JP3748770B2 - 伝送線路基板、高周波伝送構造体およびこれを備えた高周波パッケージ - Google Patents
伝送線路基板、高周波伝送構造体およびこれを備えた高周波パッケージ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号を伝送するための伝送線路基板、高周波伝送構造体およびこれを備えた高周波パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8、図9を参照して、従来の高周波パッケージ(「メタルウォールパッケージ」ともいう。)の構造について説明する。
【0003】
高周波パッケージは、同軸ケーブル10によって導かれてきた高周波信号に基づいて半導体素子15に所望の処理を行なわせてから、リードフレーム17から出力させるためのものである。ここでいう「高周波信号」とは、たとえば、10GHz以上の高周波の信号であり、そういった高周波信号が通過する配線は、「高速信号線」と呼ばれる場合もある。
【0004】
図8、図9に示すように、高周波パッケージは、メタルウォール12によって囲まれた箱状のパッケージである。図8は、内部を示すために、上面の金属壁を取り去った状態で平面図を示している。図9は、側方から見た部分断面図である。同軸ケーブル10は、メタルウォール12の一つの側壁に設けられた同軸コネクタ11を介して高周波パッケージに接続される。図9に示されるように、同軸ケーブル10の内芯7は引出されて、伝送線路基板31に接続される。伝送線路基板31は、コプレーナ伝送線路基板であり、高周波パッケージ内に設けられた金属製の土台6の上に銀ロウなどで接続されている。
【0005】
伝送線路基板31のみを取り出した状態を図10、図11に示す。伝送線路基板31は、図11に示すように、誘電体基板1の上面に3つの導体部分が平行に形成されたものである。すなわち、図10に示すように、中央に信号線2、その両側にグランドプレーン3が形成されている。上述のように内芯7が接続されるのは、信号線2である。グランドプレーン3には、同軸ケーブル10の外側導体部分が、メタルウォール12、土台6を介して電気的に接続される。伝送線路基板31の信号線およびグランド線は、図8に示すように、ボンディングワイヤ13によって半導体素子15と接続される。メタルウォール12の他の一辺には、導体層16を形成した誘電体基板18が配置されている。半導体素子15は、ボンディングワイヤ14によって、導体層16と接続されている。導体層16はメタルウォール12の外側に配置されたリードフレーム17と電気的に接続されている。このようにして、半導体素子15は、リードフレーム17と信号のやりとりを行なうことができる。
【0006】
なお、本明細書では、便宜上、いくつかの呼び名を使い分けている。誘電体基板1とその上面に形成された信号線2、グランドプレーン3を合わせた部分を「伝送線路基板」と呼ぶものとする。伝送線路基板にさらに土台6を含めた部分を「高周波伝送構造体」と呼ぶものとする。図8、図9に示したように、高周波伝送構造体にさらにメタルウォール12、半導体素子15などを含めたパッケージ全体を「高周波パッケージ」と呼ぶものとする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
信号の高周波化がさらに進んだ近年では、40GHz程度あるいはそれ以上の高周波信号を扱う必要性も生じてくる。しかし、そのようなレベルの高周波になると、伝送線路基板31上に共振が発生し、伝送特性が劣化するという問題があった。
【0008】
共振による伝送特性劣化に対してとられてきた従来のいくつかの対策について説明する。
【0009】
たとえば、高周波信号が矩形波で与えられる場合、高周波信号には、矩形波の周波数の整数倍の「高調波」が含まれる。また、状況によっては、矩形波の周波数より低い周波数の低周波も含まれる。したがって、低周波はもちろんのこと、高調波の整数倍、たとえば3倍の周波数までの範囲で共振が発生しないことが望まれる。そこで、まず、共振の発生する共振周波数を、何らかの手段によってより高周波側にシフトするという方法がある。
【0010】
共振周波数を高周波側にシフトするためには、図12、図13に示すように、信号線2に近いグランドプレーン3に、グランドプレーン3と土台6とを結ぶ導体であるグランドビア4を設置する方法がある。ただし、伝送線路基板31の伝送特性にグランドビア4が影響を与えないように配置する必要がある。
【0011】
一般に、信号線2とグランドビア4との距離を近くすればするほど、共振時の波長は短くなり、共振周波数は高周波となる。そこで、信号線2とグランドビア4との距離を近づけた状態を図14、図15に示す。
【0012】
一方、伝送線路基板31は特性インピーダンスを一定にする必要がある。特性インピーダンスは、信号線2の幅(以下、「信号線幅」という。)、信号線2とグランドプレーン3との間のギャップ19の幅(以下、「ギャップ幅」という。)によって決まる。したがって、信号線2とグランドビア4との間の距離を小さくするためには、信号線幅とギャップ幅との間に一定の関係を保ったまま寸法を小さくする必要がある。信号線幅は、内芯7と接続する都合上、一定以上にする必要があるから、これに対応してギャップ幅も一定以上にせざるを得ない。具体的には、たとえば、内芯7の直径は、0.3mmであり、信号線幅も約0.3mm以上とすることが必要となる。このため、図14、図15に示したように、グランドビア4を信号線2に接近させるという手法には限界がある。
