JP3757552B2 - ブラシレスdcモータ駆動制御方法及びその装置 - Google Patents

ブラシレスdcモータ駆動制御方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はブラシレスDCモータ駆動制御方法及びその装置に関し、さらに詳細にいえば、ブラシレスDCモータの電機子コイルに誘起された誘起電圧に基づいて、回転子と固定子との相対的に位置を表す位置信号を検出して、その位置信号に基づいて、電機子コイルの電圧パターンを制御するブラシレスDCモータ駆動制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスDCモータは一般的なDCモータの機械的整流子に起因する整流火花による使用制限、保守性及び耐環境性を改善できるため、一般に様々な分野で多様されている。図8中の符号50はブラシレスDCモータ内で複数極の永久磁石を有する回転子、符号51は同じく3相Y結線された電機子コイル51a,51b,51cを有する固定子をそれぞれ示している。
【0003】
かかるブラシレスDCモータを駆動するための従来のブラシレスDCモータ駆動制御装置は、図8の如く、まず、電機子コイル51a,51b,51cに対する回転子50の相対的な回転位置を回転位置検出器53で検出する。そして、この回転位置検出器53から回転子50の回転位置を表す位置信号Sintをマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)54に与え、この位置信号Sintに基づいて、マイコン54がドライブ回路55に所定のスイッチング信号を与える。その結果、ドライブ回路55から出力される転流制御信号に基づき、インバータ部60によって電機子コイル51a,51b,51cの電圧パターンを切り換える。
【0004】
ここで、インバータ部60は、直流電源56の正極側にそれぞれ接続された3つのトランジスタ60a,60b,60cと、直流電源56の負極側にそれぞれ接続された3つのトランジスタ60d,60e,60fとから構成されている。トランジスタ60aのエミッタとトランジスタ60dのコレクタとは互いに接続され、またトランジスタ60bのエミッタとトランジスタ60eのコレクタとは互いに接続され、さらにトランジスタ60cのエミッタとトランジスタ60fのコレクタとは互いに接続されている。トランジスタ60a,60d同士の接続中間点にはU相の電機子コイル51aが接続され、トランジスタ60b,60e同士の接続中間点にはV相の電機子コイル51bが接続され、トランジスタ60c,60f同士の接続中間点にはW相の電機子コイル51cが接続されている。そして、ドライブ回路55からの転流制御信号が各トランジスタ60a〜60fのベースにそれぞれ入力されるようになっている。なお、これらの各トランジスタ60a〜60fは、安価で且つ小型化が可能な絶縁ゲート形トランジスタ(IGBT)素子が使用されている。
【0005】
また、回転位置検出器53では、まず、電機子コイル51a,51b,51cに対応して抵抗回路61の三個の抵抗61a,61b,61cが並列状態で3相結線されており、この抵抗回路61の中性点の電圧VMと、電機子コイル51a,51b,51cの中性点の電圧VN(ここでは接地電位)との電位差を示す電位差信号VMNを積分増幅回路62で積分する。そして、積分増幅回路62からの積分信号Intは零クロスコンパレータ63により波形整形された後、フォトカプラ64に与えられ、このフォトカプラ64から出力される方形波状の信号が、固定子51の電機子コイル51a,51b,51cに対する回転子50の相対的な位置を示す位置信号Sintとしてマイコン54に出力される。
【0006】
さらに、マイコン54は、回転位置検出器53から割込端子70を通じて与えられた方形波状の位置信号Sintについて、1回のハイ状態及び1回のロー状態をそれぞれ1パルス単位として、各パルス単位毎にそのハイ状態またはロー状態のパルス幅T(図10)を測定するT測定部71と、操作パネル等の外部の入力手段72から与えられる目標パルス幅Tx(図10)をマイコン54内に受入れる目標Tx入力部73と、T測定部71で検出したパルス幅Tと目標Tx入力部73で受入れた目標パルス幅Txとの差に応じて望ましい回転速度を演算する速度演算部74と、速度演算部74での演算結果に応じて望ましいインバータ電圧Vを決定するインバータ電圧V決定部75と、望ましい回転速度及びインバータ電圧Vに基づいて適正なPWMパルス波を変調生成するPWM変調部76と、PWMパルス波に基づいて適正なスイッチング信号をドライブ回路55へ出力するインバータ波形信号出力部77とを備えている。
【0007】
かかるブラシレスDCモータ駆動制御装置において、インバータ部60からの各U相、V相、W相のモータ端子電圧をそれぞれVU,VV,VWとし、電機子コイル51a,51b,51cの各U相,V相,W相の誘起電圧をそれぞれEU,EV,EWとすると、抵抗回路61の中性点の電圧VMと電機子コイル51a,51b,51cの中性点の電圧VNとは、それぞれ、
M=(1/3)(VU+VV+VW
N=(1/3){(VU−EU)+(VV−EV)+(VW−EW)}
となる。したがって、抵抗回路61の中性点と電機子コイル51a,51b,51cの中性点との電位差を表す電位差信号VMNは、
MN=VM−VN=(1/3)(EU+EV+EW
となり、電機子コイル51a,51b,51cの誘起電圧がEU,EV,EWの和に比例することがわかる。
【0008】
