JP3773507B2 - 2サイクル内燃エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、例えば携帯型動力作業機等に使用される2サイクル内燃エンジンに係り、特に、燃焼廃ガス(排ガス)自体をより完全に清浄化せしめるとともに、燃焼に供せられることなく排出される混合気量、いわゆる吹き抜け量をも可及的に少なくできるようにされた2サイクル内燃エンジンに関する。
従来より、刈払機やチェーンソー等の携帯型動力作業機に使用されている一般的な2サイクルガソリンエンジンは、通常、シリンダの頭部には点火プラグが配設され、シリンダボア(内周壁面)にはピストンにより開閉される吸気口、掃気口、排気口(掃気出口)が開口せしめられ、吸気、排気のためだけの独立した行程はなく、前記ピストンの2行程で機関の1サイクルを完了するようになっている。
より詳細には、前記ピストンの上昇行程により、前記吸気口から前記ピストン下方のクランク室に空気と燃料及び潤滑油が混合されてなる混合気を吸入するとともに、該混合気を前記ピストンの下降行程により前記クランク室内で予圧縮し、前記掃気口から前記予圧縮された混合気を前記ピストン上方の燃焼作動室に吹き出すことにより、燃焼廃ガスの前記排気口への排出を行う、言い換えれば、混合気のガス流動を利用して燃焼廃ガスの掃気を行うようになっている。
そのため、燃焼廃ガス(排ガス)中に未燃混合気が混入しやすく、燃焼に供せられることなくそのまま大気中へ排出される混合気量、いわゆる吹き抜け量が大きく、4サイクルエンジンに比して燃費が悪いだけでなく、排ガス中に有害成分であるHC(燃料の未燃成分)やCO(燃料の不完全燃焼成分)等が多く含まれ、小型とはいえ、環境汚染が懸念されるとともに、これからますます厳しくなるであろう排ガス規制にどのようにして対応していくかが課題となっており、特に、排ガス中のHC(トータルHC)低減化には難儀しているのが実情である。
また、前記2サイクル内燃エンジンは、燃料であるガソリンと潤滑油よりなる混合燃料を使用しているので、この油分でも排ガスが汚染されるとともに、機体の姿勢によっては、油分が過剰に燃焼作動室(燃焼室、作動室、シリンダ室等とも呼ばれるが、本明細書ではこれらを総称して燃焼作動室とする)に流入して、エンスト等の運転不調におちいることがある。
前記のような問題を解消すべく、従来より種々の提案がなされており、例えば、下記特許文献1では、ピストンの上方に形成される燃焼作動室とクランク室とを連通するように反転掃気式(シュニューレ掃気式)をとる掃気通路が設けられている2サイクル内燃エンジンにおいて、前記掃気通路の掃気出口(燃焼作動室側)の通路断面積を、掃気入口(クランク室側)のそれよりも小さくして(60%以下に絞って)、前記燃焼作動室に吹き出される掃気の流速を高めることにより、掃気効率を高めて、前記吹き抜け量を低減することが提案されている。
また、例えば、下記特許文献2では、掃気通路の掃気入口と掃気出口とが略同じ通路断面積であると、ピストンの下降行程時に、クランク室から押し出された混合気(掃気)が急激に前記掃気出口から燃焼作動室へ流入して、その多くが排ガスと共に外部に排出されることになるので、これを防止すべく、前記掃気通路の掃気入口(掃気導入通路部)の通路断面積を前記掃気通路の通路断面積より相当狭くすることが提案されている。このように掃気入口(掃気導入通路部)を狭くすることにより、掃気が急激に前記掃気出口から前記燃焼作動室へ流入するのが抑制され、掃気行程の後半まで掃気が前記燃焼作動室に徐々に供給され、これによって、前記吹き抜け量を大幅に低減できるとされている。
特公昭60−48609号公報(第1〜4頁、図1〜図7) 特開2000−179346号公報(第1〜8頁、図1〜図12)
しかしながら、前記特許文献1に所載の2サイクル内燃エンジンでは、ピストンの下降行程(掃気行程)の後期(下死点付近)においては、その中期までに比べて前記クランク室内の混合気の圧縮比(圧力)が低下し、前記掃気出口から前記燃焼作動室に吹き出される掃気の流速も低下するため、さほど掃気効果が得られず、むしろ排ガス中に掃気(混合気)が混入しやすくなり、前記吹き抜け量の低減化等を充分には果たせない。
