JP3765282B2 - ピエゾアクチュエータ駆動回路および燃料噴射装置 - Google Patents

ピエゾアクチュエータ駆動回路および燃料噴射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピエゾアクチュエータ駆動回路および燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピエゾアクチュエータは、PZT等の圧電材料の圧電作用を利用したもので、例えば、内燃機関の燃料噴射装置に適用され、燃料噴射用のインジェクタにおいて燃料の噴射とその停止とを切り換える手段として用いられたものが知られている。ピエゾアクチュエータは、容量性素子であるピエゾスタックが充電により伸長し、縮小するときは放電する。ピエゾスタックが伸長時および縮小時のみ通電がなされる方式のアクチュエータである。
【0003】
ピエゾアクチュエータの駆動回路は、ピエゾスタックの充電用の電荷を蓄積しておくコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で、一方を供給元として、電流制限用のインダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有している。燃料噴射装置に適用したものでは、例えば、コンデンサからピエゾスタックに充電して燃料噴射を開始し、所定のタイミングでピエゾスタックからコンデンサに電荷を回収して燃料噴射を停止する。したがって、燃料噴射中はピエゾスタック−コンデンサ間は非導通状態となる。従来、インジェクタの開閉制御用に用いられているソレノイド方式のもののように、ソレノイドへの通電を持続することでソレノイドの励磁状態が維持され、その間、噴射が可能となる構成のものとは大きく異なる。
【0004】
ピエゾアクチュエータ駆動回路の構成として、特開2001−157472号公報には、コンデンサとピエゾスタックとインダクタとでLC共振回路を形成したものがある(LC共振方式)。
【0005】
また、特開平10−308542号公報には、通電経路として、スイッチング素子がオンオフを繰り返すと、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成されるようにした構成のものもある(多重スイッチング方式)。LC共振方式のものが、電流や電圧の挙動が回路定数により決まる単純な振動をしてエネルギー(電荷)をやりとりするだけであるのに対して、多重スイッチング方式のものでは、スイッチング素子の制御でピエゾスタックの充電量が自在であり、ピエゾアクチュエータを種々の用途に適用し得る可能性を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ピエゾスタックとコンデンサとの間で全電荷の放出と受け取りを行うLC共振方式に比して、多重スイッチング方式では、コンデンサに十分な電荷が蓄えられた状態で、その中から所定量の電荷のみをピエゾスタックに供給する必要があり、ピエゾアクチュエータ駆動回路の構成、制御内容とも複雑化する。
【0007】
このため、ピエゾアクチュエータ駆動回路には、より実用的な価値の高いものが要請されている。例えば、LC共振方式のものが、充電若しくは放電の開始後に通電経路を開閉するスイッチがオン状態のまま制御不能となっても(オン故障)、ピエゾアクチュエータ駆動回路やピエゾスタックが特に重要な損傷を受けることは殆どないのに対し、スイッチング方式のものではスイッチング素子のオンオフの態様により電流や電圧の挙動が異なるから、スイッチング素子が指令通りに作動しないことがあると、ピエゾアクチュエータ駆動回路やピエゾスタックが特に重要な損傷を受けるおそれがあるが、簡単な構成で故障検出を行い得るものがない。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、実用価値の高いピエゾアクチュエータ駆動回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電および放電がなされるピエゾアクチュエータ駆動回路において、
前記通電経路に流れる電流を検出する電流検出手段を設け、
前記制御手段を、前記電流検出手段により検出された電流が予め設定したしきい値を越えると、短絡故障と判定するように設定する。
さらに、前記スイッチング素子よりも前記ピエゾスタック側で、前記通電経路の電圧を検出する電圧検出手段を設け、
前記制御手段を、前記短絡故障と判定されたときにおいて、前記スイッチング素子がオフの時に検出された電圧が予め設定したしきい値以下の第1の判定条件のときには、前記通電経路により、前記供給元をピエゾスタックとして電荷を前記コンデンサに回収する電荷回収を許容し、検出された電圧が予め設定したしきい値以上の第2の判定条件のときには、前記電荷回収を禁止するように設定する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
LC共振方式のものと異なり、通電経路を開閉するスイッチング素子がオン状態のまま制御不能になるオン故障やインダクタの一部または全部の短絡により通電経路を流れる電流が過電流となる。これは、例えばピエゾスタックに過剰な充電がなされて、ピエゾスタックの両端子間電圧が過昇する原因となる。したがって、通電経路に流れる電流を監視することで、速やかに故障の発生を知ることができる。これにより実用性が向上する。
この短絡故障と判定された場合において、前記スイッチング素子よりも前記ピエゾスタック側で、前記通電経路の電圧が高いほど、短絡故障の態様としてスイッチング素子のオン故障やインダクタの短絡故障が発生している蓋然性が高い。この場合、通常の、ピエゾスタックからコンデンサへの電荷回収を行うとすれば、スイッチング素子のオン故障でコンデンサとインダクタとが導通していることにより、あるいは、インダクタが電流を制限する作用をしないことにより、ピエゾスタックを供給元として、ピエゾスタック〜インダクタ〜接地という通電経路で漸増する電流を流そうとすると、コンデンサの非接地側の端子が接地されることになって、コンデンサが両端子間で短絡するおそれがある。あるいは、インダクタの短絡故障であれば、ピエゾスタックが短絡する。本発明では検出電圧がしきい値以上であれば通常の電荷回収はなされないから、かかるコンデンサやピエゾスタックの短絡を未然に防止することができる。
【0011】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記ピエゾスタックとして、通電経路を共通として複数のピエゾスタックが接続可能で、かつ、前記制御手段により制御される選択スイッチにより、前記複数のピエゾスタックのうちから、前記通電経路と接続されるピエゾスタックを選択可能であり、
前記制御手段を、前記短絡故障と判定されると、前記選択スイッチをオフにして、前記通電経路を開成するように設定する。
【0012】
簡単に、充電や放電を停止してピエゾアクチュエータ駆動回路やピエゾスタックの損傷を防止することができる。
【0015】
請求項記載の発明では、請求項1または2の発明の構成において、検出電圧の前記しきい値を、略コンデンサの両端子間電圧に設定し、
前記制御手段を、前記スイッチング素子がオフの時に前記第2の判定条件を満たすときは、故障の態様を、スイッチング素子のオン故障と判定するように設定する。
【0016】
短絡故障と判断されると、対応として、コンデンサを供給元とする通電経路のスイッチング素子をオフすることになるが、それでも検出電圧が略コンデンサの両端子間電圧に達するのはスイッチング素子のオン故障の場合である。したがって、検出電圧の前記しきい値を、略コンデンサの両端子間電圧に設定することで、故障の態様を、スイッチング素子のオン故障と特定することができる。
【0017】
請求項記載の発明では、請求項1ないし3の発明の構成において、前記コンデンサの電荷を前記インダクタを通り前記ピエゾスタックをバイパスして接地側に放電する非常放電用の経路を形成するとともに、該非常放電用の経路には、該非常放電用経路を開閉する非常放電スイッチを設ける。
【0018】
