JP3760606B2 - 樹脂製中空製品およびその製造方法 - Google Patents

樹脂製中空製品およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の中空管状体を一体に連結した構成を有する樹脂製中空製品およびその製造方法に関するもので、具体的には、内燃機関のエアクリーナケースに吸気マニホルドパイプを樹脂により一体成形する吸気装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸気マニホルドパイプのような中空管状体を樹脂成形により製造する製造方法として、中空管状体の軸方向に沿った面で分割した2つの分割体を1次成形した後に、この2つの分割体の接合部を突き合わせ、この突き合わせ面に樹脂材料を注入して2次成形することにより、2つの分割体を一体に接合する方法が特開平5−286054号公報、特開平7−205299号公報等に記載されている。
【0003】
また、これらの公報においては、2つの分割体の接合部に中空管状体の径方向の外方へ拡がるフランジ部を形成して、このフランジ部同志を突き合わせて2次成形を行うことにより、2つの分割体を接合することが記載されている。
ところで、図10、図11は、本発明者らが実際に試作検討した、内燃機関の吸気装置における吸気マニホルドパイプ24部の接合構造を示すもので、この吸気装置は、エアクリーナケース12、スロットルボデー、サージタンク、吸気マニホルドパイプ24等の部品を樹脂により一体成形して内燃機関の本体に装着することにより、吸気装置の装着作業の容易化を図るようにしたものである。
【0004】
このような吸気装置において、本発明者らは吸気マニホルドパイプ24の成形に際して、吸気マニホルドパイプ24の上側半分の第1分割体240をエアクリーナケース12側に1次成形にて一体に形成し、また、下側半分の第2分割体241を1次成形にて別途独立に形成した後に、この第1分割体240と第2分割体241とを2次成形にて一体に接合する構造を検討してみた。
【0005】
その際、第1分割体240と第2分割体241の接合部に、上記特開平5−286054号公報と同様にフランジ部242、242′を形成し、この両フランジ部242、242′の突き合わせ面に空室部243を形成し、この中空部243に2次成形による樹脂244を注入し成形することにより、第1分割体240と第2分割体241の接合を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとき試作品によると、複数の吸気マニホルドパイプ24相互の間が、エアクリーナケース12の壁面(底面部)を構成する連結部251にて連結される構造になっているので、第1分割体240側では連結部251に向かい合う位置関係でフランジ部242′が配置されることになる。そのため、この連結部251とフランジ部242′との間に、樹脂成形型の型抜きを阻害するアンダーカット形状部253(図10(a)の斜線部参照)が発生し、樹脂成形型の複雑化を招き、型コストを上昇させるという不具合が生じることが判明した。
【0007】
なお、アンダーカット形状部253を消滅させるために、吸気マニホルドパイプ24とエアクリーナケース12の肉厚を厚くして、アンダーカット形状部253を樹脂の肉厚で埋めるという手法も考えられるが、この手法は製品の重量増加、樹脂材料費の上昇を招くので、実用上、採用することが困難である。
本発明は上記点に鑑みて、内燃機関の吸気装置のごとく、複数の中空管状体を一体に連結した構成を有する樹脂製中空製品を製造する際して、中空管状体を2つの分割体に分割して成形した後に、この2つの分割体を一体に接合するものにおいて、樹脂成形型の型抜きを阻害するアンダーカット形状部の発生を回避して、成形型の簡素化を図ることを目的とする。
【0008】
また、本発明は、2つの分割体の接合性を向上することを他の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜4記載の発明では、中空管状体(24)の軸方向に沿った面で分割した2つの分割体(240、241)と、
この両分割体(240、241)のうち、いずれか一方の分割体(240)に形成され、複数の中空管状体相互の間を連結する連結部(251)と、
両分割体(240、241)のうち、連結部(251)が備えられていない他方の分割体(241)の接合部のみに形成され、中空管状体(24)の外周側へ突出するフランジ部(242)とを備え、
他方の分割体(241)のフランジ部(242)の内周側に一方の分割体(240)の接合部を突き合わせて、両分割体(240、241)を一体に接合するすることを特徴としている。
【0010】
