JP3765197B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性を要求される延伸ブロー成形品などの製造に適した、エチレンテレフタレート単位を主要構成成分とするポリエステルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチレンテレフタレート単位を主要構成成分とするポリエステル(以下、これをPETと称することがある)は、食品や飲料などの容器として広く用いられている。特にミネラルウオーターなどの加熱殺菌充填を必要とするものの容器としては、射出成形により有底管状の予備成形体を製造し、これを赤外線ヒーターなどにより加熱して軟化させたのち金型に挿入して延伸ブロー成形して所定形状の容器とし、更にこれに熱処理を施して耐熱性を向上させたものが用いられている。従来、この用途には、ゲルマニウム触媒を用いて製造したPETが主に用いられている。特に高い耐熱性を要求される用途には、アンチモン触媒を用いて製造したPETは耐熱性が不十分であるとして用いられていない。その理由は、アンチモン触媒を用いて製造したPETは、結晶化速度が大きいので、予備成形体の加熱中に結晶化が起きてしまい、均一な延伸ブロー成形ができないことによる。加熱中での結晶化を回避する方法としては、予備成形体の加熱時間を短縮することが考えられるが、この方法では予備成形体が十分加熱されないため分子運動が抑制され、延伸及びこれに続く熱処理に際し十分な結晶配向化及び配向歪みの緩和が起きないので、十分な耐熱性が発現しない。
【0003】
また別法として、PETの製造に際し共重合成分を多量に用いて、得られるPETの結晶化速度を小さくすることも考えられる。しかしこの方法では、延伸ブロー成形により得られた成形品を熱処理しても、共重合成分に阻害されて配向結晶化及び配向歪みの緩和が十分に進行せず、やはり耐熱性の向上が不十分である。
アンチモン触媒はゲルマニウム触媒に比較して安価なので、アンチモン触媒を用いて耐熱性に富む容器を与えるPETを製造することは、工業的に価値ある検討課題であり、従来から種々の提案がなされている。例えば特開平7−145233号公報には、トリメチル燐酸、酢酸マグネシウム及び三酸化アンチモンを用いて製造したPETは、透明性と耐熱性に優れており、かつアセトアルデヒドの含有量も少ないと記載されている。しかし本発明者らの検討によれば、このPETは、透明性は改良されているが、耐熱性は高温での加熱殺菌充填を必要とする用途向の容器に要求される高い水準には達していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、アンチモン触媒を用いて製造されたPETであって、延伸ブロー成形により高い水準の耐熱性に富む容器を与えるものは未だ開発されていない。従って本発明はこのようなPETを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリエステルの製造方法は、テレフタル酸を主体とするカルボン酸及びエチレングリコールを主体とするポリオールからスラリーを調製するスラリー化工程、このスラリーからヒドロキシエチルテレフタレートのオリゴマーを主体とするエステルを生成させるエステル化工程、エステル化工程で得られたエステル化反応生成物をアンチモン化合物の存在下に連続的に溶融重縮合させる溶融重縮合工程、及び得られた重縮合物を固体状態で重縮合させる固相重縮合工程よりなるエチレンテレフタレート単位を主要構成成分とするポリエステルの製造方法において、燐化合物をスラリー化工程に供給し、かつアンチモン化合物並びにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物よりなる群から選ばれた金属化合物を、両者が共存するエチレングリコール溶液として、溶融重縮合工程に供給されるエステル化反応生成物中に供給することを特徴とする、固有粘度が0.6〜0.9dl/g、アンチモン元素の含有量が0.8〜2.0ミリモル/kg、アルカリ金属及びアルカリ土類金属元素よりなる群から選ばれた金属元素の含有量が0.4〜8.0ミリモル/kg、燐元素の含有量が0.1〜7.0ミリモル/kg、昇温結晶化ピーク温度が160℃以上、降温結晶化ピーク温度は170℃以下であるか又は存在せず、常温から120℃に昇温して10分間保持したときの球晶数が1×10 -2 個/μm 2 以下、かつ300℃から200℃に降温して2分間保持したときの球晶数が1×10 -3 個/μm 2 以下であることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係るポリエステルは、本質的にテレフタル酸成分とエチレングリコール成分とからなるポリエステルであるが、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分以外の成分も、少量ならば共重合していても差支えない。