JP3771995B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層フィルム、詳しくは製袋等した場合のヒートシール面の剥離(以下、開封性と述べる)が良好な積層ヒートシールフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
物品をフィルムで包装する際、フィルム同士をヒートシールすることが行われている。その際、フィルムとして、ポリプロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン系の熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が基材フィルムの表面に積層されたものを使用することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうしたヒートシールによる包装では、フィルム同士の結合部が、流通時において破れない十分な強度を有していることは必要であるが、それと同時に手で容易に開封できるという相反する性能が要求される。
【0004】
また、この包装体の開封時に、該結合部がきれいに剥離できることが要求される。即ち、前記積層フィルムでは、通常、この結合部を引き剥そうとすると、糸引きや毛羽立ちが生じ易い。そして、フィルム同士の溶着界面やヒートシール層の内部でスムーズな剥離が生じず、結合部は元のフィルム同士に再び分離することなく、開封途中で基材フィルムが引き裂かれてしまう。
【0005】
こうした現象は、開封時の物品に対する外観不良につながり商品価値を低下させる。また、この引き裂かれ部分が起点となって、開封の途中で、フィルムが大きく破断し、内容物が落下する等の危険性もあった。
【0006】
こうしたことから、上記欠点を解消し、開封性、ヒートシール性、透明性、すべり性に優れたヒートシールフィルムを開発することが望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定のポリオレフィン樹脂層からなる中間層とポリエチレン、および/または特定の組成のプロピレン系ランダム共重合体からなる外表面層とを使用することで、上記課題が解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、基材フィルムの少なくとも一方の表面に、
A)温度上昇溶離分別法による溶出温度20℃以下の溶出成分が50〜85重量%、20℃を超え70℃未満の溶出成分が5〜30重量%、70℃以上の溶出成分が10〜40重量%であるポリオレフィン樹脂層よりなる中間層が積層されてなり、さらに、該中間層の表面に、
B)密度が0.91〜0.95g/cmであるポリエチレン、および/またはプロピレンに基づく単量体単位を85〜99モル%を含むプロピレン系ランダム共重合体からなる外表面層が積層されてなる積層フィルムであって、
該中間層のポリオレフィン樹脂層が、
a)エチレンに基づく単量体単位の含量が70〜90モル%、エチレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位が10〜30モル%であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体 100重量部に対して、
b)プロピレンに基づく単量体単位の含量が80〜99モル%、プロピレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位の含量が1〜20モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体 10〜100重量部の割合で配合した混合物
よりなる積層フィルムである。
【0009】
本発明において、中間層を形成するポリオレフィン樹脂層は、温度上昇溶離分別法による測定において、各溶出温度で特定の溶出成分量に溶離される。
【0014】
ここで、ポリオレフィン樹脂層の溶出温度20℃以下の溶出成分は、特に、60重量%〜80重量%であるのが好ましい。溶出温度20℃以下の溶出成分が50重量%より少ない場合は、得られる積層フィルムの開封性が低下するために好ましくない。溶出温度20℃以下の溶出成分が85重量%より多い場合は、得られる積層フィルムの開封性が低下するために好ましくない。
【0015】
また、溶出温度20℃を超え70℃未満の溶出成分が5重量%より少ないと透明性が低下するため好ましくない。この成分量が30重量%より多いと得られる積層フィルムの開封性が低下するため好ましくない。
【0016】
さらに、溶出温度70℃以上の溶出成分は、特に、15重量%〜30重量%であるのが好ましい。溶出温度70℃以上の溶出成分が10重量%より少ない場合は、得られる積層フィルムの開封性が低下するために好ましくない。この成分量が40重量%より多い場合は、得られる積層フィルムの開封性、透明性が低下するために好ましくない。
【0017】