ここで、電機子コイル51a,51b,51cの誘起電圧EU,EV,EWは、120deg毎に位相の異なる台形状の波形となり、電位差信号VMNは、誘起電圧をEU,EV,EWに対して3倍の基本波周波数成分を有する略三角波となる。この電位差信号VMNの三角波のピーク点が電圧パターンの切り換え点となる。この電位差信号VMNのピーク点は、回転速度によって振幅が変動するため、積分増幅回路62により積分増幅回路62からの電位差信号VMNを略正弦波状の積分信号∫VMNdtに積分変換した後、零クロスコンパレータ63により、積分信号Intのゼロクロス点を検出して増幅し、フォトカプラ64により方形波に変換された後、上述の位置信号Sintをマイコン54に出力する。
【0009】
次に、マイコン54内では、図9の如く、割込端子70にて回転位置検出器53からの方形波状の位置信号Sintを受けた後(ステップS01)、1回のハイ状態及び1回のロー状態をそれぞれ1パルス単位として、各パルス単位毎にそのハイ状態またはロー状態のパルス幅T(図10)をT測定部71で検出する(ステップS02)。一方、操作パネル等の外部の入力手段72から与えられる目標パルス幅Tx(図10)を目標Tx入力部73を通じてマイコン54内に受入れる。そして、T測定部71で検出したパルス幅Tと目標Tx入力部73で受入れた目標パルス幅Txとを大小比較し(ステップS03)、その比較結果に応じて速度演算部74は望ましい回転速度を演算する。また、速度演算部74での演算結果に応じて、望ましいインバータ電圧Vをインバータ電圧V決定部75により決定する。このように望ましい回転速度及びインバータ電圧Vが得られた後、PWM変調部76によって積分値正弦波状になるようPWM変調を施し、ここで得られたPWMパルス状のスイッチング信号をインバータ波形信号出力部77を通じてドライブ回路55へ出力する。
【0010】
そして、ドライブ回路55は、マイコン54からのスイッチング信号を受けて、インバータ部60の各トランジスタ60a〜60fのベースに転流制御信号を出力する。そして、インバータ部60の各トランジスタ60a〜60fは順次オンオフして、電機子コイル51a,51b,51cに対する電圧パターンを切り換える(ステップS04〜S06)。
【0011】
こうして、ブラシレスDCモータは、電機子コイル51a,51b,51cの誘起電圧をEU,EV,EWより回転子50の回転位置を表す位置信号Sintを出力して、インバータ部60は、その位置信号Sintによって電機子コイル51a,51b,51cの電圧パターンの切り換えを行う。かかる電圧パターンの切り換え処理は、図10のようにマイコン54によって検出されるパルス幅Tが目標パルス幅Txに等しくなると判断された時点Tm1まで行われ、その後はこの目標パルス幅Txをパルス幅Tとしてインバータ部60によるブラシレスDCモータの定常駆動が続行される。
【0012】
以上のように、ブラシレスDCモータ駆動制御装置により駆動制御されるブラシレスDCモータを用いて、例えば各種空調機器の圧縮機のようなトルクの変動幅が大きい負荷を駆動したとき、ブラシレスDCモータの性能を十分に発揮すれば、当該圧縮機に要求される運転エリア、例えば、図11に示すような最高圧力制限、インバータ最大電圧時の限界及び最高周波数制限の範囲内で有効運転が可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なブラシレスDCモータ駆動制御装置では、図8から明らかなように、電機子コイル51a,51b,51cに対する回転子50の相対的な回転位置の検出は、インバータ部60の強電部から信号を引き出すことにより行っており、故に位置信号Sint等においてノイズが重畳しやすい構造になっている。そして、急激且つ大きなノイズが発生すると、マイコン54内での判別及び制御に異常を来たす。そうなると、インバータ電流波形において位相が急激にずれてしまい、当該インバータ電流波形の振幅が急激に増大し、やがてインバータ部60に過電流が流れてしまう。その結果、インバータ制御が不能になりブラシレスDCモータが停止してしまい、さらに最悪の場合には、インバータ部60またはその周辺部品の過熱により焼損または破壊に至るおそれもある。したがって位置信号Sintにおいてノイズの影響を低減することが重要となる。
【0014】
このような事情に鑑み、ノイズの影響を少しでも低減するよう、マイコン54内で、位置信号Sintの各パルスのそれぞれのパルス幅T内において所定部分の信号変化を無視することにより、この所定部分のノイズをキャンセルするといった提案(図12(A)(B))がなされている。この提案例では、具体的には、図12(A)の如く、マイコン54に位置信号Sintのハイ状態のリーディングエッジ及びトレイリングエッジが刻々と与えられる度に、それぞれの位置信号Sintのハイ状態及びロー状態についてパルス幅Tをそれぞれ検出し続ける。ここで、n回目のパルス幅Tの検出値をTnとすると、マイコン54で検出されるパルス幅Tの値は「…,Tn-1,Tn,Tn+1,…」というように与えられることになる。ただし、インバータ駆動を行っている場合、パルス幅Tは刻々と変化することがあるため、「Tn-1」と「Tn」と「Tn+1」とは必ずとも一致しない。したがって、いまn回目の位置信号Sintのパルス受信状態の最中であるとすると、このときの位置信号Sintのn回目のパルスのパルス幅Tの値Tnは、必ずしも前回値Tn-1とは一致せず、図12(A)のように時点Tm2が経過しない限りマイコン54側で認識できないことになる。しかしながら、正常なインバータ駆動では、パルス幅T(…,Tn-1,Tn,Tn+1,…)の変化は比較的緩やかであり、あるパルスのパルス幅Tとこれに後続する次のパルスのパルス幅Tとの間の差は25%以上になることはない。すなわち、順次与えられる位置信号Sintのパルス幅Tの値「…,Tn-1,Tn,Tn+1,…」は、通常は次の条件を満たしている。