このような共重合成分としては通常は二官能のものが用いられる。例えば、ジカルボン酸成分としては、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジブロモイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルエーテルジカルボン酸、ビフェニルスルフォンジカルボン酸、ビフェニルケトンジカルボン酸、ビフェノキシエタンジカルボン酸、フェニレンジオキシジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、またアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0007】
また、ジオール成分としては、例えば、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環式グリコール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の分岐型脂肪族グリコール、キシリレングリコール等の芳香族グリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0008】
更には3官能以上の多官能成分も共重合させることができる。
このような多官能成分としては、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、トリメチロールプロパン、トリエチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセリン、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなど3官能以上の多官能成分が挙げられる。
また、所望ならば、上述の成分からなるポリエステル鎖の末端を、ステアリン酸や安息香酸などの単官能成分で封鎖することもできる。
【0009】
本発明に係るPETは、上述の如くテレフタル酸成分とエチレングリコール成分以外に種々の共重合成分を含み得るが、通常はポリエステル鎖の構成単位の80モル%以上はエチレンテレフタレート単位である。一般にエチレンテレフタレート単位の比率が小さくなるにつれて、延伸ブロー成形品を熱処理しても配向結晶化が十分に進行せず、所望の耐熱性が発現し難くなる。PETに占めるエチレンテレフタレート単位の比率は90モル%以上、特に95モル%以上であるのが好ましい。なお、共重合成分としては上述の如く種々のものが挙げられるが、最も一般的なものはジエチレングリコールである。これは反応系内でエチレングリコールから副生するが、系外から添加することもできる。ジエチレングリコールを含むテレフタレート単位は全体の5モル%以下、特に3.5モル%以下であるのが好ましい。
【0010】
本発明に係るPETの固有粘度は0.6〜0.9dl/gである。固有粘度がこれよりも大きいと分子鎖のからみ合いが強過ぎて延伸し難く、逆に固有粘度がこれよりも小さいと結晶化速度が大き過ぎ、いずれにしても耐熱性のよい延伸ブロー成形品を、生産性よく製造するには適していない。固有粘度は0.65〜0.85dl/gの範囲にあるのが好ましい。
【0011】
本発明に係るPETは、重縮合の触媒としてアンチモンを用いて製造されたものであり、触媒に由来するアンチモンを含んでいる。またアンチモンはPETの結晶核剤としても作用する。このようにアンチモンはPETの重縮合触媒としての作用と、結晶化核剤としての作用との2つの作用を有しているので、その含有量はアンチモン元素として0.8〜2.0ミリモル/kgとすべきである。含有量がこの範囲よりも少ないと重縮合反応が遅延し、逆に含有量がこの範囲よりも多くなると予備成形体としたときの結晶化速度が大きくなり過ぎる恐れがある。PET中のアンチモン元素の好ましい含有量は1.1〜1.8ミリモル/kg、特に1.2〜1.6ミリモル/kgである。
【0012】
なお、PET中にはアンチモンに加えて、燐化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を含有させるのが好ましい。燐化合物はPETの分解を抑制する安定剤として作用するが、他方においてPETの結晶化速度に影響を及ぼすようである。燐化合物は一般的に燐元素として通常0.1〜7.0ミリモル/kgとなるように存在させればよいが、0.3〜6.0ミリモル/kg、特に0.6〜5.0ミリモル/kg、更に2.0〜4.0ミリモル/kgとなるように存在させるのが好ましい。
アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物は、合計で元素として0.4〜8.0ミリモル/kgとなるように含有させる。好ましい含有量は0.6〜6.0ミリモル/kg、特に0.8〜4.0ミリモル/kgである。アルカリ(土類)金属化合物もPETの結晶化速度に影響を及ぼすと考えられる。
