JP2006183062A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式1で示されるアルケニル基を末端に有するビニル系重合体、
CH2=C(R1)− (1)
(R1は水素、またはメチル基)
ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とする組成物。上記ビニル系重合体はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比の値が1.8未満の値であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
(A)一般式1に示すアルケニル基を末端に有する(メタ)アクリル系重合体、
CH2=C(R1)− (1)
(上記式中、R2は水素またはメチル基)
(B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とする硬化性組成物である。
(A)成分のビニル系重合体は以下の工程:
(1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合することにより、一般式2に示す末端にハロゲン原子を有するビニル系重合体を製造し、
−C(R2)(R3)(X) (2)
(上記式中、R2、R3はビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を表す。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。)
(2)前記重合体の末端ハロゲンを一般式1のアルケニル基に変換する;
ことにより製造される。
以下に本発明を詳述する。
(A)一般式1に示すアルケニル基を末端に有するビニル系重合体、
CH2=C(R1)− (1)
(上記式中、R1は水素またはメチル基)
(B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とするものである。
以下に、本発明の硬化性組成物について詳述する。
(A)成分のビニル系重合体の架橋性基である、一般式1のアルケニル基を具体的に記述すると、まず一般式3
CH2=C(R1)−R4−O− (3)
(上記式中、R1は上記に同じ、R4は、直接結合または炭素数1〜20の2価の有機基であり、1個以上のエーテル結合を含有していてもよい)
で示されるエーテル結合を有する基が挙げられる。
R4としては、例えば
−(CH2)n−、(nは0〜20の整数)、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−;−CH2OCH2CH2−、−CH2OCH2CH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OCH2CH2CH2−;o−,m−,p−C6H4−、o−,m−,p−CH2−C6H4−、o−,m−,p−CH2−C6H4−CH2−
等が挙げられる。
CH2=C(R1)−R4−OC(O)− (4)
CH2=C(R1)−R4−C(O)O− (5)
(式中、R1、R4は上記に同じ)
で示されるエステル結合を有する基が挙げられる。R4としては既述したものをすべて好適に用いることができる。
CH2=C(R1)−R5− (6)
(式中、R1は上記に同じ、R5は、直接結合または炭素数1〜20の2価の炭化水素基)
で示される炭化水素系の基が挙げられる。R5としては−(CH2)n−(nは0〜10の整数)、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−等が例示される。
CH2=C(R1)−R4−OC(O)O− (7)
(式中、R1、R4は上記に同じ)
で示されるカーボネート結合を有する基が挙げられる。
また、式8で示される電子吸引基を有する基も式(1)のアルケニル基の具体例として例示される。
CH2=C(R1)−R4−C(R6)(R7)− (8)
(式中、R1、R4は上記に同じ、R6、R7はともにカルバニオンC−を安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基)
R6、R7は少なくとも一方がカルバニオンを安定化する電子吸引基であるが、その具体例としては、−CO2R(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−CON(R2)(アミド基)、−COSR(チオエステル基)、−CN(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等が挙げられる。置換基Rは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基である。R6、R7としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好ましい。
一般式1のアルケニル基を末端に有するビニル系重合体は、既に述べた方法により得ることができるが、本発明においては、以下の工程:
(A)成分のビニル系重合体は以下の工程:
(1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合することにより、一般式2に示す末端構造を有するビニル系重合体を製造し、
−C(R2)(R3)(X) (2)
(上記式中、R2、R3はビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を表す。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。)
(2)前記重合体の末端基Xを一般式1に示すアルケニル基を含有するような置換基に変換する;ことを特徴とする製造法を用いる。
この重合法を用いて架橋性のビニル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用いられる。それらの具体例としては、
o−,m−,p−XCH2−C6H4−CH2X、o−,m−,p−CH3C(H)(X)−C6H4−C(H)(X)CH3、o−,m−,p−(CH3)2C(X)−C6H4−C(X)(CH3)2
(ただし、上の式中、C6H4はフェニレン基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
RO2C−C(H)(X)−(CH2)n−C(H)(X)−CO2R、RO2C−C(CH3)(X)−(CH2)n−C(CH3)(X)−CO2R、RC(O)−C(H)(X)−(CH2)n−C(H)(X)−C(O)R、RC(O)−C(CH3)(X)−(CH2)n−C(CH3)(X)−C(O)R
(上記式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基またはアラルキル基、nは0〜20の整数、Xは塩素、臭素、ヨウ素)
