JP3750575B2 - 乗員拘束装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の転倒(横転)時や側面衝突時等に、車両のドアの窓を遮蔽して、乗員を車内側に拘束可能な乗員拘束装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来の乗員拘束装置では、特表平7−501023号公報等に知られているように、車両の側面衝突時等において、車両のドアの窓の周縁から、ネット等のシート状の遮蔽材を繰り出して、ドアの窓を遮蔽するものがあった。
【0003】
しかし、上記公報等では、遮蔽材を収納する構造や、遮蔽材を繰り出し可能に覆っているガーニッシュ等の内装材の構造が、具体的でなかった。
【0004】
本発明は、上記の点を勘案して、遮蔽材の円滑な繰り出しを確保して遮蔽材を覆うガーニッシュを、安定してドアフレームに取り付けることができたり、あるいは、遮蔽材を繰り出し可能に収納しても、ドアの雨水や風切り音等に対するシール性能の低下を抑えることができる乗員拘束装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1番目の乗員拘束装置は、車両のドアの窓の周縁に配置されるドアフレームと、
前記窓周縁の前記ドアフレームにおける車内側の内周側から外周側付近までを、覆うガーニッシュと、
前記窓周縁における前記ドアフレームと前記ガーニッシュとの間に、折り畳まれて収納されるシート状の遮蔽材と、
を備えて構成され、
前記遮蔽材が、所定時、前記ガーニッシュの一部を押し開いて、前記窓を遮蔽可能に繰り出されるように、構成される乗員拘束装置であって、
前記遮蔽材の収納部位付近の前記ドアフレームが、断面略U字状に車内側に突出する突出部を備えて、
該突出部が、前記窓側の内周側壁部と、外周側壁部と、前記内周側壁部・外周側壁部の車内側端相互を連結する連結壁部と、を備えて構成され、
前記遮蔽材の収納部位付近の前記ガーニッシュが、前記ドアフレームの突出部の車内側を覆い可能に、前記窓側の内周側片部と、前記外周側壁部に当接する外周側片部と、前記内周側片部・外周側片部の車内側端相互を連結する連結片部と、を有する断面略U字形状に形成され、
前記遮蔽材が、前記突出部の内周側壁部と前記ガーニッシュの内周側片部との間に、収納され、
収納された前記遮蔽材を覆う前記内周側片部に、前記遮蔽材の繰り出し時に開き可能な扉部が、配設され、
前記外周側片部が、前記突出部の外周側壁部に、固着手段を使用して、固着されていることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る第2番目の乗員拘束装置では、車両のドアの窓の周縁に配置されるドアフレームと、
前記窓周縁の前記ドアフレームにおける車内側の内周側から外周側付近までを、覆うガーニッシュと、
前記窓周縁における前記ドアフレームと前記ガーニッシュとの間に、折り畳まれて収納されるシート状の遮蔽材と、
を備えて構成され、
前記遮蔽材が、所定時、前記ガーニッシュの一部を押し開いて、前記窓を遮蔽可能に繰り出されるように、構成される乗員拘束装置であって、
前記遮蔽材の収納部位付近の前記ガーニッシュが、前記窓側の内周側の部位に、収納された前記遮蔽材を覆うとともに前記遮蔽材の繰り出し時に開き可能な扉部を、配設させて、前記窓から離れた外周側の部位を、固着手段を使用して、前記ドアフレームに固着させるように、構成されるとともに、
前記ガーニッシュにおける前記ドアフレームへの固着部位が、前記ドアの外周縁に沿って配置された前記ドアとボディとの外周側シール部位と内周側シール部位との間に、配設されていることを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る第1番目の乗員拘束装置では、作動時、ガーニッシュの内周側片部とドアフレーム突出部の内周側壁部との間に折り畳まれて収納されていた遮蔽材が、ガーニッシュの内周側片部の扉部を開かせて、繰り出される。
【0008】
その際、ガーニッシュは、断面略U字形とし、連結片部を介在させて、扉部を有する内周側片部から離れた外周側片部を、ドアフレーム突出部の外周側壁部に対し、固着手段を使用して、固着させている。さらに、外周側片部は、内周側片部の側の面を、ドアフレーム突出部の外周側壁部に当接させている。
【0009】
そのため、ガーニッシュ内周側片部の扉部が、勢いよく開くこととなっても、外周側片部が、ドアフレーム突出部の外周側壁部に当接されて、移動を規制されることとなり、扉部の開き時に生ずる引張力は、固着部位に対して、直接的に、作用し難い。その結果、ガーニッシュは、ドアフレーム突出部に安定して固着された状態を維持して、円滑に、扉部を開かせることができる。さらに、ガーニッシュを安定してドアフレームに取り付けておくことができるため、ガーニッシュをドアフレームに取り付けるための固着構造を、簡素化することも可能となる。
【0010】
したがって、本発明に係る第1番目の乗員拘束装置では、遮蔽材の円滑な繰り出しを確保して遮蔽材を覆うガーニッシュを、安定してドアフレームに取り付けることができ、かつ、ガーニッシュをドアフレームに取り付けるための固着構造を、簡素化することも可能となる。
【0011】
本発明に係る第2番目の乗員拘束装置では、作動時、ガーニッシュの窓側の内周側の部位の扉部が開いて、遮蔽材が繰り出されることとなる。そして、ガーニッシュの窓から離れた、すなわち、扉部から離れた外周側の部位が、固着手段を利用して、ドアフレームに固着されていることから、円滑な扉部の開き動作を確保しやすい。
【0012】
そして、ガーニッシュのドアフレームへの固着部位が、ドアの外周縁に沿って配置されたドアとボディとの外周側シール部位と内周側シール部位との間に、配設されている。
【0013】
