JP3755353B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー像を記録媒体上に転写として、熱転写方式を採用したプリンタ及び複写機等の画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成方法としては、たとえば、従来広く用いられている、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、それを乾式トナーでトナー像として現像した後、静電的にそのトナー像を記録媒体に転写し、定着する画像形成方法がある。この画像形成方法は、従来から画像に濃度むらを生じたり、あるいは、転写部において粉体トナーの飛散を生じ、解像力やドット再現性に劣るという問題がある。
【0003】
この原因は主に、静電潜像担持体上のトナー像を記録媒体に静電的に移行させる転写プロセスに起因するところが大きい。すなわち、静電転写方式を用いた転写方式は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を均一にかつ効率よく転写することができない。
【0004】
これに対し、熱転写方式を用いた転写方式は、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を、溶融させることにより、効率よく転写することができる。しかしながら、トナーの溶融状態の不均一に起因する画像ノイズの発生、また、熱転写或いは定着の際の消費エネルギーが高いなど問題も多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の第1の目的は、トナー像を記録媒体上に熱転写によるトナーの溶融状態不均一に起因した画像ノイズの発生を抑制し、画像強度が強く高画質の画像を得ることができる画像形成方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、熱転写或いは定着の際の消費エネルーギーが少ない画像形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により達成された。即ち、本発明は、
<1>静電潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、画像情報に応じた光情報を用いて、帯電された該静電潜像担持体表面を露光し潜像を形成する露光工程と、該静電潜像担持体表面に形成された潜像を、電子写真用トナーを含む電子写真用現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程と、該静電潜像担持体表面のトナー像を記録媒体表面に熱転写する転写工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着する工程と、を含む画像形成方法であって、該電子写真用トナーが、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa以上、損失弾性率G"(30)が1×105Pa以上であり、温度領域45〜110℃の間に融点を有し、貯蔵弾性率G'及び損失弾性率G"が、それぞれ10℃の温度範囲における変化量が2桁以上変化する区間をもち、かつ、貯蔵弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における貯蔵弾性率をG'(Tm+20)、融点+50℃に於ける貯蔵弾性率をG'(Tm+50)とした場合、下記式(1)を満たし、損失弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における損失弾性率をG"(Tm+20)、融点+50℃に於ける損失弾性率をG"(Tm+50)とした場合、下記式(2)を満たすことを特徴とする画像形成方法である。
【0006】
式(1)|logG'(Tm+20)−logG'(Tm+50)|≦1.5
式(2)|logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.5
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体表面を帯電する帯電工程(以下、単に「帯電工程」ということがある。)と、画像情報に応じた光情報を用いて、帯電された該静電潜像担持体表面を露光し潜像を形成する露光工程(以下、単に「露光工程」ということがある。)と、該静電潜像担持体表面に形成された潜像を、電子写真用トナーを含む電子写真用現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程(以下、単に「現像工程」ということがある。)と、該静電潜像担持体表面のトナー像を記録媒体に熱転写する転写工程(以下、単に「転写工程」ということがある。)と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着する工程と、を含む。
【0008】
(電子写真用トナー)
前記電子写真用トナーは、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa以上、損失弾性率G"(30)が1×105Pa以上である。この貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa未満、損失弾性率G"(30)が1×105Pa未満の場合には、例えば二成分現像方式を例に取れば、現像機内でキャリアと混合された時に、キャリアから受ける圧力や剪断力によりトナー粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持することができず、また、静電潜像担持体上のトナーがクリーニングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断力によって変形し、クリーニング不良が発生する。一方、貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa以上、損失弾性率G"(30)が1×105Pa以上である場合には、高速機で用いても特性が安定し、定着後の画像強度が強くなるため好ましい。