【0013】
次にとられうる対策としては、図16、図17に示すように、誘電体基板1と土台6との間に抵抗体5を挿入した構造がとられる。このような構造とすることで、共振のエネルギーは、抵抗体5の導体損失として吸収され、共振の発生を抑制することができる。この効果を検証するために、通過特性S21をマクスウェルの電磁方程式を有限要素法を用いて解く解析を行なった。通過特性S21とは、以下の式で規定されるパラメータである。
【0014】
S21[dB]=10×log(Pout2/Pin1)
Pin1:端子1への入力電力
Pout2:端子2からの出力電力
抵抗体5なしの構造(図15参照)と抵抗体5ありの構造(図17参照)とのそれぞれにおける通過特性S21の解析結果の比較を、図18に示す。曲線51が、抵抗体5なしによるものであり、曲線52が、抵抗体5ありによるものである。この結果から、抵抗体5を挿入することによって、共振によって生じる波形の落ち込み、いわゆる「ディップ(dip)」を大幅に低減できたことが明らかである。
【0015】
また、抵抗体5によるディップ抑制の効果をより効率的に発揮させるには、抵抗体の抵抗率ρが一定の場合、電磁界が抵抗体を貫通しない条件である次式を満たすように抵抗体の厚みdを選ぶことが望ましい。
【0016】
d>δ
δ:表皮厚み
ただし、δ=(ρ/πfμ)1/2
f:周波数
μ:抵抗体の透磁率
しかし、抵抗体5の設置によって、緩やかになったとはいえ、まだなお、ディップは存在する。また、抵抗体5を設けることとすると、製造時の部品点数、工程数の増加につながる。
【0017】
そこで、本発明では、部品点数を増加させることなく、共振によるディップをより低減し、伝送特性を向上できるような伝送線路基板などを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づく伝送線路基板の一つの局面では、誘電体基板と、上記誘電体基板の上面に線状に設けられた導電体である信号線と、上記誘電体基板の上面において上記信号線を両側からそれぞれ間隙を介して挟むように配置された板状の導電体であるグランドプレーンとを含むコプレーナ伝送線路基板を備え、上記誘電体基板内を貫通することによって、上記グランドプレーンと上記誘電体基板の下面の導電体の土台とを電気的に接続するグランドビアをさらに備え、上記信号線の中心線を通り、上記誘電体基板の上面に垂直な仮想基準平面から、一方のグランドプレーンに接続する上記グランドビアの中心線までの距離と、上記仮想基準平面から、他方のグランドプレーンに接続する上記グランドビアの中心線までの距離とが異なる。
【0019】
上記構成を採用することにより、信号線から見てグランドビアが非対称となり、左に偏った共振体と右に偏った共振体との共振周波数が異なるようになる。したがって、共振によって生じていた1つのディップを2つのディップに分離するとともに、ディップの深さを浅くすることができる。したがって、部品点数を増加させることなく、ディップを低減することができる。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明に基づく伝送線路基板の他の局面では、誘電体基板と、上記誘電体基板の上面に線状に設けられた導電体である信号線と、上記誘電体基板の上面において上記信号線を両側から間隙を介して挟むように配置された板状の導電体であるグランドプレーンとを備えるコプレーナ伝送線路基板であり、上記誘電体基板内を貫通することによって、上記グランドプレーンと、上記誘電体基板の下面の導電体の土台とを電気的に接続するグランドビアをさらに備え、上記信号線の中心線を通り、上記誘電体基板の上面に垂直な仮想基準平面から、一方の上記グランドプレーンの上記信号線側の端までの距離と、上記仮想基準平面から、他方の上記グランドプレーンの上記信号線側の端までの距離とが異なる。
【0021】
上記構成を採用することにより、信号線から見てグランドプレーンが非対称となり、左に偏った共振体と右に偏った共振体との共振周波数が異なるようになる。したがって、共振によって生じていた1つのディップを2つのディップに分離するとともに、ディップの深さを浅くすることができる。したがって、部品点数を増加させることなく、ディップを低減することができる。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記誘電体基板の下面に膜状の抵抗体を備える。この構成を採用することにより、共振のエネルギーは、抵抗体の導体損失として吸収されるため、共振の発生を抑制することができる。グランドビアまたはグランドプレーンを左右非対称に配置して、かつ、抵抗体も配置することによって、左右それぞれを中心として構成する共振体が蓄積する電磁エネルギーに対して、抵抗体のもたらす導体損失の比率が大きくなるため、共振抑制効果が高まる。
