JP3744899B2 - ポリトリメチレンテレフタレート及びその製造方法 - Google Patents

ポリトリメチレンテレフタレート及びその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート及びその製造方法に関する。更に詳しくは、色相、耐酸化安定性、溶融安定性に優れたポリトリメチレンテレフタレート及びトンスケールの大規模な工業的スケールでの重合においても低分子量から高分子量までのポリトリメチレンテレフタレートを製造することができるポリトリメチレンテレフタレートの製造方法に関する。
従来技術
テレフタル酸やテレフタル酸の低級アルコールエステルと1,3−プロパンジオール(トリメチレングリコールともいう。以下、1,3−プロパンジオールをPDOと略記する。)の重縮合体から溶融紡糸によって得られるポリトリメチレンテレフタレート(以下,PTTと略記する)繊維は、従来にない驚くべきほどのソフトな風合いやドレープ性、優れたストレッチ性、低温染色性、耐候性等の、ポリエチレンテレフタレート(以下,PETと略記)繊維やナイロン6繊維等の既存の合成繊維では得られない、多くの特徴を兼ね備えている。旭化成株式会社は、PTTの重合、紡糸、加工、商品等の開発に関連する数多くの技術課題を克服し、最近、世界で初めてPTT繊維を商標「ソロ」の名称で上市した。
このようにPTTの繊維化に関する技術は工業化レベルまで高められてきた。しかし、PTTの重合についてはまだ解決しなければならない課題が残されている。それは、工業的重合スケールで重合する時、溶融重合単独では高い極限粘度をもつポリトリメチレンテレフタレートが得られ難にくく、しかも着色し易いことである。ここで、工業的スケールの重合とは、バッチ重合であれば少なくとも1バッチ当たり0.3t/バッチ以上、好ましくは1t/バッチ以上のスケールで行う重合であり、連続重合であれば10t/day以上、更には50t/day以上のスケールでポリトリメチレンテレフタレートでの重合を行うことである。
例えば、PTTとほぼ同じ融点を有するポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記)と重縮合反応性を比較すると理解し易い。PBTの場合、板状の攪拌羽根を備えた回分式重合機を用いて、チタンアルコキシド触媒の存在下、後述する比較例1で示されているように260℃で重合すると重合時間と共に重合度は高くなり、実質的に払い出しが困難となる極限粘度(極限粘度は1.4dl/g以上、重合度としては約160程度)になっても重合度は更に高くなる。これに対し同じ重合条件で重合してもPTTでは極限粘度が0.8dl/g(重合度としては約100)近傍で頭打ちとなり、その後重合時間を延ばしても重合度は逆に低下に転じる。更に、このようなPTTの重合における極限粘度(重合度)の頭打ち現象は重合スケールが大きくなればなるほど顕著となる。
PTTを衣料や産業用の繊維として用いるためには、PTTの極限粘度は強度発現の観点から通常は少なくとも0.85dl/gの極限粘度が必要である。しかし、この粘度のPTTを工業的スケールで溶融重合のみの方法で得ることは、従来法では不可能であった。例えば、USP5798433、EP1046662には、白度が良好で、極限粘度が0.85dl/g以上のPTTの製造方法が記載されている。しかしながら、これらの文献はいずれも高々数リットルスケールの重合で行われた実験に基づいたものであり、開示された方法を重合スケールを工業的スケールまで拡大すると、極限粘度はもはや0.85dl/g以上に到達することはできず、無理に時間を長くして重合を行うと着色したり、空気中で長時間使用したときに着色が起こりやすいとか、溶融成形時の分子量低下の割合が大きいとか、品質上問題のあるポリマーにしかならない。
本発明者らは、工業的スケールであっても溶融重合のみで極限粘度0.85dl/g以上を達成するPTTの重合技術を確立するために、PTT溶融重合における極限粘度(重合度)の頭打ち現象の起こる原因を解析した結果、以下のようなことが明らかになった。
PTTの重縮合反応を構成する素反応は、主に以下の2種の反応から構成され、正反応は2つの末端水酸基の脱PDOによる連鎖成長反応(式(a))、負反応はエステル部分が反応系から排出されなかったPDOよって分解を受ける反応(式(a)の逆反応)とエステル部分の熱分解反応(式(b))である。
Figure 0003744899
