JP3753942B2 - 5−ピリミジン含有核酸、それを用いた可逆的連結方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピリミジンの5位に置換ビニル基を有するピリミジン塩基の光反応性を利用した可逆的に核酸類を簡便かつ効率的に連結する方法、そのための核酸類、それを用いたDNAの不活性化方法などに関する。本発明の方法により、キャップした核酸類や枝分かれ構造を持つ核酸類を簡便に且つ効率的に合成することができる。
また、本発明は、固相担体に固定化されたピリミジンの5位に置換ビニル基を有するピリミジン塩基を有する核酸類、並びに当該核酸類を用いた特定の塩基配列を有する核酸類の固定化方法、精製、回収方法、及び同定、検出、又は定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAやPNA(ペプチド核酸)などの核酸類を連結する方法としては、これらの核酸類の基本となる鎖を連結していた。このような方法によれば、末端をキャップした核酸類や及び枝分かれ構造を持つ核酸類を合成することは困難であった。このような末端をキャップした核酸及び枝分かれ構造を持つ核酸の合成法としては、リンカーを導入してこれらを連結するなどの方法が必要であった。
また、DNAとPNAのように核酸類の基本となる鎖が異なる場合には、これらを直接連結することができなかった。さらに、従来のこのような方法では、連結後の特異性がなく、連結と開裂を特異的に行うことができなかった。
本発明者らは、先に光照射による核酸類の連結と開裂方法について特許出願してきたが、従来の方法では収率が低く、また処理に長時間を要するという欠点があった。
【0003】
また、固相上に固定化された核酸は、アフィニティークロマトにより、目的とする核酸選別や試験管内で進化した核酸の選別に利用されており、遺伝子工学のツールとして広範囲に利用されている。核酸を固相上に固定化する方法としては、ビオチンを有する核酸をビオチン−アビジン相互作用により固相担体に固定化する方法、マグネティックビーズを用いて固定化する方法、あらかじめ固定化されている核酸に対して酵素を用いて目的とする核酸を連結させることで固定化する方法などが知られている。また、核酸の精製法としては、上述のビオチンを有する核酸や、マグネティックビーズを用いた固定化核酸によるアフィニティーカラム精製が一般的である。
このように、核酸の精製や同定のために核酸を固定化する各種の方法が知られているが、いずれの方法も標的となる核酸を固定化核酸との水素結合によるアフィニティを利用して固定化するものであり、共有結合により標的となる核酸類を固定化する方法は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光照射により核酸類同士を可逆的に連結することができる新規な塩基を有する核酸類を提供するものである。
また、本発明は、枝分かれ核酸及びキャップ核酸を簡便に合成することができる新規な方法を提供するものである。
さらに、本発明は、酵素や化学反応試薬を用いずに、光により固相担体上へ核酸類を固定化する方法を提供するものであり、水素結合相互作用に基づくのではなく、共有結合により強固に固相担体上に固定化できる方法、並びにこの方法を用いた核酸類の精製、回収方法、及び同定、検出、定量方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ピリミジンの5位に置換ビニル基を有するピリミジン塩基の光反応性を利用することにより、可逆的に核酸類を連結することができ、これを用いてキャップした核酸類や枝分かれ構造を持つ核酸類を簡便に合成することができることを見出した。
また、本発明者らは、ピリミジンの5位にビニル基を有する置換基を有する核酸類を固相担体上に固定化し、光をトリガーにして目的となる核酸を共有結合により連結させて固定化できることに成功した。また、違う波長の光照射により目的となる核酸の定量的回収が可能になるだけでなく、光連結性核酸含有固相担体の回収・再利用も可能であることがわかった。
即ち、本発明は、塩基部分として次式、
【0006】
【化2】
【0007】
(式中、ZはO又はNHを示し、X及びYの少なくとも一方は電子吸引性基を示し、X及びYの残りの基は水素原子を示す。)
で表される基を有する核酸類、及び当該核酸が固相担体に固定化された核酸類に関する。
また、本発明は、前記した本発明の核酸類と、炭素−炭素二重結合、好ましくは非縮合環系の炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類に光を照射して、核酸類を可逆的に光連結又は開裂させる方法に関する。
さらに、本発明は、前記した本発明の核酸類と、塩基としてシトシンを有する核酸類に光を照射して塩基同士を連結させ、酸素又は水などの酸素含有物の存在下にシトシンのアミノ基を分解して、次いでより短波長の光を照射して前記塩基同士の連結を開裂させることからなるシトシンを選択的にウラシルに変換する方法に関する。
【0008】
また、本発明は、DNAの特定の塩基を対象として、前記した本発明の核酸類の5’末端及び3’末端が、前記DNAの特定の塩基の周辺の塩基配列と相補的な塩基配列を有する本発明の核酸類を配置して、これに光を照射してなる前記DNAの不活性化方法に関する。
さらに、本発明は、前記した本発明の固定化された核酸類を用いた、標的となる特定の核酸類の固定化方法、標的となる特定の核酸類を精製及び/又は回収する方法、並びに同定及び/又は検出及び/又は定量する方法に関する。
即ち、本発明は、本発明の固定化された核酸類と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類を含有する核酸混合物が存在する系に、光を照射して当該核酸混合物中の標的とする特定の核酸類を共有結合により光連結させてなる核酸類の固定化する方法に関し、また、本発明は、本発明の固定化された核酸類と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類を含有する核酸混合物が存在する系に、光を照射して当該核酸混合物中の標的とする特定の核酸類を共有結合により光連結させて核酸混合物中の特定の核酸類を固定化し、固定化された核酸類を分離又は回収することからなる核酸混合物中の特定の核酸類を同定、検出又は定量する方法に関し、さらに、本発明は、本発明の固定化された核酸類と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類を含有する核酸混合物が存在する系に、光を照射して当該核酸混合物中の目的の特定の核酸類を共有結合により光連結させて核酸混合物中の特定の核酸類を固定化し、固定化された核酸類を精製又は回収した後、さらに光を照射して固定化された核酸類を光開裂させることからなる、特定の核酸類を精製、回収する方法に関する。
【0009】
このように、本発明の核酸類は、光の照射によりDNAやPNAなどの核酸類と可逆的に連結し、開裂することができるものであり、DNAやPNAなどの核酸類の可逆的光連結剤として有用なものである。また、本発明の核酸類は、2本鎖DNAをテンプレートとして光反応を行うことが可能であり、このような方法で遺伝子の特定の塩基配列の箇所において本発明の核酸類を連結させることにより、2本鎖DNAの特定の塩基配列の箇所に本発明の方法により塩基と塩基とが光反応により連結した3本目の核酸類を導入することができる。この結果当該2本鎖DNAの転写等が抑制され、DNAを不活性化することから本発明の核酸類はDNA不活性化剤としても有用である。
