JP3755418B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防水コネクタのうち、端子金具の抜け止め機能を有するフロントリテーナを備えたものとしてEP,1005110,A2に記載されたものが知られている。このものは、ハウジングのキャビティ内に端子金具を挿入すると、キャビティの内側面から突設された片持ち状のランスが一旦撓んだ後に復帰して端子金具に係止され、その後ハウジングの前面側からフロントリテーナを組み付けると、フロントリテーナの撓み規制部がランスの撓み空間内に進入されることで、ランスの不用意な撓み変形を規制できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えばコネクタの小型化などに伴って、より強固な抜け止め力が要求される場合には、フロントリテーナに代えてサイドリテーナを採用することが考えられる。サイドリテーナは、端子金具の段差部などに直接に係止することでフロントリテーナと比較して大きな係止力を発揮できるという利点を有している。
しかしながら、上記のような防水コネクタに対してサイドリテーナを用いた場合、ハウジングの側面には、サイドリテーナを差し込むためのリテーナ取付孔が側方外部に開口して設けられることになるため、コネクタの強度が損なわれるなどの問題があり、現実には採用するのがためらわれていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、コネクタハウジングに側方に開口する部分を設けることなく、サイドタイプのリテーナを採用することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、端子金具を収容可能なキャビティを有するコネクタハウジングは、前方へ開放する合成樹脂製のアウタハウジング内に合成樹脂製のインナハウジングを組み付ける構成とされており、このうちアウタハウジングには、前記キャビティの内側面から撓み変形可能に突設されて前記端子金具に係止されるランスが設けられる一方、前記インナハウジングには、前記キャビティ内に挿入される前記端子金具を前止まり状態に支持可能な前止まり壁と、この前止まり壁に穿設されて前記端子金具または前記端子金具の相手側端子に設けられたタブの挿通を許容する貫通孔とが設けられ、且つ、前記インナハウジングが前記アウタハウジング内に前方から組み付けられる前の段階で、前記端子金具の挿入方向と交差する側方から前記キャビティ内に突入して前記端子金具に係止可能なリテーナが組み付けられており、前記アウタハウジングには、前記キャビティの一部を有し、後方から前記端子金具を挿入可能な端子挿入部が設けられ、この端子挿入部の前端面から前記ランスが複数本並んだ状態で前方へ突き出して設けられるとともに、前記各ランスが前記端子挿入部に設けられた筒部によって一括して取り囲まれているのに対し、前記インナハウジングには、前記端子金具のうち前記ランスよりも前方へ突出する部分を取り囲む筒状のキャビティ周壁が前記前止まり壁から後方へ突出して設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記ランスと前記貫通孔とがランスの撓み方向に沿って並んで配されるとともに、前記ランスの側面には、ランスの撓み方向と交差する向きに突出する解除操作片が設けられ、さらに前記前止まり壁には、前記ランスの前記端子金具に対する係止状態を解除すべく前記解除操作片を押圧操作するための治具を挿入可能な解除孔が、前記貫通孔に対して前記解除操作片の突出方向にずれた位置に穿設されているところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
先にインナハウジングにリテーナを組み付けておき、その組み付けたものをアウタハウジング内に前方から組み付ける。これにより、アウタハウジングの側面にリテーナを組み付けるための開口部分が形成されることがなく、コネクタハウジングの強度を高く保つことができるなどの効果が得られる。キャビティ内に挿入される端子金具は、ランスとリテーナとによって二重に係止され、キャビティ内から抜け止め状態に保持される。
本発明では、ランスをアウタハウジング側に設け、前止まり壁をインナハウジング側に設けるようにしているから、端子金具または端子金具の相手側端子に設けられたタブを支持する貫通孔の孔縁部分を確保することができる。仮にランスと前止まり壁とをインナハウジングに設けた場合には、前止まり壁にランスを成形するための型抜き孔が穿設されることになり、この型抜き孔がタブを挿通する貫通孔に連通して形成されると、その分だけ貫通孔の孔縁部分が切欠されることになる。これに対し本発明によれば、貫通孔の孔縁部分を十分に確保できるから、端子金具に設けられたタブを遊動しないよう支持することができ、また相手側端子に設けられたタブが貫通孔を通ってキャビティ内に挿入される際の挿通動作を円滑に案内することができる。
