JP3593009B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電機等の回転電機に関し、特に固定子のコイルエンドの高さを低くすることができ小型化することができる回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、発電機等の回転電機の小型高出力を実現するため、発熱部である固定子のコイルエンド(固定子鉄心外方のコイルの渡り部をコイルエンドと呼ぶ)に冷却風を通風させることは一般的である。そして、この部位の通風による風騒音を抑制する目的のために、通風抵抗となるコイルエンドは、小さくする必要がある。このようなことから、固定子の磁気回路内に納める電気導体の占積率の向上と、固定子巻線の渡り部、すなわちコイルエンドの整列化および高密度化が必要となる。
【0003】
そして、固定子の電気導体に偏平状で短尺の導体セグメントを用いて電気導体の占積率向上、及びコイルエンドの整列化および高密度化を図る構造が、例えば特開平11−164504号公報で提案されている。
図21は、例えば、上述の公報で提案された従来の回転電機のコイルエンドの一部を拡大して示した側面図である。
【0004】
図21において、固定子鉄心15のスロット15aより斜めに延出する第1の延出部230bは、固定子鉄心15のスロット15aから真っ直ぐに引き出され、また、この第1の延出部230bに続く箇所で湾曲して向きを変えるターン部230aは、第1の延出部230bに対して折り曲げられて形成され、さらに、このターン部230aに続き他方のスロット15aへ向かう第2の延出部230cは、ターン部230aに対して折り曲げられて形成されている。そして、ターン部230aは、その側面を含む面が固定子鉄心15の端面に対して垂直となるように立設して設けられている。このようにコイルエンドを形成することにより、このターン部230aに静翼機能を持たせ低騒音化を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成の従来の回転電機においては、コイルエンドの軸方向高さが高いため、電気抵抗が大きく出力が悪化するとともに銅損が増え、発電機効率、温度状態が悪化する問題があった。また、従来のコイルエンドの形状は、静翼機能の機能もたせることを期待するものであったが、そもそもこの部位が通風抵抗となり、圧力損失が増え、騒音を悪化させる原因となっていた。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、コイルエンドの軸方向高さを低くすることができ、小型化することができ、コイルの電気抵抗を低減し出力を向上させ、コイルの銅損を低減し温度低減や効率を向上でき、また、通風路に形成されているコイルエンドでの圧力損失を低減でき騒音も抑制できる回転電機を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る回転電機は、回転軸に嵌着される爪状磁極を有する回転子と、回転子と対向配置された固定子鉄心及び固定子鉄心に巻装され断面が偏平形状の固定子巻線を有する固定子と、回転子及び固定子を支持するブラケットとを備えた回転電機において、固定子鉄心には、軸方向に延びるスロットが、周方向に所定ピッチで複数形成され、固定子巻線は、素線が、固定子鉄心の端面側のスロット外で折り返されて、所定スロット数毎にスロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されて形成され、固定子鉄心の端面側のスロット外で折り返された素線のターン部が周方向に並んでコイルエンド群を構成し、コイルエンドは、固定子鉄心のスロットより斜めに延出する第1の延出部と、第1の延出部に続き湾曲して向きを変えるターン部を形成する頂点部と、頂点部に続き他方のスロットへ向かう第2の延出部とからなり、第1及び第2の延出部は、各々延出方向軸を中心にひねられ、周方向に隣接する他のコイルエンドと頂点部どうしが径方向に一部重なっている。
【0008】
また、ターン部を形成する頂点部は、回転軸方向から見た際、回転軸を中心とする放射線に対して各々傾斜している。
【0009】
また、ターン部を形成する頂点部は、径方向から見た際、回転軸に対して各々傾斜している。
【0010】
また、第1及び第2の延出部は、固定子鉄心から延出するとすぐにひねられている。
【0011】
また、第1及び第2の延出部の少なくとも一部は、隣接する他の第1及び第2の延出部と当接している。
【0012】
また、固定子巻線の第1の延出部の外径側面は、ターン部にて頂点側の面を形成し、折り返して、第2の延出部の内径側面を形成する。
【0013】
また、固定子巻線の第1及び第2の延出部のコイル断面は、径方向厚さが周方向厚さよりも大きい。
【0014】
また、コイルエンドの径方向厚さは、第1及び第2の延出部の素線の径方向厚さの略2倍である。
【0015】
また、素線は、スロットのそれぞれにスロット深さ方向に2n本ずつ配列され、ターン部は、周方向n列に並んで配列されている。
【0016】
また、回転子の回転によりブラケット内に冷却風を通風させる冷却手段をさらに備え、冷却風をブラケット内に通風させることにより、コイルエンドが冷却される。
【0017】
また、通風路に通風する冷却風は、コイルエンドの径方向に通風する。
