JP3755352B2 - スペクトラム拡散信号処理装置及びスペクトラム拡散通信システム - Google Patents

スペクトラム拡散信号処理装置及びスペクトラム拡散通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトラム拡散された拡散信号を処理する装置およびスペクトラム拡散された拡散信号により通信を行うシステムに係り、特に、マルチパスの影響によらず、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関を正確にとるのに好適なスペクトラム拡散信号処理装置およびスペクトラム拡散通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、秘話性の高い通信方式としてスペクトラム拡散通信方式が知られている。スペクトラム拡散通信用の送信機では、例えば、送信すべきディジタルデータを所定長の拡散符号列を用いて広い周波数帯域に拡散して送信する。スペクトラム拡散通信用の受信機では、送信機の拡散符号列と一致する逆拡散符号列を用いて、この逆拡散符号列と受信した拡散信号の拡散符号列との相関をとり、相関ピーク列を得る。相関をとり相関ピーク列を得ることを通常、逆拡散復調と呼ぶ。
【0003】
逆拡散復調には、2つの方式があって、相関信号のピーク列を得て送信機と受信機内の信号発信器との同期を検出して同期捕捉を行ったのち逆拡散復調を行う一連の処理をディジタル処理により行う方式と、これら一連の処理をアナログ信号処理により行う方式とがある。ディジタル信号処理により行う方式には、例えば、スライディング相関器やマッチドフィルタが採用され、これに対して、アナログ信号処理により行う方式には、例えば、表面弾性波コンボルバや表面弾性波マッチドフィルタ等の表面弾性波デバイスが採用されている。
【0004】
従来、スペクトラム拡散通信用の受信機としては、例えば、スペクトラム拡散された拡散信号を受信する受信回路と、受信回路で受信した拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列との相関をとる同期検出回路と、同期検出回路からの相関信号に基づいて受信回路で受信した拡散信号の逆拡散を行う逆拡散回路と、で構成されたものがある。
【0005】
同期検出回路は、例えば、スライディング相関器を有し、送信機の拡散符号列と一致する逆拡散符号列の位相をいわば総当たり方式で順々に調べてゆくものである。すなわち、まず、適当な位相の逆拡散符号列を生成して受信信号と乗積し、これを逆拡散符号列の1周期にわたって積分する。その結果があらかじめ定めてある閾値より大きいときは、そこを同期ポイントと判定して終了するが、閾値を下回ったときは、逆拡散符号列の位相を少しだけ変化させ、再び受信信号と乗積・積分する。こうして逆拡散符号列の1周期分すべてについて検査を行うと、送信機からの信号が届いてれば、必ずどこかで相関ピークを検出することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のスペクトラム拡散通信用の受信機にあっては、マルチパスの影響を考慮に入れた構成となっていないため、受信信号が強いマルチパスの影響を受けると同期がとれなくなる可能性があった。通常、拡散信号は、「0」か「1」のいずれかの値をとるディジタル値であるが、受信信号がマルチパスの影響を受けると、「0」から「1」までの間の中間値をとることとなる。同期検出回路では、このように拡散信号が中間値をとる場合、受信した拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関を正確にとることができず、同期ポイントを検出できなかったり誤検出したりしてしまう。これにより、同期がとれなくなるのである。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、マルチパスの影響によらず、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関を正確にとるのに好適なスペクトラム拡散信号処理装置およびスペクトラム拡散通信システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、スペクトラム拡散信号処理装置は、スペクトラム拡散された拡散信号を処理する装置であって、前記拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列との相関をとる相関処理を、ニューラルネットワークにより行うようになっている。
【0009】
このような構成であれば、ニューラルネットワークにより、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関をとる相関処理が行われる。
【0010】
ここで、ニューラルネットワークは、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関をとるようになっていればどのようなものであってもよく、例えば、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関度を検出するようになっていてもよいし、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致しているか否かを単に判定するようになっていてもよい。
【0011】
また、スペクトラム拡散通信において、拡散信号は、例えば、公知の疑似ランダム(Pseudorandom(PN))符号語を用いてスペクトラム拡散されている。この符号語は、送信すべき情報に対して演算(すなわち情報に対して排他的OR演算)を行うための、「−1」と「+1」(極)または「1」と「0」(非極)の値を有するチップのシーケンスからなっている。したがって、「0」の情報ビットは、非反転符号語シーケンスとして符号化され、「1」の情報ビットは、反転符号語シーケンスとして符号化される。または、「0」情報ビットを、第1の所定符号語シーケンスとして符号化し、「1」情報ビットを、第2の所定符号語シーケンスとして符号化してもよい。公知の符号としては、例えば、M系列、ゴールド符号(Gold codes)系列および「かさみ」符号系列が知られている。以下、請求項2記載のスペクトラム拡散信号処理装置および請求項6または11記載のスペクトラム拡散通信システムにおいて同じである。
【0012】
さらに、スペクトラム拡散信号処理装置は、スペクトラム拡散された拡散信号を処理する装置であって、前記拡散信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列とが一致するか否かを判定するニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークの出力に基づいて前記受信手段で受信した拡散信号の逆拡散を行う逆拡散手段と、を備える。
【0013】
このような構成であれば、受信手段により拡散信号が受信されると、ニューラルネットワークにより、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かが判定され、逆拡散手段により、ニューラルネットワークの出力に基づいて、受信された拡散信号が逆拡散される。
【0014】
さらに、本発明に係る請求項1及び2記載のスペクトラム拡散信号処理装置は、上述のいずれかに記載のスペクトラム拡散信号処理装置において、前記ニューラルネットワークは、少なくとも2つの出力層ユニットを有し、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号を入力したときに前記一方の出力層ユニットが発火するように、かつ、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号を入力したときに前記他方の出力層ユニットが発火するように、学習されている。
【0015】
このような構成であれば、受信手段により拡散信号が受信されると、ニューラルネットワークでは、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも第1の情報が符号化されているときは、一方の出力層ユニットが発火し、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも第2の情報が符号化されているときは、他方の出力層ユニットが発火する。
【0016】
ここで、第1の情報および第2の情報とは、例えば、ディジタル信号の「0」、「1」に対応する情報をいう。以下、請求項5記載のスペクトラム拡散通信システムにおいて同じである。
【0017】
さらに、本発明に係る請求項3記載のスペクトラム拡散信号処理装置は、前記ニューラルネットワークは、前記逆拡散符号列の1周期を構成するチップ数の少なくとも2倍の個数の入力層ユニットを有し、前記入力層ユニットを直列に配列して各入力層ユニットにその先頭から順に、前記拡散信号を、当該拡散信号の単位チップあたりの進行時間ずつ遅延させて入力するようになっている。
【0018】
このような構成であれば、受信手段により拡散信号が受信されると、ニューラルネットワークでは、入力層ユニットを直列に配列して各入力層ユニットにその先頭から順に、受信された拡散信号が、その拡散信号の単位チップあたりの進行時間ずつ遅延させられて入力される。
【0019】
例えば、拡散信号の単位チップあたりの進行時間をTとし、入力層ユニットが3つであるとすると、先頭の入力層ユニットには、拡散信号が遅延なく入力され、2番目の入力層ユニットには、拡散信号がT遅れて入力され、末尾の入力層ユニットには、拡散信号が2T遅れて入力される。したがって、拡散信号を受信してから3T後には、拡散信号に含まれる拡散符号列のうち1番目のチップの値が末尾の入力層ユニットに、2番目のチップの値が2番目の入力層ユニットに、3番目のチップの値が先頭の入力層ユニットに入力される。
【0020】
さらに、本発明に係る請求項4記載のスペクトラム拡散信号処理装置は、上述記載のスペクトラム拡散信号処理装置において、前記逆拡散符号列は、ベーカーコードからなる。
【0021】