ポリオレフィン樹脂層のメルトフローレート(以下MFRと略す)は、製膜性を勘案すると、0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分が好適である。
【0018】
本発明において、上記ポリオレフィン樹脂層として用いられる具体的樹脂組成は、
a)エチレンに基づく単量体単位の含量が70〜90モル%、エチレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位が10〜30モル%であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体 100重量部に対して、
b)プロピレンに基づく単量体単位の含量が80〜99モル%、プロピレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位の含量が1〜20モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体 10〜100重量部の割合で配合した混合物
よりなるものである。これらのポリオレフィン樹脂組成物を用いた場合、ヒートシールするに際し、低い温度で該中間層が溶融して外表面層と共にヒートシール層を形成すようになり、良好な低温ヒートシール性を有するものとなる。また、外表面の平滑性も向上しフィルムのすべり性がより良好なものとなる。その他、製膜性も良好になる。
【0019】
上記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体はエチレンに基づく単量体単位の含量が70〜90モル%、好ましくは73〜87モル%、エチレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位が10〜30モル%、好ましくは13〜27モル%含有するものである。エチレンに基づく単量体単位の含量が70モル%より少ない場合は、得られる積層フィルムの滑り性が低下する傾向がある。エチレン含量が90モル%より多い場合は、得られる積層フィルムの開封性が低下する傾向がある。
【0020】
他のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、ペンテン、メチルブテン、ヘキセン、メチルペンテン、オクテン等の炭素数3〜12、好ましくは3〜8のものが良好である。メルトフローレートは、製膜性を勘案すると、0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分が好適である。
【0021】
本発明において、こうしたエチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、前記組成にある公知のものから、適宜選定することにより用いることができる。また、重合したランダム共重合体を有機過酸化物等の公知の化合物を用いて、分解させて得たものであっても良い。
【0022】
一方、前記プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、プロピレンに基づく単量体単位を80〜99モル%、好ましくは90〜98モル%、プロピレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位を1〜20モル%、好ましくは2〜10モル%含有するものである。プロピレンに基づく単量体単位が80モル%より少ない場合、得られる積層フィルムの開封性が低下する傾向がある。この値が99モル%より多い場合は、透明性が低下する傾向がある。
【0023】
他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、ペンテン、メチルブテン、ヘキセン、メチルペンテン、オクテン等の炭素数2および4〜12、好ましくは2および4〜8のものが良好である。メルトフローレートは、製膜性を勘案すると、0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜30g/10分が好適である。また、示差走査熱分析(DSC)における主ピークは、低温ヒートシール性やすべり性を勘案すると120〜150℃、好ましくは125〜145℃の範囲にあることが良好である。
【0024】
本発明において、こうしたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、前記組成にある公知のものから、適宜選定することにより用いることができる。また、重合したランダム共重合体を有機過酸化物等の公知の化合物を用いて、分解させて得たものであっても良い。
【0025】