【0013】
本発明に係るPETの結晶化ピーク温度は、昇温結晶化ピーク温度(Tc1 )が160℃以上であることが必要である。好ましくは昇温結晶化ピーク温度(Tc1 )は165℃以上、特に170℃以上であるべきである。また降温結晶化ピーク温度(Tc2 )は存在しないか、又は存在する場合には170℃以下であることが必要であり、好ましくは165℃以下、特に160℃以下であるべきである。結晶化ピーク温度は予備成形体の結晶化速度の指標であり、Tc1 が高くTc2 が低いほど結晶化速度は遅い。そしてTc1 とTc2 が上記の範囲であると予備成形体を結晶化させずに十分に加熱することができるので、延伸及びこれに続く熱処理に際して分子の配向結晶化及び配向歪みの緩和が十分に進行し、従って得られる延伸ブロー成形品の耐熱性は高くなる。
【0014】
本発明に係るPETの球晶数は、後記する測定法により常温から120℃に昇温して10分間保持したときの球晶数(N1 )が1×10-2個/μm2 以下、好ましくは5×10-3個/μm2 以下であり、300℃から200℃に降温して2分間保持したときの球晶数(N2 )が1×10-3個/μm2 以下、好ましくは5×10-4個/μm2 以下、特に3×10-4個/μm2 以下である。球晶数は予備成形体の結晶化速度の指標であり、少ないほど結晶化速度は遅く、これから得られる延伸ブロー成形品の耐熱性は高くなる。なお、結晶化ピーク温度と球晶数とは当然のことながらある程度相関しているが、結晶化ピーク温度は球晶数以外に分子鎖の運動性にも依存している。従ってPETの物性の指標として両者はそれぞれ独立した意義を有している。
【0015】
本発明に係るPETは、更に結晶化発熱量、環状三量体含有量、アセトアルデヒド含有量などが特定の範囲にあるのが好ましい。結晶化発熱量は、Tc1 における結晶化発熱量(ΔH1 )が25J/g以上、特に30J/g以上であり、Tc2 が存在する場合にはその結晶化発熱量(ΔH2 )が15J/g以下、特に10J/g以下であるのが好ましい。ΔH1 が小さいと、PETの製造過程の結晶化及び固相重縮合工程において、PET粒子(チップ)が相互に融着を起こし易い。またΔH2 が大きいと、予備成形体の透明性が悪化する傾向がある。環状三量体とはシクロトリエチレンテレフタレートであり、その含有量は4000ppm以下であるのが好ましい。環状三量体の含有量が大きいと、延伸ブロー成形に際し環状三量体が析出して金型に付着するので金型の清掃が必要となる。若し環状三量体が付着した金型で成形を行うと、金型上の環状三量体の凹凸が成形品表面に転写されて、成形品の外観に曇りを生じ易い。環状三量体の含有量は少ないほど好ましく、3500ppm以下、特に3000ppm以下であるのが好ましい。アセトアルデヒドの含有量は10ppm以下、特に5ppm以下であるのが好ましい。アセトアルデヒド含有量の大きいPETで成形したボトルに飲料を充填すると、アセトアルデヒドが飲料中に溶出して味覚及び香りに悪影響を与える。
【0016】
また、本発明のポリエステルは成形などのために再溶融されたときに副成する環状三量体が少ないことが好ましく、具体的には、窒素気流下280℃で30分間溶融加熱したときの、環状三量体増加量が5000ppm以下であることが好ましい。また、本発明のポリエステルよりなる成形体の環状三量体含有量は、4500ppm以下であることが好ましい。環状三量体増加量や成形体の環状三量体含有量が前記の範囲より大きいと、環状三量体の金型への付着や、その転写による成形品の外観の曇りを生じやすい。
【0017】
本発明に係るPETは、常用のPETと同じく、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを主体とし、所望により他の共重合成分を含む原料を反応させてヒドロキシエチルテレフタレートのオリゴマーを主体とするエステルを生成させるエステル化工程、このエステルを溶融重縮合させる溶融重縮合工程、及び得られた重縮合物を固体状態で重縮合させる固相重縮合工程の各工程を経て製造される。それぞれの工程は連続方式でも回分方式でも実施することができるが、品質の安定したPETを製造するには連続方式で行うのが好ましい。特に得られるPETの物性に大きく影響する溶融重縮合工程は、連続方式で行うのが好ましい。
【0018】
