JP3762113B2 - 電気、電子部品材料用組成物及び電気、電子部品材料 - Google Patents

電気、電子部品材料用組成物及び電気、電子部品材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気、電子部品材料用組成物および電気、電子部品材料に関する。さらに詳しくは、アルケニル基含有ビニル系重合体と、ヒドロシリル基含有化合物を必須成分とし、低粘度でかつ速硬化性の電気、電子部品材料用組成物および該組成物を硬化させてなる電気、電子部品材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気、電子部品材料用組成物としては、各種の硬化性樹脂が広範な用途に用いられている。例えば、半導体封止用樹脂、回転用含浸樹脂、絶縁用ワニス、プリント配線基板用絶縁材料、プリント配線基板用含浸樹脂、電子部品用コーティング剤、電子部品用ポッティング剤、電気、電子部品用接着剤、電子部品放熱用コンパウンドなどの用途には、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミドイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などの硬化性樹脂が用いられている。しかしながらこれらの樹脂の硬化物は硬く、線膨張率の違いからボンディング線の切断などの悪影響を及ぼすなどの問題点がある。
【0003】
これらの問題点のない、ゴム状の硬化性樹脂を与える重合体としては、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、架橋性シリル基とも言う)を少なくとも一個有する重合体として、シリコーン系重合体、ポリエーテル系重合体、炭化水素系重合体、ビニル系重合体等が知られている。しかし、これらの重合体の硬化は架橋性シリル基の縮合反応によるため、硬化に必ずしも加熱が必要ないという特徴はあるものの、硬化速度が遅い、深部硬化性が不十分であるなどの共通の問題点がある。
【0004】
硬化速度が速く、深部硬化性に優れた硬化系として、末端もしくは分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有するシリコーン系(ポリオルガノシロキサン)重合体を、ケイ素原子に結合する水素原子を1分子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンで架橋するものが開発され、その優れた耐候性、耐水性、耐熱性を利用して、電気、電子部品材料として使用されている。しかし、製品中に存在する低分子量シリコーン化合物が電気接点障害を引き起こすなど電気特性上問題があった。これを防ぐために製品中の低分子量シリコーン含有量を低減した電気接点障害対策用の製品が上市されているが、製造するための工程数が多く、製造に手間がかかり、結局高価な製品になるという問題があった。
【0005】
これらの問題のないものとしてポリエーテル系および炭化水素系のものが提案されているが、ポリエーテル系および不飽和炭化水素系では耐熱性に劣る場合があり、飽和炭化水素系では樹脂そのものが高粘度である為取り扱い性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の現状に鑑みて、取り扱いが容易でかつ速硬化性である電気、電子部品材料用組成物、並びにそれを硬化してなる電気特性、耐熱性、耐候性および耐水性などに優れた電気、電子部品材料を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の2成分:
(A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体、
CH2=C(R1)− (1)
式中、R1は水素またはメチル基を示す。
(B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とする電気、電子部品材料用組成物およびこれを硬化させてなる電気、電子部品材料である。
【0008】
また、上記(A)成分のビニル系重合体の分子量分布が1.8未満である上記電気、電子部品材料用組成物および電気、電子部品材料である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の電気、電子部品材料用組成物は以下の2成分:
(A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体、
CH2=C(R1)− (1)
式中、R1は水素またはメチル基を示す。
(B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とするものである。
【0010】
以下に本発明の電気、電子部品材料用組成物について詳述する。
[(A)成分のビニル系重合体について]
(A)成分のビニル系重合体の架橋性基である、上述の一般式(1)で表されるアルケニル基としては、下記一般式(3)で表される炭化水素系のアルケニル基;一般式(4)で表されるエーテル結合を有するアルケニル基、一般式(5)および(6)で表されるエステル結合を有するアルケニル基および一般式(7)で表されるカーボネート結合を有するアルケニル基など酸素原子を介して主鎖に結合されるアルケニル基;などが挙げられる。
CH2=C(R1)−R4− (3)
式中、R1は上述したものと同様である。R4は、直接結合または炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。
【0011】
上記一般式(3)において、R4としては特に限定されないが、例えば、−(CH2n−(nは0〜10の整数)、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−等が挙げられる。
CH2=C(R1)−R5−O− (4)
CH2=C(R1)−R5−OC(O)− (5)
CH2=C(R1)−R5−C(O)O− (6)
CH2=C(R1)−R5−OC(O)O− (7)
式中、R1は上述したものと同様である。R5は、直接結合または1個以上のエーテル結合を含有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を示す。
【0012】
上記一般式(4)、(5)、(6)および(7)において、R5としては特に限定されないが、例えば、−(CH2n−、(nは0〜20の整数)、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−;−CH2OCH2CH2−、−CH2OCH2CH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2CH2−;o−,m−,p−C64−、o−,m−,p−CH2−C64−、o−,m−,p−CH2−C64−CH2
等が挙げられる。
【0013】
また、一般式(8)で表される電子吸引基を有する基も一般式(1)のアルケニル基として挙げられる。
CH2=C(R1)−R5−C(R6)(R7)− (8)
式中、R1、R5は上述したものと同様である。R6およびR7はともにカルバニオンC-を安定化する電子吸引基、または一方が電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基を示す。
【0014】
上記一般式(8)におけるR6およびR7の電子吸引基としては特に限定されないが、例えば、−CO2R(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R2)(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等が挙げられる。置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示し、炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基が好ましい。R6およびR7としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好ましい。
【0015】