【0009】
前記電子写真用トナーは、温度領域45〜110℃の間、好ましくは温度領域60〜90℃の間に融点を有する。前記電子写真用トナーは、融点を境にして急激に粘度低下するために、それ以上の温度で保存されるとブロッキングを起こしてしまう。そこで、保存時や使用時にさらされる温度、すなわち45℃以上の融点を有することが必要である。また、一方、融点が110℃よりも高すぎると低温定着を達成することができない。この融点の測定はJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点とみなす。
【0010】
前記電子写真用トナーは、貯蔵弾性率G'及び損失弾性率G"が、それぞれ10℃の温度範囲における変化量が2桁以上、好ましくは2.5桁以上変化する区間をもつものである。この変化量が2桁未満であると、低温で定着できず、エネルギー消費を低減できないとともに、定着ラチチュードの広い電子写真用トナーとなるには十分でない。
【0011】
前記電子写真用トナーは、貯蔵弾性率G'の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における貯蔵弾性率をG'(Tm+20)、融点+50℃に於ける貯蔵弾性率をG'(Tm+50)とした場合、下記式(1)、好ましくは下記式(1−A)を満たし、損失弾性率G"の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における損失弾性率をG"(Tm+20)、融点+50℃に於ける損失弾性率をG"(Tm+50)とした場合、下記式(2)、好ましくは(2−A)を満たす。この式(1)及び式(2)を満たすことにより、オフセットの発生を防ぐことができ、粘弾性の温度依存がゆるやかであり、結晶の融解に伴い温度とともに低下する粘弾性が変極点を持ち、粘弾性の温度依存性がより低くなる。
【0012】
式(1)
|logG'(Tm+20)−logG'(Tm+50)|≦1.5
式(1−A)
|logG'(Tm+20)−logG'(Tm+50)|≦1.0
式(2)
|logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.5
式(2−A)
|logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.0
【0013】
前記電子写真用トナーは、融点+20℃以上の損失正接tanδが、角周波数1rad/secで0.01<tanδ<2を満たすことが好ましく、0.01<tanδ<1.5を満たすことがより好ましい。この融点+20℃以上の損失正接tanδが、角周波数1rad/secで0.01<tanδ<2を満たすことで、紙などの記録媒体に対する過度の染み込みを防止することができ、定着ラチチュードの広く、安定した定着像の電子写真用トナーとなるため好ましい。
【0014】
前記電子写真用トナーの好適な特性図を、図1に示す。
図1に示すような電子写真用トナーは、45〜110℃の温度領域における融点において急激な弾性率の低下が見られ、また、所定の範囲で、その弾性率が安定することから、定着時に高温度になっても、必要以上に粘弾性が低下せず、紙に対するしみ込みやオフセットを防止し、定着ラチチュードが広く、温度依存性が低いことがわかる。
【0015】
前記電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤等を含んでなるが、該結着樹脂として、上述した電子写真用トナーの条件を満たす結晶性樹脂を主体する結着樹脂を用いることが好ましい。なお、トナーに含まれる材料の硬さは、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa未満、損失弾性率G"(30)が1×105Pa未満であってもかまわなく、トナー全体の硬さが角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa以上、損失弾性率G"(30)が1×105Pa以上であれば問題ない。
【0016】
前記結晶性樹脂は、架橋構造を有する結晶性樹脂であることが好ましい。架橋構造を有することにより、紙などの記録媒体に対する過度の染み込みを防止することができ、定着ラチチュードの広い電子写真用トナーとなるため好ましい。
【0017】
前記結晶性樹脂は、上記条件を満たすものであればいずれの樹脂であってもよい。また、前記結晶性樹脂を構成するポリマーは、長鎖アルキル基あるいは長鎖エーテル基を有するアクリルとジビニルモノマーから構成される樹脂を挙げることができる。このポリマーに使用されるモノマーとしては、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、そしてメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等があげられるが、長鎖アルキル基あるいは長鎖エーテル基を有していればこれらに限定されるものではない。又、長鎖アルキル基あるいは長鎖エーテル基のかわりにポリエステル基を有するアクリルモノマーもあげることができる。ジビニルモノマーとしては1モノマーユニットにビニル基が2つ含有されていればよく、ジビニルスチレン、プロピレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、5−エチル−2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンのアクリル酸エステル、N,N−メチレンビスアクリルアミド等があげられる。