XCH2−C(O)−CH2X、H3C−C(H)(X)−C(O)−C(H)(X)−CH3、(H3C)2C(X)−C(O)−C(X)(CH3)2、C6H5C(H)(X)−(CH2)n−C(H)(X)C6H5
(上式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素、nは0〜20の整数)
XCH2CO2−(CH2)n−OCOCH2X、CH3C(H)(X)CO2−(CH2)n−OCOC(H)(X)CH3、(CH3)2C(X)CO2−(CH2)n−OCOC(X)(CH3)2
(上の式中、nは1〜20の整数)
XCH2C(O)C(O)CH2X、CH3C(H)(X)C(O)C(O)C(H)(X)CH3、(CH3)2C(X)C(O)C(O)C(X)(CH3)2、o−,m−,p−XCH2CO2−C6H4−OCOCH2X、o−,m−,p−CH3C(H)(X)CO2−C6H4−OCOC(H)(X)CH3、o−,m−,p−(CH3)2C(X)CO2−C6H4−OCOC(X)(CH3)2、o−,m−,p−XSO2−C6H4−SO2X
(上式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
例えば、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合することによって、一般式2で示す末端構造を有するビニル系重合体を製造し、さらに、重合性のアルケニル基とそれ以外の少なくとも1つのアルケニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法が挙げられる。重合性のアルケニル基とそれ以外の少なくとも1つのアルケニル基を併せ持つ化合物としては特に制限はないが、例えば、一般式9
H2C=C(R1)−R8−R9−C(R1)=CH2 (9)
(式中、R1は水素またはメチル基で、互いに同一でも異なっていてもよい、R8は−C(O)O−(エステル基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R9は直接結合または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
で示される化合物が挙げられる。R8がエステル基のものは(メタ)アクリレート系化合物、R8がフェニレン基のものはスチレン系の化合物である。一般式9におけるR9としては、メチレン、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;o−,m−,p−フェニレン基;ベンジル基等のアラルキル基;−CH2CH2−O−CH2−や−O−CH2−等のエーテル結合を含むアルキレン基等が例示される。
H2C=C(H)C(O)O(CH2)n−CH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2)n−CH=CH2
(上記の各式において、nは0〜20の整数)
H2C=C(H)C(O)O(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2
(上記の各式において、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o−,m−,p−ジビニルベンゼン、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−OCH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−OCH2−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−OCH2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−CH2C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−CH2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−OCH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−OCH2−C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6H4−OCH2CH2CH=CH2
(ただし、上記化学式中、C6H4はフェニレン基を示す。)
が好ましい。
H2C=C(R1)−R−C(R1)=CH2 (10)
(式中、R1は水素またはメチル基で、互いに同一でも異なっていてもよい、Rは炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
一般式10に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましい。
H2C=C(R10)C(R11)(R12)Sn(R13)3 (11)
(式中、R10、R11、R12は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または炭素数7〜10のアラルキル基で互いに同じでも異なっていてもよい。R13は、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基)
式11の有機錫化合物の具体例を示すならば、アリルトリブチル錫、アリルトリメチル錫、アリルトリ(n−オクチル)錫、アリルトリ(シクロヘキシル)錫等が例示される。
式(2)の末端にハロゲンを有する重合体に、一般式12のアルケニル基を有する安定化カルバニオンを作用させることによっても、末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を得ることができる。
M+C−(R6)(R7)−R4−C(R1)=CH2 (12)
(式中、R1、R4、R6、R7は上記に同じ、M+はアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオン)
R6、R7は既に例示したように、少なくとも一方がカルバニオンを安定化する電子吸引基であり、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好ましい。また、M+はカルバニオンの対カチオンであり、アルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオンが例示される。アルカリ金属イオンとしてはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが、また、4級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
