JP3766784B2 - 手術支援装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉗子、剪刀、鑷子などの患部を処置可能な術具をガイド機器で誘導して患部に対して処置する手術支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術1としては、術具を患部まで誘導するガイド機器である内視鏡を用いて、患者の身体に設けた挿入孔から、内視鏡の挿入部を身体内部に差し入れ、内視鏡に設けられた術具を誘導する機能を有し、湾曲首振り等の自由度を持つ中空の挿入チャネルにより、挿入チャネル内部に通した術具を患部まで誘導し、誘導した術具により患部の処置を行なう手術方法が知られている。
【0003】
特に、内視鏡を用いた手術では、内視鏡の挿入チャネルに挿入する術具を術者が手で持って操作し、患部の処置を行なうが、内視鏡自体としては、術者自身が持つ場合や、助手が持つ場合、あるいは、アームなどを用いて内視鏡をベッドに固定する場合などがある。
【0004】
また、従来技術2(特開平7−328024号公報)では、内視鏡とは別の挿入孔から挿入して治療を行なう医療用マニピュレータ装置も提案されている。この医療用マニピュレータは、複数の自由度を有して駆動可能なマニピュレータ本体と、このマニピュレータ本体に設けられ、かつ生体内に挿入可能な観察用もしくは処置用の挿入体とを備え、少なくとも前記挿入体がマニピュレータ本体に対して着脱自在に構成されている。
【0005】
また、従来技術3(特開平11−99124号公報)としては、中空管の先端部に、単独で一つの湾曲部を構成し、独立して位置および姿勢の制御可能な中空の関節部を有し、前記中空管の後端部に、前記関節部を駆動する駆動部を備え、前記駆動部は、前記関節部の首ふり、前記中空管の回転または並進の少なくとも1つの駆動機構を有し、内部に処置具を誘導するガイドマニピュレータが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガイド機器に術具を挿入して処置を行うとき、ガイド機器は、術者あるいは助手が把持したり、あるいはガイド機器を保持するアーム等でベッドや床に固定して使用される。
【0007】
このとき、患者の身体内部に一つの挿入孔から複数の医療機器(ガイド機器と術具)が挿入されている関係で、それらが身体内部にある状態のまま、少なくとも一つの医療器具を動かさねばならない状況が発生する。このような状況とは、例えば、術具をガイド機器に挿入した状態で、ガイド機器の持つ自由度や、ガイド機器を保持している手や保持する装置の自由度を利用して、ガイド機器の姿勢や挿入方向を変えて、より処置しやすい状態に変える場合などがあげられる。
【0008】
このような状況で、治療中、医師の要望に応じてガイド機器を動かすときにはガイド機器と術具の間とで、動きに差異が生じる場合がある。術具およびガイド機器を同時に把持している場合でも、相対姿勢を全くずらさずに複数の医療機器を操作するのは難しく、術具を持つ者とガイド機器を持つ者が異なる場合は、なおさらその動きに差異が生じるのは避け難い。
【0009】
また、術具が、患部を処置するための可動部と、可動部を駆動させるための力を発生させる駆動部と、可動部と駆動部の間にあり駆動部で発生した駆動力を伝達する駆動力伝達系を有する中間部を持つとき、内視鏡の動きに術具の動きを合わせている途中で、中間部に、たわみやねじりなどの変形が発生し、駆動力伝達系の経路が変化したり、伝達経路自体にねじれなどの変形が発生する可能性がある。このように、術具の中間部において変形が発生すると、駆動力伝達系において発生する、中間部の変形に起因する力が、先端の可動部に伝わって、術者の予想外の動きが可動部に発生することになる。そこで、これらの力の発生を抑えるために、中間部の剛性を高めても、その剛性以上の力が発生すれば、やはり、上記の課題が生じることになる。
【0010】
また、術具が気体や液体等の流体を用いて患部に作用を及ぼし処置を行なう機能を有し、中間部には気体や液体を術具先端まで導く流路が設けられている場合においても、中間部の捻じれに伴い、流路が変形し、流体の移動を妨げられ、処置具の作用に支障が生じることになる。
【0011】
また、術者が内視鏡と術具の両方を持っている場合は、長時間の操作によって肉体的負担も生じることになる。その結果、肉体的負担などに起因して発生する手ぶれなどは術具に伝わり、患部を処置する際に、術具の先端に振れが現われると、処置の妨げになる。
【0012】
また、従来技術2では、処置具は体内に挿入され、かつ上下方向及び左右方向に湾曲可能な挿入部と挿入部の先端に設けられた開閉自在な把持鉗子と挿入部の手元側に設けられ挿入部の湾曲動作と把持鉗子の開閉動作を行なう駆動機構を内蔵した把持部とから構成されている。この構成の場合、把持鉗子が、これを誘導する挿入部にあらかじめ設けられていることから、挿入部と把持鉗子の間に相対姿勢のずれは生じない。しかし、ガイド機器であるところの湾曲可能な挿入部と、術具であるところの把持鉗子が一体となっている場合には、次のような課題が生じることになる。
【0013】
即ち、術具を患部に誘導するガイド機器の機能を有するマニピュレータの先端に、患部を処置する部位があらかじめ一体として設けられている装置の場合、さまざまな術具を取り替えながら治療を行なう場合に、術具と同時に患者の体内に挿入しているマニピュレータまでも頻繁に取り替える必要が発生する。患者体内からマニピュレータまでも抜き去る場合、術具と一体になっているとはいえ、身体に損傷を与えないように交換するその作業は慎重に行なうことが求められ、容易とはいえず、患部治療中に迅速な処置が妨げられる。
【0014】
また、術具の種類にあわせて多くのマニピュレータを用意することが必要となる。多くのマニピュレータを手術室に持ち込むと、交換用に用意したマニピュレータによって、手術室内のスペースが使用され、手術中、人や手術機器の移動の妨げになる。手術前後に際しては、多くの台数のマニピュレータを消毒滅菌することになり、手間が増える。
【0015】
逆に、マニピュレータの台数を制限すると、術具の種類が限定されることになり、術中に、患部の形状、部位、質などにあわせて、適切な術具を使用することができなくなる。患部に合わせた術具が使用できないことにより、患者の安全性や、処置の適切さが低下することも考えられる。
【0016】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、治療の作業性と患者の安全性をより高めることができるようにした手術支援装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題のうち、少なくとも一つを解決するために、本発明は、ガイド機器もしくはガイド機器と併用する術具に、ガイド機器と術具を固定あるいは拘束する手段を設けることを特徴とする。これにより、ガイド機器を動かすときに、術具から手を放しても、ガイド機器と術具の相対姿勢を保持することが可能となり、安全性を高めることができる。
【0018】
また、本発明は、ガイド機器と術具の間に固定あるいは拘束する手段を設けることにより、術具を操作する手の振動などを術具の先端に伝わることを抑制できる。即ち、術具はガイド機器に拘束されるため、手の振動はガイド機器との間に設けた拘束する手段のところで抑えられてしまい、術具の先端まで伝わることを防止できる。
【0019】
また、本発明は、術具が治療を行なう可動部(作用部)を駆動するための駆動部を有し、可動部(作用部)の動きを電気的あるいは機械的に制御する場合、ガイド機器に、術具の駆動部を固定あるいは拘束する手段を設けることを特徴とする。
【0020】
これにより、ガイド機器の操作により生じる術具先端との相対姿勢の変位を回避するだけでなく、駆動部から可動部までの駆動力を伝達する中間部にねじれなどの変形が発生することを抑えることができる。また、流体の流れによって患部に作用を及ぼす場合には途中の流路の変形を防ぎ、作用の効果が妨げられることを防止できる。
【0021】
