JP3762549B2 - 遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステム - Google Patents
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Description
【０００１】
本発明は、遊技店外に設けられた少なくとも遊技カードの発行状況を管理する管理センター並びに複数の遊技ユニット及びカード発行機を管理する島コントローラに接続されたカード管理装置を遊技店ごとに有する遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステムに関し、特に、カード管理装置の障害に伴って縮退運用を行う場合に、不正な遊技カードの発行及び使用を効率よく防止することができる遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、遊技カードによる遊技を遊技客に提供する遊技システムでは、カード発行機から発行した遊技カードのカードＩＤ及びその金額（残高）を遊技店内に設けたカード管理装置（ターミナルコントローラ）に登録し、遊技ユニットによって遊技カードを使用する際に、ターミナルコントローラに登録したデータを用いてその使用の可否を判断することが多い。
【０００３】
具体的には、遊技店のホストコンピュータの役割を果たすターミナルコントローラと、遊技台を含む複数の遊技ユニット及びカード発行機からなる島を管理する島コントローラとをＬＡＮ接続し、さらにこのＬＡＮに設けたＩＳＤＮルータを介して店外のカード会社の管理センターのセンターコンピュータと接続する。そして、各ターミナルコントローラにおいてカード発行機による遊技カードの発行許可及び遊技ユニットでの遊技カードの使用許可を行うとともに、各ターミナルコントローラの有するデータをセンターコンピュータに集約して、該センターコンピュータが各遊技店の遊技カードの利用状況を統括管理する。
【０００４】
このため、各遊技店のターミナルコントローラに障害が発生すると、カード発行機が遊技カードを発行する際の正当性の確認及び遊技ユニットを用いた遊技カードの使用を行う際の正当性の確認を行うことができなくなり、結果的に全ての遊技カードが使用できなくなる。
【０００５】
したがって、かかるターミナルコントローラに障害が発生した場合には、遊技カードの正当性の確認を行わずに、カード発行機による遊技カードの発行及び遊技ユニットによる遊技カードの使用を認める縮退運用モードに移行せざるを得ない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ターミナルコントローラに障害が発生した場合に、無条件でかかる縮退運用モードに移行し、遊技カードの正当性を検証することなく、遊技カードの発行及び使用を認めたのでは、遊技カードの発行及び使用に係わる不正行為を防ぐことができない。
【０００７】
特に、ターミナルコントローラの故障している時間が長くなると、その間の不正な遊技カードの発行及び使用により、結果的に遊技店が膨大な被害を被るおそれがある。
【０００８】
このため、このターミナルコントローラの障害に伴って縮退運用を行う場合に、不正な遊技カードの発行及び使用をいかに防止するかが極めて重要な課題となっている。
【０００９】
そこで、本発明では、上記課題を解決して、遊技カードシステムのカード処理装置の障害に伴って縮退運用を行う場合に、不正な遊技カードの発行及び使用を効率良く防止することができる遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステムを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１の発明は、識別情報を少なくとも記憶し、所定の有価情報が対応付けられた遊技カードを発行するカード発行機及び遊技カードによる遊技を遊技客に提供する複数の遊技ユニットからなる島をそれぞれ管理する複数の島コントローラと、各島コントローラとのデータ授受により前記遊技カードの発行及び精算を管理するカード管理装置とを各遊技店に設け、各遊技店のカード管理装置から送信されるカードデータを遊技店外に設けた管理センター装置で受信して遊技カードに係わる情報を前記管理センター装置で統括管理する遊技カードシステムの障害処理方法において、前記島コントローラは、前記カード管理装置の稼動状態を監視し、該監視に基づき前記カード管理装置の障害を検出した場合に当該島コントローラを前記カード管理装置による正当性の検証を行わない縮退運用への移行を許可するパスワードを当該島コントローラに付与し、前記縮退運用への移行操作に際しては、前記カード管理装置の障害を検出しており、かつ入力されたパスワードが前記管理センター装置から付与されたパスワードと一致した場合に当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可することを特徴とする。
【００１１】
また、請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記島コントローラは、入力されたパスワードを前記管理センター装置に送信し、前記管理センター装置は、前記島コントローラから受信したパスワードと前記付与した当該島コントローラに対応するパスワードとを照合して当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可するか否かを判断することを特徴とする。
【００１２】
また、請求項３の発明は、請求項１の発明において、前記管理センター装置から付与されたパスワードを前記島コントローラで記憶し、前記島コントローラは、前記入力されたパスワードと前記記憶したパスワードとを照合して前記縮退運用への移行を許可するか否かを判断することを特徴とする。
【００１３】
また、請求項４の発明は、識別情報を少なくとも記憶し、所定の有価情報が対応付けられた遊技カードを発行するカード発行機及び遊技カードによる遊技を遊技客に提供する複数の遊技ユニットからなる島をそれぞれ管理する複数の島コントローラと、各島コントローラとのデータ授受により前記遊技カードの発行及び精算を管理するカード管理装置とを各遊技店に設け、各遊技店のカード管理装置から送信されるカードデータを遊技店外に設けた管理センター装置で受信して遊技カードに係わる情報を前記管理センター装置で統括管理する遊技カードシステムにおいて、前記島コントローラは、前記カード管理装置の稼動状態を監視する監視手段と、前記監視手段による監視により前記カード管理装置の障害を検出すると、当該島コントローラを前記カード管理装置による正当性の検証を行わない縮退運用への移行を許可するパスワードを当該島コントローラに付与するパスワード付与手段と、前記縮退運用への移行操作に際しては、前記カード管理装置の障害を検出しており、かつ入力されたパスワードが前記パスワード手段により管理センター装置から付与されたパスワードと一致した場合に当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可する許可手段とを具備することを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図１は、本実施の形態で用いる遊技カードシステムの構成を示す図である。
【００１７】
図１に示す遊技カードシステムは、遊技店５又は６に設けたターミナルコントローラＴＣが何らかの障害でダウンした場合に、管理センター４のセンターコンピュータが付与するパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に、該ターミナルコントローラＴＣによる正当性の検証を行わない縮退運用に移行するよう構成している。
【００１８】
具体的には、各島コントローラＳＣが、ターミナルコントローラＴＣとの間の稼動チェック通知に応答して返送される「応答信号」によって、ターミナルコントローラＴＣの動作状況を確認しており、ターミナルコントローラＴＣからの応答信号が所定回数なければ、該ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断する。
【００１９】
その後、店員が縮退運用モードへ移行する所定の操作を行ったならば、該店員が入力するパスワードと管理センター４から取得したパスワードとを照合して、両者が一致した場合にのみ縮退運用モードに移行する。
【００２０】
このように、本実施の形態に係わる遊技カードシステムでは、遊技店のターミナルコントローラＴＣに障害が発生した場合に、無条件で縮退運用モードに移行するのではなく、管理センター４が供給するパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に縮退運用モードへ移行するよう構成したので、ターミナルコントローラの障害時における不正な遊技カードの発行及び使用を防止することができる。
【００２１】
次に、かかる遊技カードシステムの概略構成について説明する。