【0015】
Figure 0003757552
このことを考慮すると、図12(B)のように、n回目のパルス(図12(B)ではロー状態)においては、パルス幅Tの値Tnが現時点で不明であっても、前回値Tn-1が現時点で判っているため、位置信号Sintの遷移(この場合はトレイリングエッジ)を原点「0」として、末尾エッジの認識は「(3/4)×Tn-1」の時点Tm3以降に行えば足りることになる。したがって、n回目のパルス(この場合のパルス幅Tの値Tnは現時点で不明である)においては、遷移の時点「0」を経過した後「(3/4)×Tn-1」の時点Tm3までの間は、一切の信号変化を無視しても差支えなく、この部分のノイズをキャンセルすることが可能である。なお、図12(B)では、「(1/2)×Tn-1」の時点から「(3/4)×Tn-1」の時点Tm3までをキャンセルする例を図示している。
【0016】
しかしながら、かかる提案例であっても、「(3/4)×Tn-1」の時点Tm3以降にノイズが入った場合にはこのノイズをキャンセルすることは不可能である。そして、この「(3/4)×Tn-1」の時点Tm3以降のノイズにより誤ったTnを検出すると誤動作を来す可能性が高く、ひいてはインバータ停止をもたらす恐れがある。
【0017】
そこで、この発明の課題は、マイコンに与えられる位置信号のノイズの影響を解消し得るブラシレスDCモータ駆動制御方法及びその装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、ブラシレスDCモータの回転子と固定子との相対的な回転位置に応じてレベルが切り換わる位置信号に基づいた電圧パターンを与えるブラシレスDCモータ駆動制御方法であって、前記位置信号に現れる遷移を検知した第1の時点から所定の遅延時間が経過した第2の時点において前記レベルを検出する工程を前記第1の時点を更新しつつ繰返し、前記第1の時点の更新の度に、その前後で前記レベルが同一であれば、最新に検知された遷移をリーディングエッジとするパルスを無視する一方、異なれば、最新に検知された遷移をリーディングエッジとするパルスのパルス幅に基づいて、前記電圧パターンを制御するものである。
【0019】
そして当該ブラシレスDCモータ駆動制御方法が、前記ブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時の同期運転が終了した後の定常運転においてのみ実行され、前記同期運転時の最後の前記位置信号の前記レベルを、前記定常運転の開始後の最初の前記第1の時点以前の前記レベルたる初期値として規定するものである。
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスDCモータ駆動制御方法であって、前記パルス幅の検出は、その直前に検出された前記パルス幅のx倍からy倍の期間(0<x<y<1)が経過するまでの間の前記遷移を無視して行われるものである。
【0021】
請求項に記載の発明は、ブラシレスDCモータの回転子と固定子との相対的な回転位置に応じてレベルが切り換わる位置信号に基づいた電圧パターンを与えるブラシレスDCモータ駆動制御装置において、前記位置信号に現れる遷移を検知した第1の時点から所定の遅延時間が経過した第2の時点において前記レベルを検出する工程を前記第1の時点を更新しつつ繰返し、前記第1の時点の更新の度に、その前後で前記レベルが反転しているか否かを確認するパルス反転確認手段と、当該パルス反転確認手段により反転していると確認できた場合に、最新に検知された遷移をリーディングエッジとするパルスのパルス幅に基づいて速度演算を行う一方、前記パルス反転確認手段により反転していない旨を確認した場合に、最新に検知された遷移をリーディングエッジとするパルスを無視して速度演算を行う速度演算部と、当該速度演算部での速度演算結果に基づいて前記電圧パターンを制御するための所定の制御信号を出力する信号出力部とを備えるものである。
【0022】
そして当該ブラシレスDCモータ駆動制御装置は、当該ブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時にかかる同期運転についての同期運転モードと、同期運転が終了した後の定常運転にかかる定常運転モードとを切換えるモード切換手段と、前記モード切換手段によって前記同期運転モードに切換えられているときに前記速度演算部に同期運転のための指示を与える同期運転指示手段とをさらに備え、前記パルス反転確認手段は前記モード切換手段によって前記定常運転モードに切換えられたときにのみ作動するようにされ、前記同期運転指示手段は、前記同期運転時の最後の前記位置信号の前記レベルを、前記定常運転の開始後の最初の前記第1の時点以前の前記レベルたる初期値として規定するようにされたものである。
【0023】
【作用】
請求項1及び請求項に記載の発明では、位置信号に現れる遷移を検知する第2の時点から所定の遅延時間が経過した第2の時点で、位置信号のレベルを検出する。これを第1の時点の更新毎に繰返し、更新の前後でレベルが反転していなければ、最新に検知された遷移がノイズであるものと判断してこれを無視する一方、反転していれば、最新に検知された遷移が正規な位置信号のパルスのリーディングエッジであると判断して、当該パルスのパルス幅に基づいて電圧パターンを制御する。これにより、所定の遅延時間より短いパルス幅のノイズを全てキャンセルすることができるので、ブラシレスDCモータの誤動作を防止できる。