先に課題として述べたように、ガイド機器と術具の相対姿勢の変位による課題は、特に長手方向への突出および撓み、回転方向へのねじれが相対姿勢のずれの結果として発生していると考えられる。これらの相対姿勢を保持するだけで、安全性と操作性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明は、拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段を設けることにより、ガイド機器の操作時には術具とガイド機器の相対姿勢を保持できることに加えて、術具を使用する治療中の作業性も向上させることができる。これにより、人が術具を操作して治療を行なうときには、ガイド機器に拘束されること無く、術具のみを操作して治療を行なうことができ、安全性と作業性を向上させることができる。
【0023】
また、本発明は、圧力あるは圧力によって生じる摩擦力によって、術具とガイド機器を拘束することにより、拘束力の大きさを適切な力に調整することを容易に実現することができる。これにより、人の手で操作するときの力と、人が術具から手を放したときに、拘束する手段にかかる術具の自重との大きさを考慮して、操作する力より小さく、術具の自重より大きい摩擦力を発生させることが可能となる。このように摩擦力を調整すると、術中に再調整すること無く、術具を操作する治療時にはガイド機器に拘束されること無く操作可能となり、ガイド機器移動時などには術具から手を放しても、ガイド機器と術具の相対姿勢を一定に保つことが可能となることから、作業性を向上させることができる。
【0024】
拘束時に、術具やガイド機器と接触し、摩擦力を発生させる保持部材を、プラスチックなどの可撓性を有する樹脂や、ゴムやコイルバネあるいは板バネなどの弾性体とすることにより、固定時や拘束力を高めたときに、術具に対して傷などの損傷を与えることを防ぐことができる。ファイバーなどを拘束するとき、平らな金属で圧力をかけるとつぶれてしまうが、柔らかなゴムなどの弾性体を間に挟み、圧力をかけると、ファイバーの周囲から一様に圧力が加わるため、ファイバーがつぶれることを防げる。摩擦力を調整して、術具を滑らせて操作するとき、硬度の低い保持部材で摩擦を受けていることで、術具の表面が削れるなどの損傷を回避できる。
【0025】
また、本発明は、術具保持機構が、ガイド機器側と術具側に脱着可能に分離できる構造とする。これにより、ガイド機器側の術具保持機構は同じ物を用意し、術具側は、ガイド機器側との脱着を行なう部位のみ統一された形状を用い、術具を保持する部分は、術具の把持する部位や形状あるいは固さや質にあわせて選ぶことが可能となる。これにより、様々な種類の術具を同一の機構に取り付け取り外し可能となり、術具によらず術具交換と、相対姿勢保持の効果を得ることができる。
【0026】
また、本発明は、術具とガイド機器を拘束するときに、互いの相対姿勢をあらかじめ決めた所定の状態で常に拘束できる位置決め手段を設ける。これにより、ガイド機器の運動する自由度、とくに湾曲首振り方向の自由度が限られている場合に、ガイド機器の首振り方向と術具の向きを常に一定に保つことができる。これにより、常に同じ状態で術具の操作を開始することができ、術具の挿入交換のたびに、術具の向きを再確認する手間が省ける。また、術具交換時に、術具の向きに対する思い違いなどを防ぎ、思い違いに伴い発生する予想外の方向へ動きと組織への接触、損傷を防げる。常に同じ状態から始められることは安全性を高める効果がある。
【0027】
ところで、上記位置決め手段として、術具側とガイド機器側に互いにかみ合う凹凸を設け、この凹凸のかみ合いで位置決めする手段を設ける。凸部分は、バネ等の弾性体で指示されていると、凹部以外との接触時には、凸部が突出しないように抑えることができ、凹との組み合わせ時には凸部分が突出しかみ合わせが行われるため、位置決め操作が容易にできる。これにより、容易かつ確実に、術具の拘束時に位置決めが可能となる。
【0028】
また、本発明は、医療用マニピュレータの一つとして、術具を誘導することを目的とし、術具を術中に抜き差し交換できるという利点をもつガイドマニピュレータにおいても、上記で示したような、ガイドマニピュレータと術具を固定あるいは拘束する手段を設けることにより、より安全性と作業性を向上させることができるほか、次の様な効果も期待できる。
【0029】
まず、術具とガイドマニピュレータの間の拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段を設けることにより、手術中に、術具の拘束をとき、術具を抜き差しして容易に交換であることに加えて、交換後、拘束力を高めることで、ガイドマニピュレータと術具の相対姿勢を再び一定に保ち、安全に治療を行なうことが可能となる。
【0030】
これにより、ガイドマニピュレータは必要最低限の台数のみ用意するだけで良く、術中に同じガイドマニピュレータにさまざまな術具を交換装備可能となることにより、先端に術具が固定される医療用マニピュレータに比較して、豊富な種類の術具をすることができ、患部にあわせた術具を選ぶことが可能となる。
【0031】
また、豊富な術具を用意しても、滅菌消毒や機械的なメンテナンスなどの負担増加は、術具の分だけで済むので、使用者側の負担を低く抑えることができる。
【0032】
また、本発明は、術具を挿入して誘導する中空状の挿入部と、該挿入部の軸心方向に並進制御可能に構成された並進ベース部と、前記挿入部の後端を固定し、前記並進ベース部上に前記挿入部の軸心回りに回動制御できるように支持された回転ベース部と、該回転ベース部に連結され、前記術具の中間部を保持し、前記術具の作用部を作用させる術具駆動部を取り付けた術具保持機構と、該術具駆動部と前記術具の作用部との間において作用力を伝達する作用力伝達手段とを備えたことを特徴とする手術支援装置である。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明に係る手術支援装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本発明に係る手術支援装置の一実施の形態について、図1、図2、図3、図4、および図7を用いて説明する。図1は、本発明に係る手術支援装置の概略構成を示す。図2は、ガイドマニピュレータ駆動部4、術具駆動部5、術具8の駆動力伝達機構を備えた中間部8b、および術具保持機構10を示す。図3は、術具保持機構10の具体的構成を示す。図7は、挿入部7および術具8の一実施例を示す。
【0034】
即ち、本発明に係る手術支援装置は、患者の身体内部で患部を直接処置する術具8と、同じく患者の身体内部で術具8を患部まで位置姿勢を誘導する機能を有するガイド機器であるガイドマニピュレータ4と、操作者1がガイドマニピュレータ4および術具8に対して操作入力を行なう操作入力装置2と、各駆動部4a、5をコントロールする制御装置3から成り立つ。
【0035】
ガイドマニピュレータ(ガイド機器)4は、複数の自由度を有し、患者の体内で患部を処理可能な術具8の位置姿勢を誘導する中空形状の挿入部7を有する。この挿入部7は、挿入部の駆動部4aにより発生する駆動力により位置姿勢を変化させることができる。
【0036】
即ち、ガイドマニピュレータ(ガイド機器)4に設けられた挿入部7は、図7に示すように、全体が中空形状で構成される。そして、挿入部7において、図2に示す駆動部4aとは逆の端である先端部には、例えば、図7(c)、(d)に示すように関節先端部7aと関節基部7bとからなる関節部がある。この作用部である関節先端部7aには、駆動ワイヤ7c、および駆動ワイヤ7dが固定される。駆動ワイヤ7c、7dは挿入部7の中空部を通り、図2に示す回転ベース26に導かれる。さらに、回転ベース26に導かれた駆動ワイヤ7dは、回転ベース26に設けられている複数のワイヤ誘導プーリー27aに導かれて、ワイヤ巻き取り用モータ27に設けられているワイヤ巻き取りプーリー27bに接続される。一方、駆動ワイヤ7cは、回転ベース26内部にて、いくつかのワイヤ誘導プーリー27aで導かれた後、図示していないコイルバネの一端に、弛みが無いように接続される。そして、該コイルバネの反対の他端は、回転ベース26に固定される。
【0037】
上記構成により、ワイヤ巻き取り用モータ27が回転し、駆動ワイヤ7dがワイヤ巻き取りプーリー27bに巻き取られると、関節先端部7aが首振り動作することになる。この時、駆動ワイヤ7cは関節先端部7aの首振り動作に伴い張力が増し、その結果回転ベース26に他端を固定しているコイルバネが伸び、関節先端部7aの首振り動作を戻す方向に張力を発生させる。逆に、ワイヤ巻き取り用モータ27が回転して駆動ワイヤ7dが緩むと、駆動ワイヤ7cに固定されているコイルバネが縮み、その結果、関節先端部7aの首振り動作が戻り、図7に示すようにまっすぐな状態に戻る。
