JP3769149B2 - 電子放出素子とその製造方法、および該電子放出素子を使用した画像形成装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明の第一は、冷陰極電子放出素子、詳しくは表面伝導型電子放出素子と該電子放出素子の製造方法に関する。
本発明の第二は、前記表面伝導型電子放出素子を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、冷陰極電子放出素子には電界放出型、金属/絶縁層/金属型、表面伝導型が知られている。
【0003】
電界放出型
そのうち、先鋭なエミッター形状を有する電界放出型は100%近い放出効率が得られ、最も高効率であるが、エミッターの形状を加工するのに複雑な成膜、パターン形成を必要とし、加工精度や大面積化にも問題がある。
【0004】
表面伝導型
一方、E.I.Elinson,Radion Eng.Electron Phys.,10(1965)などに開示されている表面伝導型は高度の微細加工を必要とせず、大面積化が容易であるという利点を有している。図9は従来の表面伝導型の素子構成を示した上面図である。また、図10は同素子の断面図である。
ガラス、セラミックス、プラスチックス等の基板1上にSnO2やAuなどの電極21、22が構成されている。32は電極間に構成された溝または変質した高抵抗部である。電極21、22はフォトリソグラフィー等の方法により別個の電極として形成することもでき、別の方法としては、同一電極として形成した後レーザートリミングや通電フォーミング処理と呼ばれる方法によって高抵抗部分32を形成する方法もとられる。このような構造において電極の両端に電圧を印加し、膜面に平行に電流を流すとトンネル効果によって高抵抗部分から電子が放出される。
【0005】
通電フォーミング法では電極形成に高度の微細加工を必要としないが、電子がゲート22へ流れやすく、そのため電子放出効率が悪く、消費電流が増加するとともに、エミッター21やゲートが破壊しやすいという問題があった。また、この方法で得られる高抵抗部の幅は比較的広く、電子放出に高い電圧を必要とするという問題がある。
また、通電フォーミング法では、高抵抗部分形成の再現性が低く、放出素子をアレイ状に形成した場合に、均一な放出特性を得ることが難しいという問題があった。また、用いる電極材料の仕事関数が高いため放出効率が低いという問題も有している。
【0006】
一方、フォトリソグラフィー等でパターン形成する場合には、狭い電極間の距離を均一に制御することが難しいという課題がある。また、用いる電極材料の仕事関数が高いため放出効率が低いという問題も有している。また、いずれの方式おいても、電極上への不純物の吸着によって特性が変化しやすいという問題も有している。
【0007】
IDW96,Tech.Digest,p523(1966)には電極21、22にPdOの超微粒子膜を用い、フォーミング処理によって電極間に微少な空隙を形成する方法が開示されている。エミッターとゲートの間に電圧を印加すると空隙からトンネル効果により電子が放出される。この方法は、放出電圧は低いものの放出効率が極端に低くなるという問題を有している。また、フォーミング処理の効果が超微粒子膜の膜厚等の性状に依存するため、均一な放出特性が得られにくいという問題がある。また、用いる電極材料の仕事関数が高いため放出効率が低いという問題も有している。また、電極上への不純物の吸着によって特性が変化しやすいという問題も有している。
【0008】
特開平7−235255には表面伝導型の高抵抗部に真空中で通電することによりアモーファスカーボンやグラファイトを堆積することによって電子放出特性を安定化する技術が開示されている。しかしながらこの場合には、アモーファスカーボンやグラファイトの堆積が、系内の炭素元濃度、電極抵抗など多くの因子に依存するため堆積膜厚や堆積膜の電気的特性の再現性が乏しく、電子放出特性の均一化が得られにくい上、電子放出の効率、安定性も十分ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、高効率で、高い信頼性を有し、生産とその特性の制御が容易で、均一な電子放出特性を有する表面伝導型の電子放出素子を提供することにある。
本発明の第二の目的は、上述のような特性を有する電子放出素子の製造法を提供することにある。
本発明の第三の目的は、前記電子放出素子を用いることで、高効率で、高い信頼性を有し、高輝度で、生産と特性の制御が容易で画像の均一性が高い均一な画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、前記課題を解決するために、一対の電極と該電極間に形成された電子放出部を有する表面伝導型電子放出素子において、電子放出部の少なくとも一部がカーボンナノチューブを含有する炭素質により形成されていることを特徴とする電子放出素子を提供することにある。
