JP3551060B2 - サーモスタットの異常検出装置 - Google Patents

サーモスタットの異常検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被冷却装置を冷却する冷却媒体の温度を調整するサーモスタットの異常の有無を検出するサーモスタットの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車用内燃機関等の被冷却装置では、冷却媒体としての冷却水を冷却水循環通路と冷却媒体の放熱部であるラジエータに循環させ、冷却水の温度を適正温度に調節するためサーモスタットが用いられている。例えば、冷却水通路(ウォータジャケット)とラジエータの間で冷却水を循環させる冷却水循環通路内に設けたサーモスタットは、エンジン始動直後の暖機運転時等、冷却媒体である冷却水温が所定の温度より低いときはサーモスタットを閉弁し、冷却水のラジエータへの循環を阻止し、内燃機関から熱を得て冷却水温を適正値まで速やかに上昇させる。また、冷却水温度が適正温度領域を越えるとサーモスタットが開弁し、冷却水をラジエータに循環させ、ラジエータで冷却水の熱が放熱されて冷却水温が適正温度領域まで下降する。
【0003】
ところで、サーモスタットは部材劣化等により、全開状態或いは半開状態で固着してしまうことがままある。このような場合、常にラジエータから冷却水の熱が放熱されるので、エンジンが過冷却状態となり、ヒータの効率が低下するばかりでなく、エンジンが低温である場合に燃料噴射量を増量する、いわゆる暖機増量が常時実行されることとなり、ひいては燃費やエミッションを悪化させてしまうという問題があった。
【0004】
この問題に対し、特開平10−184433号公報に記載された「エンジン冷却系のサーモスタット故障検出装置」では、エンジンの冷却水循環通路の冷却水温を冷却水温検出手段によって検出し、サーモスタット正常状態を想定した条件で予想される冷却水温の変化を考慮した判定値を内燃機関の運転状態等から算出し、前記冷却水温検出手段により検出した冷却水温と判定値に基づいてサーモスタットの故障の有無を検出している。また、冷却水温の放熱量に影響を与える外気温によって、判定値等を補正する構成が講じられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の技術では判定値等を補正する時、単に外気温のみを考慮に入れて補正しているため補正の精度が悪いという問題があった。すなわち、冷却水温の放熱に影響を与える因子は冷却水温と外気温の差であり、単に外気温で補正するだけでは信頼性に欠ける。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、冷却媒体の温度変化を推定するにあたって、冷却媒体温度と外気温の差を精度よく反映させることによって、サーモスタットの異常の有無を精度良く検出することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被冷却装置に形成された冷却媒体通路と、冷却媒体の熱を放熱する放熱部と、冷却媒体通路の途中に設けられたサーモスタットと、被冷却装置の運転状態によって冷却媒体の温度を推定する冷却媒体温度推定手段と、冷却媒体の温度を検出する冷却媒体温度検出手段とを備え、前記冷却媒体温度推定手段によって推定された冷却媒体推定温度と前記冷却媒体温度検出手段によって検出された冷却媒体温度に基づいてサーモスタットの異常の有無を検出するサーモスタット異常検出装置において、外気温を検出する外気温検出手段を有し、前記冷却媒体推定手段によって推定される冷却媒体推定温度に冷却媒体温度と外気温の差から求められる補正値を反映させることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、冷却媒体温度推定手段によって推定した冷却媒体推定温度と冷却媒体温度によってサーモスタットの異常の有無を検出する際に、冷却媒体温度と外気温との差から求められる補正値を冷却媒体推定温度に反映させる。