【0038】
さらに、術具8は、先端に、生体を処理するための作用部である例えば可動部8d、8eを持ち、該可動部(作用部)8d、8eが、可動部(作用部)に対して生体を処理する作用力を発生させるか若しくは該作用力を送り出す術具駆動部5により、作用力を伝達する作用力伝達手段(作用力伝達機構)を介して駆動される。さらに、術具8の可動部(作用部)が、流体や気体などの流体を噴射あるいは吸引する部位の場合、術具の駆動部5は、それらの流体を送り出すあるいは引き出す装置で構成され、作用力伝達手段としては流体を送り出すあるいは引き出す細い流路で構成される。
【0039】
そして、術具8は、ガイドマニピュレータ(ガイド機器)4の中空挿入部7の内部を通して装備される。この装備の際、挿入部7の位置姿勢と、術具8の可動部(作用部)の位置姿勢が所定の関係となるように、上記ガイド機器4若しくは術具8の少なくとも一方に設けられ、術具8とガイド機器4との間の相対姿勢の変位を固定若しくは拘束する術具保持機構10を備えている。さらに、術具8は、上記術具保持機構10により、ガイドマニピュレータ(ガイド機器)4の一部に脱着可能に装着される。即ち、術具保持機構10によるガイドマニピュレータ4と術具8の固定若しくは拘束は、ガイドマニピュレータの挿入部7が運動した際にも、術具8および術具駆動部5と挿入部7との相対姿勢を一定に保てる部位によって行われる。術具駆動部5は、術具8とガイドマニピュレータ4との拘束力を弱め、術具8と挿入部7の相対姿勢を変化させることができる拘束手段(例えば、術具を固定する術具固定部17、該術具固定部17を回転摺動部15を介して軸心回りに回動可能に支持する回転摺動押え部16、および拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段である拘束力調整ネジ18などから構成される。)をもつ。ガイドマニピュレータ4と術具8の固定若しくは拘束に関する術具保持機構10、即ち、術具駆動部5とガイドマニピュレータ(ガイド機器)4との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段を有する術具保持機構10については、図2、および図3を用いて後程詳しく説明する。
【0040】
図1では図示していないが、術具駆動部5と術具8の可動部(例えば、鉗子、はさみ、ピンセットなどから構成される生体を処置するための作用部)との間には、術具駆動部5で発生した作用力(駆動力)を術具8の可動部(作用部)まで伝える作用力伝達手段(作用力伝達機構)(例えば駆動ワイヤ8f〜8i、8j〜8kや細い流路など)を有する(例えば内部を通す)中間部8aがある。ただし、中間部8aの長さは一定である。
【0041】
ところで、術具8の一実施例を、図7(a)、および(b)に示す。図7(b)は図7(a)の上面から見た図である。術具(鉗子)8は、生体を処置するための可動部(作用部)8dおよび可動部(作用部)8e、該可動部8d、8eを保持する可動部保持部8bを先端部に有する中間部8a、上記可動部8d、8eに対して作用力を発生させる若しくは送り出す術具駆動部5、および上記可動部と術具駆動部5との間で作用力を伝達する作用力伝達機構8f〜8iから構成される。可動部8dおよび可動部8eは、矢印81で示すように重ね合わされ、可動部保持部8bのスリットに矢印82の方向にはめ込まれる。更に、可動部保持部8bの貫通孔83と可動部8dの貫通孔84および可動部8eの貫通孔85を貫くように、ピン8cが矢印80のようにはめ込まれる。これにより、可動部(作用部)8dおよび可動部(作用部)8eは、可動部保持部8bに対してそれぞれ回転自由に固定される。さらに、可動部8dには、作用力伝達機構である駆動ワイヤ8fおよび駆動ワイヤ8gが固定されている。同様に、可動部8eにも、作用力伝達機構である駆動ワイヤ8hおよび駆動ワイヤ8iが固定されている。これらの駆動ワイヤ8f〜8iは、中間部8aの内部を通って図2に示す術具駆動部(鉗子駆動部)5に導かれる。駆動ワイヤ8fと駆動ワイヤ8iは途中で一本の駆動ワイヤ8jに束ねられ、同様に駆動ワイヤ8gと駆動ワイヤ8hは一本の駆動ワイヤ8kに束ねられる。これらの駆動ワイヤ8jと駆動ワイヤ8kは、図2に示す如く、更に鉗子駆動部5内部で、いくつかのワイヤ駆動プーリー5aに導かれて、術具モータ5cに取り付けられた巻き取りプーリー5bに接続される。このとき、駆動ワイヤ8jが巻き取りプーリー5bに巻き取られるときには、駆動ワイヤ8kが緩み、逆に、駆動ワイヤ8kが巻き取りプーリー5bに巻き取られるときには駆動ワイヤ8jが緩むように、巻き取りプーリー5bにそれぞれの駆動ワイヤを巻き付ける向きを反対にして固定する。これにより、術具モータ5cの回転により、駆動ワイヤ8jもしくは駆動ワイヤ8kのどちらかが引かれることになる。駆動ワイヤ8jが引かれると、術具8の先端が開き、駆動ワイヤ8kが引かれると、術具8の先端が閉じる動きをし、生体を処置することが可能となる。
【0042】
以上説明したように、術具8は、挿入部7の内部を通して、関節先端部7aから可動部(作用部)8d、8eが外に出るように取り付けられる。このときの外観を図7(d)に示す。中間部8aの長さは、関節先端部7aと可動部との相対位置関係が適度になることを考慮して決定されている。
【0043】
ところで、本発明では、患者の身体内部において、直接患部を処置する部位および、この部位の患部への処置を操作する手段を含めて術具8と称する。更に、機器の一部が術具8とともに患者の体内に挿入され、抜き差し可能に装備された術具8を、患部まで誘導する機能を有する装置をガイド機器4と称する。例えば、内視鏡において、挿入チャネルを有するものは、本発明に係るガイド機器4に含まれる。また、例えば、特開平11−99124号公報にて提案されているような、術具を患部まで誘導するガイドマニピュレータも本発明に係るガイド機器4に含まれる。また、術具8において患部を処置するとは、物理的な力で患部に作用させることのほかに、電磁波あるいは熱による作用を与えることや、気体や液体などによる作用を含む。これらの作用により患部を処置する部分を作用部と称する。前述の物理的な力や電磁波や熱量、気体、液体の力を伝達する手段を作用力伝達手段と称し、物理的な力や電磁波を発生させたり、熱量を上げたり下げたり、気体や液体を吸引したり送り出したりする部分を駆動部5と称する。
【0044】
ガイド機器4に術具8を挿入して処置を行なうときは、ガイド機器4は、術者あるいは助手が把持したり、あるいはガイド機器を保持する装置、例えばアームなどで、ベッドや床に固定して使用される。
さらに、操作入力装置2は、操作者1が操作入力を行なうための一つ以上の操作入力手段2aと、制御装置3から送られてくる情報6bを表示するモニタ2bとを有する。
【0045】
ところで、ガイドマニピュレータ4および術具(鉗子)8は、図1では1組しか示されていないが、必要に応じて複数台を同時に使用することもある。制御装置3は、複数のガイドマニピュレータ4および術具8を同時にコントロールできる能力を有するが、要求に応じて、増やしてもよい。また、図では示していないが、患部の状態を観察する内視鏡などの観察手段と、その観察手段から得られた画像情報を処理する画像処理装置、および処理された画像を操作者に提示する手段であるモニタなどの表示装置がある。また、図示していないが、ガイドマニピュレータを支持するための装置がある。
【0046】
次に、図1に示した装置間のつながりについて説明する。
操作者1は、操作入力装置2に設けられた、操作入力手段である操作レバー2aを用いて操作入力を行なう。このように操作入力された入力信号6aは、操作入力装置2から制御装置3に送られる。制御装置3は、操作入力装置2から送られてくる入力信号6aと、ガイドマニピュレータ4および術具8から送られてくるセンサ信号6d、6fを基に、ガイドマニピュレータ4および術具8を駆動する駆動信号6c、6eを生成し、これら生成された駆動信号6c、6eをそれぞれの駆動部へ送信する。さらに、制御装置3は、同時に、ガイドマニピュレータ4および術具8を駆動する駆動量を検出するセンサ(図示せず)から検出されるセンサ信号6d、6f、並びに、センサ信号6d、6fと入力信号6aとから生成される情報6bを、操作入力装置2へと伝える。操作入力装置2は、制御装置3から受け取った情報6bを、情報表示手段であるモニタ2bに表示し、あるいは操作レバー2aの制御にフィードバックさせて操作レバー2aの状態を制御する。