【0023】
また、上記目的を達成するため、本発明に基づく高周波伝送構造体の一つの局面では、上述の伝送線路基板と、上記伝送線路基板の下側に配置された導電体の土台とを備え、上記土台は上記信号線を投影した領域にほぼ対応する領域に凹部を有する。この構成を採用することにより、凹部の存在により、伝送線路基板の下側において、高周波信号の伝送方向に対する垂直方向に電流が流れにくくなる。したがって、伝送方向に磁界成分を持つ基板下側の共振を抑制することができ、上述のグランドビアまたはグランドプレーンの非対称な配置によるディップ低減効果に加えて、さらにディップを低減できる。
【0024】
上記発明において好ましくは、上記誘電体基板と上記土台との間には膜状の抵抗体が介在し、上記抵抗体は、上記凹部を上記誘電体基板に投影した領域を挟む両側が互いに電気的に隔絶されている。この構成を採用することにより、共振のエネルギーは、抵抗体の導体損失として吸収され、ディップを低減できる。なおかつ、凹部の上方において、抵抗体を通じて高周波信号の伝送方向に対する垂直方向に電流が流れることを防止できるため、凹部による共振抑制効果を阻害しない。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明に基づく高周波パッケージの一つの局面では、上述の伝送線路基板と、上記伝送線路基板を載置する導電性の土台と、上記伝送線路基板に対して電気的に接続された同軸コネクタと、上記伝送線路基板に対して電気的に接続された半導体素子とを備える。この構成を採用することにより、グランドビアまたはグランドプレーンの非対称な配置によってディップを低減できる伝送線路基板を備えるため、ディップを低減した高周波パッケージを得ることができる。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明に基づく高周波パッケージの他の局面では、上述の高周波伝送構造体と、上記高周波伝送構造体に対して電気的に接続された同軸コネクタと、上記高周波伝送構造体に対して電気的に接続された半導体素子とを備える。この構成を採用することにより、グランドビアまたはグランドプレーンの非対称な配置および凹部の配置によってディップを低減できる高周波伝送構造体を備えるため、ディップを低減した高周波パッケージを得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
(構成)
図1を参照して、本発明に基づく実施の形態1における伝送線路基板ないし高周波伝送構造体について説明する。この伝送線路基板においては、信号線2は、依然として中心にあるが、信号線2を基準に考えたときのグランドビア4の相対的位置は、左右非対称となっている。
【0032】
グランドビア4に関していうときの「非対称」の定義は、以下の通りである。すなわち、信号線2の中心線を通り、誘電体基板1の上面に垂直な仮想基準平面をまず考える。この仮想基準平面から一方のグランドプレーン3に接続するグランドビア4の中心線までの距離と、仮想基準平面から、他方のグランドプレーン3に接続するグランドビア4の中心線までの距離とが異なるときに左右非対称に該当する。
【0033】
(作用・効果)
グランドビア4を図1に示すように左右非対称に配置したときの通過特性S21の解析結果を図2に示す。ただし、抵抗体5がない条件で比較した。曲線53が、グランドビア4が対称の構造(図15参照)によるもので、曲線54が、グランドビア4が非対称の構造(図1参照)によるものである。図2から、グランドビア4を非対称とすることで、ディップが2つに分離し、それぞれ浅くなることがわかる。
【0034】
伝送線路基板において、信号線2と右側部分とを中心として構成する共振体と、信号線2と左側部分とを中心として構成する共振体とがそれぞれ存在し、図15に示したようなグランドビア4が対称の構造では、左右とも同じ共振周波数であったために、1つの大きな共振体を構成することとなっていたと考えられる。そのため、グランドビア4を非対称とすることで、左右の共振周波数が異なるようになり、1つの深いディップが2つの浅いディップに分離したと考えられる。
【0035】
さらに、抵抗体5がある場合において、グランドビア4を図3に示すように左右非対称に配置したときの通過特性S21の解析結果を図4に示す。曲線55が、グランドビア4が対称の構造(図17参照)によるもので、曲線56が、グランドビア4が非対称の構造(図3参照)によるものである。図4から、グランドビア4を非対称とすることで、ディップがより浅くなることがわかる。
【0036】
グランドビア4を左右非対称に配置して、かつ、抵抗体5も配置することによって、左右それぞれの構成する共振体が蓄積する電磁エネルギーに対して、抵抗体5のもたらす導体損失の比率が大きくなるため、共振抑制効果が高まったと考えられる。
【0037】
なお、本実施の形態では、伝送線路基板ないし高周波伝送構造体についての説明という体裁をとったが、この伝送線路基板ないし高周波伝送構造体を用いて構成される高周波パッケージによっても、同様のディップ低減の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