【0018】
さらに、冷却手段は、回転子に設けられたファンであり、、冷却風は、コイルエンドの内径側より外径側に通風する。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の構成を示す断面図、図2はこの車両用交流発電機の固定子を示す斜視図及びコイルエンドの一部を拡大して示した図、図3はこの車両用交流発電機の固定子を示す正面図、図4はこの車両用交流発電機の固定子のコイルエンドの一部を拡大して示した側面図、図5は斜辺角度θ、ひねり角度Ψ及びコイルエンド高さの関係を示す図、図6はこの車両用交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明する平面図、図7はこの車両用交流発電機の回路図、図8および図9はこの車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する巻線群の製造工程を説明する図である。図10はこの車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する内層側の素線群を示す図であり、図10の(a)はその側面図、図10の(b)はその平面図である。図11はこの車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する外層側の素線群を示す図であり、図11の(a)はその側面図、図11の(b)はその平面図である。図12はこの車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する素線の要部を示す斜視図、図13はこの車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する素線の配列を説明する図である。図14は巻線の他の製造工程を示す図である。図15はこの車両用交流発電機の適用される固定子鉄心の構造を説明する図であり、図15の(a)はその側面図、図15の(b)はその背面図である。図16はこの車両用交流発電機の適用される固定子の製造工程を説明する工程断面図、図17はこの車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する素線群の鉄心への装着状態を示す平面図である。図18はそれぞれこの車両用交流発電機の適用される固定子の製造工程を説明する工程断面図である。なお、図2では口出し線および渡り結線が省略されている。
【0020】
図1において、回転電機としての車両用交流発電機は、ランドル型の回転子7がアルミニウム製のフロントブラケット1およびリヤブラケット2から構成されたケース3内にシャフト6を介して回転自在に装着され、固定子8が回転子7の外周側を覆うようにケース3の内壁面に支持されて構成されている。
シャフト6は、フロントブラケット1およびリヤブラケット2に回転可能に支持されている。このシャフト6の一端にはプーリ4が固着され、エンジンの回転トルクをベルト(図示せず)を介してシャフト6に伝達できるようになっている。回転子7に電流を供給するスリップリング9がシャフト6の他端部に固着され、一対のブラシ10がこのスリップリング9に摺接するようにケース3内に配設されたブラシホルダ11に収納されている。固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ18がブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク17に接着されている。固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流器12がケース3内に装着されている。
【0021】
回転子7は、電流を流して磁束を発生する回転子コイル13と、この回転子コイル13を覆うように設けられ、回転子コイル13で発生された磁束によって磁極が形成される一対のポールコア20、21とから構成される。一対のポールコア20、21は、鉄製で、それぞれ8つの爪状磁極22、23が外周縁に周方向に等角ピッチで突設され、爪状磁極22、23をかみ合わせるように対向してシャフト6に固着されている。さらに、ファン5が回転子7の軸方向の両端に固着されている。
また、吸気孔1a、2aがフロントブラケット1およびリヤブラケット2の軸方向の端面に設けられ、排気孔1b、2bがフロントブラケット1およびリヤブラケット2の外周両肩部に固定子巻線16のフロント側およびリヤ側のコイルエンド群16a、16bの径方向外側に対向して設けられている。
【0022】
固定子8は、図2乃至図4に示されるように、軸方向に延びるスロット15aが周方向に所定ピッチで複数形成された円筒状の積層鉄心から成る固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された多相固定子巻線16と、各スロット15a内に装着されて多相固定子巻線16と固定子鉄心15とを電気的に絶縁するインシュレータ19とを備えている。そして、多相固定子巻線群16は、1本の素線30が、固定子鉄心15の端面側のスロット15a外で折り返されて、所定スロット数毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように波巻きされて巻装された巻線を複数備えている。ここでは、固定子鉄心15には、回転子7の磁極数(16)に対応して、3相固定子巻線160を2組収容するように、96本のスロット15aが等間隔に形成されている。また、素線30には、例えば絶縁被覆された長方形の断面を有する長尺の銅線材が用いられる。