【0024】
そしてブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時における同期運転中は、所定の一般的な方式等に従って駆動制御するものとし、同期運転が終了した後の定常運転時においてのみ上記のようなノイズを無視する動作を行う。この場合において、位置信号について同期運転時の最後のパルスのレベルを、定常運転の開始時における最初のパルスのレベルの初期値として規定しているので、同期運転から定常運転におけるノイズ無視動作への移行を効率よく行うことができる。
【0025】
請求項に記載の発明では、請求項1に記載の発明の動作に並行して、位置信号の各パルス中の一部の期間については、一切のパルス変動の認識を無視しているので、前述の所定の遅延時間より短いパルス幅のノイズだけでなく、これよりパルス幅の長いノイズをも全てキャンセルすることができる。よって、ブラシレスDCモータの誤動作を、より確実に防止できる。この場合、請求項1に記載の発明によって短いパルス幅のノイズを無視した結果の正規の位置信号の遷移と判断された時点を基準に、ノイズを一切のパルス変動の認識を無視する期間を規律できるので、ノイズを無視する期間を正確に規律することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
一般に、マイクロコンピュータ(以下単にマイコンと略称する)を用いて所定の処理を行う場合、所定の周期を有するクロック信号に規律されながら様々な演算動作及び信号入出力動作が行われる。したがって、マイコンにおいて所定の信号入力を契機として所定の割込処理を行うような場合、クロック信号の周期、他の割込み処理及びレジスタ退避等の原因により、信号入力時点から一定の「遅延時間」が経過した後に所定の割込処理が完了することになる。この発明は、このような「遅延時間」の発生を利用して、この遅延時間内に発生したノイズをキャンセルしようとするものである。以下、添付図面に基づいてこの発明の一の実施の形態を詳細に説明する。
【0027】
この実施の形態のブラシレスDCモータ駆動制御装置は、図1の如く、マイコンの位置信号Sintの入力ポートに信号のトレイリングエッジte1,ted,te2,te3,…またはリーディングエッジle1,le2,led,le3,…が入力される度に、そのときの位置信号Sintの各パルスについてのレベルすなわちハイ/ロー状態α1,α2,αd1,α3,α4,α5,αd2,α6,…を検出し、前回に検出した位置信号パルスのハイ/ロー状態に対して正常に反転しているか否かを判断することで、位置信号Sintの入力ポートに入力された信号のトレイリングエッジte1,ted,te2,te3,…またはリーディングエッジle1,le2,led,le3,…が正規の位置信号によるものであるかあるいはノイズによるものであるかを判別し、ノイズによるものであると判別した場合には当該トレイリングエッジtedまたはリーディングエッジledにかかる信号をキャンセルするものである。なお、この実施の形態では、前述の提案例におけるノイズキャンセルをも併せて実行している。
【0028】
図2はこの発明のブラシレスDCモータ駆動制御装置の一の実施の形態を示すブロック図である。すなわち、このブラシレスDCモータ駆動制御装置は、複数極の永久磁石を有する回転子10と、3相Y結線された電機子コイル1a,1b,1cを有する固定子1とからなるブラシレスDCモータ11を駆動制御するためのものであって、電機子コイル1a,1b,1cに対する回転子10の相対的な回転位置を検出する回転位置検出器2と、回転位置検出器2からの回転子10の回転位置を表す位置信号Sintを受けて電機子コイル1a,1b,1cに対する電圧パターンを切り換えるマイコン4と、マイコン4からのスイッチング信号を受けて、電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンを切り換え制御する転流制御信号を出力するドライブ回路5と、ドライブ回路5からの転流制御信号を受けて、電機子コイル1a,1b,1cの電圧パターンを切り換えるインバータ部6とを有している。
【0029】
回転位置検出器2は、電機子コイル1a,1b,1cに並列状態で3相結線された抵抗21a,21b,21cからなる抵抗回路21と、抵抗回路21の中性点Mの電圧VMNを積分し且つ増幅する積分増幅回路22と、この積分増幅回路22からの積分信号Intをパルス化するパルス化回路23とを有している。
【0030】
ここで、積分増幅回路22は、増幅器IC1の反転入力端子に抵抗回路21の中性点Mの電圧VMNを入力するとともに、非反転入力端子にグランドGNDを接続し、出力端子と反転入力端子との間に抵抗R1とコンデンサC1とを並列に接続してなる。すなわち、電機子コイル1a,1b,1cの中性点Mは、グランドGNDを介して増幅器IC1の非反転入力端子に接続されているので、積分増幅回路22は、抵抗回路21の中性点Mの電圧と電機子コイル1a,1b,1cの中性点Nの電圧との電位差を表す電位差信号VMNを検出するとともに、電位差信号VMNを積分して、積分信号Intを出力する。
【0031】