前記のごとく通常の電荷回収が不可となる短絡故障の場合でも、非常放電スイッチのオンで電荷を接地側に放出することができる。非常放電スイッチは前記制御手段による制御で作動するように構成して、短絡故障と判断なされた後、所定のタイミングで自動で電荷放出がなされるようにしてもよいし、修理工場などでの操作を前提として手動操作によるものでもよい。
【0019】
請求項記載の発明では、請求項1ないしの発明の構成において、前記コンデンサが、前記制御手段により制御される電源部により充電されるようになっており、
前記制御手段を、前記短絡故障と判定されると、前記電源部の作動を停止するように設定する。
【0020】
コンデンサに電気エネルギーが新たに投入されないようにすることで、ピエゾアクチュエータ駆動回路やピエゾスタックの損傷を最小限にくい止めることができる。
【0021】
請求項記載の発明では、請求項1ないし5の発明の構成において、
前記電圧検出手段は前記ピエゾスタックの非接地側端子の電圧を検出するものであり、
前記制御手段を、前記ピエゾスタックの充電完了後の充電保持期間において検出された電圧が予め設定したしきい値よりも小さいときは、前記ピエゾスタックの故障と判断するように設定する。
【0022】
ピエゾスタックは正常であれば充電完了後の充電保持期間では電圧が実質的に一定であるのに対し、ピエゾスタックの圧電セラミック層の一部短絡等で電荷がリークすると、電圧は低下する。したがって、電圧の低下から、かかるピエゾスタックの故障が知られる。
【0023】
請求項記載の発明では、ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電と放電とがなされるピエゾアクチュエータ駆動回路において、
前記通電経路に流れる電流を検出する電流検出手段を設け、
前記制御手段は、前記ピエゾスタックの充電開始直後に、検出された電流が予め設定した所定の電流値をとるまでの時間を計測して、計測時間に基づいて前記ピエゾスタックの見かけの容量若しくはピエゾスタックの温度を検出する手段を有する
【0024】
電流の挙動はピエゾスタックやインダクタの回路定数に応じて異なるが、特にピエゾスタックの見かけの容量によって変わる。ここでいうピエゾスタックの見かけの容量とは、ピエゾスタックをコンデンサと等価としてE=(1/2)CV2(E:ピエゾスタックへ投入されたエネルギー、C:ピエゾスタックの見かけの容量、V:ピエゾスタックの電圧)の関係から求めたCのことである(以下、単に容量という)。そして、容量は温度の影響を受けやすい。したがって、電流の経時プロファイルからピエゾスタックの容量やピエゾスタックの温度が知られ、さらに、これら情報に基づいてピエゾスタックの容量異常やピエゾスタックの温度異常を知ることができる。
【0025】
ここで、電流の経時プロファイルの指標として、ピエゾスタックの充電開始直後に所定の電流値をとるまでの時間を計測するようにしているので、実施が容易である。
【0026】
請求項記載の発明では、燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルをピエゾアクチュエータにより作動せしめるインジェクタと、
前記ピエゾアクチュエータを駆動する手段として、
ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電および放電とがなされるピエゾアクチュエータ駆動回路と、
前記制御手段に、燃料の噴射時期および噴射量に対応した前記ピエゾスタックの充電時期および充電保持期間の長さを指令する指令手段とを有する燃料噴射装置であって、
前記ピエゾアクチュエータ駆動回路には、
前記通電経路に流れる電流を検出する電流検出手段を設け、
前記指令手段を、前記ピエゾスタックの充電開始直後に、検出された電流が予め設定した所定の電流値をとるまでの時間を計測して、計測時間に基づいて、前記ピエゾスタックの充電時期および充電保持期間の長さを補正するように設定する。
【0027】
インジェクタを構成する可動部材の摺動抵抗等が温度変化の影響を受けて、インジェクタの作動特性が変化する。一方、前記のごとく、検出電流が予め設定した所定の電流値をとるまでの時間はインジェクタの温度とみなせるピエゾスタックの温度に応じて変化し、冷却水温度等に比してはるかにインジェクタ温度と対応した温度情報である。したがって、計測された前記時間に応じてピエゾスタックの充電時期および充電保持期間の長さを補正することで、燃料噴射を高精度に行い得る。
請求項10記載の発明では、ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電と放電とがなされるピエゾアクチュエータ駆動回路において、
前記スイッチング素子よりも前記ピエゾスタック側で、前記通電経路の電圧を検出する電圧検出手段を設け、
前記制御手段を、前記電圧検出手段により検出された前記ピエゾスタックの充電電圧が予め設定したしきい値を越えると、前記ピエゾスタックの過電圧異常と判定するように設定する
これにより、充電電圧が過昇したことを判断できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図2に本発明を適用したディーゼルエンジンのコモンレール式の燃料噴射装置の構成を示す。ディーゼルエンジンの気筒数分のインジェクタ1が各気筒に対応して設けられ(図例ではインジェクタ1は1つのみ図示)、供給ライン27を介して連通する共通のコモンレール26から燃料の供給を受け、インジェクタ1から各気筒の燃焼室内に略コモンレール26内の燃料圧力(以下、コモンレール圧力という)に等しい噴射圧力で燃料を噴射するようになっている。コモンレール26には燃料タンク23の燃料が高圧サプライポンプ25により圧送されて高圧で蓄えられる。
【0029】
また、コモンレール26からインジェクタ1に供給された燃料は、上記燃焼室への噴射用の他、インジェクタ1の制御油圧等としても用いられ、インジェクタ1から低圧のドレーンライン28を経て燃料タンク23に還流するようになっている。
【0030】
各インジェクタ1に搭載されたピエゾアクチュエータを駆動するためのピエゾアクチュエータ駆動回路21が設けられている。ピエゾアクチュエータ駆動回路21は、ECU22により制御され、選択気筒のインジェクタ1が燃料を噴射する。ECU22は、マイクロコンピュータ等を中心に構成され、ピエゾアクチュエータ駆動回路21の他、燃料噴射装置の各部を制御するようになっており、例えば、コモンレール26に設けられた図示しない圧力センサ等の検出信号に基づいて調量弁24を制御してコモンレール26への燃料の圧送量を調整しコモンレール圧力を調整する。また、ECU22には、燃料温、エンジン油温等の検出信号やクランク角等の各種信号が入力している。
【0031】
図3に前記インジェクタ1の構造を示す。インジェクタ1は棒状体で、図中下側部分がエンジンの図略の燃焼室壁を貫通して燃焼室内に突出するように取り付けられている。インジェクタ1は下側から順にノズル部1a、背圧制御部1b、ピエゾアクチュエータ1cとなっている。
【0032】
ノズル部1aのスリーブ状の本体104内にニードル121がその後端部にて摺動自在に保持されており、ニードル121はノズル本体104の先端部に形成された環状シート1041に着座または離座する。ニードル121の先端部の外周空間105には高圧通路101を介してコモンレール54から高圧燃料が導入され、ニードル121のリフト時に噴孔103から燃料が噴射される。ニードル121にはその環状段面1211に前記高圧通路101からの燃料圧がリフト方向(上向き)に作用している。
【0033】
ニードル121の後方には高圧通路101からインオリフィス107を介して制御油としての燃料が導入されており、ニードル121の背圧を発生する背圧室106が形成される。この背圧は、背圧室106に配設されたスプリング122とともにニードル121の後端面1212に着座方向(下向き)に作用する。
【0034】
前記背圧は背圧制御部1bで増減され、背圧制御部1bは前記ピエゾスタック127を備えたピエゾアクチュエータ1cにより駆動される。
【0035】
前記背圧室106はアウトオリフィス109を介して常時、背圧制御部1bの弁室110と連通している。弁室110は天井面1101が上向きの円錐状に形成されており、天井面1101の最上部に、低圧室111と連通する低圧ポート110aが開口しており、低圧室111はドレーンライン56に通じる低圧通路102と連通している。弁室110の底面には高圧制御通路108を介して高圧通路101と連通する高圧ポート110bが開口している。
