JP3757489B2 - リチウム電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリマー電解質を使用したリチウム電池、特にサイクル寿命に優れるリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電極活物質としてアルカリ金属、アルカリ金属イオンを吸蔵、放出可能な材料を用いる電池が、高エネルギー密度を有するものとして注目されており、なかでもリチウム二次電池は特にエネルギー密度が高いため、電子機器の電源として広く用いられつつある。
【0003】
近年、一次電池及び二次電池に液状の電解質を用いることによる漏液の対策、可燃性電解液の着火性低減対策、電池のフィルム状化による電子機器への組み込み性の向上とスペースの有効利用等の見地より、ポリマー電解質が提案されている(特表平8−507407、特表平4−506726等)。
【0004】
ポリエチレンオキシド系ポリマー電解質は電気化学的には安定であるが、有機電解液の溶媒の保持性が低い難点がある。三次元構造のポリアクリレート系ポリマー電解質は、溶媒の保持性はよいものの電気化学的に不安定で4V級電池には適さない。ポリフッ化ビニリデンからなるポリマー電解質は電気化学的に安定であり、フッ素原子を含むのでポリマーが燃えにくい特徴があるが、ポリマー電解質の温度を上げると電解液がポリマーよりにじみ出る。これに対し、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体を使用することによりこの問題を解決する試みもある。
【0005】
さらに、従来のポリマー電解質使用リチウム二次電池は、充放電サイクル耐久性が液体電解質を用いた電池より劣る欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はポリマー電解質の新規組成を検討することにより、電解質の保持性がよく、安定で、特にリチウム二次電池の充放電サイクル耐久性が大きいリチウム電池を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、正極、負極及び電解質を有するリチウム電池において、前記電解質が、一般式(a)及び(b)で表される各重合単位を含む共重合体又は一般式(a)、(b)及び(c)で表される各重合単位を含む共重合体をマトリックスとし、リチウム塩とリチウム塩を溶解できる溶媒とを含有するポリマー電解質であることを特徴とするリチウム電池を提供する。
【0008】
【化4】
(−CF2 −CFX−) ・・・(a)
【0009】
(ただし、Xはフッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシル基である。)
【0010】
【化5】
Figure 0003757489
【0011】
(ただし、R1 は水素原子又はメチル基である。R2 は直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基又はシクロアルキル基であり、その炭素数は1〜12であって水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。qは0又は1である。)
【0012】
【化6】
Figure 0003757489
【0013】
(ただし、R3 は水素原子又はメチル基である。R4 は直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基又はシクロアルキル基であり、その炭素数は1〜12であって水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい。pは0又は1であるが、一般式(b)においてq=0の場合はp=1である。)
【0014】
本発明におけるポリマー電解質のマトリックスは、一般式(a)及び(b)で表される各重合単位を必須成分とする共重合体又は一般式(a)、(b)及び(c)で表される各重合単位を必須成分とする共重合体であるが、その必須成分である重合単位と共重合体を形成できる他の単量体に基づく重合単位を30モル%を超えない範囲で適宜含有させた共重合体であってもよい。
【0015】
他の単量体としては、例えば、プロピレン、イソブチレン、アクリル酸及びそのアルキルエステル、メタクリル酸及びそのアルキルエステル、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン、クロロエチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0016】