本発明において、かかるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体とは、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体100重量部に対してプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が10〜100重量部、好ましくは15〜80重量部、さらに好ましくは15〜55重量部を配合させるのが好ましい。それにより、得られるポリオレフィン樹脂組成物は、通常、前記溶出要件を満たすように調整される。ここで、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の配合量が10重量部より少ない場合は、ポリオレフィン樹脂組成物の温度上昇溶離分別法による70℃以上の溶出成分量が少なくなりすぎ、得られる積層フィルムの開封性が低下し易くなる。他方、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の配合量が100重量部より多い場合は、ポリオレフィン樹脂組成物の温度上昇溶離分別法による該溶出成分量が多くなりすぎ、得られる積層フィルムの開封性、透明性、特に表面層が延伸された場合の開封性が低下し易くなる。
【0026】
エチレン−α−オレフィンランダム共重合体とプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体との混合は、如何なる方法により実施しても良いが、通常は各共重合体のペレットをミキサー混合するか、各共重合体のパウダーおよび/またはペレットを加熱溶融状態で混合した後、押出し混練機により実施するのが良好である。
【0027】
次に、本発明の積層フィルムにおいて、以上のポリオレフィン樹脂層が、少なくとも一方の片面に積層される基材フィルムは、如何なる樹脂フィルムであっても良いが、好適には成形性を勘案すると、DSCにおける主ピークが120〜250℃、さらに好適には130〜170℃の樹脂からなることが好ましい。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、メチルペンテン等のオレフィンの単独重合体、または共重合体が挙げられ、これらの中でポリプロピレンが特に好適である。これらの基材層として使用されうる樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0028】
基材フィルムに用いるポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、プロピレンの90モル%以上と他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等の1種以上の10モル%以下とのランダム共重合体、またはブロック共重合体を一般に使用することができる。MFRは、製膜性を勘案すれば0.5〜20g/10分の範囲であることが好適である。なお、本発明において、基材フィルムは、複層フィルム、例えばこれらのポリプロピレンフィルムに回収樹脂層、PVC、PVDC、シリカ蒸着等のガスバリア層等を中間層として積層した複層フィルムであっても良い。
【0029】
本発明では、以上の積層フィルムにおいて、上記ポリオレフィン樹脂層の表面に、さらに、密度が0.91〜0.95g/cm3であるポリエチレン、および/またはプロピレンに基づく単量体単位を85〜99モル%含むプロピレン系ランダム共重合体からなる外表面層が積層されている。この外表面層は、本発明の積層フィルムをヒートシールフィルムとして用いた際には、単独、或いは前記ポリオレフィン樹脂層と共に溶融してヒートシール層として作用する。また、この層が外表面に位置することにより、積層フィルムは、すべり性も一層向上したものとなる。さらに、この外表面層の樹脂として、前記プロピレン系ランダム共重合体を用いた場合には、積層フィルムは、耐スクラッチ性にも優れたものとなる。
【0030】
ここで、ポリエチレンとしては、フィルムの滑り性、透明性、ヒートシール性等を勘案すると、密度が0.91〜0.95g/cm3であることが必要であり、さらには0.915〜0.94g/cm3であることがより好ましい。また、製膜性等を勘案すると、190℃におけるメルトフローレート(MFR)が、0.1〜20g/10分であることが好ましく、さらには0.5〜15g/10分であることがより好ましい。また、かかるポリエチレンは、通常、示差走査熱分析(DSC)における主ピークが115〜130℃であるのが一般的である。
【0031】
こうした、ポリエチレンを具体的に例示すると、エチレンの単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、あるいはこれらの混合物等を用いることができる。特に延伸加工性の面から、エチレン−α−オレフィン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン含量は、87モル%以上であるのが好ましい。
【0032】
ここで、ポリエチレンの密度が0.91g/cm3未満の場合、フィルムの滑り性が十分でなくなる。一方、この密度が0.95g/cm3を超える場合、フィルムのヒートシール性や透明性が低下する。
【0033】
