JP3758981B2 - 光ファイバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、広い波長範囲で波長多重伝送を可能とする光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報社会の発展により、通信情報量が飛躍的に増大する傾向にあり、このような情報の増大化に伴い、波長多重伝送(WDM伝送)技術が注目されている。波長分割多重伝送は、複数の波長の光を1本の光ファイバで伝送する方式であるため、大容量高速通信に適した光伝送方式であり、現在、この伝送技術の検討が盛んに行なわれている。
【0003】
上記波長多重伝送用として適用される単一モード光ファイバには、伝送損失が小さいことはもちろんのこと、非線形現象の1つである4光波混合によるノイズ発生を防止するため、使用波長域で分散値が零にならないことが要求される。なお、現在検討されている波長多重伝送は、エルビウムドープ光ファイバ型光増幅器の利得帯域である波長1.55μm帯(例えば1530nm〜1570nmのように、波長1550nmをほぼ中心とした波長帯)で行なうものである。
【0004】
波長1.55μm帯において分散値が零にならない光ファイバとして、1.3μm帯で零分散を有するシングルモード光ファイバ(以下、単にシングルモード光ファイバという)がある。シングルモード光ファイバは波長1.55μm帯における分散値が大きいので、シングルモード光ファイバを波長多重伝送用に適用する場合は、波長1.55μm帯においてシングルモード光ファイバの分散を補償する分散補償器を組み合わせるのが一般的である。
【0005】
また、従来開発された、波長1.55μm帯で分散値が零の分散シフト光ファイバの屈折率プロファイルを調整して零分散波長を僅かに短波長側又は長波長側にシフトさせた光ファイバも、波長1.55μm帯において分散値が零にならない光ファイバとして提案されている。この提案例1の光ファイバは、波長1.55μm帯において分散値の絶対値が小さいので、上記のような分散補償器は不要かあるいは使用する場合でも少ない補償量でよい。
【0006】
しかしながら、この提案例1の光ファイバはGeの添加量が多く、モードフィールド径が小さいので波長1.55μm帯における実効コア断面積が小さく、非線形性が強く現われる。したがって、提案例1の光ファイバは、非線形現象の1つである四光波混合を抑制しても、その他の非線形現象である自己位相変調(SPM)や相互位相変調(SPM)等による波形の乱れが生じる。
【0007】
そこで、提案例1の光ファイバを改良し、提案例1と同様の分散特性を有し、かつ、波長1.55μm帯における実効コア断面積を70μm2以上に拡大した提案例2の光ファイバが提案されたが、この提案例2の光ファイバもGeの添加量が多いことから伝送損失は大きかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の伝送波長域拡大の要求に対応し、前記エルビウムドープファイバ型光増幅器の代わりに、ラマン増幅器を波長分割多重伝送用に適用使用とすることが提案されるようになった。このラマン増幅器を適用すると、任意の波長において増幅利得を得ることができるので、例えば1.3μm〜1.6μmといった波長範囲内の任意の波長帯を波長分割多重伝送用の波長帯として設定し、この設定波長帯の光信号を用いて波長分割多重伝送を行なえることが期待される。
【0009】
しかしながら、上記のように、従来波長分割多重伝送用に検討されてきた光ファイバは、いずれも波長1.55μm帯における波長分割多重伝送用として検討が行なわれてきたため、上記設定波長帯の光信号を用いた波長分割多重伝送を可能とする光ファイバではなかった。
【0010】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、例えば波長1.3μm〜1.6μmの範囲内の設定波長帯において高品質の波長分割多重伝送を可能とすることができる光ファイバを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、少なくともコアの中心部にGeを添加してなる石英系光ファイバであって、コアは光ファイバの最も内側に形成された第1ガラス層と該第1ガラス層の外周側に形成された第2ガラス層を有しており、該第2ガラス層の外周側には屈折率分布の基準となる基準層が設けられ、前記第1ガラス層は第2ガラス層よりも屈折率が高く、かつ、屈折率分布形状がα乗を呈しており、前記第2ガラス層は前記第1ガラス層よりも屈折率が低く前記基準層より屈折率が高く形成され、前記第1ガラス層の基準層に対する最大比屈折率差をΔ1、前記第2ガラス層の前記基準層に対する最小比屈折率差をΔ2としたとき、0.35%≦Δ1≦0.7%、Δ2≦0.3%であり、前記第1ガラス層の外径をa、前記第2ガラス層の外径をbとしたとき、0.3≦(a/b)≦0.7であり、波長1520nm〜波長1600nmにおける分散値を10〜22ps/km・nmとし、零分散波長を1350±30nmとし、該零分散波長における分散勾配を0.08ps/nm2/km以上とし、波長1550nmにおける実効コア断面積を90μm2以上とし、波長1550nmにおける伝送損失を0.21dB/km以下とし、波長1300nm〜波長1550nmの波長範囲内における伝送損失値を約0.35dB/km以下とし、光ファイバの長さ22mにおけるカットオフ波長を1300nm未満とし、前記第2ガラス層と基準層との間に該基準層よりも屈折率が低い第3ガラス層が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、前記第1ガラス層と第2ガラス層を同一プロセスのVAD法で形成し、基準層を別工程で形成した構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記第3ガラス層にはフッ素が添加されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、第4の発明は、上記第1乃至第3のいずれか一つの発明の構成に加え、前記第1ガラス層と第2ガラス層にはゲルマニウムが添加されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】
上記構成の本発明においては、零分散波長を1350±30nmとし、該零分散波長における分散勾配を0.07ps/nm2/kmより大きい値としているので、零分散波長よりも20nm長波長側における分散値を1.4ps/km・nm以上とすることができ、零分散波長よりも20nm長波長側の波長以上の波長帯(例えば1400nm以上の波長帯)において、あるいは零分散波長よりも20nm短波長側の波長以下の波長帯(例えば1300nm以下の波長帯)において4光波混合による信号光歪みを抑制できる。
【0025】
なお、零分散波長の上限を1280nmとすると、波長1300nm帯で4光波混合による信号光歪みを抑制した波長分割多重伝送を行なうことができる。
【0026】
また、本発明においては、波長1520nm〜波長1600nmにおける分散値を10〜22ps/km・nmとしているので、少なくともこの波長範囲内において4光波混合による信号光歪みを抑制可能となる。
【0027】
なお、波長1520nm〜波長1600nmの波長範囲内において、信号伝送速度を例えば10Gbit/S以上の高速度にする場合は、適宜の分散補償手段を併用することが好ましい。
【0028】
また、本発明において、波長1550nmにおける実効コア断面積を90μm2以上とした構成においては、波長1550nmはもちろんのこと、その周辺の波長帯(例えば1400nm〜1600nm)においても実効コア断面積を大きくすることができるので、4光波混合以外の非線形現象による信号光歪みも確実に抑制可能となる。
【0029】
さらに、本発明において、波長1550nmにおける伝送損失を0.21dB/km以下とした構成においては、この波長における伝送損失を非常に小さくでき、より一層波長分割多重伝送に適した光ファイバにできる。
【0030】
さらに、本発明において、カットオフ波長を1300nm未満とすることにより、波長1300nmを越える波長帯における波長分割多重伝送の実現を図ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。説明の都合上、まず、実施形態例の説明の前に本願発明を説明するための参考例を説明する。図1には、本発明に係る光ファイバの第1参考例の屈折率プロファイルが示されている。
【0032】
同図に示すように、本参考例の光ファイバは、光ファイバの最も内側に形成された第1ガラス層1と該第1ガラス層1の外周側に形成された第2ガラス層2を有するコア6を有している。第2ガラス層2の外周側には屈折率分布の基準となる基準層としてのクラッド5が設けられている。
