JP3760906B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−26345号公報に開示されているように、2組の三相コイル(X相、Y相、Z相の組とU相、V相、W相の組)が1つの固定子に含まれる場合には、6本の出力用引出線を引き出す必要が生じる。
【0003】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、固定子巻線の出力用引出線周りの構造を工夫した車両用交流発電機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用交流発電機は、回転駆動される回転子と、前記回転子の外周に対向配置された固定子と、前記回転子および前記固定子を支持するフレームとを備える車両用交流発電機において、前記固定子は、それぞれから前記出力用引出線が引き出される複数の多相巻線からなる固定子巻線を有すると共に、一方の多相巻線から引き出される出力用引出線と他方の多相巻線から引き出される出力用引出線が互いに分離するように配置されたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0006】
図1は、車両用交流発電機の全体構成を示す図である。図1に示す車両用交流発電機1は、固定子2、回転子3、フレーム4、整流回路7等を含んで構成されている。
【0007】
固定子2は、固定子鉄心22と、固定子鉄心22に形成された複数のスロット内に有機絶縁皮膜を施したコイル素線を巻装することにより形成される固定子巻線23とを備えている。この固定子巻線23は、一つの多相巻線を一組として、複数組の多相巻線が設けられている。例えば、本実施形態の車両用交流発電機1に含まれる固定子巻線23は、2組の多相巻線としての三相巻線23A、23Bからなっており、これら2組の三相巻線23A、23Bが互いに電気角で30゜異なる位置に巻装されている。一方の三相巻線23Aは、Y結線されたX相コイル、Y相コイル、Z相コイルを含んでいる。また、他方の三相巻線23Bは、Y結線されたU相コイル、V相コイル、W相コイルを含んでいる。固定子鉄心22から軸方向両端部に露出しているコイルエンド群は、スロット間の渡線としての複数のコイルエンドが集合した集合体である。各相は、2本の導体が束ねられて巻装された結果、1スロットに4本の導体が挿入されている。
【0008】
回転子3は、ランデル型のポールコア31と、このポールコア31に装着された界磁巻線32とを有する。ポールコア31は、一対のクローポール33を備えており、各クローポール33は、回転軸34に嵌合固定されたボス部と、ボス部から径方向外側に向けて広がるディスク部と、ディスク部から軸方向に延びる爪状磁極部とを備える。
【0009】
回転子3は、界磁巻線32を一対のクローポール33によって、回転軸34を通して両側から挟み込んだ構造を有している。また、フロント側のクローポール33の端面には、フロント側から吸い込んだ冷却風を軸方向および径方向に吐き出すために軸流式の冷却ファン35が溶接等によって取り付けられている。同様に、リヤ側のクローポール33の端面には、リヤ側から吸い込んだ冷却風を径方向に吐き出すために遠心式の冷却ファン36が溶接等によって取り付けられている。
【0010】
フレーム4は、固定子2および回転子3を収容しており、回転子3が回転軸34を中心に回転可能な状態で支持されているとともに、回転子3のポールコア31の外周側に所定の隙間を介して配置された固定子2が固定されている。フレーム4は、フロントフレーム4Aとリヤフレーム4Bとからなり、これらが複数本の締結ボルト41によって締結されて上述した固定子2等の支持が行われる。また、フレーム4は、固定子鉄心22の軸方向端面から突出した固定子巻線23に対向した部分に冷却風の吐出窓42が、軸方向端面に吸入窓43がそれぞれ設けられている。
【0011】
リヤフレーム4Bの外側には、電圧調整回路6、整流回路7、ブラシ装置8が搭載され、これらを覆うようにリヤカバー5が取り付けられる。
【0012】
整流回路7は、固定子2に含まれる固定子巻線23から引き出される出力用引出線が接続されており、印加される三相交流電圧を三相全波整流して直流電圧に変換する。上述したように固定子巻線23には2組の三相巻線23A、23Bが含まれているため、この整流回路7には2組の三相巻線23A、23Bのそれぞれに対応する2つの整流回路7A、7Bが含まれている。整流回路7の詳細構造については後述する。
【0013】