これによると、連結部(251)のない他方の分割体(241)のみにフランジ部(242)を形成して、両分割体(240、241)の接合を行うから、図4に例示するように、連結部(251)のある分割体(240)側にアンダーカット形状部が発生しない。そのため、アンダーカット形状部の成形のための型の複雑化、あるいはアンダーカット形状部を埋めるための樹脂材料の厚肉化といった不具合が発生せず、成形型の簡素化、中空管状体の軽量化を達成できる。
【0011】
上記両分割体(240、241)の接合は、具体的には、請求項2記載の発明のように、他方の分割体(241)のフランジ部(242)と一方の分割体(240)の接合部との突き合わせ部に空室部(243)を形成し、この空室部(243)内に樹脂(244)を注入して成形することにより行うことができる。
その場合、請求項3記載の発明のように、樹脂(244)の成形圧力が一方の分割体(241)の内周側と外周側とで相殺されるような形状に、空室部(243)を形成すれば、樹脂(244)の成形圧力による、一方の分割体(241)の接合部の変形を良好に抑制できる。
【0012】
また、請求項4記載の発明では、一方の分割体(240)は、空室部(243)の内周側から他方の分割体(241)に向かって突出する内周側突出部(249)を有しており、他方の分割体(241)は、この内周側突出部(249)の内周側を支持する支持突出部(245)を有していることを特徴としている。
これによると、樹脂(244)の成形圧力により一方の分割体(240)の内周側突出部(249)が内周側(空間側)に変形しようとするのを他方の分割体(241)の支持突出部(245)により良好に抑制できる。
【0013】
このように内周側突出部(249)の内周側(空間側)への変形を抑制することにより、2つの分割体の接合性を向上できる。
また、請求項5記載の発明によると、上記した樹脂製中空製品を用いて内燃機関の吸気装置を構成することができる。
また、請求項6記載の発明は、複数の中空管状体(24)を一体に連結した構成を有する樹脂製中空製品の製造方法であって、
2つの分割体(240、241)のうち、いずれか一方の分割体(240)および複数の中空管状体相互の間を連結する連結部(251)を1次成形する工程と、
両分割体(240、241)のうち、連結部(251)が備えられていない他方の分割体(241)およびこの他方の分割体(241)の接合部に形成されるフランジ部(242)を1次成形する工程と、
他方の分割体(241)のフランジ部(242)の内周側に一方の分割体(240)の接合部を突き合わせて、両分割体(240、241)を一体に接合する2次成形の工程とを有することを特徴としている。
【0014】
これによれば、連結部(251)のある分割体(240)側にアンダーカット形状部を発生させることなく、2つの分割体からなる樹脂製中空製品を良好に製造できる。
請求項7記載の発明では、2つの1次成形の工程を成形型(246、247)内にて行った後に、この成形型(246、247)のスライドにより、2次成形の工程を同一の成形型(246、247)内にて行うことを特徴としている。
【0015】
これによれば、同一の成形型内における1次成形と2次成形により両分割体(240、241)の成形および接合を行うことができ、複数の中空管状体(24)を一体に連結した構成を有する樹脂製中空製品を効率よく高い生産性で成形できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図4は車両走行用内燃機関の吸気装置に本発明を適用した第1実施形態を示しており、内燃機関10(図3)は本例では3気筒タイプであり、その気筒列方向は図3の紙面垂直方向(図1、2の左右方向)である。10aはこの内燃機関10のシリンダヘッドで、10bは吸気ポートである。
【0017】
この内燃機関10の直ぐ側方に隣接して、本発明による吸気装置11が配設されている。この吸気装置11は、後述する種々な吸気系部品をコンパクトに集積化した1ユニットの組立体から構成されている。
この吸気装置11のうち、内燃機関10寄りの部位の上方側にエアクリーナケース12が配置され、このエアクリーナケース12の上面には開口部(図示せず)が設けられ、この開口部を閉塞するキャップ部材13がエアクリーナケース12に対して脱着可能に装着されている。キャップ部材13にはエアクリーナケース12内に突出する略矩形状のエアクリーナ14(図1)が保持されている。なお、エアクリーナケース12およびキャップ部13はいずれも樹脂製であり、ナイロンのようなある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂材料の成形品である。以下説明する他の樹脂製の構成部品も、エアクリーナケース12およびキャップ部材13と同様の樹脂にて成形される。
