JP3751260B2 - 大型船用二枚舵システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大型船用二枚舵システムに関し、推進プロペラ後流を有効に利用する技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大型船の舵システムは、図17〜図18に示すように、一基の推進プロペラ3の後方に一枚の舵51を配設したものであり、舵51は通常、マリナー型と呼ばれる形式のものが圧倒的多数を占めている。この舵51は、船尾52の底面中央から下方に突出して設けた流線型をなすホーン53の下端部のピントル54により回動自在に支承されている。舵51の最大回転可能角度は片舷35°、反対舵35°、合計70°である。
【0003】
また、従来において舵の面積は、船の長さ及び種類により異なるが、船の長さに喫水を乗じた浸水投影面積を舵面積で除した値(舵面積比)がある値の範囲内にくるように実績に基づいて決定されていた。
【0004】
しかし最近、大型タンカーなど針路安定性、追従性に問題のある大型船において、狭水路航行時および荷揚げ港内航行時などにおける操船性能が問題視されるようになっており、国際海事機関(IMO)の規定による操船性能に対する要求事項を満足させるために、船体形状の変更のみならず、舵面積比を小さくする、すなわち舵面積を大きくすることを採用してこれに対応しているのが現状である。これにより、世界的に大型タンカーでは舵51のブレードの平均弦長c’が推進プロペラ直径dの110%程度にも及ぶ大寸法の一枚舵を設けているのが現状である。
【0005】
また、推進プロペラを二基設けて、その後方にそれぞれ舵一枚を設けるという構想も存在するが、これは推進プロペラ一基、舵一枚という上記の構成を単に二系統設けて推進機関が故障した場合の安全性を図るものである。この場合、船の旋回操縦時は、二枚の舵は左右舷に最大角度35°まで同調して転舵されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の舵システムにおいては、舵面積を大きくする必要性があった結果、舵が重構造になり、また舵取機の力量を大きくせねばならないばかりか、推進性能の低下を来し、また、場合によっては、舵が大きくなった分のスペース確保のために船体寸法を大きくせねばならないこともあり、これらが経済的損失を招くことにもなるという問題があった。
【0007】
さらに、狭水路および港内の航行においてこそ高い操縦性が要求されるが、舵面積を大きくしても低速力であるために舵力はさほど大きくならず、操縦性の向上にとって余り有効ではないという問題があった。
【0008】
また、従来の舵においては、舵角を35°より大きくすると、失速により急激に舵の揚力が減少する。従って、舵角を大きくしても操縦性能の向上にとって余り有効ではなかった。
【0009】
また、上記した従来の舵システムにおいては、舵あるいは舵取機の故障が生じた場合、操船不能となり、船の安全性が損なわれるという問題があった。この問題の解決のため従来の舵システムを二系統設ければこの問題は解決されるが、推進効率が悪くなるうえに、スペースや設備が大きくなってコストが高くなるという別の問題が生じるために実施は困難であった。また、二系統設けた場合、二枚の舵が同調して転舵されるようになっているために、舵角が大きくなると二枚の舵の間の水流の干渉作用が生じる場合があり、効果的に舵力を発生できないという問題があった。
【0010】
本発明は上記した課題を解決するものであり、従来の舵面積比による舵面積決定の思想によらず、推進プロペラ後流を有効に利用可能とするものであって、舵ブレードの弦長を推進プロペラ直径のほぼ半分程度とした二枚の高揚力舵を一基の推進プロペラの後方に配置し、両舵の舵角の組み合せを最も有効になるように制御することにより、大型船に対して制動作用を含めて優れた操縦性を与えることができ、特に、高速力航行時のみならず狭水路や港内での低速力航行時にも優れた操縦性を発揮でき、尚且つ推進性能も従来の舵システムの場合と同等あるいはそれ以上の性能を確保でき、舵を軽構造化することができ、舵寸法の短縮により船体長さを短縮あるいは載貨量を増加させることができ、舵取機の必要力量および必要作動角度も小さくすることができ、舵の支持方式を簡単な釣舵型にすることができ、さらに、一方の舵あるいは舵取機が故障した場合でも操船機能を確保できて安全である大型船用二枚舵システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の大型船用二枚舵システムは、一基の推進プロペラの後方に推進プロペラ軸心に対して対称の位置にほぼ平行に一対の高揚力舵を配設してなり、各高揚力舵が舵ブレードの頂端部と底端部にそれぞれ頂端板と底端板を有し、各舵ブレードが水平断面の輪郭が前方へ半円形状に突出させた前縁部と前縁部に連続して流線型に幅を最大幅部まで増大させた後に最小幅部に向けて徐々に幅を減少させた中間部と中間部に連続して所定幅の後方端に向けて徐々に幅を増大させた魚尾後縁部からなる形状を有し、各舵ブレードの内舷側の面上で推進プロペラの軸心とほぼ同じ水準位置にほぼ前縁部から後方に向けて所定の翼弦長を有するフィンを設け、フィンの端面にフィン端板を設けた高揚力二枚舵システムにおいて、
