JP3775848B2 - 軸流送風機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機や冷凍冷蔵庫などに幅広く使用されている軸流送風機の静音化と高性能化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、空気調和機などに用いられている軸流送風機は実開昭62−169295号公報に記載されたものが知られている。図10は空気調和機などの従来の軸流送風機の構造を示しており、1はモ−タ−2に直結された軸流羽根車であり、3はハブ、4はハブ3に固定した複数の羽根板である。5は略円筒形のオリフィスリングリングであり軸流羽根車1の外周に設置してあり、さらに略円筒形のオリフィスリングリング5の回転軸方向の高さh2は軸流羽根車1の高さh1に対して約0.8倍の高さとし、軸流羽根車1の吐出側に所定距離の風路を設けて構成されている。これにより、軸流送風機の送風性能を向上させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では、高静圧な条件では軸流羽根車1の羽根板4の外周部の流速はハブ3側の流れに比べ速く、気流の乱れも羽根板4の外周部で最も大きい、しかも図11に示すように、軸流羽根車1内部の流れは遠心力の作用で吐出流れが外向き半径方向に偏るためオリフィスリング5の壁面近傍の流速が非常に高速となり、軸流羽根車1の外周部の翼端渦を含んだ流速の速い乱れた気流Eは略円筒形のオリフィスリング5に一旦衝突し、オリフィスリング5に沿って流れ壁面との摩擦で翼端渦の一部が崩壊し気流の乱れが増加し、その後オリフィスリング5の先端から流出する際に大きく剥離しさらに乱れの大きな流れとなり乱流騒音が増加する。さらに、気流がオリフィスリング5先端から流出するさいには、偏流した高速の気流が急激に大気開放されるため急激な流速減少と気流の混濁による圧力損失と気流の乱れが生じるため、送風性能が劣化し乱流騒音が増加する。
【0004】
従って、高静圧な動作点条件では軸流送風機から発生する乱流騒音が増加し、送風性能が劣化するという課題を有していた。特に、近年は製品の小型化が求められており、空気調和機などに用いられる軸流送風機は通風抵抗の高い高静圧条件で使用することが多くなっている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、通風抵抗の高い高静圧な動作点においても送風性能が高く、乱流騒音の低い軸流送風機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の軸流送風機は、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切り板とで構成したものである。
【0007】
これにより、通風抵抗の高い高静圧な動作点においても送風性能が高く、乱流騒音の低い軸流送風機が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第2のオリフィスリングの仕切り板への取付部近傍に通気孔を設けたものであり、高速で乱れが大きく半径方向の成分を持った軸流羽根車外周部の気流は、第1のオリフィスリングの先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間の壁面のない空間を流動した後、第2のオリフィスリングに再付着する。このとき、第1のオリフィスリングの先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間を流動するので空間内で乱れが緩和され、さらに第2のオリフィスリングに再付着することで、気流の乱れはさらに低減され、乱流騒音の発生を抑制する。また、第1のオリフィスリングの断面積に比べ第2のオリフィスリングの断面積は若干大きく、気流の流路面積は段階的に拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能が向上する。
【0010】
また、第1のオリフィスリングから流出した気流の一部は通気孔から外部に向かって流出するため、第2のオリフィスリング内では通気孔の方向に気流を誘引する力が作用し、気流を第2のオリフィスリングに安定して再付着させ、外部の風などによる付着流れの再剥離を防止する。気流が安定して再付着することで、乱流騒音の変動を防止する。しかも、通気孔は軸流送風機が吐出方向を上方とする時には、降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間に雨水が溜まるのを防ぐ作用を有する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、前記仕切板と第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとで包囲された空間と吸込風路との間を連通する連通孔を設けたものであり、高速で乱れが大きく半径方向の成分を持った軸流羽根車外周部の気流は、第1のオリフィスリングの先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間の壁面のない空間を流動した後、第2のオリフィスリングに再付着する。