【0018】
エアクリーナケース12の一側面(内燃機関10側の側面)には水平方向に突出する空気入口15が一体成形されており、この空気入口15は車両エンジンルーム内の空気(外気)をケース12内に導入するためのものである。そして、空気入口15からの導入空気がケース12内のエアクリーナ14を通過することにより、空気中の塵埃等が除去されて、空気が清浄化される。
【0019】
ケース12内において、エアクリーナ14の空気下流側に形成されるクリーンサイドの空間は、図2、3に示す機関気筒列方向の一端側の下方寄りに位置する連通室18に連通している。この連通室18には、樹脂製の出口ダクト19の一端部(下端部)が気密に嵌合接続されている。
この出口ダクト19はU状に湾曲した形状からなり、出口ダクト19の他端部(上端部)は樹脂製のスロットルボディ20の上流端に嵌合接合されている。このスロットルボディ20の内部にはスロットルバルブ(図示せず)がシャフト22を中心として回動可能に配置されている。このスロットルバルブは、周知のごとく車両のアクセル機構により操作されて内燃機関10に吸入される吸気量を調整するものである。スロットルボディ20の下流側には吸気脈動を緩和するように、スロットルボディ20の下流側空間の容積を拡大する樹脂製サージタンク23が配置されている。
【0020】
このサージタンク23は、図3に示すように内燃機関10と反対側の部位において上方側に位置しており、かつ、サージタンク23は図1に示すように内燃機関10の気筒列方向(図1の左右方向)に延び、図1の幅Wの全長にわたって形成されている。そして、サージタンク23内の空間に対して、樹脂製吸気マニホルドパイプ24の入口部(上端部)が開口している。ここで、本例の内燃機関10は3気筒タイプとなっているので、吸気マニホルドパイプ24が3本となっている。
【0021】
この吸気マニホルドパイプ24は、サージタンク23の配置部位からエアクリーナケース12の下側に沿って内燃機関10の吸気ポート10b側へ湾曲状に延びるものである。この吸気マニホルドパイプ24の出口部(下端部)には取付フランジ部(取付部)25が樹脂にて一体成形されている。この取付フランジ部25は、内燃機関10の取付面10c(図3)に沿った平板形状になっており、複数、本例では6個の取付穴26を有している。この取付穴26に挿通されるねじ手段(図示せず)にて取付フランジ部25は内燃機関10の取付面10cに締結される。これにより、吸気装置11全体を内燃機関10に固定するようになっている。
【0022】
一方、各吸気マニホルドパイプ24の出口側(換言すると、内燃機関10の吸気ポート10bの上流側)の部位に、それぞれ燃料(ガソリン)を噴射する燃料噴射弁27(図2)がフランジ部25に配置されている。すなわち、フランジ部25には、3本の吸気マニホルドパイプ24毎に対応して燃料噴射弁27の装着穴28が開けられており、この装着穴28に燃料噴射弁27が挿入され、脱着可能に固定されている。
【0023】
この燃料噴射弁27は、エアクリーナケース12内のエアクリーナ14上流側のダスト側空間内に配置されている。なお、燃料噴射弁27は周知のごとく燃料噴射制御装置により開弁時間が自動制御される電磁式の燃料噴射手段である。
次に、上記構成において吸気装置の作用の概要を説明する。内燃機関10が運転されると、エアクリーナケース12の空気入口15から外気が吸入され、この吸気はケース12内に流入した後、エアクリーナ14を通過して、空気中の塵埃等が除去されて、吸気が清浄化される。次に、この清浄化された吸気は、連通室18、出口ダクト19を経て、スロットルボディ20に至り、ここで、流量調整される。次いで、吸気はサージタンク23を通過して脈動が吸収され、しかる後、吸気は3本の吸気マニホルドパイプ24に分配される。
【0024】
一方、燃料は、図示しない燃料供給ポンプにて圧送され、各燃料噴射弁27に分配される。そして、各燃料噴射弁27を電子制御により適時開弁することにより、燃料が各吸気マニホルドパイプ24の出口側の部位に噴射される。従って、燃料と空気が混合気となって、内燃機関10の吸気ポート10bから各気筒内に吸入される。
【0025】
ところで、内燃機関10の側方に隣接して配置される吸気装置11において、エアクリーナケース12、連通室18、出口ダクト19、スロットルボディ20、サージタンク23、吸気マニホルドパイプ24、フランジ部25等はすべて樹脂成形されたもので、これらの各部は一体成形、あるいは溶着等の接合手段により一体に連結されており、そして、これらの吸気系部品は1ユニットの組立体として組立られている。
【0026】
