JP3772090B2 - ラック付き管状部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はラック付き管状部材すなわち管材の長さの一部にラック部を有する部材の製造方法に関する。このようなものはたとえば自動車のステアリング装置の部品として使用されており、一般にラックバーと称されるので以下の説明では原則的にラックバーの名称を用いる。本発明は鋼管を素材として中空なラックバーを塑性加工により能率的に製造できる方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のステアリング装置のラックバーは従来は中実な棒材のものが使用されていたが、軽量化を目的にして中空にしたものの製造が指向されている。図6はこのようなラックバー1を示す斜視図であり、図中2はラックの歯である。このように中空なものは棒材にラック部を切削加工した後に穴をあけるのが一般的な製造方法であるが、一方、素材に鋼管を使用して塑性加工によりラック部を形成する方法が特公平3−5892号公報に示されている。
【0003】
この方法はまず鋼管のラックを形成すべき部分をつぶして平面にし、次にこの部分にラックを形成するという2段階の工程からなる。このためにまず左右に開くことができる第1次成形用割型を設けて素材の鋼管の加工すべき部分を収容するが、この型は合わせた状態において上部のラックを形成すべき部分に貫通穴が設けられている。そして先が平面になったプレス型を上からこの貫通穴に挿入して鋼管のその部分を平面に加工し、これを第1次成形体とする。次に内面形状がラックバーの完成品の外形形状と一致し、左右に開くことができる第2次成形用割型に上記第1次成形体を収容する。すなわちこの第2次成形用割型は左右の型を合わせたとき、上部にラックの歯の雌型が構成されるようになっている。そしてマンドレルを鋼管内に挿入して、先に平面にされた部分を内部からしごき加工をする。これにより第1次成形体の外部においては材料が盛り上がり、上記第2次成形用割型の形状に従ってラックが成形されるというものである。
【0004】
また本発明者らは先に特願平11−370086号としてさらに改良された中空なラックバーの製造方法を提示した。この方法はまず図7の縦断面図、図8の横断面図に示すように、鋼管3の長さのうちの加工すべき部分とその両側の一部を、鋼管の全周を取り囲む割型5、6に収容する。この割型は合わせた状態において鋼管の加工すべき部分に対応した個所に貫通した縦穴8が形成されている。この状態で縦穴8にポンチ9を挿入してこの部分の鋼管3を押圧して平面にする。次いで図9の縦断面図、図10の横断面図に示すように、ポンチ9に代えてラック形成型11を縦穴8に挿入して鋼管3の平面にされた部分に接触させて保持し、鋼管の内部にマンドレル12を押込み、前記平面にされた部分の内面をしごいてラック形成型11に従ってラックを形成させる。
【0005】
上記特公平3−5892号公報、特願平11−370086号のいずれの方法も、すべて塑性加工によっているので切削加工と異なり材料の無駄がなく、また加工による材料強化の効果もあって材質的にも優れたものができる。また特公平3−5892号の方法においては2種類の割型を使用するが、特願平11−370086号の方法においては鋼管全体を収容する割型は1種類のみで済む。ラックの雌型の部分は損耗が激しいことが判明しているが、この方法では交換する場合割型自体はそのままでラック形成型だけ交換すれば済むことになり、型のコストが低減できる。また量産のときはポンチを組み合わせる割型あるいはラック形成型を組み合わせる割型をそれぞれ専用とし、材料をその間で移動して加工することもできる。この場合もっぱらラック形成型と組み合わせる割型についてはラック形成型を上型など1つの型に固定するようにしてもよい。この場合でもラック形成型の寿命が来たときにこれだけの交換ができるという利点は変わらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで特願平11−370086号の中空なラックバーの製造方法において、図9や図10示したラック形成型11におけるラックの歯の雌型は、鋼管3の平面にされた部分の幅とほぼ一致する幅に歯が構成されたものを使用するのが普通である。この図9や図10に示したラック形成型では、幅方向において歯の形状が一様で貫通していればラック形成型の製作が容易になるという利点がある。そしてこのようなラック形成型を使用した場合、最終的に形成されたラックの形状は幅方向寸法に関してはラック形成型によって支配されるのではなく、鋼管の内面のしごき加工を適当なラック幅になった回数でやめることによって調節している。