【0018】
前記結晶性樹脂としては、他のモノマーを組み合わせて用いることができる。他のモノマー成分しては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和オモノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸テトラフルオロプロピル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸テトラフルオロプロピル、アクリル酸オクタフルオロペンチル、アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等を挙げられる。
【0019】
前記結晶性樹脂としては、ポリエステル系樹脂も挙げられる。前記ポリエステル樹脂は、例えば、モノマー成分である、2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールとの反応により得られる。なお、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
【0020】
2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、キシリレングリコールなどが挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。架橋構造を有する結晶性樹脂は、前期ポリエステル樹脂とジイソシアネートあるいはトリイソシアネート含有化合物等を用いて行うことができる。
【0021】
前記着色剤としては、特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて適宜選択することができる。前記着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。また分散染料、油溶性染料等を用いることもできる。
【0022】
前記着色剤の含有量としては、前記結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部が好ましいが、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲においてできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止に有効な点で有利である。なお、前記着色剤の種類に応じて、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
【0023】
前記電子写真用トナーは、通常用いられているガラス転移温度(Tg)が50℃〜80℃の非結晶性樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、スチレンアクリル樹脂等)を含むことが、帯電調整、定着性微調整等点から好ましい。
【0024】
前記電子写真用トナーは、結着樹脂、及び着色剤の他に、その他の成分を含有してもよい。このようなその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、無機微粒子、有機微粒子、帯電制御剤、離型剤などのそれ自体公知の各種添加剤が挙げられる。
【0025】
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セイウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子が好ましく、特に疎水化処理されたシリカ微粒子が好ましい。前記無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。
前記無機微粒子の1次粒子径としては、1〜1000nmが好ましく、その添加量としては、トナー100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。前記有機微粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。前記有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用される。
前記帯電制御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤としては、例えば、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス、シリコーン樹脂、ロジン類、ライスワックスなどが挙げられる。前記離型剤は、一般に離型性を向上させる目的で使用される。
【0026】
前記電子写真用トナーは、その粒子径が1〜20μmの範囲にあるのが好ましい。
【0027】
前記電子写真用トナーは、トナー粒子は、その表面が表面層によって覆われていてもよい。表面層は、トナー全体の力学特性、溶融粘弾性特性に大きな影響を与えないことが望ましい。例えば、非溶融、或いは高融点の表面層がトナーを厚く覆っていると、結晶性樹脂の低温定着性が活かされにくい。よって、表面層の膜厚は薄いことが好ましい。表面層の好ましい膜厚は、0.001〜0.5μmの範囲である。