【0023】
コイルエンド群16a、16bを構成する1個のコイルエンドを見ると、コイルエンドは、固定子鉄心15のスロット15aより斜めに延出する第1の延出部30bと、第1の延出部30bに続く部分で湾曲して向きを変える上述のターン部30aである頂点部30aと、この頂点部30aに続き他方のスロット15aへ向かう第2の延出部30cとからなる。
【0024】
コイルエンド群16a、16bの軸方向高さを低くするには、固定子鉄心15の端面より斜めに延出する第1の延出部30bの固定子鉄心15の端面に対する角度θが小さくなれば良い。また、頂点部を固定子軸方向に対して傾斜させると良い。このようなことから、本実施の形態においては、この角度θを従来より小さくするために、第1の延出部30bは、延出方向軸を中心に角度Ψだけひねられている。さらには、第1の延出部30bに続き湾曲して向きを変える頂点部30aは、上述のように延出方向軸を中心に角度Ψだけひねられることによって、固定子軸方向に対して傾斜され、更に、固定子鉄心15の中心から延びる放射線Cに対して角度φだけ傾斜されている。さらにまた、頂点部30aに続く第2の延出部30cは、第1の延出部30bと反対に、延出方向軸を中心に角度Ψだけひねり戻され、他方のスロット15aへ向っている。
【0025】
尚、頂点部の高さを低くするために、頂点部の固定子軸方向に対しての傾斜を大きくしてゆくと、頂点部におけるターン部内側の表面変位が過大となり、絶縁皮膜が損傷する。従って、これを防ぐためにも上述したように、頂点部を角度φだけ傾斜させる必要がある。また、この傾斜させた頂点部と延出部とを滑らかに変曲するには、上述したように、延出部に延出方向軸を中心に角度Ψひねる必要がある。
【0026】
尚、角度φを大きくしてゆき、周方向に隣接する頂点部との所定のクリアランスを確保するには、角度Ψも大きくする必要が有るが、図5に示すように、延出部における隣接するコイルの所定のクリアランスを確保するために、角度θが大きくなり、結果的に延出部のコイルエンド高さの増加を招くため、適切な値を設定する必要がある。
【0027】
本実施の形態では、θ=32°、φ=60°、Ψ=35°に設定されている。また、各コイルエンドは、全く同様の形状とされ、周方向に隣接するコイルの延出部のクリアランスは約1mmとされている。
【0028】
また、第1及び第2の延出部30b,30cは、固定子鉄心15のスロット15aから延出するとすぐに少しづつひねられている。また、第1の延出部30bの外径側面は、ターン部30aにて頂点側(軸方向の端面)の面を形成し、折り返して、第2の延出部30cの内径側面を形成している。
【0029】
また、固定子巻線16の第1及び第2の延出部30b,30cのコイル断面は、径方向厚さが周方向厚さよりも大きくされている。また、コイルエンドの径方向厚さTは、第1及び第2の延出部30b,30cの素線30の径方向厚さの略2倍となっている。
【0030】
このように、本実施の形態においては、コイルエンド群16a、16bを上述のような形状にすることによって、軸方向高さを低くするとともに、コイル絶縁皮膜の損傷を防ぎ、各コイルエンドにおいて、各コイル間には、所定の隙間を設けて、コイル間の短絡や干渉を抑え、また、コイル間に冷却空気が通風するようにして、冷却性能を向上させている。
【0031】
つぎに、1相分の固定子巻線群161の巻線構造について図6及び図7を参照して具体的に説明する。
1相分の固定子巻線群161は、それぞれ1本の素線30からなる第1乃至第4の巻線31〜34から構成されている。そして、第1巻線31は、1本の素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の外周側から1番目の位置と外周側から2番目の位置とを交互に採るように波巻きして構成されている。第2巻線32は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の外周側から2番目の位置と外周側から1番目の位置とを交互に採るように波巻きして構成されている。第3巻線33は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の外周側から3番目の位置と外周側から4番目の位置とを交互に採るように波巻きして構成されている。第4巻線34は、素線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の外周側から4番目の位置と外周側から3番目の位置とを交互に採るように波巻きして構成されている。そして、各スロット15a内には、素線30が長方形断面の長手方向を径方向に揃えて径方向に1列に4本並んで配列されている。
【0032】
そして、固定子鉄心15の一端側において、スロット番号の1番から延出する第1巻線31の端部31aと、スロット番号の91番から延出する第3巻線33の端部33bとが接合され、さらにスロット番号の1番から延出する第3巻線33の端部33aと、スロット番号の91番から延出する第1巻線31の端部31bとが接合されて、2ターンの巻線が形成されている。