そのため、窓を中心とした固着手段より外周側の外周側シール部位によって、ドアは、雨水等に対するシール性を確保することができ、ドアフレームにガーニッシュの固着手段用の取付孔等を設けていても、車内側への雨水等に対するシール性に、影響を与えない。
【0014】
また、窓を中心とした固着手段より内周側にも、内周側シール部位が、配設されているため、風切り音等も、ドアフレームに設けたガーニッシュの固着手段用の取付孔等を経て、車内に伝わることを防止することができる。
【0015】
ちなみに、ドアフレームに設けた固着手段用の取付孔等が、内周側シール部位より、窓側に配置されていれば、その取付孔が車内側に配置されることから、風切り音等が、その取付孔を経て車内側に伝播する場合が生ずる。また、ドアフレームに設けたガーニッシュの固着手段用の取付孔等が、内周側シール部位より、窓側に配置されていれば、遮蔽材の繰り出し時に開く扉部の面積を確保し難くなって、円滑な遮蔽材の繰り出しを疎外する虞れも生ずる。
【0016】
したがって、本発明に係る第2番目の乗員拘束装置では、遮蔽材を繰り出し可能に収納しても、ドアの雨水や風切り音等に対するシール性能の低下を抑えることができ、また、円滑な遮蔽材の繰り出しを確保することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
本発明の一実施形態である乗員拘束装置Sは、図1〜5・8に示すように、ドアFDの窓WFの周縁から繰り出されて、窓WFの車内側Iを遮蔽可能な遮蔽材38を、備えて構成されている。なお、ドアFDが装着される車両には、窓WFの上方のルーフサイドレール部RRから展開膨張して、遮蔽材38と乗員との間に配置可能なエアバッグ61も、配設されている。
【0019】
遮蔽材38は、繰り出し手段51の駆動源であるプリテンショナー52により、作動され、エアバッグ61は、インフレーター68からの膨張用ガスにより、展開膨張することとなる。プリテンショナー52とインフレーター68とは、制御装置74により、作動が制御され、制御装置74は、ロールオーバセンサ72からの車両の転倒が予測されるようなロールオーバ検知信号を入力した際と、側突センサ73からの車両の側面衝突時の側突検知信号を入力した際と、に、それぞれ、プリテンショナー52とインフレーター68とを、作動させることとなる。なお、ロールオーバセンサ72、側突センサ73、及び、制御装置74は、車両の所定位置に配置されている。
【0020】
遮蔽材38が配設されるフロントドアFDは、図2〜5に示すように、車外側Oのドアフレーム11と、ドアフレーム11の車内側Iにおける窓WFの周縁に配置される略逆U字形状のドアフレームガーニッシュ21と、ドアフレーム11の車内側Iにおける窓WFの下方に配置されるドアトリム32と、を備えて構成されている。
【0021】
ドアフレーム11は、板金製として、窓WFの周縁における上縁側の上縁部12と、窓WFの前後両端側で略上下方向に配置される前・後縦縁部13・14と、窓WFの周縁における下縁側の下縁部15と、を備えて構成されている。
【0022】
後縦縁部14の上下の両端部付近には、遮蔽材38を取り付けるための取付孔14a・14bが形成されている(図6参照)。各取付孔14a・14bは、車外側Oの周縁にナット14cを固着させて、形成されている。また、後縦縁部14は、折り畳まれた遮蔽材38の後述する縦縁側収納部位45を収納する部位となり、図3に示すように、断面略U字状に車内側に突出する突出部16を備えて、構成されている。
【0023】
なお、ドアフレーム11は、実施形態の場合、アウタパネル11a、リインホースメント11b、及び、インナパネル11cを備えて構成されており、突出部16は、後縦縁部14のインナパネル11cから、形成されている。
【0024】
この突出部16は、窓WF側の内周側壁部16aと、外周側壁部16dと、内周側壁部16a・外周側壁部16dの車内側端相互を連結する連結壁部16cと、を備えて構成されている。
【0025】
外周側壁部16dには、上下方向に沿った複数箇所(実施形態では、三箇所)に、雌ねじが螺刻された取付孔16eが形成されている。これらの取付孔16eは、軸方向を車両の前後方向に略沿わせている。そして、これらの取付孔16eには、ねじ31が螺合されることとなる。ねじ31は、遮蔽材38の後述する縦縁側収納部位45を覆うドアフレームガーニッシュ21の後述する後縦縁部24を、ドアフレーム11に固着させるための固着手段となる。また、外周側壁部16dの取付孔16eより窓WFから離れた外周側の部位には、リテーナ17が固着され、リテーナ17には、ドア側ウエザストリップ18が取り付けられている。このウエザストリップ18は、ドアFDとボディ1との外周側シール部位を形成するもので、ドアフレーム11の外周縁の全周に配置されており、ドアFDを閉めた際に、ボディ1側のアウタパネル3に圧接されることとなる。なお、符号19の部材は、ガラスランである。
【0026】
ドアフレーム11の下縁部15には、図4・5に示すように、上縁側に、インナパネル11cに固着されて、車内側Iに延びるブラケット15aが配設されている。このブラケット15aには、車内側Iに延びて窓WFの下縁に沿って前後方向に配設される横板部15bと、横板部15bの車内側端から上方に延びる縦板部15cと、を備えて構成されている。横板部15b上には、車両後部側に、折り畳まれた遮蔽材38の後述する下縁側収納部位46が収納されるとともに、車両前部側に、後述するガイドレール58が固着されている。縦板部15cは、ドアトリム32の車外側Oの面に設けられた複数のリブ33aの凹溝33bに、下方から嵌め込まれている。
【0027】
また、ドアフレーム下縁部15の車内側Iの面には、遮蔽材38の繰り出し手段としてのプリテンショナー52の本体53が、取り付けられている。
【0028】