【0011】
上述のように電子放出部の少なくとも一部をカーボンナノチューブを含有する炭素質で形成することにより、電子放出部の電極距離がカーボンナノチューブが存在しないときに比べて実質的に狭められている電極間距離を高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる電子放出素子を提供できる。さらに、従来、電極間距離を短くすることができなかったフォトリソグラフィー等の方法においても、上述のように短い電極間距離を高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。
【0012】
本発明の電子放出素子において、カーボンナノチューブを含有する炭素質は、好ましくは電極表面に固着されてなり、さらに好ましくは、カーボンナノチューブを含有する炭素質は一方の電極のみ、より一層好ましくは、低電位電極のみに形成された電子放出素子である。
上述のように、カーボンナノチューブを含有する炭素質を電極表面に固着することにより、電子放出部に低仕事関数で細いカーボンナノチューブを主成分とする炭素質を形成したため、高効率であり、かつ残存ガス等による特性変化を受けにくい電子放出素子が得られる。また、本発明の電子放出素子において、カーボンナノチューブを主成分とする炭素質を一方の電極のみに形成すると、加えて均一な電子放出特性が得られる。
【0013】
また、本発明の電子放出素子においては、カーボンナノチューブ構造を電子伝導方向に配列した構成のものとすることにより、さらに高い電子放出効率を得ることができ、また、短い電極間距離をさらに高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。また、上述のような構成を採用することによりフォトリソグラフィー等の方法においても、さらに短い電極間距離を高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。
【0014】
さらに本発明の電子放出素子においては、カーボンナノチューブを含有する炭素質を対向する電極端部に集中して形成されてなるものがより好ましい。
上述のように、カーボンナノチューブを含有する炭素質を対向する電極端部に集中して形成することにより、電界がカーボンナノチューブ先端に集中するため高い電子放出効率を得ることができる。また、短い電極間距離をさらに高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。また、フォトリソグラフィー等の方法においても、上述のような構成を採用することによりさらに短い電極間距離を高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。
【0015】
電子放出部の少なくとも一部をカーボンナノチューブ含有炭素質により形成する方法としては、電子放出部、例えば電極の少なくとも一部または電極表面にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させるための触媒を有し、該触媒上に選択的にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させる方法が挙げられる。この方法においては、電子放出部の表面に、底部または頂部にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させるための触媒を有する凹凸構造を設け、該触媒上に選択的にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させることが好ましい。
上述の方法によると、優れた特性を有する電子放出素子を再現性良く形成できる工業的な方法を提供することができた。また、表面伝導型の最も重要な課題である放出特性の均一化を容易に解決できた。
【0016】
電子放出部の少なくとも一部をカーボンナノチューブ含有炭素質により形成する他の方法としては、電極または電極の一部または電極の表面にカーボンナノチューブを電気化学的手法を用いて堆積させる製造方法や電極または電極の一部または電極の表面にカーボンナノチューブを含有する炭素質を電極上での酸化還元反応を用いて堆積させる方法が挙げられる。これらの製造方法によっては、簡便な方法で本発明の放出素子を提供することができる。
【0017】
また、本発明によれば、電子放出部の少なくとも一部にカーボンナノチューブを含有する炭素質を形成した電子放出素子を備えた画像形成装置が提供される。該画像形成装置は上述の均一で高い放出特性を有し、高信頼性の電子放出素子を備えているため、発光効率が高く、低電圧で動作し、高信頼性の画像形成装置を提供することができる。また、電子放出素子が残存ガス等の影響を受けにくいため、超高真空にしなくても安定な発光が得られ、製造が容易である。
【0018】