【0036】
弁室110内には、下側部分を水平にカットしたボール123が配設されている。ボール123は上下動可能な弁体であり、下降時には、上記カット面で弁座としての弁室底面(以下、高圧側シートという)1102に着座して高圧ポート110bを閉鎖することにより弁室110を高圧制御通路108と遮断し、上昇時には弁座としての上記天井面(以下、低圧側シートという)1101に着座して低圧ポート110aを閉鎖することにより弁室110を前記低圧室111から遮断する。これにより、ボール123下降時には背圧室106がアウトオリフィス109、弁室110を経て低圧室111と連通し、ニードル121の背圧が低下してニードル121が離座する。一方、ボール123の上昇時には背圧室106が低圧室111と遮断されて高圧通路101のみと連通し、ニードル121の背圧が上昇してニードル121が着座する。
【0037】
ボール123はピエゾアクチュエータ1cにより押圧駆動される。ピエゾアクチュエータ1cは、低圧室111の上方に上下方向に形成された縦穴112に径の異なる2つのピストン124,125が摺動自在に保持され、上側の大径のピストン125の上方にピエゾスタック127が上下方向を伸縮方向として配設されている。
【0038】
大径ピストン125はその下方に設けられたスプリング126によりピエゾスタック127と当接状態を維持しており、ピエゾスタック127の伸縮量と同じだけ上下方向に変位するようになっている。
【0039】
ボール123と対向する下側の小径ピストン124と大径ピストン125と縦穴112とで画された空間には燃料が充填されて変位拡大室113が形成されており、ピエゾスタック127の伸長で大径ピストン125が下方変位して変位拡大室113の燃料を押圧すると、その押圧力が変位拡大室113の燃料を介して小径ピストン124に伝えられる。ここで、小径ピストン124は大径ピストン125よりも小径としているので、ピエゾスタック127の伸長量が拡大されて小径ピストン124の変位に変換される。
【0040】
燃料噴射時には、先ず、ピエゾスタック127が充電されてピエゾスタック127が伸長することにより、小径ピストン124が下降してボール123を押し下げる。これによりボール123が低圧側シート1101からリフトするとともに高圧側シート1102に着座して背圧室106が低圧通路102と連通するので、背圧室106の燃料圧が低下する。これにより、ニードル121に離座方向に作用する力の方が着座方向に作用する力よりも優勢となって、ニードル121が離座して燃料噴射が開始される。
【0041】
噴射停止は反対にピエゾスタック127の放電によりピエゾスタック127を縮小してボール123への押し下げ力を解除する。この時、弁室110内は低圧となっており、またボール123の底面には高圧制御通路108から高圧の燃料圧力が作用しているから、ボール123には全体としては上向きの燃料圧が作用している。そして、前記ボール123への押し下げ力の解除により、ボール123が高圧側シート1102から離間するとともに再び低圧側シート1101に着座して弁室110の燃料圧力が上昇するため、ニードル121が着座し噴射が停止する。
【0042】
図1に前記ピエゾアクチュエータ駆動回路21の構成を示す。なお、説明の便宜のため、適宜、ピエゾスタック127を4つの気筒に対応してピエゾスタック127A、ピエゾスタック127B、ピエゾスタック127C、ピエゾスタック127Dと表すものとする。ピエゾアクチュエータ駆動回路21は、ピエゾスタック127A〜127Dの充電および放電を行う充放電回路部211、その制御を行う制御手段であるコントローラ212等からなり、図示しないワイヤハーネスによりピエゾスタック127A〜127Dと接続される。
【0043】
充放電回路部211は、車載のバッテリ30の給電で数十〜数百Vの直流電圧を発生する電源部であるDC−DCコンバータ31、およびその出力端に並列に接続されたコンデンサ32を有し、ピエゾスタック127A〜127Dの充電用の電圧を出力する。DC−DCコンバータ31は例えば一般的な昇圧チョッパ型の回路を採用し得る。コンデンサ32は十分静電容量の大きなもの(数百μF)で構成され、ピエゾスタック127A〜127Dへの充電作動時にも略一定の電圧値を保つようになっている。
【0044】
コンデンサ32からピエゾスタック127A〜127Dにインダクタ34を介して通電する第1の種類の通電経路である第1の通電経路33aが設けてあり、通電経路33aには、コンデンサ32とインダクタ34間にこれらと直列に第1のスイッチング素子35が介設されている。第1のスイッチング素子35はMOSFETで構成され、その寄生ダイオード(以下、第1の寄生ダイオードという)351は、コンデンサ32の両端子間電圧が逆バイアスとなるように接続される。
【0045】
また、インダクタ34とピエゾスタック127A〜127Dは第2の種類の通電経路である第2の通電経路33bを形成している。この通電経路33bは、インダクタ34と第1のスイッチング素子35の接続中点に接続される第2のスイッチング素子36を有している。第2の通電経路33bはコンデンサ32をバイパスして、インダクタ34、ピエゾスタック127A〜127Dおよび第2のスイッチング素子36を通る閉回路を形成している。第2のスイッチング素子36もMOSFETで構成され、その寄生ダイオード(以下、第2の寄生ダイオードという)361は、コンデンサ32の両端子間電圧が逆バイアスとなるように接続される。
【0046】
通電経路33a,33bはピエゾスタック127A〜127Dのそれぞれに共通であり、ピエゾスタック127A〜127Dと直列に1対1に対応して選択スイッチ37A,37B,37C,37Dが接続してある。噴射気筒のインジェクタ1のピエゾスタック127A〜127Dに対応する選択スイッチング素子37A〜37Dがオンされて、当該ピエゾスタック127A〜127Dに通電経路33a,33bが選択的に形成されることになる。
【0047】
各選択スイッチ37A〜37DはMOSFETが用いられており、その寄生ダイオード(以下、選択寄生ダイオードという)371A,371B,371C,371Dは、コンデンサ32の両端子間電圧が逆バイアスとなるように接続されている。
【0048】
スイッチング素子35,36、選択スイッチ37A〜37Dの各ゲートにはコントローラ212からそれぞれ制御信号が入力しており、前記のごとく選択スイッチ37A〜37Dのいずれかをオンして駆動対象のピエゾスタック127A〜127Dを選択するとともに、スイッチング素子35,36をオンオフし、ピエゾスタック127A〜127Dの充電および放電を行うようになっている。
【0049】
選択スイッチ37A〜37Dと接地間には、選択スイッチ37A〜37Dに共通に抵抗器38bが設けてある。その両端子間電圧すなわち図中b点の電圧はコントローラ212に入力し、ピエゾスタック127A〜127Dの充電電流が検出されるようになっている。
【0050】
第2のスイッチング素子36には直列に抵抗器38cが設けてある。その両端子間電圧すなわち図中c点の電圧はコントローラ212に入力し、ピエゾスタック127A〜127Dの放電電流が検出されるようになっている。
【0051】
また、インダクタ34のピエゾスタック127A〜127D側の端子と接地間に、直列接続された抵抗値の高い抵抗器381a,381bが設けてある。その分割電圧すなわち図中a点の電圧は、コントローラ212に入力し、ピエゾスタック127A〜127Dの両端子間電圧が検出されるようになっている。
【0052】
また、抵抗器381a,381bと並列に、非常放電用経路42が形成してあり、詳しくは後述するようにコンデンサ32やピエゾスタック127A〜127Dの電荷を接地側に放出するようになっている。非常放電用経路42には、これを開閉する非常放電用スイッチ43の他、抵抗器44、ダイオード45が直列に接続されている。抵抗器44は電荷放出時の時定数を調整するためのものである。ダイオード45は逆流防止用のもので、インダクタ34側をカソードとしてあり、電流がインダクタ34側から接地側に流れる方向が順方向となる。
【0053】