なお、ドアFDの周縁のボディ1側は、図3に示すように、インナパネル2とアウタパネル3とを配設させて構成され、さらに、そのボディ1側には、ドアFDの外周縁をシールするボディ側ウェザストリップ5が配設されている。ウェザストリップ5は、ドアFDとボディ1との内周側シール部位を形成するもので、ドアFDを閉めた際のドアFDの外周縁の全周付近に配設されており、ドアFDを閉めた際、ガーニッシュ21における車内側Iに突出した頂部21aや、ドアFDにおけるガーニッシュ21から離れた下部側の前縁・下縁・後縁に、圧接されることとなる。
【0029】
ドアフレームガーニッシュ21は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製として、窓WFの周縁における上縁側の上縁部22と、窓WFの周縁における前後両側で略上下方向に配置される前・後縦縁部23・24と、を備えて、車内側Iから見て、略逆U字形状に、形成されている。そして、上縁部22・前縦縁部23・後縦縁部24は、窓WFの周縁におけるドアフレーム11の上縁部12・前縦縁部13・後縦縁部14の車内側Iに嵌合可能な断面略U字形状として、窓WF周縁の各上縁部12・前縦縁部13・後縦縁部14における車内側の内周側から外周側付近までを覆い可能に、形成されている(図3〜5参照)。
【0030】
後縦縁部24は、図3に示すように、窓WF側の内周側片部26と、外周側壁部16dに当接する外周側片部30と、内周側片部26・外周側片部30の車内側端相互を連結して、表裏をウェザストリップ5や連結壁部16cに当接させる連結片部29と、を備えて構成されている。なお、折り畳まれた遮蔽材38の縦縁側収納部位45は、ドアフレーム突出部16の内周側壁部16aとガーニッシュ後縦縁部24の内周側片部26との間に、収納されている。
【0031】
そして、収納された遮蔽材38を覆う内周側片部26には、遮蔽材38の繰り出し時に、遮蔽材38に押されて開き可能な扉部27が、配設されている。扉部27は、薄肉のヒンジ部28を車内側端部(連結片部29付近)に備えて、開き易く構成されている。また、扉部27の車外側Oの端部には、外周側片部30に接近するように屈曲する係止爪部27aが形成され、この係止爪部27aは、後縦縁部24がドアフレーム突出部16に嵌合された際、ヒンジ部28を回転中心として扉部27を車外側Iに開き可能に、内周側壁部16aの車外側端部16bに、係止されることとなる。
【0032】
なお、後縦縁部24がドアフレーム突出部16に嵌合された際、後縦縁部24は、外周側片部30が突出部16の外周側壁部16dに当接した状態で、係止爪部27aが内周側壁部16aの車外側端部16bに係止されることから、ドアフレーム突出部16から、車内側I方向や車両前方側に移動し難い。ちなみに、後縦縁部24の車両後方側への移動は、折り畳まれた遮蔽材38を介在させて、突出部16の内周側壁部16aが規制することとなる。
【0033】
また、ヒンジ部28は、遮蔽材38が繰り出しを完了させて配置される位置(図3の二点鎖線参照)より、車内側Iに位置して、扉部27やガーニッシュ後縦縁部24自体が遮蔽材38と干渉しないように、配設されている。
【0034】
さらに、外周側片部30には、ドアフレーム突出部16の各取付孔16eに対応して、挿通孔30aが、形成されている。そして、後縦縁部24は、各挿通孔30aを挿通させて取付孔16eに螺合させるねじ31を使用して、ドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに、固着されている。
【0035】
なお、ガーニッシュ21は、ねじ31を利用する他、適宜、上縁部22や前縦縁部23も、図示しないねじ等を利用して、ドアフレーム11に取付可能に構成してもよい。
【0036】
ドアトリム32は、図2・4・5に示すように、窓WFの下縁側の車内側Iを覆うアッパトリム33と、アッパトリム33の下方側のロアトリム36と、を備えて構成されている。
【0037】
アッパトリム33は、上縁側に、図4・5に示すように、窓WFの下縁側に沿って車両の前後方向に延びる薄肉のヒンジ部35を配置させて、扉部34を配設させている。扉部34は、折り畳まれて収納された遮蔽材38の後述する下縁側収納部位46の上方を覆うとともに、繰り出し手段51の駆動源としてのプリテンショナー52における牽引材先端54aの移動する軌跡の上方を覆っている。そして、牽引材先端54aの前進移動時(図1・2・8参照)、遮蔽材38により、扉部34が車内側Iに押し開かれて、その開いた開口に、展開した遮蔽材38の下縁部40が、配置されることとなる。
【0038】
なお、ガーニッシュ21やアッパトリム33は、扉部27・34が遮蔽材38の繰り出し時に開き易いように、扉部27・34やヒンジ部28・35付近を、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等から形成し、他の部位を、強度を確保できるように、扉部27等の材料と相溶性を有した硬質のポリプロピレン等の合成樹脂から形成することが望ましい。
【0039】
そして、遮蔽材38は、図1・2・8に示すように、窓WFを遮蔽可能なシート状として、可撓性を有したポリエステル糸やポリアミド糸等からなる布材等から形成されている。遮蔽材38は、繰り出し完了時の形状を、ガーニッシュ後縦縁部24の上下端付近に、上側頂点部位42・下側頂点部位43を配置させて、さらに、窓WF周縁の下縁側に沿って前方側へ延びる位置に、先端側頂点部位44を配置させるような、略三角板形状としている。換言すれば、遮蔽材38は、ガーニッシュ後縦縁部24に位置する頂点42・43間の縦縁部41と、上側頂点部位42と先端側頂点部位44とを結ぶ斜辺部39と、下側頂点部位43と先端側頂点部位44とを結ぶ下縁部40と、を有した略三角形板状としている。そして、上側と下側との頂点部位42・43が、それぞれ、ドアフレーム11の後縦縁部14の上下に固定され、先端側の頂点部位44が、繰り出し手段51の後述するガイドブロック57に連結されている。