また、固定子鉄心15の他端側において、スロット番号の1番から延出する第2巻線32の端部32aと、スロット番号の91番から延出する第4巻線34の端部34bとが接合され、さらにスロット番号の1番から延出する第4巻線34の端部34aと、スロット番号の91番から延出する第2巻線32の端部32bとが接合されて、2ターンの巻線が形成されている。
【0033】
さらに、スロット番号の61番と67番とから固定子鉄心15の一端側に延出する第2巻線32の素線30の部分が切断され、スロット番号の67番と73番とから固定子鉄心15の一端側に延出する第1巻線31の素線30の部分が切断される。そして、第1巻線31の切断端31cと第2巻線32の切断端32cとが接合されて、第1乃至第4巻線31〜34を直列接続してなる4ターンの1相分の固定子巻線群161が形成されている。
なお、第1巻線31の切断端31cと第2巻線32の切断端32cとの接合部が渡り結線接続部となり、第1巻線31の切断端31dと第2巻線32の切断端32dとがそれぞれ口出し線(O)および中性点(N)となる。
同様にして、素線30が巻装されるスロット15aを1つづつずらして6相分の固定子巻線161が形成されている。そして、図7に示されるように、固定子巻線群161が3相分づつ星型結線されて2組の3相固定子巻線群160を形成し、各3相固定子巻線群160がそれぞれ整流器12に接続されている。各整流器12の直流出力は並列に接続されて合成される。
【0034】
ここで、第1乃至第4巻線31〜34を構成するそれぞれの素線30は、1つのスロット15aから固定子鉄心15の端面側に延出し、折り返されて6スロット離れたスロット15aに入るように波巻きに巻装されている。そして、それぞれの素線30は、6スロット毎に、スロット深さ方向(径方向)に関して、内層と外相とを交互に採るように巻装されている。
固定子鉄心15の端面側に延出して折り返された素線30のターン部30aがコイルエンドを形成している。そこで、固定子鉄心15の両端において、ほぼ同一形状に形成されたターン部30aが周方向に、かつ、径方向に互いに離間して、2列となって周方向に整然と配列されてコイルエンド群16a、16bを形成している。
【0035】
ついで、固定子8の組立方法について図8乃至図20を参照しつつ具体的に説明する。
まず、図8に示されるように、12本の長尺の素線30を同時に同一平面上で雷状に折り曲げ形成する。ついで、図9に矢印で示されるように、直角方向に治具にて折り畳んでゆき、図10に示される素線群35Aを作製する。さらに、同様にして、図11に示されるように、渡り結線および口出し線を有する素線群35Bを作製する。そして、巻線群35A、35Bが装着された鉄心36を環状に成形しやすくするために、後巻線群35A、35Bは300℃で10分間アニール処理される。
なお、各素線30は、図12に示されるように、ターン部30aで連結された直線部30bが6スロットピッチ(6P)で配列された平面状パターンに折り曲げ形成されている。そして、隣り合う直線部30bが、ターン部30aにより、素線30の幅(W)分ずらされている。素線群35A、35Bは、このようなパターンに形成された2本の素線30を図13に示されるように6スロットピッチずらして直線部30bを重ねて配列された素線対が1スロットピッチづつずらして6対配列されて構成されている。そして、素線30の端部が素線群35A、35Bの両端の両側に6本づつ延出されている。また、ターン部30aが素線群35A、35Bの両側部に整列されて配列されている。
【0036】
尚、巻線群35A,35Bの他の製造方法について説明する。
まず、図14(A)に示すように複数の帯状部材26を、板状の巻芯(図示せず)の周囲に図中二点鎖線で示す位置を順次折り曲げるようにして、所定の巻数だけ巻回させることにより螺旋状に形成し、次いで、巻芯を取り外した後、各帯状部材26の螺旋状の一側に位置する部位26aを外側から押圧して、この部位26aの内側面と螺旋状の他側に位置する部位26bの内側面が同一面となるように変形させる。
【0037】
次に、図14(B)に示すように螺旋状の帯状部材26の部位26a同士間および部位26b同士間の上下に所定の間隔Lを介した位置に、それぞれ部位26a側および部位26b側からピン27を挿入し、部位26a側から挿入されたピン27群は図中実線矢印で示すように、それぞれ螺旋状の延びる方向の相反する側に、また、部位26b側から挿入されたピン27群は図中破線矢印で示すように、それぞれ螺旋状の延びる方向の相反する側に移動させることにより、各部位26aおよび部位26bの各ピン27と接する位置をそれぞれ移動方向に変形させ、直線部およびこれらを連結するターン部を形成して亀甲状とし巻線群を形成する。なお、帯状部材26の端部間にそれぞれ挿入された各位置規制ピン28は、各ピン27群をそれぞれ移動させる時に、各帯状部材26がばらばらになるのを防止するために配置されるものである。
【0038】