(A)成分のビニル系重合体の主鎖を形成するモノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。なお上記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を示す。
【0016】
一般式(1)に示すアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体で、上記のモノマーの中で(メタ)アクリル酸系モノマーを40重量%以上用いて合成することにより得られた(メタ)アクリル系重合体が、物性面からより好ましい。
アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の分子量分布、すなわち重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)については特に限定されない。しかし、硬化性組成物とした際の粘度を低く抑えて取扱いを容易にし、なおかつ十分な硬化物物性を得るためには、分子量分布は狭いことが好ましい。分子量分布の値としては1.8未満が好ましく、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.4以下、さらに好ましくは1.3以下である。分子量分布の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定するのが最も一般的である。移動相としてはクロロホルムやTHFを、カラムとしてはポリスチレンゲルカラムを用い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
【0017】
アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の分子量については特に限定されないが、500〜100000の範囲にあるのが好ましい。分子量が500以下であると、ビニル系重合体の本来の特性が発現されにくく、また、100000以上であると、取り扱いが困難になる。
アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、種々の重合法により得ることができ、その方法は特に限定されない。しかし、モノマーの汎用性、制御の容易性の点からラジカル重合法によって、直接アルケニル基を導入したり、1段階あるいは数段階の反応でアルケニル基に変換できる特定の官能基を有するビニル系重合体を得、この特定の官能基をアルケニル基に変換することによりアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体を得る方法がより好ましい。
【0018】
アルケニル基を含む特定の官能基を有するビニル系重合体を合成する方法において用いられるラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
【0019】
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点がある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く、比較的粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
【0020】
「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
【0021】
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
【0022】
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。
【0023】
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
【0024】
「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
【0025】
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁,サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号公報,WO97/18247号公報あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁などが挙げられる。
【0026】
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
この重合法を用いて架橋性のビニル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。それらの具体例としては、
o−,m−,p−XCH2−C64−CH2X、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C64−C(H)(X)CH3、o−,m−,p−(CH32C(X)−C64−C(X)(CH32
上記式中、C64はフェニレン基を示す。Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。
RO2C−C(H)(X)−(CH2n−C(H)(X)−CO2R、RO2C−C(CH3)(X)−(CH2n−C(CH3)(X)−CO2R、RC(O)−C(H)(X)−(CH2n−C(H)(X)−C(O)R、RC(O)−C(CH3)(X)−(CH2n−C(CH3)(X)−C(O)R
上記式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。nは0〜20の整数を表し、Xは塩素、臭素、ヨウ素を示す。
XCH2−C(O)−CH2X、H3C−C(H)(X)−C(O)−C(H)(X)−CH3、(H3C)2C(X)−C(O)−C(X)(CH32、C65C(H)(X)−(CH2n−C(H)(X)C65
上記式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表し、nは0〜20の整数を示す。
XCH2CO2−(CH2n−OCOCH2X、CH3C(H)(X)CO2−(CH2n−OCOC(H)(X)CH3、(CH32C(X)CO2−(CH2n−OCOC(X)(CH32
上記式中、nは1〜20の整数を示す。
XCH2C(O)C(O)CH2X、CH3C(H)(X)C(O)C(O)C(H)(X)CH3、(CH32C(X)C(O)C(O)C(X)(CH32、o−,m−,p−XCH2CO2−C64−OCOCH2X、o−,m−,p−CH3C(H)(X)CO2−C64−OCOC(H)(X)CH3、o−,m−,p−(CH32C(X)CO2−C64−OCOC(X)(CH32、o−,m−,p−XSO2−C64−SO2
上記式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。
【0027】
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PPh32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として好適である。
【0028】
この重合において用いられるビニル系のモノマーとしては特に限定されず、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
上記重合反応は、無溶媒でも可能であるが、下記の各種溶媒中で行うこともできる。溶媒としては特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。これらは、単独でもよく、2種以上を併用してもよい。また、エマルジョン系もしくは超臨界流体CO2を媒体とする系においても重合を行うことができる。
【0029】
重合は、0〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。
一般式(1)で示されるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の製造方法は、以下の(A)〜(C)において具体的に例示して説明するがこれらに限定されるものではない。
(A)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合体主鎖に直接アルケニル基を導入する方法。