このような構成であれば、受信手段により拡散信号が受信されると、ニューラルネットワークにより、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列とベーカーコードからなる逆拡散符号列とが一致するか否かが判定される。
【0022】
ここで、ベーカーコード(Barker code)とは、シーケンス「00011101101」または「+++−−−+−−+−」を有する11個のチップからなっている符号語をいう。
【0023】
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る請求項5記載のスペクトラム拡散通信システムは、少なくとも2つの通信機器間で、スペクトラム拡散された拡散信号により通信を行うスペクトラム拡散通信システムであって、前記一方の通信機器は、前記拡散信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列とが一致するか否かを判定するニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークの出力に基づいて前記受信手段で受信した拡散信号の逆拡散を行う逆拡散手段と、前記ニューラルネットワークを学習させる学習手段と、を備え、前記ニューラルネットワークは、少なくとも2つの出力層ユニットを有し、前記学習手段は、前記ニューラルネットワークを学習させるための学習用信号の送信要求を前記他方の通信機器に発信し、前記受信手段で受信した学習用信号に基づいて、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号を入力したときに前記一方の出力層ユニットが発火するように、かつ、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号を入力したときに前記他方の出力層ユニットが発火するように、前記ニューラルネットワークを学習させるようになっており、前記他方の通信機器は、前記一方の通信機器から前記送信要求を受けたときは、これに応答して前記学習用信号を前記一方の通信機器に送信するようになっている。
【0024】
このような構成であれば、一方の通信機器では、他方の通信機器からの拡散信号が受信手段で受信されると、ニューラルネットワークにより、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かが判定され、逆拡散手段により、ニューラルネットワークの出力に基づいて、受信された拡散信号が逆拡散される。
【0025】
ニューラルネットワークを学習させる場合、一方の通信機器では、学習手段により、学習用信号の送信要求が他方の通信機器に発信される。他方の通信機器では、一方の通信機器から送信要求を受けると、これに応じて学習用信号が一方の通信機器に送信される。
【0026】
一方の通信機器では、学習用信号が受信手段で受信されると、学習手段により、受信された学習用信号に基づいて、ニューラルネットワークの学習が行われる。この学習は、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号を入力したときに一方の出力層ユニットが発火するように、かつ、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号を入力したときに他方の出力層ユニットが発火するように、行われる。
【0027】
学習の結果、一方の通信機器では、他方の通信機器からの拡散信号が受信手段で受信されると、ニューラルネットワークでは、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも第1の情報が符号化されているときは、一方の出力層ユニットが発火し、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも第2の情報が符号化されているときは、他方の出力層ユニットが発火する。
【0028】
ここで、学習用信号としては、例えば、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号や、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号が挙げられる。学習用信号は、少なくともこのいずれか一方を含むことが好ましい。
【0029】
さらに、本発明に係る請求項6記載のスペクトラム拡散通信システムは、請求項5記載のスペクトラム拡散通信システムにおいて、前記学習手段は、前記ニューラルネットワークに前記拡散信号を入力しているにもかかわらず、前記一方の出力層ユニットおよび前記他方の出力層ユニットのいずれも発火しないとき、または前記一方の出力層ユニットおよび前記他方の出力層ユニットのいずれも発火したときは、前記ニューラルネットワークを学習させるようになっている。
【0030】
このような構成であれば、学習手段により、ニューラルネットワークに拡散信号が入力されているにもかかわらず、一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火しないとき、または一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火したときは、ニューラルネットワークの学習が行われる。
【0031】
さらに、本発明に係る請求項7記載のスペクトラム拡散通信システムは、請求項5および6のいずれかに記載のスペクトラム拡散通信システムにおいて、前記学習用信号は、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号と、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号と、を含む。
【0032】
このような構成であれば、一方の通信機器では、学習手段により、学習用信号の送信要求が他方の通信機器に発信される。他方の通信機器では、一方の通信機器から送信要求を受けると、これに応じて学習用信号が一方の通信機器に送信される。
【0033】
一方の通信機器では、学習用信号が受信手段で受信されると、学習手段により、受信された学習用信号であって、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号、および逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号に基づいて、ニューラルネットワークの学習が行われる。
【0034】
さらに、本発明に係る請求項9記載のスペクトラム拡散通信システムは、請求項7記載のスペクトラム拡散通信システムにおいて、前記学習手段は、前記学習用信号のうち前記第1の情報を示す拡散信号を入力して前記一方の出力層ユニットが発火するように、かつ、前記学習用信号のうち前記第2の情報を示す拡散信号を入力して前記他方の出力層ユニットが発火するように、前記ニューラルネットワークを学習するようになっている。
【0035】
このような構成であれば、一方の通信機器では、学習用信号が受信手段で受信されると、学習手段により、受信された学習用信号のうち第1の情報を示す拡散信号が入力され、これに応じて一方の出力層ユニットが発火するように、かつ、受信された学習用信号のうち第2の情報を示す拡散信号が入力され、これに応じて他方の出力層ユニットが発火するように、ニューラルネットワークの学習が行われる。
【0036】
さらに、本発明に係る請求項9記載のスペクトラム拡散通信システムは、請求項8記載のスペクトラム拡散通信システムにおいて、前記学習手段は、前記学習用信号のうち前記第1の情報を示す拡散信号を、前記逆拡散符号列の1周期を構成するチップ数に達しない範囲で時間軸方向に所定チップシフトした信号、および、前記学習用信号のうち前記第2の情報を示す拡散信号を、前記逆拡散符号列の1周期を構成するチップ数に達しない範囲で時間軸方向に所定チップシフトした信号をそれぞれ入力して、前記一方の出力層ユニットおよび前記他方の出力層ユニットのいずれも発火しないように、前記ニューラルネットワークを学習するようになっている。
【0037】
このような構成であれば、一方の通信機器では、学習用信号が受信手段で受信されると、学習手段により、学習用信号のうち第1の情報を示す拡散信号が時間軸方向に所定チップシフトされるとともに、学習用信号のうち第2の情報を示す拡散信号が時間軸方向に所定チップシフトされ、シフトされた信号がそれぞれ入力され、これに応じて一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火しないように、ニューラルネットワークの学習が行われる。
【0038】
さらに、少なくとも2つの通信機器間で、スペクトラム拡散された拡散信号により通信を行うスペクトラム拡散通信システムであって、前記一方の通信機器は、前記拡散信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列とが一致するか否かを判定するニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークの出力に基づいて前記受信手段で受信した拡散信号の逆拡散を行う逆拡散手段と、前記ニューラルネットワークに入力する拡散信号を補正する補正手段と、を備え、前記ニューラルネットワークは、少なくとも2つの出力層ユニットを有し、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号を入力したときに前記一方の出力層ユニットが発火するように、かつ、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号を入力したときに前記他方の出力層ユニットが発火するように、学習されており、前記補正手段は、前記ニューラルネットワークを学習させるための学習用信号の送信要求を前記他方の通信機器に発信し、前記受信手段で受信した学習用信号と、前記ニューラルネットワークの学習時に用いた学習用信号との差分を算出し、前記ニューラルネットワークに入力する拡散信号から前記算出した差分を減算するようになっており、前記他方の通信機器は、前記一方の通信機器から前記送信要求を受けたときは、これに応答して前記学習用信号を前記一方の通信機器に送信することもできる。
【0039】