【0040】
さらに、遮蔽材38は、窓WFを遮蔽する縁としての斜辺部39付近での乗員拘束性能を向上させるため、図7Aに示すように、繰り出し完了時の斜辺部39に生ずる斜辺部39に沿う方向のテンションを大きくできるように、斜辺部39が、非繰り出し時の平らに展開した長さ寸法L0より、繰り出し完了時の長さ寸法L1を長くするように、構成されている。実施形態の場合には、繰り出し完了時点での先端側頂点部位44と下側頂点部位43との配置位置に対応する下縁部40の長さ寸法LDと、繰り出し完了時点での上側頂点部位42と下側頂点部位43との配置位置に対応した長さ寸法LVと、を確保した状態で、繰り出し完了時点での下縁部40と縦縁部41との交差角度α1より、小さな交差角度α0として、非繰り出し時の平らにした斜辺部39の長さ寸法L0を、繰り出し完了時点での上側頂点部位42と先端側頂点部位44との配置位置に対応した斜辺部39の長さ寸法L1より、短い長さに設定して、遮蔽材38を製造している。
【0041】
そして、遮蔽材38は、図1・2に示すように、窓WFの周縁において、窓WFの車両後方側の下隅部Cを跨ぐように、縦縁側収納部位45と下縁側収納部位46とからなる逆L字形状に、折り畳まれて収納されている。具体的には、遮蔽材38は、縦縁側収納部位45が、ドアフレーム11の後縦縁部14における突出部16の内周側壁部16aとドアフレームガーニッシュ21の後縦縁部24における内周側片部26との間に折り畳まれて収納され、下縁側収納部位46が、ドアフレーム11の下縁部15とドアトリム32のアッパトリム33との間に、折り畳まれて収納されている。
【0042】
さらに、実施形態では、上側・下側頂点部位42・43は、図6に示すように、それぞれ、取付孔42a・43aを備えて構成されている。そして、各取付孔42a・43aの周縁に当板48・48が取り付けられて、各取付孔42a・43aを挿通させて各取付孔14a・14b(ナット14c)に螺合させる取付ボルト49を利用して、上側・下側頂点部位42・43が、ドアフレーム11の後縦縁部14の上下に固定されている。
【0043】
先端側頂点部位44は、図5に示すように、取付ブラケット59が固着され、ボルト・ナット(図符号省略)を利用して、繰り出し手段51のガイドブロック57に連結されている。
【0044】
また、遮蔽材38の収納時における折り畳みは、図7に示すように、平らに展開した状態から、窓WFの周縁に固定されることとなる縦縁部41の距離を変えないように、すなわち、斜辺部39の上端側である上側頂点部位42と下隅部C側の下側頂点部位43との距離LVを変えないように、上方側より下縁側の折幅を大きくしつつ斜辺部39側を縦縁部41側に接近させるようにして、折り畳んでいる。実施形態の場合には、平らに展開した状態における遮蔽材38の上側頂点部位42を扇の中心として、上側頂点部位42側より下縁部40側の折幅を広くするような扇折りとしている。
【0045】
遮蔽材38の繰り出し手段51は、遮蔽材38とプリテンショナー52の牽引材54とを連結する連結部材としてのガイドブロック57と、ガイドブロック57を移動させる駆動源としてのプリテンショナー52と、ガイドブロック57の窓WF周縁の下縁側に沿って移動する際の案内を行なう案内部材としてのガイドレール58と、ガイドローラ55と、を備えて構成されている。
【0046】
プリテンショナー52は、ドアフレーム下縁部15の車内側Iに取り付けられて、ガイドブロック57に連結される可撓性を備えた牽引材54と、牽引材54を牽引する本体53と、を備えて構成されている。本体53は、インフレーターのガス圧を利用して牽引材54を牽引するシリンダタイプである。牽引材54は、ガイドブロック57の本体部57aに先端54aを連結させた状態で、ガイドレール58内に挿通されて、配設されている。また、本体53の上方には、牽引材54をガイドするガイドローラ55が、ドアフレーム下縁部15に固定されて、配設されている。
【0047】
ガイドブロック57は、ガイドレール58に摺動可能に嵌合される四角柱状の本体部57aと、本体部57aから上方に突出する連結部57bと、を備えて構成されている。そして、本体部57aの前面側に、牽引材54の先端54aが連結され、連結部57bに、先端側頂点部位44が連結されている。
【0048】
ガイドレール58は、プリテンショナー52の作動時に、ガイドブロック57の移動方向を中心軸とした周方向への回転を抑えて、摺動可能に案内するように、構成されている。すなわち、ガイドレール58は、ガイドブロック57の本体部57aを挿通可能に、本体部57aの断面形状より僅かに大きな内部空間を有した略四角筒状に形成されて、本体部57aの上下方向及び左右方向への移動を規制可能に、構成されている。また、ガイドレール58は、図1・2・5・8に示すように、ガイドブロック57の本体部57aを、遮蔽材38の折り畳み収納時の先端側頂点部位44の位置から、繰り出し完了時の先端側頂点部位44の位置まで、案内可能に、ドアフレーム11の下縁部15の車内側Iで、ブラケット15aの横板部15b上に固着させて、配置されている。
【0049】
エアバッグ61は、図1・4・5・8に示すように、インフレーター68からの膨張用ガスを流入させて膨らむ袋状として、略長方形板状としている。エアバッグ61は、膨張用ガスを流入させて膨らむ本体部62と、本体部62に膨張用ガスを流入させる円筒状のガス流入部63と、を備えて構成されている。ガス流入部63は、本体部62の上部後側に配置されて、インフレーター68と接続されている。エアバッグ61の上端側には、ルーフサイドレール部RRにおけるボディ1側のインナパネル2に固定される複数の取付部64が配設されている。各取付部64には、図5に示すように、取付ブラケット65が固着され、取付ブラケット65ごと、各取付部64がインナパネル2にボルト66止めされている。
【0050】