上述のように、本発明の特徴点は表面伝導型の電子放出素子の電子放出部にカーボンナノチューブを配している点にある。カーボンナノチューブは仕事関数が小さく(4.6eV)、金属電極をエミッターに用いた場合に比べて、低いしきい値電圧で電子放出を行わせることができる。さらには、カーボンナノチューブは金属電極に比べてガス等の残留成分があった場合でもこれらの成分の吸着、堆積による仕事関数の変化が小さく、比較的低真空化でも電子放出特性が変化しにくく、長期の使用によっても特性が変化しにくいという利点を有する。加えて、カーボンナノチューブは10nm程度の太さで長さは数μm程度まで作成可能であり、このような高いアスペクト比を有し、かつ、良導体であるため、電界を印加した場合には、電界が特に高抵抗部近傍のカーボンナノチューブ先端に集中し、低電圧で効率よく電子放出を行わせることができるという特徴を有する。このような形状因子に起因する効果は従来のグラファイトやアモーファスカーボンでは発現し得ない大きな特徴である。
【0019】
【発明の実施形態】
次に、本発明の構成を図示して説明する。
図11は本発明の電子放出素子の一例の上面図である。基本的な構成は図9と類似であるが、電子放出部である高抵抗部31近傍の構成が異なる。
図1は本発明の電子放出素子の一例の電子放出部近傍の断面図である。
図1において、支持体(基板)1上に一対の電極21、22が形成されており、電極間には高抵抗部31が形成されている。電極21、22上にはカーボンナノチューブ41、41′が配置され、電子放出部を形成している。電極21を低電位電極、電極22を高電位電極として両電極間に電圧を印加すると、21から22に向けて電子放出を生ずる。放出された電子のうち一部または、電極22での散乱電子、または2次電子は図上方に配置され(図示せず)、高電位状態とされたアノードに引き寄せられることにより、電子がアノードに向けて放出される。
【0020】
本発明では、電子放出部にカーボンナノチューブを配している。カーボンナノチューブは10nm程度の太さで長さは数μm程度まで作成可能であり、このような高いアスペクト比を有し、かつ、良導体であるため、本発明のように電界を印加した場合には、電界が特に高抵抗部近傍のカーボンナノチューブ先端に集中し、低電圧で効率よく電子放出を行わせることができるという特徴を有する。また、カーボンナノチューブは仕事関数が小さく(4.6eV)、金属電極をエミッターに用いた場合に比べて、低いしきい値電圧で電子放出を行わせることができる。さらには、カーボンナノチューブは金属電極に比べてガス等の残留成分があった場合でもこれらの成分の吸着、堆積による仕事関数の変化が小さく、比較的低真空化でも電子放出特性が変化しにくく、長期の使用によっても特性が変化しにくいという利点を有する。
【0021】
電極21、22としてはMo、Ta、W、Cr、Ni、Pt、Ti、Al、Au、Cu、Pd等の金属、または合金、およびPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属あるいは金属酸化物の微粒子導体、シリコン、酸化インジウム、酸化錫等の半導体を用いることができる。高抵抗部の形成は、従来公知のフォーミング法またはフォトリソグラフィーを用いた電極のパターン形成を採用できる。高抵抗部(電極間)の幅Lは数百オングストローム〜数μmであることが好ましい。また、本図では高抵抗部を溝状Lで図示したが、縞状等で導電部材が残存していても良い。溝状Lが小さい場合にはゲート電流と呼ばれるエミッター電極21からゲート電極への電流が多くなり、電子の放出効率が低下し、消費電流が増加する。また高抵抗部(電極間)の幅Lが大きすぎる場合にはしきい値電圧が上昇し、駆動電圧が上昇してしまう。
【0022】
カーボンナノチューブ41、41′を電極上に形成するには、アーク放電等により別途合成したカーボンナノチューブを電気化学的または物理的に付着、固着させる方法、同様にして塗布または印刷した後、所定パターンにパターン形成する方法、および気相から電極上に堆積、成長させる方法を例示できる。電気化学的方法としては、カーボンナノチューブを電気泳動法により電極上に堆積する方法が知られている。また、電極上での酸化還元反応を利用した堆積方法たとえばフェロセン誘導体等を界面活性剤として用いたミセル電解法も好ましく用いることができる。
【0023】
気相成長法としてはCVD(化学的気相堆積法)法を好適な例として例示することができる。これはアセチレン、エチレン、ベンゼン、プロピレン、2−アミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジンなどの有機物を炭素源とし気相中でこれらを分解し、基材上にカーボンナノチューブを成長させるものである。この場合、基材上に触媒をあらかじめ形成することにより、触媒上に選択的にカーボンナノチューブを成長させることができ、このため、電極材料として触媒材料を用いれば電極上に選択的にカーボンナノチューブを形成することができるため好ましい。また、特定の場所に触媒を形成した場合には、所望の場所に選択的にカーボンナノチューブを形成することができる。