【0047】
そして、治療を行なうときには、制御装置3から得られる駆動信号6c、6eに基いて、ガイドマニピュレータの駆動部4aおよび術具駆動部(鉗子駆動部)5などを駆動制御することにより、ガイドマニピュレータの挿入部7および術具8を、体壁に設けられた挿入孔から患者の身体内部へ挿入する。即ち、制御装置3は、操作入力装置2から得られる操作者1の操作入力に応じて、ガイドマニピュレータの駆動部4aを駆動制御し、挿入部7を運動させて、挿入部の内部に通されている術具8を患部まで誘導する。術具8と患部との位置関係が適当な場所へ術具8を誘導した後、制御装置3は、操作入力装置2から得られる操作者1の操作入力に応じて、術具駆動部5を駆動制御し、術具8を操作して、患部を処置する。患部の処置の際にも、制御装置3は、操作入力装置2から得られる操作者1の要求に応じて、挿入部7の駆動制御を行ない、術具8の動きと合わせて、適切な処置を行なう。
【0048】
次に、上記ガイドマニピュレータ4と術具8の固定部分である術具保持機構10と術具駆動部5との構造について、図2および図3を用いて具体的に説明する。
【0049】
図2には、ガイドマニピュレータ4の駆動部4aと、術具駆動部5と、術具の駆動力伝達機構がある中間部8aと、術具保持機構10とを示す。図2では、術具の動きがワイヤの駆動により行われる場合の機構の実施例を図示している。図示したガイドマニピュレータの駆動機構は、挿入部7を3自由度で駆動することが可能である。図2では、そのうちの2自由度(並進ベース22による挿入部7の軸心方向の動きと回転ベース26による挿入部7の軸心回りの回転運動)が明らかである。残りの1自由度は、図7(c)に示す挿入部7先端の首降り運動の自由度である。挿入部先端7aはワイヤ7c、7dにより首振りを行なう機構を実施例としてあらわしている。
【0050】
即ち、ガイドマニピュレータ4の基台となるベース9は、図示していない支持装置によって支持されている。そして、ガイドマニピュレータ4の駆動部4aには、並進ベース22が上記ベース9に固定されたガイド29に沿って挿入部7の長手方向に移動可能に取り付けられている。即ち、並進ベース22は、ベース9に固定された並進方向を規定するガイド29によって並進移動可能に支持されている。そして、上記並進ベース22には、ボールネジ21に噛み合うナット21aが固定されている。上記ボールネジ21は、ベース9に回転可能に支持され、ベース9に取り付けられた並進モータ20の回転出力に、一端を連結している。
【0051】
上記構成により、並進モータ20を駆動することによって、ボールネジ21が回転され、このボールネジ21に噛み合ったナット21aを介して並進ベース22がベース9に固定されたガイド29に沿って挿入部7の軸心方向に移動してガイドマニピュレータの一自由度が制御されることになる。
【0052】
さらに、回転ベース26は、上記並進ベース22上に設けられた回転支持部材(軸受部材)28a、28bによって、挿入部7の長手方向の中心線を回転中心として回転可能に支持されている。上記回転ベース26には、挿入部先端7aの湾曲、首振り動作を行なうワイヤ7dを巻き取るプーリー27bとプーリー27bを回転させるワイヤ巻き取り用モータ27、および挿入部7からワイヤを巻き取るプーリー27bまでワイヤを導くワイヤ誘導プーリーが一つ以上設けられている。図2には、ワイヤ誘導プーリーをいくつか図示しているが、実際には、この他にも適宜設けることになる。
【0053】
さらに、回転ベース26は、挿入部7が取り付けられている方向とは反対の側のボス部24において、術具保持機構10の一部11を取り付けて構成する。術具保持機構10は、回転ベース26に固定されている部分以外を術具駆動部5に固定し、分離可能に構成している。即ち、術具保持機構10において、回転ベース26に固定されている部分と術具駆動部5に固定されている部分とを脱着可能にはめ合わして構成している。この脱着機構部分については、図3にて詳細を説明する。
【0054】
さらに、術具駆動部5は、図3に示すように、術具の中間部8aを固定する部分17、19を有し、さらに、該中間部8aを通して先端の可動部8d、8eを駆動する駆動ワイヤ8j、8kを誘導するワイヤ誘導プーリー5aと、該誘導された駆動ワイヤ8j、8kのどちらかを引き込むために巻き付ける、術具モータ5cに取り付けた巻き取りプーリー5bとを備えて構成する。
【0055】
さらに、上記並進ベース22上には、回転ベース26を回転させるための回転モータ23が取り付けられている。そして、回転用モータ26の回転出力に固定された歯車23aと、回転ベース26に固定された歯車25とは、駆動力伝達可能に噛み合わされている。
【0056】
以上説明した構成により、回転用モータ26を駆動することによって、噛み合わされた歯車23a、および歯車25を介して回転ベース26が回転し、該回転ベース26に固定された挿入部7、回転ベース26に着脱自在に取り付けられる術具駆動部(鉗子駆動部)5、および該術具駆動部5に固定される術具中間部8を含む術具8を回転して術具8の挿入部7の軸心回りの姿勢(ガイドマニュピュレータの一自由度)が制御されることになる。
【0057】
次に、術具8および術具駆動部5とガイド機器4との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段を有する術具保持機構10の第1の実施例の構成について、図3を用いて詳細に説明する。
【0058】
術具保持機構10の第1の実施例は、大きく分けると脱着凹機構部10a、脱着凸機構部10b、拘束度調整機構部10cの3つの部分に分けられる。脱着凹機構部10aは、ガイドマニピュレータとの結合を行なうフランジ部11と、脱着凸機構部10bとはめ合わされる羽押え部12とが、雄ネジ12aで固定されて構成される。脱着凸機構部10bは、脱着凹部にはめ合わせる羽部13と、羽固定部14とが、雄ネジ13aで固定されて構成される。拘束度調整機構部10cは、羽固定部14に雄ネジ14aで固定される回転摺動押え部16と、該回転摺動押え部16を回転可能に挟み込み、互いに雄ネジ15aで固定される回転摺動部15および術具固定部17とで構成される。さらに、上述したように、術具の中間部8aの一端をネジ19によって固定する術具固定部(術具8または術具駆動機構5a〜5cと接触して術具8を保持する術具保持部材)17には、拘束力調整可能な拘束力発生手段である摺動調整ネジ18が設けられている。
【0059】
このように、術具保持機構10の第1の実施例において、術具駆動部5とガイド機器との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段としては、例えば、術具および術具駆動機構を固定する術具固定部17と、該術具固定部17を軸心回りに回動可能に支持し、ガイド機器4の挿入部7に装着される回転摺動押え部16と、拘束力調整可能な拘束力発生手段である摺動調整ネジ18とで構成される。
【0060】
従って、拘束力調整可能な拘束力発生手段である摺動調整ネジ18を締め込むことで、微動調整ネジ18の先端と回転摺動押え部16との間にまさつ力又は圧力からなる拘束力を発生させて、術具固定部(術具8または術具駆動機構5a〜5cと接触して術具8を保持する術具保持部材)17は、脱着凸機構部10bおよび回転摺動押え部16とに回転が拘束され、結果、術具8のガイド機器4の挿入部7に対する相対姿勢の変位を固定または拘束することになる。
【0061】
まず、脱着凹機構部10aの構成について説明する。
フランジ部11は、ガイドマニピュレータ駆動部4aである回転ベース26のボス24とはめ合わせるための貫通孔11eと、術具駆動部5を取り付けたときに、ガイドマニピュレータ駆動部4aと術具駆動部5との取り付け時の相対姿勢の位置決めを補助するボールプランジャ11aをはめ込む一つ以上の穴部11bと、羽押え部12を固定する雌ネジ部11cとが設けられている。
【0062】
羽押え部12には、羽押え部12をフランジ部11に固定するための雄ネジ12aを通す貫通孔12cが設けられている。また、羽押え部12のフランジ部を固定する面12Bとは反対の面12Aには、羽部13の形状にあわせて、フランジを固定する面12Bまで貫通孔12fが設けられている。
【0063】