本発明の好ましい態様では、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体とを主体とする原料は、予め混合してスラリーとしてエステル化工程に供給される。スラリーの組成は、通常、テレフタル酸成分に対するエチレングリコール成分のモル比で1.02〜2.0、好ましくは1.03〜1.7である。好ましくは原料としてテレフタル酸とエチレングリコールを用いる。何故ならばテレフタル酸エステルを原料とする場合には、通常はエステル交換触媒が必要であるが、このエステル交換触媒は最終的に得られるPETの結晶化特性に悪影響を及ぼすからである。エステル化は一般に複数個の攪拌槽を直列に接続した多段反応装置を用いて、エチレングリコールの還流下、かつ反応で生成する水と余剰のエチレングリコールを系外に除去しながら、エステル化反応率が通常90%以上、好ましくは93%以上に達するまで行われる。得られるエステル化物の数平均分子量は通常500〜5000である。反応条件は、第1段目の反応温度が240〜270℃、好ましくは245〜265℃であり、圧力は0.05〜3kg/cm2 G、好ましくは0.1〜2kg/cm2 Gである。また最終段の反応温度は250〜280℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力は0〜1.5kg/cm2 G、好ましくは0〜1.3kg/cm2 Gである。各反応段におけるエステル化反応率の上昇は、ほぼ等しくなるようにするのが好ましい。なお、エステル化反応を1個の攪拌槽を用いて行う場合には、最終段の反応条件で行えばよい。
【0019】
エステル化反応は、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分だけで行うこともできるが、種々の添加物の存在下に行うこともできる。例えば重縮合の触媒であるアンチモン化合物や、PET中に含有させるアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、燐化合物などを、エステル化反応工程に添加することもできる。また、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウム、又は炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性化合物を少量添加して実施すると、エチレングリコールからのジエチレングリコールの副生が抑制されるので、ポリエステル鎖中に含まれるジエチレングリコール成分の比率を小さくすることができる。
【0020】
エステル化反応工程の生成物は、溶融重縮合工程に供給される。溶融重縮合は通常、複数の反応器を直列に接続した装置を用いて、アンチモン触媒の存在下、減圧下に副生するエチレングリコールを系外に留出させながら行われる。反応装置としては、例えば、第1段目が完全混合型の攪拌槽であり、第2段及び第3段目が内部に攪拌翼を備えた横型プラグフロー型式の反応器からなるものが用いられる。第1段目の反応条件は、反応温度が250〜290℃、好ましくは260〜280℃であり、反応圧力は500〜10Torr、好ましくは200〜15Torrである。また最終段の反応条件は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜295℃であり、反応圧力は10〜0.1Torr、好ましくは5〜0.5Torrである。中間段の反応条件は両者の中間となるように選択される。例えば上記した3段反応装置であれば、第2段の反応温度は260〜295℃、好ましくは270〜285℃であり、反応圧力は50〜1Torr、好ましくは30〜2Torrとすればよい。
【0021】
溶融重縮合反応は、得られる生成物の固有粘度が0.35〜0.75dl/g、好ましくは0.45〜0.70dl/gとなるように行われる。固有粘度が0.50〜0.70dl/gとなるように行うのが最も好ましい。なお、各反応段での固有粘度の上昇は、ほぼ等しくなるようにするのが好ましい。
本発明では溶融重縮合反応をアンチモン触媒の存在下で行う。アンチモン触媒としては、アンチモンの酸化物、脂肪族又は芳香族カルボン酸の塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、アルコラート等が挙げられる。好ましくは三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモントリスエチレングリコキシドなどのエチレングリコール可溶性アンチモン化合物を用いる。特に重縮合物中への析出が少ないという点でアンチモントリスエチレングリコキシドを用いるのが好ましい。
【0022】
アンチモン触媒は前述の如く、エステル化工程に添加してもよいが、好ましくは溶融重縮合反応工程へ供給されるエステル化反応生成物中に供給する。この際、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物も同じ個所に供給するのが好ましい。アルカリ金属化合物としてはリチウム、ナトリウム、カリウムなどの脂肪族又は芳香族カルボン酸の塩、ハロゲン化物、アルコラートなどが用いられ、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのようなエチレングリコール可溶性又は水溶性化合物を用いるのが好ましい。また、アルカリ土類金属化合物としてはマグネシウム、カルシウムなどの酸化物、脂肪族又は芳香族カルボン酸の塩、ハロゲン化物などが用いられ、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどのようなエチレングリコール可溶性又は水溶性化合物を用いるのが好ましい。