【0007】
<請求項2の発明>
アウタハウジングにインナハウジングを組み付けた状態で、解除孔内に治具を挿入して、解除操作片を押圧操作することで、端子金具に対するランスの係止状態を解除することができ、端子金具の取外し作業を簡単に行うことができる。この解除孔は、貫通孔からランスの撓み方向と交差する向きにずれた位置に配設されているから、タブを支持する貫通孔の孔縁部分を確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図8によって説明する。本実施形態では、防水機能を有する雄コネクタを示す。この雄コネクタは、図8に示すように、雄端子金具10を収容可能なキャビティ21を有するコネクタハウジング20を備え、このコネクタハウジング20がアウタハウジング22と、その内側に組み付けられるインナハウジング23とから構成されるとともに、このうちインナハウジング23側に雄端子金具10を係止するためのリテーナ36が装着されている。キャビティ21は、図6に示すように、幅方向に沿って6室並んで設けられるとともに、アウタハウジング22側とインナハウジング23側とに前後に2分割して形成されている。なお、以下ではコネクタハウジング20に対する雄端子金具10の挿入方向を前方とする。
【0009】
先に雄端子金具10を説明する。この雄端子金具10は、図1に示すように、金属板をプレス加工することで成形されるとともに、略角筒状の本体部11と、本体部11から前方へ突出するタブ12と、本体部11から後方へ突出して電線Wの芯線に圧着接続されるワイヤバレル13と、その後方へ突出して電線Wの被覆の端部に嵌着された防水ゴム栓14にかしめ付けられるインシュレーションバレル15とを備えている。防水ゴム栓14は、キャビティ21の後部(略円形部分21B)の内周面に密着することでキャビティ21内を防水できるようになっている。本体部11のうち図1に示す下壁には、ランス28が係止可能な被係止孔16が穿設され、上壁後端部には、リテーナ36の係止突部38が係止可能な被係止段部17が設けられている。
【0010】
合成樹脂製のアウタハウジング22は、キャビティ21の一部を有し、後方から雄端子金具10を挿入可能な端子挿入部24と、その周りを取り囲むとともに前方へ開放する略角筒状の筒部25とを備えている。端子挿入部24には、各キャビティ21を仕切る隔壁26が設けられるとともに、キャビティ21のうちで、本体部11やワイヤバレル13を収容する略四角形部分21Aのうちの図1に示す後部下半分と、防水ゴム栓14やインシュレーションバレル15を収容する略円形部分21Bとが前後に形成されている(図8参照)。従って、端子挿入部24の前部は、前方及び上方に開口した形態とされていて、その開口部分にキャビティ21の残りの部分を有するインナハウジング23が嵌合されるようになっている。端子挿入部24における幅方向の前部両側端部は、図2に示すように、インナハウジング23の保持突部45を係止可能な引っ掛け部27を残しつつそれぞれ切り欠いて形成されている。この引っ掛け部27は、幅方向両端のキャビティ21の側壁を兼用している。
【0011】
端子挿入部24の前端面のうち各キャビティ21に対応する位置からは、本体部11の被係止孔16に係止可能な片持ち状のランス28が6本前方へ突き出してそれぞれ設けられている。各ランス28は、図1に示すように、キャビティ21内へ突出するように先端側にかけて斜め上方に傾いた形態とされるとともに、図1及び図3の上下方向に沿って撓み変形可能とされている。なお、雄端子金具10の本体部11は、その前端部をランス28よりもさらに前方に突出させた状態で収容されるようになっている(図8参照)。各ランス28における図2の奥側(図3の右側)の側面からは、解除操作片29が幅方向(ランス28の撓み方向と直交する向き)に沿って図2の奥側へ突出して設けられている。この解除操作片29は、ランス28のほぼ全長にわたってその側面に連結されるとともに、端子挿入部24の前端面に連結されている。解除操作片29と、図2の奥側に隣り合うランス28との間には、所定の隙間が確保されている。
【0012】
筒部25は、端子挿入部24の外周面から径方向に突出する連結部分によって端子挿入部24に連結されている。この筒部25は、その後端位置が端子挿入部24と揃えられる一方で、前部が端子挿入部24の前端位置よりも前方へ突出して形成されており、その全長が端子挿入部24の2倍強の大きさとなっている。筒部25の内周面と端子挿入部24の外周面との間には、所定の間隔が確保されている。
【0013】