【0028】
前記電子写真用トナーは、上記結着樹脂中に、着色剤、所望により使用される非磁性無機微粉末等その他の成分を分散させてトナー粒子を形成する工程および所望によってトナー粒子表面に表面層を形成する工程によって製造される。
【0029】
トナー粒子を形成する工程として具体的には、結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子等のその他の成分からなるトナー材料を粉体化する公知の方法が用いられる。すなわち、トナー粒子を形成するには、混練粉砕法、水系媒体において結着樹脂の単量体、着色剤、非磁性無機微粒子等のその他の成分を分散させた粒子を重合する懸濁重合法、結着樹脂の乳化粒子を、着色剤、非磁性無機微粒子等のその他の成分とともに凝集固着する乳化凝集法であってもよい。乳化凝集法の場合、乳化粒子は、乳化重合法で作製したものであってもよいし、結着樹脂を溶剤に溶解し、水系媒体中で細かく分散させたものであってもよい。また、結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子等のその他の成分を溶剤中に溶解分散させておき、水系媒体中で懸濁分散し、その後溶剤を除去する方法を採用してもよい。また、結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子等のその他の成分を溶剤に溶解分散させておき、スプレードライヤー等で気体中に分散し、同時に溶剤を除去する方法を採用してもよい。さらに、溶剤中に溶解している結着樹脂の温度を下げたり、または貧溶媒を加えることにより析出させる方法を採用してもよい。また、溶融している材料を媒体中で分散冷却する方法を採用してもよい。また、分散重合やシード重合の技法を用いてもよい。これらの方法のうちでも、結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子等のその他の成分を溶剤に溶解分散させておき、水系媒体中で懸濁分散し、その後溶剤を除去する方法は、適宜の溶剤を選択することにより樹脂の種類に関係なく汎用的に粒子形成が可能であるので、前記電子写真用トナーの製造方法として好適である。
【0030】
前記トナー粒子表面に表面層を形成する工程は、公知の技術が利用できる。例えば、“微粒子設計”(小石真純編、工業調査会、1987)や、”マイクロカプセル−その機能と応用”(近藤保編、日本規格協会、1991)等に示されるような、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法、コアセルベーション法、液中乾燥法、融解分散冷却法、噴霧乾燥法、乾式混合法等が使用できる。上記した方法を利用して、トナー粒子を形成した後、表面層を形成してもよいし、トナー粒子の形成と同時に表面層を形成してもよい。薄い表面層を形成するためには、結着樹脂、着色材、非磁性無機微粒子、その他の材料を含むトナー粒子の表面を化学的に処理する方法が好ましく使用される。また、表面層を構成する成分には、極性基が導入されていることが好ましく、化学的に結合することにより、トナーと紙等の転写体との接着力が増加する。極性基は、分極性の官能基であれば如何なるものでもよいが、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アミド基、イミド基、エステル基、スルホン基等があげられる。化学的に処理するには、例えば過酸化物等の強酸化物質、オゾン酸化、プラズマ酸化等により酸化する方法、極性基を含む重合性モノマーをグラフト重合により結合させる方法等があげられる。化学的処理により、結晶性樹脂の分子鎖に共有結合で極性基が強固に結合することになる。
【0031】
前記電子写真用トナーは、トナー粒子の表面に、さらに、帯電性の物質を化学的あるいは物理的に付着させてもよい。また、金属、金属酸化物、金属塩、セラミック、樹脂、カーボンブラック等の微粒子を、帯電性、導電性、粉体流動性、潤滑性等の改善のために外添してもよい。
【0032】
(電子写真用現像剤)
電子写真用現像剤は、少なくとも前記電子写真用トナーを含む、磁性又は非磁性の1成分系電子写真用現像剤であってもよいし、少なくとも前記電子写真用トナーとキャリアとを含む2成分系電子写真用現像剤であってもよい。
【0033】
1成分系電子写真用現像剤が、磁性1成分系電子写真用現像剤の場合、磁性粉を添加、或いは、着色剤のうち黒色着色剤の全部又は一部を、磁性粉で置き換えることができる。磁性粉としては、従来使用されている公知のものならばいかなるものでも用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれらの合金、Fe34、γ−Fe23、コバルト添加酸化鉄、マグネタイト等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等のフェライト、等が挙げられる。これらの磁性体は一般に、30〜70重量%添加して用いられる。
【0034】
2成分系電子写真用現像剤において、キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリア、例えば、樹脂被覆キャリア等が好適に挙げられる。前記樹脂被覆キャリアは、芯材の表面に樹脂を被覆してなる。前記芯材としては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性を有する粉体等が挙げられる。前記樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
【0035】