本発明の電池のポリマー電解質のマトリックスを構成する一般式(a)、(b)の各重合単位のモル比又は一般式(a)、(b)、(c)の各重合単位のモル比、さらには必要に応じて添加される他の成分のモル比、共重合体の分子量等は、ポリマー電解質形成時に電解液と混合するために使用する有機溶媒へのマトリックスの溶解性又は分散性、マトリックスの電解液との混和性及び電解液の保持性、ポリマー電解質の集電体金属への接着性、強度、成形性、ハンドリング性、マトリックスの入手の容易性などにより任意に選定されうる。
【0017】
本発明において一般式(a)で表される重合単位は、パーハロゲン化オレフィンに基づく重合単位であり、そのなかでクロロトリフルオロエチレン又はテトラフルオロエチレンに基づく重合単位が特に好ましく採用される。
【0018】
本発明において一般式(b)で表される重合単位としては、炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するビニルエーテルに基づく重合単位、シクロヘキシルビニルエーテルに基づく重合単位又は炭素数2〜4のカルボン酸のビニルエステルに基づく重合単位が好ましい。カルボン酸ビニルエステルに基づく重合単位のなかでも酢酸ビニルに基づく重合単位、プロピオン酸ビニルに基づく重合単位が特に好ましく採用される。
【0019】
本発明において一般式(c)で表される重合単位のうち、特に好ましい重合単位は次の1)〜3)の各重合単位である。
1)一般式(b)とは異なる、炭素数2〜4のアルキル基(ただし、直鎖状であっても分岐状であってもよい)を有するビニルエーテルに基づく重合単位。
2)シクロヘキシル基を有するビニルエーテルに基づく重合単位。
3)アルキルアリルエーテル(ただし、アルキル基は炭素数1〜4であり、直鎖状であっても分岐状であってもよい)に基づく重合単位。
また、ヒドロキシアルキルビニルエーテルに基づく重合単位は、架橋部位を有するので、ブチル化メラミン、エポキシ変性メラミン、メチル化尿素、長鎖脂肪族ジカルボン酸、多価イソシアネート類とともに使用すると、それらと架橋し硬化させうるため、好ましい重合単位である。
【0020】
本発明におけるポリマー電解質のマトリックスは、一般式(a)及び(b)で表される各重合単位を含む共重合体の場合、クロロトリフルオロエチレンに基づく重合単位とアルキルビニルエーテルに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。また、一般式(a)、(b)及び(c)で表される各重合単位を含む共重合体の場合、クロロトリフルオロエチレンに基づく重合単位とシクロヘキシルビニルエーテルに基づく重合単位とアルキルビニルエーテルに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
【0021】
本発明で使用される電解液を保持すべきマトリックスが、一般式(a)、(b)で表される各重合単位を含む共重合体である場合、その組成は、一般式(a)及び(b)の各重合単位をそれぞれ40〜60モル%、及び40〜60モル%含む共重合体であることが好ましい。
【0022】
一般式(a)で表される重合単位の含有量が60モル%超であると、ポリマーの結晶性が高くなり電解液がポリマー中に侵入しにくくなるため、ポリマー電解質の電気伝導度が低くなるので好ましくない。また、40モル%未満であると、ポリマー電解質の強度が低下するので好ましくない。一般式(a)で表される重合単位のより好ましい含有量は45〜55モル%である。
【0023】
一般式(b)で表される重合単位の含有量が40モル%未満であると、共重合体の有機溶媒への溶解度が低下し、電解液との均一な混合が困難となり、電気伝導度が低下するので好ましくない。また、60モル%超であると、ポリマー電解質強度が低下するので好ましくない。一般式(b)で表される重合単位のより好ましい含有量は45〜55モル%である。
【0024】
本発明で使用される電解液を保持すべきマトリックスが、一般式(a)、(b)及び(c)で表される各重合単位を含む共重合体である場合、その組成は、一般式(a)、(b)及び(c)で表される各重合単位をそれぞれ、40〜60モル%、5〜55モル%及び5〜45モル%含むことが好ましい。
【0025】
