JP2000352839A - 電子写真用トナー、その製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、その製造方法及び画像形成方法

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JP2000352839A
JP2000352839A JP2000069699A JP2000069699A JP2000352839A JP 2000352839 A JP2000352839 A JP 2000352839A JP 2000069699 A JP2000069699 A JP 2000069699A JP 2000069699 A JP2000069699 A JP 2000069699A JP 2000352839 A JP2000352839 A JP 2000352839A
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Chisato Urano
千里 浦野
Katsumi Daimon
克己 大門
Masato Mikami
正人 三上
Norito Fukushima
紀人 福島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性及び耐オフセット性が良好で、
定着ラチチュードが広く、オイルレス定着可能な電子写
真用トナーを提供する。 【解決手段】 結着樹脂と着色剤とを含むトナーであっ
て、その角周波数1rad/sec、30℃の貯蔵弾性
率(G'30)1×105Pa以上、損失弾性率(G"3
0)が1×105Pa以上で、融点が45〜110℃
で、G'の常用対数を温度に対してプロットした時に、
融点+20℃におけるG'をG'(Tm+20)、融点+
50℃に於けるG'をG'(Tm+50)とした場合、下
記式(1)の条件を満たし、G"の常用対数を温度に対
してプロットした時に、融点+20℃におけるG"をG"
(Tm+20)、融点+50℃に於けるG"をG"(Tm
+50)とした場合、下記式(2)の条件を満たすトナ
ーであること、を特徴とする。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の電子写真プロセスに適するトナー
及びそれを利用した画像形成方法に関し、特にカラー複
写機に好適に使用される電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては特公昭42−239
10号公報等に記載されている如く多数の方法が知られ
ている。一般には光導電性物質を利用した感光体上に種
々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像をトナ
ーを用いて現像し、 感光体上のトナー潜像を中間転写
体を介して又は介さずに、紙等の被転写体にトナー画像
を転写した後、この転写画像を加熱、加圧、加熱加圧あ
るいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を
経て、定着画像が形成される。感光体上に残ったトナー
は必要により種々の方法でクリーニングされ、前記複数
の工程が繰り返される。
【0003】前記定着技術の中で、加熱ロールおよび加
圧ロールとからなる一対のロール間に、トナー像を有す
る転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が、一般的
なものである。また、同種の技術として、ロールの一方
あるいは両方をベルトに変更することも知られている。
これらの方法は、他の定着法に比べ、高速で堅牢な定着
像が得られ、エネルギー効率が高く、また溶剤等の揮発
による環境への害が少ない。しかしながら、トナー像が
ロールやベルトに直接接触するために、定着時にトナー
の一部がロールやベルトに付着するいわゆるオフセット
が発生しやすい。特に、定着機の温度が高い場合、溶融
トナーの凝集力が低下してオフセットが 発生しやす
い。
【0004】また、エネルギー使用量を少なくするため
に、より低温で定着しうることが望まれている。特に、
近年では省エネルギーを徹底するために、使用時以外は
定着機への通電を停止することが望まれており、定着機
温度は通電とともに瞬時に使用温度にまで高まる必要が
ある。そのために、定着機の熱容量をできるだけ小さく
するのが望ましいが、その場合、定着機温度の振れ幅は
従来以上に大きくなる傾向にある。すなわち、通電開始
後の温度のオーバーシュートが大きくなり、他方、通紙
による温度低下も大きくなる。また、定着機幅より幅の
小さい紙を連続して通した場合の通紙部と非通紙部の温
度差も大きなものとなる。特に高速の複写機やプリンタ
ーに用いる場合、電源容量が不足しがちなこともあり、
上記の傾向が強い。したがって、低温で定着し、より高
温領域までオフセットが発生しない、いわゆる定着ラチ
チュードの広いトナーが望まれている。
【0005】トナーの定着温度を低くするために、結着
樹脂として結晶性樹脂を用いることが特公平4−247
02号、特公平4−24703号、特開平9−3299
17号公報等により提案されているが、この方法では定
着温度を下げることはできるが、耐オフセット性は必ず
しも十分ではない。すなわち、溶融したトナーが紙に浸
透することにより、オフセットの発生をある程度防止す
る効果はあるが、溶融したトナーが紙に染み込みすぎて
しまい、均一な高濃度の画像が得られないという問題が
生じる。
【0006】一方、オフセットの発生を防止するため
に、低分子量重合体と高分子量重合体をブレンドして、
適当な分子量分布を持つ樹脂をトナーの結着樹脂として
用いることが知られており(特開昭50−134652
号公報)、また、架橋された樹脂を用いることも知られ
ている(特開昭51−23354号公報)。 しかしな
がら、これらの方法では、近年の要求を満たすだけ十分
広い定着ラチチュードを得ることはできない。 高分子
量重合体や架橋重合体を多量に用いることにより、オフ
セットは起こりにくくなるが、定着温度が上昇する。一