[画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程を含むが、必要により、静電潜像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電工程、及び前記転写工程で静電潜像担持体表面に残留したトナー、或いは付着した紙粉、ゴミ等をを除去するクリーニング工程を行ってもよい。以下に詳しく説明する。
【0036】
(帯電工程)
帯電工程においては、コロトロン等による非接触帯電及び帯電ロールや帯電フィルム、帯電ブラシ等の接触帯電等従来公知の方法が適用できる。露光工程においては、従来公知の方法が適用でき、電子写真法あるいは静電記録法によって、感光層あるいは誘電体層等の潜像担持体の上に静電潜像を形成する。
【0037】
(露光工程)
露光工程は、従来公知の方法が適用でき、例えば、画像情報に応じた光情報を用いて、面積変調法により画像の濃度階調に従って、静電潜像担持体上を露光し潜像を形成する等の電子写真法あるいは静電記録法によって、行うことができる。
【0038】
(現像工程)
現像工程は、現像剤担持体に形成されたトナーを含む現像剤層を現像ニップまで搬送し、現像剤層と静電潜像担持体とを現像部にて接触又は一定の間隙を設けて配置し、現像剤担持体と静電潜像担持体との間にバイアスを印加しながら静電潜像をトナーで現像することが好適である。電子写真用現像剤としてはキャリアを用いてトナーを帯電させる2成分系電子写真用現像剤又は、トナーを現像剤担持体上に弾性ブレード等を用いて薄層形成し帯電させる1成分系電子写真用現像剤が用いられる。
【0039】
(転写工程)
転写工程は、記録媒体にトナー像を加熱して転写を行う熱転写方式を行うが、具体的には、静電潜像担持体に転写ローラー、転写ベルト等を記録媒体を介して圧接させ、トナー像を加熱して記録媒体に転写することが好ましい。
【0040】
転写工程は、中間転写体を用いて、静電潜像担持体表面のトナー像を中間転写体に転写する一次転写工程と、該中間転写体表面のトナー像を記録媒体に熱転写する二次転写工程とを行ってもよい。この一次転写工程の際の中間転写体への転写は、熱転写方式、静電転写方式、粘着転写方式のいずれ方式を行ってもよい。また、この中間転写体は、従来公知のものを用いることができ、円筒状であってもよいし、ベルト状であってもよい。中間転写体を用いると、中間転写体の表面にならい、記録媒体に転写、定着されたトナー像の表面は平滑化され高光沢となる。
【0041】
転写工程おいて、一次転写工程における転写として、熱転写方式を行う場合、具体的には、上記同様に、中間転写体を圧接させ、トナー像を加熱して中間転写体に転写することが好ましい。
【0042】
転写工程おいて、一次転写工程における転写として、静電転写方式を行う場合、具体的には、コロトロン等を用いて中間転写体に転写することが好ましい。
【0043】
転写工程おいて、一次転写工程における転写とし、粘着転写方式を行う場合、具体的には、シリコーンゴム等の粘着性を有する材料を用いて中間転写体に転写することが好ましい。
【0044】
転写工程おいて、フルカラーの画像を形成する場合、例えば、記録媒体上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを順次転写してもよいし、中間転写体に4色トナーを多重転写した後、記録媒体に転写してもよい。
【0045】
(定着工程)
定着工程は、記録媒体に転写されたトナー像を定着器にて定着する工程であり、定着器としてはヒートロールを用いる熱定着方式が好ましく用いられる。また定着工程は、別途行ってもよいが、転写工程おける記録媒体への熱転写と同時に行う、所謂、転写定着同時方式を行ってもよい。この転写定着同時方式を行った場合、記録媒体へのトナー像の移行が完全に行われるように、静電潜像担持体或いは中間転写体と、記録媒体とを密着加熱及び加圧後、トナー間の凝集力が、トナーと記録媒体との接着力より大きくなるまで、冷却器などで冷却することが好ましい。これにより、トナーの転写項率が高く、色のバランスが良好で、光沢度、透明性に優れた高画質の画像が得られる。
【0046】
(除電工程)
除電工程おいては、現像後の静電潜像担持体の初期化(除電)又は画像形成特性の安定化等の目的で、画像形成用の露光光源とは別に、光源を用いて、静電潜像担持体表面に残留している静電潜像の除去を行う。
【0047】
(クリーニング工程)
クリーニング工程は、転写工程にて転写されずに潜像担持体又は中間転写体上に残留したトナーを、クリーナーにより除去する工程であるが、本発明はクリーナーレス装置にも適用可能である。クリーニング工程を有する場合は、ブレードクリーニング、ブラシクリーニング又はローラークリーニング等の公知のものが挙げられる。ブレードクリーニングは、シリコーンゴムやウレタンゴム等の弾性ゴムが用いられる。
【0048】
(静電潜像担持体)
静電潜像担持体としては、各種無機感光体(Se、a−Si、a−SiC、CdS等)、各種有機感光体(アモルファスシリコン等)など、従来公知のものを用いることができ、円筒状であっても、ベルト状であってもよい。静電潜像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。
【0049】
(記録媒体)
記録媒体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙及びOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させたい場合は、表面ができるだけ平滑であるのものを用いればよく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が挙げられる。
【0050】