【0024】
触媒材料としてはSc、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Se、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ta、Pt、Au等が例示されるが、なかでも、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Ptが好ましい。図1では51、52が触媒層に相当する。前述のように触媒は図のように電極上に形成されていても良く、また電極そのものを触媒材料で形成することもできる。また、図1のように均一な膜ではなくパターンまたは島状に形成されていても良い。また、電極を微粒子で形成する場合には、微粒子中に存在していても良い。
【0025】
図2は、本発明の電子放出素子の別の構成例を示したものである。この場合、カーボンナノチューブは低電位側の電極に形成されており、高電位電極側は金属または半導体等の膜で構成されている。この場合、ゲート電極が面で構成されるのでより均一な放出特性が得られる。このような構成を実現するためには、カーボンナノチューブを一方の電極のみに印刷で形成するか、電極21に選択的に電圧を印加することにより電気化学的に付着させる方法、図中41のように触媒を一方の電極のみに形成し気相成長させる方法、電極21を触媒で構成し、電極22を非触媒性導電材料で形成し、気相成長法で形成する方法、あらかじめ形成したカーボンナノチューブ膜をフォトリソグラフィー等の方法でパターン形成する方法などを例示することができる。
【0026】
図3は、本発明の電子放出素子の別の構成例を示したものであり、カーボンナノチューブ41を電極間に配置させることにより電極21と22の間の実質的な放電距離がLからL1に狭められている。放電距離は放出のしきい値電圧を決定する重要な因子であり、厳密に制御する必要がある。この間隔が素子によって変化すると放出特性が変化し、たとえばフィールドエミッションディスプレイの電子放出源として用いた場合には、輝度むらを引き起こし好ましくない。電極21、22に金属または半導体電極を用い、フォーミング処理を行った際の高抵抗部分の幅Lはμmオーダーと比較的大きく、このままでは放出電圧が高くなってしまう。この構成において、図3に図示した方法を適用することにより、CNTの成長を制御することによって、より小さいL1を得ることができ、低電圧化を達成することができる。また、電極21、22をフォトリソグラフィー等の公知の方法でパターン形成した場合には、フォトリソグラフィーの限界によりLを0.5μm以下で精度よく制御することが難しい。この場合について、本発明を適用した場合には、例えば1μm程度のLであっても、カーボンナノチューブの成長制御によって短いL1を再現性良く得ることができ、低電圧での電子放出を安定して実現することができる。このように、カーボンナノチューブの長さを厳密に制御することが可能なため、放出特性に大きな影響を与える電極間距離L1をさらに厳密、しかも簡便な方法で制御することができる。また、電子放出源が先端が細いカーボンナノチューブであるので、電界集中によって従来の面状の放出電極に比べて高い放出効率を得ることができる。カーボンナノチューブの長さの制御は、電気化学的に付着させる方法では通電時間または電圧または原料となるカーボンナノチューブの長さを選択することによって実現できる。また、気相成長では原料炭化水素の供給量、分解温度、成長時間などの基本的成長条件を制御することにより行われる。
【0027】
図4は、本発明の別の電子放出素子の構成例を示したものであり、電子放出部の少なくとも一部にカーボンナノチューブを主成分とする炭素質が、電子伝導方向に配列した構造を図示したものである。本図において電子放出部31においてカーボンナノチューブ41は電極21から電極22の方向すなわち電子伝導の方向に配列している。このような構成により、電極間距離L1をより精密に制御できるとともに、電界の方向にカーボンナノチューブが配列しているため、カーボンナノチューブ先端からの電子の放出がより効率よく行わせることができる。さらに、カーボンナノチューブの長さを厳密に制御することが可能なため、放出特性に大きな影響を与える電極間距離L1をさらに厳密、しかも簡便な方法で制御することができる。このような構造を実現するためには、図5に模式的に示したように、電極または電極上に微細な凹構造または凸構造を設け、凹凸に対応させて触媒51を配し、これに気相成長法によってカーボンナノチューブを形成する方法を好ましく例示することができる。なお、図5では電極22は省略して記述してある。
【0028】