このとき、第1のオリフィスリングの先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間を流動するので空間内で乱れが緩和され、さらに第2のオリフィスリングに再付着することで、気流の乱れはさらに低減され、乱流騒音の発生を抑制する。また、第1のオリフィスリングの断面積に比べ第2のオリフィスリングの断面積は若干大きく、気流の流路面積は段階的に拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能が向上する。
【0012】
また、第2のオリフィスリング内の空気は連通孔を介して軸流送風機の吸込風路に連通しているため、第2のオリフィスリング内の気流は連通孔の方向に強く吸引され、第1のオリフィスリングの先端から流出した気流は第2のオリフィスリングに早期に付着する。気流が早期に再付着することで、気流の乱れがさらに低減し乱流騒音のレベルを低減する。しかも、通気孔は軸流送風機が吐出方向を上方とする時には、降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間に雨水が溜まるのを防ぐ作用を有する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第2のオリフィスリングの下端部全周を開放端部としたものであり、
高速で乱れが大きく半径方向の成分を持った軸流羽根車外周部の気流は、第1のオリフィスリングの先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間を流動するので空間内で乱れが緩和され、さらに第2のオリフィスリングに再付着することで、気流の乱れはさらに低減され、乱流騒音の発生を抑制する。また、第1のオリフィスリングの断面積に比べ第2のオリフィスリングの断面積は大きく、気流の流路面積は段階的に拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能が向上する。
【0014】
また、第2のオリフィスリングの下端部全周を開放端部としているため、第2のオリフィスリング内の気流は開放端部からも流出するため、気流が開放端部の方向に強く吸引され、第1のオリフィスリングの先端から流出した気流は第2のオリフィスリング内壁に早期に付着する。気流が早期に再付着することで、気流の乱れがさらに低減し乱流騒音のレベルを低減する。
【0015】
さらに、軸流送風機が吐出方向を上方とする時には、第2のオリフィスリングの下端部全周の開放端部が降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間に雨水が溜まるのを防ぐ作用を有するとともに、降雪時には第2のオリフィスリングの下端部全周の開放端部から吐出する気流が第1のオリフィスリングおよび第2のオリフィスリング周りの雪を吹き飛ばし、軸流送風機近傍への積雪を防止する。
【0016】
請求項4に記載の発明は、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第1のオリフィスリングの中心軸と第2のオリフィスリングの中心軸とを偏心させて取り付けたものであり、
高速で乱れが大きく半径方向の成分を持った軸流羽根車外周部の気流は、第1のオリフィスリングの先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間を流動するので空間内で乱れが緩和され、さらに第2のオリフィスリングに再付着することで、気流の乱れはさらに低減され、乱流騒音の発生を抑制する。また、第1のオリフィスリングの断面積に比べ第2のオリフィスリングの断面積は大きく、気流の流路面積は段階的に拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能が向上する。
【0017】
また、第1のオリフィスリングの中心軸と第2のオリフィスリングの中心軸とを偏心させて取り付けているため、オリフィスリングの風路面積拡大率を部分的に調整することができ、軸流送風機の吸込風路の通風抵抗に部分的なアンバランスがある場合に、通風抵抗の高い部分でオリフィスリングの風路面積拡大率を高くすることで動圧の静圧回収率を高めて吐出損失を減少させることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第1のオリフィスリングの吐出側開放端を傾斜させたものであり、
高速で乱れが大きく半径方向の成分を持った軸流羽根車外周部の気流は、第1のオリフィスリングの先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間を流動するので空間内で乱れが緩和され、さらに第2のオリフィスリングに再付着することで、気流の乱れはさらに低減され、乱流騒音の発生を抑制する。また、第1のオリフィスリングの断面積に比べ第2のオリフィスリングの断面積は大きく、気流の流路面積は段階的に拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能が向上する。