図１において、この遊技カードシステムは、大きくはカード会社１、遊技店５（Ａ店）及び遊技店６（Ｂ店）、並びに金融機関８からなる。このような遊技カードシステムは、遊技店の売上管理を容易にするため、各遊技店５及び６で使用する遊技カードの管理を各遊技店から独立したカード会社１に行わせるようにしている。
【００２２】
カード会社１は、顧客窓口２、発送センター３及び管理センター４を有し、各遊技店５〜６が使用する遊技カードを提供する。遊技店５（Ａ店）が顧客窓口２に対して遊技カードの発注を行うと、顧客窓口２は、発送センター３に遊技カードの発送指示を行う。
【００２３】
発送センター３は発送指示に従って注文された遊技カードを発注した遊技店５にトラック等によって発送する。この発送を行うに際し、遊技カードには、既に遊技カードの有価情報と識別情報とが記憶されている。
【００２４】
また、発送センター３は、遊技店への遊技カードの発送とともに、発送した遊技カードの有価情報及び識別情報を有する発送情報を管理センター４に送信する。この発送情報に含まれる有価情報とは、カード金額及びカード金額毎の枚数からなり、識別情報には、各遊技カードのカードＩＤとしての開始番号及び終了番号が含まれる。なお、このカードＩＤは連番となっている。
【００２５】
発送センター３は、管理センター４のセンターコンピュータに通信線Ｌ１を介して接続される端末９を有し、この端末９から、上述した発送情報が管理センター４に送信される。
【００２６】
管理センター４のセンターコンピュータは、この発送情報を遊技店ごとに発送情報データベース１０に登録するとともに、該発送情報を宛先遊技店のターミナルコントローラＴＣに送信する。
【００２７】
また、この管理センター４のセンターコンピュータは、各遊技店のターミナルコントローラＴＣから遊技カードの発行に関するデータを受け付けたならば、このデータを図示しない発行カードデータベースに記憶し、また、発行した遊技カードの更新に関するデータを受け付けたならば、該発行カードデータベースの内容を更新する。
【００２８】
また、この管理センター４のセンターコンピュータは、障害処理部１１を有し、この障害処理部１１は、各遊技店のターミナルコントローラＴＣとの電文交換に基づいて該ターミナルコントローラＴＣの障害の有無を検知するとともに、障害の発生を検知したならば、通信相手を島コントローラＳＣに切り替える障害処理を行う。
【００２９】
さらに、この管理センター４のセンターコンピュータは、パスワード付与部１２を有し、このパスワード付与部１２は、各遊技店がターミナルコントローラＴＣを介さない縮退運用モードへ移行する際に必要なパスワードを付与する。
【００３０】
各遊技店５〜６は、ターミナルコントローラＴＣを有し、各ターミナルコントローラＴＣは、それぞれＩＳＤＮルータＲＴ、通信回線Ｌ２を介して管理センター４のセンターコンピュータに接続される。
また、各ターミナルコントローラＴＣのそれぞれは、ＬＡＮ等の通信回線Ｌ３を介して複数の島コントローラＳＣに接続され、この島コントローラＳＣを介して遊技カードを発行するカード発行機１３と、遊技台としての遊技ユニット１４内に設置され、遊技時に遊技カードに対する各種の処理を実行するカード処理機４０にそれぞれ通信回線Ｌ５，Ｌ４を介して接続される。
【００３１】
各ターミナルコントローラＴＣは、管理センター４のセンターコンピュータから発送情報を受信したならば、該発送情報を発送情報データベースＴＣａに登録する。なお、このターミナルコントローラＴＣが、発送情報データベースＴＣａを保持する理由は、この発送情報に基づいて自遊技店内のカード発行機１３で発行する遊技カードの正当性を確認するためである。
【００３２】
また、ターミナルコントローラＴＣは、遊技カードの発行時における金額や遊技カードの使用による残額等の管理をリアルタイムで行い、さらに遊技カードがカード処理機４０に挿入されたとき、挿入された遊技カードが店内において使用可能な状態のものであるか否かの判断を行う。
【００３３】
すなわち、挿入された遊技カードのカードＩＤ等の識別情報が登録されたものであるか否か、また、遊技カードの残額がターミナルコントローラＴＣに登録された残額と等しいか否か等のチェックを行う。この判断あるいはチェックに不適合の場合は、当該遊技カードの使用が許可されない。
【００３４】
なお、遊技カードの支払いと精算について説明すると、まず、遊技店５及び６は、発送センター３から遊技カードを受領した時点でカード会社１に遊技カード種別の金額（例えば１０００円、３０００円等）×枚数＋手数料（遊技カード１枚の用紙代×枚数）を支払う。
【００３５】
遊技店５及び６は、その後遊技客が遊技カードを用いて借り出した遊技媒体の個数を集計してその代金をカード会社１に通知してカード会社１から支払ってもらい、これにより精算が行われる。
【００３６】
通常、遊技店５及び６は、所定期間毎に遊技カードを介して使用した遊技媒体の個数の代金を集計し、遊技店５及び６がカード会社１に支払う支払金額とカード会社１からの受取金額とを相殺してその差を遊技店５及び６がカード会社１に支払うようにしている。この支払いに関して、金融機関８が利用される。
【００３７】
ターミナルコントローラＴＣについてさらに詳述すると、ターミナルコントローラＴＣは、少なくとも店内の遊技カード管理等を行うコントローラであり、店内に配設される遊技ユニット１４のカード処理機４０およびカード発行機１３からのデータを統括管理する。
【００３８】
ターミナルコントローラＴＣは、新たに発行した遊技カードのＩＤ番号、および遊技客の使用によって更新された遊技カードの残高のデータを発行カードデータベースＴＣｂで管理するとともに、営業終了後の夜間にその日一日の動向に関する情報の集計を行い、集計結果を通信回線Ｌ２を介して管理センター４に送出する。
【００３９】
なお、昼間においては、所定時間毎に、管理センター４とターミナルコントローラＴＣとの間で状態確認が行われ、ターミナルコントローラＴＣが正常に動作しているか否かが監視される。また、ターミナルコントローラＴＣと島コントローラＳＣとの間でも状態確認が行われ、ターミナルコントローラＴＣが正常に動作しているか否かが監視される。
【００４０】
ターミナルコントローラＴＣの主な機能としては、
（１）管理センター４から受信した発送情報を発送情報データベースＴＣａに記憶する。
【００４１】
（２）カード発行機１３から遊技カードの発行許可問い合わせを受け付けたならば、当該遊技カードのＩＤ番号を有する発送情報が発送情報データベースＴＣａに存在するか否かを確認し、存在する場合には発行を許可するとともに、当該遊技カードを発行カードデータベースＴＣｂで管理する。
【００４２】
（３）カード処理機４０によって遊技カードが使用されるとき、当該遊技カードのＩＤ番号が既に登録されているものであるか否かをチェックし、遊技カードが使用された場合、当該遊技カードの残高の管理を行う。
（４）売上データの集信機能、すなわちカード発行機１３で発行した遊技カードの売上データおよび遊技ユニット１４のカード処理機４０で使用される遊技カードの利用データの２種類のデータに関してメモリに蓄積する。
（５）管理帳票の出力機能、すなわちカード発行機１３の売上データおよび遊技ユニット１４のカード処理機４０によって更新された遊技カードの利用データをもとに、遊技店の運営、管理に必要な管理帳票を出力する。
（６）集計データの送信機能、すなわち集計データを管理センター４に送信する。
【００４３】
（７）管理センター４に対して定期的に「稼動チェック通知」を送信するとともに、島コントローラＳＣから「稼動チェック通知」を受信したならば、応答信号を返信する。
【００４４】
このように、遊技店のターミナルコントローラＴＣは、遊技カードシステムにおいて極めて重要な役割を果たすため、このターミナルコントローラＴＣに何らかの障害が発生した場合には、システム全体に極めて重大な影響が生ずる。
【００４５】
このため、本実施の形態では、ある遊技店のターミナルコントローラＴＣが何らかの障害によって機能停止したならば、管理センター４から取得したパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に、ターミナルコントローラＴＣを介さない縮退運用モードに移行することとしている。なお、島コントローラＳＣの障害処理部ＳＣ１が、かかるターミナルコントローラＴＣにおける障害検知処理と、縮退運用モードへ移行する障害処理とを行う。
【００４６】
次に、かかる障害処理部１１及びＳＣ１が行う障害検知処理及び縮退運用モードへの移行処理について具体的に説明する。
【００４７】
図２は、図１に示す遊技店６（Ｂ店）のターミナルコントローラＴＣに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【００４８】
同図に示すように、島コントローラＳＣには、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の両方の通信アドレスをあらかじめ登録しておく（ステップ２０１）。そして、島コントローラＳＣは、ターミナルコントローラＴＣに対して例えば定期的に稼動チェック通知を行い（ステップ２０２）、この通知を受け取ったターミナルコントローラＴＣは、島コントローラＳＣに対して応答信号を返信する（ステップ２０３）。同様に、ターミナルコントローラＴＣは、管理センター４に対して定期的に稼動チェック通知を行い（ステップ２０４）、この通知を受け取った管理センター４は、ターミナルコントローラＴＣに対して応答信号を返信する（ステップ２０５）。