凹凸構造としては、フォトレジスト等を用いてフォトリソグラフィーによりレジストパターンの凹凸を形成する方法、またはフォトリソグラフィー等の方法で金属等の表面に凹凸を形成する方法、多孔質膜シリカや多孔質アルミナ膜を形成し、この孔部を利用する方法などを好ましく例示することができる。特に多孔質アルミナはアルミの陽極酸化によって形成可能であり、カーボンナノチューブの成長に適した微細な多孔質構造がえられるため、工業的および配向の制御の点で最も好ましい方法である。孔径または突起の径としては5nm〜1μmが好ましく、より好ましくは10nm〜500nmの範囲である。
【0029】
図7は本発明の電子放出素子の別の実施例を示したものであり、図5においてカーボンナノチューブを電極21の断面にのみ設けた例である。この場合、さらに電界が電極間のカーボンナノチューブに集中するため、さらに高い効率の電子放出が得られる。
【0030】
図6は、本発明の電子放出素子の別の実施例を示したものであり、図7においてカーボンナノチューブを電子伝導方向に配列させた例である。この場合、さらに電界が電極間のカーボンナノチューブに更に集中するため、さらに高い効率の電子放出が得られるとともに、L1を容易にかつ精度良く制御することが可能となる。
【0031】
本発明において電極の形状はエミッター電極とゲート電極の配線設計、電極の抵抗、電子放出特性、用途など多くの因子で決定される。典型的にはW2は1μm〜100μmであり、W4や21、22の大きさは、1μmから1mmの範囲である。電極21、22の厚さは10nmから数10μmの範囲である。
用いることのできるカーボンナノチューブとしては、単層ナノチューブおよび多層ナノチューブを用いることができる。ナノチューブの直径は単層の場合、1nm〜3nmであり、多層の場合10nm〜100nmの範囲が好ましい。また、単層ナノチューブが寄り集まってロープと呼ばれる束上の集合体を形成していても良い。これらのうち、電子放出特性の点から多層型のカーボンナノチューブを特に好ましく用いる。これらの構造は、カーボンナノチューブを形成する際の成長条件や触媒、成長方法によって制御可能である。また、カーボンナノチューブを含む炭素質にはナノパーティクルと呼ばれる炭素多面体微粒子が含まれていても良い。これは、カーボンナノチューブ生成の際の副生成物として含まれるものである。炭素質にしめるカーボンナノチューブの割合は20%以上であることが好ましく、40%以上であることが好ましい。この割合が低いと電子放出効率が低下する。また、カーボンナノチューブの先端のキャップ部を取り去ることもできる。この場合、形状効果によってさらに高効率の放出特性が得られるので好ましい。キャップを取り去るには、酸化等の方法でカーボンナノチューブを部分的に分解することにより行うことができる。
以上の図ではカーボンナノチューブは理想的に電極上に形成されるとして説明したが、電極外の高抵抗部にも形成されていても良い。ただし、この密度が高いと電極21、22が短絡するため、少なくとも短絡しない密度に抑制する必要がある。また、特に説明のない限り、カーボンナノチューブからなる炭素質材料は電極22にも形成されていても良いことは明らかである。さらに、高抵抗部位は溝状に電極が完全に欠損しているように説明したが、電極部材等が断続的に形成されていても良く、また、高抵抗部材が存在することもできる。
【0032】
本発明の電子放出素子は、電子放出を必要とする多くのデバイスに適用可能である。なかでも、低電圧で高効率、均一性という特長を生かして、一般にフィールドエミッションディスプレイまたは真空マイクロディスプレイと呼ばれる画像形成装置に特に好適に用いられる。
【0033】
図8は、図3の構成例の電子放出素子を用いた真空マイクロディスプレイの構成例である。なお、本図の構成のものは本発明の画像形成装置の一例であり、本図の構成のものに限定されるものではない。
図中、1〜51は前述の図と同じ意味を有する。71は絶縁膜、81はエミッター配線電極である。ゲート配線は紙面に直交する方向になされ、ゲート電極とマトリクス構造を形成している。91はアノード電極であり、選択画素にはエミッター<ゲート<アノードとなるような電位が印加される。ゲート電圧によってエミッターから引き出された電子は、電位勾配に従って加速されアノードに衝突する。101は蛍光体であり、アノードを突き抜けた電子は蛍光体に衝突し、蛍光体の発光を促す。12は対向基板でありガラス等の透光性部材が用いられる。基板間の空間はフリットガラス等の外周シール111によって密閉され、内部は10−5Torr〜10−8Torrの真空が維持される。空隙の厚さdは数十μmから数mmの範囲である。本発明になる真空マイクロディスプレイは上述のように、高効率で均一な電子放出特性を有し、高信頼性の電子放出素子を備えているため、発光効率が高く、低電圧で動作し、高信頼性の画像形成装置を提供することができる。また、電子放出素子が残存ガス等の影響を受けにくいため、高真空にしなくても10−6Torr程度の真空度で安定な発光が得られ、製造が容易である。
【0034】
【実施例】
