する請求項乃至のいずれかに記載のペン型入力装置。
  9. 上記速度補正部は速度ゼロ検出部がペン先部の筆記面上での停止状態を検出すると、その停止状態を検出した際における重力座標系(X g ,Y g ,Z g )の加速度を積分演算して求めた速度がゼロになるように筆記中の回転角度を補正する請求項1乃至3のいずれかに記載のペン型入力装置。
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