また、パルス化回路23は、増幅器IC2とフォトカプラPCとを有するものである。このうち増幅器IC2では、積分増幅回路22からの積分信号Intを反転入力端子に入力するとともに、増幅器IC2の非反転入力端子が抵抗R2を介してグランドGNDに接続され、抵抗R3,R4によってプルアップされている。さらに増幅器IC2の出力端子と非反転入力端子との間でフォトカプラPCの発光部PCaと抵抗R3が順次直列に接続されている。抵抗R4は発光部PCaと抵抗R3の接続点をプルアップしている。また、フォトカプラPCは、強電部と弱電部との間の電気的絶縁を確保したままで位置信号Sintをマイコン4に供給するためのものであり、フォトカプラPCの受光部PCbと抵抗R5とが所定の電圧間で直列に接続され、この接続点の信号がマイコン4に供給されている。なお、増幅器IC2及び抵抗R2〜R4は零クロスコンパレータを構成している。
【0032】
マイコン4は、CPU、ROM及びRAM等を備える一般的なものであって、その演算または制御動作はすべてROM等に予め格納されたソフトウェアによって実行されるものである。このマイコン4の機能要素としては、回転位置検出器2から与えられる位置信号Sintの状態に応じて初期運転としての同期運転モードと正規運転としての位置検出運転モード(定常運転モード)とに設定切換えするモード切換手段31と、モード切換手段31により同期運転モードに設定された場合に同期運転の指示を与える同期運転指示手段32と、モード切換手段31により位置検出運転モードに設定された場合に位置信号Sintのパルスの正常なハイ/ロー反転状態を確認するパルス反転確認手段33と、パルス反転確認手段33により正常なハイ/ロー反転状態が確認できた場合にのみ各パルス単位毎にそのハイ/ロー状態のパルス幅T(図10参照)を測定するT測定部34と、操作パネル等の外部の入力手段35から与えられる目標パルス幅Tx(図10参照)をマイコン4内に受入れる目標Tx入力部36と、T測定部34で検出したパルス幅Tと目標Tx入力部36で受入れた目標パルス幅Txとの差に応じて望ましい回転速度を演算する速度演算部37と、速度演算部37での演算結果に応じて望ましいインバータ電圧Vを決定するインバータ電圧V決定部38と、望ましい回転速度及びインバータ電圧Vに基づいて適正なPWMパルス波を変調生成するPWM変調部39と、PWMパルス波に基づいて適正なスイッチング信号をドライブ回路5へ出力するインバータ波形信号出力部40とを備えている。
【0033】
インバータ部6は、図8に示すインバータ部60と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0034】
以上の構成において、ブラシレスDCモータが位置検出に従って駆動されているとき、電機子コイル1a,1b,1cの各U相、V相、W相の誘起電圧EU,EV,EWは、図3(A)〜(C)に示すように、120deg毎に位相の異なる台形状の波形となる。そして、図2に示す回転位置検出器2の増幅器IC1は、反転入力端子に入力された抵抗回路21の中性点Mの電圧と、増幅器IC1の非反転入力端子に入力された電機子コイル1a,1b,1cの中性点Nの電圧VNとの電位差を表す電位差信号VMN(図3(D))を検出するとともに、その電位差信号を積分して、積分信号Int(図3(E))を出力する。この積分信号Intは、回転周波数の3倍の周波数の略正弦波形となる。そして、パルス化回路23は、増幅器IC2の反転入力端子に入力された積分信号Intを所定の振幅に増幅し、その増幅された積分信号IntをフォトカプラPCにて光電変換して整形し、位置信号Sint(図3(F))として出力する。
【0035】
次に、回転位置検出器2からの位置信号Sintは、マイコン4の割込端子30からモード切換手段31に入力される。ここで、まずブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時には、図4の如く、回転子10の回転数は停止状態から徐々に増大するため、マイコン4に与えられる位置信号Sintのパルス幅Tは安定状態S1に至るまでは徐々に短く(すなわち速く)なるよう変化する。このため、マイコン4内のモード切換手段31は、ブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動後暫くの間は同期運転モードを設定する。すなわち、図5中のステップS11において、まず位置信号Sintの各パルスがハイ状態であるかロー状態であるかを示す変数「Portbuf」を初期設定した後、位置信号Sintが割込端子30に入力される毎にそのパルス幅Tを検出し(ステップS12)、このときのパルス幅Tをスタックに記憶する(ステップS13)。この際、モード切換手段31で同期運転モードに設定された同期運転指示手段32は、まず同期運転である旨の信号を速度演算部37に与え、このときの信号に基づいてインバータ電圧V決定部38により望ましいインバータ電圧Vを決定して望ましい回転速度及びインバータ電圧Vが得られる。その後、PWM変調部39によって積分値正弦波状になるようPWM変調が行われ、ここで得られたPWMパルス状のスイッチング信号をインバータ波形信号出力部40を通じてドライブ回路55へ出力する。このような動作によって得られたスイッチング信号に基づいて、インバータ部6は、ブラシレスDCモータ11の回転子10の回転数が所定のレベルに安定するまで同期運転を続ける。なお、この同期運転モードにおけるインバータ駆動は、一般的なV/F一定制御方式に従って駆動制御すればよいため、その詳細な動作説明は省略する。
【0036】