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。実施例においては電極はW2=100μm、W4=50μmとし、基板にはガラスを使用した。
【0035】
実施例1
ガラス基板の上にSiO2からなる下引き層を500Aの厚さで形成後、フォトリソグラフィー法を用いて、図1に示す電極構造を形成した。L=2μmとした。
ついで、アセチレンを炭素源とし、アンモニアを希釈ガスとして650℃の分解温度でカーボンナノチューブを生成させた。カーボンナノチューブはNi表面をほぼ覆うように形成され、図1に示す電子放出素子を形成できた。
この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、安定した電子放出が確認され、放出効率(放出電流/ゲート電流)は2%であった。また、連続した放電においても放出特性はほとんど変化しなかった。
【0036】
比較例1
実施例1において、カーボンナノチューブを形成せずに放出特性を測定したところ、放出効率は約1%であり、しきい値電圧は実施例の2倍であった。また、連続した通電で、徐々に放出特性が低下することが確認された。
【0037】
実施例2
実施例1において電極21(低電位電極)上にのみカーボンナノチューブを形成した。この素子の電子放出特性を同様にして測定したところ、効率、しきい値電圧は実施例1とほぼ同等であったが、放出特性はさらに安定していた。また、実施例1と同様に、放出特性の経時変化は見られなかった。
【0038】
実施例3
ガラスの上にSiO2からなる下引き層を500Aの厚さで形成後、スパッタリング法により、50nmの厚さでNi膜を形成した。フォトリソグラフィー法を用いて、図1に示す電極構造を形成した。L=2μmとした。さらに、アセチレンを炭素源とし、アンモニアを希釈ガスとして650℃の分解温度でカーボンナノチューブを生成させた。カーボンナノチューブはNi表面と断面を覆うように形成され、図3示す電子放出素子を形成できた。カーボンナノチューブは電極21から電極22の方向に向けても成長し、これにより実際の電極間距離は100nmに制御することができた。この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、安定した電子放出が確認され、放出効率(放出電流/ゲート電流)は0.5%であった。また、連続した放電においても放出特性はほとんど変化しなかった。
【0039】
比較例2
実施例3において、ガラスの上にSiO2からなる下引き層を500Aの厚さで形成後、スパッタリング法により、50nmの厚さでNi膜を形成した。フォトリソグラフィー法を用いて、L=100nmである電極構造の形成を試みたが、パターンの再現性が無く、カーボンナノチューブを設けずに測定した放出特性も再現性が得られなかった。これに対して、実施例3では、上述のようにL=2μmであるが、CNTを設けることによって、実質的に放出部の幅を100nmにし、安定した放出が得られた。
【0040】
実施例4
電極として超微粒子Pd膜を形成し、フォーミング処理によって100nmの亀裂を形成した。ついでアセチレンを炭素源とし、アンモニアを希釈ガスとして650℃の分解温度でカーボンナノチューブを生成させた。カーボンナノチューブはPd表面と断面を覆うように形成され、図3に示す電子放出素子を形成できた。カーボンナノチューブは電極21から電極22の方向に向けても成長し、これにより実際の電極間距離は10nmに制御することができた。この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、安定した電子放出が確認され、放出効率(放出電流/ゲート電流)は0.3%であった。また、連続した放電においても放出特性はほとんど変化しなかった。
【0041】
比較例3
電極として超微粒子Pd膜を形成し、フォーミング処理によって10nmの亀裂を形成した。この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、電子放出が確認されたが安定性に乏しく、放出効率(放出電流/ゲート電流)は0.1%であった。また、連続した放電において、放出効率の低下が観察された。
【0042】
比較例4
実施例4において、カーボンナノチューブを形成せずに電極21に通電することによりアモーファスカーボンを電極21に堆積させた。この素子の効率は0.2%であり、実施例4の方が優れていた。また、再現性においても実施例4が優れていた。
【0043】
実施例5
