JP3760866B2 - ジェットルームにおける緯入れ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルの流体噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームにおける緯入れ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジェットルームにおける緯糸の飛走終了時は、緯糸測長貯留装置からの緯糸引き出し終了時であるが、緯糸引き出し終了時の緯糸引き出し阻止作用は高速飛走する緯糸の飛走を急激に止めて緯糸張力を上昇させることになる。急激な張力上昇は、緯糸の切断をもたらすことがある。そこで、緯入れ終了間近になったときに緯糸に制動を掛け、急激な張力上昇を抑制する緯入れ制御装置が用いられる。
【0003】
この種の緯入れ制御装置が特開昭60−185844号公報、特開平5−98539号公報、特開平6−184868号公報、特開平7−48760号公報に開示されている。これらの緯入れ制御装置では、緯糸に抵触しない位置と緯糸に抵触する位置とに切り換え配置される線状部材がロータリソレノイド、パルスモータ等の回転式アクチュエータによって駆動される。緯入れ終了間近における緯糸への制動は、緯糸に抵触する位置に配置された線状部材によって屈曲された緯糸における屈曲抵抗によってもたらされる。
【0004】
多色緯入れの場合には、隣合う緯入れ用メインノズルのノズル先から緯入れ待機中の緯糸が飛び出ていると、緯入れされる緯糸に絡み付くおそれがある。そこで、緯入れ待機中の緯糸を緯入れ用メインノズル内に引き込んでおく必要がある。特開昭63−135544号公報には、緯入れ待機中の緯糸を緯入れ用メインノズル内に引き込んでおくための引き戻し装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭60−185844号公報、特開平5−98539号公報、特開平6−184868号公報、特開平7−48760号公報に開示されている緯入れ制御装置に緯糸引き戻し機能を付加することはできる。この場合、回転式アクチュエータは、緯糸の屈曲経路を更に大きくする方向へ回転されるが、そうすると回転式アクチュエータの負荷となるトルクが更に大きくなる。負荷トルクの増大に対処するには回転式アクチュエータの大型化が必要となり、コスト的な問題が生じる。
【0006】
本発明は、負荷トルクを抑制しつつ緯糸の張力上昇を抑制し得る緯入れ制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、緯糸測長貯留装置とノズルとの間における緯入れ時の緯糸経路となる第1の糸経路と、前記第1の糸経路における緯入れ抵抗よりも大きい緯入れ抵抗をもたらす第2の糸経路との間で緯糸の糸経路を変更する糸経路変更手段と、前記糸経路変更手段の上流側に配設された第1の糸ガイドと、前記糸経路変更手段の下流側に配設された第2の糸ガイドとを備えた緯入れ制御装置を構成し、少なくとも前記第2の糸経路側では前記緯糸に抵触しながら前記第1の糸経路と前記第2の糸経路との間で移動される第1及び第2の抵触体と、前記第1及び第2の抵触体を回転力によって一体的に移動させる回転駆動手段とを備えた前記糸経路変更手段を構成し、前記回転駆動手段の回転軸線の位置は、前記一対の抵触体の間に設定し、前記回転軸線と前記第1の抵触体との距離は、前記回転軸線と前記第2の抵触体との距離よりも小さくし、前記回転軸線、前記一対の糸ガイド及び前記一対の抵触体の間における配置関係は、前記緯糸が前記第2の糸経路にあるときには、前記第1の抵触体における糸屈曲角度が前記第2の抵触体における糸屈曲角度よりも大きくなるようにした。
【0008】
緯糸は、緯入れ終了近くに第2の糸経路へ移行される。緯糸が第2の糸経路に移行されたときの糸経路変更手段に掛かる負荷は、第1の糸経路のときよりも上昇する。この負荷の上昇は、緯糸の緯入れ速度を減速させ、緯糸の緯入れ終了時における急激な張力上昇が抑制される。第1の抵触体における糸屈曲角度と第2の抵触体における糸屈曲角度との大小関係は、急激な張力上昇の抑制を第1の抵触体側で分担させる割合を大きくする。回転軸線と第1,2の抵触体との間の距離関係は、回転駆動手段の少ない回転量で緯糸の屈曲量を稼ぐ上で有利である。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1において、前記第1の糸ガイドと前記第1の抵触体との距離は、前記第2の糸ガイドと前記第2の抵触体との距離よりも小さくした。
【0012】
このような距離関係は、緯糸が第2の糸経路にあるときの第1の抵触体における糸屈曲角度と第2の抵触体における糸屈曲角度とに大小差をつける上で有効である。第1の抵触体側における急激な張力上昇の抑制の分担割合は、緯糸が第2の糸経路にあるときの第1の抵触体における糸屈曲角度と第2の抵触体における糸屈曲角度との間の大小差が大きいほど増す。
【0013】
請求項3の発明では、請求項2において、前記回転軸線は、前記第1の糸経路から変位した位置に設定され、前記緯糸を第1の糸経路から第2の糸経路へ移動させるときの前記回転駆動手段の回転方向は、前記第1の抵触体が前記第1の糸経路の位置から回転軸線位置側へ移動し、前記第2の抵触体が前記第1の糸経路の位置から回転軸線位置とは反対側に向けて移動する方向とした。