同期運転がされている間も、マイコン4のモード切換手段31は、ハイ/ロー状態で繰返し入力される位置信号Sintのパルス幅Tを検出しつづける。複数回(例えば4回)連続して入力された位置信号Sintのパルス幅Tが全て同一になった時点で(ステップS14)、回転子10の回転数が安定状態S1(図4)に至った旨を判断し、同期運転を完了させる動作に移る。このときの位置信号Sintのパルスがハイ状態であるかロー状態であるかを示す変数「ポートSint」を前述した変数「Portbuf」に代入する(ステップS15)。
【0037】
同期運転の完了後は、具体的には、モード切換手段31が同期運転モードから位置検出運転モードに切換えることで実現される。この時点で、同期運転指示手段32は機能を停止する。なお、前述のステップS15で説明した通り、変数「Portbuf」には、位置検出運転時の初期値として、同期運転モードにおける最後の位置信号Sintのパルスのハイ/ロー状態が代入されている。
【0038】
次に、同期運転完了後の位置検出運転モードの動作について説明する。マイコン4のパルス反転確認手段33は、図6の如く、まずステップS21において、割込端子30を通じて割込入力された位置信号Sintのパルス遷移(トレイリングエッジ及びリーディングエッジ)を検出した直後の位置信号Sintのパルスがハイ状態であるかロー状態であるかを検出し、これを変数「ポートSint」に代入する。そして、この変数「ポートSint」が、既に規定されている前回値としての変数「Portbuf」に対して一致しているかどうかを比較判断する(ステップS22)。
【0039】
ここで、マイコン4を用いて所定の処理を行う場合、所定の周期を有するクロック信号に規律されながら様々な演算動作及び信号入出力動作が行われる。したがって、マイコン4に対して割込入力した信号を契機として所定の割込処理を行うような場合、この割込処理はクロック信号に同期して実行されるので、クロック信号の周期、他の割込み処理及びレジスタ退避等の原因によって、信号入力時点から一定の「遅延時間」が経過した後に所定の割込処理が完了することになる。したがって、上述のステップS21の処理が行われた後、一定の「遅延時間」が経過した後にステップS22の処理が行われることになる。すなわち、図7の如く、位置信号Sintにパルス遷移le,ted,teが順に検出されても(ステップS21)、それぞれのパルス遷移le,ted,teの直後αにおける位置信号Sintのパルスのハイ/ロー状態を検出する(ステップS22)までには遅延時間ΔTが発生する。ここで、位置信号Sintにノイズが重畳したとき、このノイズはパルス遷移tedに始って極めて短い幅のパルス波となって現れることになる。したがって、ノイズのパルス幅が遅延時間ΔTよりも短ければ、ステップS21においてノイズをパルス遷移tedとして検出してしまったとしても、その次のステップS22においてパルスのハイ/ロー状態を検出する時点では、位置信号Sintはノイズ状態から定常状態に復帰していることになる。すなわち、図1中の時点Tn2において、リーディングエッジle1を検出して(ステップS21)そのときに入力されたパルスがα2のようにハイ状態である旨を確認(ステップS22)した後、次に時点Tnd1において極めて短いパルス幅のノイズが混入してそのトレイリングエッジtedが現れた場合(ステップS21)、その直後にパルスのハイ/ロー状態を検出したとき(ステップS22)にαd1がハイ状態になっていることになる。また同様にして、図1中の時点Tn5において、トレイリングエッジte3を検出して(ステップS21)そのときに入力されたパルスがα5のようにロー状態である旨を確認(ステップS22)した後、次に時点Tnd2において極めて短いパルス幅のノイズが混入してそのリーディングエッジledが現れた場合(ステップS21)、その直後にステップS22としてパルスのハイ/ロー状態を検出したときにαd2がハイ状態になっていることになる。
【0040】
このように、ステップS22において、α2(すなわち前回値「Portbuf」)とαd1(すなわち今回値「ポートSint」)が一致している場合には、今回入力されたパルス遷移がノイズによるものであると判断できることになる。したがって、一致していると判断した場合は、このようなノイズに基づいてインバータ制御を行うことは好ましくないため、既に速度演算部37、インバータ電圧V決定部38、PWM変調部39及びインバータ波形信号出力部40を通じて規定されたインバータの定常運転を単に続行しながら、再びステップS21の割込処理を待つことにする。なお、ステップS21からステップS22に至るまでの遅延時間ΔTは通常数μsであることが判っている。このため、数μs未満のパルス幅のノイズは全てキャンセルできることになる。
【0041】
また、高性能なマイコンを用い、この数μsの遅延が生じない場合にはソフト的にNOP命令などを使って遅延を作ればこの数μsの時間を何μsに設定するかをコントロールできる。
【0042】
一方、ステップS22において、前回値「Portbuf」と今回値「ポートSint」とが一致していないと判断した場合には、今回入力されたパルスがノイズによるものではなく正規の位置信号Sintのパルスであることになる。
【0043】
この場合、ステップS23において、まず今回値である「ポートSint」を次回に前回値として使用するために「Portbuf」に代入しておく。
【0044】