ガラスの上にSiO2からなる下引き層を500Aの厚さで形成後、スパッタリング法により、50nmの厚さでNi膜を形成した。その上にさらにAlを50nmの厚さで形成した。ついで陽極酸化法によりAlをポーラスアルミナとした。このときアルミナに形成された孔はNiに到達するよう反応性イオンエッチング処理を行った。このようにして、図5に示す電極構造を形成した。Lは2μmとした。アルミナの細孔は直径約40nmであった。さらに、アセチレンを炭素源とし、アンモニアを希釈ガスとして650℃の分解温度でカーボンナノチューブを生成させた。カーボンナノチューブはアルミナの細孔中に垂直に立って形成され、図5に示す電子放出素子を形成できた。カーボンナノチューブは電極21から電極22の方向に向けても基板に平行に成長し、これにより実際の電極間距離は100nmに制御することができた。この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、安定した電子放出が確認され、放出効率(放出電流/ゲート電流)は0.6%であった。また、連続した放電においても放出特性は変化しなかった。
【0044】
実施例6
実施例5においてポーラスアルミナを電極21の端部のみに形成した。このようにして、図6に示す電極構造を形成した(ただし、図6は右方にある電極22は図示されていない。)。Lは2μmとした。アルミナの細孔は直径約40nmであった。さらに、アセチレンを炭素源とし、アンモニアを希釈ガスとして650℃の分解温度でカーボンナノチューブを生成させた。カーボンナノチューブはアルミナの細孔中に垂直に立って形成され、図6に示す電子放出素子を形成できた。カーボンナノチューブは電極21から電極22の方向に向けて基板に平行に成長し、これにより実際の電極間距離は100nmに制御することができた。
この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、安定した電子放出が確認され、放出効率(放出電流/ゲート電流)は0.6%であった。また、連続した放電においても放出特性は変化しなかった。
【0045】
実施例7
ガラスの上にSiO2からなる下引き層を500Aの厚さで形成後、スパッタリング法により、50nmの厚さでSnO2/In2O3膜を形成した。フォトリソグラフィー法を用いて、図1に示す電極構造を形成した。L=1μmとした。
アーク放電法で別途作成したカーボンナノチューブ(長さ0.8μm、径10nm)をフェロセン誘導体の界面活性剤FPEG(同人化学製)を用い、FPEGの5倍量支持塩(LiBr)を併用することでカーボンナノチューブをミセル化した。電極21を陽極、白金を陰極として0.5Vの定電位電界を行い、電極にカーボンナノチューブを堆積させた。カーボンナノチューブはSiO2表面と断面を覆うように形成され、図3に示す電子放出素子を形成できた。カーボンナノチューブは電極21から電極22の方向に向けても成長し、これにより実際の電極間距離は200nmに制御することができた。この素子の特性を10−7Torrの真空中、アノード電圧1KVにて測定したところ、安定した電子放出が確認され、放出効率(放出電流/ゲート電流)は0.4%であった。また、連続した放電においても放出特性はほとんど変化しなかった。
【0046】
実施例8
実施例3の電子放出素子を16×16のアレイ状に形成し図8に示す真空マイクロディスプレイを構成した。71の絶縁膜にはSiO2を用い、81のエミッター配線電極にはAlを用いた。91のアノード電極にはAlを用いた。蛍光体にはZnO:Znを用いた。エミッター−アノード間の距離は2mmとした。真空度は10−7Torrとした。このディスプレイは、きわめて均一な発光を生じ、連続動作においても輝度低下は見られなかった。
【0047】
【効果】
1.一対の電極と該電極間に形成された電子放出部を有する表面伝導型電子放出素子において、電子放出部に低仕事関数で細いカーボンナノチューブを主成分とする炭素質を形成したため高効率であり、かつ残存ガス等による特性変化を受けにくい電子放出素子が提供された。
2.カーボンナノチューブを主成分とする炭素質が一方の電極のみに形成された本発明になる電子放出素子は、1の効果に加えて均一な電子放出特性が得られる。
3.上記効果に加え、さらに高い電子放出効率を得ることができる。また、短い電極間距離をさらに高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。また、フォトリソグラフィー等の方法においても、本発明によりさらに短い電極間距離を高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。
4.電界がカーボンナノチューブ先端に集中するため高い電子放出効率を得ることができる。また、短い電極間距離をさらに高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。また、フォトリソグラフィー等の方法においても、本発明の構成を採用することによりさらに短い電極間距離を高精度かつ簡便に形成、制御できるために、低電圧で動作でき、また均一な電子放出特性を得ることができる。
【0048】
5.上述の優れた特性を有する電子放出素子を再現性良く形成できる工業的な方法を提供することができた。また、本方法によれば、表面伝導型の最も重要な課題である放出特性の均一化を容易に解決できた。