このように上記実施の形態によれば、複数の帯状部材26を同時に螺旋状に形成し、螺旋状の一側に位置する部位26aを外側から押圧して、この部位26aの内側面と螺旋状の他側に位置する部位26bの内側面を同一面とし、部位26a同士間および部位26b同士間の上下に所定の間隔Lを介した位置に、部位26a側および部位26b側からそれぞれピン27を挿入し、これら各ピン27群を図14(B)中各矢印で示す方向に移動させることにより、各ピン27と接する位置をそれぞれ移動方向に変形させ、直線部およびターン部を形成して亀甲状とし巻線群を構成するようにしているので、上記実施の形態1と同様に、従来必要であった導体セグメントの挿入、接合工程が省略されるため、作業性が改善され量産性の向上を図ることが可能になり、又、接合のために治具でクランプする必要が無くなる分ターン部を低くすることができるため、固定子巻線を小型化することも可能になる。
【0039】
また、上述実施の形態1では、頂点部にて折り返して巻線群を形成するので、頂点部での適正な角度の設定が難しい。本実施の形態の場合、頂点部では、位置規制ピン28の角度、幅等の形状設定で、頂点部、延出部の任意の形状が設定し易いという利点がある。
【0040】
また、台形形状のスロット36aが所定のピッチ(電気角で30°)で形成されたSPCC材を所定枚数積層し、その外周部をレーザ溶接して、図15に示されるように、直方体の鉄心36を作製する。
【0041】
そして、図16の(a)に示されるように、インシュレータ19が鉄心36のスロット36aに装着され、2つの素線群35A、35Bの各直線部を各スロット36a内に重ねて押し入れる。これにより、図16の(b)に示されるように、2つの素線群35A、35Bが鉄心36に装着される。この時、素線30の直線部30bは、インシュレータ19により鉄心36と絶縁されてスロット15a内に径方向に4本並んで収納されている。また、2つの素線群35A、35Bは、図17に示されるように、重なって鉄心36に装着されている。
ついで、鉄心36を丸め、その端面同士を当接させて溶接し、図16の(c)に示されるように、円筒状の鉄心37を得る。鉄心36を丸めることにより、スロット36a(固定子鉄心のスロット15aに相当)は略矩形断面形状となり、その開口部36b(スロット15aの開口部15bに相当)は直線部30bのスロット幅方向寸法より小さくなる。そして、図6に示される結線方法に基づいて、各素線30の端部同士を結線して固定子巻線群161を形成する。他の実施の形態として、その後、鉄心37をSPCC材を積層してなる円筒状の外装鉄心38に挿入した後、焼きバメして一体化して、図18に示される固定子8を得るものもある。ここでは、鉄心37と外装鉄心38との一体物が固定子鉄心15に相当する。
【0042】
このように構成された車両用交流発電機では、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ10およびスリップリング9を介して回転子コイル13に供給され、磁束が発生される。この磁束により、一方のポールコア20の爪状磁極22がN極に着磁され、他方のポールコア21の爪状磁極23がS極に着磁される。一方、エンジンの回転トルクがベルトおよびプーリ4を介してシャフト6に伝達され、回転子7が回転される。そこで、多相固定子巻線16に回転磁界が与えられ、多相固定子巻線16に起電力が発生する。この交流の起電力が整流器12を通って直流に整流されるとともに、その大きさがレギュレータ18により調整され、バッテリに充電される。
【0043】
そして、リヤ側においては、ファン5の回転により、外気が整流器12のヒートシンクおよびレギュレータ18のヒートシンク17にそれぞれ対向して設けられた吸気孔2aを通じて吸い込まれ、シャフト6の軸に沿って流れて整流器12およびレギュレータ18を冷却し、その後ファン5により遠心方向に曲げられて多相固定子巻線16のリヤ側のコイルエンド群16bを冷却し、排気孔2bより外部に排出される。一方、フロント側においては、ファン5の回転により、外気が吸気孔1aから軸方向に吸い込まれ、その後ファン5により遠心方向に曲げられて多相固定子巻線16のフロント側のコイルエンド群16aを冷却し、排気孔1bより外部に排出される。
【0044】
このように、この実施の形態1によれば、回転軸6に嵌着される爪状磁極22,23を有する回転子7と、回転子7と対向配置された固定子鉄心15及び固定子鉄心15に巻装され断面が偏平形状の固定子巻線16を有する固定子8と、回転子7及び固定子8を支持するブラケット1,2とを備えた回転電機において、固定子鉄心15には、軸方向に延びるスロット15aが、周方向に所定ピッチで複数形成され、固定子巻線16は、素線30が、固定子鉄心15の端面側のスロット15a外で折り返されて、所定スロット数毎にスロット15a内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されて形成され、固定子鉄心15の端面側のスロット15a外で折り返された素線30のターン部30aが周方向に並んでコイルエンド群16a,16bを構成し、コイルエンドは、固定子鉄心のスロットより斜めに延出する第1の延出部30bと、第1の延出部30bに続き湾曲して向きを変えるターン部30aを形成する頂点部30aと、頂点部30aに続き他方のスロット15aへ向かう第2の延出部30cとからなり、第1及び第2の延出部30b,30cは、各々延出方向軸を中心にひねられ、周方向に隣接する他のコイルエンドと頂点部どうしが径方向に一部重なっている。
【0045】
