JPH10234195A - 電動機の速度制御方法及び装置 - Google Patents

電動機の速度制御方法及び装置

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JPH10234195A
JPH10234195A JP9033963A JP3396397A JPH10234195A JP H10234195 A JPH10234195 A JP H10234195A JP 9033963 A JP9033963 A JP 9033963A JP 3396397 A JP3396397 A JP 3396397A JP H10234195 A JPH10234195 A JP H10234195A
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JP
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speed
state
rotation speed
motor
speed control
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JP9033963A
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English (en)
Inventor
Kaoru Shinba
薫 榛葉
Yasumasa Oba
康正 大場
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Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】起動時及び定常運転時の双方の制御特性を良好
にすることができる電動機の速度制御装置を提供する。 【解決手段】電動機1の電機子コイル1u〜1wに励磁
電流を流すインバータ回路2のトランジスタに駆動信号
を与える駆動回路5を制御するコントローラ4に、運転
状態判定手段4Fと、運転状態判定手段4Fにより判定
された運転状態に応じてPID演算部4Dで演算に用い
るゲイン定数を切り換えるゲイン定数切換手段4Gとを
設ける。運転状態判定手段4Fにより運転状態が過渡運
転状態であると判定されたときにゲイン定数を起動時に
適した値とし、定常運転状態であると判定されたときに
ゲイン定数を定常運転時に適した値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機の回転速度
を設定速度に保つように制御する速度制御方法及び速度
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動機の回転速度を目標回転速度に保つ
ように制御する場合には、多くの場合、電動機の起動開
始時からその回転速度が設定値に達するまでの間の運転
モードを起動モードとして該起動モードでは起動時に適
した励磁電流を電機子コイルに与え、回転速度が設定値
に達した時に定速制御モードを開始させる。定速制御モ
ードでは、電動機の回転速度と目標回転速度との偏差を
検出して該偏差に比例、積分及び微分演算を施すことに
より該偏差を零にするために必要な励磁電流の大きさを
求め、求められた大きさの励磁電流を電動機の電機子コ
イルに流すことにより回転速度を目標回転速度に保つよ
うに制御する。
【0003】電動機がn相(nは2以上の整数)の電機
子コイルを有していて、該n相の電機子コイルに励磁電
流(電機子電流)を転流させることにより回転子を回転
させるようになっている場合には、励磁電流を転流させ
るためにインバータ回路が用いられる。
【0004】例えば、ブラシレス直流電動機は、n相の
電機子コイルを有する固定子と、永久磁石からなる界磁
を備えた回転子と、回転子の回転角度位置を検出する位
置センサとを備えていて、回転子の回転角度位置に応じ
て直流電源からn相の電機子コイルに励磁電流を転流さ
せることにより、回転子を回転させるようになってい
る。
【0005】このブラシレス直流電動機の回転速度を設
定速度に保つように制御する速度制御装置は、各相の電
機子コイルに流す励磁電流をスイッチングするスイッチ
ング素子を備えたインバータ回路と、電動機の回転角度
位置に応じて電機子コイルの励磁相と非励磁相とを示す
相パターン信号を発生する相パターン信号発生部と、電