また、非常放電用スイッチ43はMOSFETが用いられており、その寄生ダイオード(以下、放電寄生ダイオードという)431は、コンデンサ32の電圧が逆バイアスとなるように接続されている。
【0054】
非常放電用スイッチ43のゲートにはコントローラ212から制御信号が入力している。
【0055】
制御手段であるコントローラ212は、ECU22からの指令信号や充放電回路部211の前記各種の検出信号にしたがって、充放電回路部211に制御信号を出力するとともに、充放電回路部211の異常を検出し、ECU22に異常判定信号IJF1,IJF2を出力するようになっている。また、後述する放電禁止信号を生成し、一定の条件のときにピエゾスタック127A〜127Dからコンデンサ32への電荷回収の実行を禁止する。
【0056】
ECU22から入力する指令信号として、噴射信号、気筒選択信号および充電期間信号が入力している。噴射信号は、ピエゾスタック127A〜127Dの充電時期と放電時期とを規定するもので、「L」と「H」よりなる二値信号である。噴射信号の出力時期および長さにより噴射期間が略規定される。また、気筒選択信号は、噴射気筒に対応した、充電すべきピエゾスタック127A〜127Dを選択するものである。充電期間信号はピエゾスタック127A〜127Dの充電期間の長さすなわち充電量を規定するものである。
【0057】
なお、各ピエゾスタック127A〜127Dには、それぞれ並列に抵抗器41A,41B,41C,41Dが設けてあり、充電完了後にもピエゾスタック127A〜127Dから常時、少しずつ放電する。抵抗器41A〜41Dはフェールセーフ用のものであり、ピエゾスタック127A〜127Dの配線ケーブルの断線等で通電不能となり、ピエゾスタックの127A〜127Dからコンデンサ32への通常の電荷回収ができなくなったときに、ニードル121をリフト状態とし得る程度の充電保持状態が所定時間以上、続かないようになっている。また、抵抗器41A〜41Dは焦電効果による発生電荷を解消する。したがって、抵抗器41A〜41Dの抵抗値は、最長噴射時間等を考慮して設定される。
【0058】
図4は、充放電回路部211の作動状態を示すものである。コントローラ212は、噴射信号,気筒選択信号、充電期間信号が「H」になると、所定の制御信号を出力する。なお、気筒選択信号は第1の気筒を選択するものであり、続いて第2の気筒を選択するものであるとする。先ず、第1の気筒に対応する第1の選択スイッチ37Aがオンされる。選択スイッチ37Aのオン期間は放電が完了するまでである。
【0059】
噴射信号および充電期間信号が「H」になると(t1 )、コントローラ212は、第1のスイッチング素子(以下、適宜、充電スイッチという)35のオン期間とオフ期間とを次のように設定し、充電スイッチ35に制御信号を出力する。すなわち、充電スイッチ35をオンして、コンデンサ32を供給元とする第1の種類の通電経路である第1の通電経路33aに漸増する充電電流を流す(図5(A))。オン期間は一定に設定される。充電スイッチ35がオフすると、この時、インダクタ34に発生する逆起電力は第2の寄生ダイオード361に対して順バイアスであるから、インダクタ34に蓄積されたエネルギーにより、コンデンサ32を供給元とする第2の種類の通電経路である第2の通電経路33bに漸減するフライホイール電流が流れ、ピエゾスタック127Aの充電が進行する(図5(B))。充電電流が予め略0に設定したしきい値(以下、適宜、0Aしきい値という)になると、オフ期間を終了して再び充電スイッチ35をオンしてオン期間に入り、これを繰り返す(多重スイッチング方式)。充電電流(b点での信号)は略三角形状の波形で流れ、ピエゾスタック127Aの両端子間電圧(aでの信号)は階段状に上昇する。
【0060】
そして、充電期間信号が「L」になると(t3 )、充電スイッチ35への制御信号は強制的に立ち下がり、充電スイッチ35をオフに固定する。これで充電は完了となる。ピエゾスタック127Aが充電により伸長して変位拡大室113を介してボール123を押圧しリフトせしめる。
【0061】
なお、オン期間の長さを一定とする本ピエゾアクチュエータ駆動回路211の方式は、ピエゾスタック127A〜127Dへのエネルギーの投入速度が一定で直線性がよく、しかも、充電期間の長さが同じであれば、ピエゾスタック127A〜127Dの容量が変化しても、ピエゾスタック127A〜127Dへの投入エネルギー量を略一定にすることができるという特徴を有している。
【0062】
また、噴射信号が「L」になると(t5 )、ピエゾスタック127Aを放電してコンデンサ32に回収する。すなわち、第2のスイッチング素子(以下、適宜、放電スイッチという)36のオン期間とオフ期間とを次のように設定し、放電スイッチ36に制御信号を出力する。すなわち、放電スイッチ36をオンして、ピエゾスタック127Aを供給元とする第2の種類の通電経路である第2の通電経路33bに漸増する放電電流を流す(図6(A))。放電電流が予め設定したしきい値(以下、上限電流しきい値という)になると、放電スイッチ36をオフしてオフ期間に入る。この時、インダクタ34に大きな逆起電力が発生し、インダクタ34に蓄積されたエネルギーにより、フライホイール電流を、ピエゾスタック127Aを供給元とする第1の種類の通電経路である第1の通電経路33aに流し、コンデンサ32にエネルギーを回収する(図6(B))。放電電流が0Aしきい値になると再び放電スイッチ36をオンして、これを繰り返す。
【0063】
そして、ピエゾスタック電圧が略0に予め設定したしきい値(以下、適宜、0Vしきい値という)に達すると(t8 )放電スイッチ36をオフに固定し、ピエゾスタック127Aの放電は完了となる。ピエゾスタック127Aの電荷はコンデンサ32に回収されることになる。そして、このようにピエゾスタック127Aを放電することで、ピエゾスタック127Aが縮小して変位拡大室113の燃料圧力によるボール123への押圧力が解除されてボール123が着座する。
【0064】
続いて所定のクランク角のときに噴射信号および充電期間信号が再び「H」になるとともに、第2の気筒を指示する気筒選択信号が「H」になって(t1')、ピエゾスタック127Bについて、第1、第2の通電経路33a,33bが形成される。第3、第4気筒についても同様に順次、ピエゾスタック127C,127Dの充電と放電とがなされる。
【0065】
次に、コントローラ212のうち、充放電回路部211の異常を検出し、ECU22に異常判定信号IJF1,IJF2を出力する回路部分について説明する。図7に異常判定信号IJF1および放電禁止信号を生成する回路部分を示し、図8にその作動状態を示す。前記回路部分には、前記噴射信号の他、充電電圧、タイマしきい値、過電圧しきい値、容量大しきい値が入力している。なお、以下の説明において、選択気筒が第1気筒であるものとして説明する。すなわち、選択スイッチ37A〜37Dのうち、選択スイッチ37Aがオンするものとして説明する。
【0066】
充電電圧はa点で検出される、インダクタ34のピエゾスタック127A側の端子の電圧である。
【0067】
タイマしきい値は後述する時間t4 の経過を判定するための電圧信号である。
【0068】
過電圧しきい値、容量大しきい値はともに、充電電圧と比較されて充電電圧の大きさを判定する電圧異常判定しきい値である。過電圧判定しきい値は実質的にコンデンサ32の電圧とみなせる電圧に相当する大きさの電圧信号である。容量大しきい値は、充放電回路部211側からみたピエゾスタック127Aの容量に異常が生じて充電電圧が不足したときにこれを検出するためのしきい値である。本実施形態のように、ピエゾスタック電圧の大きさによらないで充電終了を判断するものでは、ピエゾスタック127Aの容量の増大で充電電圧が低下するからである。
【0069】
充電電圧は、スイッチ52で選択された過電圧しきい値若しくは容量大しきい値と比較器53で比較される。スイッチ52は比較器51の出力で切り換え制御されるようになっている。比較器51には、噴射信号の立ち上がりからの経過時間をカウントするタイマー回路50の出力信号とタイマしきい値とが入力し、前記経過時間がt4 を越えると比較器51の出力が「L」となって、過電圧しきい値から容量大しきい値に切り換わる。
【0070】