【0014】
このような回転軸線の配置位置及び回転方向の設定は、回転駆動手段の少ない回転量で第1の抵触体における糸屈曲角度を大きくする上で有利である。
請求項4の発明では、請求項3において、前記糸経路変更手段は、前記緯入れ時の緯糸経路となる第1の糸経路と、前記第1の糸経路における緯入れ抵抗よりも大きい緯入れ抵抗をもたらすように緯糸を屈曲する第2の糸経路と、緯糸を第2の糸経路より大きく屈曲して緯糸の引き戻しを行う第3の糸経路との間で緯糸の糸経路を変更するようにした。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、前記一対の抵触体は、前記緯糸を通すガイドリングとし、一対の前記ガイドリングは、前記緯糸が第1の糸経路にあるときには、第1の糸経路上の緯糸に抵触しない位置にあるようにした。
【0016】
第1の糸ガイドと第2の糸ガイドとの間における緯糸は、緯入れ終了近くに直線形状の第1の糸経路から屈曲形状の第2の糸経路へ移行される。緯入れ終了近く以外のときには、第1の糸ガイドと第2の糸ガイドとの間における緯糸が抵触体に接触することはなく、緯入れ終了近く以外のときの緯糸の飛走抵抗が抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0018】
図1(a)に示すように、緯糸Y1は、巻付方式の緯糸測長貯留装置11の糸巻付管111の回転によって糸巻付面112上に巻付貯留される。糸巻付面112上に巻付貯留された緯糸Y1は、電磁ソレノイド12によって駆動される係止ピン121の係止作用から解放された状態で緯入れ用メインノズル13Aの流体噴射作用によって引き出される。係止ピン121は、電磁ソレノイド12に対する制御装置15の励磁指令に基づいて糸巻付面112から離脱する。緯入れ用メインノズル13Aの噴射及び係止ピン121の離脱は、糸種に応じて異なるタイミングやほぼ同じタイミングで行われる。
【0019】
糸巻付面112の近傍には反射式光電センサ型の緯糸解舒検出器14が設置されている。緯糸解舒検出器14は糸巻付面112から引き出し解舒される巻き糸を検出し、この検出信号は制御装置15に送られる。巻き糸の解舒回数が所定回数に達すると、制御装置15は、電磁ソレノイド12の消磁を指令し、係止ピン121が糸巻付面112に係合する。係止ピン121が糸巻付面112に係合すると緯糸Y1の引き出しが阻止される。
【0020】
緯糸測長貯留装置11と緯入れ用メインノズル13Aとの間には支持枠16が設置されている。支持枠16は、平板形状の基板部161と、基板部161の緯糸測長貯留装置11側の端部に一体形成されたガイド板部162と、基板部161の緯入れ用メインノズル13A側の端部に一体形成された支持ブロック163とからなる。ガイド板部162にはリング形状の第1の糸ガイド17が止着されている(なお、ガイド板部162や支持ブロック163は、それぞれ別体のものを基板部161に取り付け固定した構成でも良い)。第1の糸ガイド17は、セラミックス製である。支持ブロック163の上端には支持孔164が凹設されており、支持孔164にはスライダ18の一部がスライド可能に嵌入されている。スライダ18にはリング形状の第2の糸ガイド21が止着されている。第2の糸ガイド21は、セラミックス製である。
【0021】
基板部161にはばね受け19がスライダ18と対向するように止着されており、ばね受け19とスライダ18との間には圧縮ばね20が介在されている。圧縮ばね20は、スライダ18を支持孔164内に押し込む方向に付勢している。第1の糸ガイド17の糸通し孔171の孔方向と第2の糸ガイド21の糸通し孔211の孔方向とは、同一の方向である。スライダ18が支持孔164の底部に接するように押し込まれている状態では、第1の糸ガイド17の糸通し孔171と第2の糸ガイド21の糸通し孔211とは、糸通し孔171の孔方向に見てほぼ同一軸線上に配置される。
【0022】
図1(b)及び図2に示すように、基板部161の背面にはステッピングモータ22が取り付けられている。ステッピングモータ22の出力軸221は、基板部161を貫通して基板部161の前面側に突出しており、出力軸221の突出部には糸経路変更体23が止着されている。糸経路変更体23には直線形状の糸通路231が貫設されている。糸通路231の一方の開口にはリング形状の第1のガイドリング24が嵌入して固定されている。糸通路231の他方の開口にはリング形状の第2のガイドリング25が嵌入して固定されている。第1のガイドリング24及び第2のガイドリング25は、本発明の糸経路変更手段の抵触体を構成する。ガイドリング24,25は、セラミックス製である。ガイドリング24,25の糸通し孔241,251は、糸通路231の通路方向に見て糸通路231と重なっている。糸経路変更体23は、ステッピングモータ22の作動に伴って出力軸221と一体的に回動する。緯糸Y1は、第1の糸ガイド17、第1のガイドリング24、糸通路231、第2のガイドリング25及び第2の糸ガイド21に通されている。
【0023】