そして、エアバッグ61は、各取付部64を利用して、展開膨張時の本体部62の上端62a側をインナパネル2に固定させているだけであって、展開膨張時の本体部下端62b側が、自由端として、窓WFと略直交する方向の車内側I方向や車外側O方向へ揺動可能として、配設されている。
【0051】
また、エアバッグ61は、下端62b側から上端62a側に蛇腹状に折り畳まれて、窓WFの周縁におけるルーフサイドレール部RRの車内側Iのルーフヘッドライニング8に、覆われて収納されている。ルーフヘッドライニング8は、合成樹脂製として、その下縁には、車内側Iに開き可能な扉部8aが配設されている。そして、展開膨張時、エアバッグ61は、扉部8aを押し開いて、下方へ突出し、乗員と遮蔽材38との間に配置されることとなる。
【0052】
なお、展開膨張時、エアバッグ61は、窓WFの後部車内側、センターピラー部CPの車内側におけるセンターピラーガーニッシュ9の上部側、及び、リヤドアRDの窓WRの前部車内側を覆うこととなる。
【0053】
さらに、実施形態の場合、エアバッグ61は、展開膨張完了時の窓WF側において、下端62bの略全長を、繰り出し完了時の遮蔽材38と水平方向で重ね可能に、配設されている(図8参照)。
【0054】
インフレーター68は、シリンダタイプとして、ルーフサイドレール部RRのインナパネル2に、取付ブラケット69に保持された状態で、取付ボルト70を利用して、取り付けられている。
【0055】
実施形態の乗員拘束装置Sの車両への搭載について述べと、まず、遮蔽材38を折り畳む。具体的には、平らに展開した状態の遮蔽材38を、図7のA・Bに示すように、上側頂点部位42を扇の中心とし、上側頂点部位42側より下縁部40側の折幅を広くして、斜辺部39を縦縁部41に接近させるように、扇折りする。ついで、図7のCに示すように、折り崩れ防止用の破断可能な複数のテープ材47によって、折り畳んだ遮蔽材38をくるんでおく。この折り畳み状態では、縦縁部41の位置する上側頂点部位42から下側頂点部位43までの折り畳み部位が、ドアフレーム後縦縁部14の内周側壁部16aとドアフレームガーニッシュ後縦縁部24の内周側片部26との間に収納される縦縁側収納部位45となり、下縁部40の位置する下側頂点部位43から先端側頂点部位44までの折り畳み部位が、ドアフレーム下縁部15とアッパトリム33との間に収納される下縁側収納部位46となる。なお、先端側・上側・下側頂点部位44・42・43には、予め、取付ブラケット59や当板48を固着させておく。
【0056】
また、ドアフレーム11の車内側Iの面に、プリテンショナー52、ガイドローラ55、及び、ガイドレール58を、取り付けておく。このとき、ガイドブロック57は、牽引材54の先端54aを連結させた状態で、予め、ガイドレール58内に、配置させておく。
【0057】
そして、上側・下側頂点部位42・43を、取付孔14a・14b(ナット14c)に螺合させる取付ボルト49を使用して、ドアフレーム後縦縁部14の上下に、取付固定するともに、ガイドレール58から突出しているガイドブロック57の連結部57bに、先端側頂点部位44を連結させる。
【0058】
ついで、ガーニッシュ21の上縁部22・前・後縦縁部23・24を、ドアフレームの上縁部12・前・後縦縁部13・14に嵌合させつつ、挿通孔30aを挿通させて取付孔16eに螺合させる各ねじ31を使用して、後縦縁部24の外周側片部30をドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに固定する。また、適宜、他の上縁部22や前縦縁部23を、図示しない箇所でねじ等を利用して、ドアFDのドアフレーム11に固定する。その後、ドアトリム32のアッパトリム33とロアトリム36とをドアフレーム下縁部15に取り付ければ、ドアFDの組立を完了させることができ、ドアFDをボディ1に取り付ければ、遮蔽材38と繰り出し手段51とを車両に搭載することができる。
【0059】
また、エアバッグ61の車両への搭載について述べれば、エアバッグ61を上端62a側に折り畳むとともに、折り崩れしないように、エアバッグ61を破断可能な図示しないテープ材でくるんでおく。ついで、エアバッグ61の各取付部64に取付ブラケット65を取り付けておくとともに、ガス流入部63をインフレーター68に接続させ、インフレーター68に取付ブラケット69を取り付けて、エアバッグ組付体を形成しておく。その後、各取付ブラケット65・69をインナパネル2にボルト66・70止めして、ルーフヘッドライニング8をインナパネル2に取り付ければ、エアバッグ61とインフレーター68とを車両に搭載することができる。そして、ドアFDを含めて、遮蔽材38、繰り出し手段51、エアバッグ61、及び、インフレーター68を、車両に取り付けることにより、乗員拘束装置Sが車両に搭載されることとなる。
【0060】
なお、ロールオーバセンサ72、側突センサ73、及び、制御装置74は、別途、車両の所定位置に取り付けておき、乗員拘束装置Sの車両への搭載時、繰り出し手段51やインフレーター68から延びる図示しないリード線を、制御装置74に結線させることとなる。
【0061】
そして、乗員拘束装置Sの車両への搭載後、制御装置74が、例えば、車両の転倒が予測されるロールオーバ検知信号をロールオーバセンサ72から入力すると、繰り出し手段51を作動させる。すると、プリテンショナー52の本体53が、牽引材54の先端54aに連結されたガイドブロック57を、ガイドレール58に沿って前方へ移動させるように牽引することから、遮蔽材38は、図2〜5の二点鎖線や図8の実線で示すように、折り畳まれた状態から、先端側頂点部位44が前方に移動して、ガーニッシュ後縦縁部24の扉部27を押し開くとともに、アッパトリム33の扉部34を押し開いて、窓WFを遮蔽するように、展開することとなる。
【0062】