【００４９】
このように、島コントローラＳＣ、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の間では、定期的に電文交換する稼動チェック通知及び応答信号によって、相手側装置の稼動状況をチェックしている。
【００５０】
そして、かかる稼動状況のチェックを行う場合に、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生すると（ステップ２０６）、島コントローラＳＣが稼動チェック通知を送信してもターミナルコントローラＴＣからの応答信号が返信されず（ステップ２０７〜２０８）、また、管理センター４に対しターミナルコントローラＴＣからの稼動チェック通知が送信されない（ステップ２０９）という状況が生ずる。
【００５１】
このため、管理センター４は、一定期間ターミナルコントローラＴＣからの稼動チェック通知を受信しなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し（ステップ２１０）、店員及び島コントローラＳＣからのパスワードの問い合わせを受付可能にする（ステップ２１１）。なお、店員からの問い合わせ時には、電話機のトーン発信機能を利用し、コンピュータにより音声合成したパスワードを自動的に通知する。
【００５２】
一方、島コントローラＳＣは、例えば連続して３回、稼動チェック通知の応答がなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し（ステップ２１２）、通信相手をターミナルコントローラＴＣから管理センター４に変更した後、管理センター４にパスワードを問い合わせ（ステップ２１３）、管理センターからパスワードの通知を受ける。
【００５３】
その後、例えば遊技店の店員が電源をオフにし、その後に縮退運用用の特定キーを押下しながら電源をオンにする縮退運用モードへの切替操作を行い（ステップ２１４）、聞き取ったパスワードを入力すると（ステップ２１５）、島コントローラＳＣの障害処理部ＳＣ１は、入力されたパスワードと管理センター４から取得したパスワードとを照合し、両者が一致したならば縮退運用モードに移行する。
【００５４】
上記一連の処理を行うことにより、パスワードによるセキュリティチェックを経た後に、縮退運用モードに移行することができる。また、このパスワードは、利用の都度更新されることがセキュリティ確保のためには望ましい。
【００５５】
なお、各島コントローラＳＣに入力されるパスワードは、島コントローラごとに異なることが望ましいが、パスワード入力に伴う煩雑さを回避すべく、遊技店として共通のパスワードを使用することもできる。
【００５６】
また、ここでは各島コントローラＳＣが、それぞれ別個に管理センター４に対してパスワードを要求することとしたが、遊技店内の複数の島コントローラＳＣを代表する島コントローラＳＣが、まとめてパスワードを要求して、管理センター４から通知を受けたパスワードを配信することもできる。
【００５７】
ところで、図２に示す処理手順では、島コントローラＳＣ側でパスワードのチェックを行うこととしたが、管理センター４側でパスワードのチェックを行うこともできる。
【００５８】
図３は、管理センター側でパスワードのチェックを行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【００５９】
同図に示すように、この場合も図２と同様に、島コントローラＳＣ、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の間では、定期的に電文交換する稼動チェック通知及び応答信号によって、相手側装置の稼動状況をチェックし、管理センター４が、一定期間ターミナルコントローラＴＣからの電文である稼動チェック通知などを受信しない場合には、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し、島コントローラＳＣからのパスワードの問い合わせを受付可能にする（ステップ２０１〜２１１）。
【００６０】
一方、島コントローラＳＣは、例えば連続して３回、稼動チェック通知の応答がなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断して（ステップ３１２）、例えば遊技店の店員が電源オフ後、特定キーを押下しながら電源をオンにするといった縮退運用モードへの切替操作を行い（ステップ３１３）、その際管理センター４に電話をして聞き取ったパスワードを入力する（ステップ３１４）。
【００６１】
そして、店員によって入力されたパスワードは、管理センター４のセンターコンピュータに送信され（ステップ３１５）、管理センター４のセンターコンピュータにおいて、該パスワードが店員に連絡したパスワードと照合される（ステップ３１６）。そして、このパスワードの確認結果が島コントローラＳＣに通知され（ステップ３１７）、正当なパスワードである場合には、縮退運用モードへ移行する（ステップ３１８）。
【００６２】
このように、管理センター４から取得したパスワードを島コントローラＳＣから管理センター４に送信することにより、管理センター４側でパスワードのチェックを行うこともできる。
【００６３】
ところで、上記図２及び図３に示す処理手順では、島コントローラＳＣと管理センター４の間でパスワードを送受信することとしたが、かかるパスワードの送信を行わずにパスワードをチェックすることもできる。ただし、パスワードの送信を省略するためには、管理センター４のパスワード付与部１２が付与するパスワードが正当か否かを島コントローラＳＣの障害処理部ＳＣ１で判定できるようにする必要がある。
【００６４】
図４は、管理センター４から島コントローラＳＣへのパスワードの送信を行わずにパスワードをチェックする場合の処理手順を示すフローチャートである。
【００６５】
同図に示すように、この場合も図２及び図３と同様に、島コントローラＳＣ、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の間では、定期的に電文交換する稼動チェック通知及び応答信号によって、相手側装置の稼動状況をチェックし、管理センター４が、一定期間ターミナルコントローラＴＣからの稼動チェック通知を受信しない場合には、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し、島コントローラＳＣからのパスワードの問い合わせを受付可能にする（ステップ２０１〜２１１）。
【００６６】
一方、島コントローラＳＣは、例えば連続して３回、稼動チェック通知の応答がなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断して（ステップ４１２）、例えば遊技店の店員が電源オフ後、特定キーを押下しながら電源をオンにするといった縮退運用モードへの切替操作を行い（ステップ４１３）、管理センター４に電話をして聞き取ったパスワードを入力する（ステップ４１４）。
【００６７】
そして、店員によって入力されたパスワードは、島コントローラＳＣ内部でその正当性がチェックされ（ステップ４１５）、正当である場合には縮退運用モードへ移行する（ステップ４１６）。
【００６８】
上記処理を行うことにより、パスワードの送信というセキュリティ上のリスクを招くことなく、パスワードの正当性を検証することができる。
【００６９】
次に、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生した場合の縮退運用について具体的に説明する。
【００７０】
図５は、縮退運用においてカード発行機１３がカードを発行する際の処理手順を示すフローチャートである。
【００７１】
同図に示すように、カード発行機１３が新たな遊技カードを発行する際には、カードＩＤ、発行号機及び発行金額からなるカードデータを島コントローラＳＣに送信する（ステップ５０１）。
【００７２】
ここで、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生していなければ、島コントローラＳＣは、ターミナルコントローラＳＣに対してカードデータを転送して発行許可問い合わせを行うこととなる。
【００７３】
しかしながら、縮退運用モードの場合には、ターミナルコントローラＴＣがダウンしているため、該カードデータはターミナルコントローラＴＣに転送されず、またカードデータのチェックについても行われない。
【００７４】
すなわち、島コントローラＳＣは、日付、カードＩＤ、発行号機、現在金額及び処理区分からなるログデータの作成及び登録を行い（ステップ５０２）、カード発行機１３に対して発行許可応答を行う（ステップ５０３）。そして、この発行許可応答を受け付けたカード発行機１３は、遊技カードの発行を行う（ステップ５０４）。