すなわち、冷却媒体と外気温の差に基づいて冷却媒体推定温度が算出され冷却媒体の放熱の影響を精度良く推定することが可能となる。よって、冷却媒体推定温度の推定精度を向上させることができ、サーモスタットの異常の有無を精度良く検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるサーモスタットの故障診断装置を水冷式自動車用内燃機関(エンジン)の冷却システムに適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明のサーモスタットの異常検出装置を適用した車両用内燃機関の冷却システムを示す概略図である。4気筒のエンジン1は、周知の通り、シリンダ2内を往復動するピストン3と、ピストン3の往復動をクランクシャフト4の回転運動に変換するコンロッド5等から構成されている。シリンダ2の周囲及びシリンダヘッド6の内部にはウォータジャケット7が設けられており、このウォータジャケット7内に冷却水が注入されている。ここで、ウォータジャケット7が冷却媒体通路に相当し、冷却水が冷却媒体に相当する。
【0011】
ラジエータ8とウォータジャケット7は冷却水循環通路9により連通されており、冷却水循環通路9のウォータジャケット7出口部にはサーモスタット10が設けられている。サーモスタット10は、冷却水温に応じて機械的に開閉するバルブであり、本実施形態にあっては、冷却水温が82℃以下であるときには閉弁状態となって冷却水循環通路9とウォータジャケット7の連通を遮断して、ウォータジャケット7内の冷却水がラジエータ8で放熱されることを防止する。また、サーモスタット10は、冷却水温が82℃を上回ると開弁状態となって、ウォータジャケット7を冷却水循環通路9を介してラジエータ8に連通し、冷却水の熱をラジエータ8で放熱し冷却水温度を低下させ、エンジン1を適温に冷却する。ここで、冷却水循環通路9が冷却媒体循環通路に相当し、ラジエータ8が放熱部に相当する。なお、ウォータジャケット7の内壁に設けられた水温センサ41は、冷却水の温度THWを検出し、その検出信号を電子制御装置ECU51に送る。
【0012】
次に、エンジン1の運転状態に基づき、上記サーモスタット10を含むエンジン各部の制御や診断を行う電子制御装置ECU51について説明する。
【0013】
図2はエンジンの制御装置の概略を示すブロック図であり、ECU51は中央処理装置CPU52、読み出し専用メモリROM53、ランダムアクセスメモリRAM54、バックアップRAM55およびタイマカウンタ56等を備える。ECU51は、これら各部と、外部入力回路57および外部出力回路58とをバス59により接続してなる論理演算回路を構成する。ここで、ROM53は各種の運転制御や故障診断等に係るプログラムを予め記憶する。RAM54は、CPU52の演算結果等を一時記憶する。バックアップRAM55は、エンジン停止後においてもデータを記憶する不揮発性のメモリである。タイマカウンタ56は同時に複数の計時動作を行うことができる。外部入力回路57はバッファ、波形回路、ハードフィルタ(電気抵抗およびコンデンサよりなる回路)およびA/D変換機等を含む。外部出力回路58は駆動回路等を含む。前述したように、水温センサ41は、ウォータジャケット7内の冷却水温THWを検出する。スロットルセンサ42は、アクセルペダル(図示略)の踏み込み量に応じたスロットル弁開度TAを検出する。回転数センサ43は、クランクシャフト4の回転速度、すなわちエンジン回転数NEを検出する。酸素センサ44は、排気中の酸素濃度を検出する。吸気圧センサ45は吸気圧を検出する。車速センサ46は、車速SPDを検出する。吸気温センサ47は、エアクリーナ内に導入される吸入空気の温度(吸気温)THAを検出する。CPU52は各センサ41〜47の検出信号に基づき、ROM53に記憶された各種プログラムを実行して、例えばインジェクタ48による燃料噴射量や燃料噴射タイミングの制御など、各種運転制御や故障診断等を実行する。
【0014】
次に、上記ECU51が実行する各種制御のうち、サーモスタット10の異常検出に係る制御の内容について説明する。
【0015】