方、定着温度を下げるために低分子量重合体の分子量を
下げたり、量を多くするとオフセットの発生する温度が
低下する。また、結着樹脂のガラス転移温度を下げた
り、或いは可塑剤を用いることによっても定着温度を下
げることはできるが、トナーが保存時に或いは現像機内
で凝集固結する、いわゆるブロッキングといわれる現象
が発生し易くなる。
【0007】これらの問題を解決するものとして、結晶
性重合体を結着樹脂として単独で用いるのではなく、非
晶性重合体と併用する技術が以下のように、数多く提案
されている。例えば、結晶性ポリマーと非晶性ポリマー
を併用することが特開平2−79860号公報等に記載
され、結晶性重合体と非晶性重合体を化学的に結合した
重合体に関して、特開平1−163756号公報、特開
平1−163757号公報、特開平4−81770号公
報、特開平4−155351号公報、特開平5−440
32号公報等に記載がある。しかしながら、非晶性重合
体が結晶性重合体より多い場合は、非晶性重合体が連続
相になり結晶性重合体が分散相となる。この場合、結晶
性重合体は非晶性重合体に覆われているので、結晶性重
合体による問題は現れないが、一方、トナー全体の溶融
は非晶性重合体の軟化温度に支配されるので、低温定着
性にはならない。
【0008】このように、定着温度を下げることと、オ
フセットを防止することは、物性として相反する特性を
要求されるため、実用上、両者を十分に満足しうるよう
なトナーは未だ得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題点
を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、低温
での定着性が良好で、定着ラチチュードが広く、且つ、
耐オフセット性が良好であって、 離型剤の使用を無く
すか又は少なくすることができ、定着後の被転写体及び
画像へのオイルの付着の低減がはかれる電子写真用トナ
ーを提供することにある。また、本発明の第2の目的
は、このような電子写真用トナーを用いた、定着装置の
小型化や装置の低コスト化を図ることができ、少ないエ
ネルギーで良好な画質の画像を形成しうる画像形成方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、次
の構成を有する電子写真用トナー組成物を製造し、使用
することによって達成される。すなわち、本発明の電子
写真用トナーは、結着樹脂と着色剤とを含むトナーであ
って、その角周波数1rad/sec、30℃において
貯蔵弾性率(G'30)が1×105Pa以上、損失弾性
率(G"30)が1×105Pa以上であり、温度領域4
5〜110℃の間に融点を有し、貯蔵弾性率(G')及
び損失弾性率(G")の値が、10℃の温度範囲で2桁
以上変化する区間を有してなり、かつ、貯蔵弾性率の常
用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃
における貯蔵弾性率をG'(Tm+20)、融点+50
℃に於ける貯蔵弾性率をG'(Tm+50)とした場
合、下記式(1)の条件を満たし、 |logG'(Tm+5)−logG'(Tm+50)|≦1.5…(1) 損失弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時
に、融点+20℃における損失弾性率をG"(Tm+2
0)、融点+50℃に於ける損失弾性率をG"(Tm+
50)とした場合、下記式(2)の条件を満たす、 |logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.5…(2) トナーであること、を特徴とする。
【0011】本発明のトナーは、常温で十分な硬さを有
している必要がある。具体的には、動的粘弾性が角周波
数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率(G'
30)が1×105Pa以上、損失弾性率(G"30)が
1×105Pa以上であることが必要である。角周波数
1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率(G'3
0)が1×105Pa未満、損失弾性率(G"30)が1
×105Pa未満の場合には、現像機内でキャリアと混
合された時に、キャリアから受ける圧力や剪断力により
トナー粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持するこ
とができない。また、潜像保持体上のトナーがクリーニ
ングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断
力によって変形し、クリーニング不良が発生する。角周
波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率
(G'30)が1×105Pa以上、損失弾性率(G"3
0)が1×105Pa以上である場合には、高速機で用
いても特性が安定するので好ましい。
【0012】また、このような特性を有するトナー用結
着樹脂として、架橋構造を有する結晶性樹脂を用いるこ
とが好ましい。架橋構造を有することにより、紙などの
被転写体に対する過度の染み込みを防止することがで
き、定着ラチチュードの広い電子写真用トナーを提供す
ることができる。ここで、本発明の結着樹脂として好適
かを判断する指標として、結着樹脂が架橋成分を含むこ
とが挙げられる。即ち、本発明のトナーに好適な架橋構
造を有する結晶性樹脂は、有機溶剤中で溶解せず、膨潤
するような成分を有する。
【0013】また、本発明のトナーは、融点+20℃の
ときの損失正接tanδが、角周波数1rad/sec
でtanδ<1.5を満たすことが好ましい。融点以上
の損失正接tanδが角周波数1rad/secでta
nδ<1.5を満たすことで、紙などの被転写体に対す
る過度の染み込みを防止することができ、定着ラチチュ
ードの広く、安定した定着像の電子写真用トナー組成物
を提供することができる。この損失正接tanδは0.