一般式(a)で表される重合単位の含有量が60モル%超であると、ポリマーの結晶性が高くなり電解液がポリマー中に侵入しにくくなるため、ポリマー電解質の電気伝導度が低くなるので好ましくない。また、40モル%未満であると、ポリマー電解質の強度が低下するので好ましくない。一般式(a)で表される重合単位のより好ましい含有量は45〜55モル%である。
【0026】
一般式(b)で表される重合単位の含有量が5モル%未満であると、共重合体の有機溶媒への溶解度が低下し、電解液との均一な混合が困難となり、電気伝導度が低下するので好ましくない。また、55モル%超であると、ポリマー電解質強度が低下するので好ましくない。一般式(b)で表される重合単位のより好ましい含有量は10〜40モル%である。
【0027】
一般式(c)で表される重合単位の含有量が5モル%未満であると、ポリマー電解質が脆くなり、ポリマー電解質の可撓性が不足するので好ましくない。また、45モル%超であると、フィルムの自立性が低下するので好ましくない。一般式(c)で表される重合単位のより好ましい含有量は10〜30モル%である。
【0028】
本発明で使用するポリマー電解質のマトリックスである共重合体の分子量を反映する固有粘度は、テトラヒドロフラン(以下THFという)を溶媒として30℃で測定した場合、0.01〜2dl/gであることが好ましい。2dl/g超であると、電解液との均一混合が困難となったり、電解液の保持量が少なくなり、ポリマー電解質の電気伝導度が低下するので好ましくない。0.01dl/g未満であると、ポリマー電解質の強度が低下するので好ましくない。より好ましくは0.03〜1dl/gである。
【0029】
本発明における負極活物質は、一次電池の場合はリチウムイオンを放出可能な材料であり、二次電池の場合はリチウムイオンを吸蔵、放出可能な材料である。これらの負極活物質を形成する材料は特に限定されないが、例えばリチウム金属、リチウム合金、炭素材料、周期表14、15族の半金属を主体とした酸化物、炭素化合物、炭化ケイ素化合物、酸化ケイ素化合物、硫化チタン、炭化ホウ素化合物等が挙げられる。炭素材料としては、様々な熱分解条件で有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛等を使用できる。また、酸化物としては、酸化スズを主体とする化合物が使用できる。
【0030】
本発明における正極活物質は一次電池の場合はリチウムイオンを吸蔵可能な物質であり、二次電池の場合はリチウムイオンを吸蔵、放出可能な物質である。例えば、周期表4族のTi、Zr、Hf、5族のV、Nb、Ta、6族のCr、Mo、W、7族のMn、8族のFe、Ru、9族のCo、10族のNi、11族のCu、12族のZn、Cd、13族のAl、Ga、In、14族のSn、Pb、15族のSb、Bi及び16族のTe等の金属を主成分とする酸化物及び複合酸化物、硫化物等のカルコゲン化物、オキシハロゲン化物、前記金属とリチウムとの複合酸化物等が使用できる。また、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、又はそれらの共重合体等の導電性高分子材料も使用できる。
【0031】
本発明では、リチウムを吸蔵、放出可能な物質を負極活物質に使用した二次電池とする場合、負極及び/又は正極にリチウムを含有させる。一般的には正極活物質の合成時にリチウム含有化合物とし、正極活物質の固体マトリックス中にリチウムを含有させておく。また、電池組立前に負極に化学的又は電気化学的方法でリチウムを含有させたり、電池組立時にリチウム金属を負極及び/又は正極に接触させて組み込むといった方法でリチウムを含有させることもできる。正極活物質に使用するリチウム含有化合物としては、特にリチウムとマンガンの複合酸化物、リチウムとコバルトの複合酸化物、リチウムとニッケルの複合酸化物が好ましい。
【0032】
本発明における電解液の溶媒としては炭酸エステルが好ましい。炭酸エステルは環状、鎖状いずれも使用できる。環状炭酸エステルとしてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が例示される。鎖状炭酸エステルとしてはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が例示される。
【0033】
本発明では上記炭酸エステルを単独で又は2種以上を混合して使用できる。他の溶媒と混合して使用してもよい。また、負極活物質の材料によっては、鎖状炭酸エステルと環状炭酸エステルを併用すると、放電特性、サイクル耐久性、充放電効率が改良できる場合がある。
【0034】