【0007】
すなわち、一般にしごき加工は冷間加工であるためかなり大きな加工力を必要とし、このためたとえば20段階で加工するように少しずつ寸法を変えた1以上のしごき加工個所を有する複数のマンドレルを使用する。たとえばしごき加工個所が2個所あるマンドレルであれば10本を使用する。これにより鋼管の平面にされた部分の内面を順次しごき加工するが、ラック幅が所定の寸法になったところで終了とするのである。図11は特願平11−370086号の方法におけるしごき加工の状況を示す断面図であって、図10の割型5、6を省略した部分拡大図の関係になっている。マンドレル41において、鋼管の平面にされた部分の内面に対向する面の位置は42Aが最初、42Bが途中、42Cが加工完了時を示している(マンドレル41の断面のハッチングは42Cの位置に対応している)。42Aから42Cの間で位置を順次に、たとえば20段階で変化させた複数のマンドレルを使用してしごき加工をすることになる。ここに示したマンドレルは基本形態としては図10の断面が欠円のマンドレルに準拠しているが、両側面の一部が平面となっているものである。すなわち43Aが最初、43Bが途中、43Cが加工完了時の側面の位置である。
【0008】
一方、図11の鋼管3において、44Aは最初、すなわち外面円周の一部を平面とする加工がされた状態を示している。また44Bは途中、44Cは加工完了の歯先の面の位置を示している(鋼管3の断面のハッチングは44Cの位置に対応している)。ここに示したように、マンドレル挿入によるしごき加工の始めの段階では符号44Bで示したようにまず歯幅の中央部分が***し、ラック形成型11の歯型底部13に***した金属が衝突した後、すなわち歯幅中央部でラックの歯の頂部が形成された後、順次幅方向に***部分が広がっていく現象がみられる。そしてラックの歯の頂部において必要な歯幅になるようなしごき加工回数を以て加工完了とするが、この時のラックの歯44Cは幅方向においてラック形成型11との間に空間45を残している。
【0009】
ところで、上記のようにラックの歯幅方向の形状が型によって支配されるのでなく、自然に形成された形状による結果、図11にも示したようにラックの歯の頂部から根部にかけては傾斜部分は裾野を引いた比較的なだらかな形状となる。したがって歯の頂部において必要な歯幅を確保すると、根部においては歯幅端部が初期平面位置より***し、その一部は鋼管の外周を延長した面の範囲から外にはみ出すことになる。このはみ出した部分はばり46としてラックバーの製造工程の仕上段階で研削により除去しているが、それだけ工程が増え手間がかかることになる。本発明においては上記のようなばりの発生を防止し、さらには従来の方法よりさらに能率よくラックバーの製造ができる方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するものであって、素材の鋼管の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とし、ラック形成型を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で、全長の少なくとも1個所にしごき加工個所を有する1以上のマンドレルを鋼管の内部に押込み、前記平面状にされた部分の内面を複数のしごき加工個所により順次しごき加工をして、前記ラック形成型に従ってラックを形成するラック付き管状部材の製造方法において、前記平面状にされた部分は幅方向中央部に全幅の20ないし80%の幅の平坦部と、その両側に端部方向に低くなる傾斜部とを有する形状をなしていることを特徴とするラック付き管状部材の製造方法である。ここにおいて、前記平坦部と傾斜部端部との高さの差が0.2ないし4.0mmであること、平面状にされた部分における前記平坦部の幅および前記傾斜部における平坦部と傾斜部端部との高さの差の少なくとも一方を、ラック付き管状部材の長さ方向において変化させたことも特徴とする。
【0011】