充電電圧が電圧異常判定しきい値よりも大きいか否かを判定する前記比較器53の出力と、前記経過時間がt4 を越えると出力が「L」となる前記比較器51の出力とはANDゲート54を介してSRフリップフロップ56に入力している。
【0071】
このSRフリップフロップ56は、R入力として前記比較器53の出力がNOTゲート55で反転されて入力している。SRフリップフロップ56のQ出力は放電禁止信号としてある。正常時には「L」をとるものであり、噴射信号の入力からt4 までの期間に充電電圧が過電圧しきい値を越えたときのみ「H」となって、充電電圧が過昇したことが知られる。充電電圧が低下して前記比較器53の出力が「L」になれば放電禁止信号は「L」となる。放電禁止信号が「H」になると、ECU22は放電を禁止する。この理由については後述する。
【0072】
一方、Dフリップフロップ70は、CK入力として噴射信号がNOTゲート58で反転されて入力し、また、CL入力として噴射信号の立ち上がりエッジを検出する立ち上がりエッジ検出回路59からの出力が入力している。前記SRフリップフロップ56の反転出力と前記比較器53の出力とがANDゲート57に入力し、ANDゲート57の出力がDフリップフロップ70のD入力となっている。したがって、放電開始までの間、充電電圧が容量大のしきい値を上回っていれば、噴射信号の立ち下がりでIJF1信号は「H」となって、次に噴射信号が立ち上がりDフリップフロップ70がクリアされるまで保持される。一方、ピエゾスタック127Aが充電時に電圧が上昇しなかった場合や、充電保持期間(充電期間信号が「L」になって(t3 )から噴射信号が「L」になる(t5 )までの間)に充電電圧が低下して、容量大しきい値を下回っていれば、IJF1信号は「L」のままである。また、ピエゾスタック127Aが充電時に電圧が過電圧となった場合にもIJF1信号は「L」のままである。
【0073】
図9に、コントローラ212のうち、異常判定フラグIJF2を出力する回路部分を示し、図10にその作動状態を示す。前記回路部分には、前記噴射信号、充電電圧およびマスク信号の他、充電電流、通電開始しきい値、過電流しきい値、0Vしきい値が入力している。
【0074】
充電電流はb点の電圧として知られる信号である。
【0075】
マスク信号は、噴射信号の立ち上がりすなわちピエゾスタック127Aの充電開始から、実質的に最初の充電スイッチ35のオン期間に続くオフ期間が終了するまで、「H」値をとるものであり、これを生成する回路については後述する。
【0076】
通電開始しきい値は、充電電流と比較されて充電電流の大きさを判定するもので、0よりもやや高めに設定され、充電スイッチがオンし充電電流が漸増を開始したか否かを確認するための電圧信号である。
【0077】
過電流しきい値は、通電経路33a,33bに過電流が流れたか否かを判定するためのもので、充電スイッチ35の最初のオン期間において到達する電流値として過大な値を判定し得る値に設定される。
【0078】
0Vしきい値は充電電圧と比較されて充電電圧の大きさを判定するもので、0Vよりもやや高めに設定され、放電が完了したか否かを確認するための電圧信号である。
【0079】
通電開始しきい値と充電電流とは比較器60で比較され、ANDゲート67に入力する。比較器60の出力は、充電電流が通電開始しきい値を越えると、「H」となる。
【0080】
また、充電電流と過電流しきい値とが比較器61で比較され、その出力はORゲート65に入力する。充電電流が過電流しきい値を越えない正常時には比較器61の出力は「L」である。ORゲート65には比較器61の出力とともに、前記噴射信号がNORゲート64を介して入力しており、噴射信号が「H」の間は、充電電流が過電流しきい値を越えない限り、ORゲート65の出力は「L」である。ORゲート65の出力はSRフリップフロップ68にR入力として入力している。
【0081】
ORゲート65の出力はまた、NOTゲート66で反転されて、通電開始しきい値が充電電流よりも小さいか否かを判定する比較器60の出力とともに、前記ANDゲート67に入力している。ANDゲート67の出力は、噴射信号が「H」になった後、充電電流が通電開始しきい値を越えると、立ち上がり、SRフリップフロップ68の反転出力が「L」になる。反転出力の状態は少なくとも噴射信号が「L」になるまで保持される。なお、充電スイッチ35のオフ期間の最後に充電電流が再び通電開始しきい値を下回ると、ANDゲート67の出力は再び「L」になる。
【0082】
また、噴射信号が「L」になった後は、NORゲート64のもう一つの入力により、SRフリップフロップ68のR入力およびS入力が決定されることになる。NORゲート64のもう一つの入力として、充電電圧と0Vしきい値とを比較する比較器62の出力が、NOTゲート63で反転されて入力しており、充電電圧が0Vしきい値を下回ると、NORゲート64のもう一つの入力は「L」となる。したがって、充電電圧が0Vしきい値を上回っている間は、NORゲート64の出力が「L」で、噴射信号が「L」になる前と同じ状態で推移し、充電電圧が0Vしきい値を下回ると、NORゲート64の出力が「H」となって、SRフリップフロップ68のR入力を「H」にする。これにより、SRフリップフロップの反転出力が「H」となる。
【0083】
そして、SRフリップフロップ68の反転出力と、前記マスク信号とがORゲート69に入力して、その出力が異常判定信号IJF2となる。噴射信号が「L」になってから異常判定信号IJF2が「H」に切り換わるのは、充電電圧が0Vしきい値を下回ってから、すなわち、実質的にピエゾスタック127Aが放電仕切った時点であり、ピエゾスタック127Aの放電完了時期により、遅くなったり早くなったりすることになる。
【0084】
なお、充電電流が通電開始しきい値を越えてSRフリップフロップ68の反転出力が「L」になった後、充電電流がさらに上昇し、充電電流が過電流しきい値を越えてしまうと、ORゲート65の出力が「H」になり、SRフリップフロップ68の反転出力は「H」に戻ってしまう。なお、以下の説明において、SRフリップフロップ68を、適宜、故障判定F/F68という。
【0085】
次に、図11に、コントローラ212のうち、前記マスク信号を出力する回路部分を示し、図12にその作動状態を示す。前記回路部分には、前記充電電流、通電開始しきい値および噴射信号が入力している。
【0086】
充電電流と通電開始しきい値とが比較器71で比較され、充電電流が通電開始しきい値を越えると、比較器71の出力は「H」となる。比較器71の出力はANDゲート72に入力している。ANDゲート72の出力は第1のDフリップフロップ73にCK入力として入力している。第1のDフリップフロップ73は第2のDフリップフロップ74とともに2ビットのカウンタを構成している。上位ビットの第2のDフリップフロップ74の反転出力が前記ANDゲート72のもう一つの入力となっている。したがってカウント値が「2」になるまでは、ANDゲート72の出力は比較器71の出力である。
【0087】
第2のDフリップフロップ74の反転出力と噴射信号とを入力としてANDゲート75が設けられ、その出力がマスク信号となっている。
【0088】
また、噴射信号は、NOTゲート76で反転されて、Dフリップフロップ73,75にCL入力として入力しており、噴射信号が立ち下がると、Dフリップフロップ73,74がクリアされる。
【0089】
しかして、噴射信号が「H」になって充電電流が漸増と漸減とを繰り返すと、充電電流が通電開始しきい値を越えるごとに、それが第1、第2のDフリップフロップ73,74でカウントされる。最初は、第2のDフリップフロップ74の反転出力が「H」で、噴射信号も「H」であるから、マスク信号は「H」でスタートする。
【0090】
充電電流が2回目に通電開始しきい値を越えた時点で、第2のDフリップフロップ74の反転出力が「L」になって、マスク信号も「L」になる。
【0091】
そして、ANDゲート72には第2のDフリップフロップ75の反転出力が入力しているので、以降、カウントはなされず、マスク信号は「L」に固定される。
【0092】
したがって、マスク信号は、噴射信号の立ち上がりから充電スイッチ35の2回目のオンにより充電電流が通電開始しきい値を越えるまでの期間、「H」値をとるものである。なお、充電スイッチ35が2回目にオンされなければ、マスク信号は噴射信号が再び「L」になるまで「H」のまま推移する。