動機の目標回転速度を与える速度設定部と、電動機の実
回転速度を検出する速度検出部と、速度設定部により与
えられた目標回転速度と速度検出部により検出された実
回転速度との偏差を検出する速度偏差検出部と、電動機
が起動を開始してからその実回転速度が設定値に達する
までの期間を起動期間とし、該起動期間が経過した後の
期間を定速制御期間として、起動期間の間は起動時に適
した励磁電流の大きさを与え、定速制御期間に入った後
は、速度偏差検出部により検出された偏差に所定のゲイ
ン定数を用いて比例、積分及び微分演算を施すことによ
り該偏差を零にするために必要な電機子コイルの励磁電
流の大きさを演算して演算された励磁電流の大きさを与
えるPID演算部と、電機子コイルに流す励磁電流をP
WM変調してPID演算部により与えられた大きさとす
るために必要なデューティで断続するPWM信号を発生
するPWM信号発生部と、相パターン信号とPWM信号
とを入力として相パターン信号により励磁相とされた相
の電機子コイルにPWM信号により変調された励磁電流
を流すべくインバータ回路を構成するスイッチング素子
に駆動信号を与える駆動回路とにより構成される。
【0006】このような速度制御装置により制御される
電動機を起動すると、起動開始後その回転速度が設定値
に達するまでの間は電機子コイルに所定の起動電流が与
えられるため、図3(A)に示すようにその回転速度N
が上昇させられる。時刻t1で回転速度が設定値No に
達すると定速制御が開始され、電動機の実回転速度と目
標回転速度との偏差が零になるように励磁電流がPWM
制御されて、実回転速度Nが目標回転速度Ns に一致す
るように制御される。定速制御が開始された直後は、未
だ回転速度Ns が目標回転速度に達していないため、電
動機の回転速度は目標回転速度Ns に向けて上昇してい
くが、やがて目標回転速度Ns に収束する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の速度制御装置で
は、定速制御が行われる領域の全領域でPID演算に用
いるゲイン定数を一定としていた。ところが、電動機の
回転速度が目標回転速度に整定した後の定常運転状態で
の制御性を良好にするようにゲイン定数を設定すると、
図3(A)に示したように、定速制御が開始された後、
回転速度が目標回転速度に整定する際に、制御系で生じ
る振動により回転速度が変動して制御特性が振動ぎみの
特性になり、回転速度が目標回転速度に整定するまでに
長時間を要するという問題が生じる。一方回転速度が目
標回転速度に整定する際の振動を抑制するために、ゲイ
ン定数を大きくして制御を強くすると、整定後の定常運
転時にゲイン定数が大きくなり過ぎるため、図3(B)
に示すように、定常運転時の制御特性が発振ぎみとなっ
て、回転速度の制御性が悪くなる。
【0008】このように、従来の速度制御装置では、定
常運転時の制御性を良好にしようとすると起動時の回転
速度の整定性が悪くなり、逆に起動時の回転速度の整定
性を良好にしようとすると、定常運転時の制御性が悪く
なるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、起動時の回転速度の整定
性及び定常運転時の制御性の双方を良好にすることがで
きるようにした電動機の速度制御方法及び速度制御装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とする速度
制御方法では、電動機を起動した後、該電動機の回転速
度が設定値に達した時に定速制御モードを開始させる。
該定速制御モードでは、電動機の回転速度と目標回転速
度との偏差を検出して該偏差に演算を施すことにより該
偏差を零にするために必要な励磁電流の大きさを求め、
求められた大きさの励磁電流を電動機の電機子コイルに
流すことにより電動機の回転速度を目標回転速度に保つ
ように制御する。
【0011】本発明においては、上記定速制御モードが
開始された後設定時間が経過するまでの状態を過渡運転
状態として、該過渡運転状態では演算に用いるゲイン定
数を起動時に適した値とし、定速制御モードが開始され
た後設定時間が経過した後の状態を定常運転状態とし
て、該定常運転状態では演算に用いるゲイン定数を定常
運転時に適した値とする。
【0012】本発明が対象とする速度制御装置は、電動
機の電機子コイルに流す励磁電流をスイッチングするス
イッチング素子を備えたインバータ回路と、電動機の目