頂端板と底端板は両舷側に張り出して設け、推進プロペラ翼が上昇方向に回転する舷側に対向する一方の舵ブレードのフィンは、流れの上向き方向の成分を有する推進プロペラ後流によって発生する前進方向推力と抗力の比が最大となる迎え角をなす姿勢を有し、推進プロペラ翼が下降方向に回転する舷側に対向する他方の舵ブレードのフィンは、流れの下向き方向の成分を有する推進プロペラ後流によって発生する前進方向推力と抗力の比が最大となる迎え角をなす姿勢を有し、フィン端板は上下方向に屈曲する平板状をなして、推進プロペラの後方中心にはフィンおよびフィン端板が存在せず、推進プロペラのボスキャップに推進プロペラ翼の発生する推進プロペラ後流と同じ方向に後流を発生せしめるフィンを設けるように構成したものである。
【0012】
上記した構成により、船を操縦するために各舵に舵角を与えたときは、推進プロペラの後流は舵ブレードの頂端板と底端板の間に封じ込められるようにして舵ブレードの面に流入するので、翼としての揚力あるいは水流の直圧力として発生する揚力が大きくなるとともに、さらに魚尾後縁部における水流の屈折の反力が揚力として加わるために、大きな揚力を発生させることができる。
また、フィン端板によってフィン翼端部における端面影響および自由渦の発生を少なくすることができるとともにフィン翼面上の揚力分布を端部まで延長し、かつ自由渦の一部を前進力に変換することができる。従って、フィンの揚力変換効率が高まり、推進効率をさらに高めることが可能となる。
また、推進プロペラ後流流束の中心部におけるハブ渦の発生を減らすことができ、従って、推進効率が向上する。推進プロペラの後方中心に舵が存在する場合は舵がハブ渦の発生をある程度抑制する効果を持つが、本発明においては推進プロペラの後方中心には舵が存在しないので、ボスキャップにフィンを設けてハブ渦の発生を抑制することの有効度が極めて大きい。
【0013】
しかも、舵角を従来の最大35°より大きくしても失速することなく揚力の発生が持続するとともに、舵角が大きくなるほど抗力が大きくなって船を減速させ、操縦性を高めることができる。さらに、舵が二枚であることにより、揚力が最も大きく発生する舵ブレード前縁部近傍の合計縦長さが舵一枚の場合の二倍近くになり、また、揚力のもう一つの発生源である魚尾後縁部の合計縦長さも二倍近くに大きくなるので、全体として大きな揚力を発生させることができる。また、二枚の舵の舵角の組み合せにより、相互作用の効果で全体としての揚力は更に大きいものになる。
【0015】
また、船の直進時の舵中立位置においては、両舵ブレードの間を回転しながら後方に流れる推進プロペラ後流の回転エネルギーを両舵ブレードのフィンによって前進方向成分を有する揚力に変換する。
【0016】
従って、船の直進時の舵中立位置における魚尾後縁部に生じる粘性圧力抵抗および舵ブレードが二枚あることによる自航要素における推力減少係数の低下傾向は、フィンに発生する前進方向推力および舵面積が小さいことによる抵抗の減少によって相殺され、推進効率は従来の一枚舵システムの場合と同等あるいはそれ以上のものにすることができる。
【0017】
また、舵ブレードの弦長の短縮は舵ブレード高さも多少短縮させることになり、結局、高揚力舵一枚当たりの舵面積は、従来のマリナー型一枚舵のホーンを含めた舵面積に比べると一般に約30〜40%程度に減少する。従って、舵一枚当たりの構造および重量が従来のシステムに比べて著しく軽構造化、軽量化されることになり、製造が容易になるほか、舵の支持方式を従来のマリナー舵方式から簡単な釣舵方式に変えることが可能になる。さらに、舵寸法の短縮により船体長さを短縮あるいは載貨容量を増加させることができる。
【0018】
また、舵取機も、2台を合せた合計必要力量が従来のマリナー型一枚舵システムの場合の約50%程度になる。すなわち、舵取機一台当たりの力量が従来の約25%程度に小さくなるために、従来のシステムにおけるような特別製作の大容量舵取機を使用する必要がなくなる。
【0019】
さらに、一方の舵あるいはその舵取機が故障した場合でも他方のものにより操船機能を維持でき、従来の一枚舵システムの場合に比べて安全性が著しく向上する。