【0033】
第1ガラス層1はクラッド5よりも屈折率が高く、かつ、屈折率分布形状がα乗を呈しており、第2ガラス層2は前記第1ガラス層1よりも屈折率が低くクラッド5より屈折率が高い。すなわち、第1ガラス層1のクラッド5に対する比屈折率差をΔ1とし、第2ガラス層2のクラッド5に対する比屈折率差をΔ2とすると、Δ1>Δ2である。
【0034】
このように、本参考例の光ファイバの屈折率プロファイルは、いわゆる、デュアルコア構造であり、デュアルコア構造は、比較的簡単な構造であるため、製造コストの低減を図れる点で好ましい。
【0035】
本参考例の光ファイバは以下に示すようにして製造されている。すなわち、まず、図2に示す屈折率プロファイルを有してコア6の外周側に一部のクラッド5が形成されたガラス母材(多孔質母材)を、図3に示すように、3本の反応用バーナ11,12,13を用いてVAD法により合成する。
【0036】
この際、コア6を形成する反応用バーナ11,12からの噴出ガスには、それぞれ四塩化ゲルマニウムを混合し、それにより、コア6にはゲルマニウムを添加し、クラッド5を形成する反応用バーナ13からの噴出ガスにはゲルマニウムを添加しないことによりクラッド5にはゲルマニウムを添加しない。
【0037】
なお、周知の如く、光ファイバはガラス母材を線引きして得られるものであり、本参考例でもこの製造方法を適用している。したがって、図2の屈折率プロファイルにおける比屈折率差Δ1、Δ2は図1と同様であり、第1、第2ガラス層1,2の径が異なるものである。
【0038】
上記ガラス母材の合成後、ガラス母材を脱水、透明ガラス化し、設定外径となるように延伸する。その後、いわゆる外付け法によって残りのクラッド部分を合成し、線引き用母材を得る。その後、ガラス外径が125μmとなるように線引きし、光ファイバ素線とする。なお、この光ファイバ素線において、脱OH基処理を十分に施しており、また、この光ファイバ素線を用いて光ファイバ心線を作製するときには、光ファイバ素線の外周側に紫外線硬化樹脂の被覆を設け、外径250μmとした。
【0039】
上記光ファイバ素線の光伝送特性を評価した結果、表1、図4、図5に示す結果が得られた。
【0040】
【表1】
【0041】
なお、以下に示す各表において、a/bは第1ガラス層1の径aと第2ガラス層2の径bとの比を示し、1550分散値は波長1550nmにおける分散値、を示し、零分散勾配は零分散波長における分散勾配を示し、Aeffは波長1550nm(1.55μm)における実効コア断面積を示し、λcは長さ22mにおけるカットオフ波長を示す。なお、カットオフ波長は、光ファイバの長さや曲げ特性に依存するので、本参考例において、1km以上のケーブルとした場合、カットオフ波長を1300nm以下とすることができる。
【0042】
表1から明らかなように、本参考例では、波長1550nmにおける分散値が14.75ps/km・nm、零分散波長が1347nm、零分散波長における分散勾配が0.08ps/km・nm2、波長1550nmにおける実効コア断面積が102.7μm2となった。また、表1には示されていないが、波長1550nmにおける直径30mmφでの曲げ損失は0.1dB/mとなった。
【0043】
また、図4から明らかなように、本参考例では、脱OH基処理を十分に施しているために波長1380nm付近の伝送損失値が極端に大きくなることはなく、波長1300nm〜1620nmに範囲において、伝送損失を約0.35dB以下に抑制することができている。
【0044】
なお、波長1380nm付近のOH基吸収ピークを抑制しない場合、波長1380nm付近の伝送損失値(ピーク値)が例えば0.4dB/m以上となり、そうなると、他の伝送損失が引っ張られることになるが、本参考例では、OH基による吸収を抑制しているので、他の領域における伝送損失値も安定しており、広い波長領域において、伝送損失の悪影響を受けずに波長分割多重伝送を行なうことができる。
【0045】
したがって、本参考例では、波長1550nm付近の波長帯における波長分割多重伝送を良好にできることを始めとし、波長約1290nm〜波長約1330nmおよび波長約1400nm〜波長1620nmの広い範囲に渡って波長分割多重伝送を可能とすることができる。
【0046】