【0023】
特に好ましいのは、アンチモン化合物とアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とを混合し、これをエチレングリコール溶液として、エステル化反応器から溶融重縮合反応器への移送途中のエステル化反応生成物に供給することである。この方法が、本発明に係るPETの製造に好ましい理由は不明であるが、アンチモン化合物とアルカリ(土類)金属化合物との間で何らかの相互作用が生ずるのではないかと考えられる。なお、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物と同じく生成するPET中に含有させるのが好ましい燐化合物も溶融重縮合反応工程までのどの段階で供給してもよいが、上述のようにアンチモン化合物とアルカリ(土類)金属化合物とをエチレングリコール溶液としてエステル化反応生成物中に供給する場合には、燐化合物はスラリー調製工程に供給するのが好ましい。
【0024】
リン化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸エステル、及び正燐酸、ポリ燐酸などが用いられる。
【0025】
なお、本発明に係るPETには、所望により、更に他の金属化合物、例えばチタン、コバルト、マンガン、スズ、亜鉛、ジルコニウムなどの化合物を含有させることができるが、これらは溶融重縮合反応工程より前の段階で添加しておくのが好ましい。これらの金属化合物は得られるPETの結晶化を抑制する作用があると考えられる。また場合によっては溶融重縮合を促進する作用も期待できる。
【0026】
溶融重縮合工程の生成物は、溶融状態でダイからストランド状に押出し、冷却固化させたのちカッターで切断して粒状体(チップ)として固相重合工程に供給される。粒状体の1個の重量は通常10〜40mgであるが、12〜30mg、特に15〜25mgであるのが好ましい。また、アセトアルデヒドの含有量は150ppm以下、特に80ppm以下であるのが好ましい。アセトアルデヒドの含有量は少ないほど好ましく、60ppm以下、特に50ppm以下であるのが最も好ましい。
【0027】
固相重縮合工程では、190〜230℃、好ましくは195〜225℃の温度条件下で固相重縮合が行われる。雰囲気の圧力は、窒素、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガス雰囲気中で反応を行う場合には、1kg/cm2 G以下、好ましくは0.2kg/cm2 G以下であり、減圧雰囲気で反応を行う場合には、0.1Torr〜50Torr、好ましくは0.5Torr〜10Torrである。固相重縮合反応の温度、圧力、反応時間、不活性ガス流量などは、所望の物性を有するPETが生成するように適宜選択する。
【0028】
なお、粒状体(チップ)は固相重縮合に供する前に、固相重縮合よりも低温で予備結晶化を行ってもよい。例えば粒状体を乾燥状態で120〜200℃、好ましくは130〜180℃で1分間〜4時間程度加熱したり、粒状体を水蒸気を含む雰囲気中で120〜200℃に1分間以上加熱してから、固相重縮合に供するようにしてもよい。また、固相重縮合を経た粒状体を、その中に含まれている重縮合触媒を失活させるため、60℃以上の水蒸気を含む雰囲気中に30分間以上保持する水蒸気処理や、40℃以上の水に10分間以上浸漬する水処理を施してもよい。
【0029】
本発明に係るPETは常法により種々の成形体に成形することができる。例えばシートに成形し、次いでこのシートを用いて絞り成形により容器を製造することができる。好ましくは、本発明に係るPETは射出成形により有底管状の予備成形体とし、次いでこれを延伸ブロー成形して、加熱殺菌充填を行う飲料用ボトルの製造に用いる。射出成形の温度条件は、金型温度は0〜30℃であり、樹脂温度は融点〜350℃、好ましくは融点+10℃〜320℃である。延伸ブロー成形に際しての予備成形体の再加熱温度は70〜130℃、好ましくは80〜125℃であり、金型温度は常温〜200℃、好ましくは常温〜180℃である。また成形体に耐熱性を向上させるために熱処理を施す場合には、70〜200℃、好ましくは90〜180℃で行えばよい。最も好ましい温度は120〜160℃である。なお、成形品の製造に際しては、必要に応じて、核剤、滑剤、安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤その他の常用の添加剤を適宜配合することができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例における物性の測定は、下記により行った。