次に、ステップS24において、今回入力された位置信号Sintのパルス幅T(図10)をT測定部34で検出する。一方、操作パネル等の外部の入力手段35から与えられる目標パルス幅Tx(図10)を目標Tx入力部36を通じてマイコン4内に受入れる。そして、T測定部34で検出したパルス幅Tと目標Tx入力部36で受入れた目標パルス幅Txとを大小比較し(ステップS25)、その比較結果に応じて速度演算部37は望ましい回転速度を演算する。また、速度演算部37での演算結果に応じて、望ましいインバータ電圧Vをインバータ電圧V決定部38により決定する(ステップS26,S27)。なお、このとき回転速度の演算及びインバータ電圧Vの決定においては、図3(G)のように所定の位相補正を併せて行っておく。そして、PWM変調部39によって積分値正弦波状になるようPWM変調を施し、ここで得られたPWMパルス状のスイッチング信号をインバータ波形信号出力部40を通じてドライブ回路5へ出力する(ステップS28)。
【0045】
ドライブ回路5は、マイコン4からのスイッチング信号を受けて、インバータ部6の各トランジスタ6a〜6fのベースに転流制御信号を出力する。そして、インバータ部6の各トランジスタ6a〜6fは、図3(H)〜(M)のように順次オンオフして、電機子コイル1a,1b,1cに対する電圧パターンを切り換える。かかる電圧パターンの切り換え処理は、図10のようにマイコン4によって検出されるパルス幅Tが目標パルス幅Txに等しくなると判断された時点Tm1まで行われ、その後はこの目標パルス幅Txをパルス幅Tとしてインバータ部6によるブラシレスDCモータの定常駆動が続行される。
【0046】
また、以上の動作に並行して、図12(B)に示した提案例における処理、すなわち、位置信号Sintにおける前回パルスのパルス幅Tn-1に対し「(1/2)×Tn-1」から「(3/4)×Tn-1」の時点Tm3までの間は、一切の信号変化を受付けないようにし、この部分についてパルス幅の長いノイズをもキャンセルしておく。ただし、このときの「(1/2)×Tn-1」及び「(3/4)×Tn-1」といった期間の起点は、図6中のステップS22において「ポートSint」が前回パルスの「Portbuf」に一致しておらず正規の位置信号Sintのパルス遷移であると判断された当該パルス遷移の入力時点とすればよい。これにより、提案例のような処理においてもノイズによる影響を排除できる。
【0047】
このようにして、提案例におけるノイズキャンセル処理に加え、さらに位置信号Sintの各パルスの入力時においてそれぞれのパルス遷移を検出してその直後にパルスのハイ/ロー状態を検出するまでの間に遅延時間ΔTが発生することを利用して、この遅延時間ΔTに満たないパルス幅のノイズを全てキャンセルすることができるので、マイコン4、ドライブ回路5及びインバータ部6の誤動作やインバータ停止等の事態を防止できる。
【0048】
なお、上記の実施の形態では、積分信号Intに基づいて位置信号Sintから電圧パターンを切り換えるまでの時間を調整していたが、この積分信号Intに代えて、回転位置検出器2内の抵抗回路21の中性点に基づく電位差信号をそのまま採用することも可能である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1及び請求項に記載の発明によれば、位置信号に現れる遷移を検知する第2の時点から所定の遅延時間が経過した第2の時点で、位置信号のレベルを検出し、これを第1の時点の更新毎に繰返し、更新の前後でレベルが反転していなければ、最新に検知された遷移がノイズであるものと判断してこれを無視する一方、反転していれば、最新に検知された遷移が正規な位置信号のパルスのリーディングエッジであると判断して、当該パルスのパルス幅に基づいて電圧パターンを制御するので、所定の遅延時間より短いパルス幅のノイズを全てキャンセルすることができる。したがって、ブラシレスDCモータの誤動作を防止できる。
【0050】
そしてブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時における同期運転中は、所定の一般的な方式等に従って駆動制御するものとし、同期運転が終了した後の定常運転時においてのみ上記のようなノイズを無視する動作を行う場合において、位置信号について同期運転時の最後のパルスのレベルを、定常運転の開始時における最初のパルスのレベルの初期値として規定しているので、同期運転から定常運転におけるノイズ無視動作への移行を効率よく行うことができる。
【0051】
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の動作に並行して、位置信号の各パルス中の一部の期間については、一切のパルス変動の認識を無視しているので、前述の所定の遅延時間より短いパルス幅のノイズだけでなく、これよりパルス幅の長いノイズをも全てキャンセルすることができる。よって、ブラシレスDCモータの誤動作を、より確実に防止できる。この場合、請求項1に記載の発明によって短いパルス幅のノイズを無視した結果の正規の位置信号の遷移と判断された時点を基準に、ノイズを一切のパルス変動の認識を無視する期間を規律できるので、ノイズを無視する期間を正確に規律することができる。
【0052】
以上のことから、ノイズによる影響を殆ど受けずに済むブラシレスDCモータ駆動制御方法及びその装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイコンに与えられる位置信号にノイズが重畳した様子を示す信号波形図である。
【図2】この発明の一の実施の形態のブラシレスDCモータ駆動制御装置を示すブロック図である。
【図3】ブラシレスDCモータ駆動制御装置の各部の信号波形を示す図である。