本発明で使用される電解液の溶質としては、ClO4 -、CF3 SO3 -、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3 CO2 -、(CF3 SO22- 等をアニオンとするリチウム塩のいずれか1種以上を使用することが好ましい。
【0035】
本発明における電解液は、前記溶質を前記溶媒に0. 2〜2. 0mol/lの濃度で溶解するのが好ましい。この範囲を逸脱すると、イオン伝導度が低下し、ポリマー電解質の電気伝導度が低下する。より好ましくは0. 5〜1. 5mol/lである。
【0036】
本発明では、マトリックス中に前記電解液が均一に分布したポリマー電解質を使用する。ポリマー電解質中の電解液の含有量は30〜80重量%が好ましい。30重量%未満であると電気伝導度が低くなるので好ましくない。また80重量%超であるとポリマー電解質が固体状態を保てなくなるので好ましくない。特に好ましくは40〜65重量%が採用される。
【0037】
本発明におけるポリマー電解質は種々の方法で作製できる。例えば、前記共重合体を有機溶媒に溶解又は均一に分散させる。次いでリチウム塩を溶媒に溶解させた電解液を調製する。この2種の溶液を混合し、ガラス板上にバーコーター又はドクターブレードによる塗布、キャスト又はスピンコートした後、加熱乾燥して主として前記共重合体を溶解又は分散させた有機溶媒を除去し、ポリマー電解質フィルムを得る。加熱乾燥時に電解液に用いた溶媒が一部蒸発する場合は、該フィルムに新たにその溶媒を含浸させるか又はフィルムをその溶媒蒸気に暴露して所望の組成にする。
【0038】
前記共重合体を溶解又は分散させる有機溶媒としては、THF、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、N−メチルピロリドン、アセトン、アセトニトリル等が使用でき、加熱乾燥により選択的にこの有機溶媒を除去するため、THF、アセトン等の沸点100℃以下の揮発性の有機溶媒が好ましい。
【0039】
本発明における正極及び負極は、活物質を有機溶媒と混練してスラリーとし、該スラリーを金属箔集電体に塗布、乾燥して得ることが好ましい。より好ましくは、前記正極及び負極に電解液と前記共重合体の溶液又は分散液とを混合した液を含浸又は塗布し、電極層の内部までポリマー電解質を浸透させるとよい。また、電解液と前記共重合体の溶液又は分散液とを混合した液をスラリーに混合してから金属箔集電体に塗布してもよい。
【0040】
また、本発明では、前記共重合体を有機溶媒に溶解又は分散させずに、多孔質フィルム状に形成し、活物質を含むスラリーを金属箔集電体に塗布、乾燥して得た正極及び負極の間にはさみ、しかる後に有機電解液を吸収せしめて電池素子を形成することもできる。
【0041】
本発明のリチウム電池の形状には特に制約はない。シート状(いわゆるフイルム状)、折り畳み状、巻回型有底円筒形、ボタン形等が用途に応じて選択される。
【0042】
本発明によるリチウム電池は、ポリマー電解質が電解液の保持性がよく良好な電気伝導度を保ちつつ、かつポリマー電解質と電極活物質との密着性がよいので、充放電サイクル耐久性が向上する。したがって、本発明のリチウム電池は、正極活物質及び負極活物質の選択により、一次電池、二次電池両方に適用できる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0044】
[例1]
内容積200mlの撹拌機付きステンレスオートクレーブを用いて、t−ブタノールを溶媒とし、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル及びアゾビスイソブチロニトリルを仕込み、液体窒素による固化、脱気により溶存空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレンを導入しつつ昇温することにより重合を行った。しかる後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブを開放した。得られたポリマー溶液を水に投入し、ポリマーを析出させた後、洗浄、乾燥を行いポリマーを回収した。
【0045】
得られたポリマーは、クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキシルビニルエーテル/エチルビニルエーテル共重合体(モル比で52/25/23)であった。この共重合体の固有粘度はTHF中、30℃で0.39dl/gであった。
【0046】