【0010】
PNA(ペプチド核酸)は、天然のDNAよりもより強くDNAの相補鎖に結合することができることから、遺伝子治療におけるアンチジーン又はアンチセンスとして使用されている。しかし、PNAは水への溶解性が低く、細胞内や核内への輸送効率が低いことが課題とされている。これを改善するために、DNAの親水性と膜親和性を利用したPNA−DNAのキメラ複合体が注目されてきているが、DNAとPNAとでは基本となる鎖が異なるために、その合成法は煩雑なものであった。
本発明者らは、ピリミジンの5位に電子吸引基で置換されたビニル基を有するピリミジン塩基、例えば次式(X)、
【0011】
【化3】
【0012】
で示される5−カルボキシビニルウラシルを塩基とする核酸を末端に有する核酸を用いて、この光反応性を利用することによる可逆的な核酸の連結を行った。
まず、テンプレートとなるDNA上にその相補鎖となるPNAを配置し、次いでPNAの末端部分に前記した塩基を有する本発明の核酸を配置し、これに366nmの光を3時間照射させることにより、塩基部分で連結したPNA−DNAキメラ複合体を得た。この反応式を次式で示す。
【0013】
【化4】
【0014】
テンプレート(ODN C)にPNA(PNA A)及び本発明の核酸(ODN B)を配置し366nmの光を照射して、PNA−DNA複合体(PNA−DNA Hybrid E)を得る。このスキームではテンプレート(ODN C)は直接反応には関与しないが、便宜的に生成物のほうのテンプレートをテンプレート(ODN D)としている。
【0015】
この結果を図1に示す。図1は図面に代わる写真である。図1の右側(−)は光を照射する前のスポットであり、これは32Pで標識化された本発明の核酸である。これに光を照射した後のものが左側(+)に示されている。光を照射することによりPNAと本発明の核酸が連結されて、より高分子量の位置にスポットが移動していることがわかる。
図2はこの結果を示したHPLCのチャートである。図2の横軸はリテンション時間(分)であり、図3の上段は光照射前のチャートであり、図3の下段は光照射後のチャートである。
図3の一番左側のピークはテンプレート(ODN C)のピークであり、光照射前と後で変化は無い。(a)の左から2番目及び3番目のピークは本発明の核酸(ODN B)と連結されるPNA(PNA A)のピークである。図2の下段では、原料の2種の核酸のピークはほぼ消失して、より高分子量の生成物のピークが出現してきていることがわかる。
このように、本発明の核酸の塩基であるピリミジンの5位の置換ビニル基の二重結合と、隣接する塩基の炭素−炭素二重結合が光により直接結合するものであり、PNAとDNAのように基本となる鎖が相違していても、塩基同士により連結することが可能となる。さらに、この光による連結は光可逆反応であり、異なる波長の光を照射することにより、可逆的に開裂させることも可能である。
また、この方法を応用することにより、光によって末端をキャップした核酸を簡便に合成することが可能になる。遺伝子治療においては、遺伝子を核に送り込むためには遺伝子に酵素耐性を付与しなければならず、本発明の核酸の光キャップ化によってこのような酵素耐性を付与することができる。
【0016】
次に、前記式(X)で示される5−カルボキシビニルウラシルを塩基とする核酸を用いて、シチジン(シトシン塩基)との光反応を行ったところ、366nmの紫外線を30分間照射することにより、93%の収率で目的の連結DNAが得られた。比較例として、カルボキシル基が置換していない5−ビニルウラシルを塩基とする核酸を用いた場合には、6時間の照射で80%の収率であった。
このように、ビニル基の水素原子をカルボキシル基のような電子吸引基で置換することにより、短時間で且つ高収率で反応を行わせることができることがわかった。
【0017】
本発明の連結反応はDNAやRNAなどをテンプレートとして用いることが好ましい。即ち、前記したPNAとの反応式に示したように、DNAをテンプレートとして、その上にその相補鎖の連結されるべき核酸を置き、連結部分が隣接するように隣接して本発明の核酸を配置して光を照射するのが好ましい。このようなテンプレートを使用することにより、目的の位置で選択的に連結を行うことができる。
本発明者は、このようなテンプレートとして、2本鎖のDNAを使用することができるかどうかを検討した。2本鎖のDNAにさらに3本目のDNAなどの核酸が塩基対を形成することは、フーゲスティン塩基対(Hoogsteen base pair)として知られているとおりである。
そこで、核酸の一端に前記式(X)で示される5−カルボキシビニルウラシルを塩基を有し、他端にシトシン塩基(Py)を有する核酸を用意し、この核酸の両端が隣接するように両端部分の塩基を2本鎖DNAの塩基対と対を形成させた。この反応式を次に示す。
【0018】
【化5】
【0019】
これに366nmの光を照射させることにより、環状のDNAを89%の収率で得た。
結果を図3に示す。図3は図面に代わる写真である。図3のレーン1はコントロールとして12merの核酸を示したものであり、レーン2は光照射の無い場合のものであり、環状になっていない核酸のスポットがみられる。レーン3は366nmの光を照射したときのものであり、環状の核酸のスポットがみられる。レーン4はこれにさらに302nmの光を照射したものであり、環が開環してもとの鎖状のもののスポットが出現していることがわかる。
得られたDNAは、2本鎖DNAに、塩基部分が光環化反応により環化されたDNAが塩基対を形成しているものであり、この部分にはRNAポリメラーゼなどの酵素や他のタンパク質が結合することができず、その結果この部分の遺伝子の発現が抑制されることになる。したがって、この方法により発現を抑制したい遺伝子の発現を阻害することが可能となり、本発明の核酸を遺伝子治療として使用できる。
また、得られた環状DNAに、302nmの光を照射することにより、可逆的に開環することができ、遺伝子の発現の抑制を解除することも可能である。
【0020】
次に枝分かれの核酸の製造方法について検討した。
図4にその概要を示す。例えば、ACACG及びACGCACの塩基配列を有するテンプレート(ODN I)に、末端に前記式(X)で示される5−カルボキシビニルウラシルを塩基(図4中ではVCU)を有するUGCGTG・・・の塩基配列を有する本発明の核酸(ODN H)を配置し、その隣接する位置に・・・TGTGC・・・の部分配列を有する核酸(ODN G)を配置する。これらの塩基配列はテンプレートに相補的な配列であり、目的核酸の塩基配列に応じてテンプレートの塩基配列を選択することができる。
これに366nmの光を1時間照射すると、5−カルボキシビニルウラシルの塩基部分と、隣接するシトシン(C)が連結して図4に示される枝分かれ状の核酸を得ることができる。
【0021】
図5はこの結果を示したHPLCのチャートである。図5の横軸はリテンション時間(分)であり、図5のa)(図5の上段)は光照射前のチャートであり、図5のb)(図5の下段)は光照射後のチャートである。
図5の一番左側のピークはテンプレートのピークであり、光照射前と後で変化は無い。(a)の左から2番目及び3番目のピークは本発明の核酸と連結される核酸のピークである。図5の(b)では、原料の2種の核酸のピークは消失して、より高分子量の生成物の大きなピークが出現してきていることがわかる。このピークの分子量は5250.12で、計算値の5249.90と一致した。