(B)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体を用いて、このハロゲンをアルケニル基含有官能基に置換する方法。
(C)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いて、この水酸基をアルケニル基含有官能基に置換する方法。
【0030】
上記合成法(A)の重合体主鎖に直接アルケニル基を導入する方法としては特に限定されないが、具体的には次に述べる(A−a)〜(A−b)の方法などを挙げることができる。
(A−a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、所定のビニル系モノマーとともに、下記一般式(9)等で表される一分子中に重合性のアルケニル基および重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物をも反応させる方法。
2C=C(R1)−R8−R9−C(R1)=CH2 (9)
式中、R1は水素またはメチル基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R8は−C(O)O−(エステル基)、またはo−,m−もしくはp−フェニレン基を示す。R9は直接結合、または1個以上のエーテル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を示す。R8がエステル基のものは(メタ)アクリレート系化合物、R8がフェニレン基のものはスチレン系の化合物である。
【0031】
上記一般式(9)におけるR9としては、特に限定されないが、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;o−,m−,p−フェニレン基;ベンジル基等のアラルキル基;−CH2CH2−O−CH2−や−O−CH2−等のエーテル結合を含むアルキレン基等が挙げられる。
上記一般式(9)の化合物の中でも、入手が容易であるという点から下記のものが好ましい。
2C=C(H)C(O)O(CH2n−CH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2n−CH=CH2
上記の各式において、nは0〜20の整数を示す。
2C=C(H)C(O)O(CH2n−O−(CH2mCH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2n−O−(CH2mCH=CH2
上記の各式において、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数を示す。
o−,m−,p−ジビニルベンゼン、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−OCH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−OCH2−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−OCH2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−CH2C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−CH2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−OCH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−OCH2−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−OCH2CH2CH=CH2
上記の各式において、C64はフェニレン基を示す。
【0032】
なお、上記重合性のアルケニル基および重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期としては特に制限はないが、リビングラジカル重合において、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(A−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物を反応させる方法。
【0033】
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(10)に示される化合物等が挙げられる。
2C=C(R1)−R10−C(R1)=CH2 (10)
式中、R1は水素またはメチル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。R10は1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を示す。
【0034】
上記一般式(10)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましい。
上記合成法(A)の重合体主鎖に直接アルケニル基を導入することによる、アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成方法においては、一分子当たりに導入されるアルケニル基の制御がより容易である点から(A−b)の方法が好ましい。
【0035】
上記合成法(B)における一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は原子移動ラジカル重合法が好ましい。この重合体のハロゲンをアルケニル基含有官能基に置換する方法としては特に限定されないが、具体的には次に述べる(B−a)〜(B−d)の方法などを挙げることができる。
【0036】
(B−a)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体にアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を作用させてハロゲンを置換する方法。
このような有機金属化合物としては、有機リチウム、有機ナトリウム、有機カリウム、有機マグネシウム、有機錫、有機ケイ素、有機亜鉛、有機銅等が挙げられる。特に上記一般式(2)のハロゲンと選択的に反応し、カルボニル基との反応性が低いという点で、有機錫、有機銅化合物が好ましい。
【0037】
アルケニル基を有する有機錫化合物としては、特に制限はないが、下記一般式(11)で示される化合物が好ましい。
2C=C(R1)C(R11)(R12)Sn(R133 (11)
式中、R1は上述したものと同様である。R11およびR12は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜10のアラルキル基を表し、これらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R13は、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。
【0038】
上記一般式(11)の有機錫化合物の具体例を示すならば、アリルトリブチル錫、アリルトリメチル錫、アリルトリ(n−オクチル)錫、アリルトリ(シクロヘキシル)錫等が例示される。 アルケニル基を有する有機銅化合物としては、ジビニル銅リチウム、ジアリル銅リチウム、ジイソプロペニル銅リチウム等が例示される。
【0039】
(B−b)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般式(12)等で表されるアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
+-(R6)(R7)−R5−C(R1)=CH2 (12)
式中、R1、R5、R6およびR7は上述したものと同様である。M+はアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオンを示す。
【0040】
アルカリ金属イオンとしてはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが、また、4級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等が具体例として挙げられる。