上述した構造を有する車両用交流発電機1は、ベルト等を介してプーリ20にエンジン(図示せず)からの回転力が伝えられると回転子3が所定方向に回転する。この状態で回転子3の界磁巻線32に外部から励磁電圧を印加することにより、ポールコア31のそれぞれの爪部が励磁され、固定子巻線23に三相交流電圧を発生させることができ、整流回路7の出力端子からは所定の直流電力が取り出される。
【0014】
図2は、本実施形態の車両用交流発電機1の結線図である。上述したように、固定子巻線23には2組の三相巻線23A、23Bが含まれており、それぞれが別々に動作する整流回路7A、7Bに接続されている。具体的には、一方の三相巻線23Aに含まれるX相コイル、Y相コイル、Z相コイルのそれぞれの一方端が出力用引出線として引き出され、整流回路7Aの3つの端子71A、72A、73Aに接続されている。また、一方の三相巻線23Aに含まれるX相コイル、Y相コイル、Z相コイルのそれぞれの他方端が中性点用引出線として引き出され、コイルエンド近傍で互いに接合されて電気的な接続が行われる。同様に、他方の三相巻線23Bに含まれるU相コイル、V相コイル、W相コイルのそれぞれの一方端が出力用引出線として引き出され、整流回路7Bの3つの端子71B、72B、73Bに接続されている。また、他方の三相巻線23Bに含まれるU相コイル、V相コイル、W相コイルのそれぞれの他方端が中性点用引出線として引き出され、コイルエンド近傍で互いに接合されて電気的な接続が行われる。なお、Y型(星型)結線の場合には、上述したように中性点が形成されるため、これを外部に引き出して、中性点出力を設けることができる。
【0015】
図3は、固定子2の平面図であり、リヤ側から見た2組の三相巻線23A、23Bから引き出される出力用引出線あるいは中性点用引出線の詳細が示されている。図3において、X1、Y1、Z1のそれぞれは、一方の三相巻線23AのX相、Y相、Z相コイルのそれぞれから引き出される出力用引出線を示している。また、X2、Y2、Z2のそれぞれは、一方の三相巻線23Aの各相のコイルから引き出される中性点用引出線を示している。X相の出力用引出線X1とY相の出力用引出線Y1は、互いに接近した位置から引き出されており、Z相の出力用引出線Z1のみが隔たった位置から引き出されている。また、X相の中性点用引出線X2は、X相の出力用引出線X1の近傍の位置から引き出されている。Y相の中性点用引出線Y2は、Y相の出力用引出線Y1の近傍の位置から引き出されている。Z相の中性点用引出線Z2は、Z相の出力用引出線Z1の近傍の位置から引き出されている。出力用引出線X1、Y1に対して出力用引出線Z1のみが隔たった位置から引き出されているため、中性点用引出線X2、Y2に対して中性点用引出線Z2も隔たった位置から引き出されており、この隔たった位置に引き出された中性点用引出線Z2を固定子巻線23のコイルエンドに沿って円周方向(図3においては時計回り方向)に引き回すことによって3本の中性点用引出線X2、Y2、Z2を出力用引出線Y1の近傍に集めることができ、これら3本の中性点用引出線X2、Y2、Z2の端部を溶接や半田付けによって接合することによって図2に示す中性点N1が形成される。
【0016】
また、図3において、U1、V1、W1のそれぞれは、他方の三相巻線23BのU相、V相、W相コイルのそれぞれから引き出される出力用引出線を示している。また、U2、V2、W2のそれぞれは、他方の三相巻線23Bの各相のコイルから引き出される中性点用引出線を示している。V相の出力用引出線V1とW相の出力用引出線W1は、互いに接近した位置から引き出されており、U相の出力用引出線U1は、上述した三相巻線23AのZ相の出力用引出線Z1と互いに接近した位置から引き出されている。また、U相の中性点用引出線U2は、U相の出力用引出線U1の近傍の位置から引き出されている。V相の中性点用引出線V2は、V相の出力用引出線V1の近傍の位置から引き出されている。W相の中性点用引出線W2は、W相の出力用引出線W1の近傍の位置から引き出されている。出力用引出線V1、W1に対して出力用引出線U1のみが隔たった位置から引き出されているため、中性点用引出線V2、W2に対して中性点用引出線U2も隔たった位置から引き出されており、この隔たった位置に引き出された中性点用引出線U2を固定子巻線23のコイルエンドに沿って円周方向(図3においては反時計回り方向)に引き回すことによって3本の中性点用引出線U2、V2、W2を出力用引出線V1の近傍に集めることができ、これら3本の中性点用引出線U2、V2、W2の端部を溶接や半田付けによって接合することによって図2に示す中性点N2が形成される。