【0022】
さらに、本発明の方法によれば、対象遺伝子上の任意のシトシンをウラシルへと変異させることが可能になる。
即ち、前記した枝分かれ状の核酸を製造するのと同様にして、対象遺伝子のシトシン(C)の塩基までをテンプレートに固定化し、当該シトシンに隣接して本発明の核酸を配置して光を照射すると、対象遺伝子と本発明の核酸が連結する。この連結した状態のときに、シトシンの4位のアミノ基を酸素又は水などの酸素含有物の存在下の水酸基に置換することができる。例えば、連結した状態で空気中で穏やかに温度を上げてゆくと空気酸化されて、シトシンのピリミジン環の4位のアミノ基が水酸基に置換される。そして、再度光を照射して、連結を開裂させると、シトシンがウラシルに変換されることになる。
【0023】
この反応式を図6に示す。枝分かれ構造の核酸を製造するところまでは、前述したのと同様である。即ち、例えば、ACACG及びACGCACの塩基配列を有するテンプレート(ODN I)に、末端に前記式(X)で示される5−カルボキシビニルウラシルを塩基(図6中ではVCU(以下の説明ではCVUと標記することもある。))を有するUGCGTG・・・の塩基配列を有する本発明の核酸(ODN H)を配置し、その隣接する位置に・・・TGTGC・・・の部分配列を有する核酸(ODN G)を配置する。これらの塩基配列はテンプレートに相補的な配列であり、目的核酸の塩基配列に応じてテンプレートの塩基配列を選択することができる。
これに366nmの光を1時間照射すると、5−カルボキシビニルウラシルの塩基部分と、隣接するシトシン(C)が連結して図4に示される枝分かれ状の核酸を得る。これを加熱処理した後、302nmの光を1時間照射して開裂させるとシトシンがウラシルに変換された核酸(ODN M)を得ることができる。
【0024】
図7はこの結果を示したHPLCのチャートである。図7の横軸はリテンション時間(分)であり、図7の上段は光照射前のチャートであり、図7の下段は光照射後のチャートである。図7の左から2番目のピークはテンプレートのピークであり、光照射前と後で変化は無い。図7の上段の左から1番目及び3番目のピークは本発明の核酸(ODN H)と連結される核酸(ODN G)のピークである。図7の下段では、原料の2種の核酸のピークに加えて、ウラシルに変換された核酸(ODN M)のピークが出現してきていることがわかる。
【0025】
シトシンがウラシルに変換されたDNAを、ウラシルDNAグリコシラーゼで処理すると、このウラシルの位置で特異的に切断することができる。したがって、DNAの任意のシトシンの位置を本発明の方法によりウラシル化することにより、DNAを任意の位置での特異的に切断することも可能となる。
図8は、前記に示した方法で得られたウラシルに変換された核酸(ODN M)を酵素処理した結果のHPLCのチャートを示す。左側にdUのピークを確認することができた。
また、同様な方法で、mRNA上のシトシンをウラシルに変換することができる。本発明の方法によりmRNA上のシトシンをウラシルに特異的に変換することにより、コードされているアミノ酸を特異的に変更することができる。
このように、本発明の核酸類を利用することにより、a)光遺伝子治療をすること、b)ミスマッチ検出等の遺伝子診断、c)核酸をキャップ化することにより酵素耐性を付与することができ、d)光変異誘導等を行うことが可能となる。次に本発明の固定化された核酸類について説明する。本発明の固定化された核酸類の代表的な例を次の化学式で示す。
【0026】
【化6】
【0027】
(式中、ZはO又はNHを示し、X及びYの少なくとも一方は電子吸引性基を示し、X及びYの残りの基は水素原子を示す。波線はDNA、PNA、RNAなどの核酸部分を示し、太線はリンカー部分を示し、球状で示された丸は固相担体を示す。)
本発明の固定化された核酸類は、前述してきた光の照射によりDNAやPNAなどの核酸類と可逆的に共有結合により連結し、開裂することができる本発明の核酸類が、多孔質ガラスビーズやポリスチレンなどの固相担体に結合したものであり、好ましくは核酸やポリエチレングリコール基などのリンカー部分を介して固相担体に結合したものである。
【0028】
本発明の固定化された核酸類の利用例を模式図により図10に示す。図10に示す例は前述してきたテンプレートの役割をする核酸を鋳型用の核酸として使用する例である。図10中の丸印に点線で結合している核酸が本発明の固定化された核酸類である。この核酸は図10の右側に示される鋳型DNAの一部と相補的な塩基配列を有している。図10の最上段に枠で囲って示されている容器の中には種々の塩基配列を有する核酸が存在している。そして、その容器の中には、前記した鋳型DNAの一部と相補的な塩基配列を有する核酸がある。
この容器の中に本発明の固定化された核酸類と、前記した鋳型DNAを入れると、図10の上から2段目に示されるように、本発明の固定化された核酸類と鋳型DNAの一部がハイブリダイズし、鋳型DNAの残りの部分に容器中に存在している特定の塩基配列を有する核酸がハイブリダイズする。このときに前記してきたように、本発明の光の照射により核酸類と可逆的に共有結合により連結することができる塩基と、連結される塩基とが隣り合うように鋳型DNAを設計しておくと、光の照射により、図10の上から2段目に示されるように両者の核酸が共有結合により連結される。
【0029】
次いで、鋳型DNAを解離させて、固相担体を分離、洗浄すると、図10の上から3段目に示されるように、本発明の固定化された核酸類に共有結合により連結した特定の塩基配列を有する核酸を固相担体に固定化して、他の核酸とを分離することができる。
このようにして得られた固定化された核酸に、再び光を照射すると本発明の固定化された核酸類と、目的の特定の塩基配列を有する核酸とを可逆的に開裂させることができる。
このようにして、種々の塩基配列を有する核酸の混合物中から、目的とする特定の塩基配列を有する核酸を選択的に分離し、精製することができる。また、このときに使用された本発明の固定化された核酸類は、光による可逆反応により連結し、開裂するのであるから、開裂した後は元の状態の戻るので再利用することができる。
本発明のこの方法によれば、種々の塩基配列を有する核酸の混合物中から、標的とする特定の塩基配列を有する核酸を特異的かつ選択的に分離、精製することができるので、この方法により核酸混合物中の特定の塩基配列を有する核酸を同定したり、検出したり、また定量することができることになる。
【0030】
図11に本発明のこの方法による実験結果を示す。図11はMALDI−TOF MSのチャートであり、図11の最上段は光を照射する前の核酸の混合物のチャートである。左から核酸A1、核酸A2、核酸A3、核酸A4の各ピークが示されている(後述する実施例12参照)。
図11の上から2段目は、本発明のこの方法により前記の核酸の混合物中から、核酸A0のみが選別できたことを示すものである。同様に、図11の上から3段目は、本発明のこの方法により前記の核酸の混合物中から、核酸A1のみが選別できたことを示すものである。さらに、図11の上から4段目は、本発明のこの方法により前記の核酸の混合物中から、核酸A2のみが選別できたことを示すものである。図11の一番下の段は、本発明のこの方法により前記の核酸の混合物中から、核酸A3のみが選別できたことを示すものである。
【0031】