このような構成であれば、一方の通信機器では、他方の通信機器からの拡散信号が受信手段で受信されると、補正手段により、受信された拡散信号が補正され、ニューラルネットワークにより、補正された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かが判定され、逆拡散手段により、ニューラルネットワークの出力に基づいて、受信された拡散信号が逆拡散される。
【0040】
ニューラルネットワークに入力する拡散信号を補正する場合、一方の通信機器では、補正手段により、学習用信号の送信要求が他方の通信機器に発信される。他方の通信機器では、一方の通信機器から送信要求を受けると、これに応じて学習用信号が一方の通信機器に送信される。
【0041】
一方の通信機器では、学習用信号が受信手段で受信されると、補正手段により、受信された学習用信号と、ニューラルネットワークの学習時に用いた学習用信号との差分が算出される。そして、以後、受信された拡散信号からその差分が減算されてニューラルネットワークに入力される。
【0042】
さらに、上述のスペクトラム拡散通信システムは、前記補正手段は、前記ニューラルネットワークに前記拡散信号を入力しているにもかかわらず、前記一方の出力層ユニットおよび前記他方の出力層ユニットのいずれも発火しないとき、または前記一方の出力層ユニットおよび前記他方の出力層ユニットのいずれも発火したときは、前記差分を算出するようになっている。
【0043】
このような構成であれば、補正手段により、ニューラルネットワークに拡散信号が入力されているにもかかわらず、一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火しないとき、または一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火したときは、拡散信号を補正するための差分が算出される。
【0044】
さらに、上述のスペクトラム拡散通信システムは、前記学習用信号は、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第1の情報を示す拡散信号と、前記逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された第2の情報を示す拡散信号と、を含む。
【0045】
このような構成であれば、一方の通信機器では、補正手段により、学習用信号の送信要求が他方の通信機器に発信される。他方の通信機器では、一方の通信機器から送信要求を受けると、これに応じて学習用信号が一方の通信機器に送信される。
【0046】
一方の通信機器では、学習用信号が受信手段で受信されると、補正手段により、受信された学習用信号のうち第1の情報を示す拡散信号と、ニューラルネットワークの学習時に用いた学習用信号のうち第1の情報を示す拡散信号との差分、および、受信された学習用信号のうち第2の情報を示す拡散信号と、ニューラルネットワークの学習時に用いた学習用信号のうち第2の情報を示す拡散信号との差分が算出される。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1ないし図6は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0048】
この第1の実施の形態は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を、図1に示すように、移動通信機器100a,100bと基地局200a,200bとの間でスペクトラム拡散通信により通信を行う通信システムにおいて、移動通信機器100a,100bで、スペクトラム拡散された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列との相関をとる相関処理をニューラルネットワークにより行う場合であって、特に、基地局200a,200bとの通信中にニューラルネットワークを再学習させる場合について適用したものである。
【0049】
まず、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を適用する通信システムの構成を図1を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を適用する通信システムの構成を示す図である。
【0050】
図1において、携帯電話等の移動可能な移動通信機器100a,100bと、固定局として設置された基地局200a,200bとは、無線によるスペクトラム拡散通信により、拡散信号を送受信するようになっている。なお、発明の理解を容易にするため、図1には、移動通信機器100a,100bおよび基地局200a,200bをそれぞれ2つしか示していないが、実際には、さらに多数の移動通信機器および基地局が存在している。
【0051】
各基地局200a,200bは、その通信範囲内にある移動通信機器100a,100bと拡散信号を送受信するようになっている。例えば、基地局200aと基地局200bは、それぞれ信号到達範囲300と310とを有する。図1の例では、基地局200aは、移動通信機器100aと通信し、基地局200bは、移動通信機器100bと通信する。
【0052】
また、移動通信機器100a,100bと基地局200a,200bとは、11チップで構成したベーカーコードによりスペクトラム拡散した拡散信号を送受信するようになっている。ここで、ベーカーコードは、シーケンス「00011101101」または「+++−−−+−−+−」を有する11個のチップからなっている符号語である。
【0053】
次に、移動通信機器100a,100bの構成を図2を参照しながら説明する。図2は、移動通信機器100aの構成を示すブロック図である。なお、移動通信機器100a,100bは、いずれも同一機能を有して構成されているため、ここでは、移動通信機器100aの構成のみを説明し、移動通信機器100bについては説明を省略する。
【0054】
移動通信機器100aは、図2に示すように、アンテナ5と、アンテナ5を介して拡散信号を受信する受信回路10と、受信回路10で受信した拡散信号を増幅する増幅器12と、増幅器12で増幅した拡散信号のうち所定周波数成分のみ通過させるバンドパスフィルタ14と、バンドパスフィルタ14を通過した拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関をとる逆拡散部110と、アンテナ5を介して基地局200a,200bに拡散信号を送信する送信回路30と、で構成されている。
【0055】
逆拡散部110は、バンドパスフィルタ14を通過した拡散信号を検波する検波回路16と、検波回路16で検波した拡散信号に含まれる拡散符号列とベーカーコードからなる逆拡散符号列とが一致するか否かをニューラルネットワークにより判定する相関判定回路18と、相関判定回路18の出力に基づいて逆拡散を行う逆拡散回路20と、相関判定回路18のニューラルネットワークを学習させる学習回路22と、で構成されている。
【0056】
次に、相関判定回路18の構成を図3を参照しながら説明する。図3は、相関判定回路18の構成を示すブロック図である。
【0057】
相関判定回路18は、図3に示すように、検波回路16で検波した拡散信号をディジタルデータとして格納するシフトレジスタ50と、3層パーセプトロン型のニューラルネットワーク52と、で構成されている。ニューラルネットワーク52は、シフトレジスタ50のデータを入力する複数の入力層ユニットPi1〜Pi22を有する入力層54と、入力層54の出力信号を入力する複数の中間層ユニットPm1〜Pm22を有する中間層56と、中間層56の出力信号を入力する2つの出力層ユニットPo1,Po2を有する出力層58と、で構成されており、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号(すなわち、ベーカコードそのもの)を入力したときに出力層ユニットPo1が発火するように、かつ、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「1」のデータを示す拡散信号(すなわち、ベーカコードの各ビットを反転したもの)を入力したときに出力層ユニットPo2が発火するように、学習されている。また、逆拡散符号列と一致しない拡散符号列を含む拡散信号を入力したときに出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しないように、学習されている。
【0058】
シフトレジスタ50は、ベーカーコードを構成するチップ数の2倍の個数(すなわち11個)のビットデータをそれぞれ格納する記憶領域b1〜b22を有し、拡散信号の単位チップあたりの進行時間ごとに、記憶領域b1〜b21のビットデータをそれぞれ右隣の記憶領域b2〜b22にシフトするとともに、検波回路16で検波した拡散信号を1チップずつ記憶領域1に格納するようになっている。また、この動作と同時に、各記憶領域b1〜b22のビットデータを入力層ユニットPi1〜Pi22に出力するようになっている。
【0059】
入力層54は、ベーカーコードを構成するチップ数の2倍の個数(すなわち11個)の入力層ユニットPi1〜Pi22を有し、各入力層ユニットPi1〜Pi22は、シフトレジスタ50の記憶領域b1〜b22からビットデータを入力し、入力したビットデータが「0」であるときは、発火しないが、入力したビットデータが「1」であるときは、発火して「1」の値を示すパルス信号を中間層56に出力するようになっている。
【0060】
中間層56は、適当な個数(例えば22個)の中間層ユニットPm1〜Pm22を有し、各中間層ユニットPm1〜Pm22は、学習により重み付けされたシナプス信号線を介して入力層ユニットPi1〜Pi22と接続しており、入力層ユニットPi1〜Pi22の出力信号の値にシナプス信号線の重みを乗じたものを入力し、入力した出力信号の値を総和したものが所定の閾値未満であるときは、発火しないが、入力した出力信号の値を総和したものが所定の閾値以上であるときは、発火して「1」の値を示すパルス信号を出力層58に出力するようになっている。
【0061】