【0041】
上記一般式(12)のカルバニオンは、その前駆体に対して塩基性化合物を作用させ、活性プロトンを引き抜くことによって得ることができる。
一般式(12)のカルバニオンの前駆化合物としては以下のような化合物が例示できる。
2C=CH−CH(CO2CH32、H2C=CH−CH(CO2252、H2C=CH−(CH2nCH(CO2CH32、H2C=CH−(CH2nCH(CO2252、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(CO2CH32、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(CO2252、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(CO2CH32、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(CO2252、H2C=CH−CH(C(O)CH3)(CO225)、H2C=CH−(CH2nCH(C(O)CH3)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(C(O)CH3)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(C(O)CH3)(CO225)、H2C=CH−CH(C(O)CH32、H2C=CH−(CH2nCH(C(O)CH32、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(C(O)CH32、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(C(O)CH32、H2C=CH−CH(CN)(CO225)、H2C=CH−(CH2nCH(CN)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(CN)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(CN)(CO225)、H2C=CH−CH(CN)2、H2C=CH−(CH2nCH(CN)2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(CN)2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(CN)2、H2C=CH−(CH2nNO2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2NO2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH2NO2、H2C=CH−CH(C65)(CO225)、H2C=CH−(CH2nCH(C65)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(C65)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(C65)(CO225
上記式中、nは1〜10の整数を示す。
【0042】
上記化合物からプロトンを引き抜き一般式(12)のカルバニオンとするためには各種の塩基性化合物が使用される。これらの塩基性化合物としては以下のような化合物が例示できる。
ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム等の水素化物;n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の有機金属;アンモニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン;テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のポリアミン;ピリジン、ピコリン等のピリジン系化合物等
塩基性化合物の使用量は前駆物質に対して当量または小過剰量用いればよく、好ましくは1〜1.2当量である。
【0043】
上記のカルバニオンとして4級アンモニウム塩も使用できる。この場合、カルボン酸化合物のアルカリ金属塩であるものを調製し、これに4級アンモニウムハライドを作用させることによって得られる。4級アンモニウムハライドとしては、テトラメチルアンモニウムハライド、テトラエチルアンモニウムハライド、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリメチルドデシルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウムハライド等が例示される。
【0044】
上記前駆化合物と塩基性化合物を反応させる際に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0045】
上記の前駆体に塩基性化合物を作用させることにより一般式(12)で表されるカルバニオンが調製され、一般式(2)のハロゲン末端を有するビニル系重合体と反応させることにより、目的とする一般式(1)で表されるアルケニル基を末端に有するビニル系重合体を得ることができる。
(B−c)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンとし、しかる後に、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
【0046】
金属単体としては、生成するエノレートアニオンが他のエステル基を攻撃したり転移するような副反応を起こしにくいという点で亜鉛が特に好ましい。アルケニル基を有する求電子化合物としては各種のものを使用することができる。例えば、ハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等である。これらのうち、ハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物を用いると、主鎖に炭素以外の原子が導入されず、ビニル系重合体の耐候性が失われないので好ましい。
【0047】
(B−d)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般式(13)等で表されるアルケニル基含有オキシアニオン又は下記一般式(14)等で表されるアルケニル基含有カルボキシレートアニオンを反応させて、上記ハロゲンをアルケニル基含有置換基に置換する方法。
CH2=C(R1)−R5−O-+ (13)
式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様である。
CH2=C(R1)−R5−C(O)O-+ (14)
式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様である。
【0048】
一般式(13)および(14)で表されるオキシアニオンの前駆化合物としては以下のような化合物:
2C=CH−CH2−OH、H2C=CH−CH(CH3)−OH、H2C=C(CH3)−CH2−OH、H2C=CH−(CH2n−OH(nは、2〜20の整数を示す。)、H2C=CH−CH2−O−(CH22−OH、H2C=CH−C(O)O−(CH22−OH、H2C=C(CH3)−C(O)O−(CH22−OH、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C64−CH2−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C64−CH2−OH等のアルコール性水酸基含有化合物;o−,m−,p−H2C=CH−C64−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C64−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C64−OH等のフェノール性水酸基含有化合物;H2C=CH−C(O)−OH、H2C=C(CH3)−C(O)−OH、H2C=CH−CH2−C(O)−OH、H2C=CH−(CH2n−C(O)−OH(nは、2〜20の整数を示す。)、H2C=CH−(CH2n−OC(O)−(CH2m−C(O)−OH(m及びnは、同一又は異なって、0〜19の整数を示す。)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−C(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C64−C(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C64−C(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−(CH2n−OC(O)−C64−C(O)−OH(nは、0〜13の整数を示す。)等のカルボキシル基含有化合物;