なお、前記提案例1、2の光ファイバは、波長1550nmにおける実効コア断面積を80μm2以上に拡大しようとした場合に、曲げによる損失増がケーブル使用に耐えうる限界値を越えてしまうため、波長1550nmにおける実効コア断面積を80μm2以上に拡大することは困難であり、それ以外の波長帯においても、本参考例の光ファイバに比べると実効コア断面積が小さく、非線形現象の影響を受け易かった。
【0047】
それに対し、本参考例の光ファイバによれば、波長1550nmにおける実効コア断面積を90μm2以上に拡大し、かつ、上記の如く、零分散波長を約1350nmとし、さらに、この零分散波長における分散勾配を0.08ps/km・nm2としているので、非線形現象の影響を受け難く、広い波長帯において波長分割多重伝送を可能とする優れた光ファイバとすることができる。
【0048】
次に、第2参考例について説明する。本第2参考例の光ファイバは、上記第1参考例とほぼ同様の屈折率プロファイルを有しているが、本第2参考例は上記第1参考例と異なる製造方法を適用して形成されており、それにより、クラッド5の第2ガラス層2寄りの一部に、ゲルマニウムとフッ素を共にドープした構成としている。
【0049】
すなわち、まず、本第2参考例では、図7に示すように、3本の反応用バーナ11,12,13を用いて行なう際、コア6の形成用の反応用バーナ11,12とクラッド5の形成用の反応用バーナ13からの噴出ガスに、それぞれ四塩化ゲルマニウムを混合し、それにより、コア6と、クラッド5の第2ガラス層2寄りの一部にゲルマニウムを添加する。
【0050】
そして、得られた多孔質母材を微量のフッ素を含む雰囲気ガラス中で脱水、透明ガラス化し、それにより、クラッドの第2ガラス2寄りの一部(VAD法により合成した部位)に、ゲルマニウムとフッ素を共にドープした構成とし、図6に示す屈折率プロファイルを有するガラス母材を得る。そして、本第2参考例では、これらのドーパントのバランスによって、この部分の屈折率を外付け法により形成されるクラッド5の屈折率とほぼ同一とした。
【0051】
なお、本第2参考例でも、上記透明ガラス化後の製造工程は、上記第1参考例と同様にした。
【0052】
本第2参考例の光ファイバについて、上記光ファイバ素線の伝送特性の評価結果を、表2、図8、図9にそれぞれ示す。
【0053】
【表2】
【0054】
表2から明らかなように、本第2参考例では、波長1550nmにおける分散値が14.05ps/km・nm、零分散波長が1356nm、零分散波長における分散勾配が0.08ps/km・nm2、波長1550nmにおける実効コア断面積が99.3μm2となった。
【0055】
なお、表2には示されていないが、本第2参考例においても、波長1550nmにおける直径30mmφでの曲げ損失は0.1dB/mとなり、また、本第2参考例でも、1km以上のケーブルとした場合、カットオフ波長は1300nm以下となる。
【0056】
本第2参考例も上記第1参考例とほぼ同様の効果を奏することができ、本第2参考例では、4光波混合の発生を考慮した波長分割多重伝送可能な波長領域を1290nm〜1340nm、1380nm〜1620nmの非常に広い範囲にすることができる。また、本第2参考例においては、波長1550nmにおける伝送損失値が0.194dB/kmであり、上記第1参考例よりもさらに低伝送損失とすることができた。
【0057】
図10には、本発明に係る光ファイバの実施形態例の屈折率プロファイルが示されている。本実施形態例の光ファイバは、上記第1、第2参考例と同様に、第1、第2ガラス層1,2およびクラッド5(基準層)を有し、さらに、本実施形態例では、第2ガラス層2とクラッド5との間にクラッド5よりも屈折率が低い第3ガラス層3を設けて光ファイバを形成している。第1ガラス層と第2ガラス層にはゲルマニウムが添加され、第3ガラス層にはフッ素が添加されている。
【0058】
本実施形態例では、まず、図11に示すVAD合成範囲(コア6となる部位)を、図12に示すように2本の反応用バーナ11,12を用いてVAD法により合成する。反応用バーナ11,12からの噴出ガスには、それぞれ四塩化ゲルマニウムを混合し、それにより、第1、第2ガラス層1,2にゲルマニウムを添加している。
【0059】
そして、得られた多孔質母材を微量のフッ素を含む雰囲気ガラス中で脱水、透明ガラス化し、設定外径になるように延伸した後、外付け法により第3ガラス層3を合成した。この第3ガラス層3の脱水、透明ガラス化は微量のフッ素を含む雰囲気ガス中で行ない、フッ素を含有するガラスとした。その後、クラッド5の合成時にはフッ素を添加せず、クラッド5は純粋石英とした。そして、この母材を線引きした光ファイバ素線とし、伝送特性等を測定した結果が表3、図13、図14にそれぞれ示されている。