出力層58は、2つの出力層ユニットPo1,Po2を有し、各出力層ユニットPo1,Po2は、学習により重み付けされたシナプス信号線を介して中間層ユニットPm1〜Pm22と接続しており、中間層ユニットPm1〜Pm22の出力信号の値にシナプス信号線の重みを乗じたものを入力し、入力した出力信号の値を総和したものが所定の閾値未満であるときは、発火しないが、入力した出力信号の値を総和したものが所定の閾値以上であるときは、発火して「1」の値を示すパルス信号を逆拡散回路20に出力するようになっている。
【0062】
一方、逆拡散回路20は、シフトレジスタ50の動作周期と同期して、ニューラルネットワーク52の出力層ユニットPo1,Po2から出力信号を入力し、入力した出力信号に基づいて、出力層ユニットPo1のみが発火しているか否かを判定し、出力層ユニットPo1のみが発火していると判定されたときは、復号化データとして「0」のデータを出力するようになっている。また同時に、入力した出力信号に基づいて、出力層ユニットPo2のみが発火しているか否かを判定し、出力層ユニットPo2のみが発火していると判定されたときは、復号化データとして「1」のデータを出力するようになっている。
【0063】
次に、学習回路22の構成を図4を参照しながら説明する。図4は、学習回路22の構成を示すブロック図である。
【0064】
学習回路22は、図4に示すように、例えば、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU60と、所定領域にあらかじめCPU60の制御プログラム等を格納しているROM62と、ROM62等から読み出したデータやCPU60の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM64と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F68と、で構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス69で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0065】
I/F68には、外部装置として、検波回路16と、相関判定回路18と、送信回路30と、が接続されている。すなわち、I/F68は、検波回路16で検波した拡散信号と、ニューラルネットワーク52の出力層ユニットPo1,Po2の出力信号と、を入力し、ニューラルネットワーク52を学習させるための学習用信号の送信要求を送信回路30に、学習用信号を相関判定回路18に出力するようになっている。
【0066】
CPU60は、マイクロプロセッシングユニットMPU等からなり、電源が投入されたときは、ROM62の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図5のフローチャートに示す学習処理を実行するようになっている。図5は、学習処理を示すフローチャートである。
【0067】
学習処理は、基地局200a,200bとの通信中にニューラルネットワーク52を再学習させる処理であって、CPU60で実行されると、図5に示すように、まず、ステップS100に移行する。
【0068】
ステップS100では、シフトレジスタ50の動作周期と同期して、ニューラルネットワーク52の出力層ユニットPo1,Po2から出力信号を入力し、ステップS102に移行して、入力した出力信号に基づいて、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しているか否かを判定し、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火していると判定されたとき(Yes)は、ステップS104に移行する。
【0069】
ステップS104では、拡散信号の送信停止要求を送信回路30に出力することにより基地局200a,200bに発信し、ステップS106に移行して、ニューラルネットワーク52を学習させるための学習用信号の送信要求を送信回路30に出力することにより基地局200a,200bに発信し、ステップS108に移行して、受信回路10で学習用信号を受信することにより検波回路16から学習用信号を入力する。ここで、学習用信号は、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号と、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「1」のデータを示す拡散信号と、を含む。
【0070】
次いで、ステップS110に移行して、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との相関度を算出し、ステップS112に移行して、算出した相関度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、相関度が所定の閾値以上であると判定されたとき(Yes)は、ステップS114に移行する。
【0071】
ステップS114では、学習用信号をニューラルネットワーク52に出力することにより、学習用信号に基づいてニューラルネットワーク52を学習させる。この学習は、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号を入力して出力層ユニットPo1が発火するように、かつ、学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号を入力して出力層ユニットPo2が発火するように、行う。また、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号を時間軸方向にnチップ(n=1,2,…,10)シフトした信号、および、学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号を時間軸方向にnチップシフトした信号をそれぞれ入力して、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しないように、行う。なお、学習の方法としては、例えば、バックプロパゲーション等の従来の学習方法を採用することができる。
【0072】
次いで、ステップS116に移行して、拡散信号の送信再開要求を送信回路30に出力することにより基地局200a,200bに発信し、ステップS100に移行する。
【0073】
一方、ステップS112で、算出した相関度が所定の閾値未満であると判定されたとき(No)は、ステップS106に移行する。
【0074】
一方、ステップS102で、出力層ユニットPo1,Po2のいずれか一方または両方が発火していないと判定されたとき(No)は、ステップS100に移行する。
【0075】
次に、基地局200a,200bの構成を図6を参照しながら説明する。図6は、基地局200aの構成を示すブロック図である。なお、基地局200a,200bは、いずれも同一機能を有して構成されているため、ここでは、基地局200aの構成のみを説明し、基地局200bについては説明を省略する。
【0076】
基地局200aは、図6に示すように、アンテナ75と、アンテナ75を介して拡散信号を受信する受信回路80と、移動通信機器100a,100bとの通信制御を行う通信制御装置82と、アンテナ75を介して移動通信機器100a,100bに拡散信号を送信する送信回路84と、で構成されている。
【0077】
通信制御装置82は、図示しないが、移動通信機器100a,100bにおける増幅器12、バンドパスフィルタ14、逆拡散部110と同一の構成を含んでおり、受信回路80で学習用信号の送信要求を受信したときは、これに応答してその送信要求を発信した移動通信機器100a,100bに学習用信号を送信するようになっている。また、受信回路80で拡散信号の送信停止要求を受信したときは、これに応答してその送信要求を発信した移動通信機器100a,100bに対して拡散信号の送信を停止し、受信回路80で拡散信号の送信再開要求を受信したときは、これに応答してその送信要求を発信した移動通信機器100a,100bに対して拡散信号の送信を再開するようになっている。
【0078】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
【0079】
例えば、移動通信機器100aと基地局200aとの間で通信が開始されることにより、基地局200aから移動通信機器100aに拡散信号が送信された場合を説明する。
【0080】
移動通信機器100aでは、基地局200aからの拡散信号が受信回路10で受信されると、増幅器12、バンドパスフィルタ14および検波回路16を介して、受信された拡散信号が相関判定回路18に入力される。
【0081】
相関判定回路18では、拡散信号が入力されると、シフトレジスタ50により、拡散信号の単位チップあたりの進行時間ごとに、記憶領域b1〜b21のビットデータがそれぞれ右隣の記憶領域b2〜b22にシフトされるとともに、入力された拡散信号が1チップずつ記憶領域1に格納され、この動作と同時に、各記憶領域b1〜b22のビットデータが入力層ユニットPi1〜Pi22に出力される。ニューラルネットワーク52では、入力された拡散信号が入力層54、中間層56および出力層58により処理され、その結果、入力された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも「0」のデータが符号化されているときは、出力層ユニットPo1が発火し、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも「1」のデータが符号化されているときは、出力層ユニットPo2が発火する。
【0082】
逆拡散回路20では、出力層ユニットPo1が発火することによりパルス信号が入力されると、復号化データとして「0」のデータが出力される。また、出力層ユニットPo2が発火することによりパルス信号が入力されると、復号化データとして「1」のデータが出力される。
【0083】