羽押え部12の裏面とする図に表記した面12Bは、羽部13とのはめ合い後に、羽部13の回転に伴い、突起13cが移動するスペースを、突起13cの厚み以上の深さで、面12Bから段を付けた形状をしている。羽押え部12の厚みおよび、羽部13の突起13cの厚みは、この段付きの形状が面12Aまで貫通しないように決定される。なお、この段の深さの加工公差は、羽部13を羽押え部12に取り付けた際、羽部13にがたつきが発生しないように決定すればよい。
【0064】
そして、羽押え部12は、雄ネジ12aを、貫通孔12cを通して雌ネジ部11cとあわせて締めることにより、フランジ部11に固定されて取り付けられる。
【0065】
なお、上記フランジ部11のボス11dの貫通孔11eは、図2に示すように、ガイドマニピュレータ駆動部4aの回転ベース26のボス24に嵌合固定して結合されている。
【0066】
次に、脱着凸機構部10bの構成について説明する。
突起13cを持つ羽部13には、中心に術具の中間部8aを通すための貫通孔13eと、貫通孔13eの周囲に雄ネジ13aを通すための貫通孔13dとが設けられている。上記突起13cは、羽固定部14と向かいう面13Aにおいて、羽部の貫通孔13e周辺の厚みより一段低くなっている。羽部13の貫通孔13e周辺の厚みは、羽押え部12の厚みに公差を考慮した厚さである。突起部13cの厚みは羽押え部12に設けた段付き部分の厚みに公差を考慮した厚さである。羽部13のフランジ部11と向かい合う面13Bにおいて、突起部13cには、フランジ部11に設けられたボールプランジャ11aのボールの径にあわせて、浅い凹部13bが設けられている。
【0067】
羽固定部14には、中心に術具の中間部8aを通すための貫通孔14eと、貫通孔14eの周囲に雄ネジ13aを締め込むための雌ネジ部14cと、雄ネジ14aを通すための貫通孔14bが設けられている。ところで、羽部13は、雄ネジ13aを貫通孔13dを通して雌ネジ14cで締込むことにより、羽固定部14に固定される。
【0068】
以上の構成により、上記羽部13の突起13cを回して、羽押え部12の断付き形状に嵌合させ、フランジ部11に設けられたボールプランジャ11aのボールを、突起13cに形成された浅い凹部13bに係合させることによって、羽部13を固定した羽固定部14は、上記フランジ部11に対して装着されて回転止めされることになる。逆に、羽部13の突起13cを回して、羽押え部12の断付き形状から外すことによって、羽部13を固定した羽固定部14は、上記フランジ部11から取り外すことが可能となる。
【0069】
次に、術具保持機構10における拘束度調整機構10cの構成について説明する。即ち、回転摺動部15には、術具8の中間部8aを通すための貫通孔15eと、雄ネジ15aを通すための貫通孔15bが設けられている。また、回転摺動部15が術具固定部17と向かい合う面15Aの円周に沿って、図3に示すような段差15Eが環状に設けられている。段差の幅は、段差の面15Eに貫通孔15bが含まれない程度の幅である。段差の高さは、次に説明するように、回転摺動押え部16との兼ね合いで決定される。
【0070】
回転摺動押え部16には、回転摺動部15を回転させることができるように、中心に回転摺動部15の外形形状にあわせた凹部および貫通孔16bと、雄ネジ14aを締め付けることによって羽固定部14に固定するための雌ネジ16aとが設けられている。そして、貫通孔16bには、回転摺動部の面15Aがはめ込まれ、面15Aは、面16Aと同一面もしくは所定の公差分だけ面16Aより突出するように形成される。貫通孔16bの周囲の凹部には、回転転摺動部15の段差面15Eが接触する。
【0071】
術具固定部17には、術具の中間部8aとはめ合わせる貫通孔を持つボス部17cと、拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段である摺動調整ネジ18を締め込むための雌ネジ17bと、雄ネジ15aを締め付けることによって、回転摺動押え部16に対して回転摺動可能に支持される回転摺動部15を固定する雌ネジ17aとが設けられている。上記雌ネジ17bは、摺動調整ネジ18を締め込んだときに、回転摺動部15の段差面15Eと向かい合う術具固定部17上の位置に設けられている。さらに、摺動調整ネジ18の有効ネジ部の長さは、術具固定部17の厚みより長く形成されている。即ち、拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段である摺動調整ネジ18を締め付けることによって、該ネジ18の先端と回転摺動押え部16との間の摩擦力または圧力からなる拘束力によって、術具固定部(術具または術具の駆動装置と接触する保持部材)17は、羽固定部14に固定された回転摺動押え部16に対して回転止めされることになる。逆に、摺動調整ねじ18を緩めることによって、術具固定部17は、羽固定部14に固定された回転摺動押え部16に対して回転調整可能となる。
【0072】
なお、術具固定部17のボス部17cには、術具を固定するための止めネジ用雌ネジが設けられているので、ボス部17cに通された術具の中間部8aを止めネジ19でボス部17cに固定することが可能となる。
【0073】
さらに、術具固定部17には、図3では省略したが、図2に示すように、鉗子可動部(術具可動部:術具作用部)8d、8eを駆動するための駆動機構5a〜5cが固定される。鉗子可動部を駆動する駆動機構としては、図2では、作用力伝達手段である駆動ワイヤを誘導するためのプーリー5a、駆動ワイヤを巻き取るためのモータ5c、モータ出力軸に取り付けられ、駆動ワイヤを巻きつけるプーリー5b、上記プーリー5aやモータ5cなどの機構を固定するための場所を支えるシャフト5e、および、モータ固定板5dなどから構成される。これらシャフト5e、モータ固定板5dなどは、鉗子を駆動させるための機構5a〜5cにあわせて構成し、適宜、術具固定部17に固定すれば良い。
【0074】
ところで、拘束力発生手段である摺動調整ネジ18を外側から締め付けたり、緩めたりすることができるように、摺動調整ネジ18の全長は、図2に示すように、術具駆動機構に要する長さより長いことが望ましい。
【0075】
なお、回転摺動部15と術具固定部17とは、雄ネジ15aを貫通孔15bを通して雌ネジ17aに締め込むことにより、回転摺動押え部16を挟み込むように組み合わせられて連結される。即ち、術具8および術具駆動機構5a〜5eと接触して固定した術具固定部(保持部材)17と回転摺動部15とは、回転摺動押え部16に対して軸心回りに回転可能に連結される。ただし、摺動調整ネジ18を締め付けることによって、摺動調整ネジ18の先端が回転摺動押え部16を押さえ付けることによってその摩擦により、術具固定部17は、回転摺動押え部16に対して回転止めされて連結されることになる。
【0076】
次に、ガイドマニピュレータ側に取り付けられた脱着凹機構部10aと、術具側に取り付けられた脱着凸機構部10bおよび拘束度調整機構部10cとの結合および分離である脱着動作について、図4を用いて説明する。
【0077】
図4では、図をわかりやすくするため術具側の部品は羽部13のみ図示しているが、実際にはそれぞれの部品が組み合わされた状態で脱着動作が行われる。
【0078】
即ち、結合時には、脱着凸機構部10bに連結された拘束度調整機構部10cに取り付けられた中間部8aを含めて術具8を、フランジ部11の貫通孔11eにはめ合わされているガイドマニピュレータの回転ベース26のボス24に設けた術具誘導孔およびその先の挿入部7の筒状内に挿入し、脱着凸機構部10bの羽部13の突起13cを脱着凹機構部10aの窪み12bにあわせて、矢印50に示すように両者をはめ合わせる。次に、そのままの状態で、矢印51に示す方向へ回転スライドさせる。この突起部13cのスライドにより、脱着凹機構部10aのボールプランジャ11a(図2および図3にて図示)は、フランジ部11に押し込めらるが、所定の回転角度で、突起部13cの凹部13bがボールプランジャ11aの位置と合致し、押し込めらていたボールプランジャ11aが開放されて凹部13bに係合し、脱着凸機構部10bは、脱着凹機構部10aに装着されて回転止めさせる。
【0079】
なお、突起部13cを回転スライドさせるために羽押え部12に形成された溝は、ボールプランジャ11aと凹部13bがかみ合う位置で終端となるように、ボールプランジャの位置、凹部位置、突起部形状、溝形状を決定する。
【0080】
さらに、術具8および術具駆動機構5a〜5cなどを固定した脱着凸機構部10bを、ガイドマニピュレータに固定された脱着凹機構部10aから取り外すときは、上記と逆の手順で行なえば良い。