回転駆動手段であるステッピングモータ22は、制御装置15の制御を受ける。制御装置15は、織機の回転角度を検出するロータリエンコーダ26から得られる織機回転角度検出情報に基づいてステッピングモータ22の作動を制御する。図1(a),(b)は、緯糸Y1に関して緯入れ開始直前の状態を示す。緯糸Y1の緯入れが開始される直前では、糸経路変更体23は、糸通路231の通路方向が糸通し孔171,211の孔方向と同じ方向となる緯入れ位置に設定される。糸通路231の通路方向が糸通し孔171,211の孔方向と同じ方向にあるときには、第1の糸ガイド17の糸通し孔171、第2の糸ガイド21の糸通し孔211及び糸通路231は、糸通し孔211の孔方向に見てほぼ同一軸線上に配置される。この状態では、緯糸Y1は、第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド21との間で直線形状の緯糸経路となる第1の糸経路をとり、しかも緯糸Y1がガイドリング24,25に接触することはない。
【0024】
糸経路変更体23、第1のガイドリング24、第2のガイドリング25及びステッピングモータ22は、第1の糸経路と、第1の糸経路における緯入れ抵抗よりも大きい緯入れ抵抗をもたらす第2の糸経路との間で緯糸Y1の糸経路を変更する糸経路変更手段を構成する。
【0025】
抵触体である一対のガイドリング24,25の下流にある第2の糸ガイド21は、第1の糸経路と第2の糸経路との間で移動する緯糸Y1に接触する可動体である。圧縮ばね20は、第2の糸経路側から第1の糸経路側へ向けて第2の糸ガイド21を弾性付勢する弾性付勢手段である。ばね受け19は、圧縮ばね20の不動端を支持する支持手段である。スライダ18、第2の糸ガイド21、ばね受け19及び圧縮ばね20は、第1の糸経路からの緯糸Y1の移動が大きくなるにつれて大きくなる緯入れ抵抗を第2の糸ガイド21を介して緯糸Y1に付与する緯入れ抵抗付与手段を構成する。
【0026】
図1(a)に示すように、緯入れ用メインノズル13Aとは別の緯入れ用メインノズル13Bは、緯糸Y1とは別の緯糸Y2を射出して緯入れする。緯糸Y2は、緯糸測長貯留装置11と同様の緯糸測長貯留装置によって測長される。この緯糸測長貯留装置と緯入れ用メインノズル13Bとの間には前記した糸経路変更手段と同じ構成の糸経路変更手段が配設されており、緯糸Y2は、前記したような第1の糸経路と第2の糸経路とに配置される。緯入れ用メインノズル13Bに対応する緯糸測長貯留装置における電磁ソレノイド、及び緯入れ用メインノズル13Bに対応する糸経路変更手段におけるステッピングモータは、制御装置15の制御を受ける。緯入れ用メインノズル13A,13Bは、予め設定された緯糸選択パターンに基づいて選択して噴射される。
【0027】
緯糸Y1が選択して緯入れされる場合、制御装置15は、所定の織機回転角度になると電磁ソレノイド12の励磁を指令し、係止ピン121が糸巻付面112から離脱する。又、緯入れ用メインノズル13Aの流体噴射によって係止ピン121の係止作用から解放された緯糸Y1が緯入れ用メインノズル13Aから射出される。
【0028】
緯糸Y1の緯入れが終了近くになると、制御装置15は、糸経路変更体23が図1(a)の緯入れ位置から図3の緯糸制動位置へ回動配置されるようにステッピングモータ22の作動を制御する。糸経路変更体23が図3の緯糸制動位置にある状態では、緯糸Y1は、一対の糸ガイド17,21及び一対のガイドリング24,25に接触しながら第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド21との間で屈曲形状となる第2の糸経路をとる。このときの緯糸張力は、圧縮ばね20のばね力に抗して第2の糸ガイド21及びスライダ18を動かす。緯糸Y1を第1の糸経路から第2の糸経路へ移動させるときのステッピングモータ22の回転方向は、第1のガイドリング24が第1の糸経路の位置から回転軸線222の位置側へ移動し、第2のガイドリング25が第1の糸経路の位置から回転軸線222の位置とは反対側に向けて移動する方向である。
【0029】
電磁ソレノイド12が消磁されて係止ピン121が糸巻付面112に係合すると、緯糸Y1の引き出し解舒が阻止されて緯入れが終了する。緯入れ終了時の張力上昇は、圧縮ばね20のばね力に抗して第2の糸ガイド21及びスライダ18を図3の状態から更に動かす。図4は、緯入れ終了時の張力上昇による第2の糸ガイド21の上動を表す。
【0030】
多色緯入れの場合には、隣合う緯入れ用メインノズル13A,13Bのノズル先から緯入れ待機中の緯糸が飛び出ていると、緯入れ待機中の緯糸の先端部が緯入れされる緯糸に絡み付くおそれがある。そこで、緯入れ待機中の緯糸を緯入れ用メインノズル内に引き込んでおく必要がある。制御装置15は、緯入れされた緯糸Y1が織布(図示略)から切断分離された後に、糸経路変更体23を図3,4の緯糸制動位置から図5の引き戻し位置である第3の糸経路に回動配置するようにステッピングモータ22の作動を制御する。図5の状態における第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド21との間の糸経路は、図3の状態における第2の糸経路よりも大きな屈曲状態となる。従って、第2の糸ガイド21から緯入れ用メインノズル13Aに至る緯糸Y1が緯糸測長貯留装置11側に引き戻され、緯入れ待機中の緯糸Y1の先端が緯入れ用メインノズル13A内に引き込まれる。
【0031】