したがって、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo1が発火し、逆拡散回路20から復号化データとして「0」のデータが出力されるので、拡散信号と同期すべき同期ポイントで拡散信号が逆拡散される。また、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により「1」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo2が発火し、逆拡散回路20から復号化データとして「1」のデータが出力されるので、同様に、拡散信号と同期すべき同期ポイントで拡散信号が逆拡散される。
【0084】
なお、逆拡散符号列と一致しない拡散符号列を含む拡散信号が受信されても、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しないので、拡散信号と同期すべきでないポイントで拡散信号の逆拡散が行われることはない。
【0085】
次に、移動通信機器100aが移動等することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合に、ニューラルネットワーク52を再学習させる場合を説明する。
【0086】
出力層ユニットPo1,Po2は、ニューラルネットワーク52に拡散信号が入力されているときは、いずれか一方が必ず発火するか、いずれも発火しない。しかし、移動通信機器100aが移動等することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合は、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火することがある。そこで、出力層ユニットPo1,Po2の発火状態を判定することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなったことを判定する。
【0087】
移動通信機器100aでは、CPU60により、ステップS100〜S106を経て、ニューラルネットワーク52に拡散信号が入力されているにもかかわらず、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しているときは、拡散信号の送信停止要求が基地局200aに発信され、学習用信号の送信要求が基地局200aに発信される。
【0088】
基地局200aでは、拡散信号の送信停止要求が受信回路80で受信されると、通信制御装置82により、移動通信機器100aに対して拡散信号の送信が停止され、次いで、学習用信号の送信要求が受信回路80で受信されると、移動通信機器100aに学習用信号が送信される。
【0089】
移動通信機器100aでは、受信回路10で学習用信号が受信されると、CPU60により、ステップS108,S110を経て、受信された学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との相関度が算出される。ここで、算出された相関度が所定の閾値以上であるとすると、ステップS114,S116を経て、受信された学習用信号に基づいて、ニューラルネットワーク52の学習が行われ、拡散信号の送信再開要求が基地局200aに発信される。この学習は、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号を入力して出力層ユニットPo1が発火するように、かつ、学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号を入力して出力層ユニットPo2が発火するように、行われる。また、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号を時間軸方向にnチップ(n=1,2,…,10)シフトした信号、および、学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号を時間軸方向にnチップシフトした信号をそれぞれ入力して、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しないように、行われる。
【0090】
基地局200aでは、拡散信号の送信再開要求が受信回路80で受信されると、通信制御装置82により、移動通信機器100aに対して拡散信号の送信が再開される。
【0091】
学習の結果、移動通信機器100aでは、拡散信号の送信が再開され、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo1が発火する。また、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「1」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo2が発火する。
【0092】
このようにして、本実施の形態では、移動通信機器100a,100bは、拡散信号を受信する受信回路10と、受信回路10で受信した拡散信号に含まれる拡散符号列とベーカーコードからなる逆拡散符号列とが一致するか否かを判定するニューラルネットワーク52と、ニューラルネットワーク52の出力に基づいて逆拡散を行う逆拡散部110と、を備えた。
【0093】
これにより、ニューラルネットワーク52のもつ柔軟性により、マルチパスの影響を緩和することができるので、従来に比して、マルチパスの影響を受けても、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関を比較的正確にとることができ、同期がとれなくなる可能性を低減することができる。
【0094】
さらに、本実施の形態では、ニューラルネットワーク52は、出力層ユニットPo1,Po2を有し、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号を入力したときに出力層ユニットPo1が発火するように、かつ、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「1」のデータを示す拡散信号を入力したときに出力層ユニットPo1が発火するように、学習されている。
【0095】
これにより、ニューラルネットワーク52に拡散信号を入力しているにもかかわらず、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火したときは、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなったことを判定することができる。
【0096】
さらに、本実施の形態では、ニューラルネットワーク52は、ベーカコードを構成するチップ数の2倍の個数の入力層ユニットPi1〜Pi22を有し、入力層ユニットPi1〜Pi22を直列に配列して各入力層ユニットPi1〜Pi22にその先頭から順に、受信した拡散信号を、その拡散信号の単位チップあたりの進行時間ずつ遅延させて入力するようにした。
【0097】
これにより、拡散信号の単位チップあたりの進行時間ごとに、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを判定することができる。
【0098】
さらに、本実施の形態では、学習回路22は、学習用信号の送信要求を基地局200a,200bに発信し、受信回路10で受信した学習用信号に基づいて、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号を入力したときに出力層ユニットPo1が発火するように、かつ、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「1」のデータを示す拡散信号を入力したときに出力層ユニットPo2が発火するように、ニューラルネットワーク52を学習させるようにした。
【0099】
これにより、移動通信機器100aが移動等することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなっても、ニューラルネットワーク52を再学習することにより、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを再び正確に判定することができるようになる。したがって、受信状態の変化に対して強い受信機を構成することができる。
【0100】
さらに、本実施の形態では、学習回路22は、ニューラルネットワーク52に拡散信号を入力しているにもかかわらず、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火したときは、ニューラルネットワーク52を学習させるようにした。
【0101】
これにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合にのみ、ニューラルネットワーク52の再学習が行われるので、ニューラルネットワーク52の再学習により通信が中断されることが少なくなり、効率よく通信を行うことができる。
【0102】
さらに、本実施の形態では、学習回路22は、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号を入力して出力層ユニットPo1が発火するように、かつ、学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号を入力して出力層ユニットPo2が発火するように、ニューラルネットワーク52を学習するようにした。
【0103】
これにより、マルチパスの影響を度合いに応じてニューラルネットワーク52を適切に学習させることができる。
【0104】
さらに、本実施の形態では、学習回路22は、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号を時間軸方向にnチップ(n=1,2,…,10)シフトした信号、および、学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号を時間軸方向にnチップシフトした信号をそれぞれ入力して、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しないように、ニューラルネットワーク52を学習するようにした。
【0105】
これにより、マルチパスの影響を度合いに応じてニューラルネットワーク52をさらに適切に学習させることができる。