01<tanδ<1を満たすことがさらに好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明のトナーは、貯蔵弾性率の常用対数を温
度に対してプロットした時に、融点+20℃における貯
蔵弾性率をG'(Tm+20)、融点+50℃に於ける
貯蔵弾性率をG'(Tm+50)とした場合、次式
(1)|logG'(Tm+20)−logG'(Tm+
50)|≦1.5…(1)を満たし、損失弾性率の常用
対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃に
おける損失弾性率をG"(Tm+20)、融点+50℃
に於ける損失弾性率をG"(Tm+50)とした場合、
次式(2)|logG"(Tm+20)−logG"(T
m+50)|≦1.5…(2)を満たすことが必要であ
り、それによりオフセットの発生を防ぐことができる。
この指標は、融点以降の温度依存がゆるやかであること
を示し、結晶の融解に伴い温度とともに低下する粘弾性
が変極点を持ち、粘弾性の温度依存性がより低くなるこ
とを意味する。
【0015】図1は、本発明のトナーの結着樹脂として
好適な架橋構造を有する結晶性樹脂の特性図を示す。こ
のように、本発明に係る結着樹脂は45〜110℃の温
度領域における融点において急激な弾性率の低下が見ら
れ、また、所定の範囲で、その弾性率が安定することか
ら、定着時に高温度になっても、必要以上に粘度が低下
せず、紙に対する染み込みやオフセットを防止し得るこ
とがわかる。
【0016】本発明においては、上記結着樹脂以外にト
ナーに含まれる材料の硬さは、角周波数1rad/se
c、30℃において貯蔵弾性率(G'30)が1×105
Pa以下、損失弾性率(G"30)が1×105Pa以下
でありであってもかまわないが、トナー全体の硬さが角
周波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率
(G'30)が1×105Pa以上、損失弾性率(G"3
0)が1×105Pa以上であることが望ましい。本発
明に用いる結着樹脂は、温度領域45〜110℃の範囲
内に融点を有することが必要である。結晶性樹脂は融点
を境にして急激に粘度低下するために、それ以上の温度
で保存されるとブロッキングを起こしてしまう。そこ
で、保存時や使用時にさらされる温度、すなわち45℃
以上の融点を有することが必要である。また、一方、融
点が110℃よりも高すぎると低温定着を達成すること
ができない。融点の測定はJIS K−7121に示す
入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求め
ることができる。なお、結晶性樹脂には、複数の融解ピ
ークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点と
みなす。
【0017】本発明のトナーは、貯蔵弾性率(G')及
び損失弾性率(G")の値が、10℃の温度範囲で2桁
以上変化する区間を持つことが必要である。貯蔵弾性率
(G')及び損失弾性率(G")の値が、10℃の温度範
囲で2桁以上変化する区間を持たないと、低温で定着
し、定着工程のエネルギー消費を低減でき、定着ラチチ
ュードの広い電子写真用トナー組成物を提供するのに十
分でない。
【0018】本発明に用いられる結晶性樹脂は、上記条
件を満たすものであればいずれの樹脂であってもよい。
これらの樹脂の例を以下に説明する。本発明に用いられ
る結晶性樹脂を構成するポリマーの好ましい例として、
長鎖アルキル基を有するアクリルとジビニルモノマーか
ら構成される樹脂を挙げることができる。ここで使用さ
れるモノマーとしては、長鎖アルキル基、好ましくは炭
素数10以上のアルキル基を有するアクリルが挙げら
れ、具体的には、ラウリルアクリレート、ステアリルア
クリレート、ベヘニルアクリレート、ラウリルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート、そしてベヘニルメ
タクリレートが挙げられるが、長鎖アルキル基、好まし
くは炭素数10〜24程度のアルキル基を有していれば
これらに限定されるものではない。また、長鎖アルキル
基の代わりに長鎖エーテル基あるいはポリエステル基を
有するアクリルモノマーを用いることもできる。
【0019】また、ジビニルモノマーとしては1モノマ
ーユニットにビニル基が2つ含有されていればよく、ジ
ビニルスチレン、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、5−エチル−2−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルエチル−5−ヒドロキシメチ
ル−1,3−ジオキサンのアクリル酸エステル、N,N
−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
【0020】また、本発明において使用される結着樹脂
は、上記の架橋構造を形成し得る結晶性樹脂のほか、本
発明の効果を損なわない範囲において、上記以外のモノ
マーを共重合成分として併用することができる。共重合
可能な他のモノマー成分しては、スチレン、o−メチル
スチレン、 m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−エチル スチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチル スチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、
3,4−ジクロルスチレン等のスチレン類;エチレン、
プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不