また、前記特許文献2に所載の2サイクル内燃エンジンでは、前記狭くされた掃気入口(掃気導入通路部)により、掃気が急激に前記掃気出口から前記燃焼作動室へ流入するのが抑制されるので、特にピストンの下降行程(掃気行程)の前半において掃気流の流速が前記特許文献1に所載のもの等より低くなり、そのため、前記吹き抜け量の低減化等をさほど期待できない。
本発明は、前記した如くの事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、大きな改造を必要とすることなく低コストで、未燃混合気の吹き抜けを効果的に抑えることができて、大気中に排出されるHC等の有害成分を可及的に低減でき、かつ、潤滑油の燃焼作動室への過剰供給等に起因する運転不調を来さないようにされた2サイクル内燃エンジンを提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明に係る2サイクル内燃エンジンは、基本的には、掃気入口及び掃気出口が共にシリンダボアに開口する、反転掃気式をとる一対又は複数対のC型掃気通路が設けられる。
そして、前記シリンダボアと該シリンダボア内で上下方向に往復動するピストンとの間に、クランク室から混合気を前記掃気入口に導くための掃気導入通路部が形成されるとともに、前記ピストンの下降行程において、該ピストンにより前記掃気入口の実効開口面積が漸減せしめられるようにされる。
好ましい態様では、前記ピストンの下部外周に、前記掃気導入通路部となる切欠部が形成され、前記ピストンの下降行程において、前記切欠部を画成する前記ピストンの上部外周により、前記掃気入口の実効開口面積が漸減せしめられるようにされる。
他の好ましい態様では、前記シリンダボアに、前記掃気導入通路部の一部となる縦溝が形成される。
本発明に係る2サイクル内燃エンジンにおいて、前記掃気導入通路部の総通路断面積は、好ましくは、前記掃気通路の総通路断面積の40%以下、より好ましくは、約1/3とされる。
前記の如くの構成とされた本発明に係る2サイクル内燃エンジンでは、ピストンの上昇行程において、クランク室の圧力が低下するに伴い、気化器等の混合気生成手段からの混合気(燃料としてのガソリン、空気、及び潤滑油の混合霧化体)が、前記クランク室に吸入されて貯留される。そして、前記ピストン上方の燃焼作動室内の混合気が点火せしめられて爆発燃焼すると、前記ピストンが燃焼ガスにより押し下げられる。このピストンの下降行程においては、前記クランンク室及び掃気通路の混合気が前記ピストンにより圧縮せしめられるとともに、まず最初に、排気口が開かれ、さらに前記ピストンが下降すると、前記掃気通路下流端の掃気出口が開かれる。この掃気出口が開かれる掃気期間においては、前記ピストンの下降に合わせて、前記ピストンにより、前記掃気出口の実効開口面積が漸増せしめられるとともに、前記掃気入口の実効開口面積が漸減せしめられ、前記クランク室内で圧縮された混合気が、前記シリンダボアと前記ピストンとの間に形成される掃気導入通路部を介して前記掃気入口に導かれ、該掃気入口から前記掃気通路下流側へと噴出されるとともに、燃焼作動室側に吸引され、前記掃気出口から掃気流として、所定の水平掃気角をもって前記排気口とは反対側のシリンダボア壁面に向けて吹き出され、その壁面に衝突して反転せしめられて、燃焼廃ガス(排ガス)を前記排気口に押し出す。
この場合、前記掃気導入通路部の通路断面積が前記掃気通路の通路断面積より小さく(好ましくは約1/3に)されるとともに、前記掃気入口が前記ピストンの下降に合わせて徐々に狭くされる(絞られる)ので、前記ピストンの下降行程の後期(下死点付近)においても、掃気の圧力、流速の低下度合いが、従来のようにクランク室に開口する掃気入口が絞られていない(掃気通路の通路断面積と略同じ)エンジン(従来機と称する)に比して、小さくなる。これにより、掃気行程が完了するまで(ピストンが下死点に達するまで)前記掃気出口から前記燃焼作動室に吹き出される掃気に所要の貫徹力(圧力)及び方向性を持たせることができる。このため、掃気行程中において燃料の霧化作用が一層促進され、掃気効率(給気効率)が向上するとともに、燃焼効率が向上し、その結果、排ガス中の有害成分、特にトータルHCを効果的に低減でき、さらには、燃費も向上する。