本発明の画像形成方法は、前記電子写真用トナーを用いることにより、記録媒体への転写として、熱転写方式或いは熱転写定着同時方式を行っても、トナーの溶融状態の不均一に起因する画像ノイズを抑制し、画像強度が強く高画質の画像を得ることができる。
【0051】
本発明の画像形成方法は、前記電子写真用トナーを用いることにより、熱転写或いは定着の温度を低くすることができるため、熱転写或いは定着の際の消費エネルーギーが少ない。
【0052】
本発明の画像形成方法は、前記電子写真用トナーを用いることにより、定着温度を低くでき、また、熱転写定着同時方式における熱転写定着後に冷却を行った場合、定着温度と冷却温度との温度差が小さくなるため、エネルギー効率も改善される。
【0053】
本発明の画像形成方法は、前記電子写真用トナーを用いることにより、熱転写定着同時方式を行った場合、熱転写定着後に再定着をおこなうと、得られた画像のグロス値が大きくなり、色再現領域が広くなる。
【0054】
図2は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の1例を示す概略構成図であり、これに基づき本発明の画像形成方法を、さらに詳しく説明する。
【0055】
図2において、4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4が、記録媒体搬送体4の周辺に、矢印方向へ回転可能に配置されている。各感光体は、それぞれ帯電器10−1、10−2、10−3、10−4により一様に帯電された後、濃度信号に応じ光ビームパルス幅変調装置によってオンオフされる光ビーム走査装置20により露光され、静電潜像が形成される。各感光体上の静電潜像は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタ、シアン色のトナーが入った現像器11、12、13、14により現像され、面積変調により濃度を表すいわゆるディジタル画像の各色トナー像が各感光体上に形成される。
【0056】
記録媒体搬送体4は、ローラ5−1、5−2、および加熱ロール2により支持されて矢印方向に回転を行う。加熱ロール2は、トレイ6からの記録紙Pの送紙に伴い、記録紙Pをトナーが溶融する温度まで加熱する。その後、記録紙Pは、各感光体と各加熱ロール型転写器とのニップ部まで搬送されて圧接される。その後、熱転写により記録紙Pの温度低下を補うように設定された各加熱ロール型転写定着器7−1、7−2、7−3、7−4により、各感光体上の各色トナー像が、それぞれ記録紙P上に、熱転写、定着される。このようにして、溶融温度以上に加熱されたトナーは軟化、溶融し、記録紙Pに浸透、その後固化することで転写定着が行われ、カラー画像が形成される。
【0057】
図3は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の1例を示す概略構成図であり、これに基づき本発明の画像形成方法を、さらに詳しく説明する。
【0058】
図3において、4つの感光体1−1、1−2、1−3、1−4が、ベルト状の中間転写体50の周辺に、矢印方向へ回転可能に配置されている。各感光体は、それぞれ帯電器10−1、10−2、10−3、10−4により一様に帯電された後、濃度信号に応じ光ビームパルス幅変調装置によってオンオフされる光ビーム走査装置20により露光され、静電潜像が形成される。各感光体上の静電潜像は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタ、シアン色のトナーが入った現像器11、12、13、14により現像され、面積変調により濃度を表すいわゆるディジタル画像の各色トナー像が各感光体上に形成される。この各色トナー像は、順次、加熱ロール型転写器8−1、8−2、8−3、8−4により、中間転写体50へ熱転写され、中間転写体50上に複数色のトナー像が形成される。
【0059】
ベルト状の中間転写体50は、ローラ5−1、5−2、および加熱ロール2により支持されて矢印方向に回転を行う。加熱ロール2には、加圧ロール3が対向して配置されている。加熱ロール2と加圧ロール3は逆の配置とすることもでき、また、加圧ロール3を内部に熱源を持つ加熱ロールとしてもよい。
【0060】
加圧ロール3は、トレイ6からの記録紙Pの送紙に伴い、加熱ロール2に圧接する。その後、前記複数色のトナー像を保持した中間転写体50と記録紙Pが、タイミングを合わせて加熱ロール2および加圧ロール3の間を移動し、加圧加熱される。溶融温度以上に加熱されたトナーは軟化、溶融し、記録紙Pに浸透、その後固化することで転写定着が行われる。
【0061】
加熱領域から一体となって搬送される中間転写体50及び記録紙Pを冷却するように冷却装置60を配置し、また、記録紙Pの送紙に伴い、加熱ロール2と加圧ロール3との加圧加熱される加熱領域通過直後に中間転写体50及び記録紙Pを冷却するように加熱領域出口冷却装置70を配置し、これによりトナーは凝集固化し、記録紙Pとの強い接着力が生じる。冷却装置4により冷却された中間転写体50および記録紙Pは搬送され、曲率半径の小さなロール5−2において記録紙Pが記録紙P自体の腰の強さによって中間転写体50からトナーとともに分離され、カラー画像が形成される。
【0062】
図4は、本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の1例を示す概略構成図であり、これに基づき本発明の画像形成方法を、さらに詳しく説明する。
【0063】