第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド21との間の第1の糸経路は直線形状である。図1(b)に示すように、平面で見た場合、第1の糸経路は回転軸線222に対して直交している。図1(a)に示すように、回転駆動手段であるステッピングモータ22の回転軸線222の配置位置は、一対の糸ガイド17,21の間に設定されている。回転軸線222と第1のガイドリング24との間の距離L1は、回転軸線222と第2のガイドリング25との間の距離L2よりも小さくしてある。糸経路変更体23が緯入れ位置である第1の糸経路にあるときの第1の糸ガイド17と第1のガイドリング24との間の距離L3は、第2の糸ガイド21と第2のガイドリング25との間の距離L4よりも小さくしてある。
【0032】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1−1)緯糸Y1が図1(a)に示す第1の糸経路に沿って緯入れされる状態では、第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド21との間における緯糸Y1の経路は、一対のガイドリング24,25に接触しない直線形状となる。従って、第1の糸経路に沿って緯入れされる緯糸Y1が受ける緯入れ抵抗は小さい。緯糸Y1は、緯入れ終了近くに図1(a)に示す第1の糸経路から図3に示す第2の糸経路へ移行される。緯糸Y1が第1の糸経路にある場合の糸屈曲角度は、屈曲していない状態の0°である。緯糸Y1が第2の糸経路にある場合のガイドリング24,25における糸屈曲角度α,βは、0°よりも大きい。即ち、緯糸Y1が第2の糸経路にある場合のガイドリング24,25における糸屈曲角度α,βは、緯糸Y1が第1の糸経路にある場合のガイドリング24,25における糸屈曲角度よりも大きくなる。従って、緯入れ終了近くに緯糸Y1が第2の糸経路へ移行されたときのステッピングモータ22に掛かる負荷は、糸経路の変更によって第1の糸経路のときよりも上昇する。第2の糸経路の屈曲形状によってもたらされる屈曲抵抗、及び圧縮ばね20のばね力は、緯入れ中の緯糸Y1に対して制動作用を付与する。緯入れ終了近くに第1の糸経路から第2の糸経路へ緯糸Y1を移行することによるステッピングモータ22における負荷の上昇は、緯糸Y1の緯入れ速度を減速させ、緯糸Y1の緯入れ終了時における急激な張力上昇が抑制される。
【0033】
(1−2)図3に示すように、緯糸Y1が第2の糸経路にあるとき、即ち糸経路変更体23が緯糸制動位置にあるときには、糸屈曲角度αは糸屈曲角度βよりも大きい。糸屈曲角度α,βの大小関係は、回転軸線222、一対の糸ガイド17,21及び一対のガイドリング24,25の間における配置関係によって決定される。本実施の形態では、糸経路変更体23が緯入れ位置である第1の糸経路にあるときには、糸ガイド17,21及びガイドリング24,25が同一直線上にあり、L1<L2及びL3<L4の大小関係が設定されている。又、回転軸線222が糸経路から変位した位置(図示の例では下側に変位した位置)に設定されている。このような配置関係は、緯糸Y1が第2の糸経路にあるときの糸屈曲角度α,βの大小関係α>βをもたらす。α>βという大小関係は、緯糸張力が第1のガイドリング24に掛ける荷重F1と、緯糸張力が第2のガイドリング25に掛ける荷重F2との間にF1>F2の大小関係をもたらす。距離L1が距離L2に比べて小さいほど、かつ荷重F2が荷重F1に比べて小さいほど、緯糸張力によってステッピングモータ22に掛かる負荷が低減する。従って、糸屈曲角度α,βに関するα>β、及び距離L1,L2に関するL1<L2の大小関係は、ステッピングモータ22における負荷トルクを抑制しつつ急激な張力上昇を抑制する上で有効である。
【0034】
(1−3)糸屈曲角度αが糸屈曲角度βに比べて大きいほど、緯糸張力によって第1のガイドリング24に掛かる荷重が大きくなり、急激な張力上昇の抑制を第1のガイドリング24側で分担する割合が大きくなる。糸屈曲角度α,βに関するα>βという大小関係は、急激な張力上昇の抑制を第1のガイドリング24側で分担させる割合を大きくする。急激な張力上昇の抑制に関して第1のガイドリング24側での分担割合が大きいほど、ステッピングモータ22における負荷トルクの抑制が容易である。
【0035】
(1−4)回転軸線222とガイドリング24,25との距離関係(L1<L2)は、ステッピングモータ22の少ない回転量で緯糸引き戻し量を稼ぐ上で有利である。
【0036】
(1−5)糸経路変更体23が緯入れ位置から緯糸制動位置へ移行するとき、即ち、緯糸Y1が第1の糸経路から第2の糸経路へ移動するときには、第1のガイドリング24は、糸経路の下流側から上流側に移動する。この移動時には第1のガイドリング24は、ステッピングモータ22の回転方向へ移動する。即ち、第1のガイドリング24は、第1の糸経路の方向において第1の糸ガイド17に近づいてゆく。しかし、第1の糸ガイド17と第1のガイドリング24との間におけるこのような相対的な移動関係は、ステッピングモータ22の少ない回転量で第1のガイドリング24における糸屈曲角度αを大きくする上で有利である。
【0037】
(1−6)図1(a)に示すように、緯糸Y1が第1の糸経路にあるとき、第1の糸ガイド17と第1のガイドリング24との距離L3は、第2の糸ガイド21と第2のガイドリング25との距離L4よりも小さくしてある。図3に示すように、緯糸Y1が第2の糸経路にあるときにも、L3<L4の大小関係は変わらない。図3において、第2の糸ガイド21が第2のガイドリング25から緯入れ方向にL4を大きくするほど、糸屈曲角度βは小さくなる。又、図3において、第1の糸ガイド17が第1のガイドリング24に対して緯入れ方向にL3を小さくするほど、糸屈曲角度αは大きくなる。従って、L3<L4という距離関係は、緯糸Y1が第2の糸経路にあるときの糸屈曲角度α,βに大小差をつける上で有効である。