【0020】
請求項に係る本発明の大型船用二枚舵システムは、各舵ブレードの弦長を推進プロペラ直径の60〜45%とし、各高揚力舵の回転中心と推進プロペラ軸心との間の間隔を推進プロペラ直径の25〜35%とし、各高揚力舵をそれぞれ外舷側に最大舵角転舵した状態で各舵ブレード前縁端の間の間隙が最大40〜50mmであるように構成したものである。
【0021】
上記した構成により、いずれかの舵をその舷の外舷側に最大舵角まで転舵したときでも、推進プロペラ後流の流束が舵ブレードに当たる面積を大きくすることができるので、舵により大きい揚力を発生させることができて操縦性がさらに向上する。
【0022】
また、左右の舵をそれぞれ外舷側に最大舵角転舵した状態では、各舵ブレードが船の進行に対する制動作用を行い、かつ各舵ブレードの前縁端の間の間隙が小さいことによってこの間隙を通る推進プロペラ後流の後方への逸流量が少なくなるので、推進プロペラによる前進推力が減少するとともに、舵ブレードに発生する抗力が最大となって船を急速に停止させることができて安全性が著しく向上する。
【0023】
請求項に係る本発明の大型船用二枚舵システムは、左右の高揚力舵はそれぞれ外舷方向に内舷方向よりも大きい舵角をとれるように構成したものである。
上記した構成により、船の旋回操縦時に二枚の舵を同じ舷方向に回転させるとき、二枚の舵の間の水流の干渉作用による揚力減少を避けることができ、また、船の制動作用を行わせるために左右の舵をそれぞれ外舷側に大きな角度に開くことができ、さらに、舵取機は、両舷側に同じ大舵角をとる必要がないため、必要作動角度範囲を小さくすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4において、一対の高揚力舵1、2は一基の推進プロペラ3の後方に推進プロペラ軸心すなわち船体中心線に対して左右対称に配設しており、推進プロペラ3は後方から見て時計方向に回転(右回転)する状態を示している。
【0031】
左右両舷側に配置した高揚力舵1、2は、左舷舵ブレード4および右舷舵ブレード5と、左右舷舵ブレード4、5の各々の頂端部にそれぞれ両舷側に張り出して設けた平板状の頂端板6、7と、底端部にそれぞれ両舷側に張り出して設け、かつ側縁部が下方に若干屈曲した形状をなす底端板8、9と、左右舷舵ブレード4、5のそれぞれ内舷側の面上に推進プロペラ3の軸心とほぼ同じ水準位置に突設した左右舷フィン10、11と、左右舷フィン10、11のそれぞれ内舷側端面に設けた所定長さだけ上下に屈曲した平板状の左右舷フィン端板12、13と、各舵ブレード4、5のそれぞれ回転中心頂部に接続した舵軸14、15から構成されるものである。
【0032】
各舵ブレード4、5はその水平断面の輪郭が前方へ半円形状に突出させた前縁部16、17と、前縁部16、17に連続して流線型に幅を最大幅部18b、19bまで増大させた後に最小幅部18a、19aに向けて徐々に幅を減少させた中間部18、19と、中間部18、19に連続して所定幅の後方端20a、21aに向けて徐々に幅を増大させた魚尾後縁部20、21からなる形状を有している。
【0033】
推進プロペラ3の翼が上昇方向に回転する舷側に対向する左舷舵ブレード4の左舷フィン10は舵ブレード4の前縁部16から後方に向けて所定の翼弦長を有する翼断面をなし、流れの上向き方向の成分を有する推進プロペラ3の後流によって発生する前進方向推力と抗力の比が最大となる迎え角αをなす姿勢に配設している。左舷フィン10の端面10aに設けた端板12は推進プロペラ3の軸心方向と平行に、あるいは推進プロペラ3の後流の流線ベクトルに沿うように設けている。
【0034】
推進プロペラ3の翼が下降方向に回転する舷側に対向する右舷舵ブレード5の右舷フィン11は舵ブレード5の前縁部17から後方に向けて所定の翼弦長を有する翼断面をなし、流れの下向き方向の成分を有する推進プロペラ3の後流によって発生する前進方向推力と抗力の比が最大となる迎え角αをなす姿勢に配設している。右舷フィン11の端面11aに設けた端板13は推進プロペラ3の軸心方向と平行に、あるいは推進プロペラ3の後流の流線ベクトルに沿うように設けている。
【0035】
各舵ブレード4、5の平均弦長(コード長さ)cは推進プロペラ3の直径dを基準としてその60〜45%であり、舵ブレード高さhは推進プロペラ3の直径dの約90%である。各舵ブレード4、5の回転中心と推進プロペラ3の軸心との間の間隔sは推進プロペラ3の直径dの25〜35%である。
【0036】
各舵ブレード4、5はそれぞれ外舷側に例えば60°、内舷側に例えば30°回転可能である。各舵ブレード4、5はそれぞれ外舷側に例えば60°回転させた状態において、各舵ブレード4、5の前縁部16、17の各先端部間の間隙は最大40〜50mmである。