まず、PDOの効率的な反応系からの排出が達成されている場合を考える。この場合、平衡が正反応側に傾くので、式(a)の逆反応は無視することができる。式(a)の正反応のみが支配的であれば、時間と共に極限粘度は単調に増大する。例えば、PETやPBTの重縮合反応はほぼこれに相当する。しかしながら、PTTでは熱分解生成物のアリル末端(CH2=CHCH2OOC〜)が熱力学的に安定なために熱分解反応速度(kd)がかなり大きい。したがって、重縮合反応の進行と共に比較的短い時間で式(b)の反応の寄与が大きくなって、式(a)の正反応より式(b)の反応が支配的になる。これが先に述べたPTTの溶融重合において極限粘度の頭打ち現象が起きると推定される。
次に、PDOの効率的な排出が達成されない場合を考える。例えば、重合のスケールを極端に大きくした場合、すなわち工業的スケールでの重合がこれに相当する。重合スケールを大きくすると、反応物の比表面積が激減するので、PDOの排出が困難になり反応系に残るPDOがPTTのエステル結合の切断を起こす(式(a)の逆反応)。その結果、式(a)の逆反応の寄与が大きくなって、極限粘度が高くならなくなる。これが、重合スケールが大きくなると極限粘度の頭打ち現象が早い段階で起こる理由と推定される。
したがって、溶融重合単独で重合スケールに関係なくPTTの到達重合度を高める手段としては、式(a)の逆反応と式(b)の反応の抑制、すなわち、1)熱分解反応の寄与が少ない状態で重縮合反応を進めることと、2)反応系からのPDOの効率的排出が必須であることを見出した。
本発明の目的は、トンスケールの工業的なスケールで重合しても、色相、耐酸化安定性、溶融安定性に優れた、低分子量から高分子量までのPTTを提供することにある。本発明の他の目的は、前記の優れた性質を有するPTTの重合においてモノマーの仕込みスケールに関係なく、低分子量から高分子量までのPTTを製造できる重合方法の提供にあり、より具体的には、重縮合反応における熱分解反応を抑制し、かつPDOの排出を効率的に行うことができるPTTの重合方法の提供にある。
【図面の簡単な説明】
図1は比較例1及び2の反応例で用いられる重合装置と重縮合反応過程における反応物の攪拌状態の例をそれぞれ模式的に示す図である。
図2は本発明の実施例1、3及び8の反応で用いられる重合装置と重縮合反応過程における反応物の攪拌状態の例をそれぞれ模式的に示す図である。
図3は本発明の実施例2及び3の反応で用いられる重合装置と重縮合反応過程における反応物の攪拌状態の例を模式的に示す図である。
図4は本発明を連続重合法で実施する場合(実施例4及び5)における、重合機の配列例を示すプロセスフロー図である。
図において、100は回転軸、101は攪拌時の反応物の液面、102は反応釜、103は攪拌羽根、103aは下部攪拌羽根、103bはヘリカル状羽根、104は温度検出端、105は滴り落ちる膜状反応物、106は固定された格子、107は筒型反応槽、108は反応物の流れ、109はポリマーの排出方向、110はモータ、111はエステル化反応槽、112はヘリカル羽根攪拌機、113は第一重縮合反応槽、114は第二重縮合反応槽、115は第三重縮合反応槽、116はディスク型撹拌羽根をそれぞれ示す。
なお、図4の撹拌羽根はディスク状であり、各々にモータ−で回転する軸にこれらの羽根が取りつけられ、羽根が交互に重なるように配置され、回軸によって反応槽の下部にある反応物が下から上へかきあげられる。
発明の開示
本発明者らは、溶融重合単独により高分子量のPTTを得るために、熱分解反応を抑制しかつPDOの効率的排出を行う重合方法を検討した結果、熱分解反応の寄与が少ない状態で重縮合反応を進めるために、PDOの反応系からの排出を充分に行い(式(a)の逆反応の抑制)、分子末端の水酸基が多い状態で重縮合反応を短時間に行うことができれば(式(b)の抑制)、高分子量のPTTを製造できる可能性を見いだし、更に詳細に検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一は、繰り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、更に(1)及び(2)を満足することを特徴とするPTTであり、
(1)極限粘度が0.4〜1.5dl/gであること
(2)[−OH]/([−OH]+[−COOH]+[−CH2CH=CH2])×100が40以上であること
本発明の第二は、テレフタル酸又は/及びその低級アルコールエステルとPDOを反応させてテレフタル酸のPDOエステル及び/又はそのオリゴマーを生成させ、その後、重縮合反応させて、繰り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるPTTを重合する方法において、重縮合反応を式(1)を満足させながら行うことを特徴とするPTTの製造方法である。