【0038】
(1−7)回転軸線222は、図1(a)のように、糸経路変更体23の糸通路231の中心軸線よりも下側に変位した位置に設定される。即ち、糸経路変更体23が緯糸の制動のために第1の糸経路から第2の糸経路を取るように回転されるとき、第1のガイドリング24が第1の糸ガイド17に近づく方向に回動するように回転軸線222を糸通路231の中心軸線に対して直角方向に変位した位置に設定する。このような回転軸線222の配置位置の設定は、ステッピングモータ22の少ない回転量で糸屈曲角度αを大きくする上で有利である。
【0039】
(1−8)緯入れ抵抗付与手段を構成する圧縮ばね20は、緯入れ終了時には制動時よりも更に縮小して緯入れ終了時の張力上昇を抑制する。従って、圧縮ばね20のばね力及び屈曲抵抗の両方を利用した緯入れ終了時の張力上昇の抑制は、屈曲抵抗のみによる緯入れ終了時の張力上昇の抑制に比べて優れている。即ち、圧縮ばね20のばね力及び屈曲抵抗の両方を利用した緯入れ制御は、緯糸引き出し終了時の張力上昇を小さくする。
【0040】
(1−9)圧縮ばね20の弾性力は、緯糸の飛走終了時における張力の急激な上昇を抑制する上で好適である。
(1−10)一対の抵触体であるガイドリング24,25が一対の糸ガイド17,21を結ぶ線上にあるときには、緯糸Y1は第1の糸経路上にある。即ち、一対のガイドリング24,25は、緯糸Y1が直線形状の第1の糸経路にあるときには、緯糸Y1に抵触しない状態で第1の糸経路に対して平行な線上にある。織機の高速化には緯入れ速度の高速化が欠かせない。一対のガイドリング24,25と緯糸Y1との非抵触状態は、緯入れ速度の高速化の妨げとなる余分な緯入れ抵抗を排除する。
【0041】
(1−11)第2の糸経路における屈曲具合は、糸経路変更体23の回動位置を調整、即ちステッピングモータ22の回転位置を調整することによって多段階に制御できる。ステッピングモータ22は、緯糸Y1に対する制動作用をきめ細かに調整する上で、回転駆動手段として好適である。
【0042】
(1−12)緯入れ終了時の張力上昇による衝撃の大きさは、緯糸Y1の糸種、織り幅によって異なる。この衝撃の大きさは、圧縮ばね20のばね力、及び第2の糸経路の屈曲具合を適正に設定することによって低減できる。圧縮ばね20のばね力、及び第2の糸経路の屈曲具合の両方によって緯入れ終了時の張力上昇による衝撃を緩和する構成は、糸経路の屈曲具合のみによる従来の衝撃緩和に比べてきめ細かな調整を可能にする。
【0043】
(1−13)第2の糸経路の屈曲経路長の調整、即ち屈曲程度の大きさの調整は、糸経路変更体23の緯糸制動位置を調整することによって簡単に行える。ステッピングモータ22のような回転駆動手段は、第2の糸経路の屈曲経路長を調整する、即ち屈曲程度の大きさを調整する上で好適である。
【0044】
次に、図6〜図10の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
図6(b)及び図7に示すように、ステッピングモータ22の出力軸221は、基板部161を貫通して基板部161の前面側に突出しており、出力軸221の突出部には糸経路変更体23Aが止着されている。図6(a)に示すように、糸経路変更体23Aの直上には支持筒28が配設されている。支持筒28は基板部161に止着されており、支持筒28の筒内には可動体29の一部がスライド可能に嵌入されている。可動体29と支持筒28の筒底との間には圧縮ばね30が介在されている。
【0045】
支持枠16のガイド板部165にはセラミックス製の第2の糸ガイド27が止着されている。第1の糸ガイド17の糸通し孔171と第2の糸ガイド27の糸通し孔271とは、糸通し孔171の孔方向に見て一致する。回転軸線222、糸ガイド17,27及びガイドリング24,25の間の位置関係は、第1の実施の形態の回転軸線222、糸ガイド17,21及びガイドリング24,25の場合と略同じである。緯糸Y1は、第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド27との間で直線形状となる緯入れ時の第1の糸経路をとり、しかも緯糸Y1がガイドリング24,25に接触することはない。
【0046】
緯糸Y1の緯入れの終了近くになると、制御装置15は、糸経路変更体23Aが図6(a)の緯入れ位置から図8の緯糸制動位置へ回動配置されるようにステッピングモータ22の作動を制御する。糸経路変更体23Aが図8の緯糸制動位置にある状態では、緯糸Y1は、糸ガイド17,27及びガイドリング24,25に接触しながら第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド27との間で屈曲形状となる第2の糸経路をとる。このときの緯糸張力は、圧縮ばね30のばね力に抗して可動体29を動かす。図8の状態ではガイドリング24,25における糸屈曲角度α,βの大小関係は、α>βとなっている。
【0047】