一般式12のカルバニオンの前駆化合物としては以下のような化合物:
H2C=CH−CH(CO2CH3)2、H2C=CH−CH(CO2C2H5)2、H2C=CH−(CH2)nCH(CO2CH3)2、H2C=CH−(CH2)nCH(CO2C2H5)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(CO2CH3)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(CO2C2H5)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(CO2CH3)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(CO2C2H5)2、H2C=CH−CH(C(O)CH3)(CO2C2H5)、H2C=CH−(CH2)nCH(C(O)CH3)(CO2C2H5)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(C(O)CH3)(CO2C2H5)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(C(O)CH3)(CO2C2H5)、H2C=CH−CH(C(O)CH3)2、H2C=CH−(CH2)nCH(C(O)CH3)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(C(O)CH3)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(C(O)CH3)2、H2C=CH−CH(CN)(CO2C2H5)、H2C=CH−(CH2)nCH(CN)(CO2C2H5)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(CN)(CO2C2H5)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(CN)(CO2C2H5)、H2C=CH−CH(CN)2、H2C=CH−(CH2)nCH(CN)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(CN)2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(CN)2、H2C=CH−(CH2)nNO2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2NO2、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH2NO2、H2C=CH−CH(C6H5)(CO2C2H5)、H2C=CH−(CH2)nCH(C6H5)(CO2C2H5)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH(C6H5)(CO2C2H5)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2CH(C6H5)(CO2C2H5)
(上記式中、nは1〜10の整数)
が例示される。
ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の金属アルコキシド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリチウム、エチルリチウム等の水素化物;n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の有機金属;アンモニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン;テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン等のポリアミン;ピリジン、ピコリン等のピリジン系化合物等が例示される。塩基性化合物の使用量は前駆物質に対して等量または小過剰量用いればよく、好ましくは1〜1.2当量である。
アルケニル基を導入する方法として、式13に示すアルケニル基を有するオキシアニオンを反応させてもよい。
M+O−−R4−C(R1)=CH2 (13)
(式中、R1、R4、M+は前記に同じ)
一般式(13)のオキシアニオンの前駆化合物としては以下のような化合物:
H2C=CH−CH2−OH、H2C=CH−CH(CH3)−OH、H2C=C(CH3)−CH2−OH、H2C=CH−(CH2)n−OH(nは、2〜20の整数を表す。)、H2C=CH−CH2−O−(CH2)2−OH、H2C=CH−C(O)O−(CH2)2−OH、H2C=C(CH3)−C(O)O−(CH2)2−OH、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−CH2−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C6H4−CH2−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C6H4−CH2−OH等のアルコール性水酸基含有化合物;o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C6H4−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C6H4−OH等のフェノール性水酸基含有化合物;H2C=CH−C(O)−OH、H2C=C(CH3)−C(O)−OH、H2C=CH−CH2−C(O)−OH、H2C=CH−(CH2)n−C(O)−OH(nは、2〜20の整数を表す。)、H2C=CH−(CH2)n−OC(O)−(CH2)m−C(O)−OH(m及びnは、同一又は異なって、0〜19の整数を表す。)、o−,m−,p−H2C=CH−C6H4−C(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C6H4−C(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C6H4−C(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−(CH2)n−OC(O)−C6H4−C(O)−OH(nは、0〜13の整数を表す。)等のカルボキシル基含有化合物、等が挙げられる。
R14R15C(X)−R16−R9−C(R1)=CH2 (14)