(構成)
図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2における伝送線路基板および高周波伝送構造体について説明する。この伝送線路基板においては、信号線2は、中心にあり、グランドビア4の配置も、左右対称となっているが、信号線2とグランドプレーン3とのギャップ幅が左右非対称となっている。
【0038】
グランドプレーン3に関していうときの「非対称」の定義は、以下の通りである。すなわち、信号線2の中心線を通り、誘電体基板1の上面に垂直な仮想基準平面をまず考える。仮想基準平面から、一方のグランドプレーン3の信号線2側の端までの距離と、仮想基準平面から、他方のグランドプレーン3の信号線2側の端までの距離とが異なるときに左右非対称に該当する。
【0039】
(作用・効果)
この場合も、実施の形態1でグランドビア4の配置を非対称とした場合と同様のことがいえる。すなわち、左右各部分のそれぞれを中心として構成する共振体が異なる共振周波数となるため、共振によって生じるディップを分離することができ、ディップを浅くすることができると考えられる。
【0040】
実施の形態1,2とも非対称とする際の左右の距離の差によってディップの分離度合いが変化するが、たとえば、グランドビア4を非対称としようとしたときに、製造上の制限により、グランドビア4の位置をある程度以上ずらせず、そのため、ディップの分離が十分に行なえないような場合には、本実施の形態の考え方を組み合わせて適用することもできる。すなわち、グランドビア4を一定の向きに非対称としたときに、さらにグランドプレーン3を逆向きに非対称とすることによって、ディップの分離の度合いを補完し、十分なものとすることもできる。
【0041】
なお、本実施の形態では、伝送線路基板ないし高周波伝送構造体についての説明という体裁をとったが、この伝送線路基板ないし高周波伝送構造体を用いて構成される高周波パッケージによっても、同様のディップ低減の効果を得ることができる。
【0042】
(実施の形態3)
(構成)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3における高周波伝送構造体について説明する。この伝送線路基板においては、信号線2は中心にあり、グランドビア4、グランドプレーン3の配置は左右対称となっている。その代わり、従来の土台6の代わりに、中央に凹部8のある土台6aが用いられている。
【0043】
(作用・効果)
土台に凹部8を設けたことによる効果を検証するための通過特性S21の解析結果を図7に示す。曲線57が、凹部8がない構造(図17参照)によるもので、曲線58が、凹部8がある構造(図6参照)によるものである。図7から、凹部8を設けることで、ディップが低減できていることがわかる。
【0044】
これは、以下のように考えられる。凹部8の存在により、伝送線路基板の下側において、高周波信号の伝送方向(信号線2の長手方向)に対して垂直方向(図6における左右方向)に電流が流れにくくなる。したがって、伝送線路基板の下側において伝送方向に磁界成分を持つ共振を抑制することができたものと考えられる。ただし、図6に示すように、抵抗体5aにも切れ目を設けて、凹部8の上方で左右方向に電流が流れないようにしておくことが重要である。図6の例では、抵抗体5aには2ヶ所に切れ目を設けているが、凹部8の上方において抵抗体5の左側部分と右側部分とが電気的に分離されていればよく、切れ目は2ヶ所とは限らず1ヶ所であってもよい。
【0045】
なお、図6に示した例では、誘電体基板1の下側に抵抗体5aがあるが、図13や図15に示したように抵抗体を挿入しない構造で、凹部8を設けることとしてもよい。
【0046】
また、本実施の形態のような凹部8を設ける構造と、実施の形態1,2のようなグランドビア4の非対称な配置、グランドパターン3の非対称な配置を適宜選択して組み合わせても、ディップ低減の効果を高めることができる。
【0047】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、信号線から見てグランドビアまたはグランドプレーンが非対称となり、左右の共振周波数が異なるようになる。したがって、共振によって生じていた1つのディップを2つのディップに分離するとともに、ディップの深さを浅くすることができる。したがって、部品点数を増加させることなく、ディップを低減することができる。さらに、凹部を設けることとすれば、伝送線路基板の下側において、高周波信号の伝送方向に対する垂直方向に電流が流れにくくなり、伝送方向に磁界成分を持つ共振を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1における高周波伝送構造体の一つの例の断面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態1における、抵抗体のない場合の高周波伝送構造体の通過特性を従来のものと比較したグラフである。