飽和オモノオレフィ ン類、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピレン酸ビニル、酢酸ビニルなど
のビニルエステル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、
アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸 メチル、メタク
リル酸テトラフルオロプロピル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸トリフルオ
ロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、ア
クリル酸テトラフルオロプロピル、アクリル酸オクタフ
ルオロペンチル、アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル
等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビ
ニルメチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチ
ルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリドン等のN−ビニル化合物等を挙げることが
できる。
【0021】これらの使用割合は、結着樹脂の所望の特
性や主となる前記長鎖アルキル基又はエーテル基、ポリ
エステル基を有するアクリル系モノマーの種類により適
宜選択し得るが、一般的には、仕込み比で60%程度が
上限であり、好ましくは、20〜50%程度である。
【0022】また、本発明の結着樹脂に好適な他の結晶
性樹脂として、ポリエステル系樹脂を挙げることができ
る。前記ポリエステル樹脂は、例えば、モノマー成分で
ある、2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価
以上のアルコールとの反応により得られる。なお、本発
明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使
用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
2価のカルボン酸としては、例えば、蓚酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロ
ン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物
やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカル
ボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸として
は、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナ
フタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれ
らの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。2価のアルコールとしては、例えば、ビスフェノー
ルA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAの
エチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加
物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、キシリレングリコ
ールなどが挙げられる。3価以上のアルコールとして
は、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げ
られる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。なお、必要に応じて、酸価や水酸
基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸
や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価
のアルコールも使用することができる。
【0023】前記結晶性樹脂に架橋構造を形成するに
は、長鎖アルキル基を有するアクリル系樹脂やポリエス
テル系樹脂に、イソシアネート系含有化合物のような架
橋成分を添加するなどの手段により行うことができる。
良好な架橋構造を形成するためには少なくとも3官能性
の成分を用いることが好ましい。好ましい架橋構造の形
成のためには、例えば、ジオール成分を有する樹脂とト
リイソシアネートとの組み合わせ、トリオール成分を有
する樹脂とジイソシアネートとの組み合わせを用いる方
法、その他、ポリエステル樹脂の合成中に、主鎖中にビ
ニル基等の官能基を導入し、そこにビニル基を有するモ
ノマーを反応させる方法などをとればよい。
【0024】本発明のトナーに用いる着色剤としては、
特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙げることが
でき、目的に応じて適宜選択することができる。着色剤
としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブ
ラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカ
ーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機
顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロ
ンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パ
ラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フ
タロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロン
イエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッ
ド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等
の縮合多環系顔料が挙げられる。また分散染料、油溶性
染料等を用いることもできる。前記着色剤の電子写真用
トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂100重
量部に対して1〜 30重量部が好ましいが、定着後に
おける画像表面の平滑性を損なわない範囲においてでき
るだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くする
と、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くするこ
とができ、オフセットの防止に有効な点で有利である。
なお、前記着色剤の色相を選択することで、イエロート
ナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー
等が得られる。
【0025】本発明のトナーには、前記必須成分のほ
か、その他の成分として、目的に応じて公知の添加剤な
どを適宜選択して用いることができる。例えば、無機微
粒子、有機微粒子、帯電制御剤、離型剤などのそれ自体
公知の各種添加剤が挙げられる。無機微粒子としては、
例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリ
ウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チ
タン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲
母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、
酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ
素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子が
好ましく、特に疎水化処理されたシリカ微粒子が好まし
い。前記無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的
で使用される。前記無機微粒子の1次粒子径としては、
1〜1000nmが好ましく、その添加量としては、ト
ナー100重量部に対して0.01〜20重量部が好ま
しい。
【0026】有機微粒子としては、例えば、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン
などが挙げられる。前記有機微粒子は、一般にクリーニ
ング性や転写性を向上させる目的で使用される。帯電制
御剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ
化合物、ニグロシンや4級アンモニウム塩などが挙げら
れる。前記帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目
的で使用される。離型剤としては、例えば、低分子量ポ
リプロピレンや低分子量ポリエチレン等のパラフィンワ
ックス、シリコーン樹脂、ロジン類、ライスワックスな
どが挙げられる。前記離型剤は、一般に離型性を向上さ
せる目的で使用される。
【0027】トナー粒子は、上記の結着樹脂中に、着色
剤、非磁性無機微粉末および所望により使用されるその
他の材料を分散させてトナー粒子を形成する工程および
所望によってトナー粒子表面に表面層を形成する工程に
よって製造される。具体的には、結晶性樹脂を主体とす
る結着樹脂、着色剤、非磁性無機微粒子およびその他の
材料からなるトナー材料を粉体化する公知の方法が用い
られる。
【0028】すなわち、トナー粒子を形成するには、混
練粉砕法、水系媒体において結着樹脂の単量体、着色
剤、非磁性無機微粉末およびその他の材料を分散させた
粒子を重合する懸濁重合法、結着樹脂の乳化粒子を、着
色剤、非磁性無機微粉末およびその他の材料とともに
凝集固着する乳化凝集法であってもよい。乳化凝集法の
場合、乳化粒子は、乳化重合法で作成したものであって
もよいし、結着樹脂を溶剤に溶解し、水系媒体中で細か
く分散させたものであってもよい。また、結着樹脂、着
色剤、非磁性無機微粒子その他の材料を溶剤中に溶解分
散させておき、水系媒体中で懸濁分散し、その後溶剤を
除去する方法を採用してもよい。また、結着樹脂、着色
剤、非磁性無機微粒子およびその他の材料を溶剤に溶解
分散させておき、スプレードライヤー等で気体中に分散
し、同時に溶剤を除去する方法を採用してもよい。さら
に、溶剤中に溶解している結着樹脂を温度を下げたり、
または貧溶媒を加えることにより析出させる方法を採用
してもよい。また、溶融している材料を媒体中で分散冷
却する方法を採用してもよい。また、分散重合やシード
重合の技法を用いてもよい。
【0029】これらの方法のうちでも、結着樹脂、着色
剤、非磁性無機微粒子およびその他の材料を溶剤に溶解
分散させておき、水系媒体中で懸濁分散し、その後溶剤
を除去する方法は、適宜の溶剤を選択することにより樹
脂の種類に関係なく汎用的に粒子形成が可能であるの
で、本発明の製造方法として好適である。上記のように
して形成されるトナー粒子は、その粒子径が1〜20μ
mの範囲にあるのが好ましい。
【0030】本発明において、トナー粒子は、その表面
が表面層によって覆われていてもよい。表面層は、トナ