【0060】
【表3】
【0061】
表3から明らかなように、本実施形態例では、波長1550nmにおける分散値が15.05ps/km・nm、零分散波長が1370nm、零分散波長における分散勾配が0.09ps/km・nm2、波長1550nmにおける実効コア断面積が95.4μm2となった。
【0062】
なお、本実施形態例においては、カットオフ波長は長さ22mにおいても1300nm以下とすることができた。また、表には示されていないが、波長1550nmにおける直径30mmφでの曲げ損失は0.4dB/mとなった。
【0063】
本実施形態例も上記第1、第2参考例とほぼ同様の効果を奏することができ、本実施形態例では、4光波混合の発生を考慮した波長分割多重伝送可能な波長領域を1290nm〜1340nm、1380nm〜1620nmの非常に広い範囲にすることができる。また、本実施形態例においては、波長1550nmにおける伝送損失値が0.193dB/kmであり、上記第1、第2参考例よりもさらに低伝送損失とすることができた。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば本発明の光ファイバは、上記実施形態例に示した屈折率プロファイルを有するとは限らず、上記実施形態例のような特性を有する光となるように適宜の屈折率プロファイルに設定されるものである。
【0065】
例えば図10に示すような屈折率プロファイルを有し、第1ガラス層の基準層に対する最大比屈折率差Δ1を、0.35%≦Δ1≦0.7%、第2ガラス層の前記基準層に対する最小比屈折率差Δ2を、Δ2≦0.3%、第1ガラス層の外径aと第2ガラス層の外径bの比を、0.3≦(a/b)≦0.7とすると、上記実施形態例のような特性を有する光ファイバを構成することができる。
【0066】
また、上記実施形態例では、屈折率分布の基準となる基準層の内側に2層または3層のガラス層を設けて形成したが、本発明の光ファイバは、前記基準層の内側に4層以上のガラス層を設けて形成してもよい。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、零分散波長を1350±30nmとし、該零分散波長における分散勾配を0.08ps/nm2/km以上としているので、零分散波長±20nmを除く波長帯(例えば1300nm付近および1400nm以上の波長帯)において4光波混合による信号光歪みを抑制できるし、波長1520nm〜波長1600nmにおける分散値を10〜22ps/km・nmとしているので、少なくともこの波長範囲内において4光波混合による信号光歪みを抑制可能となり、広い波長範囲内の設定波長帯において波長分割多重伝送を可能にできる。
【0068】
また、本発明において、波長1550nmにおける実効コア断面積を90μm2以上としたので、波長1550nmはもちろんのこと、その周辺の波長帯(例えば1400nm〜1600nm)においても実効コア断面積を大きくすることができるので、4光波混合以外の非線形現象による信号光歪みも確実に抑制可能でき、より一層高品質の波長分割多重伝送を可能にできる。
【0069】
さらに、本発明において、波長1550nmにおける伝送損失を0.21dB/km以下としたので、この波長における伝送損失を非常に小さくでき、より一層波長分割多重伝送に適した光ファイバにできる。
【0070】
さらに、本発明において、カットオフ波長を1300nm未満としたので、波長1300nmを越える波長帯における波長分割多重伝送の実現を図ることができる。
【0071】
さらに、本発明においては、コアを、第1ガラス層と第2ガラス層を有する構成とし、第2ガラス層の外周側に屈折率分布の基準となる基準層を設けて、第1ガラス層の屈折率を基準層よりも高くし、第2ガラス層の屈折率を第1ガラス層よりも低く基準層よりも高くし、第1ガラス層の屈折率をα乗としたので、上記効果を奏する光ファイバを比較的簡単に製造でき、歩留まりも高くできる。
【0072】
さらに、この構成において、第1ガラス層と第2ガラス層を同一プロセスのVAD法で形成し、基準層を別工程で形成することにより、さらに容易に光ファイバを製造できる。
【0074】