標回転速度を与える速度設定部と、電動機の実回転速度
を検出する速度検出部と、速度設定部により与えられた
目標回転速度と速度検出部により検出された実回転速度
との偏差を検出する速度偏差検出部と、電動機が起動を
開始してからその実回転速度が設定値に達するまでの期
間を起動期間とし、該起動期間が経過した後の期間を定
速制御期間として、起動期間の間は起動時に適した前記
励磁電流の大きさを与え、定速制御期間に入った後は、
速度偏差検出部により検出された偏差に所定のゲイン定
数を用いて演算を施すことにより該偏差を零にするため
に必要な励磁電流の大きさを演算して演算された励磁電
流の大きさを与える演算部と、電機子コイルに流す励磁
電流をPWM変調(パルス幅変調)して前記演算部によ
り与えられた大きさとするために必要なデューティで断
続するPWM信号を発生するPWM信号発生部と、該P
WM信号により変調された励磁電流を電機子コイルに流
すべくインバータ回路を構成するスイッチング素子に駆
動信号を与える駆動回路とを備えたものである。
【0013】本発明においては、電動機の運転状態を判
定する運転状態判定手段と、該運転状態判定手段の判定
結果に応じてゲイン定数を切り換えるゲイン定数切換手
段とを設ける。
【0014】運転状態判定手段は、定速制御期間が開始
された時点から設定された時間が経過するまでの状態を
過渡運転状態と判定し、定速制御期間が開始された時点
から前記設定された時間が経過した後の状態を定常運転
状態と判定する。
【0015】ゲイン定数切換手段は、運転状態判定手段
により運転状態が過渡運転状態にあると判定されている
ときには演算部での演算に用いるゲイン定数を起動時に
適した値とし、運転状態判定手段により運転状態が定常
運転状態にあると判定されているときには演算に用いる
ゲイン定数を定常運転時に適した値とするように運転状
態判定手段による判定結果に応じて演算部での演算に用
いるゲイン定数を切り換える。
【0016】上記のように、定速制御が開始された時点
からの経過時間により電動機の過渡運転状態と定常運転
状態とを判定して、判定された運転状態に応じて演算部
での演算に用いるゲイン定数を切り換えるようにする
と、それぞれの運転状態でゲイン定数を最適な値に設定
できるため、起動時の回転速度の整定性と定常運転時の
回転速度の制御性との双方を良好にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる速度制御装
置の構成例を示したもので、同図において1は3相の電
機子コイル1u,1v及び1wを有する固定子と、永久
磁石により界磁を構成した回転子(図示せず。)とから
なるブラシレス直流電動機、2はブラシレス直流電動機
1の3相の電機子コイル1u〜1wに流す励磁電流をス
イッチングするスイッチング素子を備えたインバータ回
路、3は電動機1に内蔵されたロータリエンコーダRE
の出力から電動機の回転速度を検出して速度検出信号を
出力する速度検出部、4はマイクロコンピュータを用
い、速度検出部3から得られる速度検出信号と電動機の
回転子の回転角度位置を検出する位置センサPSの出力
とを入力としてインバータ回路2を制御するための信号
を発生するコントローラ、5はコントローラ4から与え
られる信号に応じてインバータ回路2に駆動信号を与え
る駆動回路、6は電動機1の負荷である。
【0018】各部を更に詳細に説明すると、インバータ
回路2は、エミッタが共通接続されたPNPトランジス
タTRu ,TRv 及びTRw と、これらのトランジスタ
TRu ないしTRw のコレクタにそれぞれコレクタが接
続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR
x ,TRy 及びTRz と、トランジスタTRu 〜TRw
のそれぞれのエミッタコレクタ間に、カソードをトラン
ジスタTRu 〜TRwのエミッタ側に向けた状態で並列
接続された帰還用ダイオードDu 〜Dw と、トランジス
タTRx 〜TRz のコレクタエミッタ間に、カソードを
トランジスタTRx 〜TRz のコレクタ側に向けた状態
で並列接続された帰還用ダイオードDx〜Dz とからな
っている。図示の例では、トランジスタTRu 〜TRw
及びTRx 〜TRz がそれぞれブリッジの上辺のスイッ
チ素子及び下辺のスイッチ素子を構成しており、これら
のスイッチ素子が3相ブリッジ接続されて3相のインバ