ー全体の力学特性、溶融粘弾性特性に大きな影響を与え
ないことが望ましい。例えば、非溶融、或いは高融点の
表面層がトナーを厚く覆っていると、結晶性樹脂の低温
定着性が活かされにくい。よって、表面層の膜厚は薄い
ことが望ましい。表面層の好ましい膜厚は、0.001
〜0.5μmの範囲である。トナー粒子表面に表面層を
形成する工程は、公知の技術が利用できる。例えば、
“微粒子設計”(小石真純編、工業調査会、1987)
や、”マイクロカプセル−その機能と応用”(近藤保
編、日本規格協会、1991)等に示されるような、界
面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法、コ
アセルベーション法、液中乾燥法、融解分散冷却法、噴
霧乾燥法、乾式混合法等が使用できる。上記した方法を
利用して、トナー粒子を形成した後、表面層を形成して
もよいし、トナー粒子の形成と同時に表面層を形成して
もよい。
【0031】薄い表面層を形成するためには、結着樹
脂、着色材、非磁性無機微粒子、その他の材料を含むト
ナー粒子の表面を化学的に処理する方法が好ましく使用
される。また、表面層を構成する成分には、極性基が導
入されていることが好ましく、化学的に結合することに
より、トナーと紙等の転写体との接着力が増加する。極
性基は、分極性の官能基であれば如何なるものでもよい
が、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ
基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ
基、シアノ基、アミド基、イミド基、エステル基、スル
ホン基等が挙げられる。化学的に処理するには、例え
ば、過酸化物等の強酸化物質、オゾン酸化、プラズマ酸
化等により酸化する方法、極性基を含む重合性モノマー
をグラフト重合により結合させる方法等が挙げられる。
化学的処理により、結晶性樹脂 の分子鎖に共有結合で
極性基が強固に結合することになる。本発明のトナーに
おいては、上記のトナー粒子の表面に、さらに、帯電性
の物質を化学的あるいは物理的に付着させてもよい。ま
た、金属、金属酸 化物、金属塩、セラミック、樹脂、
カーボンブラック等の微粒子を、帯電性、導電性、粉体
流動性、潤滑性等の改善のために外添してもよい。
【0032】次に、本発明の上記トナー組成物を用いた
画像形成方法について説明する。画像形成方法は、像潜
像保持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像を
現像剤担持体上に担持された現像剤を用いて現像する工
程と、前記潜像保持体上に形成されたトナー像を紙等の
被転写体上に転写する工程と、該被転写体上にトナー画
像を熱定着する工程とを有するものであって、現像剤と
して、上記したトナー組成物が使用される。本発明にお
ける上記の工程はいずれも画像形成方法において公知の
工程が利用できる。潜像保持体としては、電子写真感光
体 および誘電記録体等が使用でき、例えば、電子写真
感光体の場合に、コロトロン帯電器、接触帯電器等によ
って一様帯電した後、露光を行い、静電潜像を形成す
る。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと
接触または近接させて静電潜像にトナー粒子を付着させ
て、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成され
たトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被
転写体上に転写し、定着器によって加熱定着してトナー
画像を形成する。
【0033】なお、前記加熱圧着においては、通常、オ
フセット等を防止するため、前記定着部材に大量の離型
剤が供給されるが、本発明の電子写真用トナーを含む現
像剤を用いて画像形成を行う場合には、本発明の電子写
真用トナーの耐オフセット性が非常に優れているので、
離型剤の使用を行わなくても定着が可能である。
【0034】離型剤は使用しない方が好ましいが、前記
離型剤の供給量を0mg/cm2にすると、定着工程中
に前記定着部材と紙などの被転写体とが接触した際、前
記定着部材の磨耗量が増大し、前記定着部材の耐久性が
低下してしまうので、前記離型剤が前記定着部材に微量
に供給されているのが実用上好ましい。一方、前記離型
剤の供給量が、8.0×10-3mg/cm2を越える場
合には、定着後に画像表面に付着した前記離型剤のため
に画質が低下し、特にOHPのような透過光を利用する
場合には顕著に現れてしまう。また、被転写体への前記
離型剤の付着が顕著になりベタ付きが発生してしまう。
さらに、前記離型剤の供給量が多くなればなるほど離型
剤を貯蔵しておくタンクの容量も大きくなり定着装置が
大型化してしまう等の問題を生ずるため、好ましくな
い。
【0035】前記離型剤としては、特に制限はないが、
例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フ
ロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等
の変性オイルなどの液体離型剤が挙げられる。これらの
中でも、前記定着部材の表面に吸着し均質な離型剤層を
作るにはアミノ変性シリコーンオイルなどの変性オイ
ル、前記定着部材に対するヌレ性が良いため均質な離型
剤層を作るのに理想的であるフッ素オイル、フロロシリ
コーンオイルが好ましい。離型剤としてフッ素オイル、
フロロシリコーンオイルを使用するのは、従来の画像形
成方法の場合には、前記離型剤の供給量を少なくするこ
とができないのでコスト面で実用的ではないが、本発明
の画像形成方法の場合には、前記離型剤の供給量を激減
できるのでコスト面でも実用上問題がない。
【0036】前記加熱圧着装置における熱ローラの表面