[−OH]/([−OH]+[−COOH]+[−CH2CH=CH2])×100 ≧ 40 ・・・・・式(1)
(ここで、−[−OH]、[−COOH]、[−CH2CH=CH2]は、PTTの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。)
本発明のPTTは、繰り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるPTTである。
本発明のPTTには、繰り返し単位の20重量%未満でトリメチレンテレフタレート以外の繰り返し単位を有してもよい。そのような繰り返し単位を構成するモノマーとしては、テレフタル酸もしくはその低級アルコールエステル、PDO以外であれば、ジオール、ジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸アミド、オキシカルボン酸等、特に制限はない。エステル形成性モノマーの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、2−ナトリウムスルホ−4−ヒドロキシ安息香酸、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム等のジカルボン酸及びそのメタノール等の低級アルコールエステル、オキシ酢酸、オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸及びそのメタノール等の低級アルコールエステル、更には分子量が200〜100000のポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオールであってもよい。必要に応じて2種類以上のエステル形成性モノマーを共重合させてもよい。また、重合過程で生成する共重合成分、例えば、PDOのダイマー(ビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテル:以下、BPEと略記する)が共重合されていてもよい。BPEは重合過程でPDOやPTT分子末端の3−ヒドロキシプロピル基が更にPDOと反応して生成し、そのままPTTに共重合される。BPEはPTTの耐光性や耐熱性を低下させるが、適度に共重合されると染料吸尽率や紡糸安定性を高める効果がある。従って、適度にBPEは共重合されることが好ましく、BPEの共重合比率としてはポリマー重量あたり0.01〜2重量%、好ましくは、0.04〜1.2重量%である。また、本発明のPTTはトリメチレンテレフタレート単位が2量化した環状ダイマーが、ポリマー重量当たり3重量%以下含まれていてもよい。3重量%を超えると、成型時に析出して工程安定性を低下させるため好ましくない。好ましくは、紡糸工程や染色工程がなく、糸切れや染色斑が少ない点で1.5重量%以下、より好ましくは1.2重量%以下、更に好ましくは0.7重量%以下である。
本発明のPTTの極限粘度は、0.4〜1.5dl/gである必要がある。極限粘度が0.4dl/g未満であるときはポリマーが脆くなり取り扱いが困難となる。又、得られる繊維の強度が低い。極限粘度の上限については特に制限はないが、1.5dl/gを超える場合は、PTTの溶融粘度が高すぎるために、ギアポンプでの計量が円滑に行われなくなり、吐出不良等で紡糸性は低下する。PTTの極限粘度は、繊維、樹脂、フィルム等の強度発現の観点から、好ましくは0.85〜1.5dl/gであり、特に好ましくは0.87〜1.35dl/gである。
本発明に係るPTTは、各種の添加剤、例えば、酸化チタン等の艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重合、または混合されていてもよい。特に、艶消し剤として用いる酸化チタンが添加される場合は、ポリマー重量当たり0.01〜3重量%の添加量が好ましい。