一方、プロピレンに基づく単量体単位を88〜99モル%含むプロピレン系ランダム共重合体における、プロピレンに基づく単量体単位以外の単量体としては、プロピレンと共重合可能な他の公知の単量体に基づく単位が制限なく採用できる。好適には、エチレン、ブテン、ペンテン、メチルブテン、ヘキセン、メチルペンテン、オクテン等の炭素数が2および4〜12のα−オレフィンに基づく単量体単位が挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合わせて採用しても良い。かかるプロピレン系ランダム共重合体としては、具体的にはプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン三元共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−ヘキセン共重合体、あるいはこれらの混合物等を用いることができる。
【0034】
ここで、プロピレン系ランダム共重合体中のプロピレンに基づく単量体単位の含量割合は、88〜99モル%、好適には90〜98モル%であることが必要である。このプロピレンに基づく単量体単位の含量が88モル%未満の場合、フィルムの滑り性が十分でなくなる。一方、プロピレンに基づく単量体単位の含有割合が99モル%を超える場合、フィルムのヒートシール性が低下し、好ましくない。また、製膜性等を勘案すると、このプロピレン系ランダム共重合体は、230℃におけるメルトフローレートが、0.1〜20g/10分であることが好ましく、さらには0.5〜15g/10分であることがより好ましい。さらに、このプロピレン系ランダム共重合体は、示差走査熱分析(DSC)における主ピークが、125〜155℃、好ましくは130〜150℃の範囲にあることが良好である。
【0035】
なお、上記ポリエチレン、および/またはプロピレン系ランダム共重合体からなる層は、2層以上の複層として設けても良い。
【0036】
本発明において、積層フィルムを構成する外表面層、中間層および基材フィルム中には、必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤、滑り性付与およびアンチブロッキング性付与を目的とした界面活性剤等の公知の添加剤を配合させて用いても良い。
【0037】
また、外表面層中には、本発明に関する物性を阻害しない程度、他の樹脂を混合することができる。混合する樹脂としては特に制限されないが、例えばプロピレン、エチレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体または共重合体、或いはこれらの2種以上の混合物が好適である。添加量は、20重量%以下、さらには15重量%以下が好ましい。特に、他の樹脂として、ブテン含量が15モル%を越えて30モル%以下のプロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン含量が10〜30モル%のブテン−プロピレンランダム共重合体、密度が0.85以上0.91未満のエチレン−α−オレフィンランダム共重合体等が好ましい。
【0038】
本発明において、積層フィルムの厚みは特に制限されるものではないが、通常は、10〜250μm好適には15〜120μmであるのが好ましい。また、このうち中間層の厚みは、一般には0.1〜15μmの範囲から適宜選択され、0.5〜10μmであることが好ましい。また、外表面層の厚みは、滑り性、製膜性等を勘案すると、0.1〜10μmであることが好ましく、さらには0.5〜5μmであることがより好ましい。
【0039】
積層フィルムに成形する方法は、特に制限されるものではなく如何なる方法により製造しても良い。一般には、外表面層、中間層を構成するポリオレフィン樹脂成分の粉体またはペレットを、基材フィルムの樹脂成分と共押出して、温度制御チルロール上で急冷し無延伸で製膜するか、さらにその後一軸または二軸に延伸する方法が好ましい。また、基材フィルムの樹脂成分を溶融押出して一軸延伸し、その上に中間層及び外表面層の樹脂成分を溶融押出して上記一軸延伸の方向とほぼ直角方向に延伸する方法等も好ましい。縦一軸延伸の一例として、一般には最前部の低速度で回転するロールと最後部の高速度で回転するロール間にフィルムを通し、両ロールの回転数比によって延伸される。一方、横一軸延伸としては、好ましくはテンター方式で行うと良い。また、以上に示した方法で縦横逐次二軸延伸、同時二軸延伸等も可能である。延伸倍率は、面積倍率で5〜60倍、さらには30〜50倍が好適である。
【0040】
以上はフラット状の場合であるが、これ以外にもチューブ状原反をインフレ方式により縦一軸、横一軸、同時二軸延伸等を行うことも可能である。この場合、原反を例えば80〜150℃に加熱し、チューブ状フィルム内に加圧空気を送り込み、無延伸で製膜したり、または縦もしくは横方向に1軸延伸、または縦横方向に同時2軸延伸すればよい。
【0041】