【0017】
このように、一方の三相巻線23Aから引き出される3本の出力用引出線X1、Y1、Z1を1グループとし、他方の三相巻線23Bから引き出される3本の出力用引出線U1、V1、W1を別の1グループとして、これら2つのグループに含まれる各出力用引出線が互いに分離するようにしているため、これらの各出力用引出線に対応する中性点用引出線も各三相巻線ごとに隔たった位置に配置される。したがって、各三相巻線の3本の中性点用引出線を結線する際に、他の三相巻線に含まれる中性点用引出線が交差することがなく、中性点の結線作業が容易になる。
【0018】
図4は、整流回路7の詳細な構造を示す平面図である。図4に示す整流回路7は、一方の三相巻線23Aに接続された整流回路7Aと、他方の三相巻線23Bに接続された整流回路7Bとが含まれている。この整流回路7は、負極側の放熱フィン74と、この放熱フィン74に接合される複数(例えば6個)の整流素子75−1〜75−6と、正極側の放熱フィン76と、この放熱フィン76に接合される複数(例えば6個)の整流素子77−1〜77−6と、2つの放熱フィン74、76の間の間隔を一定に保つとともに対応する各整流素子と出力用引出線との結線を行う端子台78とを含んで構成されている。上述した複数(例えば合計12個)の整流素子は、整流素子77−1〜77−6からなる正極側素子群と、整流素子75−1〜75−6からなる負極側素子群とを含んでいる。そして、一つの正極側素子と負極側素子とが、ともに1本の出力用引出線に接続されて単相整流回路をなしている。
【0019】
ところで、図4に示した整流回路7は、1組の放熱フィン74、76に接合された合計12個の整流素子75−1〜75−6、77−1〜77−6を用いて2組の三相巻線23A、23Bに対応する整流動作を行っており、機能的には三相巻線23A、23Bのそれぞれに対応した2つの整流回路7A、7Bが含まれている。図3に示したように、反時計回り方向に沿って、一方の三相巻線23Aの出力用引出線X1、Y1、Z1、他方の三相巻線23Bの出力用引出線U1、V1、W1の順に並んでいるため、図4において、放熱フィン74、76のほぼ左半分に含まれる6個の整流素子75−1〜75−3、77−1〜77−3によって一方の三相巻線23Aに対応する整流回路7Aが構成され、放熱フィン74、76のほぼ右半分に含まれる6個の整流素子75−4〜75−6、77−4〜77−6によって他方の三相巻線23Bに対応する整流回路7Bが構成されている。このように、放熱フィン74、76を2つの整流回路7A、7Bで共通に使用することにより、部品点数の低減や省スペース化、温度分布の均一化等が可能になる。
【0020】
また、図4において左側に位置する絶縁保護部79に着目すると、この絶縁保護部79の周方向の一方側に、絶縁保護部79を通して引き出された出力用引出線X1に接続される単相整流回路(77−1、75−1)が配置されている。また、絶縁保護部79の周方向の他方側に、絶縁保護部79を通して引き出された出力用引出線Y1に接続される単相整流回路(77−2、75−2)が配置されている。したがって、絶縁保護部79の周方向の両側に、ほぼ左右対称となるように単相整流回路が配置されている。
【0021】
本実施形態では、全12個の整流素子としてのダイオードが、6組の単相整流回路をなしており、3個の絶縁部材としての絶縁保護部79が配置され、それぞれが2本の出力用引出線を案内するため、ひとつの絶縁保護部79の周方向両側には、2個ずつの整流素子が配置される。したがって、一つの絶縁部材と、2本の出力用引出線と、4個の整流素子とが一つの整流回路の単位となっている。そして、図4に示されるように、3つの単位を周方向に整然と配置することにより、一つの整流回路が構成されている。
【0022】
図5は、整流回路7に含まれる端子台78の部分的な構成を示す正面図であり、固定子2から引き出された2本の出力用引出線を収容する絶縁保護部近傍の詳細が示されている。また、図6はこの絶縁保護部近傍の側面図である。図5に示すように、固定子2から引き出される2本の出力用引出線(例えばX1、Y1)が、端子台78の一部によって形成される絶縁部材としての絶縁保護部79を介して2つの端子(例えば71A、72A)に導かれ、溶接や半田付けによって接合されている。この絶縁保護部79は、2本の出力用引出線X1、Y1の互いの電気絶縁を行うとともに、それぞれとリヤフレーム4Bとの間の電気絶縁を行うためのものであり、2つの出力用引出線X1、X1が互いに分離した状態で収容されている。他の2つの絶縁保護部79も同様の構成を有しており、2つの出力用引出線Z1、U1あるいは2つの出力用引出線V1、W1が収容されている。これら3つの絶縁保護部79のそれぞれは、リヤフレーム4Bの軸方向端面に形成された貫通孔44に挿入される。したがって、各貫通孔44には、多相巻線の組数(本実施形態では二組)に対応した数の引出線が収容される。