【0019】
また、第1のオリフィスリングの吐出側開放端を傾斜させているため、第1のオリフィスリングと軸流羽根車とのラップ寸法を部分的に調整することができ、軸流送風機の吸込風路の通風抵抗に部分的なアンバランスがある場合に、通風抵抗の高い部分で第1のオリフィスリングの高さを高くすることで、第1のオリフィスリングと軸流羽根車とのラップ寸法が大きくなり、高い静圧を発生させ、通風抵抗の引くい部分では第1のオリフィスリングの高さを低くすることで軸流羽根車の外周端と第1のオリフィスリングの内壁との干渉による気流乱れと流動損失とを低減することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した構造を示す断面図である。
【0021】
図において、6は空気調和機の室外機本体であり、箱体7と、箱体7の側面に設置した熱交換器8と箱体7内に設置した機械室9と機械室9内に設置した圧縮機10と、箱体7の上面に設置した軸流送風機11とで構成している。軸流送風機11は、ハブ12の周りに複数の羽根板13を設けた羽根車14と、羽根車14に直結したモ−タ−15と、羽根車14の後縁部の外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリング16と、第1のオリフィスリング16の外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリング16より軸方向高さの高い第2のオリフィスリング17を設け、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17を固定した仕切板18とで構成してあり、第1のオリフィスリング16と仕切板18は室外機本体6の天板7aと一体に形成してあり、軸流送風機11の吸込側風路11aと吐出側とを仕切る構成としてある。
【0022】
以上のように構成された軸流送風機と空気調和機の室外機について以下その動作を説明する。
【0023】
モータ15が羽根車14を所定の回転方向に回転させると、軸流送風機11は送風作用を為し、熱交換器8を介して空気を室外機本体6内に吸い込む。この際、空気は熱交換器8を通過する過程で圧縮機10より送られた冷媒と熱交換し、温度変化する。温度変化した空気は、さらに軸流送風機11に吸い込まれ、室外機本体6外に放出される。
【0024】
次に、軸流送風機11が送風作用を為すときの気流の動きを図2を用いて詳しく説明する。
【0025】
図2で示すように、軸流羽根車14の外周部の気流Fは高速で乱れが大きく半径方向の成分を持っており、羽根板13の外周で発生した翼端渦を含んでいる。この気流Fは羽根車14の後縁部から流出した後、第1のオリフィスリング16の内壁に一旦短く接触した後、第1のオリフィスリング16の先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17との間の壁面のない空間19を流動した後、第2のオリフィスリング17に再付着し、さらに軸流送風機11外に吐出される。このとき、第2のオリフィスリング17の内径は第1のオリフィスリング16の内径より大きいため、オリフィスリングの壁面への気流の偏流を抑え、壁面近傍の流速の増大を防止すると共に壁面近傍での翼端渦の崩壊を抑制し、気流乱れの増加を抑制する。また、第1のオリフィスリング16の先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間19を流動するので空間19内で乱れが緩和され、第2のオリフィスリング17に再付着することで気流の乱れはいっそう低減され、乱流騒音の発生を抑制する。さらにまた、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17と仕切板18とで囲まれた空間は空気層として作用し、乱れた気流Fが持つ圧力脈動を緩衝し、乱流騒音を減衰させる効果がある。
【0026】
また、第1のオリフィスリング16の断面積に比べ第2のオリフィスリング17の断面積は若干大きく、気流Fの流路面積は段階的に拡大した後、第2オリフィスリング17から軸流送風機11外へと風路断面積が拡大するため、段階的に流速が減速され動圧が静圧に変換されるため静圧特性が向上し、送風性能も向上する作用がある。
【0027】
(実施の形態2)
図3,図4は、本発明の軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した構造を示すものである。
【0028】
実施の形態1と異なるのは、第2のオリフィスリング20の仕切板18への取付部近傍に、オリフィスリング20の下端部を切り欠いた通気孔20aを設けた点にある。
【0029】