ータ回路が構成されている。またトランジスタTRu 〜
TRw 及びTRx 〜TRzにそれぞれ並列接続された帰
還用ダイオードDu 〜Dw 及びDx 〜Dz が3相ブリッ
ジ接続されて、これらのダイオードにより3相全波整流
回路が構成されている。このインバータ回路においては
トランジスタTRu 〜TRw のエミッタの共通接続点及
びトランジスタTRx 〜TRZ のエミッタの共通接続点
がそれぞれ正極性側の電源端子2a及び負極性側(アー
ス側)の電源端子2bとなっており、これらの電源端子
2a及び2bがそれぞれ図示しない直流電源の正極側出
力端子及び負極側出力端子に接続されている。
【0019】ロータリエンコーダREは電動機1の回転
子が微小角度回転する毎にパルス信号を発生する周知の
ものである。速度検出部3は、例えばロータリエンコー
ダREが出力するパルス信号の周波数を電圧信号に変換
する周波数電圧変換回路により構成されていて、電動機
の回転速度に比例した大きさの電圧信号を速度検出信号
として出力する。
【0020】コントローラ4は、電動機の励磁相(励磁
電流を流す相)と非励磁相(励磁電流を流さない相)と
を示す相パターン信号を発生する相パターン信号発生部
4Aと、電動機1の目標回転速度を与える速度設定部4
Bと、目標回転速度と実回転速度との偏差を検出する速
度偏差検出部4Cと、電機子コイル1u〜1wに流す励
磁電流の大きさを与えるPID演算部4Dと、電機子コ
イル1u〜1wに流す励磁電流をPWM変調してPID
演算部4Dにより与えられる大きさとするために必要な
デューティで断続するPWM信号を発生するPWM信号
発生部4Eとを備えている。
【0021】相パターン信号発生部4Aは、電動機の回
転子の回転角度位置を検出する位置センサPSの出力に
応じて電機子コイル1u〜1wの励磁相と非励磁相とを
示す相パターン信号を発生する部分である。この相パタ
ーン信号発生部4Aは、インバータ回路2のトランジス
タ(スイッチング素子)TRu 〜TRw 及びTRx 〜T
Rz にそれぞれ対応する出力端子2u〜2w及び2x〜
2zを有していて、これらの出力端子の内、オン状態に
するトランジスタに対応する出力端子の電位とオフ状態
にするトランジスタに対応する出力端子の電位とを異な
らせることにより、電機子コイルの励磁相と非励磁相と
を示す相パターン信号を出力する。図示のようにUない
しW3相の電機子コイル1u〜1wを有するブラシレス
直流電動機の場合、励磁相は、回転子の回転に伴って、
例えば、(U相,Y相)→(U相,Z相)→(V相,Z
相)→(V相,X相)→(W相,X相)→(W相,Y
相)→(U相,Y相)…のように順次変化させられる。
この場合、例えば、相パターン信号発生部の出力端子2
u〜2w及び2x〜2wの電位が高レベルの状態を
「1」とし、低レベル(接地電位)の状態を「0」とし
て、オン状態にするスイッチング素子に対応する出力端
子の状態を「1」とするものとすると、出力端子(2
u,2v,2w,2x,2y,2z)に得られる相パタ
ーン信号は、(1,0,0,0,1,0)→(1,0,
0,1,0,0)→(0,1,0,1,0,0)→
(0,1,0,0,0,1)→(0,0,1,0,0,
1)→(0,0,1,0,1,0)→(1,0,0,
0,1,0),…のように変化する。
【0022】速度設定部4Bは、電動機1の目標回転速
度を与える部分で、この速度設定部は例えば、速度調整
部材の変位量を検出して目標回転速度を示す電圧信号を
発生するポテンショメータ等の位置センサと、該電圧信
号をデジタル信号に変化するA/D変換器により構成す
ることができる。
【0023】速度偏差検出部4Cは、速度設定部4Bに
より与えられた目標回転速度と速度検出部3により検出
された実回転速度との偏差eを検出する部分で、コント
ローラ4に設けられたマイクロコンピュータに目標回転
速度と実回転速度との差を演算するプログラムを実行さ
せることにより実現される。
【0024】PID演算部4Dは、電動機が起動を開始
してからその実回転速度が設定値に達するまでの期間を
起動期間とし、該起動期間が経過した後の期間を定速制
御期間として、起動期間の間は起動時に適した励磁電流
の大きさを与え、定速制御期間に入った後は、速度偏差
検出部により検出された偏差eに所定のゲイン定数を用
いて比例、積分及び微分演算を施すことにより該偏差e
を零にするために必要な励磁電流の大きさを演算する。