【００７５】
これにより、例えば、カードＩＤ「3030003」、発行号機「スペース」、発行金額「3000円」、現在金額「スペース」という遊技カードに記録されるカードデータが、カードＩＤ「3030003」、発行号機「003160-01-01」、発行金額「3000円」、現在金額「3000円」というカードデータに更新される。
【００７６】
このように、本実施の形態では、縮退運用モードに移行する時点でパスワードによるセキュリティチェックを行っているため、その後の遊技カードの発行に際しては、カードデータの正当性のチェックは省略している。
【００７７】
図６は、縮退運用において遊技ユニット１４により遊技カードを使用する際の処理手順を示すフローチャートである。
【００７８】
同図に示すように、遊技カードの利用者が、遊技ユニット１４のカード処理機４０に遊技カードを挿入すると、該カード処理機４０が遊技カードの記録内容（カードデータ）を読み出し、該カードデータを含む使用許可問い合わせを島コントローラＳＣに対して送信する（ステップ６０１）。
【００７９】
島コントローラＳＣは、この使用許可問い合わせのカードデータの発行号機に係わる情報に含まれる店コードが自店のものであるかどうかを判断する（ステップ６０２）。例えば、発行号機が「003160-01-01」である場合には、「003160」が店コードを示すため、この店コードが自店に割り当てられたコードと一致するか否かを確認することになる。
【００８０】
そして、この発行号機が自店のものでなければエラーダウンし、自店のものである場合には、要求元のカード処理機４０に対して使用許可応答を行う（ステップ６０３）。
【００８１】
そして、この使用許可応答を受信したカード処理機４０は、玉貸出しを行った後に（ステップ６０４）、島コントローラＳＣに対して減算通知を行う（ステップ６０５）。
【００８２】
この減算通知を受信した島コントローラＳＣは、減算通知に含まれるカードデータのうちの発行号機の店コードが自店のものであるかどうかを判断し、自店のものである場合にはログデータに登録した後（ステップ６０６）、カード処理機４０に応答信号を返送する（ステップ６０７）。
【００８３】
このように、縮退運用中にカード発行機１３による遊技カードの発行やカード処理機４０による遊技カードの使用が行われると、それぞれのログデータが順次島コントローラＳＣに蓄積されることになる。
【００８４】
次に、ターミナルコントローラＴＣが復旧した場合の処理について説明する。
【００８５】
ターミナルコントローラＴＣが復旧し、電源が再投入されたならば、通常モードでの立ち上げであるか又は事故からの復旧立ち上げであるかをフラグにより判断し、事故からの復旧である場合には、各島コントローラＳＣに対してログデータの送信を要求する。
【００８６】
そして、ターミナルコントローラＴＣが各島コントローラＳＣのログデータを収集したならば、各ログデータの処理区分を参照し、該処理区分が「発行」である場合には発行カードデータベースＴＣｂ上に新たな発行データを作成し、処理区分が「減算」である場合には、現在金額と比較しつつより新たなデータに更新する。
【００８７】
なお、ターミナルコントローラＴＣの記憶部を交換した場合には、各島コントローラＳＣからログデータを収集する前に、管理センター４が保持するデータをダウンロードして、障害が発生した前日までのカードデータを生成し、発送情報データベースＴＣａ及び発行カードデータベースＴＣｂを復旧する。その後、同様にログデータを収集して、発行カードデータベースＴＣｂを更新する。
【００８８】
上述してきたように、本実施の形態では、遊技店５又は６に設けたターミナルコントローラＴＣが何らかの障害でダウンした場合に、管理センター４のセンターコンピュータが付与するパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に、該ターミナルコントローラＴＣによる正当性の検証を行わない縮退運用に移行するよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【００８９】
１）ターミナルコントローラＴＣの障害発生が管理センターに必ず通知されることとなり、店ぐるみの不正行為を抑制することができる。
【００９０】
２）セキュリティチェックを通じて、縮退運用への不正な移行を防止することができる。
【００９１】
３）遊技カードを使用する遊技客に不利益をもたらすことなく、障害に対処することができる。
【００９２】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、各島コントローラが、カード管理装置あるいは島コントローラが行う電文の交換の状態監視に基づいて、カード管理装置に障害が発生したか否かを検出し、該カード管理装置の障害を検出したならば、管理センターから付与されたパスワードを用いて縮退運用への移行操作の正当性を確認し、該縮退運用への移行操作の正当性を確認した場合には、カード発行機に対する遊技カードの発行許可及び前記遊技ユニットに対する遊技カードの使用許可を行うよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【００９３】
１）カード管理装置の障害発生が管理センターに必ず通知されることとなり、店ぐるみの不正行為を抑制することができる。
【００９４】
２）セキュリティチェックを通じて、縮退運用への不正な移行を防止することができる。
【００９５】
３）遊技カードを使用する遊技客に不利益をもたらすことなく、障害に対処することができる。
【００９６】
また、本発明は、各島コントローラが、縮退運用下でカード発行機から遊技カードの発行許可要求を受け付けたならば、要求元のカード発行機に対して遊技カードの発行許可を行い、縮退運用下で遊技ユニットから遊技カードの使用許可要求を受け付けたならば、該使用許可要求に含まれる店コードが自店の店コードであるか否かを確認し、自店の店コードである場合には遊技カードの使用許可を要求元の遊技ユニットに返送するよう構成したので、継続的かつ簡易に遊技客に対する遊技カードの発行及び使用を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態である遊技カードシステムの構成を示す図である。
【図２】図１に示す遊技店のターミナルコントローラに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの移行処理手順を示すフローチャートである。
【図３】図１に示す遊技店のターミナルコントローラに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの別の移行処理手順を示すフローチャートである。
【図４】図１に示す遊技店のターミナルコントローラに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの別の移行処理手順を示すフローチャートである。
【図５】縮退運用においてカード発行機がカードを発行する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図６】縮退運用において遊技ユニットにより遊技カードを使用する際の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１…カード会社、 ２…顧客窓口、 ３…発送センター、
４…管理センター、 ５，６…遊技店、 ８…金融機関、
９…端末、 １０…発送情報データベース、
１１…障害処理部、 １２…パスワード付与部、
１３…カード発行機、 １４…遊技ユニット、 ４０…カード処理機、
ＴＣ…ターミナルコントローラ、
ＴＣａ…発送情報データベース、 ＴＣｂ…発行カードデータベース、
ＳＣ…島コントローラ、 ＳＣ１…障害処理部、
ＲＴ…ＩＳＤＮルータ
本発明は、遊技店外に設けられた少なくとも遊技カードの発行状況を管理する管理センター並びに複数の遊技ユニット及びカード発行機を管理する島コントローラに接続されたカード管理装置を遊技店ごとに有する遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステムに関し、特に、カード管理装置の障害に伴って縮退運用を行う場合に、不正な遊技カードの発行及び使用を効率よく防止することができる遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、遊技カードによる遊技を遊技客に提供する遊技システムでは、カード発行機から発行した遊技カードのカードＩＤ及びその金額（残高）を遊技店内に設けたカード管理装置（ターミナルコントローラ）に登録し、遊技ユニットによって遊技カードを使用する際に、ターミナルコントローラに登録したデータを用いてその使用の可否を判断することが多い。
【０００３】