(式中、R1、R9、Xは上記に同じ、R14、R15は水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または他端において相互に連結したもの、R15は−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基)
一般式14で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式15で示される化合物が挙げられる。
(式中、R1、R9、R14、R15、Xは上記に同じ、R17は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
R9は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R17としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R9が直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R17としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C2H5、CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC(H)(X)CH2C6H5、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R、CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R、CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H4−SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C6H4−SO2X
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ピナコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、3,3’−(エチレンジオキシ)ジフェノール、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール等のポリオール;および、上記ポリオール化合物のアルカリ金属塩;
エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、α,α’−ジアミノ−p−キシレン等のポリアミン;および上記ポリアミン化合物のアルカリ金属塩;
シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸等のポリカルボン酸;および上記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩;
1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、p−キシレン−α,α’−ジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、等のポリチオール;および、上記ポリチオール化合物のアルカリ金属塩;
硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム;等である。
(B)成分のヒドロシリル基含有化合物としては特に制限はなく、各種のものを用いることができる。すなわち、一般式16または17で表される鎖状ポリシロキサン
R18 3SiO−[Si(R18)2O]a−[Si(H)(R19)O]b−[Si(R19)(R20)O]c−SiR18 3 (16)
HR18 2SiO−[Si(R18)2O]a−[Si(H)(R19)O]b−[Si(R19)(R20)O]c−SiR18 2H (17)
(式中R18およびR19は炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、R20は炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基、aは0≦a≦100、bは2≦b≦100、cは0≦c≦100の整数を示す)、
一般式18で表される環状シロキサン
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもかまわない。これらのシロキサンの中でも(メタ)アクリル系重合体との相溶性の観点から、フェニル基を有する、一般式19、20で示される鎖状シロキサンや、一般式21、22で示される環状シロキサンが好ましい。
(CH3)3SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(C6H5)2O]h−Si(CH3)3 (19)
(CH3)3SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(CH3){CH2C(H)(R24)C6H5}O]h−Si(CH3)3 (20)
(式中、R24は水素またはメチル基、gは2≦g≦100、hは0≦h≦100の整数、C6H5はフェニル基を示す)
(B)成分の少なくともヒドロシリル基を有する化合物としてはさらに、分子中に2個以上のアルケニル基を有する低分子化合物に対し、式16〜22に示したヒドロシリル基含有化合物を、反応後にも一部のヒドロシリル基が残るようにして付加反応させて得られる化合物を用いることもできる。分子中に2個以上のアルケニル基を有する化合物としては、各種のものを用いることができる。例示するならば、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン等の炭化水素系化合物、O,O’−ジアリルビスフェノールA、3,3’−ジアリルビスフェノールA等のエーテル系化合物、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート等のエステル系化合物、ジエチレングリコールジアリルカーボネート等のカーボネート系化合物が挙げられる。
重合体(A)と硬化剤(B)は任意の割合で混合することができるが、硬化性の面から、アルケニル基とヒドロシリル基のモル比が5〜0.2の範囲にあることが好ましく、さらに、2.5〜0.4であることが特に好ましい。モル比が5以上になると硬化が不十分でべとつきのある強度の小さい硬化物しか得られず、また、0.2より小さいと、硬化後も硬化物中に活性なヒドロシリル基が大量に残るので、クラック、ボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が得られない。