【0106】
上記第1の実施の形態において、受信回路10は、請求項2または6記載の受信手段に対応し、逆拡散部110は、請求項2または6記載の逆拡散手段に対応し、移動通信機器100a、100bは、請求項6記載の一方の通信機器に対応し、基地局200a,200bは、請求項6記載の他方の通信機器に対応し、学習回路22は、請求項6ないし9記載の学習手段に対応している。
【0107】
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図7ないし図9は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置の第2の実施の形態を示す図である。
【0108】
この第2の実施の形態は、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を、図1に示すように、基地局200a,200bと移動通信機器100a,100bとの間でスペクトラム拡散通信により通信を行う通信システムにおいて、移動通信機器100a,100bで、スペクトラム拡散された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列との相関をとる相関処理をニューラルネットワークにより行う場合であって、特に、基地局200a,200bとの通信中にニューラルネットワークに入力する拡散信号を補正する場合について適用したものである。
【0109】
まず、移動通信機器100a,100bの構成を図7を参照しながら説明する。図7は、移動通信機器100aの構成を示すブロック図である。なお、移動通信機器100a,100bは、いずれも同一機能を有して構成されているため、ここでは、移動通信機器100aの構成のみを説明し、移動通信機器100bについては説明を省略する。
【0110】
移動通信機器100aは、図7に示すように、上記第1の実施の形態における学習回路22に代えて、相関判定回路18に入力する拡散信号を補正する補正回路23を設けて構成されている。
【0111】
次に、補正回路23の構成を図8を参照しながら説明する。図8は、補正回路23の構成を示すブロック図である。
【0112】
補正回路23は、図8に示すように、例えば、制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU90と、所定領域にあらかじめCPU90の制御プログラム等を格納しているROM92と、ROM92等から読み出したデータやCPU90の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM94と、外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F98と、で構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス99で相互にかつデータ授受可能に接続されている。
【0113】
I/F98には、外部装置として、検波回路16と、相関判定回路18と、送信回路30と、が接続されている。すなわち、I/F98は、検波回路16で検波した拡散信号と、ニューラルネットワーク52の出力層ユニットPo1,Po2の出力信号と、を入力し、ニューラルネットワーク52を学習させるための学習用信号の送信要求を送信回路30に、入力した拡散信号を補正したものを相関判定回路18に出力するようになっている。
【0114】
CPU90は、マイクロプロセッシングユニットMPU等からなり、電源が投入されたときは、ROM92の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、図9のフローチャートに示す補正処理を実行するようになっている。図9は、補正処理を示すフローチャートである。
【0115】
補正処理は、基地局200a,200bとの通信中にニューラルネットワーク52に入力する拡散信号を補正する処理であって、CPU90で実行されると、図9に示すように、まず、ステップS200に移行する。
【0116】
ステップS200では、検波回路16で検波した拡散信号からステップS216で算出する差分を減算することにより補正し、補正した拡散信号をシフトレジスタ50に出力する。ただし、この差分は、初期値として「0」が設定されている。すなわち、ステップS206以降をまだ一度も実行していない初期状態では、検波回路16で検波した拡散信号をそのままシフトレジスタ50に出力する。
【0117】
次いで、ステップS202に移行して、シフトレジスタ50の動作周期と同期して、ニューラルネットワーク52の出力層ユニットPo1,Po2から出力信号を入力し、ステップS204に移行して、入力した出力信号に基づいて、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しているか否かを判定し、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火していると判定されたとき(Yes)は、ステップS206に移行する。
【0118】
ステップS206では、拡散信号の送信停止要求を送信回路30に出力することにより基地局200a,200bに発信し、ステップS208に移行して、ニューラルネットワーク52を学習させるための学習用信号の送信要求を送信回路30に出力することにより基地局200a,200bに発信し、ステップS210に移行して、受信回路10で学習用信号を受信することにより検波回路16から学習用信号を入力する。ここで、学習用信号は、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号と、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「1」のデータを示す拡散信号と、を含む。
【0119】
次いで、ステップS212に移行して、学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との相関度を算出し、ステップS214に移行して、算出した相関度が所定の閾値以上であるか否かを判定し、相関度が所定の閾値以上であると判定されたとき(Yes)は、ステップS216に移行する。
【0120】
ステップS216では、受信した学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と、ニューラルネットワーク52の学習時に用いた学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号との差分、および、受信した学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号と、ニューラルネットワーク52の学習時に用いた学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との差分を算出し、ステップS218に移行して、拡散信号の送信再開要求を送信回路30に出力することにより基地局200a,200bに発信し、ステップS200に移行する。
【0121】
一方、ステップS214で、算出した相関度が所定の閾値未満であると判定されたとき(No)は、ステップS208に移行する。
【0122】
一方、ステップS204で、出力層ユニットPo1,Po2のいずれか一方または両方が発火していないと判定されたとき(No)は、ステップS200に移行する。
【0123】
次に、上記第2の実施の形態の動作を説明する。
【0124】
例えば、移動通信機器100aと基地局200aとの間で通信が開始されることにより、基地局200aから移動通信機器100aに拡散信号が送信された場合を説明する。
【0125】
移動通信機器100aでは、基地局200aからの拡散信号が受信回路10で受信されると、増幅器12、バンドパスフィルタ14および検波回路16を介して、受信された拡散信号が補正回路23に入力される。補正回路23では、ステップS206以降をまだ一度も実行していない初期状態であるので、入力された拡散信号がそのまま相関判定回路18に出力される。
【0126】
相関判定回路18では、拡散信号が入力されると、シフトレジスタ50により、拡散信号の単位チップあたりの進行時間ごとに、記憶領域b1〜b21のビットデータがそれぞれ右隣の記憶領域b2〜b22にシフトされるとともに、入力された拡散信号が1チップずつ記憶領域1に格納され、この動作と同時に、各記憶領域b1〜b22のビットデータが入力層ユニットPi1〜Pi22に出力される。ニューラルネットワーク52では、入力された拡散信号が入力層54、中間層56および出力層58により処理され、その結果、入力された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも「0」のデータが符号化されているときは、出力層ユニットPo1が発火し、受信された拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致ししかも「1」のデータが符号化されているときは、出力層ユニットPo2が発火する。
【0127】
逆拡散回路20では、出力層ユニットPo1が発火することによりパルス信号が入力されると、復号化データとして「0」のデータが出力される。また、出力層ユニットPo2が発火することによりパルス信号が入力されると、復号化データとして「1」のデータが出力される。
【0128】
したがって、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo1が発火し、逆拡散回路20から復号化データとして「0」のデータが出力されるので、拡散信号と同期すべき同期ポイントで拡散信号が逆拡散される。また、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により「1」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo2が発火し、逆拡散回路20から復号化データとして「1」のデータが出力されるので、同様に、拡散信号と同期すべき同期ポイントで拡散信号が逆拡散される。
【0129】