本発明の製造方法において、色相、耐酸化安定性、溶融安定性を高める方法としては、熱安定剤や着色抑制剤を用いることが特に好ましい。熱安定剤としては、5価または3価のリン化合物やヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。例えば、5価または3価のリン化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、リン酸、亜リン酸等が挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソフタル酸、トリエチルグリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオ−ジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。添加量としては、白度の向上と重合速度の両立の観点から、PTTに対して0.01〜0.5重量%、好ましくは0.02〜0.1重量%添加することができる。この場合、ポリマー中のリン元素量として、2〜250ppm、好ましくは5〜150ppm、特に好ましくは10〜150ppmとなる。また、着色抑制剤としては、酢酸コバルト、蟻酸コバルト等のコバルト化合物、市販の蛍光増白剤が挙げられ、PTTに対し0.0001〜0.1重量%添加することもできる。これらの添加剤は、重合の任意の段階で添加することができる。
本発明のPTTは、[−OH]/([−OH]+[−COOH]+[−CH2CH=CH2])×100の値が40以上であることが必要である。ここで、[−OH]、[−COOH]、[−CH2CH=CH2]は、PTTの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。なお、これらの単位は同一であれば制限はないが、通常m当量/kgである。この関係を満足することで、色相、溶融安定性の優れたPTTとなる。好ましくは、[−OH]/([−OH]+[−COOH]+[−CH2CH=CH2])×100が50以上であり、更に好ましくは60以上である。
前記式の3種の末端基の中[−COOH]、[−CH2CH=CH2]の具体的値について、[−COOH]、[−CH2CH=CH2]は、PTTの溶融安定性、耐酸化安定性の観点から35m当量/kgポリマー以下であることが好ましく、更に好ましくは25m当量/kgポリマー以下であり、最も好ましくは20m当量/kgポリマー以下である。
本発明のPTTは、染色、顔料使用時の鮮やかな発色の発現を実現する目的で、ポリマーの明るさを示すL*値が80以上であることが好ましく、更に好ましくは85以上である。また、同じ理由で、ポリマーの黄色みを表すPTTのb値は、−1〜5であることが好ましく、更に好ましくは、−0.5〜4である。
本発明のPTTは、テレフタル酸又は/及びその低級アルコールエステルとPDOを反応させてテレフタル酸のPDOエステル及び/又はそのオリゴマーを生成させ、その後、重縮合反応させて、繰り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるPTTを重合する方法において、重縮合反応を式(1)を満足させながら行うことで製造することができる。
[−OH]/([−OH]+[−COOH]+[−CH2CH=CH2])×100≧40 ・・・・・式(1)
(式(1)において、[−OH]、[−COOH]、[−CH2CH=CH2]は、PTTの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。)
本発明において、テレフタル酸又は/及びその低級アルコールエステルとPDOを反応させてテレフタル酸のPDOエステル及び/又はそのオリゴマーを生成させる方法としては、公知の方法を用いることができる。この反応は、テレフタル酸を用いる場合にはエステル化反応、テレフタル酸の低級アルコールエステルを用いる場合はエステル交換反応と呼ばれる。ここで、テレフタル酸の低級アルコールエステルとは、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸モノメチル等を含む。
本発明で用いるテレフタル酸、テレフタル酸の低級アルコールエステル、PDOは、市販品、あるいはPTTやPTT製品からを回収されたものでもよく、好ましくは純度95%以上、更に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。テレフタル酸とテレフタル酸の低級アルコールエステルでは、テレフタル酸の低級アルコールエステルの方が重合速度の速さ、得られたPTTの白度、耐酸化安定性、溶融安定性の観点からより好ましく、BPEの共重合比率を下げやすい点においても好ましい。PDO中に含まれる不純物の中でもカルボニル基含有化合物が、ポリマーの白度の観点からポリマー重量対比カルボニル基含有化合物の重量として1000ppm以下更に好ましくは500ppmとすることが好ましい。