図4に示す画像形成装置は、図3に示す画像形成装置における加熱ロール型転写器8−1、8−2、8−3、8−4の代わりに、コロトロン非接触型転写器9−1、9−2、9−5、9−6をそれぞれ配置した以外は、図3に示す画像形成装置と同様の構成であり、この各コロトロン非接触型転写器により、トナー像を、中間転写体50へ静電転写する以外は、図3に示す画像形成装置を用いた画像形成方法と同様にカラー画像が形成される。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
(1)シアントナーの作製(架橋樹脂合成、精製、及び粉砕)
・架橋樹脂合成、及び精製
100mlのフラスコにステアリルアクリレート30g、1,4−ブタンジオールジアクリレート0.168g(ステアリルアクリレートに対し1mol%)、2,2−アゾイソブチロ二トリル0.3065g(モノマーに対して2mol%)、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)の酢酸エチル−トルエン混合溶液(シアン顔料20重量%)12.07gにトルエン3.3mlを加え溶解したものを、窒素ガスでバブリングした後、60℃にて24時間反応させた。得られたゲルは、ホモジナイザー(日本精機社製AM−6)で5分粉砕したのち、メタノール500ml中にあけ、約1時間放置し収縮させた。上澄みのメタノールをデカンテーションで除き、トルエン500mlを加え膨潤させた。膨潤したゲルは、メタノール500ml中にあけ放置し収縮させた。この操作をデカント液の色材量がほとんどなくなるまで繰り返す。その後、減圧下30℃で24時間乾燥する。
【0065】
・粉砕
上記乾燥した架橋樹脂をジェットミル(パウダーテック社製卓上ジェットミル)で粉砕した(圧力7×105〜8×105Pa)。得られた微粒子を公証45μmのフィルターに通し、粗大粒子を除いた。微粒子はコールターカウンターにて粒度分布を測定した。
このようにして、シアントナーを製造した。
【0066】
(2)各色トナーの作製
架橋剤量、ステアリルアクリレートに対するアクリル酸モル分率を変化させ、さらに、顔料を、表1に示すように変えた以外は、シアントナーと同様にして、マジェンタ、イエロー、ブラックトナーを作製した。マジェンタ色材はPR122、イエロー色材はPY180、ブラック色材はカーボンブラックを用いた。
【0067】
(3)分析(結果を表1に示す。)
・色材量の測定
合成した架橋樹脂の組成は基本的には、色材と結着樹脂よりなる。色材量は重合時に8重量%になる様に調整してあるが、湿式粉砕および洗浄時に抜け出している。架橋密度と洗浄による抜けの相関が考えられるが、実際の顔料含有量を資料中の顔料(銅フタロシアニン)のCuに対する蛍光X線強度を定量分析することにより求めた。
【0068】
試料約200mgを直径13mmのIR用錠剤成形器を用いてペレットサンプルとし重量を精秤した。別途銅フタロシアニンを4重量%、8重量%、12重量%直鎖ステアリルアクリレートに十分分散させたサンプルで検量線を作成し、これを用いて定量分析した。試料重量測定誤差がほとんどないことを確認するために、銅フタロシアニン8重量%を含有するサンプルを約180mg、200mg、220mg精秤したサンプル間で観測される蛍光X線収率に差のないことを確認した。
【0069】
・融点測定
融点測定を示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下「DSC」と略記する)の熱分析装置を用いて行った。測定は室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点をJISの規格により解析して得た。
【0070】
・粘弾性測定
粘弾性測定を回転平板型レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)社製レオメーター(RDA 2RHIOSシステムver.4.3.2)を用いて行った。測定は試料をサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/min、周波数1rad/s、ひずみ20%以下、検出トルクを測定保証値の範囲内で行った。必要に応じて、サンプルホルダーを8mmと20mmに使い分けた。温度変化に対する貯蔵弾性率G’(Pa)、損失弾性率G”(Pa)の変化を得た。表1中、式(1)の値とは、|logG'(Tm+5)−logG'(Tm+50)|の値を示し、式(2)の値とは|logG''(Tm+5)−logG''(Tm+50)|の値を示す。
【0071】
【表1】
Figure 0003755353
【0072】
(4)現像剤の作製
得られた4色のトナーに疎水性シリカR972(日本アエロジル社)を1%外部添加混合し、キャリアと混ぜ二成分現像剤を調整した。
【0073】
(5)画像形成
得られた現像剤を、図2に示す画像形成装置にいれ、濃度調整した。また、記録媒体搬送体4には、熱的に安定な、厚さ100μmのポリイミドフィルムを用いた。このような構成で、記録媒体搬送体4、及びトナー像の搬送速度を80mm/sで、加熱ロール2と各加熱ロール型転写定着器7−1、7−2、7−3、7−4の設定温度を90℃とし、画像を形成した。
(6)評価
以上のようにして画像を形成したところ、定着後の画像強度が強く、画像ムラのない良好な画像が得られた。さらに定着後に、再定着したところ、グロス値が大きくなり、色再現領域が広くなった。
【0074】
(実施例2)
(1)画像形成