本発明である固相上に固定化された光連結性核酸は、鋳型DNAによって目的の核酸のみを固相担体上に光連結させることが可能である。即ち、通常のアフィニティークロマトと違い、目的の核酸のみを共有結合により固相上への固定化が可能である。従って目的核酸の効率よい精製・分離が可能になる。また、違う波長の光照射によって目的核酸を回収することも可能である。このように高効率的な遺伝子の選別、回収が光制御可能であるため、a)目的DNA、RNA、蛋白の精製、b)遺伝子診断・遺伝子治療等、c)機能性核酸の選別等への利用のみならず、d)DNA−コンピューティング、e)核酸の固相担体への共有結合による固定化、f)核酸の固相担体上での化学修飾等への利用も期待される。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の核酸類は、塩基部分に次式、
【0033】
【化7】
【0034】
(式中、ZはO又はNHを示し、X及びYの少なくとも一方は電子吸引性基を示し、X及びYの残りの基は水素原子を示す。)
で表される基を有することを特徴とするものでる。
置換基X、Yにおける電子吸引基としては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられるがこれらの例示したものに限定されるものではなく、細胞系への適合を考慮して適宜電子吸引基を選択することができる。好ましい電子吸引基としては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基などが挙げられる。アルコキシカルボニル基におけるアルキル基としては、炭素数1から10、好ましくは1から5の低級アルキル基が挙げられる。
置換基X、Yは、両方が同時に同一または異なる電子吸引基であってもよく、また置換基X、Yの一方だけが電子吸引基であり、他方が水素原子であってもよい。
【0035】
本発明の核酸類としては、DNA、RNA、PNAなどのいずれであってもよく、天然又は合成のDNAやRNAなどと塩基対を形成し得るものが好ましい。また、本発明の核酸類は、前記した本発明の塩基だけを有するモノヌクレオチドであってもよいが、他の核酸と共にオリゴヌクレオチドになっているものが好ましい。オリゴヌクレオチドにおける塩基数は特に制限はないが、好ましくは1から150、より好ましくは1から50、さらに好ましくは1から20程度である。
オリゴヌクレオチドの場合には、本発明の前記した塩基を有する核酸を1個、好ましくは片方の末端部分に有していてもよいが、このような塩基を2個以上有していてもよい。
【0036】
本発明の核酸類は、通常の核酸の製造方法に準じて製造することができる。例えば、5−置換ビニルウリジンのDMTr体にアミダイド化剤を作用させてアミダイド化し、次いで保護基を切断して、これを通常のDNA合成法によりオリゴヌクレオチドとすることができる。
5−置換ビニルシトシン誘導体又は5−置換ビニルウラシル誘導体は、以下に示す具体例の方法によってもよいが、他の通常の有機合成法によっても製造することができる。
【0037】
本発明の核酸類を可逆的に光連結又は開裂させる方法における、炭素−炭素二重結合を有する塩基としては、縮合環を形成している炭素−炭素二重結合は好ましくなく、単環式の炭素−炭素二重結合又は環に置換している炭素−炭素二重結合が好ましい。好ましい炭素−炭素二重結合を有する塩基としては、天然のものではシトシン、チミン又はウラシルなどが挙げられる。
炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類としては、DNA、RNA、PNAなどのいずれのものであってもよい。
【0038】
炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類は、前記した本発明の核酸類とは異なる核酸であってもよいが、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類が本発明の核酸類であってもよい。後者の場合には、ひとつの核酸の中に本発明の塩基部分を有するものと、炭素−炭素二重結合を有する塩基とが存在することになり、これを連結すると環状の核酸を得ることができる。
本発明の方法における光としては、反応に必要なエネルギーを有する波長のものであればよいが、紫外線が好ましい。一般に、連結させるときは、比較的長波長側でよく、開裂させる場合には比較的短波長側の光が好ましい。より具体的には、連結させるときの波長としては、330nm以上、好ましくは350nm以上、より好ましくは360nm以上の波長が好ましい。また、開裂させるときの波長としては、320nm以下、好ましくは310nm以下の波長が好ましい。好ましい波長としては、連結させるときの波長が366nmで、開裂させるときの波長が302nmである場合が挙げられる。
【0039】
本発明の方法は、溶液中のように自由に流動できる状態で行うこともできるが、より選択性を挙げるためにはテンプレートに固定して反応させる方法が好ましい。テンプレートとしては、DNA、RNA、PNAなどの塩基対を形成し得るものであればよい。テンプレートの長さは特に制限はないが、3塩基以上、好ましくは5塩基以上がテンプレート上で塩基対を形成できる長さのものが好ましい。
テンプレートは1本鎖のものであってよいが、前述してきたようにテンプレートとして二本鎖DNAを使用することもできる。
【0040】
本発明のシトシンを選択的にウラシルに変換する方法における、塩基としてシトシンを有する核酸類としては、前記したテンプレートに固定化できるものであればどのようなものであってもよい。目的のシトシンの位置から上流又は下流側の3〜10塩基程度の塩基配列を調べて、それの相補的な塩基配列を有するものをテンプレートとして使用することができる。
また、この方法における、酸素又は水などの酸素含有物としては、空気中の酸素や加水分のための水などを使用することができる。
この方法によって得られたウラシル化されたDNAは、常法によるウラシルDNAグリコシラーゼ処理をすることができる。
【0041】
本発明のDNAの不活性化方法におけるDNAとして、天然のものでも合成のものであってもよいが、遺伝子を対象としてもよい。
この方法により不活性化しようとする塩基の上流及び下流の各3塩基〜30塩基程度の塩基配列を調べ、5’末端及び3’末端がその塩基配列と同じ又は相補的な塩基配列となる本発明の核酸を調製する。本発明の核酸の片方の末端は前記した本発明の塩基を有するものであり、他端はこれと連結可能な炭素−炭素二重結合を有する塩基となるように調製する。そして、本発明の核酸を不活性化しようとするDNAに配置して光を照射することにより、環化された本発明の核酸がDNAの目的の位置に固定化される(フォトパドロック(photopadlock)法)。そして、これを解除しようとするときは、より短波長の光を照射して、連結を開裂させることにより、不活性化を解除することができる。
不活性化されるDNAの特定の塩基としては、プロモーター領域が好ましいがこれに限定されるものではない。
【0042】
以上のように、本発明の核酸類はDNA、RNA、PNAなどの核酸類を光照射により、可逆的の連結することができるものであり、この方法により当該核酸類に枝分かれ構造やキャップ構造を導入することができることから、本発明の核酸類を可逆的光連結剤として使用することができる。
また、本発明の核酸類は、2本鎖に反応してこれを不活性化することができることから、本発明の核酸類をDNAの不活性化剤として使用することができる。
【0043】