具体的には、遊技店のホストコンピュータの役割を果たすターミナルコントローラと、遊技台を含む複数の遊技ユニット及びカード発行機からなる島を管理する島コントローラとをＬＡＮ接続し、さらにこのＬＡＮに設けたＩＳＤＮルータを介して店外のカード会社の管理センターのセンターコンピュータと接続する。そして、各ターミナルコントローラにおいてカード発行機による遊技カードの発行許可及び遊技ユニットでの遊技カードの使用許可を行うとともに、各ターミナルコントローラの有するデータをセンターコンピュータに集約して、該センターコンピュータが各遊技店の遊技カードの利用状況を統括管理する。
【０００４】
このため、各遊技店のターミナルコントローラに障害が発生すると、カード発行機が遊技カードを発行する際の正当性の確認及び遊技ユニットを用いた遊技カードの使用を行う際の正当性の確認を行うことができなくなり、結果的に全ての遊技カードが使用できなくなる。
【０００５】
したがって、かかるターミナルコントローラに障害が発生した場合には、遊技カードの正当性の確認を行わずに、カード発行機による遊技カードの発行及び遊技ユニットによる遊技カードの使用を認める縮退運用モードに移行せざるを得ない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ターミナルコントローラに障害が発生した場合に、無条件でかかる縮退運用モードに移行し、遊技カードの正当性を検証することなく、遊技カードの発行及び使用を認めたのでは、遊技カードの発行及び使用に係わる不正行為を防ぐことができない。
【０００７】
特に、ターミナルコントローラの故障している時間が長くなると、その間の不正な遊技カードの発行及び使用により、結果的に遊技店が膨大な被害を被るおそれがある。
【０００８】
このため、このターミナルコントローラの障害に伴って縮退運用を行う場合に、不正な遊技カードの発行及び使用をいかに防止するかが極めて重要な課題となっている。
【０００９】
そこで、本発明では、上記課題を解決して、遊技カードシステムのカード処理装置の障害に伴って縮退運用を行う場合に、不正な遊技カードの発行及び使用を効率良く防止することができる遊技カードシステムの障害処理方法および遊技カードシステムを提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１の発明は、識別情報を少なくとも記憶し、所定の有価情報が対応付けられた遊技カードを発行するカード発行機及び遊技カードによる遊技を遊技客に提供する複数の遊技ユニットからなる島をそれぞれ管理する複数の島コントローラと、各島コントローラとのデータ授受により前記遊技カードの発行及び精算を管理するカード管理装置とを各遊技店に設け、各遊技店のカード管理装置から送信されるカードデータを遊技店外に設けた管理センター装置で受信して遊技カードに係わる情報を前記管理センター装置で統括管理する遊技カードシステムの障害処理方法において、前記島コントローラは、前記カード管理装置の稼動状態を監視し、該監視に基づき前記カード管理装置の障害を検出した場合に当該島コントローラを前記カード管理装置による正当性の検証を行わない縮退運用への移行を許可するパスワードを当該島コントローラに付与し、前記縮退運用への移行操作に際しては、前記カード管理装置の障害を検出しており、かつ入力されたパスワードが前記管理センター装置から付与されたパスワードと一致した場合に当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可することを特徴とする。
【００１１】
また、請求項２の発明は、請求項１の発明において、前記島コントローラは、入力されたパスワードを前記管理センター装置に送信し、前記管理センター装置は、前記島コントローラから受信したパスワードと前記付与した当該島コントローラに対応するパスワードとを照合して当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可するか否かを判断することを特徴とする。
【００１２】
また、請求項３の発明は、請求項１の発明において、前記管理センター装置から付与されたパスワードを前記島コントローラで記憶し、前記島コントローラは、前記入力されたパスワードと前記記憶したパスワードとを照合して前記縮退運用への移行を許可するか否かを判断することを特徴とする。
【００１３】
また、請求項４の発明は、識別情報を少なくとも記憶し、所定の有価情報が対応付けられた遊技カードを発行するカード発行機及び遊技カードによる遊技を遊技客に提供する複数の遊技ユニットからなる島をそれぞれ管理する複数の島コントローラと、各島コントローラとのデータ授受により前記遊技カードの発行及び精算を管理するカード管理装置とを各遊技店に設け、各遊技店のカード管理装置から送信されるカードデータを遊技店外に設けた管理センター装置で受信して遊技カードに係わる情報を前記管理センター装置で統括管理する遊技カードシステムにおいて、前記島コントローラは、前記カード管理装置の稼動状態を監視する監視手段と、前記監視手段による監視により前記カード管理装置の障害を検出すると、当該島コントローラを前記カード管理装置による正当性の検証を行わない縮退運用への移行を許可するパスワードを当該島コントローラに付与するパスワード付与手段と、前記縮退運用への移行操作に際しては、前記カード管理装置の障害を検出しており、かつ入力されたパスワードが前記パスワード手段により管理センター装置から付与されたパスワードと一致した場合に当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可する許可手段とを具備することを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図１は、本実施の形態で用いる遊技カードシステムの構成を示す図である。
【００１７】
図１に示す遊技カードシステムは、遊技店５又は６に設けたターミナルコントローラＴＣが何らかの障害でダウンした場合に、管理センター４のセンターコンピュータが付与するパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に、該ターミナルコントローラＴＣによる正当性の検証を行わない縮退運用に移行するよう構成している。
【００１８】
具体的には、各島コントローラＳＣが、ターミナルコントローラＴＣとの間の稼動チェック通知に応答して返送される「応答信号」によって、ターミナルコントローラＴＣの動作状況を確認しており、ターミナルコントローラＴＣからの応答信号が所定回数なければ、該ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断する。
【００１９】
その後、店員が縮退運用モードへ移行する所定の操作を行ったならば、該店員が入力するパスワードと管理センター４から取得したパスワードとを照合して、両者が一致した場合にのみ縮退運用モードに移行する。
【００２０】
このように、本実施の形態に係わる遊技カードシステムでは、遊技店のターミナルコントローラＴＣに障害が発生した場合に、無条件で縮退運用モードに移行するのではなく、管理センター４が供給するパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に縮退運用モードへ移行するよう構成したので、ターミナルコントローラの障害時における不正な遊技カードの発行及び使用を防止することができる。
【００２１】
次に、かかる遊技カードシステムの概略構成について説明する。
図１において、この遊技カードシステムは、大きくはカード会社１、遊技店５（Ａ店）及び遊技店６（Ｂ店）、並びに金融機関８からなる。このような遊技カードシステムは、遊技店の売上管理を容易にするため、各遊技店５及び６で使用する遊技カードの管理を各遊技店から独立したカード会社１に行わせるようにしている。
【００２２】
カード会社１は、顧客窓口２、発送センター３及び管理センター４を有し、各遊技店５〜６が使用する遊技カードを提供する。遊技店５（Ａ店）が顧客窓口２に対して遊技カードの発注を行うと、顧客窓口２は、発送センター３に遊技カードの発送指示を行う。
【００２３】
発送センター３は発送指示に従って注文された遊技カードを発注した遊技店５にトラック等によって発送する。この発送を行うに際し、遊技カードには、既に遊技カードの有価情報と識別情報とが記憶されている。
【００２４】
また、発送センター３は、遊技店への遊技カードの発送とともに、発送した遊技カードの有価情報及び識別情報を有する発送情報を管理センター４に送信する。この発送情報に含まれる有価情報とは、カード金額及びカード金額毎の枚数からなり、識別情報には、各遊技カードのカードＩＤとしての開始番号及び終了番号が含まれる。なお、このカードＩＤは連番となっている。
【００２５】
発送センター３は、管理センター４のセンターコンピュータに通信線Ｌ１を介して接続される端末９を有し、この端末９から、上述した発送情報が管理センター４に送信される。
【００２６】
管理センター４のセンターコンピュータは、この発送情報を遊技店ごとに発送情報データベース１０に登録するとともに、該発送情報を宛先遊技店のターミナルコントローラＴＣに送信する。
【００２７】
また、この管理センター４のセンターコンピュータは、各遊技店のターミナルコントローラＴＣから遊技カードの発行に関するデータを受け付けたならば、このデータを図示しない発行カードデータベースに記憶し、また、発行した遊技カードの更新に関するデータを受け付けたならば、該発行カードデータベースの内容を更新する。
