JP4647964B2 - 中空なステアリングラック軸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は自動車の操舵装置の部品であるステアリングラック軸およびその製造方法に関するものである。近年、自動車の軽量化を目的として従来中実であった軸などを中空にすることが図られているが、本発明が対象とするのはこのような中空なステアリングラック軸である。
図10は従来からの中空なステアリングラック軸51を示す外観図であって、円形断面の軸の長さの一部、たとえば半分程度にラック52が形成されているものである。また図10のステアリングラック軸においてはラック52を形成した部分以外の長さの一部分にボールねじ用のねじ溝3が設けられている。このねじ溝は、操舵装置の機構を簡素化するため最近多く採用されつつある電動式パワーステアリングのためのものである。従来からの一般的なステアリングラック軸は油圧式のパワーステアリングに対応したものであって、この場合は全長のうちラックを形成した以外の部分は単純な円筒(中空でない場合は丸棒)になっている。
電動パワーステアリングの機構は図示しないが、上記ねじ溝3にボールを介してナットが結合されてボールねじが形成されており、このナットの外周はステアリングラック軸が貫通する形で設けられているモータの回転子の内周と結合されている。モータ自体は一定位置に固定されているので、モータの回転力はボールねじによりラック軸のスラスト力に変換され、パワーステアリングの作用を生ずる。
前記のような中空なステアリングラック軸の製造方法としては、丸棒にラック部を切削加工により形成した後に穴をあける方法が行なわれていた。素材として中空なもの、すなわち鋼管を使用し、ラックを形成すべき部分を平坦に潰した後にラックを切削加工することも考えられるが、実際にはラックを形成した部分の肉厚が薄くなって必要な強度を確保するのが困難である。このようなことから、素材に鋼管を使用して塑性加工によりラック部を形成し、全長が中空なステアリングラック軸とする方法が特公平3−5892号公報において提案され、さらに改良した方法も考えられて急速に生産が拡大しつつある。
この特公平3−5892号公報に開示された方法は、まず鋼管のラックを形成すべき部分をつぶして平面にし、次にこの部分にラックを形成するという2段階の工程からなる。このためにまず左右に開くことができる第1次成形用割型を設けて素材の鋼管の加工すべき部分を収容するが、この型は合わせた状態において上部のラックを形成すべき部分に貫通穴が設けられている。そして先が平面になったプレス型を上からこの貫通穴に挿入して鋼管のその部分を平面に加工し、これを第1次成形体とする。
次に内面形状がラックバーの完成品の外形形状と一致し、左右に開くことができる第2次成形用割型に上記第1次成形体を収容する。すなわちこの第2次成形用割型は左右の型を合わせたとき、上部にラックの歯の雌型が構成されるようになっている。そしてマンドレルを鋼管内に挿入して、先に平面にされた部分を内部からしごき加工をする。これを複数回繰り返すことににより材料が順次盛り上がり、上記第2次成形用割型の形状に従ってラックが成形されるというものである。
一方、ねじ溝については電動パワーステアリングの場合のみに設けられるものであり、現在のところ上記のようなラックを塑性加工により形成した中空のラックバーにおけるねじ溝の実例は少ない。しかしねじ溝においても切削加工による方法と転造などの塑性加工による方法とがある。またねじ溝を形成する加工とラックを形成する加工と、どちらを先に行なうかについても、両方の方法があり得る。
特公平3−5892号公報
ところで前記のような塑性加工による方法、すなわちマンドレルにより管内をしごき加工して歯の部分を***させる方法においては、歯幅両端における歯先から歯元への傾斜は緩くなっており、有効な歯幅が小さくなり勝ちである。特に電動パワーステアリングの場合、油圧式パワーステアリングに比較してラックに対する荷重が大きいことが多く、ラックの強度の点から歯幅をなるべく大きくするように求められることがある。しかしながら塑性加工による方法においては、歯先から歯元への傾斜を大きくすることにより歯幅を現在より大きくするのは難しい状況にある。そこで本発明は塑性加工により作成される中空なステアリングラック軸において、歯幅が従来より大きいものを得ること目的とする。