等が挙げられる。
【0049】
上記の化合物からプロトンを引き抜き上記一般式(13)あるいは(14)のアニオンとするためには各種の塩基性化合物が使用され、その具体例としては、前述の一般式(12)のカルバニオンを調製する際に用いられる塩基性化合物がすべて好適に使用される。また、反応溶媒についてもカルバニオンを調製する際に用いられるものがすべて好適に使用される。
【0050】
上記合成法(B)の中では、高い比率でアルケニル基を導入することができることから、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒として用いる原子移動ラジカル重合法によって得られた一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを(B−d)の方法により変換することによりアルケニル基を導入する方法が好ましい。(B−d)の方法の中では一般式(14)等で表されるアルケニル基含有カルボキシレートアニオンを反応させる方法がより好ましい。
【0051】
有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する原子移動ラジカル重合法を用いることを特徴とするビニル系重合体の製造法において、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤として用いれば、片末端にアルケニル基を有し、他の末端が上記一般式(2)の構造を有するビニル系重合体を得ることができる。このようにして得られる重合体の停止末端のハロゲンをアルケニル基含有置換基に変換すれば、両末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を得ることができる。その変換方法としては、既に記載した方法を使用することができる。
【0052】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては特に制限はないが、例えば、下記一般式(15)に示す構造を有するものが例示される。
1415C(X)−R16−R9−C(R1)=CH2 (15)
式中、R1、R9およびXは上述したものと同様である。R14、R15は水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または他端において相互に連結したものを示す。R16は−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基を示す。
【0053】
一般式(15)で表されるアルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCH2C(O)O(CH2nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2
【0054】
【化1】
Figure 0003762113
【0055】
上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。nは0〜20の整数を示す。
XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=CH2
【0056】
【化2】
Figure 0003762113
【0057】
上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。nは1〜20の整数を、mは0〜20の整数を示す。
o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2
上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。nは0〜20の整数を示す。
o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−(CH2n−O−(CH2mCH=CH2
上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。nは1〜20の整数を表し、mは0〜20の整数を示す。
o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=CH2
上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表し、nは0〜20の整数を示す。
o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2
上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。nは1〜20の整数を表し、mは0〜20の整数を示す。
【0058】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(16)で示される化合物が挙げられる。
2C=C(R1)−R9−C(R14)(X)−R17−R15 (16)
式中、R1、R9、R14、R15、Xは上述したものと同様である。R17は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を示す。
【0059】
9は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R17としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R9が直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R17としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
【0060】
上記一般式(16)の化合物は、具体的には下記の化合物を例示できる。
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH32、CH2=CHC(H)(X)C25、CH2=CHC(H)(X)CH(CH32、CH2=CHC(H)(X)C65、CH2=CHC(H)(X)CH265、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH22C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH23C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH28C(H)(X)−CO2R、CH2=CHCH2C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH22C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH23C(H)(X)−C65
上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示す。
【0061】
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物は、具体的には下記の化合物を例示できる。
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n−C64−SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n−O−C64−SO2