また、前記掃気導入通路部は、前記ピストンの下部外周(スカート部)に平行面取り状に切欠部を形成するだけで設けられるので、別途に部品を必要とせず、従来機に大きな改造をしなくて済むので、コスト的に極めて有利である。
前記に加え、通常、2サイクル内燃エンジンでは、燃料(ガソリン)に潤滑油を混合して使用するが、前記クランク室に導入された空気・燃料混合気中の燃料・潤滑油混合体は、特に高速回転時には、遠心分離作用を受けて、その多くが空気から分離して前記クランク室壁面等に付着する。この場合、掃気入口(前記掃気導入通路部)の通路断面積が狭くされているので、潤滑油が前記掃気通路内に導入されるよりも前に燃料と分離されやすくなり、潤滑油の多くは、前記クランク室に留まる。そのため、燃料(燃料・潤滑油混合体)供給量を少なく(混合気をリーンに)しても、ピストン、コンロッド、クランク軸等の摺動部分を潤滑するに必要な潤滑油量は確保されることになり、潤滑性能が低下することはない。
また、例えば、アイドル運転時等において、エンジン(携帯型作業機)の姿勢が急に大きく変化せしめられると(例えば、チェーンソーの機体が急に斜め上に向けられると)、前記掃気入口がクランク室側に設けられている場合には、前記クランク室に液状化して滞留している燃料・潤滑油混合体が前記掃気通路を介して前記燃焼作動室に過剰に流れ込み、エンジンが停止してしまう等の運転不調におちいるおそれがあるが、本発明のものでは、前記クランク室に滞留している燃料・潤滑油混合体が、前記掃気通路に一気には流れ込み難くなり、そのため、運転不調におちいり難くできる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る2サイクル内燃エンジンの一実施形態を示す縦断面図、図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図2のIII−III矢視断面図である。
図示実施形態の2サイクル内燃エンジン1は、携帯型動力作業機等に使用される、四流掃気式の小型空冷式2サイクルガソリンエンジンであり、ピストン20が上下方向に往復動自在に嵌挿されるシリンダ10を有し、該シリンダ10の下側には、クランクケース12が密封状態で締結されている。前記クランクケース12は、前記シリンダ10の下方にクランク室18を画成するとともに、前記ピストン20をピストンピン21及びコンロッド24を介して往復昇降させるクランクシャフト(図示せず)を、回転自在に支持するようになっている。
前記シリンダ10の外周部には、多数の冷却フィン16が設けられ、その頭部には、燃焼作動室15を構成するスキッシュドーム形(半球形)の燃焼室部15aが設けられ、該燃焼室部15aには、点火プラグ17が臨設されている。
また、前記シリンダ10内のシリンダボア10aの一側には、排気口34が開口せしめられ、他側には、前記排気口34より低い(前記クランク室18側)位置に吸気口33が開口せしめられ、前記排気口34及び前記吸気口33を二分割する縦断面F−Fを挟んで左右対称的に、反転掃気式(シュニューレ掃気式)をとる、掃気入口31a、31a及び掃気出口31b、31b、32b、32bが、共に前記シリンダボア10aに開口するC型掃気通路としての、前記排気口34側に位置する一対の第一掃気通路31、31、及び、前記排気口34とは反対側に位置する一対の第二掃気通路32、32が設けられている。なお、前記掃気入口31a、31aは、前記第一掃気通路31及び前記第二掃気通路32に対しての共通口となっている。
前記第一掃気通路31、31及び前記第二掃気通路32、32の上端(下流端)に設けられた前記各掃気出口31b、31b、32b、32bは、それぞれ所定の水平掃気角を有し、また、それらの高さ位置は同一とされていて、前記各掃気出口31b、31b、32b、32bの上端の高さ位置は、前記排気口34の上端より所定の距離だけ低くされている。したがって、前記各掃気出口31b、31b、32b、32bは、前記ピストン20の下降時に、前記排気口34より若干遅れて、同時に開くようになっている。