【0025】目標回転速度と実回転速度との偏差をe、
時間をtとすると、PID演算部4Dは、例えば下記の
演算を行うことにより電機子コイル1u〜1wに流す励
磁電流iの大きさを求める。
【0026】 i=K1 e+K2 ∫edt+K3 (de/dt) …(1) ここでK1 ,K2 及びK3 はそれぞれ比例項、積分項及
び微分項のゲイン定数である。
【0027】PWM信号発生部4Eは、電機子コイルに
流す励磁電流をPWM変調して演算部4Dにより与えら
れた大きさとするために必要なデューティで断続するP
WM信号を発生する。
【0028】駆動回路5は、相パターン信号発生部の出
力端子2u〜2w及び2x〜2zにそれぞれ接続された
入力端子と、PWM信号が入力される入力端子と、トラ
ンジスタ(スイッチング素子)TRu 〜TRw 及びTR
x 〜TRz のそれぞれのベース(スイッチング素子の駆
動信号入力端子)に接続された出力端子5u〜5w及び
5x〜5zとを有していて、相パターン信号に応じてイ
ンバータ回路の所定のトランジスタにPWM信号により
変調された駆動信号(所定のデューティで断続する駆動
信号)を与える。図示の駆動回路5は、相パターン信号
発生部の出力端子2u〜2wから「1」の状態の信号が
与えられたときに、出力端子5u〜5wからそれぞれ
「0」の状態の駆動信号(接地レベルの信号)を出力し
てトランジスタTRu 〜TRw をオン状態にし、相パタ
ーン信号発生部の出力端子2u〜2wからそれぞれ
「0」の状態の信号が与えられたときに、出力端子5u
〜5wからそれぞれ「1」の状態の信号(高レベルの信
号)を出力して(駆動信号を消滅させて)トランジスタ
TRu 〜TRw をオフ状態にする。駆動回路5はまた、
相パターン信号発生部2の出力端子2x〜2zのそれぞ
れから「1」の状態の信号が与えられたときに、出力端
子5x〜5zからそれぞれ「1」の状態(高レベルの状
態)の駆動信号を出力してトランジスタTRx 〜TRz
をオン状態にし、相パターン信号発生部2の出力端子2
x〜2zからそれぞれ「0」の状態の信号が与えられた
ときに、出力端子5x〜5zからそれぞれ「0」の状態
(接地レベルの状態)の信号を出力して(駆動信号を消
滅させて)トランジスタTRx 〜TRz をオフ状態にす
る。
【0029】インバータ回路2は、駆動回路5から駆動
信号が与えられたトランジスタがオン状態になって励磁
相の電機子コイルに励磁電流を流す。例えば、U相及び
V相が励磁相でW相が非励磁相である場合には、トラン
ジスタTRu とTRy とがオン状態になって、図示しな
い直流電源→トランジスタTRu →電子コイル1u→電
機子コイル1v→トランジスタTRy →直流電源の経路
で励磁電流を流す。相パターン信号は回転子の回転角度
位置の変化に伴って変化させられ、該相パターン信号の
変化によりオン状態になる上辺のトランジスタと下辺の
トランジスタとの組み合わせが順次変化させられるた
め、励磁電流が転流させられて回転子が回転駆動され
る。駆動回路5からインバータ回路の各トランジスタに
与えられる駆動信号はPWM信号により変調されている
ため、励磁電流もPWM変調された波形になり、該励磁
電流の大きさ(平均値)がPID演算部4Dにより演算
された大きさとなる。
【0030】上記相パターン信号発生部4A、速度設定
部4B、速度偏差検出部4C、PID演算部4D、PW
M信号発生部4E及び駆動回路5の構成は従来のこの種
の制御装置で用いられていたものと同様である。
【0031】本発明においては上記の構成に加えて更
に、マイクロコンピュータにより実現される運転状態判
定手段4Fと、ゲイン定数切換手段4Gとをコントロー
ラ4に設ける。
【0032】運転状態判定手段4Fは、図2(A),
(B)に示すように、電動機が起動した後、その回転速
度Nが設定値No に達して定速制御期間が開始された時
点から設定された時間Tが経過するまでの状態を過渡運
転状態と判定し、定速制御期間が開始された時点から設
定された時間が経過した後の状態を定常運転状態と判定
する手段である。この運転状態判定手段4Fは、マイク
ロコンピュータに設けられているタイマ4Hを用いて、
定速制御期間が開始された時点からの経過時間を計測す
ることにより実現できる。即ち、電動機が起動した後、
その回転速度が設定値No に達した時(定速制御期間が
開始された時)にタイマ4Hに設定時間の計測を開始さ
せて、タイマ4Hが設定時間の計測動作を行っている状