上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。nは0〜20の整数を示す。
【0062】
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤として用いると、片末端がアルケニル基、他の末端が上記一般式(2)で示されるハロゲン末端の重合体を得ることができる。この重合体の一般式(2)で表されるハロゲンを置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以上有する化合物を用いて、ハロゲン末端どうしをカップリングさせることによっても、末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を得ることができる。
【0063】
末端ハロゲンを置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以上有するものとしては特に制限はないが、ポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリチオール、およびそれらの塩、アルカリ金属硫化物等が好ましい。これら化合物の具体例としては下記の化合物を例示できる。
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、3,3’−(エチレンジオキシ)ジフェノール、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール等のポリオール;および、上記ポリオール化合物のアルカリ金属塩;
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、α,α’−ジアミノ−p−キシレン等のポリアミン;および上記ポリアミン化合物のアルカリ金属塩;
シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸;および上記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩;
1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、p−キシレン−α,α’−ジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、等のポリチオール;および、
上記ポリチオール化合物のアルカリ金属塩;
硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム。
【0064】
上記のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸、ポリチオールを用いる際は、置換反応を促進させるために、塩基性化合物の併用が可能で、その具体例としては、既に例示したものが挙げられる。
上記合成法(C)の水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いて、この水酸基をアルケニル基含有官能基に置換する方法としては特に限定されないが、具体的には次に述べる(C−a)〜(C−d)の方法などを挙げることができる。
【0065】
なお、上記の水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、後述する(D−a)〜(D−i)の方法により得ることができる。
(C−a)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基に、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基を作用させた後に、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
【0066】
(C−b)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体とアリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物とを反応させる方法。
(C−c)ピリジン等の塩基存在下、水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体を(メタ)アクリル酸クロリド等のアルケニル基含有酸ハロゲン化物と反応させる方法。
【0067】
(C−d)酸触媒の存在下、水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体とアクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸とを反応させる方法。
(C)の方法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の製造方法は以下に示す(D−a)〜(D−f)のような方法が例示されるが、これらの方法に限定されるものではない。
(D−a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、下記一般式(17)等で表される一分子中に重合性のアルケニル基および水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
2C=C(R1)−R8−R9−OH (17)
式中、R1、R8およびR9は上述したものと同様である。
【0068】
なお、一分子中に重合性のアルケニル基および水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(D−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
【0069】
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(18)に示される化合物等が挙げられる。
2C=C(R1)−R10−OH(18)
式中、R1およびR10は上述したものと同様である。
上記一般式(18)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
(D−c)特開平4−132706号公報などに開示されるような方法で、原子移動ラジカル重合により得られる一般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを、加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
(D−d)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(19)に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
+-(R6)(R7)−R5−OH (19)
式中、R5、R6およびR7は上述したものと同様である。
【0070】
(D−e)原子移動ラジカル重合により得られる一般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
(D−f)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般式(20)等で表される水酸基含有オキシアニオン又は下記一般式(21)等で表される水酸基含有カルボキシレートアニオンを反応させて、上記ハロゲンを水酸基含有置換基に置換する方法。
HO−R5−O-+ (20)
式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様である。
HO−R5−C(O)O-+ (21)
式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様である。
【0071】
本発明では(D−a)〜(D−b)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合、制御がより容易である点から(D−b)の方法がさらに好ましい。
また(D−c)〜(D−f)のような一般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する場合は、制御がより容易である点から(D−f)の方法がさらに好ましい。