ラジカル開始剤としては特に制限はなく各種のものを用いることができる。例示するならば、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)イソプロピルベンゼンのようなジアルキルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、m−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド、過安息香酸−t−ブチルのような過酸エステル、過ジ炭酸ジイソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシルのようなペルオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなペルオキシケタール等が挙げられる。
本組成物から得られる硬化物の具体的な用途を挙げるならば、シーリング材、接着剤、粘着材、弾性接着剤、塗料、粉体塗料、発泡体、電気電子用ポッティング材、フィルム、ガスケット、各種成形材料、人工大理石等である。
撹拌機、温度計、還流冷却管、ディーンスターク管を取り付けた三つ口フラスコに、メタクリル酸(137.7g、1.6mol)、エチレングリコールモノアリルエーテル(80.7g、0.8mol)、p−トルエンスルホン酸(0.76g、4.0mmol)、およびトルエン(650mL)を仕込んだ。120℃で5時間反応させた後、p−トルエンスルホン酸を0.12g追加し、さらに同じ温度で6時間反応させ、p−トルエンスルホン酸を0.1g追加した。同じ温度でさらに9時間反応させて反応を終了した。この間、液体クロマトグラフィーでメタクリル酸とエチレングリコールモノアリルエーテルを追跡し、転化率は最終的に98%に達した。NaHCO3水溶液を加えて中和し、2層を分離した。水層をトルエンで1回抽出し、有機層をCaCl2で乾燥した後、揮発分を減圧下留去した。粗生成物を減圧蒸留する(60℃、2mmHg)ことにより、下式に示す2−アリロキシエチルメタクリレートを98.7g得た(収率73%)。
H2C=C(CH3)CO2(CH2)2OCH2CH=CH2
50mLの2口フラスコを窒素置換し、2−アリルオキシエタノール(2.5mL、23.4mmol)、ピリジン(3mL)、およびTHF(10mL)を仕込んだ。溶液を0℃に冷却し、2−ブロモプロピオン酸クロライド(2mL、19.52mmol)をゆっくり滴下した。そのままの温度で1時間撹拌を続けた後、酢酸エチル(10mL)を加え、生成したピリジンの塩酸塩を濾過により除去した。濾液を希塩酸(10mL)、NaHCO3水溶液(10mL)、さらにブライン(10mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧化留去した。得られた粗生成物を減圧蒸留することにより、下式に示すアリルオキシエチル−2−ブロモプロピオネートを得た。(78.5〜81℃(1.3mmHg)、2.986g)。
CH3C(H)(Br)C(O)O−CH2CH2−O−CH2CH=CH2
窒素雰囲気下、エチレングリコール(10.9mL、195mmol)とピリジン(3g、39mmol)のTHF溶液(10mL)に2−ブロモプロピオン酸クロライド(2mL、3.35g、19.5mmol)を0℃でゆっくり滴下した。そのままの温度で溶液を2時間撹拌した。希塩酸(20mL)と酢酸エチル(30mL)を加え、2層を分離した。有機層を希塩酸、およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した後、揮発分を減圧下留去し、粗成生物を得た(3.07g)。この粗生成物を減圧蒸留することにより(70〜73℃、0.5mmHg)、下式に示す、ヒドロキシエチル−2−ブロモプロピオネートを得た(2.14g、56%)。
CH3C(H)(Br)C(O)O(CH2)2−OH
水酸化カリウムの1/2Nエタノ−ル溶液(200mL)にウンデシレン酸(18.8g、0.102mol)を撹拌しながら0℃でゆっくり滴下した。揮発分を減圧下留去することにより粗生成物を得た。粗生成物をアセトンで洗浄後、減圧下加熱することにより下式に示すウンデシレン酸のカリウム塩の白色固体を得た(8.88g、収率88%)。
CH2=CH−(CH2)8−CO2 −K+
メタノ−ル(245mL)に4−ペンテン酸(49g、0.489mol)、カリウム−tert−ブトキシド(54.9g、0.489mol)を仕込み、0℃で撹拌した。揮発分を減圧下留去することにより下式に示すペンテン酸カリウム塩を得た。
CH2=CH−(CH2)2−CO2 −K+
30mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(2.5mL、2.24g、17.45mmol)、α,α’−ジブロモ−p−キシレン(92.5mg、0.35mmol)、臭化第一銅(50mg、0.35mmol)、2,2’−ビピリジル(163mg、1.05mmol)、および酢酸エチル(2mL)、アセトニトリル(0.5mL)を仕込み、窒素ガスを10分間吹き込んで溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、1時間反応させた。室温に冷却した後、製造例1で製造された2−アリロキシエチルメタクリレート(600mg、3.5mmol)を窒素ガス雰囲気下で添加して封管した。混合物を80℃に加熱し、1時間反応させた。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去し、末端にアルケニル基を有するポリアクリル酸−n−ブチルを1.97g得た(重合収率88%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により6700、分子量分布は1.60であった。また、オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、5.4個であった。
製造例6において、アクリル酸−n−ブチルのかわりにアクリル酸メチルを使用する以外は同様にして、末端にアルケニル基を有するポリ(アクリル酸メチル)を得た(収率93%)。重合体の数平均分子量はGPC測定により(ポリスチレン換算)により7900、分子量分布は2.0であった。また、オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より平均3.3個であった。
50mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(10mL、8.94g、69.8mmol)、α,α’−ジブロモ−p−キシレン(370mg、1.4mmol)、臭化第一銅(200mg、1.4mmol)、2,2’−ビピリジル(433mg、2.8mmol)、およびメチルイソブチルケトン(10mL)を仕込み、窒素ガスを10分間吹き込んで溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、20分反応させた。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去し、末端に臭素を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を5.21g得た(58%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により3700、分子量分布は1.41であった。