図3及び図4には、本実施形態のサーモスタット異常検出にかかる「サーモスタット異常検出ルーチン」を示す。このルーチンに関するプログラムはECU51のROM53に予め記憶されており、イグニションスイッチが「ON」となった後、1秒毎にサーモスタットの正常あるいは異常が判定されるまで繰り返される。
【0016】
このサーモスタット異常検出ルーチンにおいて、ステップ101で異常検出実行条件が成立しているか否かを判断する。異常検出実行条件は、このルーチンを最初に実行した際における(すなわち、始動時における)「冷却水温THWが−10℃以上35℃以下」、「吸気温THAが−10℃以上35℃以下」、「始動時の冷却水温THWと吸気温THAの差が−15℃以上7℃以下」の全ての条件が成立したときである。ステップ101で異常検出実行条件が成立した場合は、
ステップ102に進み、ステップ101で異常検出実行条件が成立していないときには、誤判定を引き起こす可能性があるため異常検出を実行せず、このルーチンを終了する。本ルーチンでは上記のように始動時の限定(冷間限定)を行うことによって、冷却水温の推定精度を向上させている。
ステップ102では始動時認識フラグFが1か否かを判定する。始動時認識フラグFはイグニションスイッチが「ON」となったときに0にイニシャライズされるため、初めてこのルーチンが実行された時、否定判定されてステップ103に進む。
【0017】
ステップ103ではその時の冷却水温THWを始動時冷却水温THWst、吸気温度THAを始動時吸気温度THAstとする。ステップ104では、始動時冷却水温THWstと始動時吸気温度THAstが比較され、THWst≦THAstの場合はステップ105に進んで、水温カウンタ値ecthwsm及び水温カウンタ生値ecthwの初期値としてTHWstを採用する。また、ステップ104でTHWst>THAstと判定された場合には、ステップ106に進んで、水温カウンタ値ecthwsm及び水温カウンタ生値ecthwの初期値としてTHAstを採用する。ステップ105、106が実行されるとステップ107で始動時認識フラグFを1に設定する。
すなわち、ステップ102から106を実行することにより、水温カウンタ値ecthwsm及び水温カウンタ生値ecthwの初期値として、水温センサ41によって検出される始動時水温と吸気温センサ47によって検出される吸気温(外気温)の低い方を採用する。これは、吸気温THAが冷却水温THWより低い時は冷却水温THWが上昇しにくくなるため、なるべく水温カウンタ値ecthwsmの初期値を低く設定し、後述する判定温度Aに到達する時間を遅らせた方が誤判定を防止できるためである。
【0018】
続いて、ステップ108では水温カウンタ値ecthwsm及び水温カウンタ生値ecthwをそれぞれ前回値ecthwsmi−1、ecthwi−1として採用し、処理をステップ109に移行する。
【0019】
ステップ109では水温カウンタ値ecthwsmの前回値ecthwsmi−1と吸気温度最小値ethaminとの差αを算出する。ここで、吸気温度最小値ethaminは、外気温度の代用値である。すなわち、吸気温センサはエンジンルーム内に設置されているため、吸気温センサの値は外気温より高い値を示し外気温より低い値を示すことはない。よって、最も外気温に近いと思われる始動開始時からの吸気温センサで計測された吸気温最小値ethaminを外気温として採用する。吸気温度最小値ethaminの算出方法は、所定ルーチン毎に読み込まれる吸気温度THAを監視し、記憶されている吸気温度最小値ethaminより吸気温度THAが低かった場合に、その吸気温度THAを吸気温度最小値ethaminとして更新して算出するものでよい。
【0020】