本発明は前記課題を解決するものであって、鋼管の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とし、前記平面状にする加工をした鋼管をラック形成型を内面に有する割型内に収容してラック形成型を平面状にされた部分に接触させ、マンドレルを鋼管の内部に押込むことにより前記平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をして前記ラック形成型に従ってラックを形成する中空なステアリングラック軸の製造方法において、鋼管の前記平面状にされた部分の幅寸法を、素材の鋼管の、平面状にされた位置における弦の長さより大きくすることを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造方法である。ここにおいて前記平面状にする加工は、鋼管の少なくとも平面状にすべき長さ部分を収容する割型に鋼管を収容し、割型に有する穴に先端が平面状のポンチを挿入し、鋼管を押圧し変形させるものであることも特徴とする。
また本発明は、ラック形成型を内面に有する割型により鋼管の長さの一部分を押圧してラック形成型に接触した部分を平面状とし、前記割型により押圧された状態で鋼管を保持したまま、マンドレルを鋼管の内部に押込むことにより前記平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をして前記ラック形成型に従ってラックを形成する方法であって、鋼管の前記平面状にされた部分の幅寸法を、素材の鋼管の、平面状にされた位置における弦の長さより大きくすることを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造方法である。また前記それぞれの中空なステアリングラック軸の製造方法において、平面状にする加工のさいの潰しストロークは、平面状にする前の鋼管の直径の30から60%であることも特徴とする。
マンドレルの挿入によってラックの歯を***させる方法で鋼管を素材として中空なステアリングラック軸を製造する場合、従来の方法では歯幅を充分に確保するのが難しかったが、本発明によれば充分な歯幅のラックを形成させることができる。したがって一般にラックに対する荷重が大きい電動パワーステアリングに対して特に好適な中空なステアリングラック軸を提供することができる。
図1(a)は本発明のステアリングラック軸1、図1(b)は図10に示した従来のステアリングラック軸51における、ラック部の軸方向と直角な断面図である。いずれも鋼管を素材として塑性加工によりラックを形成させることを前提としているが、従来のものにおいては素材の鋼管の外周であった円の中に断面全体が納まっている。つまり(b)図において、ラック52と軸対称側の外周を構成する欠円45を延長した仮想円46の中に断面全体が納まっていることになる。これに対し本発明のものにおいては素材の鋼管の外周であった円の外部まで断面の一部が及んでおり、(a)図においてラック2と軸対称側の外周を構成する欠円45を延長した仮想円46から断面の一部4がはみ出している。
従来はラック部における軸方向と直角な断面において、素材の鋼管の外周であった円の中に断面全体が納まっていたのは、特に意識してそのようにしたわけではない。先に述べたように塑性加工によって中空なステアリングラック軸を製造する方法が開発される以前は丸棒を切削してラックを形成していたが、この場合にはでき上がったステアリングラック軸の外形は、必然的にもとの丸棒の輪郭の中に入る。その後実用化された塑性加工による製造方法においても、ステアリングラック軸の形態そのものは従来の切削加工によるものを踏襲してきたのである。
しかしながらマンドレルの挿入によって歯の部分を***させる方法で形成したラックは、歯幅を素材である鋼管の輪郭いっぱいにすることが困難という問題がある。図11は平潰しした鋼管内にマンドレルを繰り返し挿入したときのラック歯の***状況を説明する、ステアリングラック軸51と直角方向の断面図である(この断面図は従来技術のステアリングラック軸を示しているが、現象自体は本発明においても同じである)。41、42、43はマンドレルによるしごき加工の各段階での歯の形成状況であって、41は初期の段階、42はその後の途中の段階、43は最終段階を示している。これで見るように材料の***はラックの歯幅の中央部から始まり、中央部で所定の歯先の高さに達した後に歯幅が徐々に広がっていく。そして歯の形成工程はラック形成型の幅の両端部において歯元の部分がわずか***したところで終了にしている。このため歯幅両端における歯先から歯元への傾斜44は緩くなっており、有効な歯幅である歯先の部分における歯幅はラック形成型の幅よりかなり小さくなる。