本発明は、このように1ユニットの組立体として組立られる吸気装置11において、吸気マニホルドパイプ24部分を含む樹脂製中空製品の樹脂成形構造、およびその製造方法に特徴を有しており、以下、このことについて具体的に説明する。図4に示すように、中空管状体を構成する吸気マニホルドパイプ24部分は、その軸方向に沿った面で分割した2つの分割体240と241から構成されている。
【0027】
ここで、上側の分割体240と下側の分割体241との接合部の形状は図5(a)に示す通りであり、下側の分割体241のみに、中空管状体の外周側に突出するフランジ部242を形成している。このフランジ部242は、下側の分割体241の端部から上側の分割体240側へ延びて、上側の分割体240の端部を覆うように形成されている。
【0028】
一方、上側の分割体240の端部(接合部)のうち、内周側には下側の分割体241に向かって突出する内周側突出部249を形成し、この内周側突出部249の外側とフランジ部242の内側との間の空間により、空室部243を形成している。この空室部243内に樹脂244を注入して成形することにより、両分割体240、241の接合を行うようになっている。
【0029】
なお、上側の分割体240、下側の分割体241、および空室部243内に注入される樹脂244の具体的材質は、前述のナイロン系の樹脂で、より具体的には、6ナイロン35%ガラス繊維入りである。
(第2実施形態)
図5(b)は第2実施形態による接合部の形状を示し、第1実施形態に対して下側の分割体241の内周部に、上側の分割体240の内周側突出部249の内周側を支持する支持突出部245を形成している。ここで、内周側突出部249の内周側には支持突出部245が嵌合する凹部249′を形成している。
【0030】
(第3実施形態)
図5(c)は第3実施形態による接合部の形状を示し、第1、第2実施形態に対して空室部243の形状を変更しているものであり、後述の2次成形時の成形圧力が上側の分割体240の内周側と外周側とで相殺されるような形状に、空室部243を形成している。すなわち、上側の分割体240には、空室部243の内周側と外周側に位置する内周側突出部249と外周側突出部250を形成して、この両突出部249、250の間に凹部を形成し、空室部243を形成している。
【0031】
上記第2、第3実施形態による技術的意義については、下記の製造方法の説明後に述べる。
上記2つの分割体240、241からなる中空管状体を構成する吸気マニホルドパイプ24部分の製造方法の概要を次に説明すると、上記の両分割体240、241を一体に接合する方法としては、この両分割体240、241をそれぞれ別の成形型にて独立に射出成形した後に、別工程としての溶着工程(超音波溶着、振動溶着、熱板溶着等)を設定して、両分割体240、241を接合することが考えられるが、本実施形態では、このような別工程としての溶着工程を採用せずに、次に述べる中空品射出成形法(DIE SLIDE INJECTION 法)を採用している。
【0032】
この中空品射出成形法による吸気マニホルドパイプ24部分の製造方法を図6〜図9により説明すると、図6は、成形型246、247の間に形成される型空間に成形装置の図示しない射出ゲート部から溶融樹脂材料を射出して、上記の両分割体240、241をそれぞれ射出成形する1次成形の工程を示している。なお、両分割体240、241の接合部形状は、図5(b)の第2実施形態による形状になっている。
【0033】
次に、図7は、上記1次成形後に型開きした状態を示している。次に、図8は2つの成形型246、247のうち、一方の分割体240を保持している成形型246を矢印X方向にスライドさせて、一方の分割体240を他方の分割体241に対向する位置まで移動させた状態を示している。
次に、図9は、上記図8の状態から、2つの成形型246、247の型締めを行った状態を示している。この型締めにより2つの分割体240、241の接合部には空室部243が形成されるので、成形装置の図示しない射出ゲート部から空室部243内部へ溶融樹脂を射出(注入)して、2次成形を行う。この2次成形により2つの分割体240、241の接合部の表面部が溶融樹脂の高熱により溶融して、2つの分割体240、241が確実に一体に接合される。
【0034】
従って、2次成形後に、型開きして、成形品を取り出せば、2つの分割体240、241の一体接合構造からなる中空管状体が得られる。
ところで、上記した中空品射出成形法において、2次成形時には、図9に示すように、2つの分割体240、241の外周側は成形型246、247により支持されるが、内周側は空間部248となるので、成形型246、247により支持することができない。そのため、2次成形時の樹脂成形圧(射出圧)が空室部243に加わると、2つの分割体240、241の接合部形状が図5(a)の形状の場合には、上側の分割体240において内周側の突出部249が2次成形時の樹脂成形圧の影響で空間部248側(図5(a)の矢印Y側)へ変形(倒れ)しようとする。