一般に、コイルエンドの軸方向高さは、スロット15aのピッチに制限され、隣接するコイルエンドの延出部を当接するまで低くしても、延出部からターン部頂点までの高さは、あまり低くなるものではない。一方、この実施の形態の回転電機は、延出部30b,30cが、延出方向軸を中心にひねられ、周方向に隣接する他のコイルエンドと頂点部どうしが径方向に一部重なっているので、小型化することができる。そして、コイルの銅損を低減し温度低減や効率を向上できる。
【0046】
また、ターン部30aを形成する頂点部30aは、固定子8の回転軸方向から見た際、回転軸を中心とする放射線Cに対して各々傾斜している。そのため、延出部30b,30cは、隣接する他の延出部30b,30cとさらに良く重ねることができ、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0047】
また、ターン部30aを形成する頂点部30aは、径方向から見た際、回転軸に対して各々傾斜している。そのため、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0048】
また、第1及び第2の延出部30b,30cは、固定子鉄心15のスロット15aから延出するとすぐにひねられている。そのため、隣接する延出部30b,30cとさらに良く重ねることができ、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0049】
また、第1の延出部30bの外径側面は、ターン部30aにて頂点側の面を形成し、折り返して、第2の延出部30cの内径側面を形成する。そのため、巻線16の外径側面および内径側面がターン部30aにて頂点部面を形成するようにひねることにより、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0050】
また、固定子巻線16の第1及び第2の延出部30b,30cのコイル断面は、径方向厚さが周方向厚さよりも大きい。そのため、巻線の巻装進行方向の周方向屈曲成形側の厚さが薄くなり、本発明のコイルエンドの形状に成形することが容易となる。
【0051】
また、コイルエンドの径方向厚さは、第1及び第2の延出部30b,30cの素線30の径方向厚さの略2倍である。そのため、固定子巻線16の径を実現できる最小の径とすることができる。
【0052】
また、素線30は、スロット15aのそれぞれにスロット深さ方向に2n本ずつ配列され、ターン部30aは、周方向n列に並んで配列されている。そのため、コイルエンドの径方向厚さはを小さくすることができ、また、コイルエンドを複数個周方向に並べても、コイルエンドが固定子の径方向厚さよりも大きくなることがなく小型化することができる。
【0053】
また、回転子7の回転によりブラケット1,2内に冷却風を通風させる冷却手段(ファン5)をさらに備え、冷却風をブラケット1,2内に通風させることにより、コイルエンドが冷却される。そのため、コイルエンドが小型となり、銅損が少ないので、コイルエンドに十分冷却風が通風され、発熱も少なく回転電機の信頼性を向上することができる。
【0054】
また、通風路に通風する冷却風は、コイルエンドの径方向に通風する。そのため、コイルエンドに十分冷却風が通風される。
【0055】
さらに、冷却手段は、回転子7に設けられた遠心ファン5であり、冷却風は、コイルエンドの内径側より外径側に通風する。そのため、内径側より遠心ファン5によってコイルエンドが冷却され効率良い冷却をすることができる。
【0056】
尚、本実施の形態の各々延出部は、固定子鉄心から延出するとすぐにひねられているが、必ずしもそのように形成される必要はなく、固定子鉄心から延出してしばらくはひねられずにそのまま延び、ターン部に近い位置からひねられても良い。
【0057】
さらに、本実施の形態においては、ステータコイル123a,123bは、上述の説明のように、長尺の素線30が、スロット35外方で折り返されて所定スロット数毎にスロット35の深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されたものであるが、これに限定されるものではない。すなわち、図19に示すような、複数の略U字状の短コイル片31をステータコア32の軸方向一端側から挿入し、ステータコア32軸端に突出させたコイル片端31aを所定コイル片ごとに接続して連続回路を構成するものでも良い。
【0058】
このような略U字状の短コイル片31においては、コイルエンドは、ステータコア32のスロット35より斜めに延出する第1の延出部31bと、第1の延出部31bに続き湾曲して向きを変えるターン部を形成する頂点部31aと、頂点部31aに続き他方のスロット35へ向かう第2の延出部31cとからなり、長尺の素線30をスロット35外方で折り返したものと、同様の効果を得ることができる。
【0059】
長尺の素線30をスロット35外方で折り返して所定スロット数毎にスロット35の深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されたステータコイル123a,123bは、略U字状の短コイル片31をステータコア32の軸方向一端側から挿入し、ステータコア32軸端に突出させたコイル片端31aを接続したものに対して、コイルの生産性が向上し、また、溶接箇所がなくコイルの剛性が高いためステータ100の振動を抑制することができる。
【0060】
実施の形態2.