切削加工により丸棒にラック部を設ける方法であれば、ラックの歯の幅方向両端の面は最大で素材の丸棒の面まで確保できる。塑性加工による製造方法でこれと同様に充分な歯幅を確保するには、ラック形成型の歯幅方向両端に達するまで金属を充満させれば良いはずであるが、現状の塑性加工による製造方法では困難である。なぜなら現在工業的に実施されている製造方法において使用されているラック形成型は歯幅方向両端が閉鎖せずに開放された形態になっているからである。
すなわち上記製造方法は、平面にする加工をした鋼管をラック形成型を内面に有する割型内に収容してラック形成型を平面にされた部分に接触させ、マンドレルを鋼管の内部に押込んで順次しごき加工をするものであるが、ラック形成型は割型に対して着脱式になっている。これは冷間加工であるためラック形成型には繰り返しの大きな応力がかかり、これによって亀裂が入り寿命が短いので割型と一体にしてしまうとコストが高くなるからである。この着脱式のラック形成型は放電加工や切削加工によって歯の部分を加工することになるが、いずれにしても幅方向両端は開放された形態にした方が加工が容易で低コストで製作できる。したがってこのようなラック形成型を割型内に取付けた場合、***により歯幅方向端部に達した金属はラック形成型ではなく割型自体の内面で受け止めなければならいが、実際には取付けたラック形成型と割型との間の隙間が加工のさいの応力により広がるなどの理由で困難である。
上記のように塑性加工による製造方法においては、ラックの歯の歯幅両端の形態はラック形成型の内面によって規定されるのではなく、マンドレルの挿入に伴う金属の***によって自由に形成された面で構成される。そこで本発明においては、先に述べたようにステアリングラック軸のラックが形成されている長さ部分の軸方向直角断面において、その外周の一部が素材の鋼管の外周であった円の外部まで張り出した形態にすることにしたのである。このようにすることにより、ラックの歯の歯幅両端がマンドレルの挿入に伴う金属の***によって自由に形成された面で構成されるような加工方法を適用した場合においても、充分な歯幅を確保できる。
また本発明のステアリングラック軸は図10に示したように電動パワーステアリング用のねじ溝3が設けられていても良い。ただし本発明の特徴点は前記の説明のようにラックの部分の構成にあり、ねじ溝の構成自体は特に規定するものでは無い。なお油圧式のステアリングラック軸においては真円部分は油圧シリンダの一部を構成するので、オイルシ−ルなどのパッキンが装着される。このパッキンの装着にあたりラックの方側から挿入しなければならない場合があるが、この場合ラック部の軸方向直角断面において外周の一部が素材の鋼管の外周であった円の外部まで張り出していると挿入が困難となる。このような場合には本発明のステアリングラック軸の使用は不適当であるが、電動式のパワーステアリングの場合にはパッキンを使用しないのでそのような問題が無い。一方、電動式のパワーステアリングにおいてはラックの歯にかかる荷重が大きい場合が多く、歯幅を大きくする要求が多いので本発明のステアリングラック軸は電動式のパワーステアリング用として特に適している。
以上は本発明の中空なステアリングラック軸の形態であるが、これは鋼管を素材として塑性加工によって製造されるものであることを前提としている。本発明のステアリングラック軸は以下に説明するような方法で製造することができる。図2は平潰し工程を示すステアリングラック軸と平行な断面図であって、図3は図2のA−A位置における断面図、図4は図2のB−B位置における断面図である。鋼管11の全周を取り囲む割型12、13に鋼管の少なくとも平面状にすべき長さ部分、すなわち平面状にすべき長さ部分とこれに長さ方向に隣接する部分を収容する。この割型の上型12には鋼管のラックを形成すべき部分に対応した個所に縦穴14が貫通しており、この状態で縦穴14にポンチ15を挿入してこの部分の鋼管11を押圧して平面状にする。このようにして鋼管の長さの一部分について外面円周の一部が平面状になったものが作られる。
