JP3755115B2 - 既設柱の補強方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設柱の補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
既存のRC構造物の耐震性を向上させる手段として、建物の柱を補強することが有効である。
そのための方法として、柱の周囲に剪断補強として鉄板や炭素繊維を巻き付けて柱のコンクリートを拘束して靭性を高め、耐震性能を向上させる方法が採用されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
前記したような従来の既設柱の補強方法にあっては、次のような問題点が存在した。
<イ>鉄板を巻き付ける方法は、あらかじめ分割して柱型に加工した鉄板を組み立て、その接合を溶接によって行う方法である。
そのために周囲に火花が飛んで内装材が破損したり、場合によっては火災の懸念もある。さらに煙りの発生によって付近が煤けて汚染される場合もあり、特に使用中の建物の場合には問題が多い。
また溶接には一定の資格を持った熟練者を必要とし、作業に制約を受ける。
<ロ>溶接によらずボルトによって締結する方法もあるが、この方法ではボルトの頭部を覆うための仕上げ工事が必要となる。
そのために作業工数が多くなり、同時に作業時間が長くなるという不都合が生じる。
<ハ>炭素繊維を巻き付ける方法では、取り付け以前に柱の下地処理を必要とし、余分な作業が発生する。
また下地処理や炭素繊維を取り付けた後の乾燥、およびその後の仕上げ処理などに日数を要する。そのために建物の使用に支障を来すなど実際面で不都合な点が多い。
【0004】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、溶接作業のような熟練や特別の設備を要せず、簡単な作業で既存の柱を補強することができる、既設柱の補強方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の既設柱の補強方法は、補強対象の柱の外側形状よりも多少大きな内側形状を備え、かつ補強対象の柱の外側形状を複数に分割した状態の鉄板と、その鉄板の外周に取り付けたコンクリート板とによって補強枠を形成し、この補強枠を対象とする柱の外周に配置し、補強枠の鉄板の端部をボルトによって連結することによって、柱の外周の下部を補強筒で包囲し、順次その上段に補強筒を積み上げて柱を包囲し、その後に柱と補強筒との間に硬化剤を注入して行う、既設柱の補強方法を特徴としたものである。
【0006】
【本発明の実施の態様】
以下図面を参照しながら本発明の既設柱の補強方法の実施例について詳細に説明する。
【0007】
<イ>全体の構成。
本発明の補強方法は、既設の柱cを補強筒2で包囲し、その内部に硬化剤を注入して行う方法である。
柱cを包囲する補強筒2は、複数の分割した形状の補強枠1を組み合わせることによって構成する。
【0008】
<ロ>補強枠1。
補強枠1は、内側のせん断補強用鉄板11と、その外側に位置するコンクリート板12によって構成する。
内側の鉄板11は剪断補強用の鉄板であり、補強対象の柱cの外側形状よりも多少大きな内側形状を備え、かつ対象とする柱cの外側形状を複数に分割した状態の板体である。
そのせん断補強用鉄板11の外周に、コンクリート板12を取り付けて補強枠1を形成する。 内側のせん断補強用鉄板11と、外周のコンクリート板12とを確実に一体化するために、せん断補強用鉄板11の外側に鉄筋などを突設してコンクリート板12の内部に埋め込んでおく。
【0009】
コンクリート板12の両端はせん断補強用鉄板11よりも短く形成する。したがって補強枠1の両端にはせん断補強用鉄板11が突出辺11aとして露出していることになる。
この突出辺11aにはボルト孔11bを開口しておく。
またせん断補強用鉄板の高さは、コンクリート板の高さよりも低く形成しておき、モルタルの回り込みが可能であるように構成する。
【0010】
補強筒2を構成する補強枠1は、その平面形状をコ字状に形成すれば、矩形の柱cの周囲を包囲して補強することができる。
補強枠1の平面形状が円弧状に形成してあれば、円形の柱cの周囲を包囲して補強することができる。
【0011】
<ハ>補強枠1の配置。
図面の実施例では、矩形の柱cを対象として、平面形状がコ字状の補強枠1を使用する場合について説明する。
上記した構成の補強枠1を、対象とする柱cの外周に配置する。
補強枠1の端部では、コンクリート板12からせん断補強用鉄板11の突出辺11aが露出しているから、図7に示すようにこの突出辺11aを突き合わせた状態で配置する。
突き合わせた状態の突出辺11aの両面に添え板11cを取り付けてボルト11dで締結すれば、簡単に両補強枠1は一体となる。(図8)
その結果、図2に示すように、柱cを包囲する補強筒2が構成できる。なお本明細書において『筒』という表現は、円形の筒に限定するものではない。矩形、円形、多角形、楕円形、その他の形状の柱cの周囲を包囲する部材という意味で『筒』と表現する。
【0012】
<ニ>補強筒2の積み上げ。
補強枠1のせん断補強用鉄板11の端部をボルトによって連結することによって、柱cの外周の下部を補強筒2で包囲したら、順次その上段に補強筒2を積み上げて柱cを包囲する。
こうして順次補強筒2を積み上げて、柱cを梁の位置まで包囲したら積み上げを終了する。(図6)
【0013】
<ホ>硬化剤の注入。
補強筒2の内面と柱cの外面との間には多少の間隔が介在している。
この間隔に、モルタルなどの硬化剤を注入する。この注入のために、下段に配置する補強枠1には注入口を開口しておく。
モルタルを補強筒2の上端まで注入する。