電磁ソレノイド12が消磁されて係止ピン121が糸巻付面112に係合すると、緯糸Y1の引き出し解舒が阻止されて緯入れが終了する。緯入れ終了時の張力上昇は、圧縮ばね30のばね力に抗して可動体29を図8の状態から更に動かす。図9は、緯入れ終了時の張力上昇による可動体29の上動を表す。
【0048】
緯入れ待機中の緯糸を緯入れ用メインノズル内に引き込んでおく必要がある場合、制御装置15は、緯入れされた緯糸Y1が織布(図示略)から切断分離された後に、糸経路変更体23Aを図8,9の緯糸制動位置から図10の引き戻し位置、即ち第3の糸経路に回動配置するようにステッピングモータ22の作動を制御する。図10の状態における第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド27との間の糸経路は、図8の状態における第2の糸経路よりも大きな屈曲状態となる。従って、第2の糸ガイド27から緯入れ用メインノズル13Aに至る緯糸Y1が緯糸測長貯留装置11側に引き戻され、緯入れ待機中の緯糸Y1が緯入れ用メインノズル13A内に引き込まれる。
【0049】
糸経路変更体23A、一対のガイドリング24,25及びステッピングモータ22は、糸経路変更手段を構成する。圧縮ばね30は、第2の糸経路側から第1の糸経路側へ向けて可動体29を弾性付勢する弾性付勢手段である。支持筒28は、圧縮ばね30の不動端を支持する支持手段である。可動体29、支持筒28及び圧縮ばね30は、第1の糸経路からの緯糸Y1の移動が大きくなるにつれて大きくなる緯入れ抵抗を可動体29を介して緯糸Y1に付与する緯入れ抵抗付与手段を構成する。
【0050】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同じ効果が得られる。
次に、図11〜図15の第3の実施の形態を説明する。第1及び第2の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0051】
糸経路変更体23の上端には板ばね31が止着されている。板ばね31は、糸通路231の通路方向に沿って第2のガイドリング25の前方に延出している。板ばね31の先端部にはリング形状の可動ガイド32が止着されている。可動ガイド32は、セラミックス製である。板ばね31が自然状態のときには、可動ガイド32の糸通し孔321は、糸通路231の通路方向に見て糸通路231と重なっている。緯糸Y1は、第1の糸ガイド17、第1の抵触体であるガイドリング24、糸通路231、ガイドリング25、第2の抵触体である可動ガイド32及び第2の糸ガイド27に通されている。
【0052】
回転軸線222、糸ガイド17,27、ガイドリング24及び可動ガイド32の間の位置関係は、第1の実施の形態の回転軸線222、糸ガイド17,21及びガイドリング24,25の場合と略同じである。緯糸Y1は、第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド27との間で直線形状となる緯入れ時の第1の糸経路をとり、しかも緯糸Y1がガイドリング24,25に接触することはない。
【0053】
図11(a),(b)は、緯入れ開始直前の状態を示す。緯糸Y1の緯入れが開始される直前では、糸経路変更体23は、糸通路231の通路方向が糸ガイド17の糸通し孔171の孔方向と同じ方向となる緯入れ位置に設定される。糸経路変更体23が緯入れ位置にあるときには、第1の糸ガイド17の糸通し孔171、第2の糸ガイド27の糸通し孔271、糸通路231及び可動ガイド32の糸通し孔321は、糸ガイド17,27の糸通し孔171,271の孔方向に見て重なる。この状態では、緯糸Y1は、第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド27との間で直線形状となる第1の糸経路をとり、しかも緯糸Y1がガイドリング24,25及び可動ガイド32に接触することはない。
【0054】
緯糸Y1の緯入れの終了近くになると、制御装置15は、糸経路変更体23が図11(a)の第1の糸経路から図13の緯糸制動位置である第2の糸経路へ回動配置されるようにステッピングモータ22の作動を制御する。糸経路変更体23が図13の緯糸制動位置にある状態では、緯糸Y1は、糸ガイド17,27、ガイドリング24,25及び可動ガイド32に接触しながら第1の糸ガイド17と第2の糸ガイド27との間で屈曲形状となる。このときの板ばね31は、緯糸張力によって撓み変形される。図13の状態ではガイドリング24と可動ガイド32とにおける糸屈曲角度α,βの大小関係は、α>βとなっている。
【0055】
糸経路変更体23、ガイドリング24,25、可動ガイド32及びステッピングモータ22は、第1の糸経路と第2の糸経路との間で緯糸Y1の糸経路を変更する糸経路変更手段を構成する。可動ガイド32は、第1の糸経路と第2の糸経路との間で移動する緯糸Y1に接触する可動体である。ガイドリング24及び可動ガイド32は、少なくとも第2の糸経路側では緯糸Y1に抵触しながら第1の糸経路と第2の糸経路との間で移動される抵触体となる。板ばね31は、第1の糸経路側から第2の糸経路側へ向けて第2の糸ガイド27を弾性付勢する弾性付勢手段である。糸経路変更体23は、板ばね31の不動端を支持する支持手段である。糸経路変更体23、板ばね31及び可動ガイド32は、第1の糸経路からの緯糸Y1の変位が大きくなるにつれて大きくなる緯入れ抵抗を第2の糸ガイド27を介して緯糸Y1に付与する緯入れ抵抗付与手段を構成する。