図5(a)は本発明の平潰し工程後、図5(b)は従来の平潰し工程後における鋼管の軸方向と直角な断面図である。本発明の製造方法は上記の平潰し工程に特徴があり、図5(a)に見るように平潰しを行なった個所の鋼管11の断面の一部17が、平潰し工程前の鋼管の外周であった仮想円46の外部にあるようにする。すなわち従来の平潰し工程においては、図5(b)平面に潰された部分以外はもとの鋼管11の外周の形状をそのまま維持しており、平面にする加工前の鋼管の外周であった仮想円46より外に出ることはない。これに対し本発明においては鋼管の平面に加工された以外の部分も変形しており、平面にする加工前の鋼管の外周より広がっている。その結果として平面に加工された部分の幅W(図5(a))が従来の方法の場合より広くなっており、素材の鋼管の、平面状にされた位置における弦の長さ(図5(b)におけるW)より大きくなっている。したがってこの平面上に構成されるラックの歯幅を大きくできることになる。
なお本発明における平潰し工程のさいの潰しストロークLは、平面を設ける前の鋼管の直径の30から60%、好ましくは35から50%が適当である。従来の加工方法である平面を設ける加工前の鋼管の外周であった円の内部に加工後の断面がある方法においては、潰しストロークLは30%より小さいのが普通である。これに対し本発明においては前記のように潰しストロークを大きくすることによって平面にされた部分の面積が大きくなってもこの部分の肉厚を確保して充分な強度のラックの歯を形成させるためである。
また前記の鋼管に平面を設ける加工において、完全な平面ではなくたとえば幅方向中央部をわずかに高くすることにより、マンドレルによるしごき加工のさいの材料の***状況を変化させるといったことも行なわれる。さらに平面の部分の幅方向両端の側面部分との間を明確な稜線とせず、図6に平潰し後のステアリングラック軸と直角な断面図を示したように円周と平面部分との移行部分18を緩やかな曲面にすることもある。特許請求の範囲やこの明細書の一部に使用されている平面状という用語は特にこのような場合を意識したものである。
なお従来の塑性加工によるステアリングラック軸の製造方法における平潰し工程においては、上型と下型の型当たり面は鋼管の中心軸の位置にあった。しかし本発明においては平潰し工程により鋼管が加工前の外周より広がった結果、図3に見るように上型と下型の型当たり面16は鋼管の中心軸Oより上方であって、加工したとき断面が最大幅になる位置にする必要がある。このようにしないと加工後に鋼管を型から外すことができないからである。しかしこれは図3に示した鋼管の平潰し加工を行なう長さ位置におけることであり、図4に示した平潰しを行なわない個所においては、従来と同じく鋼管の中心軸Oの位置に型当たり面16がないと上下の型で完全に保持することができない。
このため図2のステアリングラック軸と平行な断面図に示すように、型当たり面16は軸方向位置により上下位置が変化する。このため平潰しをした個所と平潰しをしない真円部分との移行個所20においては、傾斜を設けて型当たり面の高さ位置が徐々に変化するようにすれば良い。なお図示しないが、平潰しをした個所と真円部分との移行個所20における横幅の寸法についても、傾斜をつけて徐々に移行する必要がある。
また上記とは別の方法として、型当たり面は軸方向全長に亘って図3と同じく加工したとき断面が最大幅になる位置にし、その代わり平潰しを行なわない個所における割型の形状を変えても良い。すなわち図7は図4と同様な平潰し工程における真円部分の軸方向と直角な断面図であるが、下型23をU字溝のようにして鋼管11の中心軸Oが型当たり面25より下になっても下型への出し入れを可能にする。一方、上型22の断面は半円より少ない長さの円弧にするので、上型22と下型23で保持したとき両側に隙間24ができるが、実用上は差し支えない。なお平潰しをした個所と真円部分との移行個所20(図2)における横幅の寸法についても、傾斜をつけて徐々に移行する必要があることはこの場合も同様である。