さらに、本発明の光ファイバは、第3ガラス層にはフッ素を添加したり、第1ガラス層と第2ガラス層にゲルマニウムを添加したりして構成することにより、上記屈折率プロファイルを容易に実現でき、上記効果を奏する光ファイバを容易に形成できる。
【0075】
さらに、本発明において、第1ガラス層の基準層に対する最大比屈折率差をΔ1、第2ガラス層の前記基準層に対する最小比屈折率差をΔ2としたとき、0.35%≦Δ1≦0.7%、Δ2≦0.3%、第1ガラス層の外径をa、第2ガラス層の外径をbとしたとき、0.3≦(a/b)≦0.7とした構成としたので、屈折率プロファイルを詳細に決定し、上記効果を奏する光ファイバを確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ファイバを説明するための第1参考例の屈折率プロファイルを示す説明図である。
【図2】 上記参考例の光ファイバ製造に用いられるガラス母材の屈折率プロファイルを示す説明図である。
【図3】 上記第1参考例の光ファイバのガラス母材製造工程を示す説明図である。
【図4】 上記第1参考例の伝送損失特性を示すグラフである。
【図5】 上記第1参考例の分散特性を示すグラフである。
【図6】 上記第2参考例の光ファイバ製造に用いられるガラス母材の屈折率プロファイルを示す説明図である。
【図7】 上記第2参考例の光ファイバのガラス母材製造工程を示す説明図である。
【図8】 上記第2参考例の伝送損失特性を示すグラフである。
【図9】 上記第2参考例の分散特性を示すグラフである。
【図10】 本発明に係る光ファイバの実施形態例の屈折率プロファイルを示す説明図である。
【図11】 上記実施形態例の光ファイバ製造に用いられるガラス母材の屈折率プロファイルを示す説明図である。
【図12】 上記実施形態例の光ファイバのガラス母材製造工程を示す説明図である。
【図13】 上記実施形態例の伝送損失特性を示すグラフである。
【図14】 上記実施形態例の分散特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1ガラス層
2 第2ガラス層
3 第3ガラス層
5 クラッド
6 コア
11,12,13 バーナ
Claims (4)
- 少なくともコアの中心部にGeを添加してなる石英系光ファイバであって、コアは光ファイバの最も内側に形成された第1ガラス層と該第1ガラス層の外周側に形成された第2ガラス層を有しており、該第2ガラス層の外周側には屈折率分布の基準となる基準層が設けられ、前記第1ガラス層は第2ガラス層よりも屈折率が高く、かつ、屈折率分布形状がα乗を呈しており、前記第2ガラス層は前記第1ガラス層よりも屈折率が低く前記基準層より屈折率が高く形成され、
前記第1ガラス層の基準層に対する最大比屈折率差をΔ1、前記第2ガラス層の前記基準層に対する最小比屈折率差をΔ2としたとき、0.35%≦Δ1≦0.7%、Δ2≦0.3%であり、前記第1ガラス層の外径をa、前記第2ガラス層の外径をbとしたとき、0.3≦(a/b)≦0.7であり、
波長1520nm〜波長1600nmにおける分散値を10〜22ps/km・nmとし、零分散波長を1350±30nmとし、該零分散波長における分散勾配を0.08ps/nm2/km以上とし、波長1550nmにおける実効コア断面積を90μm2以上とし、波長1550nmにおける伝送損失を0.21dB/km以下とし、波長1300nm〜波長1550nmの波長範囲内における伝送損失値を約0.35dB/km以下とし、光ファイバの長さ22mにおけるカットオフ波長を1300nm未満とし、前記第2ガラス層と基準層との間に該基準層よりも屈折率が低い第3ガラス層が設けられていることを特徴とする光ファイバ。 - 第1ガラス層と第2ガラス層を同一プロセスのVAD法で形成し、基準層を別工程で形成したことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
- 第3ガラス層にはフッ素が添加されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバ。
- 第1ガラス層と第2ガラス層にはゲルマニウムが添加されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の光ファイバ。
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