ステップ109で偏差αが算出されると、ステップ110へ進み、走行中か否かが判定される。ここで、走行中であるか否かを判定する理由は次の通りである。ラジエータを通過した風量が多いほどラジエータの冷却能が向上し、冷却水の放熱が促進される。すなわち、車速が大きいほどラジエータを通過する風量が増大し、冷却水の放熱に対する影響が大きくなる。また、車速が大きくなるほどエンジンルームに導入される車速風が増大し、エンジン本体が車速風によって冷却される度合いが大きくなるため、冷却水が受け取るエンジンからの熱が減少する。よって、走行中とアイドル時で同一に冷却水温THWの挙動を考えることはできない。これよりステップ110では走行時であるかアイドル時であるかを判断し、走行中であればステップ112に処理を移行し、アイドル時であれば処理をステップ111に移行する。なお、例えば、車速センサ46で求めた車速SPDが3km/h以上の場合に走行中と判断し、車速が3km/h未満の場合にアイドル時と判断する。
【0021】
ステップ112では燃料カット中か否かを判断し、燃料カット中ならば、ステップ113に処理を移行し、燃料カット中ではなく燃料噴射中ならばステップ114に処理を移行する。燃料カット中はエンジンの発熱量はほぼ0に近く、冷却水温に影響を及ぼす因子として、放熱項だけを考慮に入れればよく、また燃料噴射中は冷却水温に影響を与える因子として放熱項だけではなく、エンジンの発熱による冷却水温の影響も考慮に入れなければならなくなる。よって冷却水温と外気温の差が同じであっても、燃料カット中と燃料噴射中では冷却水温の挙動は全く異なる。
【0022】
ステップ111では、偏差αに基づき図6に示すマップ1からカウンタ加算値Δを求め、同様にステップ113、ステップ114で、それぞれ図7、図8に示すmap2、map3からカウンタ加算値Δを求める。ここでmap1、2、3は実験的に作成したものであり、車輌によって異なるものである。
【0023】
燃料噴射中は燃焼室に導入される混合気の量によってエンジンから発生する熱量が異なるため、放熱項である外気温と冷却水温の差が及ぼす冷却水温上昇率も異なる。よって、燃料噴射中の走行時には図8に示したmap3のような冷却水温と外気温との差α(ecthwsm−ethamin)と吸入空気量を考慮に入れた2次元マップによりカウンタ加算値Δを決定する。例えば、冷却水温と外気温との差αの値が同じであっても吸入空気量が大きくなるに連れてカウンタ加算値Δは大きくなる。すなわち水温カウンタ値ecthwsmが大きくなる。
【0024】
また、燃料カット中と燃料噴射中において、夫々で車速によって(例えば0〜20km/h、20〜40km/h、40〜60km/h)マップを変更してもよい。車速を考慮することによって、車速風のエンジン冷却度合に対する影響も考慮すにいれるため、冷却水温THWの挙動に関する影響を更に精度良く求めることができ、精度良く水温カウンタ変化量αを算出できる。例えば、車速が大きくなると、ラジエータの冷却能が向上し、且つエンジン本体にあたる風量が増大するためエンジンが冷却される度合いが大きくなる。すなわち、車速が大きくなるほど、冷却水温THWの上昇率は鈍化する。
【0025】
ステップ111、113、114でカウンタ加算値Δを求めた後、処理をステップ115に移行し、前回のルーチンで決定した水温カウンタ生値ecthwi−1に今回求めたカウンタ加算値Δを加える水温カウンタ算出式、
ecthw=ecthwi−1+(カウンタ加算値Δ)
によって、今回の水温カウンタ生値ecthwを算出し、処理をステップ116に移行する。
【0026】
ステップ116では、ステップ115で算出した今回の水温カウンタ値ecthwiに熱伝導遅れ処理(なまし処理)を次の式によって施す。
ecthwsm=
ecthwsmi−1+(ecthwi−ecthwsmi−1)/(なまし率)
上記のような熱伝導遅れ処理を行い、水温カウンタ値ecthwsmを決定する。
【0027】
ステップ117ではステップ116で算出した水温カウンタ値ecthwsmが判定水温A未満であったら処理をサーモスタットの正常判定を行うステップ118に移行し、水温カウンタ値ecthwsmが判定水温A以上であれば処理をサーモスタットの異常判定を行うステップ120に移行する。ここで判定水温Aとはサーモスタット10の異常検出を行うために予め定めた判定温度であって、サーモスタットの開弁温度誤差および水温センサの検出誤差を考慮に入れて、サーモスタット10が開弁する規準温度(標準は82℃)から7〜10℃低い温度に設定してある。すなわち、判定水温Aはサーモスタットの異常判定を行う規準となるものであり、部品公差による誤判定を防ぐため部品公差を考慮に入れたサーモスタット開弁温度が取りうる下限値を判定水温Aとする。また、判定水温Aの値は、サーモスタット11以外の故障診断(例えば、酸素センサ44の故障診断)を許可する冷却水温の値とも一致している。