以上のように構成された軸流送風機について以下その動作を説明する。
図4で示すように、羽根車14の外周部の気流Gは高速で乱れが大きく半径方向の成分を持っており、羽根板13の外周で発生した翼端渦を含んでいる。気流Gは羽根車14の後縁部から流出した後、第1のオリフィスリング16の内壁に短く接触した後、第1のオリフィスリング16の先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング20との間の壁面のない空間19を流動した後、その大部分は第2のオリフィスリング20に再付着し、さらに軸流送風機11外に吐出される。また、一部の気流Hは第2のオリフィスリング20の仕切板18への取付部近傍に設けた通気孔20aから外部に流出する。このとき、第2のオリフィスリング20の内径は第1のオリフィスリング16の内径より大きいため、オリフィスリングの壁面への気流の偏流を抑え、壁面近傍の流速の増大を防止すると共に壁面近傍での翼端渦の崩壊を抑制し、気流乱れの増加を抑制する。また、第1のオリフィスリング16の先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間19を流動するので空間19内で乱れが緩和され、第2のオリフィスリング20に再付着することで気流の乱れはいっそう低減され、乱流騒音の発生を抑制する。さらにまた、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング20と仕切板18とで囲まれた空間は空気層として作用し、乱れた気流Gが持つ圧力脈動を緩衝し、乱流騒音を減衰させる効果がある。空間19を流動する気流Gの主流は第2のオリフィスリング20の壁面に向かって流動する際、気流Gの一部の気流Hが第2のオリフィスリング20の通気孔20aから外部に向かって流出するため、第2のオリフィスリング20内には通気孔20aの方向に気流を誘引する力が作用し、気流Gの主流は安定して第2のオリフィスリング20に再付着する。気流Gが第2のオリフィスリング20の壁面に安定して再付着するため、外部の風などにより一旦付着した流れが再剥離して乱流騒音が変動するのを防止する。また、第1のオリフィスリング16の断面積に比べ第2のオリフィスリング20の断面積は若干大きく、気流Fの流路面積は段階的に拡大した後、第2オリフィスリング20から軸流送風機外へと風路断面積が拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能も向上する。
【0030】
しかも、通気孔20aは本発明の軸流送風機が吐出方向を上方とする時に、降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング20との間に雨水が溜まるのを防ぐことができる。
【0031】
(実施の形態3)
図5は、本発明の軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した構造を示すものである。
【0032】
実施の形態1,2と異なるのは、仕切板21と第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17とで包囲された空間19と吸込風路11aとの間を連通する連通孔21aを設けた点である。
【0033】
以上のように構成された軸流送風機について以下その動作を説明する。
図5で示すように、羽根車14の外周部の気流Iは高速で乱れが大きく半径方向の成分を持っている。気流Iは羽根車14の後縁部から流出した後、第1のオリフィスリング16の内壁に一旦付着した後、第1のオリフィスリング16の先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17との間の壁面のない空間19を流動した後、第2のオリフィスリング17に再付着し、さらに軸流送風機11外に吐出される。
【0034】
このとき、第1のオリフィスリング16の先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間19を流動するので空間19内で乱れが緩和される。空間19内の空気は、仕切板21に設けた連通孔21aを介して圧力の低い吸込風路11a内に吸引されるため、空間19内に負圧が発生し、第1のオリフィスリング16の先端から流出した気流Iが第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17との間の壁面のない空間19を流動する際の流路を下方に変更させ、気流Iは早期に第2のオリフィスリング17に再付着する。気流Iが第2のオリフィスリング17の壁面に早期に再付着することで、気流の乱れの低減量が大きく、乱流騒音の発生レベルを低減する。また、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17と仕切板21とで囲まれた空間は空気層として動作し、乱れた気流Fが持つ圧力脈動を吸収し、乱流騒音を減衰させる効果がある。また、第1のオリフィスリング16の断面積に比べ第2のオリフィスリング17の断面積は若干大きく、気流Fの流路面積は段階的に拡大した後、第2オリフィスリング17から軸流送風機外へと風路断面積が拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能も向上する。