なお、逆拡散符号列と一致しない拡散符号列を含む拡散信号が受信されても、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しないので、拡散信号と同期すべきでないポイントで拡散信号の逆拡散が行われることはない。
【0130】
次に、移動通信機器100aが移動等することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合に、ニューラルネットワーク52に入力する拡散信号を補正する場合を説明する。
【0131】
出力層ユニットPo1,Po2は、ニューラルネットワーク52に拡散信号が入力されているときは、いずれか一方が必ず発火するか、いずれも発火しない。しかし、移動通信機器100aが移動等することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合は、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火することがある。そこで、出力層ユニットPo1,Po2の発火状態を判定することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなったことを判定する。
【0132】
移動通信機器100aでは、CPU90により、ステップS200〜S208を経て、ニューラルネットワーク52に拡散信号が入力されているにもかかわらず、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火しているときは、拡散信号の送信停止要求が基地局200aに発信され、学習用信号の送信要求が基地局200aに発信される。
【0133】
基地局200aでは、拡散信号の送信停止要求が受信回路80で受信されると、通信制御装置82により、移動通信機器100aに対して拡散信号の送信が停止され、次いで、学習用信号の送信要求が受信回路80で受信されると、移動通信機器100aに学習用信号が送信される。
【0134】
移動通信機器100aでは、受信回路10で学習用信号が受信されると、CPU90により、ステップS210,S212を経て、受信された学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との相関度が算出される。ここで、算出された相関度が所定の閾値以上であるとすると、ステップS216,S218を経て、受信された学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と、ニューラルネットワーク52の学習時に用いた学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号との差分、および、受信された学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号と、ニューラルネットワーク52の学習時に用いた学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との差分が算出され、拡散信号の送信再開要求が基地局200a,200bに発信される。
【0135】
基地局200aでは、拡散信号の送信再開要求が受信回路80で受信されると、通信制御装置82により、移動通信機器100aに対して拡散信号の送信が再開される。
【0136】
移動通信機器100aでは、拡散信号の送信が再開され、基地局200aからの拡散信号が受信回路10で受信されると、増幅器12、バンドパスフィルタ14および検波回路16を介して、受信された拡散信号が補正回路23に入力される。補正回路23では、入力された拡散信号から算出された差分が減算されることにより補正され、補正された拡散信号が相関判定回路18に出力される。これにより、相関判定回路18には、受信された拡散信号が、ニューラルネットワーク52の学習時に入力した拡散信号として補正され入力される。
【0137】
したがって、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により符号化された「0」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo1が発火し、逆拡散回路20から復号化データとして「0」のデータが出力されるので、拡散信号と同期すべき同期ポイントで拡散信号が逆拡散される。また、逆拡散符号列と一致する拡散符号列により「1」のデータを示す拡散信号が受信されると、そのタイミングで出力層ユニットPo2が発火し、逆拡散回路20から復号化データとして「1」のデータが出力されるので、同様に、拡散信号と同期すべき同期ポイントで拡散信号が逆拡散される。
【0138】
このようにして、本実施の形態では、移動通信機器100a,100bは、学習回路22に代えて、相関判定回路18に入力する拡散信号を補正する補正回路23を備え、補正回路23は、ニューラルネットワーク52を学習させるための学習用信号の送信要求を基地局200a,200bに発信し、受信した学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号と、ニューラルネットワーク52の学習時に用いた学習用信号のうち「0」のデータを示す拡散信号との差分、および、受信した学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号と、ニューラルネットワーク52の学習時に用いた学習用信号のうち「1」のデータを示す拡散信号との差分を算出し、ニューラルネットワーク52に入力する拡散信号からその差分を減算するようにした。
【0139】
これにより、移動通信機器100aが移動等することにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなっても、ニューラルネットワーク52への拡散信号を補正することにより、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを再び正確に判定することができるようになる。したがって、受信状態の変化に対して強い受信機を構成することができる。また、ニューラルネットワーク52を再学習させる必要がないので、再学習させる場合に比して、通信が中断されることが少なくなり、効率よく通信を行うことができる。
【0140】
さらに、本実施の形態では、学習回路22は、ニューラルネットワーク52に拡散信号を入力しているにもかかわらず、出力層ユニットPo1,Po2のいずれも発火したときは、拡散信号を補正するための差分を算出するようにした。
【0141】
これにより、ニューラルネットワーク52が、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合にのみ、拡散信号を補正するための差分が算出されるので、差分の算出により通信が中断されることが少なくなり、効率よく通信を行うことができる。
【0142】
上記第2の実施の形態において、受信回路10は、請求項2または11記載の受信手段に対応し、逆拡散部110は、請求項2または11記載の逆拡散手段に対応し、移動通信機器100a、100bは、請求項11記載の一方の通信機器に対応し、基地局200a,200bは、請求項11記載の他方の通信機器に対応し、補正回路23は、請求項11または12記載の補正手段に対応している。
【0143】
なお、上記第1および第2の実施の形態において、図5または図9のフローチャートに示す処理を実行するにあたってはいずれも、ROM62,92にあらかじめ格納されている制御プログラムを実行する場合について説明したが、これに限らず、これらの手順を示したプログラムが記憶された記憶媒体から、そのプログラムをRAM64,94に読み込んで実行するようにしてもよい。
【0144】
ここで、記憶媒体とは、RAM、ROM等の半導体記憶媒体、FD、HD等の磁気記憶型記憶媒体、CD、CDV、LD、DVD等の光学的読取方式記憶媒体、MO等の磁気記憶型/光学的読取方式記憶媒体であって、電子的、磁気的、光学的等の読み取り方法のいかんにかかわらず、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体であれば、あらゆる記憶媒体を含むものである。
【0145】
また、上記第1および第2の実施の形態においては、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を、基地局200a,200bと移動通信機器100a,100bとの間でスペクトラム拡散通信により通信を行う通信システムに適用した場合ついて説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の通信システムにも適用可能である。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置、またはスペクトラム拡散通信システムによれば、ニューラルネットワークのもつ柔軟性により、マルチパスの影響を緩和することができるので、従来に比して、マルチパスの影響を受けても、拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散符号列との相関を比較的正確にとることができ、同期がとれなくなる可能性を低減することができるという効果が得られる。
【0147】
さらに、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置によれば、ニューラルネットワークに拡散信号を入力しているにもかかわらず、一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火しないとき、または一方の出力層ユニットおよび他方の出力層ユニットのいずれも発火したときは、ニューラルネットワークが、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなったことを判定することができるという効果も得られる。
【0148】
さらに、本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置によれば、拡散信号の単位チップあたりの進行時間ごとに、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを判定することができるという効果も得られる。