また、前記第一掃気通路31、31及び前記第二掃気通路32、32の下端(上流端)に設けられた前記掃気入口31a、31aは、前記ピストン20の下降行程(掃気行程)において、前記ピストン20により、その実効開口面積が漸減せしめられるようにされている(後述)。
そして、本実施形態においては、前記シリンダボア10aと前記ピストン20との間に、前記クランク室18の予圧縮された混合気Kを前記掃気入口31a、31aに導くための掃気導入通路部40、40が形成される。
具体的には、図1、図2に加えて、図4、図5を参照すればよくわかるように、前記ピストン20における下部外周(スカート部)22Bの左右に、前記掃気導入通路部40、40となる、幅が前記掃気入口31a略同じで蒲鉾状(平行面取り形状)に切り取った切欠部22s、22sが形成されており、前記ピストン20の下降行程において、該ピストン20における前記切欠部22s、22sより上側の上部外周22Aにより、前記掃気入口31a、31aの実効開口面積が漸減せしめられるように、言い換えれば、前記掃気入口31a、31aが前記ピストン20の下降に合わせて徐々に絞られるようにされている。
ここで、前記掃気導入通路部40、40の総通路断面積(二本分)は、前記掃気通路31、31、32、32の総通路断面積(四本分)の約1/3とされている。
また、前記ピストン20の前記切欠部22s、22sの上縁を画成する前記上部外周22Aには、図5(B)に示されているように、前記掃気入口31a、31a及び掃気出口31b、31b、32b、32bに向けて開口する中央リブ23a、23a付き凹部23、23が形成されている。該凹部23、23は、前記切欠部22s、22sを形成したことによる前記ピストン20の軽量化と合わせて、前記ピストン20に対する更なる肉抜き(軽量化)効果の他、(a)前記掃気通路31、32に新たに導入された混合気Kが流過することによる、ピンボス部26等の冷却促進効果及び混合気Kの気化促進効果が得られ、さらに、(b)潤滑油が滞留することによる前記ピストン20の潤滑促進効果、(c)前記中央リブ23a、23aによる補強効果、(d)掃気流の微調整・整流効果、等を期待できる。
このような構成とされた本実施形態の2サイクル内燃エンジン1では、ピストン20の上昇行程において、クランク室18の圧力が低下するに伴い、気化器等の混合気生成手段からの混合気Kが、前記クランク室18に吸入されて貯留される。そして、前記ピストン20上方の燃焼作動室15内の混合気Kが点火せしめられて爆発燃焼すると、前記ピストン20が燃焼ガスにより押し下げられる。このピストン20の下降行程においては、前記クランンク室18及び掃気通路31、31、32、32内の混合気Kが、前記ピストン20により圧縮せしめられるとともに、まず最初に、排気口34が開かれ、さらに前記ピストン20が下降すると、前記掃気出口31b、31b、32b、32bが開かれる。この掃気出口31b、31b、32b、32bが開かれる掃気期間においては、前記ピストン20の下降に合わせて、前記掃気出口31b、31b、32b、32bの実効開口面積が漸増せしめられるとともに、前記ピストン20の上部外周22Aにより前記掃気入口31a、31aの実効開口面積が漸減せしめられ、前記クランク室18内で圧縮された混合気Kが、図1において破線矢印で示される如くに、前記シリンダボア10aと前記ピストン20の下部外周22Bとの間に形成された掃気導入通路部40、40を介して前記掃気入口31a、31aに導かれ、該掃気入口31a、31aから前記掃気通路31、31、32、32の下流側へと噴出されるとともに、燃焼作動室15側に吸引され、前記掃気出口31b、31b、32b、32bから掃気流として、図3において破線矢印で示される如くに、所定の水平掃気角をもって前記排気口34とは反対側の前記シリンダボア10aの壁面に向けて吹き出され、その壁面に衝突して反転せしめられて、燃焼廃ガス(排ガス)Eを前記排気口34に押し出す。