【0035】
しかも、連通孔21aは本発明の軸流送風機が吐出方向を上方とする時に、降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング17との間に雨水が溜まるのを防ぐことができる。
【0036】
(実施の形態4)
図6は、本発明の軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した構造を示すものである。
【0037】
実施の形態1〜3と異なるのは、第2のオリフィスリング22を略円筒形状としたうえで下端部22a全周を開放端部とし、第2のオリフィスリング22を支持具23を介して第1のオリフィスリング16に取り付け、仕切板18と第2のオリフィスリング22の下端部22aとの間の全周に開口部24を設けた点である。
【0038】
以上のように構成された軸流送風機について以下その動作を説明する。
図6で示すように、羽根車14の外周部の気流Iは高速で乱れが大きく半径方向の成分を持っている。気流Kは羽根車14の後縁部から流出した後、第1のオリフィスリング16の内壁に一旦付着した後、第1のオリフィスリング16の先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング22との間の壁面のない空間19を流動した後、第2のオリフィスリング22に再付着し、さらに軸流送風機11外に吐出される。
【0039】
このとき、第1のオリフィスリング16の先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間19を流動するので空間19内で乱れが緩和される。空間19内の空気の一部は、仕切板18と第2のオリフィスリング22の下端部22aの間の全周に開口部21から流出する(気流L)ため、第1のオリフィスリング16の先端から流出した気流Kが第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング22との間の壁面のない空間19を流動する際の流路を下方に変更させ、気流Kは早期に第2のオリフィスリング22に再付着する。気流Kが第2のオリフィスリング22の壁面に早期に再付着することで、気流の乱れの低減量が大きく、乱流騒音の発生レベルを低減する。
【0040】
また、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング22と仕切板18とで囲まれた空間19は空気層として動作し、乱れた気流Kが持つ圧力脈動を吸収し、乱流騒音を減衰させる効果がある。また、第1のオリフィスリング16の断面積に比べ第2のオリフィスリング22の断面積は若干大きく、気流Kの流路面積は段階的に拡大した後、第2オリフィスリング22から軸流送風機外へと風路断面積が拡大するため、段階的に流速が減速され動圧の静圧変換が段階的になり静圧特性が向上し、送風性能も向上する。
【0041】
しかも、軸流送風機11の吐出方向が上方の場合は、第2のオリフィスリング22の下端部22a全周の開放端部が降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング22との間に雨水が溜まるのを防ぐ作用を有するとともに、降雪時には第2のオリフィスリング22の下端部22a全周の開放端部から吐出する気流Lが第1のオリフィスリング16および第2のオリフィスリング22周りの雪を吹き飛ばし、軸流送風機11近傍への積雪を防止し、積雪による送風性能の劣化を防止する。
【0042】
(実施の形態5)
図7は、本発明の軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した構造を示すものである。
【0043】
実施の形態1〜4と異なるのは、第1のオリフィスリング16の中心軸26に対して第2のオリフィスリング25の中心軸27を熱交換器8の反対側に若干ずらし、第1のオリフィスリング16の中心軸26と第2のオリフィスリング25の中心軸27とを距離Sだけ偏心させた点にある。
【0044】
以上のように構成された軸流送風機について以下その動作を説明する。