本発明の固定化された核酸類における固相担体としては、生化学分野で使用される固相担体を使用することができる。例えば、多孔質ガラスビーズ(PCG)などの無機物質類、ポリスチレン(PS)などの樹脂類、金などの金属類などが挙げられる。好ましい固相担体としては、アデノシン残基を有する固相担体(オリゴアフィニティーサポート(OAS)(商品名)など)が挙げられる。より具体的には後述する実施例11に記載されているようにアデノシン残基の環に結合しているアミノ基を介してポリスチレン(PS)(OAS−PS)や多孔質ガラスビーズ(OAS−CPG)に結合している固相担体が好ましく、当該アミノ基からリンカー部分を結合させて本発明の固定化された核酸類を製造することができる。
本発明の核酸類を前記した固相担体に直接結合させてもよいが、両者をリンカー部分を介して結合させるのが好ましい。リンカー部分としては、核酸類の化学反応に不活性で、5個以上、好ましくは10個以上の原子を有する、好ましくは直鎖状の分子種であればよい。リンカー部分としては、DNA、RNA、PNAなどの核酸や、次式で示されるようなポリエチレングリコールなどが好ましい。
【0044】
【化8】
【0045】
本発明の固定化された核酸類を製造する方法としては、本発明の核酸類の末端のリン酸基をリンカー部分に結合させて製造することができる。リンカー部分と核酸類を結合させて、次いで固相担体に結合してもよいし、逆に先に固相担体とリンカー部分を結合させて、次いでリンカー部分と核酸類とを結合させてもよい。核酸類と結合する位置は、通常は末端のリン酸基を用いるのが好ましいが、これに限定させるものではない。例えば、核酸類の途中の塩基部分の官能基と結合させてもよい。
本発明の固定化された核酸類を使用する方法においては、鋳型となる核酸を併せて使用するのが好ましい。鋳型となる核酸としては一般的にはDNAが好ましいが、RNAでもPNAでもよい。鋳型となる核酸は、その一部に本発明の固定化された核酸類とハイヅリダイズし得る相補的な塩基配列を含み、かつ標的となる核酸にハイブリダイズし得る相補的な塩基配列を含むものである。そして、本発明の光の照射により可逆的に連結及び開裂し得る塩基と、当該塩基と光反応をし得る塩基とが、隣り合うように鋳型となる核酸を設計する。
本発明のこの方法における鋳型となる核酸としては、前記した実験例におけるテンプレートとなり得る核酸を使用することができる。
【0046】
【実施例】
次に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
5−シアノビニルデオキシウリジンを含有する核酸の製造例の反応式を次に示す。以下の説明においては、この反応式に示される化合物番号を使用する。
【0047】
【化9】
【0048】
実施例1 5−シアノビニルデオキシウリジン(4)の製造
(1) 化合物(2)の製造
5−ヨード−デオキシウリジン(IDU)(1)をピリジン5mLと3回共沸し、TBDMS−Cl(1.717g,11.40mmol)と共に窒素置換し、ピリジン5mLを加え均一溶液とした。これにイミダゾール(0.776g,11.39mmol)のピリジン溶液(5mL)を加え、室温で12時間攪拌した。薄層クロマト(TLC)で原料の消失を確認後、ピリジンを減圧で留去し、残留物を酢酸エチル(20mLx3)と水(20mL)を用いて抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶媒 ヘキサン/酢酸エチル=4:1)により目的の化合物(2)を白色固体(1.661g,96.5%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:
0.04-0.14 (m,12H,CH3Six4), 0.88 (s,9H,t-BuSi),
0.93(s,9H,t-BuSi), 1.96 (m,1H,H-2β'), 2.28 (m,1H,H-2α'),
3.74 (dd,J=11.2Hz,J=2.4Hz,1H,H-5'),
3.87 (dd,J=11.2Hz,J=2.4Hz,1H,H-5'),
3.97 (m,1H,H-4'), 4.38 (m,1H,H-3'), 6.25 (t,1H,H-1'),
8.07 (s,1H,H-6), 8.09(br,1H,NH)
【0049】
(2) 化合物(3)の製造
Pd(OAc)2(0.019g,0.085mmol),PPh3(0.045g,0.170mmol)を窒素雰囲気下で、DMF(2.5mL)中に加えた後、さらにNEt3(0.93mL,6.672mmol)を加え、60℃の水浴中で攪拌した。溶液が濃赤色になった後に、前記(1)で得た化合物(2)(0.498g,0.854mmol)、アクリルニトリル(0.7mL,10.63mmol)をDMF溶液として加え一晩攪拌した。減圧でDMFを除去した後、酢酸エチル(15mLx3)、水(15mL)で抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し再び溶媒を除去した。残留物に対してカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶媒 ヘキサン/酢酸エチル=4:1)により目的の化合物(3)を黄色固体(0.434g,53.7%)として単離した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:
0.03-0.14 (m,12H,CH3Six4), 0.88 (s,9H,t-BuSi),
0.91 (s,9H,t-BuSi), 2.00 (m,1H,H-2'β), 2.39 (m,1H,H-2'α),
3.76 (dd,1H,H-5'), 3.87 (dd,1H,H-5'), 4.00 (m,1H,H-4'),
4.37 (m,1H,H-3'), 6.23 (t,1H,H-1'),
6.67 (dd,J=16.4Hz,1H,vinylic H-1''),
6.85 (dd,J=16.2Hz,1H,vinylic H-2''), 7.96 (s,1H,H-6),
7.98 (br,1H,NH)
【0050】
(3) 化合物(4)の製造
前記の(2)で得られた化合物(3)(0.233g,0.459mmol)にTBAF(in THF,1mmol/l)2.0mLを加え室温で45分攪拌した後、溶媒を除去した。残留物に対してカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶媒 5%MeOH in CHCl3)により目的の化合物(4)を淡黄色固体(0.128g,75%)として単離した。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:
2.15 (m,2H,H-2'αβ), 3.57 (m,1H,H-5'), 3.65 (m,1H,H-5'),
3.80 (m,1H,H-4'), 4.23 (m,1H,H-3'), 5.10 (t,1H,OH-5'),
5.26 (d,1H,OH-3'), 6.08 (t,J=6.4Hz,1H,H-1'),
6.50 (dd,J=1.6Hz,J=14Hz,1H,vinylic H-1''),
7.22 (dd,J=1.6Hz,J=14Hz,1H,vinylic H-2''), 8.33 (s,1H,H-6),
11.72 (br,1H,NH)
【0051】
実施例2 5−シアノビニルデオキシウリジンを含有する核酸(7)の製造
(1) 化合物(5)の製造