またさらに先に従来技術として説明した特公平3−5892号公報にあるように鋼管の中心軸を含む位置の縦の分割面において開くことができる割型を使用することもできる。このような左右分割型の割型を使用すれば鋼管が加工前の外周より広がった結果、断面が最大幅になる位置が鋼管の中心軸より上方に移動しても、加工後の型からの取出しが可能である。なおまた以上説明したような2分割の割型ではなく、3分割以上の割型を使用することも可能である。なおさらには割型を使用せず、鋼管の下側のみを溝型で支持して上側は開放の状態でポンチを押しても平潰し自体は可能であるが、これまで説明したように平潰しした場所以外の鋼管の変形を防止するために全体を割型に収容するのが好ましい。
上記のようにして平潰しが行なわれた鋼管に対して次にラック形成工程が行なわれる。図8はラック形成工程を示すステアリングラック軸と平行な断面図であって、図9はラックの個所におけるステアリングラック軸と直角な断面図である。図8、図9に示すように鋼管11の全周を取り囲む平潰し工程のときとは別の割型26、27に鋼管の平面が形成された部分を収容する。この割型の内部にはラック形成型28が設けられ、鋼管の平面が形成された部分に接触するようになっている。この状態で鋼管の内部にマンドレル29を押し込み、平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をして内部から材料を盛り上げ、ラック形成型28に従ってラックを形成させる。図8、図9はラック形成が完了した状態を示している。
マンドレル29は少しずつ寸法の異なるものを使用して複数回、たとえば十数回のストロークにより加工を行なうことになるが、全長の複数個所にしごき加工個所である突起30を有するマンドレルを使用すればストローク数を減らすことができる。マンドレルの挿入は鋼管の片方から行なう方法と、挿入装置を両側に設けて両側から交互に挿入することにより能率向上を図る方法とがある。なおこれらの塑性加工はすべて冷間で行なわれる。なお、ラック形成型28の部分は割型の上型26と一体にしても原理的には差し支えないが、先にも述べたように大きな力を受けるため比較的寿命が短いので、図8および図9に示したようにラック形成型の部分だけ独立させて割型に取付けて使用するようにするのが好ましい。
上記のラック形成工程においては、平潰し工程により生じた平面の幅が従来の方法の場合より大きくなったのに見合ってラック形成型28の幅を大きくする。またマンドレルの作用部分の幅も従来より広くして幅広く材料が***するようにする。本発明の方法においてマンドレル挿入による歯の形成工程の終了点はラック形成型の幅の両端部において歯の部分がわずか***したところであって、従来の方法と同じである。このため歯幅両端における歯先から歯元への傾斜の状況は従来と同じであるが、ラック形成型の幅が大きくなったのに対応してラックの歯幅を充分に大きくできる。
なおラック形成工程における割型26、27においても、平潰し工程における割型12、13の場合と同様に、ラック形成部分における上型と下型の型当たり面31は鋼管の中心軸Oより上方の加工したとき断面が最大幅になる位置にする必要がある。一方、ラック形成部分以外では先の図4と同様に型合わせ面を鋼管の中心軸の位置にする必要があり、この間で型合わせ面の高さ位置を変化させる必要がある(図8は型当たり面の記載を省略)。また別の方法としてラック形成部分以外の割型の形状を先の図7と同様にして、型当たり面31の位置を図9における位置と同じにすることもできるのは、平潰しの場合と同様である。
以上の工程によりステアリングラック軸が製造できるが、上記とは別の方法によって製造することもできる。すなわち鋼管の一部分の平潰しを行ない、生成した平面上にラックを***させる点では先の工程と同じであるが、平潰しに専用の割型とポンチを使用せずにラック形成型を設けた割型により直接平潰しを行なうものである。すなわちラック形成型を内面に有する割型により鋼管の長さの一部分を押圧してラック形成型に接触した部分を平面状とし、割型により押圧された状態で鋼管を保持したまま、マンドレルを鋼管の内部に押込むことにより平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をしてラック形成型に従ってラックを形成するものである。