【0093】
ECU22では、異常判定信号IJF1,IJF2に基づいて異常の有無を判定する。図13に正常時の作動状態を示し、図14、図15、図16、図17に異常発生時の作動状態を示す。
【0094】
正常時の作動状態を示す図13において、ピエゾスタック127Aの充電の進行とともに充電電圧が上昇するが、過電圧しきい値を越えることなく適正な電圧値に達し充電を完了する。したがって、電圧異常判定しきい値が容量大しきい値に切り換わるt4 になると、電圧レベル判定(X)は「H」に立ち上がる。これは噴射信号が「L」になるt5 を過ぎても維持されるので、異常判定信号IJF1はt5 の時点で「H」になる。
【0095】
一方、噴射信号が「L」になることにより、ピエゾスタック127Aの放電が開始されて、ピエゾスタック127Aの電荷がコンデンサ32に回収されていき、充電電圧が低下する。しかして、充電電圧が0Vしきい値を下回るt8 になると、故障判定F/F68が「H」になって、異常判定信号IJF2が「H」になる。異常判定信号IJF2が「L」から「H」に切り換わると放電が完了したことになる。
【0096】
ここで、ピエゾスタック127Aの充電と放電とが適正になされるときのt8 の範囲を予め求めておけば、この範囲を外れて放電完了が早すぎるとみなせるt7 と、範囲を外れて放電完了が遅すぎるとみなせるt9 とを設定し得る。なお、ピエゾスタック127Aの放電は噴射信号が「L」になるとともに開始されるから、t7 ,t9 は噴射信号が「L」になるt5 を基準に設定する。ECU22にはエンジン油温等の温度情報が入力しているから、これに基づいてt7 ,t9 が設定されるようにしてもよい。
【0097】
ECU22では、異常判定信号IJF2がt7 の時点で「L」でt9 の時点で「H」であれば正常と判断する。また、異常判定信号IJF2がt7 の時点で「H」であるか、t9 の時点で「L」であれば異常と判断する。正常時を示す図13の場合、t7 の時点で「L」でt9 の時点で「H」となっている。
【0098】
異常発生の場合の具体例について説明する。図14、図15は充放電回路部211またはピエゾスタック127A〜127Dの短絡のうち、充電スイッチ35のオン故障時のものである。なお、図15は図14を拡大したものである。噴射信号が「H」になり、充電スイッチ35のオン期間となるが、オン期間が終了して充電スイッチ35の制御信号は「L」になっても、充電スイッチ35がオン故障していると、充電電流は流れ続け、さらに上昇していく。そして、これが過電流しきい値を越えると、第1気筒の選択スイッチ37Aをオフする。これにより、充電スイッチ35がオン故障していても通電経路33a,33bがピエゾスタック127Aと遮断されるので、充電が停止する。遮断されなければ図中、破線で示すように充電電流が上昇し続けることになり、かかる事態を、選択スイッチ37Aをオフすることで確実に防止することができる。なお、第1気筒の選択スイッチ37Aのオフとともに充電スイッチ35の2回目以降の制御信号の出力を中止する。
【0099】
充電電流が過電流しきい値を越えることで、故障判定F/F68が「H」になる。これにより、t7 の時点で、ECU22はピエゾスタック127Aの充電時に過電流が流れる異常が発生したことを知ることができる。
【0100】
過電流が流れる異常が発生する場合としては、この充電スイッチ35のオン故障の他、インダクタ34の一部若しくは全部の短絡故障、ピエゾスタック127Aの両端子間での短絡等が考えられ、かかる場合にも検出可能である。
【0101】
また、インダクタ34の一部短絡等の場合はその第1回目のオンだけでピエゾスタック127Aの充電電圧が大きく上昇することはないから、放電スイッチ36のオンオフによる通常の放電作動で、ピエゾスタック127Aの残存電荷をコンデンサ32に回収するのは問題がない。しかし、充電スイッチ35がオン故障の場合には、放電スイッチ36のオンによりコンデンサ32〜充電スイッチ35〜放電スイッチ36〜抵抗器38c〜接地という閉回路が形成される。抵抗器38cは放電電流検出用で抵抗値はごく小さいからコンデンサ32が両端子間で短絡することになる。
【0102】
さて、充電スイッチ35がオン故障の場合には、選択スイッチ37Aのオフにより、a点で検出されるインダクタ34のピエゾスタック127A側の端子の電圧は、略コンデンサ32の電圧になり、t4 までの電圧異常判定しきい値である過電圧しきい値を越える。これにより、前記放電禁止信号は「H」となり、IJF1は「L」のまま保持される。
【0103】
コントローラ212は、短絡故障と判断されて充電を中止した場合において、放電禁止信号が「L」であれば、放電スイッチ36をオンオフさせてピエゾスタック127Aの残存電荷をコンデンサ32に回収する。
【0104】
一方、放電禁止信号が「H」であれば、充電スイッチ35がオン故障の蓋然性が高いから、DC−DCコンバータ31の作動を停止してバッテリ30からコンデンサ32への充電を禁止する。また、非常用放電スイッチ43をオンする。これにより、抵抗器44の適当な時定数のもとで電流が制限されて、ピエゾスタック127Aおよびコンデンサ32の接地側への放出を行うことができる。これにより、異常発生状態でピエゾスタック127Aおよびコンデンサ32に電荷が蓄えられたままになるのを回避することができる。また、選択スイッチ37Aをオフするまでの間にピエゾスタック127Aに充電されているので、インジェクタ1は開弁状態すなわち噴射状態になっていることもあるが、この状態をも速やかに解消することができる。
【0105】
なお、通常、インジェクタ1には、変位拡大室113からの燃料の自然リークを利用した機械的なフェールセーフ機能を発揮するようになっており、長時間、開弁状態のままであることはないので、その間の燃料噴射を許容することができれば、非常用放電スイッチ43は修理工場等で手動で行う構成としてもよいのは勿論である。
【0106】
なお、放電禁止信号はa点で検出される充電電圧が電圧異常しきい値を越えると「H」となるものであるが、正常な状態では、マスク信号が充電スイッチ35の2回目のオンにより「L」になる(図13参照)ので、正常時にはt4 以降、充電電圧が電圧異常しきい値を越えていても放電禁止信号が「H」になることはない。
【0107】
図16は充放電回路部211またはピエゾスタック127Aの短絡のうち、ピエゾスタック127Aの圧電セラミック層の一部短絡時のものである。ピエゾスタック127Aの充電が正常になされても、かかる圧電セラミック層の一部短絡により、充電期間終了(t3 )後に、ピエゾスタック127Aから電荷がリークし充電電圧が漸次、低下する。
【0108】
したがって、ピエゾスタック127Aにおける放電開始時(t5 )の残存電荷は正常時よりも少なく、放電スイッチ36がオンオフ作動する放電期間も短くなる。これにより、t7 の時点で既に異常判定信号IJF2は「H」となり、IJF1は「L」のままである。これにより、ECU22はピエゾスタック127Aの故障を知ることができる。
【0109】
図17は充放電回路部211若しくはピエゾスタック127A〜127Dの短絡のうち、選択スイッチ37A〜37Dのオン故障等で、複数のピエゾスタックが同時通電状態となる(以下、2気筒同時通電という)場合のものである。以下の説明において、第1の気筒に対応するピエゾスタック127Aの充電時に、第2の気筒に対応する選択スイッチ37Bがオン故障となっているとして説明するが、他の組み合わせでも実質的に同じである。2気筒同時通電の場合は、充放電回路部211側からみたピエゾスタック127Aの容量が大きくなるので、充電速度が低下する。充電量を充電期間の長さで制御する本実施形態の場合は、ピエゾスタック127Aの充電電圧が所定の電圧範囲に入らず、不足することになる。
【0110】
したがって、電圧異常しきい値が容量大しきい値に切り換わるt4 において、Dフリップフロップ57のD入力が「L」になる。このため、噴射信号が「L」になるt5 を過ぎても、異常判定信号IJF1は「L」のままである。これにより、ECU22は2気筒同時通電と判断することができる。但し、ECU22はエンジン油温等のエンジンを代表する温度が予め設定したしきい値等と比較して高ければ、2気筒同時通電か否かの判断はしない。