【0023】
このように、絶縁部材としての絶縁保護部79は、複数の出力用引出線とリヤフレーム4Bとの間に介在してこれらの間を絶縁するとともに、複数の出力用引出線の相互の間に介在してこれらの間を絶縁する。また、この絶縁保護部79は、一体の柱状あるいは筒状と呼びうる形状を有しており、内部に出力用引出線を収納する引出線収容部80が形成されている。この引出線収容部80は、出力用引出線毎に独立している。例えば、図5に示すように、この引出線収容部80は、出力用引出線が貫通して配置される複数の貫通孔82であり、1つの貫通孔82に1本の出力用引出線が貫通して配置される。この貫通孔82は、固定子2側に向けて次第に広がった開口を有しており、固定子2側からの出力用引出線の挿入が容易になっている。また、端子71A、72Aは、これらの貫通孔82の整流回路7側の開口部に隣接して配置されている。
【0024】
図7は、絶縁保護部79近傍の部分的な断面図である。また、図8は図7に示すP方向から見た図である。図8に示すように、リヤフレーム4Bの軸方向端面には、整流回路7に含まれる絶縁保護部79が挿入される貫通孔44が形成されている。図4に示したように、この絶縁保護部79は、整流回路7全体で3箇所に設けられているため、これらと1対1に対応する3つの貫通孔44がリヤフレーム4Bの軸方向端面に形成されている。
【0025】
図9は、リヤフレーム4Bの詳細形状を示す平面図である。図9に示すように、リヤフレーム4Bには複数の貫通孔としての3個の独立した貫通孔44が形成されている。この貫通孔44の数は、三相巻線23A、23Bの相数に対応している。これら複数の貫通孔44は、同心状に配置されており、それぞれの貫通孔44の間隔は、一部のみが広く、残部がほぼ等間隔になっている。したがって、複数の貫通孔44は、全体として同一円上の一部分に偏って位置している。しかも、全ての貫通孔44は、同一円上であってその円のほぼ半分の領域に偏在して位置している。なお、中性点出力を設ける場合には、貫通孔44の数は、三相巻線23A、23Bの相数よりも1多い数となる。
【0026】
また、図7に示すように、絶縁保護部79に収容される2本の出力用引出線は、リヤ側の冷却ファン36から吐出窓42に向かう冷却風の通路に配置されるため、この2本の出力用引出線を分散せずにまとめて配置することにより、ファン騒音の高次の次数成分を減らすことができる。
【0027】
このように、本実施形態の車両用交流発電機1においては、リヤフレーム4Bに3つの貫通孔44が形成されており、それぞれの貫通孔44には、固定子2から整流回路7に延びる6本の出力用引出線の中の2本ずつがまとめられて収容されている。したがって、各貫通孔44やこれに挿入される整流回路7の絶縁保護部79によって生じる凹凸が少なくなるため、通風抵抗が少なくなって冷却性の向上が可能になる。また、リヤフレーム4Bの冷却ファン36対向面の凹凸が減ることにより、冷却風とこれらの凹凸との干渉音が減るため、ファン騒音の低減が可能になる。さらに、リヤフレーム4Bに形成された貫通孔44や整流回路7の端子台78に形成される絶縁保護部79の数が減ることにより、これらを製造する際に使用される成形型の形状が単純化されるため、型寿命が長くなることによる製造コストを低減も可能になる。
【0028】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、2本の出力用引出線をまとめて1つの絶縁保護部79に収容するようにしたが、3本以上の出力用引出線をまとめるようにしてもよい。また、固定子2に2組の三相巻線23A、23Bが含まれる場合を説明したが、1組の三相巻線のみによって固定子巻線23が形成される場合や、3組以上の三相巻線によって固定子巻線23が形成される場合にも本発明を適用することができる。特に、固定子2に含まれる三相巻線の数が増えると、出力用引出線の数が大幅に増すことになるため、これらの複数本をまとめて絶縁保護部79に収容して、リヤフレーム4Bの1つの貫通孔44を通して整流回路7に対する結線を行うことにより、ファン騒音の低減、冷却風の風量増加、製造コストの低減の効果はさらに大きくなる。また、固定子巻線23を構成する複数の三相巻線は、その一部あるいは全部がΔ結線されたものを用いるようにしてもよい。