【0081】
以上により、術具側を、ガイドマニピュレータ側へ脱着することが可能となる。
【0082】
次に、ガイドマニピュレータの挿入部7と術具8の拘束力を調整し、相対姿勢を調整する方法について説明する。
【0083】
即ち、拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段である、摺動調整ネジ18を締め込むことにより、回転摺動部16と摺動調整ネジ18先端との間に圧力がかかり、両者の間の摩擦による拘束力が増加し、術具固定部17は、ガイドマニピュレータの駆動部の脱着凹機構部10aに装着される脱着凸機構部10bの羽固定部14に対して回転止めされ、術具8の挿入部7に対する姿勢を一定に保つことが可能となる。逆に、上記摺動調整ネジ18をゆるめると、上記の圧力が弱まり、摩擦による拘束力が減少し、術具固定部17は、ガイドマニピュレータの駆動部の脱着凹機構部10aに装着される脱着凸機構部10bの羽固定部14に対して回転調整が可能となり、術具8の挿入部7に対する姿勢を調整することが可能となる。
【0084】
上記摩擦を増加させて拘束力を増加させたときには、術具固定部17は、回転摺動部16を介して羽固定部(ガイドマニピュレータの挿入部7を有する駆動部に装着される。)14に固定され、術具8の挿入部7に対する姿勢を一定に保つことが可能となる。逆に、上記摩擦を減少させるに従い、回転方向への拘束度が弱まり、術具固定部17を上記羽固定部14に対して回転調整することにより、術具8を挿入部7に対して回転させて、両者の相対姿勢を操作者の要望に応じて変化させることが可能となる。
【0085】
このように、拘束度を調節することで、自重などの外力では術具駆動部5は回転しないが、人が意図的に回転させようとして力を加えた場合のみ、術具8の挿入部7に対する回転方向の相対姿勢を変えることができる。
【0086】
また、上記構成により、術中におけるガイドマニピュレータ4と術具8の脱着が容易に行なえるため、術具交換に伴う作業性を向上させることが可能となる。また、ガイドマニピュレータ4の挿入部7の並進・回転の2自由度と同位相で運動する回転ベース26に術具駆動部5を固定できるため、これらの運動が行われても術具8と挿入部7の相対姿勢を一定に保つことが可能となる。ここでの並進の自由度の方向は、図2で示す並進ベース22がベース9に対して移動できる方向であり、この並進ベース22の動きはすなわち回転ベース26の並進の動きであり、同時に挿入部7の動きになる。また、回転の自由度の方向は、図2で示す回転ベース26が回転する方向であり、この回転ベース26の動きはすなわち挿入部7の動きとなる。
【0087】
また、上記回転および並進方向に対して術具8と挿入部7の相対姿勢が保持されていることで、術具8が挿入部7から飛び出る、あるいは術具8が捻じれたり、撓んだりすることを防ぐことができる。
【0088】
ところで、脱着凹機構部10aに対する脱着凸機構部10bの脱着動作を、よりスムーズに行なうためには、羽部13は摺動性に優れた樹脂などで加工したり、その面13Bに摺動性を高めるための表面処理を行なうことが望ましい。
【0089】
次に、術具8および術具駆動部5とガイド機器4との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段を有する術具保持機構10の第2の実施例の構成について、図5を用いて説明する。即ち、図5は、ガイド機器に挿入あるいは装備した術具8をばね圧で保持する例を、一部は断面図を用いて示している。ガイド機器には、あらかじめ、第1の実施例で示した、脱着凹機構部10aの機能を有する部位を設けておく。この部位については、第1の実施例で説明済みなので、図5では、術具側の構造のみ説明する。
【0090】
即ち、脱着凹機構部10aにはめ合わせる羽部13と、術具8の中間部8aを保持する板バネ31を固定するばね付きフランジ部30とを図のように結合させる。羽部13は第1の実施例で説明したものと同形状である。羽部13とばね付きフランジ部30には、術具8を通すための貫通孔37が、ガイド機器4の挿入部7の術具挿入孔へつながるように設けられている。そして、術具8は、ばね付きフランジ部30のボス側30cから、ガイド機器4の挿入部7の術具挿入孔へと通すことが可能である。
【0091】
ところで、拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段である、複数箇所で折り曲げもしくは曲面加工された2枚の板バネ31の一端は、ネジ30aでばね付きフランジ部30に固定される。板バネ31の固定端と反対の端部には、コの字型に加工した取っ手部33、34をネジ33a、34aで図5のように、互いにかみ合うように設ける。この両取っ手部33、34の間に、二つの術具拘束部(術具または術具の駆動装置と接触する保持部材)36を設ける。このとき、板バネ(拘束力発生手段)31の作用で術具拘束部(保持部材)36同士は押し付け合う。フランジ部30のボス30cには雄ネジ部を設け、この雄ネジ部にナット35を取り付ける。ナット35の外径は、ボス部30cの終端で、術具拘束部36を付けた板バネ31に触れるくらいがちょうど良い。
【0092】
このように、術具保持機構10の第2の実施例において、術具8および術具駆動部5とガイド機器との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段としては、例えば、術具および術具駆動機構を軸心回りに回動可能に支持し、術具を拘束する複数の術具拘束部36と、拘束力調整可能な拘束力発生手段である複数の板バネ部31と、該複数の板バネ部31を取り付け、ガイド機器4の挿入部7に回転ベース26を介して装着されるフランジ部30とから構成される。
【0093】
従って、拘束力調整可能な拘束力発生手段である複数の板バネ部31のバネ力で、複数の術具拘束部36を閉じることで、術具8または術具駆動機構5a〜5cと接触して圧力若しくは摩擦力からなる拘束力を発生させて、術具8のガイド機器4の挿入部7に対する相対姿勢の変位を固定または拘束することになる。
【0094】
この第2の実施例は次のように動作する。
【0095】
即ち、ガイド機器4への脱着は、図4で示した第1の実施例と同様に、羽部13の突起13cを、羽押え部12の脱着凹部にあわせてスライドさせる。羽部13の形状は第1の実施例と同じであるため、第1の実施例と同じ術具凹機構部10aに対して、同様の脱着動作が可能となっている。
【0096】
取っ手部33、34に対して矢印40の方へ力を加える。すると板バネ31は矢印41の方へ互いに広がり、術具拘束部36はそれぞれの取っ手部とともに移動し、ボス部30cに設けた術具8を通すための貫通孔37が口を開ける。そこで、術具8をここから貫通孔37を通して、ガイド機器へ挿入させることができる。次に、取っ手部33、34にかけていた力をゆるめると、板バネ31は矢印41の逆方向へナット35に接触する位置までもどり、取っ手部33、44も矢印40の逆方向へと移動する。これにより、再び、術具拘束部36は互いに押し合う位置にもどり、このとき、貫通孔37に挿入していた術具8は、術具拘束部36の間に挟まれて拘束されることになる。
【0097】
ナット35を回転させて、ボス部30cに設けたネジ部に締め込んでいくと、板バネとの接触部位が変化する。これにより、板バネの広がりを調整して、術具拘束部36aにかかる最大圧力を変えることができる。人が取っ手部33、34に力を入れていない通常状態では、術具(中間部8a)8と術具拘束部36との圧力は、ナット35の位置で規定される最大圧力となる。
【0098】
以上説明した第2の実施例によれば、次の様な効果を実現することができる。
【0099】
即ち、この第2の実施例によれば、第1の実施例で示すような脱着機構(10b、10c)を有しない術具8を使用する場合にも、ガイド機器4に挿入した術具8を拘束し、ガイド機器4と術具8の相対姿勢を保持することができ、ガイド機器4の移動に伴う、術具の相対位置のずれを防ぐことができる。これにより、患者の安全性とガイド機器の操作性を向上させることができる。
【0100】
また、第2の実施例によれば、取っ手部33、34をつまむことで、術具拘束部36の圧力が弱まり、術具拘束部36と術具8との間の圧力が低減される。これにより、術具8のガイド機器4に対して相対姿勢を変える操作が可能になる。