また本発明は、素材の鋼管の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とし、ラック形成型を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で、全長の少なくとも1個所にしごき加工個所を有する1以上のマンドレルを鋼管の内部に押込み、前記平面状にされた部分の内面を複数のしごき加工個所により順次しごき加工をして、前記ラック形成型に従ってラックを形成するラック付き管状部材の製造方法において、ラック形成型の歯型先端部を前記平面状にされた部分との接触位置からさらに0.1ないし2.5mm進めて食い込ませた後、マンドレルによるしごき加工を開始することを特徴とするラック付き管状部材の製造方法である。またこの方法は、前記の平面状にされた部分が平坦部と傾斜部とを有する形状をなすラック付き管状部材の製造方法において、ラック形成型の歯型先端部を前記平坦部との接触位置からさらに0.1ないし2.5mm進めて食い込ませた後、マンドレルによるしごき加工を開始することにより適用される。
【0012】
また上記それぞれのラック付き管状部材の製造方法において、マンドレルのしごき加工個所における両側面が鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面と直角になっており、かつ前記しごき加工個所における両側面の間隔が、使用する複数のマンドレルすべてにおいて同一であることも特徴とする。またさらに、使用する複数のマンドレルのうちの少なくとも1以上について、しごき加工個所における鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面の幅方向中央部に全幅の20ないし70%の幅の窪みを有することも特徴とする。また前記窪みの幅方向中央部における深さが0.2mm以上であることも特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のラック付き管状部材の製造方法において、素材の鋼管3の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とした状態の断面図である。すなわち鋼管の外面を平面とする場合、従来は文字どうりの事実上完全な平面にすること以外の方法は行なわれていなかったが、本発明においてはこれを特別な形状とするものである。本発明において「平面状」と表現しているのは、完全な平面だけでなく平面に近い形状も含むことを意味している。そして本発明における素材の鋼管3の長さの一部分を平面状に押圧したときの外面は、幅方向中央部に平坦部31と、その両側に端部方向に低くなる傾斜部32とを有する形状となっている。なおラックバーの長さ方向においては、通常はこのような形状が一様に続いておればよいが、後に説明するようにラックバーの長さ方向において形状を変化させることもできる。
【0014】
図2は鋼管を図1のような形状に押圧してマンドレルによるしごき加工を開始しようとする状態の断面図であって、割型5、6は省略している。また図3はこのようにして加工が完了した状態の断面図である。なおマンドレル21A、21Bは先に図11に示したものとは異なった断面形状のものが示されているが、これは本発明において特に好ましい形態をあわせて示したもので後に説明する。また図2においてラック形成型11の歯型先端部14が鋼管3に食い込んでいるが、これについても後に説明する。
【0015】
素材の鋼管の長さの一部分を平面状に押圧したときの外面を前記のような形状とすることにより、図3に示したようにしごき加工完了後のラックバーにおいて、ラックの歯幅端部の根部に図11にあったようなばり46が出ることを防止できる。またさらにラックの歯の幅方向の形状も変化し、ラックの歯の根部近傍の傾斜部分33が、従来の単純な平面に押圧した場合より急峻になる。したがって従来の方法における場合よりラックの歯幅を大きく確保できる。このような効果が得られるのは、鋼管を本発明の形状に押圧したときの端部方向に低くなる傾斜部において、しごき加工の始めの段階では材料の***がなく、しごき加工が進行して材料が歯幅方向に移動を開始してから傾斜部の材料が***するので、ばりの発生が防止できまた歯幅端部の傾斜が急峻になるものと考えられる。
【0016】
上記のような幅方向中央部の平坦部31の幅やその両側の傾斜部32の傾斜程度は、実際に加工してみて必要な歯幅などを考慮して最適な値を決めればよいが、図1における平坦部の幅Fは平面状にされた部分の全幅Wの20ないし80%の範囲が好ましい。平坦部の幅Fが80%より大きいと全体が平面の場合の状況に近づき効果が不十分になり、一方全幅Wの20%より小さいとラック形成型の歯幅中央部に過大な負担がかかり寿命が短くなる。また平坦部と傾斜部端部との高さの差Hは0.2ないし4.0mmの範囲が好ましい。また平坦部と傾斜部端部との高さの差Hが0.2mmより小さいと全体が平面の場合の状況に近づき効果が不十分になるが、この点特に好ましいのは0.3mm以上である。一方4.0mmより大きいと形成されたラックの歯の形状が不良になるが、この点特に好ましいのは3.0mm以下である。