突出辺11aの外部には図9に示すように型枠板11eを当ててモルタルなどを注入する方法、あるいはカバープレートを取り付ける方法を採用することができる。
この場合に、せん断補強用鉄板11の高さは、コンクリート板12の高さよりも低く形成してあるから、内側に充填したモルタルは接合部においては外側まで回り込み、突出辺11aはその内側も外側もモルタルによって充填されることになる。
硬化剤の充填は、柱cの全高さに補強筒2の設置が終わった後に行なわず、補強筒2が1段完成するたびに充填を行ってもよい。
【0014】
<ヘ>他の実施例。
以上の例では補強筒2は柱cの高さ方向に複数に分割して場合を説明した。
しかし柱cの寸法次第、あるいは補強筒2の重量、扱い易さ次第では、高さ方向に分割しない構成を採用することもできる。
【0015】
図の実施例では、柱cの床部分から梁の位置まで、柱cの全高さを包囲する場合を説明した。
しかし全高さではなく、柱cの中間の位置まで包囲して補強する方法を採用することもできる。
【0016】
また図の実施例では独立した柱cの全周囲を包囲する場合を説明した。
しかし柱cの一部に壁などが連続している場合にも、壁部分を除外した状態で周囲を包囲して同様の補強方法を実施することもできる。
【0017】
図の実施例では、矩形を2分割したコ字状の補強枠1について説明した。しかし2分割に限らず複数のピースに分割した補強枠1を使用しても同様の補強方法を実施することができる。
【0018】
【本発明の効果】
本発明の既設柱の補強方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>柱に対してその断面形状を複数に分割した補強枠1を使用して補強する方法である。
したがって1個の補強枠1の重量、寸法を自由に設定できるから、運搬、組み立てなどの作業に特別な装置を要せず簡易に作業を行うことができる。
<ロ>補強筒2の構成する場合にはボルト接合によって行うことができる。
したがって溶接の場合のような特殊な技能や装置を必要とせず、簡単である。同時に火や熱を使用しないから、周囲の内装材などに影響を与えることがない。
<ハ>複数に分割した補強枠を組み立てることから、、剪断補強用の鉄板の接合は同じレベルの段ごとに行うことになる。したがって連続して行う場合に比較してその接合作業はきわめて容易となる。
<ニ>せん断補強用鉄板の高さは、コンクリート板の高さよりも短く構成してある。そのために接合部においては内外のモルタルが一体に連続することになる。したがって接合部の外側のモルタル面のクラックの発生や剥離などが生じにくい。 さらに既設の柱に埋設されている電気配線などは、接合部の上下の間隔を利用して行うことができる。
<ホ>せん断補強用鉄板はコンクリート板と一体で構成してあり、さらに接合部においては充填モルタルにより一体となる。したがってせん断補強用鉄板のみをボルトで締結する場合に比較して仕上げ厚さを小さくでき、さらに外側へのボード貼り作業もなくなるから作業工程を短縮することができる。
<ヘ>モルタルの充填には補強鉄板のみの場合と比較して補強枠の剛性が高いから、コラムクランプなどの補強を必要としない。
<ト>炭素繊維を巻き付けて補強する方法と比較して、作業工程および所要日数を大幅に短縮することができ経済的な効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既設柱の補強方法に使用する補強枠の実施例の説明図
【図2】補強枠を組み合わせた補強筒の説明図
【図3】補強方法の施工順序の説明図
【図4】補強方法の施工順序の説明図
【図5】補強方法の施工順序の説明図
【図6】補強方法の施工順序の説明図
【図7】補強枠の結合部分の説明図
【図8】補強枠の結合部分の説明図
【図9】補強枠の結合部分の説明図

Claims (5)

  1. 補強対象の柱の外側形状よりも多少大きな内側形状を備え、かつ補強対象の柱の外側形状を複数に分割した状態のせん断補強用鉄板と、
    そのせん断補強用鉄板の外周に取り付けたコンクリート板とによって補強枠を形成し、
    この補強枠を、対象とする柱の外周に配置し、
    補強枠のせん断補強用鉄板の端部をボルトによって連結することによって、柱の外周の下部を補強筒で包囲し、
    順次その上段に補強筒を積み上げて柱を包囲し、
    その後に柱と補強筒との間に硬化剤を注入して行う、
    既設柱の補強方法
  2. 補強対象の柱の外側形状よりも多少大きな内側形状を備え、かつ補強対象の柱の外側形状を複数に分割してあり、
    さらに高さ方向にも複数に分割した状態のせん断補強用鉄板と、
    そのせん断補強用鉄板の外周に取り付けたコンクリート板とによって補強枠を形成し、
    この補強枠を、対象とする柱の外周に配置し、
    補強枠のせん断補強用鉄板の端部をボルトによって連結することによって、柱の外周の下部を補強筒で包囲し、
    順次その上段に補強筒を積み上げて、柱を梁の位置まで包囲し、
    その後に柱と補強筒との間に硬化剤を注入して行う、
    既設柱の補強方法
  3. 組み合わせることによって補強筒を構成する補強枠が、
    コ字状に形成してある、
    請求項1、2記載の既設柱の補強方法
  4. 組み合わせることによって補強筒を構成する補強枠が、
    円弧状に形成してある、
    請求項1、2記載の既設柱の補強方法
  5. 補強枠のせん断補強用鉄板の高さは、
    コンクリート板の高さよりも低く形成した、
    請求項1、2記載の既設柱の補強方法
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