【図3】 本発明に基づく実施の形態1における高周波伝送構造体の他の例の断面図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態1における、抵抗体のある場合の高周波伝送構造体の通過特性を従来のものと比較したグラフである。
【図5】 本発明に基づく実施の形態2における高周波伝送構造体の断面図である。
【図6】 本発明に基づく実施の形態3における高周波伝送構造体の断面図である。
【図7】 本発明に基づく実施の形態3における、凹部を設けた場合の高周波伝送構造体の通過特性を従来のものと比較したグラフである。
【図8】 従来技術に基づく高周波パッケージの平面図である。
【図9】 従来技術に基づく高周波パッケージの断面図である。
【図10】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第1の例の平面図である。
【図11】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第1の例の断面図である。
【図12】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第2の例の平面図である。
【図13】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第2の例の断面図である。
【図14】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第3の例の平面図である。
【図15】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第3の例の断面図である。
【図16】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第4の例の断面図である。
【図17】 従来技術に基づく高周波伝送構造体の第5の例の断面図である。
【図18】 従来技術に基づく高周波伝送構造体における抵抗体の有無による通過特性への影響を比較したグラフである。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 信号線、3 グランドプレーン、4 グランドビア、5抵抗体、6 土台、7 内芯、8 凹部、10 同軸ケーブル、11 同軸コネクタ、12 メタルウォール、13,14 ボンディングワイヤ、15 半導体素子、16 導体層、17 リードフレーム、18 誘電体基板、19 ギャップ、31,32,33 伝送線路基板、51,52,53,54,55,56,57,58 曲線。
Claims (7)
- 誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面に線状に設けられた導電体である信号線と、
前記誘電体基板の上面において前記信号線を両側からそれぞれ間隙を介して挟むように配置された板状の導電体であるグランドプレーンとを備えるコプレーナ伝送線路基板であり、
前記誘電体基板内を貫通することによって、前記グランドプレーンと前記誘電体基板の下面の導電体の土台とを電気的に接続するグランドビアをさらに備え、
前記信号線の中心線を通り、前記誘電体基板の上面に垂直な仮想基準平面から、一方のグランドプレーンに接続する前記グランドビアの中心線までの距離と、前記仮想基準平面から、他方のグランドプレーンに接続する前記グランドビアの中心線までの距離とが異なる、伝送線路基板。 - 誘電体基板と、
前記誘電体基板の上面に線状に設けられた導電体である信号線と、
前記誘電体基板の上面において前記信号線を両側から間隙を介して挟むように配置された板状の導電体であるグランドプレーンとを備えるコプレーナ伝送線路基板であり、
前記誘電体基板内を貫通することによって、前記グランドプレーンと前記誘電体基板の下面の導電体の土台とを電気的に接続するグランドビアをさらに備え、
前記信号線の中心線を通り、前記誘電体基板の上面に垂直な仮想基準平面から、一方の前記グランドプレーンの前記信号線側の端までの距離と、前記仮想基準平面から、他方の前記グランドプレーンの前記信号線側の端までの距離とが異なる、伝送線路基板。 - 前記誘電体基板の下面に膜状の抵抗体を備える、請求項1または2に記載の伝送線路基板。
- 請求項1または2に記載の伝送線路基板と、前記土台とを備え、前記土台は前記信号線を投影した領域にほぼ対応する領域に凹部を有する、高周波伝送構造体。
- 前記誘電体基板と前記土台との間には膜状の抵抗体が介在し、前記抵抗体は、前記凹部を前記誘電体基板に投影した領域を挟む両側が互いに電気的に隔絶されている、請求項4に記載の高周波伝送構造体。
- 請求項1から3のいずれかに記載の伝送線路基板と、
前記伝送線路基板を載置する導電性の土台と、
前記伝送線路基板に対して電気的に接続された同軸コネクタと、
前記伝送線路基板に対して電気的に接続された半導体素子とを備えた高周波パッケージ。 - 請求項4または5に記載の高周波伝送構造体と、
前記高周波伝送構造体に対して電気的に接続された同軸コネクタと、
前記高周波伝送構造体に対して電気的に接続された半導体素子とを備えた高周波パッケージ。
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