インナハウジング23は、合成樹脂製とされ、図1及び図2に示すように、アウタハウジング22の筒部25内に嵌合可能とされるとともに、端子挿入部24の前部を取り囲むようにして組み付けられるようになっている。インナハウジング23には、端子挿入部24側の隔壁26に対して整合可能な隔壁30が各キャビティ21間を仕切るように設けられるとともに、キャビティ21のうち略四角形部分21Aの前部(ランス28の根元位置よりも前方部分)と、図1に示す後部上半分とが形成されている。このうち、キャビティ21の略四角形部分21Aの前部をなす部分には、ランス28よりも前方へ突出する本体部11の下面側を受ける受け壁31と、本体部11の前面に当接して前止まりする前壁32とが設けられている(図8参照)。また、図2に示すように、隔壁30のうち、端子挿入部24のランス28とその奥側の解除操作片29との間に挿入される部分が薄肉状に形成されている。また、インナハウジング23のうちランス28の図1に示す下方に挿入される下壁とランス28との間には、ランス28の撓み変形を許容する空間が所定高さ分確保されるようになっている(図8参照)。
【0014】
前壁32には、雄端子金具10のタブ12を挿通するための貫通孔33が穿設されることで、キャビティ21が前方へ開口されるようになっている。この貫通孔33に挿通されるタブ12は、貫通孔33の孔縁部分に当接することで上下左右に遊動不能に支持されるようになっている。この貫通孔33の配設位置は、図3に示すように、ランス28と上下方向(ランス28の撓み方向)に沿って並ぶ位置とされている。前壁32のうち、貫通孔33から幅方向(ランス28の撓み方向と直交する向き)にずれた位置で、且つランス28から突設された解除操作片29と整合する位置には、解除孔34が穿設されている。この解除孔34を介して解除操作片29が前方外部へ露出されており、解除孔34内には、解除操作片29を押圧操作するためのランス解除用治具(図示せず)などが前方から挿入可能とされている。
【0015】
インナハウジング23の後部には、図1及び図4に示すように、側方からリテーナ36を差し込んで組付可能なリテーナ取付孔35が幅方向(雄端子金具10のキャビティ21に対する挿入方向と直交する向き)に沿って貫通して形成されている。リテーナ36は、リテーナ取付孔35に沿って細長い板状の基部37を備え、この基部37の図3の下面側には、キャビティ21の間隔に合わせて係止突部38が5つ下方へ突出してそれぞれ設けられている。リテーナ36におけるインナハウジング23に対する組付方向手前側端部の前面には、片状の操作突部39が前方へ突出して設けられている。この操作突部39は、インナハウジング23の上部において前方へ開口して設けられた開口部41を介して前方外部に露出して配されており、前方からリテーナ操作用治具(図示せず)などによって幅方向への押圧操作が可能とされている(図7参照)。
【0016】
リテーナ36における組付方向奥側の前後面には、図2に示すように、保持凹部40が2つずつ幅方向に並んで形成されており、これら保持凹部40がリテーナ取付孔35内に形成された保持突起(図示せず)に係止されることで、リテーナ36は、組付方向手前側の仮係止位置と、組付方向奥側の本係止位置との2位置に保持されるとともに2位置間を幅方向に沿って移動可能とされている。リテーナ36が仮係止位置に配されたときは、図5に示すように、各係止突部38が各キャビティ21の側方に退避して隔壁26,30と整合する位置に配されることで、キャビティ21内への雄端子金具10の挿抜が許容されるようになっている。リテーナ36が本係止位置に配されたときは、図8に示すように、各係止突部38が各キャビティ21内に突入するとともに、雄端子金具10の被係止段部17に係止されるようになっている。
【0017】
インナハウジング23の後部における幅方向両端の側壁には、リテーナ取付孔35から所定間隔下側に前後方向に沿って細長い形状のスリット42が穿設されることで、両持ち状の保持アーム43がそれぞれ設けられている。保持アーム43は、側壁に対する前後2箇所の連結部分を支点として、幅方向に沿って弾性変形可能とされている。この保持アーム43の外面には、図2及び図4に示すように、凹部44が形成されることで、側壁よりも薄肉状に形成されており、保持アーム43が撓みやすくなっている。
【0018】
両保持アーム43の内面のうち、前後方向の中央位置より後ろ寄りの位置には、保持突部45が内方へ突出してそれぞれ設けられている。そして、これら保持突部45の前端面が端子挿入部24の引っ掛け部27の後端面に係止されることで、図6に示すように、インナハウジング23がアウタハウジング22に組み付けられた状態に保持されるようになっている。保持突部45の後面には、引っ掛け部27に対する保持突部45の乗り上げ動作を容易にするためのテーパ面46が形成されている。このテーパ面46は、キャビティ21内に挿入される雄端子金具10の側面に摺接して挿入動作を案内できるようになっている。また、前壁32には、保持突部45を型抜きするための型抜き孔が穿設されている。
【0019】