金属元素の含有量
PET2.0gを、硫酸の存在下に常法により灰化したのち、灰分を蒸留水100mlに溶解した。この溶液中の金属元素をICP発光分光分析法により定量した。
【0031】
共重合成分の含有量
PETを重水素化トリフルオロ酢酸に常温で溶解して、3重量%溶液とした。日本電子社製JNM−EX270型核磁気共鳴装置を用いて、この溶液の 1H−NMRを測定し、共重合成分の量を算出した。
【0032】
固有粘度
PET5gを凍結粉砕し、得られた粉砕品から0.25gを採取し、これをフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒に溶解した。
溶解は、溶融重縮合品の場合は110℃で30分間、固相重縮合品の場合は120℃で30分間保持することにより行った。この溶液の相対粘度(ηrel)を、ウベローデ型毛細粘度管を用いて30℃で測定した。この測定を1g/dl、0.5g/dl、0.2g/dl、及び0.1g/dlの各濃度の溶液について行ない、濃度C(g/dl)に対する(ηrel−1)/Cの値をグラフ用紙上にプロットし、C=0における(ηrel−1)/Cの値を外挿により求め、固有粘度η(dl/g)とした。
【0033】
結晶化ピーク温度及び結晶化発熱量
PETチップの表面をカッターナイフで切除して、中心部の約7mgを取出した。この試料をパーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)用アルミニウム製標準サンプルパン(品番0219−0041)に封入した。これを田葉井社製ラボスターバキュームオーブンLHV−112型真空乾燥機に入れ、120℃、5mmHg以下で16時間乾燥した。この処理を経た試料をパーキンエルマー社製DSC−7型示差走査熱量計を用いて、窒素気流下、20℃/分の昇温速度で20℃から300℃まで昇温させた。300℃で10分間保持したのち、500℃/分の降温速度で20℃まで急冷した。20℃で10分間保持したのち、10℃/分の昇温速度で再び300℃まで昇温し、300℃で10分間保持したのち20℃/分の降温速度で20℃まで冷却した。
【0034】
急冷品を10℃/分で300℃まで昇温する過程の発熱量を温度に対してプロットし、得られた発熱曲線のピークをTc1 (℃)とした。また同じく発熱量を時間に対してプロットし、得られた発熱曲線とベースラインが囲む面積、すなわち発熱量の時間積分値をΔH1 (J/g)とした。
また、同じく20℃/分の降温速度で300℃から20℃まで降温する過程の発熱量を温度に対してプロットし、得られた発熱曲線のピークをTc2 (℃)とし、また同じく発熱量を時間に対してプロットし、得られた発熱曲線とベースラインが囲む面積をΔH2 (J/g)とした。
【0035】
球晶数
PET粒子を、田葉井社製ラボスターバキュームオーブンLHV−112型真空乾燥機に入れ、120℃、5mmHg以下で16時間乾燥した。次いでこのPET粒子から中心部約1mgをカッターナイフで切出し、日本光学社製OPTIPHOTO−POL型偏光顕微鏡に取付けたリンカム社製TH600型ホットステージ上で300℃に加熱しておいたカバーガラス上に載せ、窒素気流下300℃に4分間保持した。次いで300℃に加熱した別のカバーガラスで覆い、300℃に1分間保持した。カバーガラスとしてはマツナミガラス社製のトロフィー18×18を用いた。更に上のカバーガラス上に、300℃に加熱した重さ13gのおもりを載置し、300℃で30秒間保持した。おもりを外し、窒素気流下、300℃で4分間保持したのち、ドライアイス/エタノール浴中に投入して急冷し、カバーガラスに挟まれた厚さ約10μmの薄片を得た。なお、上記において、2枚のカバーガラスとしては、よく洗浄したのちエイコー社製1B−13型コーターを用いて、コート電流8mA、コート時間60秒間のプラチナコートを施し、引続き真空中で5分間以上放置して安定させたものを用いた。
【0036】
上記で得た薄片を偏光顕微鏡のホットステージ上で90℃/分の昇温速度で20℃から120℃まで昇温し、120℃に10分間保持した時点で写真撮影した。倍率が470倍となるように引伸ばし、115×155mmの範囲の球晶数を測定し、120℃に10分間加熱保持した場合の球晶数とした。
また、上記と全く同様にして得たドライアイス/エタノール浴に投入する前の300℃溶融物を、偏光顕微鏡のホットステージ上で90℃/分の降温速度で200℃まで降温し、200℃で2分間保持した時点で写真撮影した。倍率が470倍となるように引伸ばし、115×155mmの範囲の球晶数を測定し、徐冷して200℃に2分間保持した場合の球晶数とした。なお、いずれの写真撮影も、薄片の端から50〜1000μmの部分で、球晶以外の結晶、例えば微結晶やトランスクリスタルなどが生成していない部分について行った。また120℃に10分間保持したものでは球晶同志がぶつかり合っていることがあるが、それぞれ別個の球晶として計算した。