前記した実施例1で得られた化合物(4)(0.096g,0.344mmol)をピリジン2mLとの供沸操作を3回行った後、DMTr−Cl(0.133g,0.392mmol)、DMAP(0.025g,0.203mmol)と共に窒素雰囲気下とした。ピリジン(1mL)を加え攪拌し、均一溶液とした。さらにここへNEt3(0.05mL,0.359mmol)を加え室温で20時間攪拌した。減圧でピリジンを除去した後、クロロホルム(10mLx3)と水(10mL)で抽出し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去した。残留物に対しカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶媒3%MeOH in CHCl3)により目的の化合物(5)を黄色固体(0.096g,47.9%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ:
2.38 (m,1H,H-2'β), 2.49 (m,1H,H-2'α),
3.43 (dd,J=10.4Hz,J=2.4Hz,1H,H-5'),
3.52 (dd,J=2.4Hz,J=10.4Hz,1H,H-5'), 3.80 (s,6H,OCH3x2),
4.11 (m,1H,H-4'), 4.68 (m,1H,H-3'),
6.50 (d,J=14Hz,1H,vinylic H-1''), 6.08 (t,J=6.4Hz,1H,H-1'),
7.22 (d,J=14Hz,1H,vinylic H-2''),
6.84-6.87 (m,4H,H-β to OCH3x4), 7.20-7.33 (m,9H,phenyl),
7.98 (br,1H,NH), 8.00 (s,1H,H-6)
【0052】
(2) 化合物(7)の製造
前記の(1)で得られた化合物(5)をアセトニトリルを用いてゴムシールドボトルへ移した後、減圧し溶媒を除去し、アルゴン雰囲気下とした。アセトニトリル(1mL)を加え固体を溶解させた後、アミダイト化剤(50uL)、テトラゾール(0.5M,360uL)を順に加え90分攪拌した。あらかじめNaHCO3水溶液で洗浄した酢酸エチルと、飽和NaHCO3水溶液を用いて抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を除去した。得られた固体をアセトニトリルを用いてゴムシールドボトルへ移し、減圧し溶媒を除去した。さらにアセトニトリルとの供沸操作を2回行った。これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けオリゴマー合成を行った。
DNA合成機を用いてオリゴマー(5’−CNUGC GTG)を合成し、HPLCを用いて精製を行った。
【0053】
前記した実施例2と同様の方法により、次の反応式に示される化合物(9)〜化合物(11)を製造した。以下の説明においては、この反応式に示される化合物番号を使用する。
【0054】
【化10】
【0055】
実施例3 化合物(9)の製造
DNA自動合成機に市販のアミダイト(7)を装着しフォスフォロアミダイト法によりDNAを合成した。固相担体よりアンモニア処理を65℃、4時間の条件で行うことでDNAを切り出しかつ脱保護を行った。アンモニア留去後、HPLCにより精製を行い、目的のDNA(5’−VCUGCGTG−3’)を得た。
【0056】
実施例4 化合物(10)の製造
DNA自動合成機に市販のアミダイト(7)を装着し、緩和条件で脱保護可能なアミダイトを用いて、フォスフォロアミダイト法によりDNAを合成した。固相担体よりアンモニア処理を37℃、1時間の条件で行うことでDNAを切り出しかつ脱保護を行った。アンモニア留去後、HPLCにより精製を行い、目的のDNA(5’−VMUGCGTG−3’)を得た。
【0057】
実施例5 化合物(11)の製造
DNA自動合成機に市販のアミダイト(7)を装着し、フォスフォロアミダイト法によりDNAを合成した。固相担体より2Nのトリメリレンジアミンのメタノール溶液で密封条件下65℃、4時間加熱することで、DNAを修飾、切り出しそして脱保護を行った。1N酢酸で中和後、メタノール及び水を留去し、HPLCにより精製を行い、目的のDNA(5’−VAUGCGTG−3’)を得た。
【0058】
実施例6 PNA−DNAキメラ複合体の製造
20μMのペプチド核酸N−TGTGCC−C(PNA A)及び、20μMの5’−CVUGCGTG−3’(ODN B)を、20μMの鋳型DNA 5’−CACGCAGGCACA−3’(ODN C)の存在下、0℃で366nmの光照射を6時間行い、目的のDNA−PNAハイブリッドを90%の収率で得た。HPLCによって単離したDNA−PNAハイブリッドの分子量を測定することで同定を行った。結果を図1及び図2に示す。
【0059】
実施例7 DNAカテナンの製造
環状DNAの環中をくぐる環状DNA(DNAカテナン)を次に示す反応式にしたがって製造した。
【0060】
【化11】
【0061】
90μMのプラスミドM13mp18ssDNA及び、末端を32Pでラベルされた30μMの5’−VCGTGCAGCT−T40−GGAAACCTGT(ODN F)を、0℃で366nmの光照射を3時間行った。光反応後、5%のポリアクリルアミドゲル(PAGE)を用いて電気泳動解析を行い、フォトパドロックされた目的のDNAカテナンを30%の収率で得ていることを確認した。また、この混合物にさらに302nmの光照射を30分行うことで定量的にDNAカテナンが開裂していることをPAGEにより確認した。
結果を図9に示す。366nmの光照射により、DNAカテナンのスポットが観察されるが、302nmの光を照射することによりこのスポットが消失することが確認された。
【0062】
実施例8 2本鎖DNAをテンプレートとする環化法
次に示す反応式にしたがって2本鎖DNAをテンプレートとする環化を行った。
【0063】
【化12】
【0064】
なお、反応式中のSはポリエチレングリコールスペーサーを示している。
20μMの5’−CVUTTCCCCTCTTSSSSSSSSCCTCTTC−3’(ODN J)(Sはポリエチレングリコールスペーサー)に対して、20μMの GTACTGAATTCGGAGAAGAAAGGGGAGAATTCTACTC−3’(ODN K)及び、20μMの5’−GAGTAGAATTCTCCCCTTTCTTCTCCGAATTCAGTAC−3’(ODNL)の存在下に、366nmの光照射を1時間行い、目的の環化したDNAを97%の収率で得た。PAGE解析によって同定を行った。また302nm光照射を30分行うことで原料ODN Jの回復を確認した。
結果を図3に示す。
【0065】
実施例9 枝分かれ構造の調製
20μMの5’−TGTGCAAAAAA−3’(ODN G)及び、20μMの5’−CVUGCGTG−3’(ODN H)を、20μMの鋳型DNA5’−CACGCAGGCACA−3’(ODN I)の存在下に、366nmの光照射を0℃で1時間行い、目的の枝分かれ構造を有するDNAを98%の収率で得た。HPLCによって単離した枝分かれDNAを測定することで同定を行った。
HPLCの結果を図5に示す。
【0066】
実施例10 シトシンのウラシルへの変換
図6に示す反応経路にしたがってシトシンからウラシルへの変換を行った。
20μMの5’−TGTGCAAAAAA−3’(ODN G)及び、20μMの5’−CVUGCGTG−3’(ODN H)を、20μMの鋳型DNA5’−CACGCAGGCACA−3’(ODN I)の存在下に、366nmの光照射を0℃、1時間行い、枝分かれ構造を有するDNAを98%の収率で得た。収率はHPLCによって算出した。次に90℃で加熱を1時間行い、その後302nmの光照射を30分行ったところシトシンからウラシルへ変換されたDNA(ODN M)を60%の収率で得ることができた。変換されたDNAの同定は酵素分解によって行った。