【0149】
さらに、本発明に係るスペクトラム拡散通信システムによれば、通信機器が移動等することにより、ニューラルネットワークが、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなっても、ニューラルネットワークを再学習することにより、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを再び正確に判定することができるようになり、したがって、受信状態の変化に対して強い受信機を構成することができるという効果も得られる。
【0150】
さらに、本発明に係るスペクトラム拡散通信システムによれば、ニューラルネットワークが、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合にのみ、ニューラルネットワークの再学習が行われるので、ニューラルネットワークの再学習により通信が中断されることが少なくなり、効率よく通信を行うことができるという効果も得られる。
【0151】
さらに、本発明に係るスペクトラム拡散通信システムによれば、マルチパスの影響を度合いに応じてニューラルネットワークを適切に学習させることができるという効果も得られる。
【0152】
さらに、本発明に係るスペクトラム拡散通信システムによれば、マルチパスの影響を度合いに応じてニューラルネットワークをさらに適切に学習させることができるという効果も得られる。
【0153】
さらに、第2の実施の形態に係るスペクトラム拡散通信システムによれば、通信機器が移動等することにより、ニューラルネットワークが、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなっても、ニューラルネットワークへの拡散信号を補正することにより、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを再び正確に判定することができるようになり、したがって、受信状態の変化に対して強い受信機を構成することができるという効果も得られる。さらには、ニューラルネットワークを再学習させる必要がないので、再学習させる場合に比して、通信が中断されることが少なくなり、効率よく通信を行うことができるという効果も得られる。
【0154】
さらに、ニューラルネットワークが、拡散符号列と逆拡散符号列とが一致するか否かを正確に判定できなくなった場合にのみ、拡散信号を補正するための差分が算出されるので、差分の算出により通信が中断されることが少なくなり、効率よく通信を行うことができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスペクトラム拡散信号処理装置を適用する通信システムの構成を示す図である。
【図2】 移動通信機器100aの構成を示すブロック図である。
【図3】 相関判定回路18の構成を示すブロック図である。
【図4】 学習回路22の構成を示すブロック図である。
【図5】 学習処理を示すフローチャートである。
【図6】 基地局200aの構成を示すブロック図である。
【図7】 移動通信機器100aの構成を示すブロック図である。
【図8】 補正回路23の構成を示すブロック図である。
【図9】 補正処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100a,100b 移動通信機器
10,82 受信回路
110 逆拡散部
16 検波回路
18 相関判定回路
52 ニューラルネットワーク
i1〜Pi22 入力層ユニット
m1〜Pm22 中間層ユニット
o1,Po2 出力層ユニット
20 逆拡散回路
22 学習回路
23 補正回路
30,84 送信回路
200a,200b 基地局
82 通信制御装置

Claims (9)

  1. スペクトラム拡散された拡散信号を処理する装置であって、
    前記拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列との相関をとる相関処理を、ニューラルネットワークにより行い、
    前記ニューラルネットワークは、少なくとも2つの出力層ユニットを有し、
    前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第1の情報を示す前記拡散信号を入力したときに一方の前記出力層ユニットが発火するように、且つ、前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第2の情報を示す前記拡散信号を入力したときに他方の前記出力層ユニットが発火するように、学習されていることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  2. スペクトラム拡散された拡散信号を処理する装置であって、
    前記拡散信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列とが一致するか否かを判定するニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークの出力に基づいて前記受信手段で受信した前記拡散信号の逆拡散を行う逆拡散手段と、を備え、
    前記ニューラルネットワークは、少なくとも2つの出力層ユニットを有し、
    前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第1の情報を示す前記拡散信号を入力したときに一方の前記出力層ユニットが発火するように、且つ、前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第2の情報を示す前記拡散信号を入力したときに他方の前記出力層ユニットが発火するように、学習されていることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  3. 請求項1乃至2のいずれかにおいて、
    前記ニューラルネットワークは、前記逆拡散符号列の1周期を構成するチップ数の少なくとも2倍の個数の入力層ユニットを有し、
    前記入力層ユニットを直列に配列して各入力層ユニットにその先頭から順に、前記拡散信号を、当該拡散信号の単位チップあたりの進行時間ずつ遅延させて入力するようになっていることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記逆拡散符号列は、ベーカーコードからなることを特徴とするスペクトラム拡散信号処理装置。
  5. 少なくとも2つの通信機器間で、スペクトラム拡散された拡散信号により通信を行うスペクトラム拡散通信システムであって、
    一方の前記通信機器は、前記拡散信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記拡散信号に含まれる拡散符号列と逆拡散を行うための逆拡散符号列とが一致するか否かを判定するニューラルネットワークと、前記ニューラルネットワークの出力に基づいて前記受信手段で受信した前記拡散信号の逆拡散を行う逆拡散手段と、前記ニューラルネットワークを学習させる学習手段と、を備え、
    前記ニューラルネットワークは、少なくとも2つの出力層ユニットを有し、
    前記学習手段は、前記ニューラルネットワークを学習させるための学習用信号の送信要求を他方の前記通信機器に発信し、前記受信手段で受信した前記学習用信号に基づいて、前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第1の情報を示す前記拡散信号を入力したときに一方の前記出力層ユニットが発火するように、且つ、前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第2の情報を示す前記拡散信号を入力したときに他方の前記出力層ユニットが発火するように、前記ニューラルネットワークを学習させるようになっており、
    他方の前記通信機器は、一方の前記通信機器から前記送信要求を受けたときは、これに応答して前記学習用信号を一方の前記通信機器に送信するようになっていることを特徴とするスペクトラム拡散通信システム。
  6. 請求項5において、
    前記学習手段は、前記ニューラルネットワークに前記拡散信号を入力しているにもかかわらず、一方の前記出力層ユニット及び他方の前記出力層ユニットのいずれも発火しないとき、又は一方の前記出力層ユニット及び他方の前記出力層ユニットのいずれも発火したときは、前記ニューラルネットワークを学習させるようになっていることを特徴とするスペクトラム拡散通信システム。
  7. 請求項5及び6のいずれかにおいて、
    前記学習用信号は、前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第1の情報を示す前記拡散信号と、前記逆拡散符号列と一致する前記拡散符号列により符号化された第2の情報を示す前記拡散信号と、を含むことを特徴とするスペクトラム拡散通信システム。
  8. 請求項7において、
    前記学習手段は、前記学習用信号のうち前記第1の情報を示す前記拡散信号を入力して一方の前記出力層ユニットが発火するように、且つ、前記学習用信号のうち前記第2の情報を示す拡散信号を入力して他方の前記出力層ユニットが発火するように、前記ニューラルネットワークを学習するようになっていることを特徴とするスペクトラム拡散通信システム。
  9. 請求項8において、
    前記学習手段は、前記学習用信号のうち前記第1の情報を示す拡散信号を、前記逆拡散符号列の1周期を構成するチップ数に達しない範囲で時間軸方向に所定チップシフトした信号、及び、前記学習用信号のうち前記第2の情報を示す拡散信号を、前記逆拡散符号列の1周期を構成するチップ数に達しない範囲で時間軸方向に所定チップシフトした信号をそれぞれ入力して、一方の前記出力層ユニット及び他方の前記出力層ユニットのいずれも発火しないように、前記ニューラルネットワークを学習するようになっていることを特徴とするスペクトラム拡散通信システム。
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