に前記離型剤を供給する方法としては、特に制限はな
く、例えば、液体離型剤を含浸したパッド方式、ウエブ
方式、ローラ方式や非接触型のシャワー方式(スプレー
方式)などが挙げられる。これらの中でも、ウエブ方
式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、前記
離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロール
することが容易な点で有利である。なお、シャワー方式
で前記定着部材の全体に均一に前記離型剤を供給するに
は、別途ブレード等を用いる必要がある。
【0037】ここで、離型剤の供給量は、以下のように
して測定される。即ち、表面に離型剤を供給した定着部
材に、一般の複写機で使用される普通紙(代表的には、
富士ゼロックス社製複写用紙、商品名J紙)を通過させ
る と普通紙上に離型剤が付着する。この普通紙上の離
型剤をソックスレー抽出器を用いて抽出する。溶媒には
ヘキサンを用いる。このヘキサン中に含まれ離型剤を、
原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着し
た離型剤の量を定量する。この量を離型剤の定着部材へ
の供給量と定義する。
【0038】本発明の画像形成方法において使用される
被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式
の複写機、プリンター等に使用される普通紙及びOHP
シートなどが挙げられる。定着後における画像表面の平
滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もで
きるだけ平滑であるのが好ましく、例えば、普通紙の表
面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアー
ト紙などを前記被転写体として好適に使用することがで
きる。
【0039】本発明の電子写真用トナー、それを用いる
本発明の画像形成方法によると、定着後の画像の強度が
高く、被転写体への前記離型剤の付着もほとんど無いた
め、シールやテープ等、裏側に粘着性の付与されている
被転写体を用いて画像を形成することにより、高画質で
高濃度の画像が形成されたシールやステッカー等を作製
することもできる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例について説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもので
はない。 (実施例1) <トナーの製造例> (1) 架橋樹脂合成及び精製 100mlのフラスコにステアリルアクリレート30g,1,4-
ブタンジオールジアクリレート0.168g(ステアリルア
クリレートに対し1mol%)、2,2'-アゾイソブチロニトリ
ル0.3065g(モノマーに対して2mol%)、シアン顔料
(C.I.ピグメントブルー15:4)の酢酸エチル−
トルエン混合溶液(シアン顔料20重量%)12.07gにトル
エン3.3mlを加え溶解したものを、窒素ガスでバブリン
グした後、60℃にて24時間反応させた。得られたゲル
は、ホモジナイザー(日本精機社製AM−6)で5分粉
砕したのち、メタノール500ml中にあけ、約1時間放置
し、収縮させた。上澄みのメタノールをデカンテーショ
ンで除き、トルエン500mlを加え膨潤させた。膨潤した
ゲルは、メタノール500ml中にあけ、放置して収縮させ
た。この操作をデカント液の色材量がほとんどなくなる
まで繰り返す。その後、減圧下30℃で24時間乾燥する。
【0041】(2) 粉砕 上記乾燥した架橋樹脂をジェットミル(パウダーテック
社製卓上ジェットミル)で粉砕した(圧力7〜8×105P
a)。得られた微粒子を公証45μmのフィルターに通し、
粗大粒子を除いた。微粒子はコールターカウンターにて
粒度分布を測定した。
【0042】(3) 分析 ・ 色材量の測定 合成した架橋樹脂の組成は基本的には、色材と結着樹脂
よりなる。色材量は重合時に8重量%になる様に調整し
てあるが、湿式粉砕および洗浄時に抜け出している。架
橋密度と洗浄による抜けの相関が考えられるが、実際の
顔料含有量を資料中の顔料(銅フタロシアニン)のCuに
対する蛍光X線強度を定量分析することにより求めた。
試料約200mgを直径13mmのIR用錠剤成形器を用いてペレ
ットサンプルとし重量を精秤した。別途銅フタロシアニ
ンを4重量%、8重量%、12重量%直鎖ステアリルアクリ
レートに十分分散させたサンプルで検量線を作成し、こ
れを用いて定量分析した。試料重量測定誤差がほとんど
ないことを確認するために、銅フタロシアニン8重量%
を含有するサンプルを約180mg、200mg、220mg精秤した
サンプル間で観測される蛍光X線収率に差のないことを
確認した。
【0043】・ 融点測定 融点測定を示差走査熱量計 (マックサイエンス社製:
DSC3110、熱分析システム001)(以下「DS
C」と略記する)の熱分析装置を用いて行った。測定は
室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点をJ
ISの規格により解析して得た。 ・粘弾性測定 粘弾性測定を回転平板型レオメトリックス・サイエンテ
イフィック・エフ・イー(株)社製レオメーター(RDA
2RHIOSシステムver.4.3.2 )を用いて行った。測定は試
料をサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/
min、周波数1rad/s 、ひずみ20%以下、検出トルクを測
定保証値の範囲内で行った。必要に応じて、サンプルホ
ルダーを8mmと20mmに使い分けた。温度変化に対する貯
蔵弾性率G'(Pa)、損失弾性率G''(Pa)の変化を得た。