【0111】
この理由について説明する。ピエゾスタックを含む容量性素子は一般に温度に対して容量が大きく変動する。図18はインジェクタに用いられるピエゾスタックについて容量の温度依存性を、ディーゼルエンジンを搭載した自動車が予定する温度範囲内で調査した一例を示すもので、低温のときと高温のときとで容量が2倍から3倍、異なる。
【0112】
このため、前記のごとく異常判定信号IJF1が「L」でも、2気筒同時通電によるものか温度上昇による容量の増大かを区別することができない。そこで、温度が予め設定したしきい値等と比較して高温と判断されれば、2気筒同時通電か否かの判断はしないこととしている。
【0113】
勿論、ピエゾスタックの温度環境が一定の範囲内となるようにピエゾスタック127A〜127Dについて放熱等の手段が講じてあれば、異常判定信号IJF1が「L」のときに、無条件に2気筒同時通電と判断するのもよい。
【0114】
なお、充電速度とともに放電速度も遅くなるので、充電電圧が低くとも放電完了時期はさほど速くはならず、図例のごとく、正常時と同等の時期に放電が完了する。このため、異常判定信号IJF2は正常時と変わらない。
【0115】
なお、前記異常判定信号IJF1による判定は、前記ピエゾスタック127A〜127Dの圧電セラミック層の一部短絡にも応用することができる。すなわち、電圧異常しきい値が容量大しきい値に切り換わるt4 以後、噴射信号が「L」になる前に充電電圧が電圧異常しきい値を下回ると、この場合も、異常判定信号IJF1は「L」のままであることから、t4 以後の電圧異常しきい値のとり方によって、ピエゾスタック127A〜127Dの圧電セラミック層の一部短絡を検出することができる。この場合、ピエゾスタック127A〜127Dの圧電セラミック層の一部短絡と、2気筒同時通電との区別は、異常判定信号IJF2が、ピエゾスタック127A〜127Dの圧電セラミック層の一部短絡時にはt7 において「L」であるのに対して、2気筒同時通電の場合にはt7 において「H」であることから行うのがよい。
【0116】
なお、本実施形態は、充電スイッチ35のオン期間の長さを一定にして行うものについて説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、充電スイッチのオン期間において充電電流が所定の上限値に達したか否かを検出し、達したらオフ期間に入る方式の充電制御のものにも適用することができる。
【0117】
(第2実施形態)
図19に本発明の第2実施形態になるピエゾアクチュエータ駆動回路を示す。本実施形態は、第1実施形態の構成において、コントローラおよびECUを代えたもので、燃料噴射の高精度化を図っている。第1実施形態と実質的に同じ部分には同じ番号を付して説明する。コントローラ212A、ECU22Aは基本的な構成は第1実施形態と同じものである。コントローラ212Aはマスク信号を発生する回路部分(図11)の、第1のDフリップフロップ73の出力が第1回通電時間計測信号Tone として、ECU22Aに入力するようになっている。
【0118】
第1回通電時間計測信号Tone となる前記第1のDフリップフロップ73の出力は、充電スイッチ35の1回目のオンで充電電流が通電開始しきい値を越えてから、充電スイッチ35の2回目のオンで充電電流が通電開始しきい値を越えるまでの間、「H」となる信号である。通電開始しきい値は前記のごとく略0であるから、その長さは、実質的に、最初の充電スイッチ35のオン期間とそれに続くオフ期間の合計時間であり、充電スイッチ35がオンしてから充電電流が予め設定した所定の電流値である通電開始しきい値になるまでの時間である。
【0119】
第1回通電時間計測信号Tone は次の性質を有している。前記のごとくピエゾスタック127A〜127Dの充電は充電スイッチ35のオン期間の長さを一定にして行っているので、充電スイッチ35のオン期間の間に到達する充電電流の大きさは充放電回路部211の定数で決定される。充放電回路部211を構成する部材のうち、ピエゾスタック127A〜127Dを構成部品とするインジェクタ1は、エンジンヘッドに取り付けられることから最も過酷な温度環境におかれる。このため、ピエゾスタック127A〜127Dの容量が温度の影響を受けて大きく変動する。
【0120】
図20に示すように、充電スイッチ35のオン期間に到達する充電電流が大きければ、オフ期間の長さが長くなるから、ピエゾスタック127A〜127Dの容量が異なると、前記第1回通電時間計測信号Tone が変化してくる。したがって、前記第1回通電時間計測信号Tone によってインジェクタ1の温度変動が知られる。図21はピエゾスタック127と第1回通電時間計測信号Tone との関係の一例である。
【0121】
ECU22Aにおいては、第1回通電時間計測信号Tone の立ち上がりでカウントを開始するタイマを設けて、第1回通電時間計測信号Tone の立ち下がりまでの時間を求め、これを第1回通電時間計測信号Tone の長さとする。
【0122】
ピエゾスタック127はインジェクタ1の構成部品であるから、その容量に基づいて得られる温度情報は、エンジン油温等によるよりも正確にインジェクタ1の温度が反映する。したがって、センサを別途設けることなく、質の高いインジェクタ1の温度情報を得ることができる。
【0123】
この温度情報としての第1回通電時間計測信号Tone の長さは、ECU22Aにおいて、燃料の噴射時期および噴射量の補正に供される。具体的には、第1回通電時間計測信号Tone の長さに応じて、前記噴射信号の出力時期および長さを補正する。
【0124】
これにより、温度変化によって、インジェクタ1のニードル121やピストン124,125といった可動部材の摺動抵抗や、インジェクタ1内の燃料の粘性等が変化し、ボール123やニードル121の作動特性に影響を与えても、その影響が燃料の噴射時期や噴射量に及ばないようにすることができる。
【0125】
ここで、電流の経時プロファイルの指標として、ピエゾスタック127A〜127Dの充電開始直後に所定の電流値(実施形態では略0A)をとるまでの時間を計測するようにしているので、実施が容易である。
【0126】
なお、補正量は、予め実験等に基づいて得たマップを作成し、これをECU22AのROMに記憶しておくのがよい。
【0127】
また、第1回通電時間計測信号Tone は充電スイッチ35のオン期間およびオフ期間に対応するが、例えば、オフ期間だけに対応した信号でもよい。
【0128】
また、本発明のピエゾアクチュエータ駆動回路は燃料噴射装置に限らず、種々の装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料噴射装置のインジェクタに搭載されたピエゾアクチュエータを駆動する本発明のピエゾアクチュエータ駆動回路の回路図である。
【図2】前記燃料噴射装置の全体構成図である。
【図3】前記燃料噴射装置のインジェクタを中心とする構成図である。
【図4】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す第1のタイミングチャートである。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、前記ピエゾアクチュエータを構成するピエゾスタックの充電時における、前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、前記ピエゾアクチュエータを構成するピエゾスタックの放電時における、前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す図である。
【図7】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の第1の回路部分の回路図である。
【図8】前記回路部分の作動状態を示すタイミングチャートである。
【図9】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の第2の回路部分の回路図である。
【図10】前記回路部分の作動状態を示すタイミングチャートである。
【図11】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の第3の回路部分の回路図である。