還流管付き500mL三つ口フラスコで、触媒として臭化第一銅(1.50g、10.5mmol)、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン(1.65mL)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(9.42g、26.2mol)、溶媒としてアセトニトリル(30mL)を用いて、アクリル酸−n−ブチル(300mL)を窒素雰囲気下70℃で重合し、アクリル酸−n−ブチルの重合率が93%の時点で、1,7−オクタジエン(38.6mL,0.261mol)を添加し、同温度で加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナのカラムを通して触媒を除き、揮発分を減圧留去することにより、末端にアルケニル基を有する重合体を得た。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により13800、分子量分布は1.28であった。オリゴマ−1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、1.84個であった。
30mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(7.5mL、6.72g、51.3mmol)、α,α’ −ジブロモ−p−キシレン(270mg、1.03mmol)、臭化第一銅(150mg、1.03mmol)、2,2’ −ビピリジル(322mg、2.06mmol)、酢酸エチル(6mL)、及び、アセトニトリル(1.5mL)を仕込み、窒素ガスを10分間吹き込んで溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、1.5時間反応させた。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去し、末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を5.0g得た(重合収率75%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により5600、分子量分布は1.32であった。
製造例10と同様にして、触媒として臭化第一銅(1.50g、10.5mmol)、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン(0.69mL)、開始剤としてジエチル−2,5−ジブロモアジペート(9.42g、26.2mol)、溶媒としてアセトニトリル(30mL)を用いて、アクリル酸−n−ブチル(300mL)を窒素雰囲気下70℃で重合し、末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を得た。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により11300、分子量分布は1.16であった。
30mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(5mL、4.47g、34.9mmol)、α,α’−ジブロモ−p−キシレン(180mg、0.69mmol)、臭化第一銅(98mg、0.69mmol)、2,2’−ビピリジル(319g、2.06mmol)、および酢酸エチル(4mL)、アセトニトリル(1ml)を仕込み、窒素ガスを10分間吹き込んで溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、1時間反応させた。混合物を冷却後、窒素雰囲気下でアリルトリブチル錫(0.51mL、1.64mmol)を添加し、100℃で1時間反応させた。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去し、末端にアルケニル基を有するポリアクリル酸−n−ブチルとブロモトリブチル錫の混合物を得た(収量4.48g)。重合体の数平均分子量はGPC測定により(ポリスチレン換算)により6300、分子量分布は1.57であった。また、オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1HNMR分析より、2.2個であった。
30mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(2.5mL、2.24g、17.45mmol)、上で得られたアルケニル基を有する開始剤(165mg、0.698mmol)、臭化第一銅(100mg、0.698mmol)、2,2’−ビピリジル(218mg、1.40mmol)、アセトニトリル(0.5mL)、酢酸エチル(2mL)を仕込み、窒素ガスを10分間吹き込んで溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、50分反応させた。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去して、片末端にアルケニル基、他の末端には臭素を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を1.90g得た(79%)。重合体の数平均分子量はGPC測定により(ポリスチレン換算)により3600、分子量分布は1.51であった。また、オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、0.75個であった。
30mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸メチル(5mL、4.78g、55.5mmol)、2−メチル−2−ブロモプロピオン酸アリル(0.354mL、460mg、2.22mmol)、臭化第一銅(318mg、2.22mmolmmol)、2,2’−ビピリジル(1.04g、6.66mmol)、アセトニトリル(1mL)、酢酸エチル(4mL)を仕込み、真空脱気を3回行って溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を80℃に加熱し、3時間反応させた。室温に冷却した後、混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去して、片末端にアルケニル基、他の末端には臭素を有するポリ(アクリル酸メチル)を3.93g得た(75%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により2700、分子量分布は1.48であった。また、オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、0.81個であった。