図20はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子のコイルエンドの一部を拡大して示した側面図である。本実施の形態においては、実施の形態1と同じように、角度θを従来より小さくするために、第1の延出部30bは、延出方向軸を中心に角度Ψだけひねられている。さらには、第1の延出部30bに続き湾曲して向きを変える頂点部30aは、固定子鉄心15の中心から延びる図示しない放射線に対して角度φ(図示せず)だけ傾斜されている。さらにまた、頂点部30aに続く第2の延出部30c(図示せず)は、第1の延出部30bと反対に、延出方向軸を中心に角度Ψだけひねり戻され、他方のスロット15aへ向っている。
【0061】
本実施の形態では、θ=27°、φ=60°、Ψ=20°に設定されている。また、各コイルエンドは、全く同様の形状とされ、各々のコイルエンドは、第1の延出部30bの側面を互いに当接させている。
【0062】
このように、本実施の形態においては、コイルエンド群16a、16bを上述のような形状にすることによって、軸方向高さを可能な限り低く設定した。それにより、本実施の形態では、素線の量を少なくできるとともに、コイルの銅損による発熱も抑制することができる。そして、コイルエンド間に冷却空気は通風しないが、コイルエンドによる通風抵抗が減るため、風量が増し、結果的にコイルエンドの冷却性能が向上する。加えて、発電機の冷却内蔵物の温度も抑制することができる。
【0063】
【発明の効果】
この発明に係る回転電機は、回転軸に嵌着される爪状磁極を有する回転子と、回転子と対向配置された固定子鉄心及び固定子鉄心に巻装され断面が偏平形状の固定子巻線を有する固定子と、回転子及び固定子を支持するブラケットとを備えた回転電機において、固定子鉄心には、軸方向に延びるスロットが、周方向に所定ピッチで複数形成され、固定子巻線は、素線が、固定子鉄心の端面側のスロット外で折り返されて、所定スロット数毎にスロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されて形成され、固定子鉄心の端面側のスロット外で折り返された素線のターン部が周方向に並んでコイルエンド群を構成し、コイルエンドは、固定子鉄心のスロットより斜めに延出する第1の延出部と、第1の延出部に続き湾曲して向きを変えるターン部を形成する頂点部と、頂点部に続き他方のスロットへ向かう第2の延出部とからなり、第1及び第2の延出部は、各々延出方向軸を中心にひねられ、周方向に隣接する他のコイルエンドと頂点部どうしが径方向に一部重なっている。一般に、コイルエンドの軸方向高さは、スロットピッチに制限され、隣接するコイルエンドの延出部を当接するまで低くしても、延出部からターン部頂点までの高さは、あまり低くなるものではない。一方、この発明の回転電機は、延出部が、延出方向軸を中心にひねられ、周方向に隣接する他のコイルエンドと頂点部どうしが径方向に一部重なっているので、小型化することができる。そして、コイルの銅損を低減し温度低減や効率を向上できる。
【0064】
また、ターン部を形成する頂点部は、回転軸方向から見た際、回転軸を中心とする放射線に対して各々傾斜している。そのため、隣接する延出部とさらに良く重ねることができ、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0065】
また、ターン部を形成する頂点部は、径方向から見た際、回転軸に対して各々傾斜している。そのため、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0066】
また、第1及び第2の延出部は、固定子鉄心から延出するとすぐにひねられている。そのため、隣接する延出部とさらに良く重ねることができ、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0067】
また、第1及び第2の延出部の少なくとも一部は、隣接する他の第1及び第2の延出部と当接している。そのため、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0068】
また、固定子巻線の第1の延出部の外径側面は、ターン部にて頂点側の面を形成し、折り返して、第2の延出部の内径側面を形成する。そのため、巻線の外径側面および内径側面がターン部にて頂点部面を形成するようにひねることにより、コイルエンドの軸方向高さをさらに低くすることができる。
【0069】
また、固定子巻線の第1及び第2の延出部のコイル断面は、径方向厚さが周方向厚さよりも大きい。そのため、巻線の巻装進行方向の周方向屈曲成形側の厚さが薄くなり、本発明のコイルエンドの形状に成形することが容易となる。
【0070】
また、コイルエンドの径方向厚さは、第1及び第2の延出部の素線の径方向厚さの略2倍である。そのため、固定子巻線の径を実現できる最小の径とすることができる。
【0071】
また、素線は、スロットのそれぞれにスロット深さ方向に2n本ずつ配列され、ターン部は、周方向n列に並んで配列されている。そのため、コイルエンドの径方向厚さはを小さくすることができ、また、コイルエンドを複数個周方向に並べても、コイルエンドが固定子の径方向厚さよりも大きくなることがなく小型化することができる。
【0072】
また、回転子の回転によりブラケット内に冷却風を通風させる冷却手段をさらに備え、冷却風をブラケット内に通風させることにより、コイルエンドが冷却される。そのため、コイルエンドが小型となり、銅損が少ないので、コイルエンドに十分冷却風が通風され、発熱も少なく回転電機の信頼性を向上することができる。
【0073】
また、通風路に通風する冷却風は、コイルエンドの径方向に通風する。そのため、コイルエンドに十分冷却風が通風される。
【0074】
さらに、冷却手段は、回転子に設けられたファンであり、、冷却風は、コイルエンドの内径側より外径側に通風する。そのため、内径側より遠心ファンによってコイルエンドが冷却され効率良い冷却をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の構成を示す断面図である。
【図2】車両用交流発電機の固定子を示す斜視図及びコイルエンドの一部を拡大して示した図である。
【図3】車両用交流発電機の固定子を示す正面図である。
【図4】車両用交流発電機の固定子のコイルエンドの一部を拡大して示した側面図である。
【図5】斜辺角度θ、ひねり角度Ψ及びコイルエンド高さの関係を示す図である。
【図6】車両用交流発電機における固定子巻線の1相分の結線状態を説明する平面図である。
【図7】車両用交流発電機の回路図である。