【0044】(実施例2、3及び4)架橋剤量、ステア
リルアクリレートに対するアクリル酸モル分率を下記表
1に示すように変化させた以外は、前記実施例1と同様
にしてトナー作製を行なった。
【0045】(比較例1及び2)架橋剤を添加しない他
は、実施例1と同様の方法で作製を行なった。実施例
1、2、3及び4と比較例1及び2で得たトナーの組成
及び色材量、さらには、実施例1と同様にして測定した
平均粒子径、融点、粘弾性測定等の物性、分析結果を表
1にまとめて示す。
【0046】
【表1】
【0047】<トナーの性能評価>前記実施例1、2、
3及び4と比較例1及び2で得た電子写真用トナーを用
いて画像形成を行い、以下の評価を行った。 定着性能試験 前記電子写真用トナーを用いて、定着器を改造した富士
ゼロックス社製Acolorフルカラー複写機にて画像
形成を行い、電子写真用トナーの定着性能を評価した。
定着性能試験の条件を以下に示す。
【0048】 (定着試験条件) トナー画像: ソリッド像(3cm×3cm) 紙 : 富士ゼロックス社製カラーペーパー(J紙) OHP : 富士ゼロックス社製 搬送速度 : 紙の場合160mm/sec、 OHPの場合40mm/sec オイルあり: シリコーンオイル塗布量 1.6×10-3mg/cm2
【0049】定着性能試験の結果を表2にまとめて示
す。なお、表中、○は問題のなかったことを意味し、△
は多少の変化が観察されたが実用上の問題がなかったこ
とを意味し、×は大きな変化が観察されたことを意味す
る。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果から以下のことが明らかであ
る。本発明の電子写真用トナーは、その優れた離型性の
ため、定着時にシリコーンオイルを使用しても、比較例
1及び2ではオフセットが若干みられたものが、実施例
1、2、3及び4ではオフセットは起こらなかった。ま
た、定着時にシリコーンオイルを使用しなかった場合で
も、比較例1及び2では加熱ロールに巻き付いたりオフ
セットしてしまったものが、実施例1では若干オフセッ
トがみられたものの、架橋剤量や共重合成分を調整した
実施例2、3及び4ではオフセットが起こらなかった。
クリースに対しても改善がみられ、実施例4ではクリー
ス20と中でも高い定着性能を示した。OHP投影性、
断面観察による紙への染み込みに対してもよい結果が得
られた。
【0052】実施例1、2、3及び4の結果より、架橋
剤の添加量を低く抑えて架橋性を調整したものに効果の
向上が見られ、またアクリル酸と共重合体を行ったもの
が良好で、なかでも、架橋剤の添加量が低く、アクリル
酸成分を共重合させた実施例4にもっとも優れた結果が
得られた。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電子写真用
トナーによれば、結晶性樹脂に架橋構造を導入すること
により、低温定着で定着ラチチュードが広く、色鮮やか
な高画質のカラー画像を得ることができる。また定着器
の表面からの離型性に優れる結果、オイル等の離型剤の
塗布量を低減または使用せずに定着することができるの
で、定着器の低コスト化、小型化が可能になり、定着部
材の弾性層の厚みを薄くできるので、省電力化も可能に
なる。また、本発明の画像形成方法は、前記本発明の電
子写真用トナーを用いたため、 定着装置の小型化や装
置の低コスト化を図ることができ、少ないエネルギーで
良好な画質の画像を形成しうるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトナーの結着樹脂として好適な結晶
性樹脂の特性図である。
フロントページの続き (72)発明者 三上 正人 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 福島 紀人 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA21 CA04 CA17 CA21 EA03 EA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂と着色剤とを含むトナーであっ
    て、 その角周波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾
    性率(G'30)が1×105Pa以上、損失弾性率
    (G"30)が1×105Pa以上であり、 温度領域45〜110℃の間に融点を有し、 貯蔵弾性率(G')及び損失弾性率(G")の値が、10
    ℃の温度範囲で2桁以上変化する区間を有してなり、 かつ、貯蔵弾性率の常用対数を温度に対してプロットし
    た時に、融点+20℃における貯蔵弾性率をG'(Tm
    +20)、融点+50℃に於ける貯蔵弾性率をG'(T
    m+50)とした場合、下記式(1)の条件を満たし、 |logG'(Tm+20)−logG'(Tm+50)|≦1.5…(1) 損失弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時
    に、融点+20℃における損失弾性率をG"(Tm+2
    0)、融点+50℃に於ける損失弾性率をG"(Tm+
    50)とした場合、下記式(2)の条件を満たす、 |logG"(Tm+20)−logG"(Tm+50)|≦1.5…(2) トナーであること、を特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 感光体上に潜像を形成する潜像形成工程
    と、 該潜像をトナーにより現像して多色像を形成する現像工
    程とを含み、 該現像工程に、請求項1に記載の電子写真用トナーを用
    いることを特徴とする画像形成方法。
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