アルゴン雰囲気中でこのポリマー10重量部をキシレン8重量部とメチルエチルケトン24重量部の混合溶媒に撹拌しながら加温して溶解させた。次にエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートを体積比で1:1に混合した溶媒にLiPF6 を1mol/lの濃度でアルゴン雰囲気下で溶解し、電解液とした。前記共重合体溶液21重量部にこの電解液を5重量部加え、60℃に加熱し撹拌した。この溶液をガラス板上にバーコーターにて塗布し、40℃で1時間乾燥してメチルエチルケトンとキシレンを除去し、厚さ100μmの透明なポリマー電解質フィルムを得た。このフィルムの組成は、共重合体、エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート混合溶媒、LiPF6 が重量比で50/44.3/5.7であった。
【0047】
次いでこのフィルムをガラス基板より剥離し、交流インピーダンス法により電気伝導度を25℃、アルゴン雰囲気下で測定した。電気伝導度は4×10-4S/cmであった。
【0048】
正極活物質としてLiCoO2 粉末を11重量部、導電材としてアセチレンブラックを1. 5重量部、前記共重合体を6重量部、前記電解液を11重量部、及びメチルエチルケトン70重量部をアルゴン雰囲気下で混合し、撹拌しながら加温してスラリーを得た。このスラリーを厚さ20μmで表面を粗面化したアルミニウム箔にバーコーターにて塗布、乾燥し、正極を得た。
【0049】
負極活物質としてメソフェーズカーボンファイバ粉末(平均直径8μm、平均長さ50μm、(002)面間隔0.336nm)12重量部、前記共重合体6重量部、前記電解液11重量部、及びメチルエチルケトン70重量部をアルゴン雰囲気下で混合し、撹拌しながら加温してスラリーを得た。このスラリーを厚さ20μmで表面を粗面化した銅箔にバーコーターにて塗布、乾燥し、負極を得た。
【0050】
前記ポリマー電解質フィルムを1. 5cm角に成形し、これを介して有効電極1cm×1cmの前記正極及び負極を対向させ、厚さ1. 5mmで3cm角の2枚のポリテトラフルオロエチレン背板で挟み締め付け、外側を外装フィルムで覆うことによりリチウムイオン二次電池素子をアルゴン雰囲気下で組み立てた。
【0051】
充放電条件は、0. 5Cの定電流で、充電電圧は4.2Vまで、放電電圧は2.5Vまでの電位規制で充放電サイクル試験を行った。その結果、500サイクル後の容量維持率は94%であった。
【0052】
[例2]
シクロヘキシルビニルエーテルとエチルビニルエーテルのかわりに酢酸ビニルとプロピルビニルエーテルを仕込んだ以外は、例1と同様にして重合を行い、クロロトリフルオロエチレン/酢酸ビニル/プロピルビニルエーテル共重合体(モル比で50/37/13)を得た。この共重合体の固有粘度はTHF中、30℃で0.25dl/gであった。
【0053】
この共重合体を用いた以外は例1と同様にして厚さ100μmで、共重合体、エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート混合溶媒、LiPF6 が重量比で50/44.3/5.7の組成のポリマー電解質フィルムを得た。このフィルムの電気伝導度を例1と同様にして測定したところ、4×10-4S/cmであった。
【0054】
このポリマー電解質を用いた以外は例1と同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維持率は88%であった。
【0055】
[例3]
シクロヘキシルビニルエーテルとエチルビニルエーテルのかわりにイソブチルビニルエーテルとエチルアリルエーテルを仕込んだ以外は、例1と同様にして重合を行い、クロロトリフルオロエチレン/イソブチルビニルエーテル/エチルアリルエーテル共重合体(モル比で50/22/28)を得た。この共重合体の固有粘度はTHF中、30℃で0.42dl/gであった。
【0056】
この共重合体を用いた以外は例1と同様にして厚さ100μmで、共重合体、エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート混合溶媒、LiPF6 が重量比で50/44.3/5.7の組成のポリマー電解質フィルムを得た。このフィルムの電気伝導度を例1と同様にして測定したところ、3×10-4S/cmであった。
【0057】
このポリマー電解質を用いた以外は例1と同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維持率は90%であった。
【0058】