【図4】ブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時の同期運転及びその後の位置検出運転における回転子の回転数の変化を示す図である。
【図5】この発明の一の実施の形態における同期運転動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の一の実施の形態における位置検出運転動作を示すフローチャートである。
【図7】マイコンに位置信号が与えられてから位置信号の各パルスのハイ/ロー状態を検出するまでに生じる遅延時間を示す図である。
【図8】従来のブラシレスDCモータ駆動制御装置を示すブロック図である。
【図9】マイコン内におけるインバータ制御の動作を示すフローチャートである。
【図10】マイコンに与えられる位置信号を示す波形図である。
【図11】ブラシレスDCモータの運転周波数とトルクとの関係を示す図である。
【図12】マイコンに与えられる位置信号を示す拡大波形図である。
【符号の説明】
1 固定子、1a,1b,1c 電機子コイル、2 回転位置検出器、3 レベル検出器、4 マイコン、5 ドライブ回路、6 インバータ部、6a〜6fトランジスタ、7 電流センサ、10 回転子、11 ブラシレスDCモータ、21 抵抗回路、21a,21b,21c 抵抗、22 積分増幅回路、23パルス化回路、31 周期演算部、32 演算部、33 インバータモード選択部、34 速度演算部、35 速度制御部、41 レベル判定部、42 PWM部、T1 位相補正タイマ、T2 周期測定タイマ、45 電流変化判別手段、46 停止指示手段、AN0,AN1,AN2 アナログ入力端子、Iu,Iv,Iw 電流、Sint 位置信号

Claims (3)

  1. ブラシレスDCモータの回転子(10)と固定子(1)との相対的な回転位置に応じてレベルが切り換わる位置信号(Sint)に基づいた電圧パターンを与えるブラシレスDCモータ駆動制御方法であって、
    前記ブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時の同期運転が終了した後の定常運転においてのみ、
    前記位置信号(Sint)に現れる遷移(te1,le1,ted,te2,le2,te3,led,le3,…)を検知した第1の時点から所定の遅延時間(ΔT)が経過した第2の時点において前記レベルを検出する工程を前記第1の時点を更新しつつ繰返し、
    前記第1の時点の更新の度に、その前後で前記レベルが同一であれば、最新に検知された遷移(ted,led)をリーディングエッジとするパルスを無視する一方、異なれば、最新に検知された遷移(te1,le1,te2,le2,te3,le3,…)をリーディングエッジとするパルスのパルス幅(T)に基づいて、前記電圧パターンを制御し、
    前記同期運転時の最後の前記位置信号(Sint)の前記レベルを、前記定常運転の開始後の最初の前記第1の時点以前の前記レベルたる初期値として規定することを特徴とするブラシレスDCモータ駆動制御方法。
  2. 請求項1に記載のブラシレスDCモータ駆動制御方法であって、
    前記パルス幅の検出は、その直前に検出された前記パルス幅(Tn-1)のx倍からy倍の期間(0<x<y<1)が経過するまでの間の前記遷移を無視して行われることを特徴とするブラシレスDCモータ駆動制御方法。
  3. ブラシレスDCモータの回転子(10)と固定子(1)との相対的な回転位置に応じてレベルが切り換わる位置信号(Sint)に基づいた電圧パターンを与えるブラシレスDCモータ駆動制御装置において、
    前記位置信号(Sint)に現れる遷移(te1,le1,ted,te2,le2,te3,led,le3,…)を検知した第1の時点から所定の遅延時間(ΔT)が経過した第2の時点において前記レベルを検出する工程を前記第1の時点を更新しつつ繰返し、前記第1の時点の更新の度に、その前後で前記レベルが反転しているか否かを確認するパルス反転確認手段(33)と、
    当該パルス反転確認手段(33)により反転していると確認できた場合に、最新に検知された遷移(te1,le1,te2,le2,te3,le3,…)をリーディングエッジとするパルスのパルス幅(T)に基づいて速度演算を行う一方、前記パルス反転確認手段(33)により反転していない旨を確認した場合に、最新に検知された遷移(ted,led)をリーディングエッジとするパルスを無視して速度演算を行う速度演算部(37)と、
    当該速度演算部(37)での速度演算結果に基づいて前記電圧パターンを制御するための所定の制御信号を出力する信号出力部(40)と
    ブラシレスDCモータ駆動制御装置の起動時にかかる同期運転についての同期運転モードと、同期運転が終了した後の定常運転にかかる定常運転モードとを切換えるモード切換手段(31)と、
    前記モード切換手段(31)によって前記同期運転モードに切換えられているときに前記速度演算部(37)に同期運転のための指示を与える同期運転指示手段(32)と
    を備え
    前記パルス反転確認手段(33)は前記モード切換手段(31)によって前記定常運転モードに切換えられたときにのみ作動するようにされ、
    前記同期運転指示手段(32)は、前記同期運転時の最後の前記位置信号(Sint)の前記レベルを、前記定常運転の開始後の最初の前記第1の時点以前の前記レベルたる初期値として規定するようにされたことを特徴とするブラシレスDCモータ駆動制御装置。
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