また、制御装置74は、ロールオーバセンサ72からのロールオーバ検知信号を入力して、インフレーター68を作動させることから、インフレーター68から膨張用ガスが吐出されて、エアバッグ61は、本体部62内に膨張用ガスを流入させて膨張し、図示しないテープ材を破断させて、ルーフヘッドライニング8の扉部8aを押し開き、図8に示すように、遮蔽材38の車内側で、窓WFを遮蔽するように、下方へ展開膨張することとなる。
【0063】
なお、実施形態では、制御装置74が、側突センサ73からの側突検知信号を入力しても、上記と同様に、遮蔽材38とエアバッグ61とを展開させることとなる。
【0064】
そして、実施形態の乗員拘束装置Sでは、作動時、ガーニッシュ21の内周側片部26とドアフレーム突出部16の内周側壁部16aとの間に折り畳まれて収納されていた遮蔽材38の縦縁側収納部位45が、ガーニッシュ21の内周側片部26の扉部27を車内側Iに開かせて、繰り出される。
【0065】
その際、ガーニッシュ21の後縦縁部24は、断面略U字形とし、ドアフレーム連結壁部16cに当接している連結片部29を介在させて、扉部27を配設させている内周側片部26から離れた外周側片部30を、ドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに、固着手段としてのねじ31を使用して、固着させている。そして、外周側片部30は、内周側片部26の側の面、すなわち、扉部27の開き方向側の面30bを、ドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに当接させている。
【0066】
そのため、ガーニッシュ内周側片部26の扉部27が、勢いよく開くこととなっても、外周側片部30が、ドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに当接されて、移動を規制されることとなり、扉部27の開き時に生ずる引張力は、固着部位である挿通孔30aの周縁に対して、直接的に、作用し難い。具体的に述べれば、扉部27の開き当初には、扉部27が車両前方側に押圧されるが、その際には、外周側片部30が、外周側壁部16dに当接支持されて、その押圧力に対向して、扉部27を開かせることなり、その後、扉部27が開きを完了させる際には、扉部27が回転する際の遠心力で、外周側片部30が車内側I方向に引っ張られるが、その引張力は、遮蔽材38の直接的な押圧力でなく、扉部27の開き時の慣性力であり、遮蔽材38の直接的な押圧力より、小さく、各ねじ31が容易に対抗できることとなる。その結果、ガーニッシュ21の後縦縁部24は、ドアフレーム突出部16に安定して固着された状態を維持して、円滑に、扉部27を開かせることができる。さらに、ガーニッシュ21の後縦縁部24を安定してドアフレーム11に取り付けておくことができるため、ガーニッシュ後縦縁部24をドアフレーム11に取り付けるための固着構造を、簡素化することも可能となる。すなわち、ねじ31の数を少なくできたり、小径のねじ31を使用できたり、ナット等を設けずに、ドアフレーム11の外周側壁部16d自体に、ねじを螺刻した取付孔16eを設けるだけ等によって、固着構造を、簡素化できる。
【0067】
したがって、実施形態の乗員拘束装置Sでは、円滑な繰り出しを確保して遮蔽材38の縦縁側収納部位45を覆うガーニッシュ後縦縁部24を、安定してドアフレーム11に取り付けることができ、かつ、ガーニッシュ後縦縁部24をドアフレーム11に取り付けるための固着構造を、簡素化することも可能となる。
【0068】
また、実施形態の乗員拘束装置Sでは、ガーニッシュ後縦縁部24のドアフレーム11への固着部位である挿通孔30a周縁が、ドアFDの外周縁に沿って配置されたドアFDとボディ1との外周側シール部位18と内周側シール部位5との間に、配設されている。
【0069】
そのため、窓WFを中心とした固着手段としてのねじ31より外周側の外周側シール部位18によって、ドアFDは、雨水等に対するシール性を確保することができ、ドアフレーム11に固着手段用の取付孔16eを設けていても、車内側Iへの雨水等に対するシール性に、影響を与えない。
【0070】
また、窓WFを中心とした固着手段としてのねじ31より内周側にも、内周側シール部位5が、配設されているため、風切り音等も、ドアフレーム11に設けた固着手段用の取付孔16eを経て、車内に伝わることを防止することができる。
【0071】
ちなみに、ドアフレーム11に設けた固着手段用の取付孔16eが、内周側シール部位5より、窓WF側に配置されていれば、その取付孔16eが車内側Iに配置されることから、風切り音等が、その取付孔16eを経て車内側Iに伝播する場合が生ずる。また、ドアフレーム11に設けた固着手段用の取付孔16eが、内周側シール部位5より、窓WF側に配置されていれば、遮蔽材38の繰り出し時に開く扉部27の面積を確保し難くなって、円滑な遮蔽材38の繰り出しを疎外する虞れも生ずる。
【0072】
したがって、実施形態の乗員拘束装置Sでは、遮蔽材38を繰り出し可能に収納しても、ドアFDの雨水や風切り音等に対するシール性能の低下を抑えることができ、また、円滑な遮蔽材38の繰り出しを確保することもできる。
【0073】
なお、内周側・外周側シール部位5・16の間に、遮蔽材38の縦縁側収納部位45を覆うガーニッシュ後縦縁部24のドアフレーム11への固着部位を配設させて、ドアFDの雨水や風切り音等に対するシール性能の低下を抑える構成では、必ずしも、ドアフレーム11側に、突出部16が設けられていなくともよい。そして、この場合には、遮蔽材38の縦縁側収納部位45を収納するガーニッシュ後縦縁部24は、窓WF側の内周側部位26に、収納された遮蔽材38を覆うとともに遮蔽材38の繰り出し時に開き可能な扉部27を、配設させて、窓WFから離れた外周側部位30を、固着手段31を使用して、ドアフレーム11に固着させておればよい。このような構成でも、作動時、ガーニッシュ21の窓WF側の内周側部位26の扉部27が開いて、遮蔽材38の縦縁側収納部位45が繰り出されることとなり、その際、ガーニッシュ21の窓WFから離れた、すなわち、扉部27から離れた外周側部位30が、固着手段31を利用して、ドアフレーム11に固着されていることから、円滑な扉部27の開き動作を確保しやすく、円滑な遮蔽材38の繰り出しを確保することができる。