結果を図7及び8に示す。
【0067】
実施例11 固相担体に固定化されたDNAの合成
次式で表される固相担体(Oligo Affinity Support)
【0068】
【化13】
【0069】
25mgを用い、DNA自動合成機により1μmolスケールで固相担体とDNAの間にリンカーとして、ヘキサエチレングリコールを1分子挿入した配列を合成した。得られたDNAはアンモニア水中、65℃で4時間加熱することによって脱保護を行った。
【0070】
実施例12 光連結・切断を用いたオリゴマーの配列選択的検出
(1) Run0
1.5mlエッペンドルフチューブにオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B0(5’−CVUCCAATTCG−3’)が固定された固相担体を1mgとり、塩化ナトリウム1mM、カコジル酸ナトリウム緩衝溶液(pH=7.0)50mM、鋳型DNA C0(5’−CGAATTGGAAGTTGAAGC−3’)120μM、天然ODN A0〜A3(A0:5’−TTGCTTCAACT−3’、A1:5’−GCTTTCTCT−3’、A2:5’−GCTTGAAGT−3’、A3:5’−TGCTTAGGAT−3’)が各100μMの濃度で溶液の全量が5μlになるよう調整した。チューブを0℃で15分放置した後、トランスイルミネーターで366nmの光を30分照射し、純水1mlを加え、65℃で加熱してから攪拌、遠心沈降させ、液のみを除去する操作を5回繰り返し、残った少量の水はスピードバックにより除去した。次に純水5μlを加えて室温中でトランスイルミネーターにより302nmの光を30分照射し、液を1μl取ってTHAPをマトリックスとしてMALDI−TOF MSによる測定を行った。結果を図11に示す。
以上の操作によりA0の核酸のみを選択的に検出することができた。
【0071】
(2) Run1
前記(1)に記載したRUN0の場合の、固定化されたオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B0に代えて固定化されたオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B1(5’−CVUAGAGTTCG−3’)を用い、鋳型DNA C0に代えてC1(5’−CGAACTCTAAGAGAAAGC−3’)を用いたほかは、前記(1)のRUN0の場合と同様に処理した。結果を図11に示す。
以上の操作によりA1の核酸のみを選択的に検出することができた。
【0072】
(3) Run2
前記(1)に記載したRUN0の場合の、固定化されたオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B0に代えて固定化されたオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B2(5’−CVUGCATTTCG−3’)を用い、鋳型DNA C0に代えてC2(5’−CGAATTGCAACTTCAAGC−3’)を用いたほかは、前記(1)のRUN0の場合と同様に処理した。結果を図11に示す。
以上の操作によりA2の核酸のみを選択的に検出することができた。
【0073】
(4) Run3
前記(1)に記載したRUN0の場合の、固定化されたオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B0に代えて固定化されたオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)B3(5’−CVUATGCTTCG−3’)を用い、鋳型DNA C0に代えてC3(5’−CGAAGCATAATCCTAAGC−3’)を用いたほかは、前記(1)のRUN0の場合と同様に処理した。結果を図11に示す。
以上の操作によりA3の核酸のみを選択的に検出することができた。
【0074】
結果を図11に示す。図11の最上段は、光を照射する前のものであり、各ピークは左からA1、A2、A3、A0のそれぞれの核酸のものである。図11の上から2段目はラン0(RUN0)のものであり、A0の核酸のみのピークが観察され、A0の核酸のみが選択されたことを確認することができる。図11の上から3段目はラン1(RUN1)のものであり、A1の核酸のみのピークが観察され、A1の核酸のみが選択されたことを確認することができる。図11の上から4段目はラン2(RUN2)のものであり、A2の核酸のみのピークが観察され、A2の核酸のみが選択されたことを確認することができる。図11の上から5段目(一番下)はラン3(RUN3)のものであり、A3の核酸のみのピークが観察され、A3の核酸のみが選択されたことを確認することができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、短時間で効率よく核酸類を可逆的に連結できる新規な核酸類を提供する。本発明の核酸類を用いることにより、狙った位置で核酸同士を光連結したり、キャップ構造や枝分かれ構造を光を用いて簡便にしかも効率良く構築することができる。核酸を本発明の方法により光キャップ化することにより、分解酵素への耐性を付与することができる。また、光を用いてユニークな構造を持つ核酸を合成するため、環境にもやさしい方法である。
また、本発明の方法を用いれば対象遺伝子上の任意のシトシンをウラシルへと変異させることができる。これをウラシルDNAグリコシラーゼ処理を行うことで任意の位置で特異的に切断することができる。このような変換はDNAのみならず、mRNA上のシトシンをウラシルへ特異的に変換し、mRNAの遺伝情報を特異的に変更することができる。
さらに、本発明の方法により2本鎖DNAの特定の位置を、可逆的に不活性化することができ、遺伝子治療やミスマッチ検出等の遺伝子診断に応用することができる。
また、本発明の固相上に固定化された光連結性核酸は、鋳型DNAによって目的の核酸のみを固相担体上に光連結させることが可能である。即ち、通常のアフィニティークロマトと違い、目的の核酸のみを共有結合により固相上への固定化が可能である。従って目的核酸の効率よい精製・分離が可能になる。また、違う波長の光照射によって目的核酸を回収することも可能である。このように高効率的な遺伝子の選別、回収が光制御可能であるため、a)目的DNA、RNA、蛋白の精製、b)遺伝子診断・遺伝子治療等、c)機能性核酸の選別等への利用のみならず、d)DNA−コンピューティング、e)核酸の固相担体への共有結合による固定化、f)核酸の固相担体上での化学修飾等への利用も期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法によりPNA−DNAキメラ複合体を製造した結果を示す図面に代わる写真である。
【図2】図2は、本発明の方法により、PNA−DNA複合体を製造した結果を示すHPLCのチャートである。
【図3】図3は、本発明の方法により、2本鎖DNAを不活性化した結果を示す図面に代わる写真である。
【図4】図4は、本発明の核酸に枝分かれ構造を導入する方法を例示したものである。
【図5】図5は、本発明の方法により、枝分かれ構造を有する核酸を製造した結果を示すHPLCのチャートである。
【図6】図6は、本発明のシトシンをウラシルに変換する方法を例示したものである。