【図8】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する巻線群の製造工程を説明する図である。
【図9】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する巻線群の製造工程を説明する図である。
【図10】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する内層側の素線群を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。
【図11】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する外層側の素線群を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。
【図12】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する素線の要部を示す斜視図である。
【図13】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する素線の配列を説明する図である。
【図14】巻線の他の製造工程を示す図である。
【図15】車両用交流発電機の適用される固定子鉄心の構造を説明する図であり、(a)はその側面図、(b)はその背面図である。
【図16】車両用交流発電機の適用される固定子の製造工程を説明する工程断面図である。
【図17】車両用交流発電機に適用される固定子巻線を構成する素線群の鉄心への装着状態を示す平面図である。
【図18】車両用交流発電機の適用される固定子の製造工程を説明する工程断面図である。
【図19】他の構成の固定子を示す斜視図である。
【図20】この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子のコイルエンドの一部を拡大して示した側面図である。
【図21】従来の車両用交流発電機の固定子のコイルエンドの一部を拡大して示した側面図である。
【符号の説明】
1 フロントブラケット、2 リヤブラケット、7 回転子、8、8A、8B 固定子、15 固定子鉄心、15a スロット、15b 開口部、16、16A 多相固定子巻線(固定子巻線)、16a フロント側のコイルエンド群、16b リヤ側のコイルエンド群、25 絶縁性樹脂、30 素線、30a ターン部(頂点部)、30b 第1の延出部、30c 第2の延出部、31 第1巻線、32 第2巻線、33 第3巻線、34 第4巻線。
Claims (12)
- 回転軸に嵌着される爪状磁極を有する回転子と、
上記回転子と対向配置された固定子鉄心及び該固定子鉄心に巻装され断面が偏平形状の固定子巻線を有する固定子と、
上記回転子及び上記固定子を支持するブラケットと
を備えた回転電機において、
上記固定子鉄心には、軸方向に延びるスロットが、周方向に所定ピッチで複数形成され、
上記固定子巻線は、素線が、上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返されて、所定スロット数毎に上記スロット内でスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装されて形成され、
上記固定子鉄心の端面側の上記スロット外で折り返された上記素線のターン部が周方向に並んでコイルエンド群を構成し、
上記コイルエンドは、上記固定子鉄心のスロットより斜めに延出する第1の延出部と、該第1の延出部に続き湾曲して向きを変える上記ターン部を形成する頂点部と、該頂点部に続き他方のスロットへ向かう第2の延出部とからなり、上記第1及び第2の延出部は、各々延出方向軸を中心にひねられ、周方向に隣接する他のコイルエンドと頂点部どうしが径方向に一部重なっている
ことを特徴とする回転電機。 - 上記ターン部を形成する頂点部は、上記回転軸方向から見た際、該回転軸を中心とする放射線に対して各々傾斜している
ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 上記ターン部を形成する頂点部は、径方向から見た際、上記回転軸に対して各々傾斜している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。 - 上記第1及び第2の延出部は、上記固定子鉄心から延出するとすぐにひねられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転電機。 - 上記第1及び第2の延出部の少なくとも一部は、隣接する他の第1及び第2の延出部と当接している
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回転電機。 - 上記固定子巻線の上記第1の延出部の外径側面は、上記ターン部にて頂点側の面を形成し、折り返して、上記第2の延出部のコイルの内径側面を形成する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の回転電機。 - 上記固定子巻線の上記第1及び第2の延出部のコイル断面は、径方向厚さが周方向厚さよりも大きい
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の回転電機。 - 上記コイルエンドの径方向厚さは、上記第1及び第2の延出部の上記素線の径方向厚さの略2倍である
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の回転電機。 - 上記素線は、上記スロットのそれぞれにスロット深さ方向に2n本ずつ配列され、上記ターン部は、周方向n列に並んで配列されている
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の回転電機。 - 上記回転子の回転により上記ブラケット内に冷却風を通風させる冷却手段をさらに備え、
上記冷却風を上記ブラケット内に通風させることにより、上記コイルエンドが冷却される
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の回転電機。 - 上記通風路に通風する上記冷却風は、上記コイルエンドの径方向に通風する
ことを特徴とする請求項10に記載の回転電機。 - 上記冷却手段は、上記回転子に設けられたファンであり、上記冷却風は、上記コイルエンドの内径側より外径側に通風する
ことを特徴とする請求項11に記載の回転電機。
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