[(B)成分のヒドロシリル基含有化合物について]
(B)成分のヒドロシリル基含有化合物としては特に制限はなく、各種のものを用いることができる。すなわち、一般式(22)または(23)で表される鎖状ポリシロキサン;
18 3SiO−[Si(R182O]a−[Si(H)(R19)O]b−[Si(R19)(R20)O]c−SiR18 3 (22)
HR18 2SiO−[Si(R182O]a−[Si(H)(R19)O]b−[Si(R19)(R20)O]c−SiR18 2H (23)
式中、R18およびR19は炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、R20は炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基を示す。aは0≦a≦100、bは2≦b≦100、cは0≦c≦100を満たす整数を示す。
一般式(24)で表される環状シロキサン;
【0072】
【化3】
Figure 0003762113
【0073】
式中、R21およびR22は炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、R23は炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基を示す。dは0≦d≦8、eは2≦e≦10、fは0≦f≦8の整数を表し、かつ3≦d+e+f≦10を満たす。
等の化合物を用いることができる。
【0074】
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもかまわない。これらのシロキサンの中でも(メタ)アクリル系重合体との相溶性の観点から、フェニル基を有する下記一般式(25)、(26)で表される鎖状シロキサンや、一般式(27)、(28)で表される環状シロキサンが好ましい。
(CH33SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(C652O]h−Si(CH33 (25)
(CH33SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(CH3){CH2C(H)(R24)C65}O]h−Si(CH33 (26)
式中、R24は水素またはメチル基を示す。gは2≦g≦100、hは0≦h≦100の整数を示す。C65はフェニル基を示す。
【0075】
【化4】
Figure 0003762113
【0076】
式中、R24は水素、またはメチル基を示す。iは2≦i≦10、jは0≦j≦8、かつ3≦i+j≦10を満たす整数を示す。C65はフェニル基を示す。
(B)成分の少なくとも1個のヒドロシリル基を有する化合物としてはさらに、分子中に2個以上のアルケニル基を有する低分子化合物に対し、一般式(22)から(28)に表されるヒドロシリル基含有化合物を、反応後にも一部のヒドロシリル基が残るようにして付加反応させて得られる化合物を用いることもできる。分子中に2個以上のアルケニル基を有する化合物としては、各種のものを用いることができる。例示するならば、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン等の炭化水素系化合物、O,O’−ジアリルビスフェノールA、3,3’−ジアリルビスフェノールA等のエーテル系化合物、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート等のエステル系化合物、ジエチレングリコールジアリルカーボネート等のカーボネート系化合物が挙げられる。
【0077】
上記一般式(22)から(28)に示した過剰量のヒドロシリル基含有化合物に対し、ヒドロシリル化触媒の存在下、上に挙げたアルケニル基含有化合物をゆっくり滴下することにより該化合物を得ることができる。このような化合物のうち、原料の入手容易性、過剰に用いたシロキサンの除去のしやすさ、さらには(A)成分の重合体への相溶性を考慮して、下記のものが好ましい。
【0078】
【化5】
Figure 0003762113
【0079】
[硬化物の作成方法]
重合体(A)と硬化剤(B)は任意の割合で混合することができるが、硬化性の面から、アルケニル基とヒドロシリル基のモル比が5〜0.2の範囲にあることが好ましく、さらに、2.5〜0.4であることが特に好ましい。モル比が5以上になると硬化が不十分でべとつきのある強度の小さい硬化物しか得られず、また、0.2より小さいと、硬化後も硬化物中に活性なヒドロシリル基が大量に残るので、クラック、ボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が得られない。
【0080】
重合体(A)と硬化剤(B)との硬化反応は、2成分を混合して加熱することにより進行するが、反応をより迅速に進めるために、ヒドロシリル化触媒を添加することができる。このようなヒドロシリル化触媒としては特に限定されず、例えば、有機過酸化物やアゾ化合物等のラジカル開始剤、および遷移金属触媒が挙げられる。
【0081】
ラジカル開始剤としては特に限定されず、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)イソプロピルベンゼンのようなジアルキルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、m−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド、過安息香酸−t−ブチルのような過酸エステル、過ジ炭酸ジイソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシルのようなペルオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなペルオキシケタール等を挙げることができる。
【0082】
また、遷移金属触媒としても特に限定されず、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもかまわない。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分のアルケニル基1molに対し、10-1〜10-8molの範囲で用いるのが良く、好ましくは10-3〜10-6molの範囲で用いるのがよい。10-8molより少ないと硬化が十分に進行しない。またヒドロシリル化触媒は高価であるので10-1mol以上用いないのが好ましい。
【0083】
本発明の電気、電子部品材料用組成物には、物性を調整するために各種の添加剤、例えば、老化防止材、可塑剤、物性調整剤、溶剤などを配合してもよい。
ビニル系重合体は本来、耐久性に優れた重合体であるので、老化防止剤は必ずしも必要ではないが、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤を適宜用いることができる。
【0084】
可塑剤としては物性の調整、性状の調節等の目的により、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油等を単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
【0085】
溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。それらの溶剤は重合体の製造時に用いてもよい。
また、本発明の電気、電子部品材料用組成物には、各種支持体(プラスチックフィルム、紙等)に対する接着性を向上させるために各種接着性改良剤を配合できる。接着性改良剤としては特に限定されず、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。
【0086】
硬化条件については特に制限はないが、一般に0℃〜200℃、好ましくは30℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜150℃で硬化させるのがよい。これにより短時間で電気、電子部品材料用を得ることができる。
以下に本発明を実施例に基づき説明するが、下記実施例に限定されるものではない。
【0087】