次に、この雄コネクタの組み付け手順を詳しく説明する。図2及び図3に示す状態から、インナハウジング23の側方からリテーナ取付孔35内にリテーナ36を差し込んで、図1に示すように、これを仮係止位置に組み付ける。その後、リテーナ36とインナハウジング23とをユニット化したものをアウタハウジング22の筒部25内に前方から挿入する。インナハウジング23の保持突部45が引っ掛け部27に乗り上げるとともに保持アーム43が外側へ撓み変形した後、インナハウジング23が正規深さまで嵌合されると、図6に示すように、保持アーム43が弾性復帰して、保持突部45の前端面が引っ掛け部27の後端面に係止される。これにより、リテーナ36を組み付けたインナハウジング23がアウタハウジング22内に離脱不能に組み付けられるとともに、雄端子金具10を収容可能なキャビティ21が形成される。このとき、図7に示すように、各解除操作片29が各解除孔34を介して前方へ露出している。
【0020】
続いて、図5に示すように、各キャビティ21内にそれぞれ雄端子金具10を後方から挿入する。挿入過程では、タブ12が貫通孔33内に挿通されて前方へ突き出るとともに、本体部11の前端下部がランス28を押圧することで、ランス28は一旦下方へ弾性変形される。雄端子金具10が正規深さまで挿入されると、ランス28が弾性復帰して本体部11の被係止孔16内に進入し、その孔縁の前部に係止される(図8参照)。これにより雄端子金具10の一次係止が図られる。このとき、タブ12が貫通孔33の孔縁部分によって遊動不能に支持されているから、例えば筒部25内に侵入した異物などがタブ12に突き当たった場合でもタブ12が変形するなどする事態を極力防ぐことができる。また、本体部11の下面が受け壁31に受けられ、本体部11の前端面が前壁32に当接されることで、雄端子金具10が前止まり状態に支持される。
【0021】
その後、筒部25内に前方外部から例えばリテーナ操作用治具(図示せず)を挿入してリテーナ36の操作突部39を幅方向へ押圧操作することで、リテーナ36を本係止位置へ移動させる(図7参照)。リテーナ36が本係止位置に移動されると、図8に示すように、各係止突部38がキャビティ21内に突入し、本体部11の被係止段部17に係止される。これにより、雄端子金具10の二次係止が図られる。その後雄コネクタの筒部25内に図示しない相手側の雌コネクタが嵌合される。嵌合と共に、雌コネクタ側に装着されたシールリングが筒部25の内周面に密着することで両コネクタ間の防水が図られるようになっている。
【0022】
一方、メンテナンスなどの事情により雄端子金具10をコネクタハウジング20から取り外す場合には、前方から筒部25内に例えばリテーナ操作用治具を挿入して、リテーナ36の操作突部39を幅方向に押圧操作することで、リテーナ36を本係止位置から仮係止位置へ移動させる(図7参照)。これによりリテーナ36の係止突部38の被係止段部17に対する係止状態を解除する。その後、前方から例えばランス解除用治具(図示せず)を解除孔34内に挿入しつつランス28の解除操作片29を下方へ押圧操作することで、ランス28を被係止孔16から退避させつつ撓み変形させて、被係止孔16に対するランス28の係止状態を解除する。ランス28を解除姿勢に保ちつつ、電線Wを引っ張ることにより、雄端子金具10をキャビティ21内から引き抜くようにする。
【0023】
以上説明したように本実施形態によれば、先にインナハウジング23に対してリテーナ36を組み付けておき、その組み付けたものをアウタハウジング22内に組み付けるようにしたから、コネクタハウジング20の側面に開口部分が形成されることがない。すなわち、仮にインナハウジング23とアウタハウジング22とを一体にしてコネクタハウジング20を形成した場合には、コネクタハウジング20の側面にリテーナ36を組み付けるための開口部分が設けられることになる。これに対し、本実施形態によれば、そのような開口部分が形成されることがなく、コネクタハウジング20の強度並びに雄コネクタの防水性を高く保つことができる。
【0024】
しかも、ランス28をアウタハウジング22側に設け、前壁32をインナハウジング23側に設けているから、タブ12を支持する貫通孔33の孔縁部分を十分に確保することができる。仮にランス28と前壁32とを共にインナハウジング23側に設けた場合には、前壁32にランス28を成形するための型抜き孔が穿設されることになり、この型抜き孔が貫通孔33に連通形成されると、その分だけ貫通孔33の孔縁部分が切欠されることになる。これに対し本実施形態によれば、貫通孔33の孔縁部分(図1の下部)を十分に確保でき、タブ12を遊動しないように確実に支持することができる。
【0025】
さらには、解除孔34の配設位置について、貫通孔33とはランス28の撓み方向に直交する向きにずれた位置としたから、貫通孔33の孔縁部分を十分に確保することができる。仮に前壁32において解除孔34をランス28の前方位置(ランス28の撓み方向に沿った位置)に配した場合には、解除孔34が貫通孔33に連通形成されることになり、貫通孔33の孔縁部分(図1の下部)が切欠されることになる。これに対し本実施形態によれば、貫通孔33の孔縁部分を十分に確保でき、タブ12を確実に支持することができる。