この場合、前記掃気導入通路部40、40の総通路断面積が、前記掃気通路31、31、32、32の総通路断面積より小さく(約1/3に)されるとともに、前記掃気入口31a、31aが前記ピストン20の下降に合わせて徐々に狭くされる(絞られる)ので、前記ピストン20の下降行程の後期(下死点付近)においても、掃気の圧力、流速の低下度合いが、従来のようにクランク室に開口する掃気入口が絞られていない(掃気通路の通路断面積と略同じ)エンジンに比して、小さくなる。これにより、掃気全期間にわたって、前記掃気出口31b、31b、32b、32bから前記燃焼作動室15に吹き出される掃気Kに所要の貫徹力(圧力)及び方向性を持たせることができる(図3参照)。このため、燃料の霧化作用が一層促進され、掃気効率(給気効率)が向上するとともに、燃焼効率が向上し、その結果、排ガス中の有害成分、特にトータルHCを効果的に低減でき、さらには、燃費も向上する。
また、前記掃気導入通路部40、40は、前記ピストン20の下部外周22Bに切欠部22s、22sを形成するだけでよく、別途に部品を必要とせず、従来機に大きな改造をしなくて済むので、コスト的に極めて有利である。
前記に加え、通常、2サイクル内燃エンジンでは、燃料(ガソリン)に潤滑油を混合して使用するが、前記クランク室に導入された空気・燃料混合気中の燃料・潤滑油混合体は、特に高速回転時には、遠心分離作用を受けて、その多くが空気から分離して前記クランク室壁面等に付着する。本実施形態の2サイクル内燃エンジン1では、掃気入口31a、31a(前記掃気導入通路部40、40)の通路断面積が狭くされているので、潤滑油が前記掃気通路31、31、32、32内に導入されるよりも前に燃料と分離されやすくなり、潤滑油の多くは、前記クランク室18に留まる。そのため、燃料(燃料・潤滑油混合体)供給量を少なく(混合気をリーンに)しても、ピストンピン21、コンロッド22、クランク軸等の摺動部分を潤滑するに必要な潤滑油量は確保されることになり、潤滑性能が低下することはない。
また、例えば、アイドル運転時等において、エンジン(携帯型作業機)の姿勢が急に大きく変化せしめられると(例えば、チェーンソーの機体が急に斜め上に向けられると)、前記掃気入口がクランク室側に設けられている場合には、前記クランク室に液状化して滞留している燃料・潤滑油混合体が前記掃気通路を介して前記燃焼作動室に過剰に流れ込み、エンジンが停止してしまう等の運転不調におちいるおそれがあるが、本実施形態のものでは、前記クランク室に滞留している燃料・潤滑油混合体が、前記掃気通路に一気には流れ込み難くなり、そのため、運転不調におちいり難くできる。
図6、図7は、本発明に係る2サイクル内燃エンジンの他の実施形態を示す縦断面図であり、図8は、図6、図7に示されるエンジン1’のシリンダ10’単体の底面図である。図示実施形態の2サイクル内燃エンジン1’は、吸気導入通路部40’が、前記ピストン20の下部外周22Bに形成された切欠部22s、22sと、前記シリンダボア10aの下部における前記切欠部22s、22sの幅方向両端部近くの部位に対応する位置に、二本ずつ形成された断面半月状の縦溝11s、11sと、からなっている。前記縦溝11s、11sは、前記クランク室18と前記掃気入口31a、31aの下縁とを連通するようになっている。
このように、シリンダ10’側にも掃気導入通路部40’、40’となる縦溝11s、11sを形成することにより、前記掃気出口31b、31b、32b、32bから前記燃焼作動室15に吹き出される掃気Kに、より確実に所望の方向性を持たせることができる。