6.簡便な方法で本発明の放出素子を提供することができる。
7.均一で高い放出特性を有し、高信頼性の電子放出素子を備えているため、発光効率が高く、低電圧で動作し、高信頼性の画像形成装置を提供することができる。また、電子放出素子が残存ガス等の影響を受けにくいため、超高真空にしなくても安定な発光が得られ、製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の一構成例(電極上にはカーボンナノチューブ41、41′が配置され、電子放出部を形成)の電子放出部近傍の断面図である。
【図2】本発明の電子放出素子の別の構成例(CNTは低電位側の電極に形成されており、高電位電極側は金属または半導体等の膜で構成)の電子放出部近傍の断面図である。
【図3】本発明の電子放出素子の別の構成例(CNTを電極間に配置)の電子放出部近傍の断面図である。
【図4】本発明の電子放出素子の別の構成例(CNTを主成分とする炭素質が、電子伝導方向に配列した構造)の電子放出部近傍の断面図である。
【図5】本発明の電子放出素子の別の構成例(電極または電極上に微細な凹構造または凸構造を設けた構成)の電子放出部近傍の断面図である。
【図6】本発明の電子放出素子の別の構成例(図7においてCNTを電子伝導方向に配列させた構成)の電子放出部近傍の断面図である。
【図7】本発明の電子放出素子の別の構成例(図5においてCNTを電極21の断面にのみ設けたた構成)の電子放出部近傍の断面図である。
【図8】図3の構成例の電子放出素子を用いた真空マイクロディスプレイの断面図である。
【図9】従来の表面伝導型の素子構成を示した上面図である。
【図10】従来の表面伝導型の素子構成を示した断面図である。
【図11】本発明の電子放出素子の一例の上面図である。
【図12】図1の電子放出部の拡大説明図である。
【符号の説明】
1 基板
12 対向基板
21 電極
22 電極
31 電極間に構成された高抵抗部
32 電極間に構成された溝または変質した高抵抗部
41 カーボンナノチューブ
41′ カーボンナノチューブ
51 触媒層
52 触媒層
61 微細な凹構造
71 絶縁膜
81 エミッター配線電極
91 アノード電極
101 蛍光体
111 外周シール
d 空隙の厚さ
L 高抵抗部(電極間)の幅または電極間に構成された溝
L1 高抵抗部(電極間)の幅または電極間に構成された溝
W1 カソード電極とゲート電極の合計の長さ(1μm〜1mm)
W2 電子放出部をフォーミング処理により形成するための高抵抗部位の幅(1μm〜100μm)。ただしW2<W1
W3 カソード電極とゲート電極の幅(1μm〜1mm)
W4 電子放出部をフォーミング処理により形成するための高抵抗部位の長さ(1μm〜1mm)。ただしW4<W3
Claims (9)
- 一対の電極と該電極間に形成された電子放出部を有する表面伝導型電子放出素子において、電子放出部が放電距離を狭めるように、前記一対の電極の少なくとも低電位電極から高電位電極に向けてカーボンナノチューブが成長するように形成されていることを特徴とする表面伝導型電子放出素子。
- カーボンナノチューブを含有する炭素質が少なくとも一方の電極表面に固着されている請求項1記載の表面伝導型電子放出素子。
- カーボンナノチューブを含有する炭素質が低電位電極のみに形成された請求項2記載の表面伝導型電子放出素子。
- カーボンナノチューブ構造が電子伝導方向に配列された請求項1〜3のいずれかに記載の表面伝導型電子放出素子。
- カーボンナノチューブを含有する炭素質が対向する電極端部に集中して形成されてなる請求項2〜4のいずれかに記載の表面伝導型電子放出素子。
- 電子放出部の少なくとも一部または電子放出部の表面にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させるための触媒を有し、該触媒上にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面伝導型電子放出素子の製造方法。
- 電子放出部の表面に、底部または頂部にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させるための触媒を有する凹凸構造を設け、該触媒上に選択的にカーボンナノチューブを気相から堆積、成長させることを特徴とする請求項6記載の表面伝導型電子放出素子の製造方法。
- 電極または電極の一部または電極の表面にカーボンナノチューブを含有する炭素質を電気化学的手法を用いて堆積させることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の表面伝導型電子放出素子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の表面伝導型電子放出素子を備えた画像形成装置。
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