【0037】
環状三量体の含有量
PETチップ又はブローボトル成形体200mgを、クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール(容量比3/2)の混合液2mlに溶解し、更にクロロホルム20mlを加えて希釈した。この溶液にメタノール10mlを加えた。濾過して析出物を除き、濾液を得た。この濾液を蒸発乾固させたのち、残渣にジメチルホルムアミド25mlを加えて溶解した。この溶液中の環状三量体を、島津製作所製LC−10A型液体クロマトグラフで定量した。
【0038】
再溶融された時に副成する環状三量体の含有量
PETチップ20gを底部に突起の付いた試験管にとり、窒素気流下160℃のオイルバスに浸漬して2時間真空乾燥した。この試験管をオイルバスより取り出して真空のまま放冷するとともに、オイルバスを昇温し、280℃となった時点で試験管を再びオイルバスに浸漬し、PETチップを溶融させた。30分後、試験管をオイルバスより取り出して、底部の突起を割り、水中にストランド状に抜き出した後、ペレット化した。得られたペレットの粒重は15〜25mgであった。このようにして得られたペレットの環状三量体の含有量を、上記の測定法により測定し、この値から再溶融前のPETチップの環状三量体含有量を差し引いて再溶融された時に副成する環状三量体量とした。
【0039】
アセトアルデヒドの含有量
PETチップ5.0gを純水10.0mlとともに、窒素雰囲気下で内容積50mlのミクロボンベに装入して密封した。これを160℃で2時間加熱したのち、水中のアセトアルデヒドを、イソブチルアルコールを内部標準として、島津製作所製GC−14Aガスクロマトグラフを用いて定量し、PET重量当たりの比(ppm)で表わした。
【0040】
色相
PETチップを、日本電色工業(株)製300A型測色色差計を用いて反射法で測定した。測定の際は、予め装置を電源投入後4時間以上放置して十分安定させた後、チップを内径36mm×深さ15mmの測定セル(受光部は石英ガラス製)にお摺り切りで充填し、各サンプルごとに測定セルの向きを90度づつ4方向に変えて計4回、L/a/bを測定し、その平均値とした。L値が高いほど黒味が少なく、色相として良好である。
【0041】
ボトルの成形評価
固相重合を経たPETチップを、十分乾燥した。日精樹脂工業社製射出成形機「FE−80S」を用い、樹脂温度280℃、背圧5kg/cm2 前後、射出率45cc/sec程度、保圧力30kg/cm2 程度、金型温度20℃で、40秒前後の成形サイクルで、高さ165mm、管外径29.0mm、平均肉厚3.7mm、目付60gの試験管状の予備成形体を射出成形した。
【0042】
この予備成形体を石英ヒーターを備えた近赤外線照射炉に装入し、一定出力の下で、62、64、66、68、70、72、74又は76秒間加熱したのち、25秒間室温で放置し、予備成形体内部の温度分布を均一化した。その後直ちに160℃に調節した金型内に挟み込み、延伸ロッドでボトルの高さ方向に延伸しながら、ブロー圧力7kg/cm2 程度で1秒間、続いて30kg/cm2 程度で5秒間ブローしたのち、ブロー圧をかけたまま5秒間保持した。空冷して成形品を取り出し、胴部平均肉厚350μm、容量約1.5Lのボトルを得た。
【0043】
得られたボトルの形状を目視で評価し、偏肉がなく均一で形状良好なボトルを与える予備成形体の最長加熱時間をTmax(秒)とした。
それぞれのサンプルにつき、加熱時間Tmax(秒)で成形したボトルを、40℃、湿度75%の環境下で1週間保存した。次いでこのボトルに、室温下で90℃の湯を満注したのち密栓し、1分間横倒ししたのち5分間正立させ、その後10℃の水中にて20分間冷却した。ボトルの形状を目視観察し、形状変化がなく耐熱性良好なものを「◎」、胴部に若干の変形が認められるが実質的に問題ないものを「○」、胴部の変形がみられ耐熱性が不十分であるものを「△」、胴部の変形が激しく耐熱性が著しく不十分であるものを「×」とした。
【0044】
実施例1〜4、及び比較例1〜3
図1に示す1個の攪拌槽からなるスラリー調製槽、直列に接続した2個の攪拌槽からなるエステル化反応槽、及び攪拌槽とこれに続く2個の横型プラグフロー形式の反応器とからなる溶融重縮合反応器とから構成されている連続重合装置を用いて、ポリエチレンテレフタレートを連続的に製造した。
【0045】
スラリー調製槽1に、正リン酸のエチレングリコール溶液(濃度3.0重量%)、テレフタル酸、及びエチレングリコールを、テレフタル酸:エチレングリコール=1941:676(重量比)となるように供給してスラリーを調製した。このスラリーをエステル化反応槽に連続的に供給した。エステル化反応槽の反応条件は、第1段目2は窒素雰囲気下、260℃、0.5kg/cm2 G、平均滞留時間4時間であり、第2段目3は同じく窒素雰囲気下、260℃、0.05kg/cm2 G、平均滞留時間1.5時間であった。