【0056】
緯入れ終了時の張力上昇は、板ばね31のばね力に抗して可動ガイド32を図13の状態から下方に引き下げる。図14は、緯入れ終了時の張力上昇による可動ガイド32の下動を表す。糸経路変更体23が更に回動され、図15の鎖線で示す第3の糸経路では、図13の状態における第2の糸経路よりも大きな屈曲状態となる。このため、第2の糸ガイド27から緯入れ用メインノズル13Aに至る緯糸Y1が緯糸測長貯留装置11側に引き戻され、緯入れ待機中の緯糸Y1の先端が緯入れ用メインノズル13A内に引き込まれる。
【0057】
板ばね31のばね力は、第1の実施の形態における圧縮ばね20及び第2の実施の形態における圧縮ばね30と同じ役割を果たす。第3の実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
【0058】
図16の第4の実施の形態では、糸経路変更体23に挿し込み溝232が形成されており、板ばね31が挿し込み溝232に挿し込み支持されている。糸経路変更体23にはねじ33が螺着されている。ねじ33の先端は、板ばね31の基端部に当接するようになっており、板ばね31の基端部は、ねじ33の締め付けによって挿し込み溝232内で糸経路変更体23に固定される。板ばね31は、ねじ33の締め付けを緩めた状態で挿し込み溝232内での位置を調整できる。この調整により糸経路変更体23の先端からの板ばね31の延出長さが調整され、板ばね31のばね力が調整される。
【0059】
第4の実施の形態では、板ばね31のばね力の調整を容易に、かつきめ細かに行なうことができ、第1の実施の形態における(1−12)項の効果が更に向上する。
【0060】
図17の第5の実施の形態では、セラミックス製のガイドパイプ34が糸経路変更体23に取り付けられている。ガイドパイプ34は、第1の抵触体と第2の抵触体との両方を兼ねる。回転軸線222、糸ガイド17,27及びガイドパイプ34の間の位置関係は、第1の実施の形態の回転軸線222、糸ガイド17,21及びガイドリング24,25の場合と略同じである。図17に鎖線で示すように、糸経路変更体23が緯糸制動位置である第2の糸経路に配置された状態ではガイドパイプ34における糸屈曲角度α,βの大小関係は、α>βとなっている。
【0061】
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)第1〜第5の実施の形態において、緯入れ用メインノズルの糸導入口を第2の糸ガイドとすること。
【0062】
(2)緯入れ抵抗付与手段の緯入れ抵抗付与作用として、空気ばね、あるいは磁力を用いること。
(3)回転駆動手段としてサーボモータを用いること。
【0063】
前記した実施例から把握できる請求項記載以外の発明について以下に記載する。
(4)第1の実施の形態において、第2の糸ガイドを固定ガイドで構成すること。
【0064】
(5)第2の実施の形態を、支持筒28、可動体29、圧縮ばね30からなる緯入れ抵抗付与手段を備えない形態で実施すること。
(6)第1の実施の形態において、L1>L2及びL3>L4の大小関係を設定し、ステッピングモータ22の回転方向を第1の実施の形態の場合とは逆方向〔即ち、図1(a)において右回転方向〕とすること。この場合、第2のガイドリング25が第1の抵触体となり、第1のガイドリング24が第2の抵触体となる。即ち、第1の抵触体は、第2の抵触体の下流側に配置されることになる。
【0065】
〔1〕前記糸経路変更手段によって前記第1の糸経路と前記第2の糸経路との間で移動する緯糸に接触する可動体を有すると共に、前記第1の糸経路からの前記緯糸の移動が大きくなるにつれて大きくなる緯入れ抵抗を前記可動体を介して付与する緯入れ抵抗付与手段を備え、前記可動体は、前記第1の糸経路と前記第2の糸経路との間で移動する前記緯糸との接触時の緯糸張力のみによって移動可能としたジェットルームにおける緯入れ制御装置。
【0066】
〔2〕前記〔1〕項において、前記緯入れ抵抗付与手段は、少なくとも前記第2の糸経路側では前記緯糸を抵触させながら通す前記可動体としての糸ガイドと、前記第2の糸経路側から前記第1の糸経路側へ向けて前記糸ガイドを弾性付勢して前記緯糸に緯入れ抵抗を付与する弾性付勢手段と、前記弾性付勢手段の不動端を支持する支持手段とを備え、前記支持手段は不動配置されているジェットルームにおける緯入れ制御装置。
【0067】
〔3〕前記〔1〕項において、前記緯入れ抵抗付与手段は、少なくとも前記第2の糸経路側では前記緯糸に接触する可動体と、前記第2の糸経路側から前記第1の糸経路側へ向けて前記可動体を弾性付勢する弾性付勢手段と、前記弾性付勢手段の不動端を支持する支持手段とを備え、前記支持手段は不動配置されているジェットルームにおける緯入れ制御装置。
【0068】
〔4〕前記糸経路変更手段によって前記第1の糸経路と前記第2の糸経路との間で移動する緯糸に接触する可動体を有すると共に、前記第1の糸経路からの前記緯糸の移動が大きくなるにつれて大きくなる緯入れ抵抗を前記可動体を介して付与する緯入れ抵抗付与手段を備え、前記抵触体の少なくとも1つを前記可動体としたジェットルームにおける緯入れ制御装置。
【0069】
〔5〕前記緯糸が第1の糸経路から第2の糸経路へ移動するときには、前記第2の抵触体は、下流側から上流側に移動し、かつ前記第2の糸ガイドから遠ざかる緯入れ制御装置。
【0070】