【実施例】
(製造例1)
還流管付き500mL三つ口フラスコで、触媒として臭化第一銅(1.50g、10.5mmol)、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン(1.65mL)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(9.42g、26.2mol)、溶媒としてアセトニトリル(30mL)を用いて、アクリル酸−n−ブチル(300mL)を窒素雰囲気下70℃で重合し、アクリル酸−n−ブチルの重合率が93%の時点で、1,7−オクタジエン(38.6mL,0.261mol)を添加し、同温度で加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナのカラムを通して触媒を除き、揮発分を減圧留去することにより、末端にアルケニル基を有する重合体を得た。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により13800、分子量分布は1.28であった。オリゴマ−1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、1.84個であった。
(参考製造例1)アルケニル基を有するカルボン酸塩の製造
メタノ−ル(245mL)に4−ペンテン酸(49g、0.489mol)、カリウム−tert−ブトキシド(54.9g、0.489mol)を仕込み、0℃で撹拌した。揮発分を減圧下留去することにより下式に示すペンテン酸カリウム塩を得た。
CH2=CH−(CH22−CO2 -+
(製造例2)
還流管付き500mL三つ口フラスコで、触媒として臭化第一銅(1.50g、10.5mmol)、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン(0.69mL)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(9.42g、26.2mol)、溶媒としてアセトニトリル(30mL)を用いて、アクリル酸−n−ブチル(300mL)を窒素雰囲気下70℃で重合し、末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を得た。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により11300、分子量分布は1.16であった。
【0088】
上記重合体(5.0g)、参考製造例1のペンテン酸カリウム塩(0.12、8.7mmol)及び、ジメチルアセトアミド(10mL)を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で6時間反応させた。混合物の揮発分を減圧留去した後、酢酸エチルを加えて不溶分を濾別した。濾液の揮発分を減圧留去することにより、末端にアルケニル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)4.8gを得た。オリゴマ−1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、1.84個であった。
(実施例1)
製造例1で得られたアルケニル基を少なくとも1個有する重合体を珪酸アルミ(協和化学製、キョーワード700PEL)で処理し、重合体中の微量不純物を除去した。
【0089】
次に、精製されたポリ(アクリル酸−n−ブチル)と、多価ハイドロジェンシリコン化合物(平均組成式:(CH33Si(OSi(CH3)(CH2CH(CH3)C65))1.5(OSi(CH3)H)6OSi(CH33)および白金触媒(0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(8.3×10-8mol/Lキシレン溶液))をよく混合した(SiH基とアルケニル基のモル比=1.5、白金原子とアルケニル基のモル比=7×10-5)。
【0090】
このようにして得られた組成物の一部を130℃のホットプレート上にて硬化試験を行い、ゲル化時間を測定した。ゲル化時間は26秒であった。
(実施例2)
製造例1で得られたアルケニル基を少なくとも1個有する重合体を用いる替わり、製造例2で得られたアルケニル基を少なくとも1個有する重合体を用いた他は、実施例1と同様にしてゲル化時間を測定した。ゲル化時間は26秒であった。また、残りの組成物を減圧下に脱気し、型枠に流し込んで加熱硬化させ、100℃に加熱し、ゴム状の硬化物を得た。硬化物をトルエンに24時間浸漬し、前後の重量変化からそのゲル分率を測定した。ゲル分率は90%であった。
【0091】
【発明の効果】
本発明の電気、電子部品材料用組成物は、主成分であるアルケニル基を有するビニル系重合体の分子量分布が狭いので低粘度であり、取り扱い性の良い組成物が得られる。またアルケニル基の導入率が高いので高ゲル分の硬化物が得られ、速硬化でもある。硬化により得られた電気、電子部品材料は、電気特性、耐熱性、耐候性および耐水性などに優れる。

Claims (7)

  1. 以下の2成分:
    (A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体、
    CH=C(R)− (1)
    式中、Rは水素またはメチル基を示す。
    (B)ヒドロシリル基含有化合物、
    を必須成分とする電気、電子部品材料用組成物であって、
    前記(A)成分が、
    以下の工程:
    (1)ビニル系モノマーをリビングラジカル重合法により重合することにより、ビニル系重合体を製造し、
    (2)続いて、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン又は1,9−デカジエンを反応させる;
    により得られるビニル系重合体である
    電気、電子部品材料用組成物(ただし、ローラ用組成物を除く)。
  2. 以下の2成分:
    (A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体、
    CH=C(R)− (1)
    式中、Rは水素またはメチル基を示す。
    (B)ヒドロシリル基含有化合物、
    を必須成分とする電気、電子部品材料用組成物であって、
    前記(A)成分が、
    一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、アルケニル基含有オキシアニオン又はアルケニル基含有カルボキシレートアニオンを反応させて、上記ハロゲンをアルケニル基含有置換基に置換する方法;
    −C(R)(R)(X) (2)
    式中、RおよびRはビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を示す。Xは塩素、臭素またはヨウ素を示す。
    により得られるビニル系重合体である
    電気、電子部品材料用組成物(ただし、ローラ用組成物を除く)。
  3. (A)成分のビニル系重合体の分子量分布が1.8未満である請求項1又は2記載の電気、電子部品材料用組成物。
  4. (A)成分のビニル系重合体が(メタ)アクリル系重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気、電子部品材料用組成物。
  5. (A)成分のビニル系重合体が原子移動ラジカル重合法により製造されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気、電子部品材料用組成物。
  6. 半導体封止用樹脂、回転用含浸樹脂、絶縁用ワニス、プリント配線基板用絶縁材料、プリント配線基板用含浸樹脂、電子部品用コーティング剤、電気、電子部品用接着剤、又は、電子部品放熱用コンパウンドに用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気、電子部品材料用組成物。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の電気、電子部品材料用組成物を硬化させてなる電気、電子部品材料。
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