態を過渡運転状態と判定し、タイマが設定時間の計測を
終了した後の状態を定常運転状態と判定する処理をマイ
クロコンピュータに行わせることにより、運転状態判定
手段4Fを実現することができる。
【0033】ゲイン定数切換手段4Gは、運転状態判定
手段4Fにより運転状態が過渡運転状態にあると判定さ
れているときにはPID演算部4Dで比例、積分及び微
分演算を行う際に用いるゲイン定数K1 〜K3 を起動時
に適した値とし、運転状態判定手段により運転状態が定
常運転状態にあると判定されているときにはゲイン定数
K1 〜K3 を定常運転時に適した値とするように、運転
状態判定手段による判定結果に応じてPID演算部での
演算に用いるゲイン定数K1 ,K2 及びK3 を切り換え
る。
【0034】ゲイン定数切換手段4Gは、過渡運転状態
におけるゲイン定数K1 〜K3 の値と定常運転状態にお
けるゲイン定数K1 〜K3 の値とをマイクロコンピュー
タのROMに記憶させておいて、判定された運転状態に
応じて所定のゲイン定数の値をROMから読み出してP
ID演算部4Dに与える処理を、コントローラ4の各部
を実現するためにマイクロコンピュータが実行するプロ
グラムに追加することにより構成することができる。
【0035】上記のように、定速制御が開始された時点
からの経過時間により電動機の過渡運転状態と定常運転
状態とを判定して、判定された運転状態に応じて演算部
での演算に用いるゲイン定数を切り換えるようにする
と、それぞれの運転状態でゲイン定数を最適な値に設定
できるため、起動時の回転速度の整定性と定常運転時の
回転速度の制御性との双方を良好にすることができる。
例えば、ゲイン定数を定常運転時に適した値に固定して
定速制御を行わせた場合には、図2(A)に示すように
過渡運転状態で回転速度の制御特性が振動的になり、回
転速度が目標回転速度に整定するまでに時間がかかる
が、本発明のように、ゲイン定数切換手段4Gを設けて
過渡運転状態のゲイン定数を起動時に適した値に設定す
るようにすると、図2(B)に示すように過渡運転状態
での制御特性の振動を抑えて回転速度を速やかに目標回
転速度に整定させることができる。
【0036】上記の例では、3相のブラシレス直流電動
機に本発明を適用したが、2相のブラシレス直流電動機
や、更に多相のブラシレス直流電動機にも本発明を適用
することができる。またブラシレス直流電動機以外の電
動機を定速制御する場合にも本発明を適用することがで
きる。
【0037】上記の例では、インバータ回路2を構成す
るスイッチング素子としてトランジスタを用いている
が、FETなどの他のオンオフ制御が可能なスイッチン
グ素子を用いてインバータ回路を構成してもよい。
【0038】上記の例では、偏差にPID演算を施すこ
とにより該偏差を零にするために必要な励磁電流の大き
さを演算しているが、I(積分)演算及びD(微分)演
算の少なくとも一方を省略する場合にも本発明を適用で
きる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、定速制
御が開始された時点からの経過時間により電動機の過渡
運転状態と定常運転状態とを判定して、判定された運転
状態に応じて演算部での演算に用いるゲイン定数を切り
換えるようにしたので、起動時及び定常運転時のそれぞ
れの運転状態でゲイン定数を最適な値に設定して、起動
時の回転速度の整定性と定常運転時の回転速度の制御性
との双方を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電動機の速度制御装置の構成例
を示した構成図である。
【図2】従来の速度制御装置による制御特性と本発明に
係わる速度制御装置による制御特性とを比較して示した
線図である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ従来の速度制御装
置により得られる制御特性の異なる例を示した線図であ
る。
【符号の説明】
1 電動機 2 インバータ回路 3 速度検出部 4 コントローラ 4A 相パターン信号発生部 4B 速度設定部 4C 速度偏差検出部 4D PID演算部 4E PWM信号発生部 4F 運転状態判定手段 4G ゲイン定数切換手段 4H タイマ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機を起動した後、該電動機の回転速