【0037】
以下、上記した構成における作用を説明する。船を操縦するために舵1または2に舵角を与えたとき、舵1、2の回転中心が推進プロベラ3の軸心からそれぞれ推進プロペラ3の直径dの25〜35%の位置にあるので、推進プロペラ3の後流の流束は十分な投影面積をもって舵ブレード4、5に当たり、舵ブレード4、5の頂端板6または7と底端板8または9との間に封じ込められるようにして舵ブレード4または5の面に流入する。このため、翼としての揚力あるいは水流の直圧力としての揚力が大きく発生するとともに、さらに魚尾後縁部20または21において水流の屈折の反力が揚力として加わるので大きな揚力が発生する。しかも、舵角を従来の最大35°より大きくしても失速することなく揚力の発生が持続するとともに、舵角が大きくなるほど抗力が大きくなって船を減速させて船の操縦性を高める。さらに、舵1、2が二枚であることにより、揚力が最も大きく発生する舵ブレード前縁部16、17近傍の合計縦長さが舵一枚の場合の二倍近くになり、また、揚力のもう一つの発生源である魚尾後縁部20、21の合計縦長さも二倍近くに大きくなるので、全体として大きな揚力を発生させることができる。また、二枚の舵1および2の舵角の組み合せにより、相互作用の効果で全体としての揚力は更に大きいものになる。
【0038】
従来のマリナー舵51一枚のシステムにおいては、舵ブレードの面積を大きくしても、転舵時、推進プロペラ3の後流が舵ブレードに強く作用するのは部分的な範囲に止まるため、発生する舵力が面積増大に比例しない。舵力発生が推進プロペラ後流でなく水流の速度に依存する範囲が大きくなるため、狭水路や港内において低速力で航行するときに、水流速度の低下により十分な舵力を発生することができない。これに対して、本発明の実施の形態においては、舵ブレード4、5のほぼ全面に推進プロペラ3の後流が作用し、しかもそのエネルギーが頂端板6、7と底端板8、9との間に封じ込められて舵ブレード4、5に作用するので、大きな舵力を発生することができ、狭水路や港内において低速力で航行するときでも高い操縦性を発揮できる。
【0039】
従って、舵ブレード4、5の弦長cが推進プロペラ3の直径dの60〜45%、舵ブレード高さhが推進プロペラ3の直径dの約90%、すなわち二枚の舵ブレード4、5の合計面積が、舵ブレード弦長c′を推進プロペラ直径dの約110%にした従来のマリナー型一枚舵システムにおけるホーン53を含めた舵面積の約55〜70%という値であるにもかかわらず、高速力航行時のみならず狭水路や港内での低速力航行時にも従来よりも優れた操縦性、すなわち優れた保針性能、旋回性能、回頭性能、停止性能を発揮する。
【0040】
また、船の直進時の舵中立位置においては、両舵ブレード4、5のフィン10、11は、両舵ブレード4、5の間を回転しながら後方に流れる推進プロペラ3の後流の回転エネルギーを前進方向成分を有する揚力に変換する。フィン端板12、13は、フィン10、11の翼端部における端面影響および自由渦の発生を少なくするとともに、フィン10、11の翼面上の揚力分布を端部まで延長し、また自由渦の一部を前進力に変換するから、フィン10、11の揚力変換効率を高くする。
【0041】
従って、船の直進時の舵中立位置において魚尾後縁部20、21に生じる粘性圧力抵抗および舵ブレード4、5が二枚であることによる自航要素における推力減少係数の低下傾向は、フィン10、11に発生する前進方向推力および舵面積が小さいことによる抵抗の減少によって相殺され、推進効率は従来の一枚舵システムの場合と同等あるいはそれ以上のものになる。
【0042】
また、舵ブレード4、5の寸法が小さく、舵一枚当たりの舵面積が従来のマリナー型一枚舵システムにおけるホーン53を含めた舵面積の約28〜35%程度に減少することにより、この舵寸法の短縮は船体長さを短縮あるいは載貨容量を増加できるという経済的効果を生み出す。また、舵一枚当たりの構造および重量が従来のシステムに比べて著しく軽構造化、軽量化されるから、製造が容易になるほか、舵の支持方式を従来のマリナー舵方式から簡単な釣舵方式に変えることが可能になる。また、舵取機も、2台を合せた合計必要力量が従来のマリナー型一枚舵システムの場合の50%程度になる、すなわち舵取機一台当たりの力量が従来の約25%程度に小さくなるために、従来のシステムにおけるような特別製作の大容量舵取機を使用する必要がなくなる。
【0043】
さらに、二枚の舵1、2のうちの一方の舵あるいはその舵取機が故障した場合でも他方のものにより操船機能を維持でき、従来の一枚舵システムの場合に比べて安全性が著しく向上する。
【0044】