このような構成の本実施形態のエンジン1’(本発明機)と、クランク室に開口する掃気入口が絞られていない(掃気通路の通路断面積と略同じ)エンジン(従来機)と、におけるTHC排出量(g/h−HP)、出力(HP)、燃料消費率(SFC)、及び、燃料諸費量(L/h)の比較実験を行ったところ、図9に示される如くの結果が得られた。図9は、横軸にスロットル弁全開状態におけるエンジン回転数をとったもので、図9からわかるように、本発明機は従来機よりも、THC排出量が約25%低減された。すなわち、従来機ではクリアーできない全米規格(EPA PHASE II 2005年ClassIV):37g/h−HPを、本発明機は余裕をもってクリアーできた。また、出力も本発明機が従来機を若干上回り、燃料消費率は約12%向上し、燃料消費量は約10%低減されることが確認された。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。
例えば、前記実施の形態において前記掃気導入通路部40、40を形成せしめるために、前記ピストン20の下部外周22Bを平行面取り状に切り欠いて前記切欠部22s、22sを形成したが、前記下部外周22Bを凹状に削って、凹溝とする等、必要に応じて適宜の形状を採用できることは、言うまでもない。
本発明によれば、従来機に大きな改造を加えることなく、低コストで、未燃混合気の吹き抜けを効果的に抑えることができて、大気中に排出されるHC等の有害成分を可及的に低減でき、かつ、潤滑油の燃焼作動室への過剰供給等に起因する運転不調を来さないようにする等の効果を奏する2サイクル内燃エンジンを提供できる。
本発明に係る2サイクル内燃エンジンの一実施形態を示す縦断面図。 図1のII−II矢視断面図。 図2のIII−III矢視断面図。 図1に示されるエンジンに使用されるピストン単体を示し、(A)は側面図、(B)は底面図。 (A)は図4(A)のVA−VA矢視断面図、(B)は図4(A)のVB−VB矢視断面図。 本発明に係る2サイクル内燃エンジンの他の実施形態を示す縦断面図。 図6のVII−VII矢視断面図。 図6に示されるエンジンのシリンダ単体の底面図。 本発明機と従来機との比較実験結果を示すグラフ。
符号の説明
1、1’ 2サイクル内燃エンジン
10a シリンダボア
11s 縦溝
18 クランク室
20 ピストン
22A 上部外周
22B 下部外周
22s 切欠部
31 第一掃気通路
32 第二掃気通路
31a 掃気入口
31b 掃気出口
32b 掃気出口
34 排気口
40 掃気導入通路部
40’ 掃気導入通路部
K 混合気

Claims (4)

  1. 掃気入口(31a、31a)及び掃気出口(31b、31b、32b、32b)が共にシリンダボア(10a)に開口する、反転掃気式をとる一対又は複数対のC型掃気通路(31、31、32、32)が設けられている2サイクル内燃エンジン(1)であって、
    前記シリンダボア(10a)と該シリンダボア(10a)内で上下方向に往復動するピストン(20)との間に、クランク室(18)から混合気(K)を前記掃気入口(31a、31a)に導くための掃気導入通路部(40、40)が形成されるとともに、前記ピストン(20)の下降行程において、該ピストン(20)により前記掃気入口(31a、31a)の実効開口面積が漸減せしめられるようにされていることを特徴とする2サイクル内燃エンジン。
  2. 前記ピストン(20)の下部外周(22B)に、前記掃気導入通路部(40、40)となる切欠部(22s、22s)が形成され、前記ピストン(20)の下降行程において、前記切欠部(22s、22s)を画成する前記ピストン(20)の上部外周(22A)により、前記掃気入口(31a、31a)の実効開口面積が漸減せしめられるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の2サイクル内燃エンジン。
  3. 前記シリンダボア(10a)に、前記掃気導入通路部(40、40)の一部となる縦溝(11s、11s)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2サイクル内燃エンジン。
  4. 前記掃気導入通路部(40)の総通路断面積は、前記掃気通路(31、31、32、32)の総通路断面積の40%以下とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の2サイクル内燃エンジン。
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