【図7】図7は、本発明のシトシンをウラシルに変換する方法による結果を示したHPLCのチャートである。
【図8】図8は、本発明のシトシンをウラシルに変換する方法により製造されたウラシルを含有する核酸を酵素処理した結果を示すHPLCのチャートである。
【図9】図9は、本発明の方法により製造されたDNAカテナンの製造結果を示した図面に代わる写真である。
【図10】図10は、本発明の固定化された核酸類を用いて核酸混合物中から、目的の核酸のみを特異的に選択する方法を模式図として示したものである。
【図11】図11は、本発明の固定化された核酸類を用いて核酸混合物中から、目的の核酸のみを特異的に選択する方法の結果を示すMALDI−TOF MSのチャートである。図11の最上段は、光を照射する前のものであり、各ピークは左からSA1、A2、A3、A0のそれぞれの核酸のものである。図11の上から2段目は実施例12のラン0のものであり、3段目はラン1のものであり、4段目はラン2のものであり、5段目(一番下)はラン3のものである。
Claims (30)
- ZがOで、Xが水素原子で、Yがカルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、置換アミド基又はシアノ基である請求項1に記載の可逆的光連結剤。
- 式Iで表される基を有する核酸類がモノヌクレオチドである請求項1又は請求項2のいずれかに記載の可逆的光連結剤。
- 式Iで表される基を有する核酸類が、オリゴヌクレオチドである請求項1〜3のいずれかに記載の可逆的光連結剤。
- 式Iで表される基を有する核酸類がDNA又はRNAである請求項4に記載の可逆的光連結剤。
- 式Iで表される基を有する核酸類がPNAである請求項1又は請求項2のいずれかに記載の可逆的光連結剤。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の可逆的光連結剤が、固相担体に固定化されてなる固定化された可逆的光連結剤。
- 固相担体が、多孔質ガラスビーズ(CPG)、ポリスチレン(PS)、又は金である請求項7に記載の固定化された可逆的光連結剤。
- 固相担体と可逆的光連結剤との間に両者の距離を保つためのリンカー部分を有する請求項7又は請求項8に記載の固定化された可逆的光連結剤。
- リンカー部分が、核酸又はその誘導体からなるものである請求項9に記載の可逆的光連結剤。
- リンカー部分が、ポリエチレングリコールからなるものである請求項9に記載の可逆的光連結剤。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の可逆的光連結剤と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類に光を照射して、核酸類と可逆的光連結剤とを、可逆的に光連結又は開裂させる方法。
- 炭素−炭素二重結合を有する塩基が、シトシン、チミン又はウラシルである請求項12に記載の方法。
- 炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類が、DNA又はRNAである請求項12又は請求項13に記載の方法。
- 炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類が、PNAである請求項12又は請求項13に記載の方法。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の可逆的光連結剤の核酸類と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類が、同じ核酸類である請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
- 光が紫外線である請求項12〜16のいずれかに記載の方法。
- 開裂させるときの波長が、連結させるときの波長よりも短波長の光である請求項12〜17のいずれかに記載の方法。
- 連結させるときの波長が366nmで、開裂させるときの波長が302nmである請求項18に記載の方法。
- 核酸類がテンプレートに固定化されている請求項12〜19のいずれかに記載の方法。
- テンプレートが二本鎖DNAである請求項20に記載の方法。
- DNAの特定の塩基を対象として、
5’末端及び3’末端が前記DNAの特定の塩基の周辺の塩基配列と相補的な塩基配列を有し、
塩基部分として前記式Iで表される基を5’末端又は3’末端のいずれか一方に有し、
塩基部分としてシトシンを5’末端又は3’末端の他の一方に有する、請求項1〜11のいずれかに記載の可逆的光連結剤(ただし、核酸類としてモノヌクレオチドを除く)を、
前期DNAの特定の塩基の周辺の塩基配列に塩基対を形成するように配置して光を照射することによって、前記核酸又はペプチド核酸を可逆的に光連結し、前記DNAと塩基対をなした環状の核酸又はペプチド核酸を形成することにより、可逆的に不活性化されたDNAを製造する方法。 - DNAが2本鎖DNAである請求項22に記載の方法。
- DNAの特定の塩基を対象として、
5’末端及び3’末端が前記DNAの特定の塩基の周辺の塩基配列と相補的な塩基配列を有し、
塩基部分として前記式Iで表される基を5’末端又は3’末端のいずれか一方に有し、
塩基部分としてシトシンを5’末端又は3’末端の他の一方に有する、請求項1〜11のいずれかに記載の可逆的光連結剤(ただし、核酸類としてモノヌクレオチドを除く)からなるDNA不活性化剤。 - 請求項7〜11のいずれかに記載の固定化された可逆的光連結剤と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類を含有する核酸混合物が存在する系に、330nm以上の波長の光を照射して当該核酸混合物中の特定の核酸類を光連結させてなる核酸類を固定化する方法。
- 請求項7〜11のいずれかに記載の固定化された核酸類と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類を含有する核酸混合物が存在する系に、330nm以上の波長の光を照射して当該核酸混合物中の特定の核酸類を光連結させて核酸混合物中の特定の核酸類を固定化し、固定化された核酸類を分離又は回収することからなる核酸混合物中の特定の核酸類を同定、検出又は定量する方法。
- 固定化された核酸類を分離又は回収した後、さらに320nm以下の波長の光を照射して固定化された核酸類を光開裂させることからなる、請求項26に記載の核酸混合物中の特定の核酸類を同定、検出又は定量する方法。
- 請求項7〜11のいずれかに記載の固定化された核酸類と、炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類を含有する核酸混合物が存在する系に、330nm以上の波長の光を照射して当該核酸混合物中の特定の核酸類を光連結させて核酸混合物中の特定の核酸類を固定化し、固定化された核酸類を精製又は回収した後、さらに320nm以下の波長の光を照射して固定化された核酸類を光開裂させることからなる、特定の核酸類を精製又は回収する方法。
- 炭素−炭素二重結合を有する塩基が、シトシン、チミン又はウラシルである請求項25〜28のいずれかに記載の方法。
- 炭素−炭素二重結合を有する塩基を有する核酸類が、DNA又はRNAである請求項25〜29のいずれかに記載の方法。
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