【0026】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態では、インナハウジングがアウタハウジングに対して保持突部が引っ掛け部に係止することで、保持されるものについて示したが、例えばインナハウジングがアウタハウジングの端子挿入部と筒部との間に圧入保持されるようなものも本発明に含まれる。
【0027】
(2)上記した実施形態では、キャビティがアウタハウジング側とインナハウジング側とに分割された場合を示したが、アウタハウジング側にのみキャビティを設けて、インナハウジング側には前壁だけを設けるようにしてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
(3)上記した実施形態では、解除孔が貫通孔に対して幅方向にずれた位置に配設された場合について示したが、例えばコネクタを幅方向について小型化するよう要請があった場合には、解除操作片を省略するとともに解除孔を貫通孔に連通形成するようにしてもよく、そのようなものも本発明に含まれる。
【0028】
(4)上記した実施形態では、雄コネクタについて示したが、逆に雌コネクタについても本発明を適用することができる。その場合は、雌コネクタの相手側の雄コネクタに配される相手側雄端子のタブが、両コネクタの嵌合動作に伴って雌コネクタ側の前壁の貫通孔内に挿通されることになる。従って、貫通孔の孔縁部分が十分に確保されることで、両コネクタの嵌合時における相手側雄端子のタブの挿通動作を円滑に案内することができる。
(5)上記した実施形態では、防水機能を有する雄コネクタについて示したが、非防水タイプのものについても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る雄コネクタの分解側断面図
【図2】アウタハウジング、インナハウジング及びリテーナの平断面図
【図3】アウタハウジング、インナハウジング及びリテーナの正面図
【図4】インナハウジング及びリテーナについてリテーナの組付方向手前側から視た側面図
【図5】インナハウジングにリテーナを仮係止位置に組み付けたものをアウタハウジングに組み付けた状態を示す側断面図
【図6】図5の平断面図
【図7】図5の正面図
【図8】雄端子金具をキャビティ内に収容してリテーナを本係止位置へ移動させた状態を示す側断面図
【符号の説明】
10…雄端子金具(端子金具)
12…タブ
20…コネクタハウジング
21…キャビティ
22…アウタハウジング
23…インナハウジング
28…ランス
29…解除操作片
32…前壁(前止まり壁)
33…貫通孔
34…解除孔
36…リテーナ
Claims (2)
- 端子金具を収容可能なキャビティを有するコネクタハウジングは、前方へ開放する合成樹脂製のアウタハウジング内に合成樹脂製のインナハウジングを組み付ける構成とされており、このうちアウタハウジングには、前記キャビティの内側面から撓み変形可能に突設されて前記端子金具に係止されるランスが設けられる一方、前記インナハウジングには、前記キャビティ内に挿入される前記端子金具を前止まり状態に支持可能な前止まり壁と、この前止まり壁に穿設されて前記端子金具または前記端子金具の相手側端子に設けられたタブの挿通を許容する貫通孔とが設けられ、且つ、前記インナハウジングが前記アウタハウジング内に前方から組み付けられる前の段階で、前記端子金具の挿入方向と交差する側方から前記キャビティ内に突入して前記端子金具に係止可能なリテーナが組み付けられており、
前記アウタハウジングには、前記キャビティの一部を有し、後方から前記端子金具を挿入可能な端子挿入部が設けられ、この端子挿入部の前端面から前記ランスが複数本並んだ状態で前方へ突き出して設けられるとともに、前記各ランスが前記端子挿入部に設けられた筒部によって一括して取り囲まれているのに対し、
前記インナハウジングには、前記端子金具のうち前記ランスよりも前方へ突出する部分を取り囲む筒状のキャビティ周壁が前記前止まり壁から後方へ突出して設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記ランスと前記貫通孔とがランスの撓み方向に沿って並んで配されるとともに、前記ランスの側面には、ランスの撓み方向と交差する向きに突出する解除操作片が設けられ、さらに前記前止まり壁には、前記ランスの前記端子金具に対する係止状態を解除すべく前記解除操作片を押圧操作するための治具を挿入可能な解除孔が、前記貫通孔に対して前記解除操作片の突出方向にずれた位置に穿設されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
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