【0029】
また、上述した実施形態では、固定子巻線23から引き出される6本の出力用引出線が、各三相巻線23A、23Bのそれぞれ毎にグループ分けされて隔たった位置に配置されるようにしたが、各三相巻線23A、23Bに含まれる3本の出力用引出線の中から互いに電気角が接近しているもの同士を1本ずつ選んで、これらを組にして同一の絶縁保護部79に収容するようにしてもよい。
【0030】
図10は、固定子の変形例を示す平面図であり、電気角が接近した2本の出力用引出線を同一の絶縁保護部79に収容する場合に適した固定子の巻線の状態が示されている。図10において、固定子巻線23のコイルエンドの所定位置から一方の三相巻線23AのX相の出力用引出線X1が引き出されており、その近傍の位置(例えば1スロット分ずれた位置)から他方の三相巻線23BのU相の出力用引出線U1が引き出されている。これら2本の出力用引出線X1、U1は、同一の絶縁保護部79に収容される。また、図10において、出力用引出線X1に対して反時計回り方向にほぼ90°ずれたコイルエンド上の位置から三相巻線23AのY相の出力用引出線Y1が引き出されているとともに、その近傍の位置から他方の三相巻線23BのV相の出力用引出線V1が引き出されており、これら2本の出力用引出線Y1、V1が同一の絶縁保護部79に収容される。同様に、図10において、出力用引出線X1に対して時計回り方向にほぼ90°ずれたコイルエンド上の位置から三相巻線23AのZ相の出力用引出線Z1が引き出されているとともに、その近傍の位置から他方の三相巻線23BのW相の出力用引出線W1が引き出されており、これら2本の出力用引出線Z1、W1が同一の絶縁保護部79に収容される。
【0031】
また、三相巻線23AのY相の中性点用引出線Y2は、出力用引出線Y1の近傍から引き出され、X相の出力用引出線X1の近傍から引き出された中性点用引出線X2の近傍まで、コイルエンドに沿って円周方向(図10においては時計回り方向)に引き回される。同様に、三相巻線23AのZ相の中性点用引出線Z2は、出力用引出線Z1の近傍から引き出され、X相の出力用引出線X1の近傍から引き出された中性点用引出線X2の近傍まで、コイルエンドに沿って円周方向(図10においては反時計回り方向)に引き回される。このようにして3本の中性点用引出線X2、Y2、Z2が出力用引出線X1の近傍に集められ、これらを接合することにより一方の三相巻線23Aの中性点N1が形成される。
【0032】
他方の三相巻線23Bについても同様であり、V相の中性点用引出線V2は、出力用引出線V1の近傍から引き出され、U相の出力用引出線U1の近傍から引き出された中性点用引出線U2の近傍まで、コイルエンドに沿って円周方向(図10においては時計回り方向)に引き回される。同様に、三相巻線23BのW相の中性点用引出線W2は、出力用引出線W1の近傍から引き出され、U相の出力用引出線U1の近傍から引き出された中性点用引出線U2の近傍まで、コイルエンドに沿って円周方向(図10においては反時計回り方向)に引き回される。このようにして3本の中性点用引出線U2、V2、W2が出力用引出線U1の近傍に集められ、これらを接合することにより他方の三相巻線23Bの中性点N2が形成される。
【0033】
このように、同一の絶縁保護部79に収容される2本の出力用引出線に現れる誘起電圧の位相が互いに近くなるように(この場合は30°)、巻線の状態が工夫されており、絶縁保護部79内あるいはその近傍でこれらの引出線が短絡した場合であっても、出力電力が全く得られなくなることはない。
【0034】
また、上述した実施形態では、図3あるいは図10に示したように、互いに接近した位置から引き出された2本の出力用引出線を大きな変形を伴わずに絶縁保護部79に収容するようにしたが、隔たった位置から引き出された2本の出力用引出線の形状を整形することにより、同じ絶縁保護部79に収容するようにしてもよい。
【0035】
図11は、2本の出力用引出線がコイルエンドの比較的離れた位置から引き出された固定子の部分的な側面図である。例えば、図3に示した2本の出力用引出線Z1とU1とが隔たった位置から引き出されている。
【0036】