【0017】
なお本発明において素材の鋼管の長さの一部分をポンチで押圧して平坦部31と傾斜部32とを有する形状とする場合、先端部を上記形状の雌型としたポンチによって一挙に成形すればよい。たとえば第1段階で平面にして第2段階で傾斜部を形成するとか、第1段階で山形の表面形状として第2段階で幅方向中央部を平坦にするなどの2度手間を掛ける必要は特にないが、本発明においてそのような方法を排除するものではない。
【0018】
さらに本発明においては上記のように平面状にされた部分にラック形成型を接触させて保持するに際し、図2にBとして示したようにラック形成型11の歯型先端部14を平面状にされた部分との接触位置から食い込ませた後、しごき加工を開始することが好ましい。これはマンドレルによる鋼管内面のしごき加工においては、材料を移動させようとする応力はラックの歯を***させるような上方へのものだけではなく、鋼管の軸方向へ移動させようとする応力も働くが、この軸方向への材料の移動を制限するためである。
【0019】
すなわち図4はマンドレルによるしごき加工の初期の段階におけるラック形成型11と材料である鋼管3との位置関係を示す断面図であるが、材料が軸方向15に滑りながら上方に移動している。このようなしごき加工時の鋼管の軸方向への材料の移動はそれだけラックの歯の部分の形成を遅らせて、必要なしごき加工の回数が増えることになる。この軸方向の滑りはラック形成型11の歯型先端部14が材料に食い込むまでが著しく、一旦食い込んでしまえばこれにより軸方向15の移動が束縛されて少なくなる。本発明はこのようなラック形成型11の歯型先端部14が材料に食い込んだ状態を、マンドレルによるしごき加工開始前から発現させるものである。
【0020】
このためにラック形成型の歯型先端部を鋼管の平面状にされた部分との接触位置からさらに進めて食い込ませ、その後マンドレルによるしごき加工を開始する。図1に示したような平面状の部分が平坦部31と傾斜部32によって構成される形態の場合、ラック形成型の歯型先端部が平面状にされた部分と最初に接触するのは平坦部であり、食い込みが深くなるにしたがって傾斜部における食い込みの幅が広がることになる。この場合図2に示したように傾斜部の端部の深さまで食い込ませず、すなわち食い込みの幅が平面状の部分の全幅まで無くてもかまわない。
【0021】
このようなマンドレルによるしごき加工に先立ってラック形成型を食い込ませる方法は、鋼管を平面状にするときの平面の形状いかんに拘らず多少なりとも効果があり、たとえば従来方法である完全な平面にした場合にラック形成型を食い込ませる方法を行うことを排除するものではない。しかし前記した本発明の平坦部31と傾斜部32とを有する形状の場合、しごき加工において最初に材料が***する平面状にされた部分の幅方向中央部、すなわち前記平坦部に優先的にラック形成型11を食い込ませることになるので効果が大きい。さらに平面状にされた部分の幅方向中央部は内部が中空なため凹み易いが、上記本発明の形状の場合、この部分があらかじめ平坦部として高くなっているので効果的にラック形成型を食い込ませることができる。
【0022】
図2に示した食い込み量Bはラック形成型11の歯型先端部14と平面状にされた部分との接触位置、すなわちこの場合平坦部31との接触位置から0.1mm以上あれば効果が得られるが、特に好ましいのは0.2mm以上である。一方2.5mmを超えても効果は飽和し幅方向中央部の凹みが大きくなるが、この点特に好ましいのは1.5mm以下の範囲である。この食い込み量Bは上記のようにラック形成型11の歯型先端部14と平坦部31との接触位置からの距離として定義したものであり、ラック形成型を食い込ませた後に鋼管を取り外して見たときの圧痕の深さと通常は一致しない。すなわち先にも述べたように鋼管の平面状にされた部分の幅方向中央部は内部が中空なため凹み易く、鋼管平坦部との接触位置からのラック形成型の移動距離よりも圧痕は浅くなるためである。
【0023】