【0028】
ステップ118では水温センサ41の出力値、すなわち実際の冷却水温THWがステップ117で使用した判定水温A未満ならば、故障診断を一旦終了する。また、実際の冷却水温THWが判定水温A以上ならばステップ119に処理を移行し、同ステップ119において「サーモスタット10は正常に作動している」との判断を行い、本ルーチンを終了する。すなわち図5に示したように、エンジン1の発熱量に寄与するパラメータと放熱に寄与するパラメータから推定した水温カウンタ値ecthwsmが判定水温Aに上昇する前に、実際の冷却水温THWが判定水温Aまで上昇するということは、サーモスタット11が故障することなく適正に作動しており、冷却水温THWが適正に上昇していると考えられるからである。なお、同ステップ119において正常判定を行って本ルーチン処理を終了した場合、ECU51は当該ルーチン処理の再度の割り込み実行を禁止する。
【0029】
ステップ117で水温カウンタ値ecthwsmがA以上であると判断されたとき、ステップ120に処理を移行し、同ステップ120において「サーモスタット10に異常がある」との判断を行う。すなわち、エンジン1の発熱量に寄与するパラメータと放熱に寄与するパラメータから推定した水温カウンタ値ecthwsmが判定水温A以上にもかかわらず、ステップ119でサーモスタットの正常判定を行って、このサーモスタットの異常検出ルーチンを終了していなければ、サーモスタット10が開弁状態のまま固着し、冷却水循環通路とラジエータが連通されたままになり冷却水がラジエータで放熱し続け、冷却水温THWが適正に上昇していないと考えられるからである。つまり図5に示したように、正常なサーモスタットならば水温カウンタ値ecthwsmが判定水温Aに達する前に、必ず冷却水温THWが判定水温Aに到達し、ステップ119で正常判定を行い、このサーモスタット異常検出ルーチンを終了する。しかし、水温カウンタ値ecthwsmが判定水温Aに達した後に冷却水温THWが判定水温A未満なら、すなわちこのルーチンが終了していなければ、サーモスタットに異常があると判断する。そして、ステップ120でサーモスタットに異常があると判断されたとき、このサーモスタット異常検出ルーチンを終了し、本ルーチンへの再度の割り込み実行を禁止する。そして運転者に対して警告灯の点灯等による警告を行う。
【0030】
上述の本発明の実施態様によれば、水温カウンタ値ecthwsmは水温カウンタ値ecthwsmi−1と吸気温度最小値ethaminの偏差αに基づいて算出される。すなわち、冷却水温と外気温度の差に基づき水温カウンタ値ecthwsm、換言するとサーモスタット10が正常な場合における冷却水温値が算出されることになる。したがって、冷却水温と外気温の温度勾配を考慮し、冷却水の放熱の影響を精度良く反映した冷却水温値(水温カウンタ値ecthwsm)を算出することができるため、より正確で信頼性のあるサーモスタット異常検出を実行することができる。
【0031】
上述の実施態様では、水温カウンタ値ecthwsmを水温カウンタ値ecthwsmi−1と吸気温度最小値ethaminの偏差αから算出したが、水温カウンタ値ecthwsmi−1を実際の冷却水温度THWとして冷却水温度THWと吸気温度最小値ethaminの偏差から水温カウンタ値ecthwsmを求めてもよい。また、吸気温度最小値ethaminの代わりに外気温度を直接用いてもよい。
【0032】
以下、本発明の好適な実施態様について、以下に列挙する。
【0033】
態様1
請求項1のサーモスタットの異常検出装置において、外気温度として吸気温度の最小値を用いたサーモスタットの異常検出装置。この構成では、外気温度センサを設けることなく、外気温度を検出することができる。