本実施の形態においては、舵ブレード4、5はそれぞれ外舷方向に例えば60°、内舷方向に例えば30°回転可能であり、例えば、図5に示す左舷舵ブレード4が左舷60°、右舷舵ブレード5が左舷30°の舵角の組み合せでは、二枚の舵ブレード4、5の間における水流の干渉作用を避けることができ、そのため効果的に舵力を発生させることができ、船を最大の能力でもって左旋回させることができる。
【0045】
また、各舵ブレード4、5をそれぞれ外舷側に転舵すれば、推進プロペラ3の後流によって各舵ブレード4、5には揚力と抗力が発生し、揚力は左右で釣り合って相殺され、残った抗力が推進プロペラ3による前進推力を減殺する。従って、推進プロペラ3の回転を制御することなく船に制動力を与えて減速させることができる。その究極として、図6に示すように、各舵ブレード4、5をそれぞれ外舷側に最大60°転舵して両舷側に張り出した状態では、各舵ブレード4、5は、船の進行に対する制動板としての制動作用を行う。
【0046】
併せて、各舵ブレード4、5の前縁部16、17の端間間隙mが十分小さく、この間隙を通る推進プロペラ3の後流の後方への逸流量が少ないので、推進プロペラ3による前進推力が減少するとともに、各舵ブレード4、5に発生する抗力も最大となって、船を急速に停止させることができ、安全性が著しく向上する。
【0047】
上記のように各舵ブレード4、5をそれぞれ外舷側に転舵するという特性は,船を微速航行させることにも利用できる。すなわち、主機関がディーゼル機関で推進プロペラ3が固定ピッチの場合は、主機関を最低回転数であるデッドスロー(極微速)以下に下げることができず、相当に高い船速が残ってしまうが、この際、二枚の舵ブレード4、5をそれぞれ外舷側に開くように転舵し、かつ、その転舵角度を調節することにより、舵ブレード4、5に発生する抗力が調節され、これにより推進プロペラ3による前進推力が相殺されて、船を主機関のデッドスローに対応する速力から更に減速させることができる。
【0048】
また、上記のごとく舵1、2は大舵角転舵を行うにもかかわらず、舵取機は、両舷側に同じ大舵角をとる必要がないため、必要作動角度範囲を小さくすることができるという利点がある。
【0049】
逆に、舵取機の可能な限りの最大作動角度範囲を用いて舵1、2のそれぞれ外舷方向への最大舵角をより大きくすれば、上記旋回性能、回頭性能、停止性能を更に向上させることができる。例えば、ロータリーベーン式舵取機の場合、最大作動角度範囲を140°にすることは容易であるから、この場合、例えば各舵ブレード4、5のそれぞれ外舷方向の舵角を110°、内舷方向の舵角を30°とすれば、先の実施例における外舷方向舵角60°、内舷方向舵角30°の場合に比べて旋回性能、回頭性能がより優れるほか、急速停止時においては舵ブレード4、5の各舷側への張り出し面積の増加により制動力がより増大し、更に、図7に示すように、舵角110°においては、後進推力も発生するから制動力が更に大きくなる。
【0050】
また、二枚の舵1、2の舵角の組み合わせにより推進プロペラ3の後流の方向制御を行わせる自由度が大きくなり、操縦性を更に高めることが可能になる。いずれも推進プロペラ3は前進方向回転のままで、船の属性にもよるが例えば次のような操縦が可能になる。すなわち、左舷舵1を左舷に75°近傍に、右舷舵2を右舷に75°近傍にとれば、推進プロペラ3の前進推力と舵1、2に発生する抗力がほぼ拮抗し、他方、舵1、2に発生する揚力は左右で打ち消し合うから、船体をほぼその場にホバリングさせることができる。左舷舵1を左舷に70°近傍に、右舷舵2を右舷に25°近傍にとれば、船の前進を抑制して船首を左に回頭させることができる。左舷舵1を左舷に110°近傍に、右舷舵2を右舷に65°近傍にとれば、船を緩やかに後進させつつ船尾を左舷側に回転させることができる。また、左舷舵1を左舷110°近傍に、右舷舵2を右舷に75°近傍にとれば、船の後進を速めながら船尾を左舷側に旋回させることができる。
【0051】
図8は本発明の他の実施の形態を示すものである。先に図1〜図4において説明した技術と基本的に同様の作用を行う部材については、同一番号を付して説明を省略する。
【0052】
図8に示すように、両舵ブレード4、5の水平断面輪郭において、各魚尾後縁部22、23は、中間部18、19に連続して所定幅の後方端22a、23aに向けて外舷方向片側にのみ徐々に幅を増大させた形状を有している。
【0053】
この構成により、船の直進時の舵中立位置において、魚尾後縁部22、23における水流による粘性圧力抵抗を半減させることができ、推進効率を高めることができる。
【0054】