【0101】
また、第2の実施例によれば、ナット35の位置を調整することで、術具8と術具拘束部36との最大圧力を調整することができるため、人が力を入れて術具8を動かしたときには、ガイド機器4に対して変位を発生させることができるが、それより小さな力、例えば術具8の自重のみの力では、人が手を放してもガイド機器4に対する変位を拘束できる程度の、摩擦力を発生させる大きさの圧力に調整することができる。これにより、術具8を操作させる際に拘束力を弱める操作を省略できるので、より操作性を高めることができる。
【0102】
また、第2の実施例によれば、術具拘束部36を滑り性のよい樹脂などで構成すると、摩擦力を調整し術具を滑らせて行なう操作がより行ないやすくなる。
【0103】
また、第2の実施例によれば、術具8に対して最大の圧力をかけるようナット35の位置や術具拘束部36の材質を設定しているときでも、術具8を操作したいときには、取っ手部33、34をつまむことで、容易に拘束力をゆるめることが可能であり、確実な術具8の保持と、操作者の要望するときのみ術具8の適切な操作性を実現することができる。
【0104】
また、第2の実施例によれば、板バネ31の厚さを変えると、術具8を保持する最大圧力を変えることができる。使用する術具8の種類に応じて、図5に示すような複数の術具保持機構10dを用意しておくと、術具8にあわせたよりよい作業性を実現することができる。脱着操作が容易であることから、術具保持機構10dの交換は短時間で可能である。
【0105】
また、第2の実施例によれば、ファイバーなどの比較的破損しやすい術具などを保持する場合は、術具拘束部(術具保持部)36をゴムなどの弾性を有する素材で構成すると、弾製材は挟む術具の形状にあわせて変形を行ない、術具を包み込むような形状で圧力をかけることができるため、術具に傷を付けたり破損させたりする危険を回避できる。また、軟性のプラスチックなどで術具拘束部(術具保持部)36を構成すると、術具を滑らせて操作するときなどに、術具が傷つくことを防止できる。これらにより、より術具に対して適切な保持が可能となる。
【0106】
なお、第2の実施例において、術具8の駆動機構5a〜5eが必要な場合には、術具の中間部8aの後端に取り付ければ良い。
【0107】
次に、術具8および術具駆動部5とガイド機器4との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段を有する術具保持機構10の第3の実施例の構成について、図6を用いて説明する。この第3の実施例でも、ガイド機器側に設ける脱着凹部10aおよび、これとはめ合わせになる羽部13は同じ物を用いた場合について説明する。
【0108】
羽部13には、ボス44eを有するフランジ部44を固定する。フランジ部44および羽部13には術具8を通すための貫通孔44gが設けられており、ボス44eには、少なくとも一つ以上の、貫通孔44gに貫通する雌ネジ部44cが設けられている。また、雌ネジ部44cを含むボス部44eの一部には貫通孔44gの内径より一回り大きくな径のザグリ部44dを設ける。これにより、フランジ部44の断面においては、図6のように術具8を通すための貫通孔44gは段付き形状になっている。このザグリ部44dには可撓性を有する樹脂製のチューブ45をはめ込む。その後、ボス44eの開口部44fに、内径がチューブ45の外径より小さいキャップ46をかぶせる。雌ネジ部44cには雄ネジ47bを締め込む。雄ネジ47bには人がネジを操作するためのネジ頭47aがあることが望ましい。
【0109】
術具8はキャップ46の開口部46aから挿入する。そして、雄ネジ47bを締め込むと、雄ネジ47bによりチューブ45に圧力がかかり、場合によってはたわみが発生する。これにより、術具8とチューブ45の間の摩擦が増大して、術具8を拘束あるいは固定することができる。チューブ45の素材と雄ネジ47bの締め具合に応じて、摩擦力は調整可能である。術具8にあわせた摩擦力を発生させるために、使用する術具8に応じてチューブ45を取り替えることが可能である。
【0110】
このように、術具保持機構10の第3の実施例において、術具8および術具駆動部5とガイド機器4との相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段としては、例えば、術具および術具駆動機構を軸心回りに回動可能に支持し、術具を拘束する術具拘束部であるチューブ45と、拘束力調整可能な拘束力発生手段である複数の雄ネジ47bと、該複数の雄ネジ47bを取り付け、ガイド機器4の挿入部7に回転ベース26を介して装着されるフランジ部44とから構成される。
【0111】
従って、拘束力調整可能な拘束力発生手段である複数の雄ネジ47bを締め付けて、術具拘束部であるチューブ45を撓ませることで、術具8または術具駆動機構5a〜5cと接触して圧力若しくは摩擦力からなる拘束力を発生させて、術具8のガイド機器4の挿入部7に対する相対姿勢の変位を固定または拘束することになる。
【0112】
以上説明した第3の実施例によれば、次の様な効果を実現することができる。
【0113】
まず、第3の実施例によれば、ガイド機器4に対して術具8の相対姿勢を固定できるので、ガイド機器4の操作性と患者の安全性を向上させることができる。
【0114】
また、第3の実施例によれば、保持部材であるチューブ45の交換が容易に行なえることにより、術具8にあわせて、術具8と術具保持機構10eの間の摩擦力を調整することが容易に可能となる。
【0115】
また、第3の実施例によれば、術具8を拘束する力はネジ47bの締め具合で変化するので、適切な摩擦力が発生するように調整できる。
【0116】
また、第3の実施例によれば、摩擦力の調整が容易に可能であることから、自重では動かない程度の拘束力が発生している状態で、人の力によりガイド機器に対する変位を操作者の要望に応じて発生させるときに、術具の操作性を向上させることが可能である。
【0117】
また、第3の実施例によれば、摩擦力を発生させているチューブ45は、はめ込んだ後にキャップをかぶせて落ちないようにしているだけの構造なので、チューブ45に破損や汚れが発生した場合でも、交換が容易に行なえる。
【0118】
また、第3の実施例によれば、チューブ45の内径に比べて挿入する術具が細い場合、挿入する術具の太さにあわせた内径を有するチューブ45に交換することが容易にできるので、術具8とチューブ45との間により適切な摩擦力を発生させることができる。よって、チューブ45の撓み方によっては適切な摩擦力が発生できない状況は容易に回避できる。あらかじめ術具の外径や発生させたい摩擦力、術具の自重などにより、適切な摩擦力が発生できるチューブ45を組み込んだ術具保持機構10eを複数用意しておき、術具を取り替えるときに、術具保持機構10eも術具8にあわせた物に交換することで、より安全で適切な操作性を得ることができる。術具保持機構10eの交換は脱着操作が容易あることから、短時間に行なえる。
【0119】
なお、上記術具保持機構の第3の実施例において、術具8の駆動機構5a〜5eが必要な場合には、術具の中間部8aの後端に取り付ければ良い。
【0120】
次に、以上説明した本発明に係る手術支援装置(術具保持機構10の第1の実施も含む)の実施の形態の効果について説明する。
【0121】
まず、本発明に係る手術支援装置によれば、術具駆動部5は、ガイドマニピュレータの挿入部7と相対姿勢を保てる部位(例えば回転ベース26)に固定され、また、術具駆動部5で発生した駆動力(作用力)を術具8の可動部(作用部)まで伝える作用力伝達手段(駆動力伝達機構:例えば駆動ワイヤ8f〜8i、8j〜8k)を有する(例えば内部を通す)中間部8aの長さが一定であることから、患者の患部付近まで挿入されたガイドマニピュレータの挿入部7が、患者の身体内部で運動する際に、挿入部7と術具可動部8d、8eとの相対姿勢を一定に保つことができる。よって、術具8が挿入部7から突出したりして、身体内部の組織に不用意に接触したり、損傷を与えてしまうようなことが起こらない。よって、従来に比較して、患者への安全性を向上させることができる。
【0122】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具駆動部5がガイドマニピュレータの駆動部4bに、挿入部7との相対姿勢を保つように固定されているため、ガイドマニピュレータの挿入部7を操作するときに、術具8も挿入部7にあわせて動かすような手間が無くなるため、操作者1は治療に専念でき、効率よく治療を行なうことができる。