重合原料であるテレフタル酸やテレフタル酸の低級アルコールエステルに対するPDOの仕込み比率は、モル比で0.8〜3であることが好ましい。仕込み比率が0.8未満では、エステル交換反応が進行しにくく、重縮合反応終了時点での最終到達極限粘度も小さい。また、仕込み比率が3より大きくなると融点が低くなる他、得られたポリマーの白度が低下する傾向がある。好ましくは、1.4〜2.5であり、更に好ましくは、1.5〜2.3である。
触媒は反応を円滑に進行させるために用いることが好ましく、例えば、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドに代表されるチタンアルコキサイド、非晶性酸化チタン沈殿物、非晶性酸化チタン/シリカ共沈殿物、非晶性ジルコニア沈殿物等の金属酸化物、酢酸カルシウム、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸アンチモン等の金属カルボン酸塩等を全カルボン酸成分モノマーに対して0.01〜0.2重量%、好ましくは0.05〜0.12重量%用いることが反応速度、ポリマーの白度、熱安定性を兼ね備えることから好ましい。反応温度としては150℃以上、好ましくは200〜250℃程度で、副生する水やメタノール等のアルコールを留去しながら反応を行うことができる。反応時間は通常2〜10時間、好ましくは2〜4時間である。こうして得られた反応物は、テレフタル酸のPDOエステル又は/及びそのオリゴマーである。以上のエステル化反応、エステル交換反応は、必要に応じて2つ以上の反応釜に分けて順次連続的に行ってもよい。
PTTは、こうして得られたテレフタル酸のPDOエステル又は/及びそのオリゴマーを重縮合することにより製造することができる。
重縮合反応では、必要に応じてチタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシドに代表されるチタンアルコキサイド、非晶性酸化チタン沈殿物、非晶性酸化チタン/シリカ共沈殿物、非晶性ジルコニア沈殿物等の金属酸化物を全カルボン酸成分モノマーに対して0.01〜0.2重量%、好ましくは0.03〜0.15重量%添加する。触媒量が極端に多すぎると、熱分解が生じ後述する式(1)を満足しない。また少なすぎると、重合度を高めることができない。この重縮合触媒は、エステル化反応やエステル交換反応で用いた触媒をそのまま使用することもできるし、新たに追加してもよい。これらの触媒の内、チタン系の触媒はエステル化反応、エステル交換反応、重縮合反応のいずれにも有効な触媒であるので、エステル交換反応や重縮合反応段階で添加しておくと、重縮合反応前に新たに添加することなく、あるいは添加するにしても少量で重縮合反応を行うことができる点で最も好ましい触媒である。
重縮合反応においては、式(1)を満足させながら行うことが必要である。
[−OH]/([−OH]+[−COOH]+[−CH2CH=CH2])×100≧40 ・・・・・式(1)
(式(1)において、[−OH]、[−COOH]、[−CH2CH=CH2]は、PTTの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。なお、[]の単位は、m当量/kgポリマーである。)
PTTの分子末端は、水酸基、カルボキシル基、アリル基の3種が主となる。
式(1)の不等式の左項は、生成中あるいは生成するPTT中の全分子末端基量中の水酸基の割合を示し、本発明ではその左項が40%以上であることが必要である。この値が40%未満になると、熱分解反応の寄与やPDOの排出が遅くなって極限粘度が0.85dl/gに到達することができない。また、カルボキシル基とアリル基は、熱分解の程度の尺度ともなるので、式(1)の左項の大きさは、好ましくは重合度の到達速度の速さだけでなく、得られたポリマーの色相、耐酸化安定性、溶融安定性の観点から50%以上が好ましく、更に好ましくは55%以上である。
式(1)を満足させながら、重縮合反応を行なわせる具体的な方法としては、PDOの排出を高い効率で行い、PTTの激しい熱分解が起こる前に重縮合反応を完結させることが必要である。このような重合方法としては、1)熱分解が起こりにくいようにできるだけ低温で重縮合すること、2)重縮合物を反応槽の最深部から連続的に掻き上げ、薄膜の状態にしてPDOの排出効率を高めることと、この薄膜が絶えず更新され、新たな表面からPDOが排出されるという、ことの2つの条件を満足することが推奨される。言い換えれば、式(1)を満足するように重縮合反応における触媒、撹拌、真空度、触媒量等を調整することが必要である。