100mLの耐圧ガラス反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(10mL、8.94g、69.8mmol)、製造例5で製造したアルケニル基を有する開始剤(332mg、1.40mmol)、臭化第一銅(200mg、1.40mmol)、2,2’−ビピリジル(433mg、2.80mmol)、アセトニトリル(2mL)、および酢酸エチル(8mL)を仕込み、窒素ガスを10分間吹き込んで溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、1.5時間反応させた。室温に冷却した後、p−ジビニルベンゼン(364mg、2.80mmol)を窒素ガス雰囲気下で添加して封管した。混合物を100℃に加熱し、2時間反応させた。混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、生成した不溶固体をろ過した後、濾液を希塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、揮発分を減圧下留去し、下式に示す両末端にアルケニル基を有するポリアクリル酸−n−ブチルを6.43g得た(69%)。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により3900、分子量分布は5.35であった。また、オリゴマー1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より、1.73個であった。
1Lの耐圧反応容器に、アクリル酸−n−ブチル(112mL、100g、0.78mol)、製造例3で得られた水酸基含有開始剤(3.07g、15.6mmol)、臭化第一銅(2.24g、15.6mmol)、2,2’−ビピリジル(4.87g、31.2mmol)、酢酸エチル(90mL)、アセトニトリル(22mL)を仕込み、窒素バブリングを行って溶存酸素を除去した後、封管した。混合物を130℃に加熱し、2時間反応させた。反応容器を室温にもどし、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(3.92mL、4.06g、31.2mmol)を加え、110℃で2時間反応させた。混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、不溶分を濾別した後、濾液を10%塩酸で2回、ブラインで1回洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、末端に水酸基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)を82g得た。重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により、5100、分子量分布は1.29であった。
製造例6〜16で得られた末端にアルケニル基を有する重合体を珪酸アルミ(協和化学製、キョーワード700PEL)で処理し、重合体中の微量不純物を除去した。
次に、精製されたポリ(アクリル酸エステル)と、多価ハイドロジェンシリコン化合物、および、0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体(8.3×10−8mol/Lキシレン溶液)をよく混合した。多価ハイドロジェンシリコン化合物として、下記に示す化合物(S−1、S−2)、もしくはα−メチルスチレンで一部変性したメチルハイドロジェンシロキサン(S−3:SiH価7.69mmol/g)を用いた。多価ハイドロジェンシリコン化合物の使用量は、重合体のアルケニル基とハイドロジェンシリコン化合物のSiH基がモル比で1/1.2〜1/1.5となる量とした。また、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル基に対して、所定量添加した。
Claims (8)
- 以下の2成分:
(A)一般式1に示すアルケニル基を末端に有するビニル系重合体、
CH2=C(R1)− (1)
(上記式中、R1は水素またはメチル基)
(B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とする硬化性組成物。 - (A)成分が以下の工程:
(1)有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合することにより、一般式2に示す末端にハロゲン原子を有するビニル系重合体を製造し、
−C(R2)(R3)(X) (2)
(上記式中、R2、R3はビニル系モノマーのエチレン性不飽和基に結合した基を表す。Xは塩素、臭素またはヨウ素を表す。)
(2)前記重合体の末端ハロゲンを一般式1のアルケニル基を有する置換基に変換する;
ことにより得られるビニル系重合体である請求項1記載の硬化性組成物。 - ビニル系重合体の主鎖は、(メタ)アクリル酸系モノマーが重合してなるものである請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- (メタ)アクリル酸系モノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーである請求項3記載の硬化性組成物。
- (メタ)アクリル酸エステルモノマーは、アクリル酸エステルモノマーである請求項4記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体の主鎖は、スチレン系モノマーが重合してなるものである請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- (A)成分のビニル系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の値が、1.8未満の値であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の硬化性組成物。
- (A)成分のビニル系重合体は、数平均分子量が、1000〜100,000の範囲にあることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の硬化性組成物。
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