【0074】
また、実施形態では、ねじ31を固着手段として、ガーニッシュ後縦縁部24をドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに固着させた場合を示したが、図9に示すように、取付孔16eに係着可能なクリップ31Aを固着手段として、ガーニッシュ後縦縁部24をドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに固着させてもよい。このクリップ31Aは、ポリプロピレン等の合成樹脂製として、頭部31aと、頭部31aから延びる軸部31bと、を備えて構成され、軸部31bに、挿通孔30a・取付孔16eを挿通する際、ばね弾性的に縮径して、取付孔16eを通過した後に、ばね弾性的に復元して、取付孔16eの周縁に係止可能な係止片部30cが、配設されて構成されている。ちなみに、この場合の取付孔16eには、雌ねじを螺刻しなくともよい。
【0075】
さらに、ガーニッシュ後縦縁部24をドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに固着させる場合、図10・11に示すように、固着手段として、鉤片30cを利用してもよい。図例の場合には、ドアフレーム突出部16Aの外周側壁部16dに複数の係止孔16fが形成され、ガーニッシュ21の外周側片部30に、金属製の鉤片30cが埋設されて、鉤片30cにおける車外側Oの端部の屈曲した係止片部30dを、係止孔16fに挿入させ、係止孔16fの周縁に係止させて、ガーニッシュ後縦縁部24Aをドアフレーム突出部16Aに固着させている。この場合でも、扉部27が、開いて、外周側片部30を車内側I方向に引っ張っても、係止片部30dが、車両の略前後方向に貫通している係止孔16fの周縁を、係止しているため、外周側壁部16dから車内側I方向に外周側片部30が外れず、円滑に、扉部27を開かせることができる。
【0076】
また、ガーニッシュ後縦縁部24をドアフレーム突出部16の外周側壁部16dに固着させる場合、図12・13に示すように、構成してもよい。図例の場合には、ドアフレーム突出部16Bの外周側壁部16dに固着されてウェザストリップ18を取り付けるためのリテーナ17Aを利用して、ガーニッシュ後縦縁部24Bを、ドアフレーム突出部16Bの外周側壁部16dに固着させている。図例の場合には、固着手段として、係止突起17bと係止孔30eとを利用している。すなわち、リテーナ17Aは、断面U字状として、その車内側Iの壁部17aに、複数の係止突起17bを配設させている。そして、各係止突起17bを、後縦縁部24Bの外周側片部30に設けた係止孔30eに挿入させて、係止孔30eの周縁を係止突起17bに係止させ、外周側片部30の車内側Iへの移動を、規制している。
【0077】
さらに、図14・15に示すように、ドアフレーム突出部16Cの外周側壁部16dに固着されてウェザストリップ18を取り付けるためのリテーナ17Bを利用して、ガーニッシュ後縦縁部24Cを、ドアフレーム突出部16Cの外周側壁部16dに固着させてもよい。図例の場合には、固着手段として、鉤片30fを利用している。すなわち、ガーニッシュ後縦縁部24Cの外周側片部30に、金属製の鉤片30fが埋設されて、鉤片30fにおける車外側Oの端部の屈曲した係止片部30gを、断面U字状のリテーナ17Bの車内側Iの壁部17aに、係止させて、ガーニッシュ後縦縁部24Cをドアフレーム突出部16Cに固着させている。この場合でも、扉部27が、開いて、外周側片部30を車内側I方向に引っ張っても、係止片部30gがリテーナ17Bの車内側壁部17aの縁を係止しているため、外周側壁部16dから車内側I方向へ外周側片部30が外れず、円滑に、扉部27を開かせることができる。
【0078】
さらにまた、図16に示すように、ウェザストリップ18をドアフレーム突出部16Dに固着させる際に使用する複数のクリップ31Bを共用して、後縦縁部24Dの外周側片部30を、ドアフレーム突出部16Dの外周側壁部16dに固着させてもよい。外周側壁部16dには、各クリップ31Bを挿入させて、それぞれ、周縁でクリップ31Bを係止する複数の係止孔16gが形成され、外周側片部30には、各クリップ31Bを挿通可能な挿通孔30hが形成されている。このクリップ31Bは、ポリプロピレン等の合成樹脂製として、ウェザストリップ18に組み付けられており、頭部31aと、頭部31aから延びる軸部31bと、を備えて構成され、軸部31bに、挿通孔30h・係止孔16gを挿通する際、ばね弾性的に縮径して、係止孔16gを通過した後に、ばね弾性的に復元して、取付孔16gの周縁に係止可能な複数の板状の係止片部30cが、配設されて構成されている。この場合でも、扉部27が、開いて、外周側片部30を車内側I方向に引っ張っても、ウェザストリップ18と外周側片部30とをドアフレーム突出部16Dの外周側壁部16dに共締めした各クリップ31Bにより、外周側壁部16dから外周側片部30が外れず、円滑に、扉部27を開かせることができる。
【0079】
また、実施形態の乗員拘束装置Sでは、窓WFの車内側Iで、遮蔽材38が窓WFを遮蔽し、遮蔽材38の車内側における乗員との間に、エアバッグ61が窓WFを遮蔽するように配置されて、乗員を、遮蔽材38とエアバッグ61とで的確に拘束することができる。
【0080】