【００２８】
また、この管理センター４のセンターコンピュータは、障害処理部１１を有し、この障害処理部１１は、各遊技店のターミナルコントローラＴＣとの電文交換に基づいて該ターミナルコントローラＴＣの障害の有無を検知するとともに、障害の発生を検知したならば、通信相手を島コントローラＳＣに切り替える障害処理を行う。
【００２９】
さらに、この管理センター４のセンターコンピュータは、パスワード付与部１２を有し、このパスワード付与部１２は、各遊技店がターミナルコントローラＴＣを介さない縮退運用モードへ移行する際に必要なパスワードを付与する。
【００３０】
各遊技店５〜６は、ターミナルコントローラＴＣを有し、各ターミナルコントローラＴＣは、それぞれＩＳＤＮルータＲＴ、通信回線Ｌ２を介して管理センター４のセンターコンピュータに接続される。
また、各ターミナルコントローラＴＣのそれぞれは、ＬＡＮ等の通信回線Ｌ３を介して複数の島コントローラＳＣに接続され、この島コントローラＳＣを介して遊技カードを発行するカード発行機１３と、遊技台としての遊技ユニット１４内に設置され、遊技時に遊技カードに対する各種の処理を実行するカード処理機４０にそれぞれ通信回線Ｌ５，Ｌ４を介して接続される。
【００３１】
各ターミナルコントローラＴＣは、管理センター４のセンターコンピュータから発送情報を受信したならば、該発送情報を発送情報データベースＴＣａに登録する。なお、このターミナルコントローラＴＣが、発送情報データベースＴＣａを保持する理由は、この発送情報に基づいて自遊技店内のカード発行機１３で発行する遊技カードの正当性を確認するためである。
【００３２】
また、ターミナルコントローラＴＣは、遊技カードの発行時における金額や遊技カードの使用による残額等の管理をリアルタイムで行い、さらに遊技カードがカード処理機４０に挿入されたとき、挿入された遊技カードが店内において使用可能な状態のものであるか否かの判断を行う。
【００３３】
すなわち、挿入された遊技カードのカードＩＤ等の識別情報が登録されたものであるか否か、また、遊技カードの残額がターミナルコントローラＴＣに登録された残額と等しいか否か等のチェックを行う。この判断あるいはチェックに不適合の場合は、当該遊技カードの使用が許可されない。
【００３４】
なお、遊技カードの支払いと精算について説明すると、まず、遊技店５及び６は、発送センター３から遊技カードを受領した時点でカード会社１に遊技カード種別の金額（例えば１０００円、３０００円等）×枚数＋手数料（遊技カード１枚の用紙代×枚数）を支払う。
【００３５】
遊技店５及び６は、その後遊技客が遊技カードを用いて借り出した遊技媒体の個数を集計してその代金をカード会社１に通知してカード会社１から支払ってもらい、これにより精算が行われる。
【００３６】
通常、遊技店５及び６は、所定期間毎に遊技カードを介して使用した遊技媒体の個数の代金を集計し、遊技店５及び６がカード会社１に支払う支払金額とカード会社１からの受取金額とを相殺してその差を遊技店５及び６がカード会社１に支払うようにしている。この支払いに関して、金融機関８が利用される。
【００３７】
ターミナルコントローラＴＣについてさらに詳述すると、ターミナルコントローラＴＣは、少なくとも店内の遊技カード管理等を行うコントローラであり、店内に配設される遊技ユニット１４のカード処理機４０およびカード発行機１３からのデータを統括管理する。
【００３８】
ターミナルコントローラＴＣは、新たに発行した遊技カードのＩＤ番号、および遊技客の使用によって更新された遊技カードの残高のデータを発行カードデータベースＴＣｂで管理するとともに、営業終了後の夜間にその日一日の動向に関する情報の集計を行い、集計結果を通信回線Ｌ２を介して管理センター４に送出する。
【００３９】
なお、昼間においては、所定時間毎に、管理センター４とターミナルコントローラＴＣとの間で状態確認が行われ、ターミナルコントローラＴＣが正常に動作しているか否かが監視される。また、ターミナルコントローラＴＣと島コントローラＳＣとの間でも状態確認が行われ、ターミナルコントローラＴＣが正常に動作しているか否かが監視される。
【００４０】
ターミナルコントローラＴＣの主な機能としては、
（１）管理センター４から受信した発送情報を発送情報データベースＴＣａに記憶する。
【００４１】
（２）カード発行機１３から遊技カードの発行許可問い合わせを受け付けたならば、当該遊技カードのＩＤ番号を有する発送情報が発送情報データベースＴＣａに存在するか否かを確認し、存在する場合には発行を許可するとともに、当該遊技カードを発行カードデータベースＴＣｂで管理する。
【００４２】
（３）カード処理機４０によって遊技カードが使用されるとき、当該遊技カードのＩＤ番号が既に登録されているものであるか否かをチェックし、遊技カードが使用された場合、当該遊技カードの残高の管理を行う。
（４）売上データの集信機能、すなわちカード発行機１３で発行した遊技カードの売上データおよび遊技ユニット１４のカード処理機４０で使用される遊技カードの利用データの２種類のデータに関してメモリに蓄積する。
（５）管理帳票の出力機能、すなわちカード発行機１３の売上データおよび遊技ユニット１４のカード処理機４０によって更新された遊技カードの利用データをもとに、遊技店の運営、管理に必要な管理帳票を出力する。
（６）集計データの送信機能、すなわち集計データを管理センター４に送信する。
【００４３】
（７）管理センター４に対して定期的に「稼動チェック通知」を送信するとともに、島コントローラＳＣから「稼動チェック通知」を受信したならば、応答信号を返信する。
【００４４】
このように、遊技店のターミナルコントローラＴＣは、遊技カードシステムにおいて極めて重要な役割を果たすため、このターミナルコントローラＴＣに何らかの障害が発生した場合には、システム全体に極めて重大な影響が生ずる。
【００４５】
このため、本実施の形態では、ある遊技店のターミナルコントローラＴＣが何らかの障害によって機能停止したならば、管理センター４から取得したパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に、ターミナルコントローラＴＣを介さない縮退運用モードに移行することとしている。なお、島コントローラＳＣの障害処理部ＳＣ１が、かかるターミナルコントローラＴＣにおける障害検知処理と、縮退運用モードへ移行する障害処理とを行う。
【００４６】
次に、かかる障害処理部１１及びＳＣ１が行う障害検知処理及び縮退運用モードへの移行処理について具体的に説明する。
【００４７】
図２は、図１に示す遊技店６（Ｂ店）のターミナルコントローラＴＣに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【００４８】
同図に示すように、島コントローラＳＣには、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の両方の通信アドレスをあらかじめ登録しておく（ステップ２０１）。そして、島コントローラＳＣは、ターミナルコントローラＴＣに対して例えば定期的に稼動チェック通知を行い（ステップ２０２）、この通知を受け取ったターミナルコントローラＴＣは、島コントローラＳＣに対して応答信号を返信する（ステップ２０３）。同様に、ターミナルコントローラＴＣは、管理センター４に対して定期的に稼動チェック通知を行い（ステップ２０４）、この通知を受け取った管理センター４は、ターミナルコントローラＴＣに対して応答信号を返信する（ステップ２０５）。
【００４９】
このように、島コントローラＳＣ、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の間では、定期的に電文交換する稼動チェック通知及び応答信号によって、相手側装置の稼動状況をチェックしている。
【００５０】
そして、かかる稼動状況のチェックを行う場合に、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生すると（ステップ２０６）、島コントローラＳＣが稼動チェック通知を送信してもターミナルコントローラＴＣからの応答信号が返信されず（ステップ２０７〜２０８）、また、管理センター４に対しターミナルコントローラＴＣからの稼動チェック通知が送信されない（ステップ２０９）という状況が生ずる。
【００５１】
このため、管理センター４は、一定期間ターミナルコントローラＴＣからの稼動チェック通知を受信しなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し（ステップ２１０）、店員及び島コントローラＳＣからのパスワードの問い合わせを受付可能にする（ステップ２１１）。なお、店員からの問い合わせ時には、電話機のトーン発信機能を利用し、コンピュータにより音声合成したパスワードを自動的に通知する。
【００５２】