軸流羽根車14の外周部の気流は高速で乱れが大きく半径方向の成分を持っており、羽根板13の外周で発生した翼端渦を含んでいる。この気流は羽根車14の後縁部から流出した後、第1のオリフィスリング16の内壁に一旦短く接触し、第1のオリフィスリング16の先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング25との間の壁面のない空間19を流動した後、第2のオリフィスリング25に再付着し、さらに軸流送風機11外に吐出される。このとき、第2のオリフィスリング25の内径は第1のオリフィスリング16の内径より大きいため、オリフィスリングの壁面への気流の偏流を抑え、壁面近傍の流速の増大を防止すると共に壁面近傍での翼端渦の崩壊を抑制し、気流乱れの増加を抑制する。また、第1のオリフィスリング16の先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間19を流動するので空間19内で乱れが緩和され、第2のオリフィスリング25に再付着することで気流の乱れはいっそう低減され、乱流騒音の発生を抑制する。さらにまた、第1のオリフィスリング16と第2のオリフィスリング25と仕切り板21とで囲まれた空間は空気層として作用し、乱れた気流が持つ圧力脈動を緩衝し、乱流騒音を減衰させる効果がある。
【0045】
また、第1のオリフィスリング16の断面積に比べ第2のオリフィスリング17の断面積は若干大きく、気流の流路面積は段階的に拡大した後、第2オリフィスリング25から軸流送風機外へと風路断面積が拡大するため、段階的に流速が減速され動圧が静圧に変換されるため静圧特性が向上し、送風性能も向上する作用がある。
【0046】
一方、本実施の形態では吸込側風路の一端に熱交換器8を配し、他端に機械室9を配したため、熱交換器8に近い流路を流動する気流Mは流路長が短いため通風抵抗が小さく、軸流送風機11内で軸方向流速成分が大きく周方向成分が小さい、従って軸流羽根車14から吐出された気流も軸方向流速成分が大きく、送風効率が高い。ところが、熱交換器8の反対側流路を流動する気流Nは流路長が長いため通風抵抗が大きく、軸流送風機11内で軸方向流速成分が小さく円周方向成分が大きくなる。従って、軸流羽根車14から吐出された気流も円周方向流速成分が大きく、送風効率は低い。
【0047】
しかし、本実施の形態では第1のオリフィスリング16の中心軸26に対して第2のオリフィスリング25の中心軸27を熱交換器8の反対側に若干ずらしているため、送風効率が高い熱交換器8に近い流路を流動する気流Mが流れる側のオリフィスリングの断面幅の拡大率DA1 は、第1のオリフィスリング16の内径半径をR1 とし第2のオリフィスリング25の内径半径をR2 とすると、
DA1 =(R2 −S)/R1
となり、送風効率が低い熱交換器8の反対側の流路を流動する気流Nが流れる側のオリフィスリングの断面幅の拡大率DA2 は、
DA2 =(R2 )/R1
となり、送風効率が低い熱交換器8の反対側の流路を流動する気流Nが流れる側のオリフィスリングの断面幅の変化率DA2 は、送風効率が高い熱交換器8に近い流路を流動する気流Mが流れる側のオリフィスリングの断面幅の変化率DA1 より相対的に大きくなる。ここで、オリフィスリングの断面面積の変化率は、オリフィスリングの断面幅の変化率の2乗に比例する。一般に、軸流送風機の軸流羽根車の吐出側では、オリフィスリングの断面積の拡大率が大きい方が、動圧の静圧回収効率が高くなり、送風効率を高めることができる。
【0048】
従って、本実施の形態ではオリフィスリングの風路面積拡大率を部分的に調整することができ、軸流送風機の吸込風路の通風抵抗に部分的なアンバランスがある場合に、通風抵抗の高い部分でオリフィスリングの風路面積拡大率を高くすることで動圧の静圧回収率を高めて吐出損失を減少させ、送風効率が低い熱交換器8の反対側の流路を流動する気流Nが流れる部分の軸流送風機11の送風効率を改善することができる。
【0049】
(実施の形態6)
図8は、本発明の軸流送風機を空気調和機の室外機に搭載した構造を示すものである。
【0050】
実施の形態1〜5と異なるのは、第1のオリフィスリング28の吐出側開放端29を傾斜させ、熱交換器8に近い吐出側開放端29aの高さNH1 に対して熱交換器8の反対側の吐出側開放端29bの高さNH2 をNH1 <NH2 として点にある。
【0051】
以上のように構成された軸流送風機について以下その動作を説明する。
軸流羽根車14の外周部の気流は高速で乱れが大きく半径方向の成分を持っており、羽根板13の外周で発生した翼端渦を含んでいる。この気流は羽根車14の後縁部から流出した後、第1のオリフィスリング28の内壁に一旦短く接触し、第1のオリフィスリング28の先端から流出するときに一旦剥離するが、第1のオリフィスリング28と第2のオリフィスリング17との間の壁面のない空間19を流動した後、第2のオリフィスリング17に再付着し、さらに軸流送風機11外に吐出される。このとき、第2のオリフィスリング17の内径は第1のオリフィスリング28の内径より大きいため、オリフィスリングの壁面への気流の偏流を抑え、壁面近傍の流速の増大を防止すると共に壁面近傍での翼端渦の崩壊を抑制し、気流乱れの増加を抑制する。また、第1のオリフィスリング28の先端から一旦剥離した流れは壁面のない空間19を流動するので空間19内で乱れが緩和され、第2のオリフィスリング17に再付着することで気流の乱れはいっそう低減され、乱流騒音の発生を抑制する。さらにまた、第1のオリフィスリング28と第2のオリフィスリング17と仕切板21とで囲まれた空間は空気層として作用し、乱れた気流が持つ圧力脈動を緩衝し、乱流騒音を減衰させる効果がある。