これらの成形方法において、積層フィルムの透明性、弾性率(フィルムの腰)等を勘案すると、2軸延伸法が好ましい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の積層フィルムは、特にヒートシールフィルムに好適であり、ヒートシールして密封信頼性の優れた構造を形成するだけでなく、開封性、低温ヒートシール性、すべり性に優れたものとなる。特に、融着された結合部を引き剥す際に、両フィルムがスムーズに剥離し、いずれか一方の基材フィルムが引き裂かれることが抑制される。従って、基材フィルムとして、引き裂かれやすい二軸に延伸されたのを用いるときは、本発明は、特に効果的である。
【0043】
また、この積層フィルムにおいて中間層及び外表面層は、透明性も良好である。従って、基材フィルムの素材樹脂としてポリプロピレン等の透明性の良好なものを使用した場合、透明性も優れた積層フィルムが得られる。
【0044】
そして、外表面層として、ポリエチレン、および/またはプロピレン系ランダム共重合体からなる層が積層されているので、すべり性、耐スクラッチ性にも一層優れている。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
実施例及び比較例において基材フィルムおよび積層フィルム原料として使用したポリオレフィン樹脂は、表1に示すものである。
【0047】
【表1】
Figure 0003771995
【0048】
また、以下の実施例及び比較例において用いた測定方法は次の方法により実施した。
【0049】
(1)重量平均分子量(Mw)
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定した。センシュー科学社製SSC−7100GPC装置によりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、145℃で行った。カラムは、昭和電工製UT−807、UT−806M2本、UT−802.5を直列に4本つないで使用した。較正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成し、重量平均分子量を測定した。
【0050】
(2)共重合組成
日本電子(株)製JNM−GSX−270装置を用い、オルトジクロルベンゼン/重ベンゼン(容量比90/10)を溶媒として、120℃で測定した13C−NMRスペクトルから算出した。
【0051】
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準じて測定した。
【0052】
(4)温度上昇溶離分別法(TREF)による溶出温度の測定
センシュ−科学社製の自動TREF装置SSC−7300ATREFを用い、次の条件で測定した。
【0053】
Figure 0003771995
この場合、カラム内の試料溶液を145℃で導入した後、2℃/時間の速度で10℃まで除冷して試料ポリマ−を充填剤表面に吸着させた後、カラム温度を上記条件で昇温することにより、各温度で溶出してきたポリマ−濃度を赤外検出器で測定した。
【0054】
(5)DSCによる主ピークの測定
約5〜6mgの試料を評量後、アルミパンに封入し、示差熱量計にて20ml/minの窒素気流中で室温から235℃または270℃まで昇温し、これらの温度で10分間保持し、次いで10℃/minで室温まで冷却する。この後、昇温速度10℃/minで得られる融解曲線により、主ピークの温度を測定した。
【0055】
(6)透明性
JIS−K6714に準じ、フィルムのヘイズ値を測定した。
【0056】
(7)低温ヒートシール性(ヒートシール開始温度)
積層フィルムのヒートシール面同士を、5×200mmのヒートシールバーを用い、各設定温度(80℃から155℃まで5℃毎に測定)においてヒートシール圧力1kg/cm2、ヒートシール時間1.0秒の条件でシールした試料から、15mm幅のサンプルを切り取り、引張試験機を用いて引張速度500mm/分で測定した。結果は5サンプルの平均値とした。以上の方法で求めたヒートシール曲線から、ヒートシール強度が300g/15mmの温度をヒートシール開始温度とした。
【0057】
(8)滑り性
フィルム製膜後、40℃で2日間養生後にASTM−D−1894の動摩擦係数測定法に準拠して測定した。
【0058】
(9)開封性
ヒートシール開始温度および、さらに5℃および10℃高い温度にてヒートシールしたサンプルにおいて、10サンプルずつ引張試験機を用いて測定した。合計30サンプルのうち、結合部が元のフィルム同士に剥離せず、いずれか一方の基材フィルムが引き裂かれて分離したものの数により判定した。判定基準は以下のとうりである。
【0059】
なお、測定は、引張速度500mm/分と1000mm/分とで測定した。
【0060】
【表2】
Figure 0003771995
【0061】
(10)耐スクラッチ性(スクラッチヘイズ)