一方、島コントローラＳＣは、例えば連続して３回、稼動チェック通知の応答がなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し（ステップ２１２）、通信相手をターミナルコントローラＴＣから管理センター４に変更した後、管理センター４にパスワードを問い合わせ（ステップ２１３）、管理センターからパスワードの通知を受ける。
【００５３】
その後、例えば遊技店の店員が電源をオフにし、その後に縮退運用用の特定キーを押下しながら電源をオンにする縮退運用モードへの切替操作を行い（ステップ２１４）、聞き取ったパスワードを入力すると（ステップ２１５）、島コントローラＳＣの障害処理部ＳＣ１は、入力されたパスワードと管理センター４から取得したパスワードとを照合し、両者が一致したならば縮退運用モードに移行する。
【００５４】
上記一連の処理を行うことにより、パスワードによるセキュリティチェックを経た後に、縮退運用モードに移行することができる。また、このパスワードは、利用の都度更新されることがセキュリティ確保のためには望ましい。
【００５５】
なお、各島コントローラＳＣに入力されるパスワードは、島コントローラごとに異なることが望ましいが、パスワード入力に伴う煩雑さを回避すべく、遊技店として共通のパスワードを使用することもできる。
【００５６】
また、ここでは各島コントローラＳＣが、それぞれ別個に管理センター４に対してパスワードを要求することとしたが、遊技店内の複数の島コントローラＳＣを代表する島コントローラＳＣが、まとめてパスワードを要求して、管理センター４から通知を受けたパスワードを配信することもできる。
【００５７】
ところで、図２に示す処理手順では、島コントローラＳＣ側でパスワードのチェックを行うこととしたが、管理センター４側でパスワードのチェックを行うこともできる。
【００５８】
図３は、管理センター側でパスワードのチェックを行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【００５９】
同図に示すように、この場合も図２と同様に、島コントローラＳＣ、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の間では、定期的に電文交換する稼動チェック通知及び応答信号によって、相手側装置の稼動状況をチェックし、管理センター４が、一定期間ターミナルコントローラＴＣからの電文である稼動チェック通知などを受信しない場合には、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し、島コントローラＳＣからのパスワードの問い合わせを受付可能にする（ステップ２０１〜２１１）。
【００６０】
一方、島コントローラＳＣは、例えば連続して３回、稼動チェック通知の応答がなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断して（ステップ３１２）、例えば遊技店の店員が電源オフ後、特定キーを押下しながら電源をオンにするといった縮退運用モードへの切替操作を行い（ステップ３１３）、その際管理センター４に電話をして聞き取ったパスワードを入力する（ステップ３１４）。
【００６１】
そして、店員によって入力されたパスワードは、管理センター４のセンターコンピュータに送信され（ステップ３１５）、管理センター４のセンターコンピュータにおいて、該パスワードが店員に連絡したパスワードと照合される（ステップ３１６）。そして、このパスワードの確認結果が島コントローラＳＣに通知され（ステップ３１７）、正当なパスワードである場合には、縮退運用モードへ移行する（ステップ３１８）。
【００６２】
このように、管理センター４から取得したパスワードを島コントローラＳＣから管理センター４に送信することにより、管理センター４側でパスワードのチェックを行うこともできる。
【００６３】
ところで、上記図２及び図３に示す処理手順では、島コントローラＳＣと管理センター４の間でパスワードを送受信することとしたが、かかるパスワードの送信を行わずにパスワードをチェックすることもできる。ただし、パスワードの送信を省略するためには、管理センター４のパスワード付与部１２が付与するパスワードが正当か否かを島コントローラＳＣの障害処理部ＳＣ１で判定できるようにする必要がある。
【００６４】
図４は、管理センター４から島コントローラＳＣへのパスワードの送信を行わずにパスワードをチェックする場合の処理手順を示すフローチャートである。
【００６５】
同図に示すように、この場合も図２及び図３と同様に、島コントローラＳＣ、ターミナルコントローラＴＣ及び管理センター４の間では、定期的に電文交換する稼動チェック通知及び応答信号によって、相手側装置の稼動状況をチェックし、管理センター４が、一定期間ターミナルコントローラＴＣからの稼動チェック通知を受信しない場合には、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断し、島コントローラＳＣからのパスワードの問い合わせを受付可能にする（ステップ２０１〜２１１）。
【００６６】
一方、島コントローラＳＣは、例えば連続して３回、稼動チェック通知の応答がなければ、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生したものと判断して（ステップ４１２）、例えば遊技店の店員が電源オフ後、特定キーを押下しながら電源をオンにするといった縮退運用モードへの切替操作を行い（ステップ４１３）、管理センター４に電話をして聞き取ったパスワードを入力する（ステップ４１４）。
【００６７】
そして、店員によって入力されたパスワードは、島コントローラＳＣ内部でその正当性がチェックされ（ステップ４１５）、正当である場合には縮退運用モードへ移行する（ステップ４１６）。
【００６８】
上記処理を行うことにより、パスワードの送信というセキュリティ上のリスクを招くことなく、パスワードの正当性を検証することができる。
【００６９】
次に、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生した場合の縮退運用について具体的に説明する。
【００７０】
図５は、縮退運用においてカード発行機１３がカードを発行する際の処理手順を示すフローチャートである。
【００７１】
同図に示すように、カード発行機１３が新たな遊技カードを発行する際には、カードＩＤ、発行号機及び発行金額からなるカードデータを島コントローラＳＣに送信する（ステップ５０１）。
【００７２】
ここで、ターミナルコントローラＴＣに障害が発生していなければ、島コントローラＳＣは、ターミナルコントローラＳＣに対してカードデータを転送して発行許可問い合わせを行うこととなる。
【００７３】
しかしながら、縮退運用モードの場合には、ターミナルコントローラＴＣがダウンしているため、該カードデータはターミナルコントローラＴＣに転送されず、またカードデータのチェックについても行われない。
【００７４】
すなわち、島コントローラＳＣは、日付、カードＩＤ、発行号機、現在金額及び処理区分からなるログデータの作成及び登録を行い（ステップ５０２）、カード発行機１３に対して発行許可応答を行う（ステップ５０３）。そして、この発行許可応答を受け付けたカード発行機１３は、遊技カードの発行を行う（ステップ５０４）。
【００７５】
これにより、例えば、カードＩＤ「3030003」、発行号機「スペース」、発行金額「3000円」、現在金額「スペース」という遊技カードに記録されるカードデータが、カードＩＤ「3030003」、発行号機「003160-01-01」、発行金額「3000円」、現在金額「3000円」というカードデータに更新される。
【００７６】
このように、本実施の形態では、縮退運用モードに移行する時点でパスワードによるセキュリティチェックを行っているため、その後の遊技カードの発行に際しては、カードデータの正当性のチェックは省略している。
【００７７】
図６は、縮退運用において遊技ユニット１４により遊技カードを使用する際の処理手順を示すフローチャートである。
【００７８】
同図に示すように、遊技カードの利用者が、遊技ユニット１４のカード処理機４０に遊技カードを挿入すると、該カード処理機４０が遊技カードの記録内容（カードデータ）を読み出し、該カードデータを含む使用許可問い合わせを島コントローラＳＣに対して送信する（ステップ６０１）。
【００７９】
島コントローラＳＣは、この使用許可問い合わせのカードデータの発行号機に係わる情報に含まれる店コードが自店のものであるかどうかを判断する（ステップ６０２）。例えば、発行号機が「003160-01-01」である場合には、「003160」が店コードを示すため、この店コードが自店に割り当てられたコードと一致するか否かを確認することになる。
【００８０】
そして、この発行号機が自店のものでなければエラーダウンし、自店のものである場合には、要求元のカード処理機４０に対して使用許可応答を行う（ステップ６０３）。
【００８１】
そして、この使用許可応答を受信したカード処理機４０は、玉貸出しを行った後に（ステップ６０４）、島コントローラＳＣに対して減算通知を行う（ステップ６０５）。
【００８２】