【0052】
また、第1のオリフィスリング28の断面積に比べ第2のオリフィスリング17の断面積は若干大きく、気流の流路面積は段階的に拡大した後、第2オリフィスリング17から軸流送風機外へと風路断面積が拡大するため、段階的に流速が減速され動圧が静圧に変換されるため静圧特性が向上し、送風性能も向上する作用がある。
【0053】
一方、本実施の形態では吸込側風路の一端に熱交換器8を配し、他端に機械室9を配したため、熱交換器8に近い流路を流動する気流Pは流路長が短いため通風抵抗が小さく、軸流送風機11内で軸方向流速成分が大きく周方向成分が小さい、従って軸流羽根車14から吐出された気流も軸方向流速成分が大きく、送風効率が高い。ところが、熱交換器8の反対側流路を流動する気流Qは流路長が長いため通風抵抗が大きく、軸流送風機11内で軸方向流速成分が小さく円周方向成分が大きくなる。従って、軸流羽根車14から吐出された気流も円周方向流速成分が大きく、送風効率は低い。
【0054】
しかし、本実施の形態では第1のオリフィスリング28の吐出側開放端29を傾斜させ、熱交換器8に近い部分29aの高さNH1 に対して熱交換器8の反対側の部分29bの高さNH2 をNH1 <NH2 としており、熱交換器8に近い部分では軸流羽根車14の羽根13と第1のオリフィスリング28との重なり寸法はNH1 であるのに対し、熱交換器8の反対側の軸流羽根車14の羽根13と第1のオリフィスリング28との重なり寸法はDとなり、NH1 <D<NH2 となる。一般に、軸流送風機は通風抵抗が高い場合、オリフィスと羽根との重なり寸法を大きくする程静圧が高くとれるが、反対に通風抵抗が低い場合にオリフィスと羽根との重なり寸法を大きくすると羽根の先端とオリフィス先端との干渉によって気流乱れと流動損失を増加させる。
【0055】
従って、本実施の形態では軸流送風機11の吸込風路の通風抵抗に部分的なアンバランスがある場合に、通風抵抗の高い部分で第1のオリフィスリング28の高さを高くすることで、第1のオリフィスリング28と軸流羽根車14とのラップ寸法が大きくなり、高い静圧を発生させて送風効率の劣化を防ぎ、通風抵抗の引くい部分では第1のオリフィスリング28の高さを低くすることで軸流羽根車11の羽根13の外周端と第1のオリフィスリング28の内壁との干渉による気流乱れと流動損失とを低減することができる。
【0056】
尚、以上の実施の形態1〜6では軸流送風機の吸込側に通風抵抗要素を配置した例で説明したが、軸流送風機の吐出側に通風抵抗要素を配置しても同様の実施効果が得られる。また、第1のオリフィスリングの内径d1と第2のオリフィスリングの内径d2の比率rd=d2/d1は、図6で示すようにrd=1.03からrd=1.11の範囲が望ましく、さらにrd=1.07が最も望ましい設定値である。さらに、第1のオリフィスリングの軸方向高さH1と第2のオリフィスリングの軸方向高さH2の比率r=H2/H1は、r=1.3からr=1.9の範囲とするのが望ましい。また、本発明の各実施の形態では第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを略円筒形として各オリフィスリングの吐出側先端部形状を直線形状としたが、第1のオリフィスリングまたは第2オリフィスリングの吐出側先端部形状は吐出端部に向かって内径が拡大するテ−パ形状またはラッパ状形状としても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから軸流送風機を構成することにより、オリフィスから一旦剥離した気流を再付着させ気流の乱れを低減し、構成した空気層が乱流の圧力脈動を緩和することになり乱流騒音を抑制すると共に、吐出する気流の流路面積を段階的に拡大することで動圧を効果的に静圧に変換して送風性能を向上させることができる。
【0058】
また、第2のオリフィスリングの仕切板への取付部近傍に通気孔を設けた軸流送風機とすることにより、オリフィスから一旦剥離した気流を誘引作用で安定して再付着させ、構成した空気層が乱流の圧力脈動を緩和することになり乱流騒音の安定させ、かつ抑制すると共に、吐出する気流の流路面積を段階的に拡大し、動圧を効果的に静圧に変換して送風性能を向上させることができる。しかも、軸流送風機を吐出方向を上方として使用する時には、降雨時に通気孔が排水孔として作用し、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間に雨水が溜まるのを防ぐことができる。
【0059】
また、仕切板と第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとで包囲された空間と吸込風路との間を連通する通気孔を設けた軸流送風機とすることにより、オリフィスから一旦剥離した気流を吸引作用で早期に再付着させ、構成した空気層が乱流の圧力脈動を緩和することになり乱流騒音を効果的に低減すると共に、吐出する気流の流路面積を段階的に拡大し、ディフュ−ザ効果も得られ動圧を効果的に静圧に変換して送風性能を向上させることができる。しかも、軸流送風機を吐出方向を上方として使用する時には、降雨時に通気孔が排水孔として作用し、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間に雨水が溜まるのを防ぐことができる。