図12は、図11に示した固定子を図1に示した車両用交流発電機1に適用可能にした出力用引出線の整形状態を示す図である。図12に示す固定子においては、2本の出力用引出線Z1、U1を比較的隔たった位置から引き出し、互いに接近させるように折り曲げた後に、この2本の出力用引出線Z1、U1をほぼ平行に延在させている。このように出力用引出線を引き出した後にその形状を整形するようにすれば、例えば固定子が比較的散在した位置に6本の出力用引出線を有する場合であっても、それらをほぼ3箇所にまとめて配置することができ、固定子の製造工程における扱いが容易になる。例えば、後工程において出力用引出線の形状を整形するため、引出線の変形を防止することができる。また、図3や図10に示すように6本の出力用引出線をほぼ3箇所から引き出すことにより、あるいは、分散して引き出された4本以上の出力用引出線を図12に示したようにクランク状に折り曲げることによって3箇所に集合させることにより、整流回路7との接続の作業性が向上する。特に、図12に示したようにクランク状に出力用引出線を折り曲げる場合には、このクランク状部分において出力用引出線の変形を吸収できる利点もある。
【0037】
また、上述した実施形態では、整流回路7の端子台78の一部を絶縁保護部79としたが、絶縁保護部79を端子台78とは別体の部品としてもよい。また、各出力用引出線と整流回路7の各端子との接続を溶接や半田付け等の接合によって行う場合を説明したが、これらの接続をねじ止め等によって行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態の車両用交流発電機の結線図である。
【図3】固定子の平面図である。
【図4】整流回路の詳細な構造を示す平面図である。
【図5】整流回路に含まれる端子台の絶縁保護部近傍の正面図である。
【図6】整流回路に含まれる端子台の絶縁保護部近傍の側面図である。
【図7】絶縁保護部近傍の部分的な断面図である。
【図8】図7に示すP方向から見た図である。
【図9】リヤフレームの詳細形状を示す平面図である。
【図10】固定子の変形例を示す平面図である。
【図11】固定子の変形例を示す部分的な側面図である。
【図12】固定子の変形例を示す部分的な側面図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機
2 固定子
3 回転子
4 フレーム
7 整流回路
23 固定子巻線
23A、23B 三相巻線
36 冷却ファン
44 貫通孔
79 絶縁保護部
X1、Y1、Z1、U1、V1、W1 出力用引出線

Claims (4)

  1. 回転駆動される回転子と、前記回転子の外周に対向配置された固定子と、前記回転子および前記固定子を支持するフレームとを備える車両用交流発電機において、
    前記固定子は、それぞれから前記出力用引出線が引き出される複数の多相巻線からなる固定子巻線を有すると共に、
    一方の多相巻線から引き出される出力用引出線と他方の多相巻線から引き出される出力用引出線が互いに分離するように配置され、かつ
    前記固定子巻線には2組の三相巻線が含まれており、
    一方の三相巻線は、X相、Y相、Z相コイルのそれぞれから引き出される出力用引出線X1,Y1,Z1を有し、
    他方の三相巻線は、U相、V相、W相コイルのそれぞれから引き出される出力用引出線U1,V1,W1を有し、
    X相の出力用引出線X1とY相の出力用引出線Y1は、互いに接近した位置から引き出されており、Z相の出力用引出線Z1が隔たった位置から引き出されており、
    V相の出力用引出線V1とW相の出力用引出線W1は、互いに接近した位置から引き出されており、U相の出力用引出線U1はZ相の出力用引出線Z1と互いに接近した位置から引き出されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 請求項1において、
    一方の三相巻線に含まれるX相コイル、Y相コイル、Z相コイルのそれぞれの一方端が出力用引出線として引き出され、また、それぞれの他方端が中性点用引出線として引き出され、かつ
    他方の三相巻線に含まれるU相コイル、V相コイル、W相コイルのそれぞれの一方端が出力用引出線として引き出され、また、それぞれの他方端が中性点用引出線として引き出されることを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 請求項2において、
    前記中性点用引出線は、それぞれ前記固定子のコイルエンド近傍で互いに接合されて電気的な接続が行われることを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記出力用引出線に対応する中性点用引出線も各三相巻線ごとに隔たった位置に配置されることを特徴とする車両用交流発電機。
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