前記のようなラック形成型の鋼管の平面状にされた部分への食い込みによる材料のラック長さ方向への移動を制限する効果は、片方の隣に食い込むべき歯型の存在しない両端の歯においては少なくなる。このためラック形成型をしごき加工に先立って食い込ませる本発明の方法を採用するか否かに係わりなく、ラックの両端の歯においてはしごき加工による歯の形成に遅れが生じ、歯幅が他の歯よりかなり小さくなるのが普通である。この影響はさらに隣接する歯にも及び、ラックの長さ方向両端部の幾つかの歯において、端部に向けて歯幅が順次小さくなる傾向が生ずる。鋼管を平面状にするさい、幅方向中央部の平坦部とその両側に端部方向に低くなる傾斜部とを有する形状にする本発明の方法において、平坦部の幅および傾斜部における平坦部と傾斜部端部との高さの差の少なくとも一方を、ラックバーの長さ方向において変化させることにより、このような歯幅の変動をある程度防止することも可能である。またさらに進んで特殊な目的のために複数の歯において歯幅を順次変化させたいときには、平坦部の幅や傾斜部における平坦部と傾斜部端部との高さの差をラックバーの長さ方向において変化させて調節することも可能である。
【0024】
また図2や図3に示したマンドレル21A、21Bは本発明の製造方法において特に好ましい形態のものを示している。すなわちこのマンドレルはしごき加工個所における両方の側面23が鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面22A、22Bと直角になっていることが特徴である。さらにこの両方の側面23の間隔が、使用するすべてのマンドレルのしごき加工個所において同一であることも特徴である。
【0025】
すなわち図11に示したような断面のマンドレルにおいては、鋼管の平面にされた部分の内面に対向する面42Aないし42Cとこれに隣接する両側の面43Aないし43Cとは直角ではなく鈍角になっている。このため順次しごき加工をしていくと、この両側の面が43A、43B、43Cに示したように順次進行して鋼管3の内面にくさび状に食い込んでいくため、側面の部分で大きな加工力が発生し、1回の加工量を大きくできない。これに対して図2や図3に示すマンドレルにおいては両側面23は鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面22A、22Bと直角であり、順次使用するすべてのマンドレルにおいてこの両側面23の間隔が同一になっているためこの部分で加工力が費やされることがない。このため1回の加工量を大きくでき、マンドレルによるしごき加工の回数を減らすことができる。
【0026】
さらに本発明においては図5にしごき加工個所の断面図を示したマンドレルを、しごき加工で使用する複数のマンドレルのうちの少なくとも1以上について、上記マンドレルと併用すると好ましい。すなわち従来からのマンドレルはしごき加工個所における鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面は単純な平面になっているが、先に図11によって説明したように、マンドレル挿入によるしごき加工の始めの段階ではまず歯幅の中央部分が***し、ラック形成型の底の部分に***した金属が衝突した後、順次幅方向に***部分が広がっていく。本発明においてはこの現象に着目し、特にラック形成型の底の部分に***した金属が衝突した後においては、積極的にラックの幅方向両端部に向けて材料を流動させようとするものである。
【0027】
このための手段として図5に示したように、しごき加工個所における鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面35の幅方向中央部に窪み36を有する、逆に云えば材料を積極的に流動させたい幅方向両端部が突き出ているマンドレル34を使用する。このようなマンドレルによりラックの幅方向両端部に向けて直接に材料を流動させてラックの歯幅方向の形成を促進すると共に、ラック形成型の底の部分にかかる負担を軽減してラック形成型の寿命を延ばすことができる。このような効果は前記した本発明である、鋼管の長さの一部分を平面状に押圧したときの外面を、幅方向中央部に平坦部と、その両側に端部方向に低くなる傾斜部とを有する形状にする方法と組み合わせると特に顕著である。
【0028】