反面、魚尾後縁部22、23における揚力の発生が減少することについては、各舵1、2の可能舵角を内舷方向よりも外舷方向により大きくしたことに鑑み、魚尾後縁部22、23による水流屈折作用をより効果の大きい外舷側で重点的に行わせることで全体としての揚力発生の減少を最小限にすることができ、従来の一枚舵システムの場合よりも優れた操縦性(すなわち優れた保針性能、旋回性能、回頭性能、停止性能)を発揮できる。
【0055】
図9は本発明の実施の形態において、推進プロペラ3のボスキャップ3aに推進プロペラ3の翼3bの発生する後流と同じ方向に後流を発生せしめるフィン3cを取り付けた場合を示す図である。
【0056】
推進プロペラ3の翼3bの発生する後流は、その流束中心部においてはハブ渦を発生させ、これが推進プロペラ3の前進推力を減少させる力として作用するので、その分推進効率が低下するが、推進プロペラ3のボスキャップ3aに設けたフィン3cは推進プロペラ翼3bの後流流束の中心部においても後流を作り出すので、ハブ渦の発生が抑制される。従って、推進効率の低下を抑制することができる。
【0057】
推進プロペラ3の後方中心面上に舵51が存在する従来の技術においては、舵51がハブ渦の発生をある程度抑制する効果を持つのに対して、本発明においては、推進プロペラ3の後方中心には舵が存在しないことによりハブ渦が発生し易い条件にある。このため、ボスキャップ3aにフィン3cを設けてハブ渦の発生を抑制することの有効度は、従来の舵一枚の技術の場合より極めて大きくなる。
【0058】
本発明の大型船用二枚舵システムにおける前記の効果を実証するために、模型船による水槽試験を行うとともに、その試験データに基づいて、典型的な超大型タンカーの運動のシミュレーション計算を行った。また、超大型タンカーの実際の標準船型に近い大型模型船を用いての精細な推進性能試験も行った。これらの結果を以下に説明する。
(1)模型船による試験
長さ4mの模型船を用いて試験水槽による模型試験を行った。試験は、図10に示す仕様により、従来のマリナー型一枚舵と本発明の実施の形態による二枚舵システムの両方について比較する形で行った。
【0059】
船のいろいろな操縦性能の指標となるのは、推進プロペラを作動させた状態で舵角をとったとき、舵に作用する横推力と船体に作用する前進推力の大きさであり、また、船の直進時の推進性能は舵中立位置において船体に作用する前進推力の大きさであるので、模型試験ではそれらの値を計測した。それらの結果を図11に示す。なお、各推力の大きさは、船を拘束して推進プロペラを作動させたときの推進プロペラ推力を1として、それに対する比で無次元化して表している。
【0060】
図11から分かるように、本発明による二枚舵システムは、舵中立位置を除くすべての舵角において、従来のマリナー型一枚舵に比べて、横推力においては上回り、前推進力においては下回っている。すなわち、舵角をとったとき、船をより減速させるとともに横に押す力がより大きい。また、35°以上の大舵角まで推力が持続している。
【0061】
これらのことから、本発明の二枚舵システムは、従来のマリナー型一枚舵よりも船の操縦性能が優れていることが実証された。また、舵中立位置における前進推力については両者の間に有意の差は認められず、本発明の二枚舵システムは従来のマリナー型一枚舵の場合と同等の推進性能を有すると言える。
(2)船体運動のシミュレーション計算
上記水槽試験によって得られたデータに基づいて、典型的な超大型タンカーについて、その旋回運動と10°/10°ジグザグ試験の運動のシミュレーション計算を行った。その結果を図12〜図13に示す。
【0062】
図12により、本発明の実施の形態による二枚舵システムは、旋回圏直径、旋回縦距、旋回横距のいずれにおいても、従来のマリナー型一枚舵よりも優れていることが分った。
【0063】
また、図13により、本発明の実施の形態による二枚舵システムは、10°/10°ジグザグ試験における、とくに問題とされる第二次オーバーシュート角が従来のマリナー型一枚舵の場合に比べて大きく優れていることが分った。
(3)超大型タンカーの船型による水槽試験
本発明の実施の形態を超大型タンカーに適用した場合の推進性能をより精細に調べるために、300,000DWT型超大型タンカーの実際の標準船型に近い既存の一枚舵用模型船(長さ7m)を用いて、水槽試験を行った。試験の対象とした超大型タンカーと舵の仕様は図14に示す通りであり、同じ船体模型に従来のマリナー型一枚舵を取り付けた場合と本発明の実施の形態による二枚舵システムを取り付けた場合のそれぞれについて推進性能試験を行い、両者を比較した。
【0064】
試験の計測値からブレーキ馬力を求めてプロットしたものを図15に示す。これによると、航海速力16ノットでは、本発明の実施の形態による二枚舵システムの場合は、従来のマリナー型一枚舵の場合に比べて約2%大きいブレーキ馬力を必要とするという試験結果となった。
【0065】