実施例1と同じ現像剤を、図3に示す画像形成装置にいれ、濃度調整した。また、中間転写体50は、ベース層と表面層の2層構造のものを用いた。ベース層は、カーボンブラックを添加した厚さ70μmのポリイミドフィルムを用いた。表面層は、中間転写体から紙への同時転写定着を行うときに、トナー像を挟み中間転写体と紙の密着をよくするために、ゴム硬度40度、厚さ50μmのシリコーン共重合体を用いた。加熱ロール2、加圧ロール3として、アルミニウムの中空ロール上に硬度55度のシリコーンゴムを厚さ3mmで積層したものを用い、加熱ロール2内部の熱源としては、ハロゲンランプを使用した。なお、加熱ロール2と加圧ロール3とニップ圧力は5.5×105Paに設定した。加熱領域出口冷却装置70として空冷装置を設け、さらに冷却装置60として水冷装置を設けた。水冷冷却装置は空冷装置の約10倍の冷却能力を持つ。
【0075】
このような構成で、中間転写体、トナー像の搬送速度が80mm/sで、加熱ロール2設定温度を90℃とし、加熱領域出口冷却装置7のみを稼動させて、画像を形成した。
【0076】
(2)評価
以上のようにして画像を形成したところ、定着後の画像強度が強く画像ムラのない良好な画像が得られた。
【0077】
(比較例1)
A color935用現像剤(富士ゼロックス社製)を、図3に示す画像形成装置にいれ、濃度調整して、画像を形成したところ、加熱ロール2の設定温度は最低150℃必要であり、また冷却のために空冷冷却装置、及び水冷冷却装置も併用した。この結果、実施例2に比べて、多量のエネルギーを必要とすることがわかり、また、網点の不均一なつぶれが発生し画像ムラが発生した。
【0078】
(実施例3)
(1)画像形成
実施例1と同じ現像剤を、図4に示す画像形成装置にいれ、濃度調整した。中間転写体50として、さらにベース層の体積抵抗率を、トナー像を感光体から中間転写体に静電的に、画像乱れなく転写するために、カーボンブラックの添加量を変化させ、1010Ωcmに調整し、表面層を、トナー像を感光体から中間転写体に静電的に画像乱れなく転写するために、その体積抵抗率を1014Ωcmに調整したものを用いた以外は、実施例2と同様な構成、及び条件で画像を形成した。
【0079】
(2)評価
以上のようにして画像を形成したところ、定着後の画像強度が強く画像ムラのない良好な画像が得られた。
【0080】
(比較例2)
A color935用現像剤(富士ゼロックス社製)を、図4に示す画像形成装置にいれ、濃度調整して、画像を形成したところ、加熱ロール2の設定温度は最低150℃必要であり、また冷却のために空冷冷却装置、及び水冷冷却装置も併用した。この結果、実施例3に比べて、多量のエネルギーを必要とすることがわかり、また、網点の不均一なつぶれが発生し画像ムラが発生した。
【0081】
【発明の効果】
以上により、本発明は、トナー像を記録媒体上に熱転写によるトナーの溶融状態不均一に起因した画像ノイズの発生を抑制し、画像強度が強く高画質の画像を得ることができ、且つ、熱転写或いは定着の際の消費エネルーギーが少ない画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に好適に用いられる電子写真用トナーの特性図である。
【図2】本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の画像形成方法に好適に用いられる画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1−1、1−2、1−3、1−4 感光体
2 加熱ロール
3 加圧ロール
4 記録媒体搬送体
5−1、5−2 ローラ
6トレイ
7−1、7−2、7−3、7−4 加熱ロール型転写定着器
8−1、8−2、8−3、8−4 加熱ロール型転写器
9−1、9−2、9−5、9−6 コロトロン非接触型転写器
10−1、10−2、10−3、10−4 帯電器
11、12、13、14 現像器
20 光ビーム走査装置
50 中間転写体
60 冷却装置
70 加熱領域出口冷却装置

Claims (1)

  1. 静電潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、
    画像情報に応じた光情報を用いて、帯電された該静電潜像担持体表面を露光し潜像を形成する露光工程と、
    該静電潜像担持体表面に形成された潜像を、電子写真用トナーを含む電子写真用現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程と、
    該静電潜像担持体表面のトナー像を記録媒体表面に熱転写する転写工程と、
    該記録媒体に転写されたトナー像を定着する工程と、
    を含む画像形成方法であって、
    該電子写真用トナーが、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率G'(30)が1×105Pa以上、損失弾性率G"(30)が1×105Pa以上であり、温度領域45〜110℃の間に融点を有し、貯蔵弾性率G'及び損失弾性率G"が、それぞれ10℃の温度範囲における変化量が2桁以上変化する区間をもち、かつ、貯蔵弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における貯蔵弾性率をG'(Tm+20)、融点+50℃に於ける貯蔵弾性率をG'(Tm+50)とした場合、下記式(1)を満たし、損失弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における損失弾性率をG"(Tm+20)、融点+50℃に於ける損失弾性率をG"(Tm+50)とした場合、下記式(2)を満たすことを特徴とする画像形成方法。
    式(1)|logG'(Tm+20)−logG'(Tm+50)|≦1.5
    式(2)|logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.5
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