【0046】
エステル化反応生成物は、導管5を経て溶融重縮合反応器に連続的に供給した。導管5の途中で、エステル化反応生成物に、アルカリ(土類)金属化合物と三酸化アンチモンとを混合してエチレングリコールに溶解した溶液(三酸化アンチモン濃度0.84重量%)を導管4を経て連続的に添加した。溶融重縮合反応器の反応条件は、第1段目6が270℃、20Torr、平均滞留時間1.2時間であり、第2段目7は278℃、4Torr、平均滞留時間1.2時間、第3段目8は280℃、2Torr、平均滞留時間1.2時間であった。溶融重縮合反応生成物はダイからストランド状に押出して冷却固化し、カッターで切断して1個の重さが約24mgのチップとした。
【0047】
このチップを、窒素雰囲気で且つ約160℃に維持されている結晶化器に連続的に供給し、攪拌下に約5分間保持したのち塔型の固相重縮合装置に連続的に供給し、窒素雰囲気下、205℃で固相重縮合反応させた。結果を表−1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
注1)実施例1で溶融重縮合物をチップ化したものの、固有粘度は0.59dl/g、アセトアルデヒド含有量は44ppmであった。
注2)比較例1で溶融重縮合物をチップ化したものの、固有粘度は0.62dl/g、アセトアルデヒド含有量は48ppmであった。
注3)比較例2で溶融重縮合物をチップ化したものの、固有粘度は0.62dl/g、アセトアルデヒド含有量は47ppmであった。
注4)比較例3では、テレフタル酸を1941重量部/時で供給する代りに、テレフタル酸を1906重量部/時で、イソフタル酸を35重量部/時で供給した。また溶融重縮合物をチップ化したものの、固有粘度は0.62dl/g、アセトアルデヒド含有量は46ppmであった。
注5)比較例1と3とでは、三酸化アンチモンはエチレングリコール溶液(濃度1.8重量%)としてエステル化反応槽の第2段目に供給した。
【0051】
【発明の効果】
本発明のポリエステルの製造方法により得られたポリエステルは、アンチモン触媒を用いて製造されたPETであり、これより成形した予備成形体を延伸ブロー成形して得られた容器は、加熱殺菌充填用として高い耐熱性を有することができる。また、環状三量体の含有量が少ないため成形の際、金型に付着することがなく、成形品の外観を汚すことがなく、更に、アセトアルデヒドの含有量も少ないため内容物に溶出して味覚や香りに影響を及ぼすこともなく加熱殺菌充填の飲料の容器用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によりポリエステルを製造する装置の1例である。
【符号の説明】
1 スラリー調製槽
2 エステル化反応器(1段目)
3 エステル化反応器(2段目)
4 触媒供給管
5 エステル化反応生成物移送管
6 溶融重縮合反応器(1段目)
7 溶融重縮合反応器(2段目)
8 溶融重縮合反応器(3段目)
Claims (1)
- テレフタル酸を主体とするカルボン酸及びエチレングリコールを主体とするポリオールからスラリーを調製するスラリー化工程、このスラリーからヒドロキシエチルテレフタレートのオリゴマーを主体とするエステルを生成させるエステル化工程、エステル化工程で得られたエステル化反応生成物をアンチモン化合物の存在下に連続的に溶融重縮合させる溶融重縮合工程、及び得られた重縮合物を固体状態で重縮合させる固相重縮合工程よりなるエチレンテレフタレート単位を主要構成成分とするポリエステルの製造方法において、燐化合物をスラリー化工程に供給し、かつアンチモン化合物並びにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物よりなる群から選ばれた金属化合物を、両者が共存するエチレングリコール溶液として、溶融重縮合工程に供給されるエステル化反応生成物中に供給することを特徴とする、固有粘度が0.6〜0.9dl/g、アンチモン元素の含有量が0.8〜2.0ミリモル/kg、アルカリ金属及びアルカリ土類金属元素よりなる群から選ばれた金属元素の含有量が0.4〜8.0ミリモル/kg、燐元素の含有量が0.1〜7.0ミリモル/kg、昇温結晶化ピーク温度が160℃以上、降温結晶化ピーク温度は170℃以下であるか又は存在せず、常温から120℃に昇温して10分間保持したときの球晶数が1×10-2個/μm2以下、かつ300℃から200℃に降温して2分間保持したときの球晶数が1×10-3個/μm2 以下であることを特徴とするポリエステルの製造方法。
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