しかし、一枚舵用の船体模型をそのままにして二枚舵を取り付けて試験を行ったことに対する修正が、また、試験の結果判明した船尾とプロペラ付近の水流の挙動に適合するような舵設計の修正、例えば舵断面形状の修正、頂・底端板の傾斜角と面積の修正、二枚の舵の軸中心間隔の修正などが必要である。これらのうち図14から判るように極端に大きなものになっているスケグの縮小化が必要であることは明らかである。
【0066】
本試験では、とりあえず、この大きなスケグを内舷側に2°の角度を設けて取り付けることで抵抗を減らす措置をとった。
さらに、この模型船試験では付けていないが、実際の船では、推進プロペラのハブ渦損失を解消して推進効率を改善するためにプロペラボスキャップにフィンを付けるのが通例である。この場合、推進効率の改善度は二枚舵の場合は一枚舵の場合より最低3%以上大きいことが知られている。
【0067】
本発明の実施の形態による二枚舵システムの試験結果に上記の修正を加えれば、試験結果よりも最低でも3%以上良くなることが予想され、従って、従来のマリナー型一枚舵の場合よりも約1%以上推進効率が高くなると予想される。さらに、スケグの縮小化による抵抗減少および前記諸項目の最適化を考慮すれば、この差はさらに大きくなると予想される。
【0068】
以上、図11,図12〜図13および図15から分るように、本発明の実施の形態による二枚舵システムは、舵寸法が極めて小さいにもかかわらず、従来のマリナー型一枚舵に比べて、転舵時の横推力、前進推力の面において優れていて高い操縦性能を発揮する一方、直進時の推進抵抗がほぼ同じかより少なく、ほぼ同等あるいはそれ以上の推進性能を有するという試験およびシミュレーション結果が得られた。
【0069】
次に、本発明の効果が模型試験およびシミュレーションにより実証されたことにより、IMO(国際海事機関)の規定による操縦性能に対する要求事項を満足させるようにした300,000DWT型超大型タンカーに本発明を適用した場合について、従来のシステムの場合と比較する形で、試設計を行った。その結果を図16に示す。
【0070】
これにより、本発明による二枚舵システムを適用した300,000DWT型超大型タンカーにおいては、従来のマリナー型一枚舵を適用した場合に比べて、総舵面積が可動部のみで約77%に減少し、総舵トルクすなわち総舵取機必要力量が約50%に減少することがわかった。
【0071】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、推進プロペラ後流を有効に利用可能なように舵ブレードの弦長を推進プロペラ直径のほぼ半分程度とした二枚の高揚力舵を一基の推進プロペラの後方に配置し、両舵の舵角の組み合せを最も有効になるように制御することにより、大型船に対して高速力航行時のみならず低速力航行時においても優れた操縦性能すなわち優れた保針性能、旋回性能、回頭性能、停止性能を与えることができて、なおかつ、推進性能も従来の一枚舵システムの場合と同等あるいはそれ以上の性能を確保でき、また、舵寸法の短縮により船体長さの短縮あるいは載貨容量の増加という経済的効果を生み出すほか、舵を軽構造化することができ、舵取機の必要力量も小さくすることができ、さらに、一方の舵あるいはその舵取機が故障した場合でも操船機能を確保できて安全な大型船用の舵システムを提供することができる。
【0072】
例えば、本発明の大型船用二枚舵システムをIMO(国際海事機関)の規定による操縦性能に対する要求事項を満足させるようにした超大型タンカーに適用した場合、マリナー型一枚舵を装備した従来の舵システムの場合に比べて、舵面積は二枚合計で約60〜80%程度に減少し、舵トルクすなわち舵取機必要力量は合計して約50%程度に減少する。それにもかかわらず、船の操縦性能は従来の一枚舵システムの場合よりも優れており、また、推進性能は従来の場合と同等あるいはそれ以上の性能を確保できるという卓越した効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における大型船用二枚舵システムを示す背面図である。
【図2】同大型船用二枚舵システムの図1におけるa−a矢視断面平面図である。
【図3】同大型船用二枚舵システムの図1におけるb−b矢視側面図である。
【図4】同大型船用二枚舵システムの図1におけるc−c矢視側面図である。
【図5】同大型船用二枚舵システムの作動を示す説明図である。
【図6】同大型船用二枚舵システムの作動を示す説明図である。
【図7】同大型船用二枚舵システムの作動を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態における大型船用二枚舵システムを示す部分断面平面図である。