フィルムを擦り合わした際の傷付き易さを評価するため、2枚のフィルムを用意し、一方のフィルム(20×30cm)を下部フィルムとして固定した。他方のフィルムを上部フィルムとし、上部フィルムの直径10cmの円の面積上に4.6kgの荷重をかけて下部フィルムを接触させ、上部フィルムを20cm間隔で水平に往復5回擦り合わせた。上記の操作を行う前後のヘイズ値を測定し、ヘイズ値が少ない程傷つきにくいと評価した。判定基準は以下のとうりである。
【0062】
【表3】
Figure 0003771995
【0063】
実施例1〜6
表1中Aに示す樹脂を基材層として、Tダイ押出し機を用い、280℃で加熱溶融下シート状に押出し、チルロール上で冷却固化した後、加熱ロール延伸機により4.5倍に延伸し、一軸延伸シートを得た。次いで、表1、4に示す中間層、および外表面層の樹脂をそれぞれTダイ押出し機を用いて280℃で加熱溶融下、シート状に押出し、前記一軸延伸シートとロール上で貼り合わせて3層シートを得、ひき続き横延伸機で、9倍に延伸した。得られたフィルムの厚み、ヘイズ、ヒートシール性、開封性、すべり性、耐スクラッチ性を測定し、結果を表5に示した。
【0064】
尚、外表面層を構成する原料樹脂中には、原料樹脂100重量部に対し、平均粒径4ミクロンの球状ポリメチルメタクリレート粒子0.5重量部、エルカ酸アミド0.5重量部を添加した。
【0065】
実施例7
表1中Bに示す樹脂を基材層とすること以外は、実施例1と全く同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムの厚み、ヘイズ、ヒートシール性、開封性、すべり性、耐スクラッチ性を測定し、結果を表5に示した。
【0066】
実施例8
表1中Aに示す樹脂を基材層とし、該樹脂と表1、4に示す中間層および外表面層の樹脂を、3層Tダイ押出し機を用いて、260℃で加熱溶融下共押出しし、テンター法2軸延伸機により、縦4倍、横8倍に延伸した積層フィルムを得た。得られたフィルムの厚み、ヘイズ、ヒートシール性、開封性、すべり性、耐スクラッチ性を測定し、結果を表5に示した。
【0067】
尚、外表面層を構成する原料樹脂中には、原料樹脂100重量部に対し、平均粒径4ミクロンの球状ポリメチルメタクリレート粒子0.5重量部、エルカ酸アミド0.5重量部を添加した。
【0068】
実施例9
表1中Aに示す樹脂を基材層とし、該樹脂と表1、4に示す中間層および外表面層の樹脂を、3層Tダイ押出し機を用いて、260℃で加熱溶融下共押出しし、チルロール上で冷却固化し、無延伸3層フィルムを得た。得られたフィルムの厚み、ヘイズ、ヒートシール性、開封性、すべり性、耐スクラッチ性を測定し、結果を表5に示した。
【0069】
尚、外表面層を構成する原料樹脂中には、原料樹脂100重量部に対し、平均粒径4ミクロンの球状ポリメチルメタクリレート粒子0.7重量部、エルカ酸アミド0.5重量部を添加した。
【0071】
比較例1〜10
実施例1において、中間層および外表面層の樹脂として表1、4に示したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの厚み、ヘイズ、ヒートシール性、開封性、すべり性、耐スクラッチ性を測定し、結果を表5に示した。
【0072】
尚、外表面層を構成する原料樹脂中には、原料樹脂100重量部に対し、平均粒径4ミクロンの球状ポリメチルメタクリレート粒子0.5重量部、エルカ酸アミド0.5重量部を添加した。
【0073】
【表4】
Figure 0003771995
【0074】
【表5】
Figure 0003771995

Claims (1)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の表面に、
    A)温度上昇溶離分別法による溶出温度20℃以下の溶出成分が50〜85重量%、20℃を超え70℃未満の溶出成分が5〜30重量%、70℃以上の溶出成分が10〜40重量%であるポリオレフィン樹脂層よりなる中間層が積層されてなり、さらに、該中間層の表面に、
    B)密度が0.91〜0.95g/cmであるポリエチレン、および/またはプロピレンに基づく単量体単位を85〜99モル%を含むプロピレン系ランダム共重合体からなる外表面層が積層されてなる積層フィルムであって、
    該中間層のポリオレフィン樹脂層が、
    a)エチレンに基づく単量体単位の含量が70〜90モル%、エチレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位が10〜30モル%であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体 100重量部に対して、
    b)プロピレンに基づく単量体単位の含量が80〜99モル%、プロピレン以外のα−オレフィンに基づく単量体単位の含量が1〜20モル%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体 10〜100重量部の割合で配合した混合物
    よりなる積層フィルム。
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