この減算通知を受信した島コントローラＳＣは、減算通知に含まれるカードデータのうちの発行号機の店コードが自店のものであるかどうかを判断し、自店のものである場合にはログデータに登録した後（ステップ６０６）、カード処理機４０に応答信号を返送する（ステップ６０７）。
【００８３】
このように、縮退運用中にカード発行機１３による遊技カードの発行やカード処理機４０による遊技カードの使用が行われると、それぞれのログデータが順次島コントローラＳＣに蓄積されることになる。
【００８４】
次に、ターミナルコントローラＴＣが復旧した場合の処理について説明する。
【００８５】
ターミナルコントローラＴＣが復旧し、電源が再投入されたならば、通常モードでの立ち上げであるか又は事故からの復旧立ち上げであるかをフラグにより判断し、事故からの復旧である場合には、各島コントローラＳＣに対してログデータの送信を要求する。
【００８６】
そして、ターミナルコントローラＴＣが各島コントローラＳＣのログデータを収集したならば、各ログデータの処理区分を参照し、該処理区分が「発行」である場合には発行カードデータベースＴＣｂ上に新たな発行データを作成し、処理区分が「減算」である場合には、現在金額と比較しつつより新たなデータに更新する。
【００８７】
なお、ターミナルコントローラＴＣの記憶部を交換した場合には、各島コントローラＳＣからログデータを収集する前に、管理センター４が保持するデータをダウンロードして、障害が発生した前日までのカードデータを生成し、発送情報データベースＴＣａ及び発行カードデータベースＴＣｂを復旧する。その後、同様にログデータを収集して、発行カードデータベースＴＣｂを更新する。
【００８８】
上述してきたように、本実施の形態では、遊技店５又は６に設けたターミナルコントローラＴＣが何らかの障害でダウンした場合に、管理センター４のセンターコンピュータが付与するパスワードに基づくセキュリティチェックを経た後に、該ターミナルコントローラＴＣによる正当性の検証を行わない縮退運用に移行するよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【００８９】
１）ターミナルコントローラＴＣの障害発生が管理センターに必ず通知されることとなり、店ぐるみの不正行為を抑制することができる。
【００９０】
２）セキュリティチェックを通じて、縮退運用への不正な移行を防止することができる。
【００９１】
３）遊技カードを使用する遊技客に不利益をもたらすことなく、障害に対処することができる。
【００９２】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、各島コントローラが、カード管理装置あるいは島コントローラが行う電文の交換の状態監視に基づいて、カード管理装置に障害が発生したか否かを検出し、該カード管理装置の障害を検出したならば、管理センターから付与されたパスワードを用いて縮退運用への移行操作の正当性を確認し、該縮退運用への移行操作の正当性を確認した場合には、カード発行機に対する遊技カードの発行許可及び前記遊技ユニットに対する遊技カードの使用許可を行うよう構成したので、下記に示す効果が得られる。
【００９３】
１）カード管理装置の障害発生が管理センターに必ず通知されることとなり、店ぐるみの不正行為を抑制することができる。
【００９４】
２）セキュリティチェックを通じて、縮退運用への不正な移行を防止することができる。
【００９５】
３）遊技カードを使用する遊技客に不利益をもたらすことなく、障害に対処することができる。
【００９６】
また、本発明は、各島コントローラが、縮退運用下でカード発行機から遊技カードの発行許可要求を受け付けたならば、要求元のカード発行機に対して遊技カードの発行許可を行い、縮退運用下で遊技ユニットから遊技カードの使用許可要求を受け付けたならば、該使用許可要求に含まれる店コードが自店の店コードであるか否かを確認し、自店の店コードである場合には遊技カードの使用許可を要求元の遊技ユニットに返送するよう構成したので、継続的かつ簡易に遊技客に対する遊技カードの発行及び使用を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態である遊技カードシステムの構成を示す図である。
【図２】図１に示す遊技店のターミナルコントローラに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの移行処理手順を示すフローチャートである。
【図３】図１に示す遊技店のターミナルコントローラに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの別の移行処理手順を示すフローチャートである。
【図４】図１に示す遊技店のターミナルコントローラに障害が発生した場合の障害検知処理及び縮退運用モードへの別の移行処理手順を示すフローチャートである。
【図５】縮退運用においてカード発行機がカードを発行する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図６】縮退運用において遊技ユニットにより遊技カードを使用する際の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１…カード会社、 ２…顧客窓口、 ３…発送センター、
４…管理センター、 ５，６…遊技店、 ８…金融機関、
９…端末、 １０…発送情報データベース、
１１…障害処理部、 １２…パスワード付与部、
１３…カード発行機、 １４…遊技ユニット、 ４０…カード処理機、
ＴＣ…ターミナルコントローラ、
ＴＣａ…発送情報データベース、 ＴＣｂ…発行カードデータベース、
ＳＣ…島コントローラ、 ＳＣ１…障害処理部、
ＲＴ…ＩＳＤＮルータ
Claims (4)
- 識別情報を少なくとも記憶し、所定の有価情報が対応付けられた遊技カードを発行するカード発行機及び遊技カードによる遊技を遊技客に提供する複数の遊技ユニットからなる島をそれぞれ管理する複数の島コントローラと、各島コントローラとのデータ授受により前記遊技カードの発行及び精算を管理するカード管理装置とを各遊技店に設け、各遊技店のカード管理装置から送信されるカードデータを遊技店外に設けた管理センター装置で受信して遊技カードに係わる情報を前記管理センター装置で統括管理する遊技カードシステムの障害処理方法において、
前記島コントローラは、
前記カード管理装置の稼動状態を監視し、
該監視に基づき前記カード管理装置の障害を検出した場合に当該島コントローラを前記カード管理装置による正当性の検証を行わない縮退運用への移行を許可するパスワードを当該島コントローラに付与し、
前記縮退運用への移行操作に際しては、前記カード管理装置の障害を検出しており、かつ入力されたパスワードが前記管理センター装置から付与されたパスワードと一致した場合に当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可する
ことを特徴とする遊技カードシステムの障害処理方法。 - 前記島コントローラは、入力されたパスワードを前記管理センター装置に送信し、
前記管理センター装置は、前記島コントローラから受信したパスワードと前記付与した当該島コントローラに対応するパスワードとを照合して当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項１記載の遊技カードシステムの障害処理方法。 - 前記管理センター装置から付与されたパスワードを前記島コントローラで記憶し、
前記島コントローラは、前記入力されたパスワードと前記記憶したパスワードとを照合して前記縮退運用への移行を許可するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項１記載の遊技カードシステムの障害処理方法。 - 識別情報を少なくとも記憶し、所定の有価情報が対応付けられた遊技カードを発行するカード発行機及び遊技カードによる遊技を遊技客に提供する複数の遊技ユニットからなる島をそれぞれ管理する複数の島コントローラと、各島コントローラとのデータ授受により前記遊技カードの発行及び精算を管理するカード管理装置とを各遊技店に設け、各遊技店のカード管理装置から送信されるカードデータを遊技店外に設けた管理センター装置で受信して遊技カードに係わる情報を前記管理センター装置で統括管理する遊技カードシステムにおいて、
前記島コントローラは、
前記カード管理装置の稼動状態を監視する監視手段と、
前記監視手段による監視により前記カード管理装置の障害を検出すると、当該島コントローラを前記カード管理装置による正当性の検証を行わない縮退運用への移行を許可するパスワードを当該島コントローラに付与するパスワード付与手段と、
前記縮退運用への移行操作に際しては、前記カード管理装置の障害を検出しており、かつ入力されたパスワードが前記パスワード手段により管理センター装置から付与されたパスワードと一致した場合に当該島コントローラの前記縮退運用への移行を許可する許可手段と
を具備することを特徴とする遊技カードシステム。
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