【図9】同大型船用二枚舵システムにおいて推進プロペラにボスキャップフィンを設けた場合の部分断面平面図である。
【図10】同大型船用二枚舵システムについての模型船による試験のための模型船仕様を示す図表である。
【図11】同大型船用二枚舵システムについての模型船による横推力と前進推力の計測試験の結果を示すグラフである。
【図12】同大型船用二枚舵システムを適用した超大型タンカーについて旋回性能のシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図13】同大型船用二枚舵システムを適用した超大型タンカーについて10°/10°ジグザグ試験のシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図14】同大型船用二枚舵システムについての超大型タンカー模型船による試験の対象とした船と舵の仕様と舵装備状態を示す図である。
【図15】同大型船用二枚舵システムについての超大型タンカー模型船による推進性能試験の結果を示すグラフである。
【図16】同大型船用二枚舵システムについての実船適用の試設計の結果を示す図表である。
【図17】従来の大型船用舵システムを示す背面図である。
【図18】同大型船用舵システムの図17におけるd−d矢視側面図である。
【符号の説明】
1 高揚力舵(左舷)
2 高揚力舵(右舷)
3 推進プロペラ
3a ボスキャップ
3b 翼
3c フィン
4 左舷舵ブレード
5 右舷舵ブレード
6 左舷頂端板
7 右舷頂端板
8 左舷底端板
9 右舷底端板
10 左舷フィン
10a 左舷フィン端面
11 右舷フィン
11a 右舷フィン端面
12 左舷フィン端板
13 右舷フィン端板
14 左舷舵軸
15 右舷舵軸
16 左舷前縁部
17 右舷前縁部
18 左舷中間部
18a 最小幅部
18b 最大幅部
19 右舷中間部
19a 最小幅部
19b 最大幅部
20 左舷魚尾後縁部
20a 後方端
21 右舷魚尾後縁部
21a 後方端
22 左舷魚尾後縁部
22a 後方端
23 右舷魚尾後縁部
23a 後方端
51 マリナー舵
52 船尾
53 ホーン
54 ピントル
α 迎え角
d 推進プロペラ直径
c 舵ブレード平均弦長
h 舵ブレード高さ
s 舵回転中心と推進プロペラ軸心との間の間隔
m 舵ブレード前縁端間の間隙
c′ 舵ブレード平均弦長

Claims (3)

  1. 一基の推進プロペラの後方に推進プロペラ軸心に対して対称の位置にほぼ平行に一対の高揚力舵を配設してなり、各高揚力舵が舵ブレードの頂端部と底端部にそれぞれ頂端板と底端板を有し、各舵ブレードが水平断面の輪郭が前方へ半円形状に突出させた前縁部と前縁部に連続して流線型に幅を最大幅部まで増大させた後に最小幅部に向けて徐々に幅を減少させた中間部と中間部に連続して所定幅の後方端に向けて徐々に幅を増大させた魚尾後縁部からなる形状を有し、各舵ブレードの内舷側の面上で推進プロペラの軸心とほぼ同じ水準位置にほぼ前縁部から後方に向けて所定の翼弦長を有するフィンを設け、フィンの端面にフィン端板を設けた高揚力二枚舵システムにおいて、
    頂端板と底端板は両舷側に張り出して設け、推進プロペラ翼が上昇方向に回転する舷側に対向する一方の舵ブレードのフィンは、流れの上向き方向の成分を有する推進プロペラ後流によって発生する前進方向推力と抗力の比が最大となる迎え角をなす姿勢を有し、推進プロペラ翼が下降方向に回転する舷側に対向する他方の舵ブレードのフィンは、流れの下向き方向の成分を有する推進プロペラ後流によって発生する前進方向推力と抗力の比が最大となる迎え角をなす姿勢を有し、フィン端板は上下方向に屈曲する平板状をなして、推進プロペラの後方中心にはフィンおよびフィン端板が存在せず、推進プロペラのボスキャップに推進プロペラ翼の発生する推進プロペラ後流と同じ方向に後流を発生せしめるフィンを設けるように構成したことを特徴とする大型船用二枚舵システム。
  2. 各舵ブレードの弦長を推進プロペラ直径の60〜45%とし、各高揚力舵の回転中心と推進プロペラ軸心との間の間隔を推進プロペラ直径の25〜35%とし、各高揚力舵をそれぞれ外舷側に最大舵角転舵した状態で各舵ブレード前縁端の間の間隙が最大40〜50mmであるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の大型船用二枚舵システム。
  3. 左右の高揚力舵はそれぞれ外舷方向に内舷方向よりも大きい舵角をとれるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の大型船用二枚舵システム。
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