【0035】
これに対して、図5(b)の第2実施形態の接合部形状によると、下側の分割体241の内周部に、上側の分割体240の突出部249の内周部を支持する支持突出部245を形成しているため、2次成形時に突出部249が空間部248側(内周側)へ変形しようとするのを支持突出部245にて良好に抑制できる。すなわち、下側の分割体241では、フランジ部242に成形型(金型)側への樹脂成形圧が加わるため、このフランジ部242への樹脂成形圧と、支持突出部245への樹脂成形圧の方向が逆方向となり、フランジ部242への樹脂成形圧と、支持突出部245への樹脂成形圧を相殺できる。その結果、下側の分割体241における支持突出部245を2次成形時においても成形当初の形状に十分維持することができるので、突出部249の空間部248側への変形を支持突出部245によって良好に抑制できる。
【0036】
さらに、図5(c)の第3実施形態の接合部形状によると、上側の分割体240に内周側の突出部249と外周側の突出部250を形成し、この両突出部249、250の間に凹部を形成して、空室部243を形成してる。なお、第3実施形態では、空室部243の必要容積を確保するために、下側の分割体241にも凹部を形成して、空室部243が上側の分割体240から下側の分割体241の両方にわたって十字状に形成している。
【0037】
第3実施形態の接合部形状によると、上側の分割体240において、2次成形時の樹脂成形圧が内周側の突出部249と外周側の突出部250の両方に対して逆方向に加わって、相殺し合うので、内周側の突出部249の空間部248側(内周側)への変形をより一層良好に抑制できる。また、下側の分割体241においても、2次成形時の樹脂成形圧が内周側と外周側で相殺し合うようになっている。
【0038】
上記のように、2つの分割体240、241をそれぞれ成形する1次成形の工程と、両分割体240、241を接合する2次成形の工程とをすべて同一の成形型246、247内において行うことができ、中空管状体の成形工程の生産性を大幅に向上できる。
次に、上記した2つの分割体240、241と吸気装置11全体との関連を説明すると、図1、3、4に示すように、上側の分割体240には、吸気マニホルドパイプ24部分の上半分だけでなく、取付フランジ部25、エアクリーナケース12の底部側部分、連通室18のエンジン側部分(図3の左側部分)、サージタンク23のエンジン側部分(図3の左側部分)、およびスロットルボディ20が一体に成形される。
【0039】
また、下側の分割体241には、吸気マニホルドパイプ24部分の下半分の他に、連通室18の反エンジン側部分(図3の右側部分)およびサージタンク23の反エンジン側部分(図3の右側部分)が一体に成形される。
そして、上側の分割体240には、図4に示すように複数の吸気マニホルドパイプ24相互の間を連結する連結部251が一体に成形されており、この連結部251はエアクリーナケース12の底部を構成するものであって、ケース12内への流入空気中の水を排出する水抜き穴252が開けられている。
【0040】
図10、11に示す本発明者らが試作した試作例(本発明の比較品)では、前述のごとく連結部251とフランジ部242′との間にアンダーカット形状部253が発生して、樹脂成形型の複雑化を招くが、上述の第1〜第3実施形態よると、連結部251を有する上側の分割体240にはフランジ部242′を形成せず、連結部251を有しない下側の分割体241のみにフランジ部242を形成しているから、アンダーカット形状部253が発生しない。
【0041】
その結果、第1〜第3実施形態よると、アンダーカット形状部253の成形のための型の複雑化、あるいはアンダーカット形状部253を埋めるための樹脂材料の厚肉化といった手法を必要とせず、成形型の簡素化、中空管状体の軽量化を達成できる。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態では、本発明を車両走行用内燃機関の吸気装置に適用した場合について説明したが、本発明は種々な用途における樹脂製中空製品一般に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を適用する内燃機関の吸気装置の平面図である。
【図2】図1の吸気装置の正面図である。
【図3】図2のZ矢視図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】(a)は図4のB部拡大断面図で、本発明の第1実施形態による接合部形状を示す。(b)、(c)はそれぞれ本発明の第2、第3実施形態による接合部形状を示すB部拡大断面図である。