    度が設定値に達した時に定速制御モードを開始させ、該
    定速制御モードでは、前記電動機の回転速度と目標回転
    速度との偏差を検出して該偏差に演算を施すことにより
    該偏差を零にするために必要な励磁電流の大きさを求め
    て、求められた大きさの励磁電流を前記電動機の電機子
    コイルに流すことにより前記電動機の回転速度を目標回
    転速度に保つように制御する電動機の速度制御方法にお
    いて、 前記定速制御モードが開始された後設定時間が経過する
    までの状態を過渡運転状態として、該過渡運転状態では
    前記演算に用いるゲイン定数を起動時に適した値とし、 前記設定時間が経過した後の状態を定常運転状態とし
    て、該定常運転状態では前記演算に用いるゲイン定数を
    定常運転時に適した値とすることを特徴とする電動機の
    速度制御方法。
  2. 【請求項2】 電動機の電機子コイルに流す励磁電流を
    スイッチングするスイッチング素子を備えたインバータ
    回路と、前記電動機の目標回転速度を与える速度設定部
    と、前記電動機の実回転速度を検出する速度検出部と、
    前記速度設定部により与えられた目標回転速度と前記速
    度検出部により検出された実回転速度との偏差を検出す
    る速度偏差検出部と、前記電動機が起動を開始してから
    その実回転速度が設定値に達するまでの期間を起動期間
    とし、該起動期間が経過した後の期間を定速制御期間と
    して、起動期間の間は起動時に適した前記励磁電流の大
    きさを与え、定速制御期間に入った後は、前記速度偏差
    検出部により検出された偏差に所定のゲイン定数を用い
    て演算を施すことにより該偏差を零にするために必要な
    励磁電流の大きさを演算して演算された励磁電流の大き
    さを与える演算部と、前記電機子コイルに流す励磁電流
    をPWM変調して前記演算部により与えられた大きさと
    するために必要なデューティで断続するPWM信号を発
    生するPWM信号発生部と、前記PWM信号を入力とし
    て前記電機子コイルに前記PWM信号により変調された
    励磁電流を流すべく前記インバータ回路を構成するスイ
    ッチング素子に駆動信号を与える駆動回路とを備えた電
    動機の速度制御装置において、 前記定速制御期間が開始された時点から設定された時間
    が経過するまでの状態を過渡運転状態と判定し、前記定
    速制御期間が開始された時点から前記設定された時間が
    経過した後の状態を定常運転状態と判定する運転状態判
    定手段と、 前記運転状態判定手段により運転状態が過渡運転状態に
    あると判定されているときには前記演算部での演算に用
    いるゲイン定数を起動時に適した値とし、前記運転状態
    判定手段により運転状態が定常運転状態にあると判定さ
    れているときには前記演算に用いるゲイン定数を定常運
    転時に適した値とするように前記運転状態判定手段によ
    る判定結果に応じて前記演算部での演算に用いるゲイン
    定数を切り換えるゲイン定数切換手段とを具備したこと
    を特徴とする電動機の速度制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710580B2 (en) * 2000-12-14 2004-03-23 Kokusan Denki Co., Ltd. Method and apparatus for overload-controlling inverter power generation apparatus
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JP2014233182A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 日本電産トーソク株式会社 ブラシレスモータの制御装置
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KR20150005177A (ko) * 2013-07-05 2015-01-14 현대중공업 주식회사 Pid 제어 속도 제한 시스템

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