〔6〕前記〔1〕項乃至〔5〕項のいずれか1項において、前記第1の糸経路は直線形状であり、第1の糸経路及び回転軸線のいずれに対しても直交する方向から見た場合に第1の糸経路と回転軸線とが直交するようにしたジェットルームにおける緯入れ制御装置。
【0071】
〔7〕前記〔1〕項乃至〔6〕項のいずれか1項において、前記回転駆動手段は、ステッピングモータであるジェットルームにおける緯入れ制御装置。
【0072】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、前記緯糸が前記第2の糸経路にあるときには、前記第1の抵触体における糸屈曲角度が前記第2の抵触体における糸屈曲角度よりも大きくなるようにしたので、負荷トルクを抑制しつつ緯糸の張力上昇を抑制し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は一部破断側面図。(b)は(a)のA−A線断面図。
【図2】図1(a)のB−B線断面図。
【図3】糸経路変更体23が緯糸制動位置にあるときの要部側断面図。
【図4】糸経路変更体23が緯糸制動位置にあるときの要部側断面図。
【図5】糸経路変更体23が引き戻し位置にあるときの要部側断面図。
【図6】第2の実施の形態を示し、(a)は一部破断側面図。(b)は(a)のC−C線断面図。
【図7】図6(a)のD−D線断面図。
【図8】糸経路変更体23Aが緯糸制動位置にあるときの要部側断面図。
【図9】糸経路変更体23Aが緯糸制動位置にあるときの要部側断面図。
【図10】糸経路変更体23Aが引き戻し位置にあるときの要部側断面図。
【図11】第3の実施の形態を示し、(a)は一部破断側面図。(b)は(a)のE−E線断面図。
【図12】図11(a)のF−F線断面図。
【図13】糸経路変更体23が緯糸制動位置にあるときの要部側断面図。
【図14】糸経路変更体23が緯糸制動位置にあるときの要部側断面図。
【図15】糸経路変更体23が引き戻し位置にあるときの要部側断面図。
【図16】第4の実施の形態を示す要部側断面図。
【図17】第5の実施の形態を示す要部正断面図。
【符号の説明】
11…緯糸測長貯留装置。13A,13B…緯入れ用メインノズル。17…第1の糸ガイド。21,27…第2の糸ガイド。22…糸経路変更手段を構成する回転駆動手段としてのステッピングモータ。222…回転軸線。23,23A…糸経路変更手段を構成する糸経路変更体。24…糸経路変更手段を構成する第1の抵触体としての第1のガイドリング。25…糸経路変更手段を構成する第2の抵触体としての第2のガイドリング。32…第2の抵触体としての可動ガイド。34…第1及び第2の抵触体としてのガイドパイプ。
Claims (5)
- ノズルの流体噴射作用によって緯糸を緯入れするジェットルームにおいて、
緯糸測長貯留装置と前記ノズルとの間における緯入れ時の緯糸経路となる第1の糸経路と、前記第1の糸経路における緯入れ抵抗よりも大きい緯入れ抵抗をもたらす第2の糸経路との間で緯糸の糸経路を変更する糸経路変更手段と、
前記糸経路変更手段の上流側に配設された第1の糸ガイドと、
前記糸経路変更手段の下流側に配設された第2の糸ガイドとを備え、前記糸経路変更手段は、少なくとも前記第2の糸経路側では前記緯糸に抵触しながら前記第1の糸経路と前記第2の糸経路との間で移動される第1及び第2の抵触体と、前記第1及び第2の抵触体を回転力によって一体的に移動させる回転駆動手段とを備え、前記回転駆動手段の回転軸線の位置は、前記一対の抵触体の間に設定し、前記回転軸線と前記第1の抵触体との距離は、前記回転軸線と前記第2の抵触体との距離よりも小さくし、前記回転軸線、前記一対の糸ガイド及び前記一対の抵触体の間における配置関係は、前記緯糸が前記第2の糸経路にあるときには、前記第1の抵触体における糸屈曲角度が前記第2の抵触体における糸屈曲角度よりも大きくなるようにしたジェットルームにおける緯入れ制御装置。 - 前記第1の糸ガイドと前記第1の抵触体との間の距離は、前記第2の糸ガイドと前記第2の抵触体との間の距離よりも小さくしてある請求項1に記載のジェットルームにおける緯入れ制御装置。
- 前記回転軸線は、前記第1の糸経路から変位した位置に設定され、前記緯糸を第1の糸経路から第2の糸経路へ移動させるときの前記回転駆動手段の回転方向は、前記第1の抵触体が前記第1の糸経路の位置から回転軸線位置側へ移動し、前記第2の抵触体が前記第1の糸経路の位置から回転軸線位置とは反対側に向けて移動する方向である請求項2に記載のジェットルームにおける緯入れ制御装置。
- 前記糸経路変更手段は、前記緯入れ時の緯糸経路となる第1の糸経路と、前記第1の糸経路における緯入れ抵抗よりも大きい緯入れ抵抗をもたらすように緯糸を屈曲する第2の糸経路と、緯糸を第2の糸経路より大きく屈曲して緯糸の引き戻しを行う第3の糸経路との間で緯糸の糸経路を変更する請求項3に記載のジェットルームにおける緯入れ制御装置。
- 前記一対の抵触体は、前記緯糸を通すガイドリングであり、一対の前記ガイドリングは、前記緯糸が第1の糸経路にあるときには、第1の糸経路上の緯糸に抵触しない位置にある請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のジェットルームにおける緯入れ制御装置。
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