【0060】
また、第2のオリフィスリングの下端部全周を開放端部とすることにより、さらに、軸流送風機が吐出方向を上方とする時には、第2のオリフィスリングの下端部全周の開放端部が降雨時の排水孔として働き、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとの間に雨水が溜まるのを防ぐ作用を有するとともに、降雪時には第2のオリフィスリングの下端部全周の開放端部から吐出する気流が第1のオリフィスリングおよび第2のオリフィスリング周りの雪を吹き飛ばし、軸流送風機近傍への積雪を防止する。
【0061】
また、第1のオリフィスリングの中心軸と第2のオリフィスリングの中心軸とを偏心させて取り付けることにより、さらに、オリフィスリングの風路面積拡大率を部分的に調整することができ、軸流送風機の吸込風路の通風抵抗に部分的なアンバランスがある場合に、通風抵抗の高い部分でオリフィスリングの風路面積拡大率を高くすることで動圧の静圧回収率を高めて吐出損失を減少させることができる。
【0062】
また、第1のオリフィスリングの吐出側開放端を傾斜させることにより、さらに、第1のオリフィスリングと軸流羽根車とのラップ寸法を部分的に調整することができ、軸流送風機の吸込風路の通風抵抗に部分的なアンバランスがある場合に、通風抵抗の高い部分で第1のオリフィスリングの高さを高くすることで、第1のオリフィスリングと軸流羽根車とのラップ寸法が大きくなり、高い静圧を発生させ、通風抵抗の引くい部分では第1のオリフィスリングの高さを低くすることで軸流羽根車の外周端と第1のオリフィスリングの内壁との干渉による気流乱れと流動損失とを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による軸流送風機を搭載した空気調和機の室外機を示す縦断面図
【図2】同実施の形態の要部縦断面図
【図3】本発明の実施の形態2による軸流送風機を搭載した空気調和機の室外機を示す斜視図
【図4】同実施の形態の要部縦断面図
【図5】本発明の実施の形態3による軸流送風機の要部縦断面図
【図6】本発明の実施の形態4による軸流送風機の要部縦断面図
【図7】本発明の実施の形態5による軸流送風機の要部縦断面図
【図8】本発明の実施の形態6による軸流送風機の要部縦断面図
【図9】本発明の軸流送風機の第1のオリフィスリング内径と第2のオリフィスリングの内径との比と騒音レベルとの関係を示す特性図
【図10】従来の軸流送風機を示す縦断面図
【図11】同従来例の要部縦断面図
【符号の説明】
14 軸流羽根車
16 第1のオリフィスリング
17 第2のオリフィスリング
18 仕切板
20a 通気孔
21a 連通孔
22a 第2のオリフィスリングの開放端部
26 第1のオリフィスリングの中心軸
27 第2のオリフィスリングの中心軸
29 第1のオリフィスリングの吐出側開放端部

Claims (5)

  1. 軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第2のオリフィスリングの仕切り板への取付部近傍に通気孔を設けた軸流送風機。
  2. 軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、前記仕切板と第1のオリフィスリングと第2のオリフィスリングとで包囲された空間と吸込風路との間を連通する通気孔を設けた軸流送風機。
  3. 軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた略同心円状でかつ第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第2のオリフィスリングの下端部全周を開放端部とした軸流送風機。
  4. 軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングとを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第1のオリフィスリングの中心軸と第2のオリフィスリングの中心軸とを偏心させて取り付けた請求項1から3のいずれかに記載の軸流送風機。
  5. 軸流羽根車と、前記羽根車の後縁部外周を囲み先端部を開放端とした略円筒形の第1のオリフィスリングと、前記オリフィスリングの外側に設けた第1のオリフィスリングより軸方向高さの高い第2のオリフィスリングと、第1のオリフィスリングとを固定し吸込風路と吐出風路とを仕切る仕切板とから成り、第1のオリフィスリングの吐出側開放端を傾斜させた軸流送風機。
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