【0123】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具駆動部5が挿入部7とともに運動し、常に、術具可動部5と挿入部7の相対的な位置関係を一定に保てるため、挿入部7がどのように操作されても、その動きにより、術具8の中間部8aに設けられた駆動力伝達機構に、ねじれや圧縮、引っ張りなどの力が働くことが無く、どのような姿勢でも安定して術具8を操作することが可能となり、治療の作業性および患者への安全性が向上する。また、上記のように、術具8の中間部8aに、挿入部7の動きに伴う変形、外力が発生しないため、術具可動部8d、8eに、駆動信号に伴う動き以外の動きが発生するようなことが起こらず、従来に比較して患者への安全性を向上させることができる。
【0124】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具8の可動部8d、8eが、流体や気体などの流体を噴射あるいは吸引する部位であり、術具8の駆動部5がそれら流体を送り出すあるいは引き出す装置である場合、同様の構成により、術具中患部の流体の流路が捻じれたり折れたりして、流体の動きを妨げることが防止できるため、機器の機能を常に有効に発揮することが可能となり、作業性を向上させることが可能となる。
【0125】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具駆動部5がガイドマニピュレータ4の一部(例えば回転ベース26)に固定され、自動で挿入の動きに合わせて相対姿勢を保つように運動するため、人が術具8を長時間保持する必要がなくなり、治療スタッフの肉体的負担を軽減することができる。
【0126】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具可動部8d、8eと挿入部7の相対姿勢が、術具駆動部5固定の際に、常に一定であるように装備されているため、操作開始時に術具8の向きを、要望に応じて修正したりする手間がない。また、挿入部7の自由度方向との関係で術具8がもっとも効果的に患部に作用できる向きに、常に容易に装備できる。よって、治療作業性を向上させることが可能である。あた、術具装備時に思いがけない相対姿勢で術具8が装備されており、操作者の思いもしない向きに可動部が動くような事故が防げるため、患者の安全性を高めることができる。
【0127】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具駆動装置5に設けられた拘束力の大きさを調整可能な拘束力発生手段の一つである拘束力調整ネジ18をゆるめると、ガイドマニピュレータの挿入部7と、術具8の可動部8d、8eとの相対姿勢の拘束力が弱まるため、治療中の要望に応じて、挿入部7と術具可動部8d、8eとの相対姿勢を、操作者の操作に応じてずらすこが可能である。これにより、操作者の要望に応じて患部の位置や状態にあわせた治療が可能になり、より、治療の作業性を向上させることができる。
【0128】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具8がガイドマニピュレータ4と脱着可能に拘束されているため、術中、操作者の要望に応じて、術具8を交換することが容易である。また、挿入部7を体内に挿入したまま、挿入部7の内部に通されていた術具8のみ交換することができるので、迅速にかつ容易に術具8の交換が可能である。挿入された術具8は、可動部8d、8eと挿入部7の相対姿勢が所定の関係で装備されるので、術具交換後に、異なる術具においても、同様の感覚で操作することができ、治療操作性が向上する。
【0129】
また、本発明に係る手術支援装置によれば、術具8の部分は、ガイド機器であるガイドマニピュレータ4に比べて、小型簡易構造で作ることができ、かつ、術具駆動部5が脱着可能に固定可能で、術具交換に要する手間もかからず、異なる術具を装備した際にも、操作感覚が大きく変わること無く操作できるなどの効果により、術具8の種類を豊富にそろえることがより容易になる。これにより、治療において、患部の位置や状態にあわせて、より適切な治療を行なうことが可能になり、治療の作業性と患者の安全性の向上がはかれる。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、ガイド機器と鉗子等の術具を用いる手術に適した手術支援装置を実現することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手術支援装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】ガイド機器と術具駆動部の脱着機構および術具駆動部保持機構に関する組み合わせ図である。
【図3】ガイド機器と術具駆動部の脱着機構および術具駆動部保持機構に関する部品構成図である。
【図4】脱着操作の説明図である。
【図5】板バネを用いた術具保持機構の第2の実施例を示す図である。
【図6】雄ネジと樹脂チューブを用いた術具保持機構の第3の実施例を示す図である。
【図7】図1および図2に示す挿入部および術具の一実施例を具体的に示した図である。
【符号の説明】
2…操作入力装置、2a…操作レバー、3…制御装置、4…ガイドマニピュレータ(ガイド機器)、5…術具駆動部(鉗子駆動部)、5a…ワイヤ駆動プーリー、5b…巻き取りプーリー、5c…術具モータ、6a…入力信号、6b…情報、6c、6e…駆動信号、6d、6f…センサ信号、7…挿入部、7a…関節先端部、7c、7d…駆動ワイヤ、8…術具(鉗子)、8a…中間部、8d、8e…可動部(作用部)、8f〜8k…駆動ワイヤ(作用力伝達手段)、10…術具保持機構、10a…脱着凹機構部、10b…脱着凸機構部、10c…拘束度調整機構部、11…フランジ部、12…羽押え部、13…羽部、14…羽固定部、15…回転摺動部、16…回転摺動押え部、17…術具固定部(術具保持部材)、18…摺動調整ネジ(拘束力発生手段)、26…回転ベース、27…ワイヤ巻き取り用モータ、30…ばね付きフランジ部、31…板バネ(拘束力発生手段)、33…取っ手部、34…取っ手部、36a…術具保持部、45…チューブ(術具保持部材)、47b…雄ネジ(拘束力発生手段)。

Claims (5)

  1. 生体を処置するための作用部と、該作用部に対して生体を処置する作用力を発生させる若しくは送り出す駆動部と、該駆動部からの作用力を前記作用部に伝達する作用力伝達手段と、前記作用部と前記駆動部との間に設けられた中間部とを有し、患部を処置可能な術具と、
    該術具の位置姿勢を誘導するための挿入部と、
    該挿入部の後端を固定し、該挿入部の軸心回りに回動駆動制御できるように構成された回転ベース部と、該回転ベース部を前記挿入部の軸心方向に並進駆動制御できるように支持した並進ベース部と、前記挿入部の先端をワイヤにより首振り動作を行わせる機構とを備えたガイド機器と、
    該ガイド機器の回転ベース部に連結されるガイド機器側と、前記術具の中間部との間の相対姿勢の変位を固定または拘束する拘束手段を有する術具側とを有する術具保持機構と、
    前記ガイド機器及び前記術具の操作指令を入力するための操作入力手段とを備え
    前記術具保持機構は、前記術具側を前記ガイド機器側に対して脱着可能に分離でき、かつ前記術具側を前記ガイド機器側に係合させて回転止めして所定の位置で周方向に位置決めできるように構成したことを特徴とする手術支援装置。
  2. 前記術具側を前記ガイド機器側に対して軸心回りに回転させることによってかみ合わせるように前記術具側と前記ガイド機器側とを互いに凹凸形状で構成したことを特徴とする請求項1記載の手術支援装置。
  3. 前記ガイド機器側は脱着凹機構部を有して構成し、前記術具側は脱着凸機構部を有して構成することを特徴とする請求項2記載の手術支援装置。
  4. 前記拘束手段は、前記術具の中間部に対して圧力もしくは摩擦力からなる拘束力を発生する拘束力発生手段を有することを特徴とする請求項1記載の手術支援装置。
  5. 前記拘束力発生手段として前記術具の中間部を一対のばね圧で挟みつけるように構成したことを特徴とする請求項4記載の手術支援装置。
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