態様2
請求項1のサーモスタットの異常検出装置において、冷却媒体温度と外気温度の差は、冷却媒体温度推定手段で推定した冷却媒体推定温度と外気温度の差であるサーモスタットの異常検出装置。この構成では、冷却媒体の放熱の影響を与える因子として、推定された冷却媒体温度と外気温度の差を用いているため、実際の冷却媒体温度と外気温度の差を用いる場合より冷却媒体温度の推定精度が高くなる。
【0034】
態様3
請求項1のサーモスタットの異常検出装置において、冷却媒体温度推定手段によって推定された冷却媒体推定温度が所定の判定値を超えるまでの間に、実際の冷却媒体温度がその所定の判定値を超えた場合、その時点でサーモスタットは正常であると判断し、冷却媒体温度推定手段によって推定された冷却媒体推定温度が所定の判定値を超えるまでの間に、実際の冷却媒体温度がその所定の判定値を超えないときには、サーモスタットが異常と判断するサーモスタットの異常検出装置。この構成によれば、冷却媒体推定温度が所定の判定値を超える前に冷却媒体温度が判定値を超えた時点で正常と判断して異常検出を終了するため検出時間を短縮することができる。
【0035】
なお、上記態様1乃至3の何れかを相互にあるいは全てを組み合わせた態様であってもよいことは勿論である。
【0036】
【発明の効果】
冷却媒体推定手段で推定された冷却媒体推定温度と冷却媒体温度に基づいてサーモスタットの故障の有無を検出する際に、冷却媒体温度と外気温の差から求められる補正値を冷却媒体推定温度に反映させる。したがって、冷却媒体の放熱の影響を精度良く推定することが可能となり、冷却媒体推定温度の推定精度を向上でき、サーモスタットの異常の有無を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるサーモスタット異常検出装置が適用される車輌用内燃機関の冷却システムの一例を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態における車輌用内燃機関の制御装置の概略を示すブロック図。
【図3】、
【図4】本発明の実施の形態におけるサーモスタット異常検出の手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施の形態におけるエンジン始動後の冷却水温の変化態様と水温カウンタ値の変化態様の一例を示すタイムチャート
【図6】本発明の第2の実施形態におけるアイドル時の補正マップ1
【図7】本発明の第2の実施形態における走行中F/C=ONの補正マップ2
【図8】本発明の第2の実施形態における走行中F/C=OFFの補正マップ3
【符号の説明】
1…エンジン、2…シリンダ、3…ピストン、4…クランクシャフト、5…コンロッド、6…シリンダヘッド、7…ウォータジャケット、8…ラジエータ、9…冷却水循環通路、10…サーモスタット、41…水温センサ、42…スロットルセンサ、43…回転センサ、44…吸気圧センサ、45…酸素センサ、46…車速センサ、47…吸気温センサ、51…ECU、52…CPU、53…ROM、54…RAM、55…バックアップRAM、56…タイマカウンタ、57…外部入力回路、58…外部出力回路、59…バス

Claims (1)

  1. 被冷却装置に形成された冷却媒体通路と、冷却媒体の熱を放熱する放熱部と、冷却媒体通路の途中に設けられたサーモスタットと、被冷却装置の運転状態によって冷却媒体の温度を推定する冷却媒体温度推定手段と、冷却媒体の温度を検出する冷却媒体温度検出手段とを備え、前記冷却媒体温度推定手段によって推定された冷却媒体推定温度と前記冷却媒体温度検出手段によって検出された冷却媒体温度に基づいてサーモスタットの異常の有無を検出するサーモスタットの異常検出装置において、外気温を検出する外気温検出手段を有し、前記冷却媒体推定手段によって推定される冷却媒体推定温度に冷却媒体温度と外気温の差から求められる補正値を反映させることを特徴とするサーモスタットの異常検出装置。
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