上記のようなしごき加工個所における鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面の幅方向中央部が窪んでいるマンドレルは、使用する複数のマンドレルのうちの少なくとも1以上がそのようになっていればよい。すなわち上記のようにラック形成型の底の部分に***した金属が衝突したと判断される段階以降のすべてのしごき加工に使用してもよいし、このマンドレルを使用した後の段階で、鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面が平面の普通のマンドレルに再度切り替えることを妨げるものではない。さらにはしごき加工のもっと初期の段階でこのような窪みを有するマンドレルを使用してもよい。
【0029】
なお図5に示したマンドレル34は図2や図3に示したマンドレル21A、21Bと同様に、しごき加工個所における両方の側面37が鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面35と直角になっている特徴も有している。また当然にこの両方の側面37の間隔も使用するすべてのマンドレルのしごき加工個所において同一である。しかし鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面の幅方向中央部に窪みを設けること自体は、図11に示したような両側面が平行でないマンドレルに対しても適用可能である。
【0030】
図5に示すようなマンドレルの鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面35における幅方向中央部の窪み36の幅Gは全幅Tの20ないし70%の範囲にあればよい。20%未満ではラックの幅方向への材料の流動を促進する効果が少なく、また70%を超えると幅両端部の狭い範囲に材料の流動が集中するおそれがある。また上記窪み36の幅方向中央部における深さDは0.2mm以上あればよい。0.2mm未満では効果が少なく、特に好ましいのは0.4mm以上である。一方深さの上限については、マンドレルによるしごき加工のある段階で幅両端部の材料だけの加工を行う工程を挟むこともあるので、特に制限しない。したがって極端な場合U字型に近い断面のマンドレルもありうるが、実際には幅方向中央部における深さDが5.0mmを超えるような値になれば幅方向両端部のみの材料がしごかれるようになる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、ラックバーの製造工程において鋼管を平面状にするさい、幅方向中央部に平坦部とその両側に端部方向に低くなる傾斜部とを設けたので、しごき加工完了後のラックバーにおいてラックの歯幅端部の根部にばりが出ることを防止できるとともに、従来の方法における場合よりラックの歯幅を大きく確保できる。またしごき加工を開始するに当たって、ラック形成型の歯型先端部を鋼管の平面状にされた部分との接触位置からさらに食い込ませるので、材料を鋼管の軸方向へ移動させようとする応力を制限し、ラックの歯の***を促進させることができる。また、しごき加工個所における両方の側面が鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面と直角になっているマンドレルを使用することにより、両側面で加工力が費やされることを防止し、マンドレルによるしごき加工の回数を減らすことができる。また鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面の幅方向中央部に窪みを有するマンドレルを併用することにより、ラックの歯の歯幅方向への形成を促進すると共に、ラック形成型の底の部分にかかる負担を軽減してラック形成型の寿命を延ばすことができる。なお本発明は上記の実施形態に限定されず、その発明の範囲内で種々の変形が可能である。各図に示したような実施形態から変形されていても本発明の精神から逸脱しない限り本発明の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において素材の鋼管の一部を平面状とした状態の断面図
【図2】図1に示した材料に対してマンドレルによるしごき加工を開始しようとする状態の断面図
【図3】図2のようにして加工が完了した状態の断面図
【図4】しごき加工の初期の段階におけるラック形成型と鋼管との位置関係を示す断面図
【図5】本発明のマンドレルの一例におけるしごき加工個所の断面図
【図6】中空なラックバーを示す斜視図
【図7】中空なラックバーの製造方法を示す縦断面図
【図8】中空なラックバーの製造方法を示す横断面図
【図9】中空なラックバーの製造方法を示す縦断面図