この方法においては凹凸があるラック形成型で押圧されても、材料の剛性のためラック形成型による凹凸はほとんど発生せずにほぼ平面になる。したがってマンドレルの挿入によるしごき加工のときにラックの歯が形成されることは、この方法においても先の方法と同じである。このようにしてラックが形成された長さ部分の軸方向直角断面の外周の一部が、ラックを形成する前の鋼管の外周であった円の外部にあるようにすることにより、ラックの歯幅を充分に大きくすることができる。
なお電動パワーステアリングに使用するための中空なステアリングラック軸の場合は、図10に示すように長さの一部分にラックを形成するともに、別の長さの一部分にボールねじ用のねじ溝3を設ける必要がある。ねじ溝の加工方法には切削や転造などがあるが、本発明においてねじ溝を形成する方法については限定しない。またラックを形成した後にねじ溝を形成しても良いし、逆に先にねじ溝を形成しておいてから、ラックを形成する加工を行なっても良い。
(a)は本発明のステアリングラック軸、(b)は従来のステアリングラック軸におけるラック部の軸方向と直角な断面図 平潰し工程を示すステアリングラック軸と平行な断面図 図2のA−A位置における断面図 図2のB−B位置における断面図 (a)は本発明、(b)は従来技術における平潰し工程後の鋼管の軸方向と直角な断面図 平潰し後のステアリングラック軸と直角な断面図 平潰し工程における真円部分の軸方向と直角な断面図 ラック形成工程を示すステアリングラック軸と平行な断面図 ラック形成工程を示すラックの個所におけるステアリングラック軸と直角な断面図 従来からの中空なステアリングラック軸を示す外観図 ラック歯の***状況を説明するステアリングラック軸と直角方向の断面図
符号の説明
1 ステアリングラック軸
2 ラック
3 ねじ溝
4 断面の一部
11 鋼管
12、13 割型
14 縦穴
15 ポンチ
16 型当たり面
17 断面の一部
18 円周と平面部分との移行部分
20 平潰しをした個所と真円部分との移行個所
22 上型
23 下型
24 隙間
25 型当り面
26、27 割型
28 ラック形成型
29 マンドレル
30 突起
31 型当たり面
41、42、43 しごき加工の各段階での歯の形成状況
44 歯先から歯元への傾斜
45 欠円
46 仮想円
51 ステアリングラック軸
52 ラック

Claims (4)

  1. 鋼管の長さの一部分を押圧して外面円周の一部を平面状とし、平面状にする加工をした鋼管をラック形成型を内面に有する割型内に収容してラック形成型を平面状にされた部分に接触させ、マンドレルを鋼管の内部に押込むことにより平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をして前記ラック形成型に従ってラックを形成する中空なステアリングラック軸の製造方法において、鋼管の前記平面状にされた部分の幅寸法を、素材の鋼管の、平面状にされた位置における弦の長さより大きくすることを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造方法。
  2. 前記平面状にする加工は、鋼管の少なくとも平面状にすべき長さ部分を収容する割型に鋼管を収容し、割型に有する穴に先端が平面状のポンチを挿入し、鋼管を押圧し変形させるものであることを特徴とする請求項記載の中空なステアリングラック軸の製造方法。
  3. ラック形成型を内面に有する割型により鋼管の長さの一部分を押圧してラック形成型に接触した部分を平面状とし、前記割型により押圧された状態で鋼管を保持したまま、マンドレルを鋼管の内部に押込むことにより前記平面状にされた部分の内面を順次しごき加工をして前記ラック形成型に従ってラックを形成する方法であって、鋼管の前記平面状にされた部分の幅寸法を、素材の鋼管の、平面状にされた位置における弦の長さより大きくすることを特徴とする中空なステアリングラック軸の製造方法。
  4. 前記平面状にする加工のさいの潰しストロークは、平面状の個所を設ける前の鋼管の直径の30から60%であることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の中空なステアリングラック軸の製造方法。
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