【図12】前記回路部分の作動状態を示すタイミングチャートである。
【図13】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す第2のタイミングチャートである。
【図14】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す第3のタイミングチャートである。
【図15】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す第4のタイミングチャートである。
【図16】前記図15の一部の拡大図である。
【図17】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動状態を示す第5のタイミングチャートである。
【図18】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動を説明するグラフである。
【図19】本発明を適用した第2の燃料噴射装置の全体構成図である。
【図20】前記燃料噴射装置を構成するピエゾアクチュエータ駆動回路の作動を説明する図である。
【図21】前記ピエゾアクチュエータ駆動回路の作動を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 インジェクタ
1a ノズル部
1b 背圧制御部
1c ピエゾアクチュエータ
103 噴孔
121 ニードル
127,127A,127B,127C,127D ピエゾスタック
21,21A ピエゾアクチュエータ駆動回路
211 充放電回路部
212,212A コントローラ(制御手段)
22,22A ECU(指令手段)
30 バッテリ
31 DC−DCコンバータ(電源部)
32 コンデンサ
33a 通電経路
33b 通電経路
34 インダクタ
35 充電スイッチ(スイッチング素子)
36 放電スイッチ(スイッチング素子)
37A,37B,37C,37D 選択スイッチ
381a,382a 抵抗器(電圧検出手段)
38b,38c 抵抗器(電流検出手段)
41A,41B,41C,41D 抵抗器
42 非常放電用経路
43 非常放電用スイッチ
44 抵抗器
45 ダイオード

Claims (9)

  1. ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電および放電がなされるピエゾアクチュエータ駆動回路において、
    前記通電経路に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記スイッチング素子よりも前記ピエゾスタック側で、前記通電経路の電圧を検出する電圧検出手段を設け、
    前記制御手段を、前記電流検出手段により検出された電流が予め設定したしきい値を越えると、故障発生と判断するとともに、故障の態様を短絡故障と判定し、かつ前記短絡故障と判定されたときにおいて、前記電圧検出手段により検出された電圧が予め設定したしきい値以下の第1の判定条件のときには、前記通電経路により、前記供給元をピエゾスタックとして電荷を前記コンデンサに回収する電荷回収を許容し、検出された電圧が予め設定したしきい値以上の第2の判定条件のときには、前記電荷回収を禁止するように設定したことを特徴とするピエゾアクチュエータ駆動回路。
  2. 請求項1記載のピエゾアクチュエータ駆動回路において、前記ピエゾスタックとして、通電経路を共通として複数のピエゾスタックが接続可能で、かつ、前記制御手段により制御される選択スイッチにより、前記複数のピエゾスタックのうちから、前記通電経路と接続されるピエゾスタックを選択可能であり、
    前記制御手段を、前記短絡故障と判定されると、前記選択スイッチをオフにして、前記通電経路を開成するように設定したピエゾアクチュエータ駆動回路。
  3. 請求項1または2いずれか記載のピエゾアクチュエータ駆動回路において、検出電圧の前記しきい値を、略コンデンサの両端子間電圧に設定し、
    前記制御手段を、前記スイッチング素子がオフの時に前記第2の判定条件を満たすときは、故障の態様を、スイッチング素子のオン故障と判定するように設定したピエゾアクチュエータ駆動回路。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載のピエゾアクチュエータ駆動回路において、前記コンデンサの電荷を前記インダクタを通り前記ピエゾスタックをバイパスして接地側に放電する非常放電用の経路を形成するとともに、該非常放電用の経路には、該非常放電用経路を開閉する非常放電スイッチを設けたピエゾアクチュエータ駆動回路。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載のピエゾアクチュエータ駆動回路において、前記コンデンサが、前記制御手段により制御される電源部により充電されるようになっており、
    前記制御手段を、前記短絡故障と判定されると、前記電源部の作動を停止するように設定したピエゾアクチュエータ駆動回路。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載のピエゾアクチュエータ駆動回路において、
    前記電圧検出手段は前記ピエゾスタックの非接地側端子の電圧を検出するものであり、
    前記制御手段を、前記ピエゾスタックの充電完了後の充電保持期間において検出された電圧が予め設定したしきい値よりも小さいときは、前記ピエゾスタックの故障と判断するように設定したピエゾアクチュエータ駆動回路。
  7. ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電と放電とがなされるピエゾアクチュエータ駆動回路において、
    前記通電経路に流れる電流を検出する電流検出手段を設け、
    前記制御手段は、前記ピエゾスタックの充電開始直後に、検出された電流が予め設定した所定の電流値をとるまでの時間を計測して、計測時間に基づいて前記ピエゾスタックの見かけの容量若しくはピエゾスタックの温度を検出する手段を有することを特徴とするピエゾアクチュエータ駆動回路。
  8. 燃料を噴射する噴孔を開閉するニードルをピエゾアクチュエータにより作動せしめるインジェクタと、
    前記ピエゾアクチュエータを駆動する手段として、
    ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電および放電がなされるピエゾアクチュエータ駆動回路と、
    前記制御手段に、燃料の噴射時期および噴射量に対応した前記ピエゾスタックの充電時期および充電保持期間の長さを指令する指令手段とを有する燃料噴射装置であって、
    前記ピエゾアクチュエータ駆動回路には、
    前記通電経路に流れる電流を検出する電流検出手段を設け、
    前記指令手段を、前記ピエゾスタックの充電開始直後に、検出された電流が予め設定した所定の電流値をとるまでの時間を計測して、計測時間に基づいて、前記ピエゾスタックの充電時期および充電保持期間の長さを補正するように設定したことを特徴とする燃料噴射装置。
  9. ピエゾアクチュエータに搭載されたピエゾスタックの駆動用のエネルギーを蓄積するコンデンサと、該コンデンサとピエゾスタックとの間で一方を供給元として、インダクタを介して電荷を移動する通電経路とを有し、該通電経路として、スイッチング素子のオンオフを繰り返すことにより、スイッチング素子のオン期間にインダクタに漸増する電流が流れる第1の種類の通電経路と、前記スイッチング素子のオフ期間に前記インダクタに漸減する電流が流れる第2の種類の通電経路とが形成され、かつ、前記スイッチング素子を制御する制御手段により、ピエゾスタックの充電および放電がなされるピエゾアクチュエータ駆動回路において、
    前記スイッチング素子よりも前記ピエゾスタック側で、前記通電経路の電圧を検出する電圧検出手段を設け、
    前記制御手段を、前記電圧検出手段により検出された前記ピエゾスタックの充電電圧が予め設定したしきい値を越えると、前記ピエゾスタックの過電圧異常と判定するように設定したことを特徴とするピエゾアクチュエータ駆動回路。
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