【図10】中空なラックバーの製造方法を示す横断面図
【図11】先の発明の方法におけるしごき加工の状況を示す断面図
【符号の説明】
1 ラックバー
2 ラックの歯
3 鋼管
5、6 割型
8 縦穴
9 ポンチ
11 ラック形成型
12 マンドレル
13 歯形底部
14 歯型先端部
15 軸方向
21A、21B マンドレル
22A、22B 鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面
23 側面
31 平坦部
32 傾斜部
33 傾斜部分
34 マンドレル
35 鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面
36 窪み
37 側面
マンドレル41
42A、42B、42C 鋼管の平面にされた部分の内面に対向する面
43A、43B、43C 側面
44A 鋼管における最初の位置
44B、44C 鋼管における歯先の面の位置
45 空間
46 ばり

Claims (8)

  1. 素材の鋼管の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とし、ラック形成型を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で、全長の少なくとも1個所にしごき加工個所を有する1以上のマンドレルを鋼管の内部に押込み、前記平面状にされた部分の内面を複数のしごき加工個所により順次しごき加工をして、前記ラック形成型に従ってラックを形成するラック付き管状部材の製造方法において、前記平面状にされた部分は幅方向中央部に全幅の20ないし80%の幅の平坦部と、その両側に端部方向に低くなる傾斜部とを有する形状をなしていることを特徴とするラック付き管状部材の製造方法。
  2. 前記平坦部と傾斜部端部との高さの差が0.2ないし4.0mmであることを特徴とする請求項1記載のラック付き管状部材の製造方法。
  3. 平面状にされた部分における前記平坦部の幅および前記傾斜部における平坦部と傾斜部端部との高さの差の少なくとも一方を、ラック付き管状部材の長さ方向において変化させたことを特徴とする請求項1または2に記載のラック付き管状部材の製造方法。
  4. 素材の鋼管の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とし、ラック形成型を前記平面状にされた部分に接触させて保持した状態で、全長の少なくとも1個所にしごき加工個所を有する1以上のマンドレルを鋼管の内部に押込み、前記平面状にされた部分の内面を複数のしごき加工個所により順次しごき加工をして、前記ラック形成型に従ってラックを形成するラック付き管状部材の製造方法において、ラック形成型の歯型先端部を前記平面状にされた部分との接触位置からさらに0.1ないし2.5mm進めて食い込ませた後、マンドレルによるしごき加工を開始することを特徴とするラック付き管状部材の製造方法。
  5. ラック形成型の歯型先端部を前記平面状にされた部分における前記平坦部との接触位置からさらに0.1ないし2.5mm進めて食い込ませた後、マンドレルによるしごき加工を開始することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のラック付き管状部材の製造方法。
  6. マンドレルのしごき加工個所における両側面が鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面と直角になっており、かつ前記しごき加工個所における両側面の間隔が、使用する複数のマンドレルすべてにおいて同一であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のラック付き管状部材の製造方法。
  7. 使用する複数のマンドレルのうちの少なくとも1以上について、しごき加工個所における鋼管の平面状にされた部分の内面に対向する面の幅方向中央部に全幅の20ないし70%の幅の窪みを有することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のラック付き管状部材の製造方法。
  8. 前記窪みの幅方向中央部における深さが0.2mm以上であることを特徴とする請求項に記載のラック付き管状部材の製造方法。
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