【図6】本発明方法における1次成形の状態を示す成形型の断面図である。
【図7】本発明方法における1次成形後の型開き状態を示す断面図である。
【図8】本発明方法における型開き後の型スライド状態を示す断面図である。
【図9】本発明方法における2次成形のための型締め状態を示す断面図である。
【図10】本発明者らの試作品の断面図であり、図3のA−A断面図に相当する。
【図11】図10のC部拡大断面図である。
【符号の説明】
10…内燃機関、11…吸気装置、12…エアクリーナケース、
24…吸気マニホルドパイプ(中空管状体)、240…一方の(第1)分割体、
241…他方の(第2)分割体、242…フランジ部、243…空室部、
245、249…突出部、246、247…成形型。

Claims (7)

  1. 複数の中空管状体(24)を一体に連結した構成を有する樹脂製中空製品であって、
    前記中空管状体(24)の軸方向に沿った面で分割した2つの分割体(240、241)と、
    この両分割体(240、241)のうち、いずれか一方の分割体(240)に形成され、前記複数の中空管状体相互の間を連結する連結部(251)と、
    前記両分割体(240、241)のうち、前記連結部(251)が備えられていない他方の分割体(241)の接合部のみに形成され、前記中空管状体(24)の外周側へ突出するフランジ部(242)とを備え、
    前記他方の分割体(241)のフランジ部(242)の内周側に前記一方の分割体(240)の接合部を突き合わせて、前記両分割体(240、241)を一体に接合することを特徴とする樹脂製中空製品。
  2. 前記他方の分割体(241)のフランジ部(242)と前記一方の分割体(240)の接合部との突き合わせ部に空室部(243)を形成し、この空室部(243)内に樹脂(244)を注入して成形することにより、前記両分割体(240、241)の接合を行うことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製中空製品。
  3. 前記樹脂(244)の成形圧力が前記一方の分割体(241)の内周側と外周側とで相殺されるような形状に、前記空室部(243)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製中空製品。
  4. 前記一方の分割体(240)は、前記空室部(243)の内周側から前記他方の分割体(241)に向かって突出する内周側突出部(249)を有しており、
    前記他方の分割体(241)は、前記内周側突出部(249)の内周側を支持する支持突出部(245)を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の樹脂製中空製品。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の樹脂製中空製品を備え、前記複数の中空管状体により吸気マニホルドパイプ(24)を構成し、
    前記連結部(251)によりエアクリーナケース(12)の壁面を構成することを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  6. 複数の中空管状体(24)を一体に連結した構成を有する樹脂製中空製品において、前記中空管状体(24)を軸方向に沿った面で分割した2つの分割体(240、241)を1次成形で形成した後、この両分割体(240、241)を2次成形で一体に接合する製造方法であって、
    前記両分割体(240、241)のうち、いずれか一方の分割体(240)および前記複数の中空管状体相互の間を連結する連結部(251)を1次成形する工程と、
    前記両分割体(240、241)のうち、前記連結部(251)が備えられていない他方の分割体(241)およびこの他方の分割体(241)の接合部に形成されるフランジ部(242)を1次成形する工程と、
    前記他方の分割体(241)のフランジ部(242)の内周側に前記一方の分割体(240)の接合部を突き合わせて、前記両分割体(240、241)を一体に接合する2次成形の工程とを有することを特徴とする樹脂製中空製品の製造方法。
  7. 前記2つの1次成形の工程を成形型(246、247)内にて行った後に、この成形型(246、247)のスライドにより、前記2次成形の工程を同一の成形型(246、247)内にて行うことを特徴とする請求項6に記載の樹脂製中空製品の製造方法。
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