そして、実施形態の乗員拘束装置Sでは、繰り出し手段51が、遮蔽材38を窓WF周縁の下縁側から実質的に上昇させるように、遮蔽材38との連結部材であるガイドブロック57を、ガイドレール58に案内させ、窓WF周縁の下縁側に沿わせて移動させていることから、窓WF周縁の後縦縁部24とアッパトリム32とに覆われて収納されていた遮蔽材38が、窓WF周縁の後下隅Cから、斜辺部39を斜め上方に繰り出すように、窓WFの車内側を遮蔽することとなる。そのため、乗員が車内側の窓WF周縁に寄りかかっていても、乗員を引き起こすように下方から干渉して、円滑に、遮蔽材39が繰り出されることとなる。
【0081】
なお、実施形態では、ガーニッシュ後縦縁部24の内周側片部26に、ヒンジ部28を回転中心として開く扉部27を設けたものを示したが、扉部27は、遮蔽材38の繰り出し時に、周囲に配設させた薄肉の破断予定部を破断させて開くように、構成されていてもよい。
【0082】
また、実施形態では、ガーニッシュ後縦縁部24の内周側片部26に覆われるように、遮蔽材38を配設させた場合を示したが、前後方向を逆にして、ガーニッシュ21の前縦縁部23に覆われるように、遮蔽材38を配設させてもよい。
【0083】
さらに、実施形態では、遮蔽材38を配設させたドアとして、フロントドアFDを例示したが、本発明は、フロントドアFDに限らず、後席シートの側方のリヤドアRD等に、適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の乗員拘束装置を車内側から見た正面図である。
【図2】同実施形態のドアを車内側から見た正面図である。
【図3】図1のIII−III部位の概略断面図である。
【図4】図1のIV−IV部位の概略断面図である。
【図5】図1のV−V部位の概略断面図である。
【図6】図2のVI−VI部位の概略断面図である。
【図7】同実施形態の遮蔽材の折り畳み工程を説明する図である。
【図8】同実施形態の乗員拘束装置の作動時を示す車内側から見た正面図である。
【図9】同実施形態の固着手段の変形例を示す断面図である。
【図10】同実施形態の固着手段の他の変形例を示す断面図である。
【図11】図10に示す固着手段の斜視図である。
【図12】同実施形態の固着手段のさらに他の変形例を示す断面図である。
【図13】図12に示す固着手段の斜視図である。
【図14】同実施形態の固着手段のさらに他の変形例を示す断面図である。
【図15】図14に示す固着手段の斜視図である。
【図16】同実施形態の固着手段のさらに他の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ボディ、
5…(内周側シール部位)ボディ側ウェザストリップ、
11…ドアフレーム、
14…後縦縁部、
16・16A・16B・16C・16D…突出部、
16a…内周側壁部、
16c…連結壁部、
16d…外周側壁部、
16e…取付孔、
16f・16d…係止孔、
17b…(固着手段)係止突起、
18…(外周側シール部位)ドア側ウェザストリップ、
21…ドアフレームガーニッシュ、
24・24A・24B・24C・24D…後縦縁部、
26…(内周側部位)内周側片部、
27…扉部、
29…連結片部、
30…(外周側部位)外周側片部、
30c・30f…(固着手段)鉤片、
31…(固着手段)ねじ、
31A・31B…(固着手段)クリップ、
38…遮蔽材、
51…繰り出し手段、
52…(駆動源)プリテンショナー、
FD…フロントドア、
WF…窓、
I…車内側、
O…車外側、
S…乗員拘束装置。
Claims (2)
- 車両のドアの窓の周縁に配置されるドアフレームと、
前記窓周縁の前記ドアフレームにおける車内側の内周側から外周側付近までを、覆うガーニッシュと、
前記窓周縁における前記ドアフレームと前記ガーニッシュとの間に、折り畳まれて収納されるシート状の遮蔽材と、
を備えて構成され、
前記遮蔽材が、所定時、前記ガーニッシュの一部を押し開いて、前記窓を遮蔽可能に繰り出されるように、構成される乗員拘束装置であって、
前記遮蔽材の収納部位付近の前記ドアフレームが、断面略U字状に車内側に突出する突出部を備えて、
該突出部が、前記窓側の内周側壁部と、外周側壁部と、前記内周側壁部・外周側壁部の車内側端相互を連結する連結壁部と、を備えて構成され、
前記遮蔽材の収納部位付近の前記ガーニッシュが、前記ドアフレームの突出部の車内側を覆い可能に、前記窓側の内周側片部と、前記外周側壁部に当接する外周側片部と、前記内周側片部・外周側片部の車内側端相互を連結する連結片部と、を有する断面略U字形状に形成され、
前記遮蔽材が、前記突出部の内周側壁部と前記ガーニッシュの内周側片部との間に、収納され、
収納された前記遮蔽材を覆う前記内周側片部に、前記遮蔽材の繰り出し時に開き可能な扉部が、配設され、
前記外周側片部が、前記突出部の外周側壁部に、固着手段を使用して、固着されていることを特徴とする乗員拘束装置。 - 車両のドアの窓の周縁に配置されるドアフレームと、
前記窓周縁の前記ドアフレームにおける車内側の内周側から外周側付近までを、覆うガーニッシュと、
前記窓周縁における前記ドアフレームと前記ガーニッシュとの間に、折り畳まれて収納されるシート状の遮蔽材と、
を備えて構成され、
前記遮蔽材が、所定時、前記ガーニッシュの一部を押し開いて、前記窓を遮蔽可能に繰り出されるように、構成される乗員拘束装置であって、
前記遮蔽材の収納部位付近の前記ガーニッシュが、前記窓側の内周側の部位に、収納された前記遮蔽材を覆うとともに前記遮蔽材の繰り出し時に開き可能な扉部を、配設させて、前記窓から離れた外周側の部位を、固着手段を使用して、前記ドアフレームに固着させるように、構成されるとともに、
前記ガーニッシュにおける前記ドアフレームへの固着部位が、前記ドアの外周縁に沿って配置された前記ドアとボディとの外周側シール部位と内周側シール部位との間に、配設されていることを特徴とする乗員拘束装置。
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