[例4]
負極として厚さ100μmのリチウム/アルミニウム合金箔を用いた他は例1と同様にしてリチウム二次電池素子を組み立て充放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維持率は82%であった。
【0059】
[例5]
シクロヘキシルビニルエーテルを仕込まなかった以外は、例1と同様にして重合を行い、クロロトリフルオロエチレン/エチルビニルエーテル共重合体(モル比で47/53)を得た。この共重合体の固有粘度はTHF中、30℃で0.42dl/gであった。
【0060】
この共重合体を用いた以外は例1と同様にして厚さ100μmで、共重合体、エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート混合溶媒、LiPF6 が重量比で58.8/36.5/4.7の組成のポリマー電解質フィルムを得た。このフィルムの電気伝導度を例1と同様にして測定したところ、1×10-4S/cmであった。
【0061】
このポリマー電解質を用いた以外は例1と同様にして電池素子を組み立て、例1と同様に充放電サイクル試験を行った。500サイクル後の容量維持率は82%であった。
【0062】
【発明の効果】
実施例の結果から明らかなように、本発明により、サイクル特性が優れた、ポリマー電解質使用二次電池が得られる。

Claims (7)

  1. 正極、負極及び電解質を有するリチウム電池において、前記電解質が、一般式(a)及び(b)で表される各重合単位を含む共重合体又は一般式(a)、(b)及び(c)で表される各重合単位を含む共重合体をマトリックスとし、リチウム塩とリチウム塩を溶解できる溶媒とを含有するポリマー電解質であることを特徴とするリチウム電池。
    Figure 0003757489
    (ただし、Xはフッ素原子、塩素原子、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基又は炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシル基である。)
    Figure 0003757489
    (ただし、Rは水素原子又はメチル基である。Rは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基又はシクロアルキル基であり、その炭素数は1〜12であって水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。qは0又は1である。)
    Figure 0003757489
    (ただし、Rは水素原子又はメチル基である。Rは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基又はシクロアルキル基であり、その炭素数は1〜12であって水素原子の一部又は全部が水酸基で置換されていてもよい。pは0又は1であるが、一般式(b)においてq=0の場合はp=1である。)
  2. 一般式(a)で表される重合単位がクロロトリフルオロエチレン又はテトラフルオロエチレンに基づく重合単位であり、一般式(b)で表される重合単位がビニルエステル又はシクロヘキシルビニルエーテルに基づく重合単位であり、一般式(c)で表される重合単位がアルキルビニルエーテル、ジアリルエーテル又はアルキルアリルエーテルに基づく重合単位である請求項1記載のリチウム電池。
  3. ポリマー電解質のマトリックスが、一般式(a)で表される重合単位を40〜60モル%、一般式(b)で表される重合単位を40〜60モル%含む共重合体である請求項1又は2記載のリチウム電池。
  4. ポリマー電解質のマトリックスが、一般式(a)で表される重合単位を40〜60モル%、一般式(b)で表される重合単位を5〜55モル%、一般式(c)で表される重合単位を5〜45モル%含む共重合体である請求項1又は2記載のリチウム電池。
  5. ポリマー電解質に含有される溶媒が、炭酸エステルである請求項1、2、3又は4記載のリチウム電池。
  6. ポリマー電解質が、リチウムを溶解した溶液を30〜80重量%含有する請求項1、2、3、4又は5記載のリチウム電池。
  7. ポリマー電解質のマトリックスが、30℃、テトラヒドロフラン中における固有粘度が0.01〜2dl/gの共重合体である請求項1、2、3、4、5又は6記載のリチウム電池。
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