1)に適した温度としては、235〜270℃が好ましく、特に好ましくは245〜265℃で行うことである。尚、PDOが大量に残っているときに反応温度が高くなると、BPEの共重合比率が2重量%を超えやすくなるので、酸成分のモル数に対して、PDOの残量が5%以下になるまでは、255℃以上の上げないことが好ましい。また、2)を満足するような重合手段としては、重縮合反応物の固有粘度が0.5dl/g以上では式(2)を満足させながら重縮合反応することが特に好ましい。この時の真空度としては、0.0001〜2torr、好ましくは0.01〜0.7torrである。
S/V≧0.07 ・・・式(2)
S:重縮合反応物の総表面積(cm2
V:重縮合反応物の重量(g)
ここでSは重縮合反応が行われている時の重縮合反応物が気相(減圧状態であってもよい)に接する総表面積を示す。
以下、具体的なSの測定方法を示す。重縮合反応物が気相に接する総表面積は、(a)反応槽下部に存在する反応物の液表面、(b)撹拌羽根に付着した反応物の表面、(c)撹拌羽根から滴り落ちる膜状反応物の表面の3つの和となる。Sの測定方法としては、撹拌時重合機内部を目視やカメラ、ビデオ等撮影して、反応物の表面状態を観察して求めることができる。
例えば、図1のような反応槽を用いた場合、反応槽内で起こる重縮合反応を観察すると、(b)、(c)はないので、(a)のみ求めればよく、実質的に反応槽102の断面積がSに相当する。
図2のようなヘリカル羽根を用いた場合、反応物がかき上げられる方向で回転させると図2のように反応物液面は逆円錐となり、掻き上げられた反応物は羽根に付着して上部に上がり、最後には羽根から滴り落ちて下部の反応物液に落ちる現象が見られる。従って、(a)はカメラ撮影した液面を円錐としてその表面積を求めることができる。また、(b)は(a)の液面から出ている部分の羽根から反応物の付着がなくなる部分までの羽根の表裏両面の面積をその値とすることができる。また、(c)はある瞬間の滴り落ちる反応物を撮影し、その両面の面積をその値とすることができる。(c)は時間によって若干変化するので、このような場合は5回撮影してその平均値を取ることが好ましい。こうして求めた(a)、(b)、(c)を合計すれば、Sを求めることができる。なお、図2のようなヘリカル羽根では、回軸方向を反応物がかき下げられる方向にすれば図1のような反応物表面となるので、回転方向も重要となる。
図3のような固定された格子に反応物をはわせて上から下へ落とす場合は、(a)、(b)がないので、重縮合段階で反応物が覆う液面を撮影し、その表裏両面の面積((c)に相当)をSとする。
図4のような横型撹拌反応装置も図2と同様である。この場合、(a)は反応槽下部に存在する液面の面積であり、(b)は液面から上の部分の撹拌羽根の表裏の面積の和となる。(c)については、図2と同様にカメラ撮影によって求めることができる。
以上のような具体的なSの算出方法は、反応物の動きによっては若干の誤差を生むが、測定者の任意性は少なく、精度は本発明の定義に充分なものとなる。一方、Vは投入した原料より理論的な得られるポリマーの重量である。ここで反応させる重縮合反応物はかなり重合度が上がっているため、ほぼ理論ポリマーの重量と等しい。図4の場合は定常状態で反応槽に存在するポリマー重量となる。
S/Vは重縮合反応物の単位重量当たりの表面積を示し、重縮合中の反応物の表面更新の程度を表すものである。S/Vが大きくなることは表面更新が活発に行われることを意味し、副生成物であるPDOの除去が促進されて、熱分解の影響を受ける程度が少なく、重合度を短時間に高めることができる。
S/Vが0.07cm2/g未満では、PDOを効率的に除去させることが困難となり、本発明の目的とする高重合度のPTTを得ることが困難となる。S/Vは大きければ大きいほどよいが、重合槽の大きさより考えると100cm2/g以下であることが好ましい。S/Vは0.1cm2/g以上が好ましく、0.15cm2/g以上が更に好ましい。また、反応させる重縮合反応物の表面は、絶えず更新されることが好ましい。
尚、式(2)が満足されるための条件としては、反応物の極限粘度が0.5dl/g以上である。極限粘度が0.5dl/g未満の場合は反応物の溶融粘度が低いためにS/Vが0.07cm2/g未満であってもPDOの排出は容易であるので、式(2)の成立は意味がない。反応物中のPDOの拡散及び表面からの排出が困難となる0.5dl/g以上になって初めて式(2)の成立がPDOの効率的排出の最適条件となるからである。もちろん、反応物の極限粘度が0.5dl/g未満の場合、式(2)を満足していてもよい。
式(2)が達成される場合は、反応物は撹拌によって反応物が薄膜が絶えず生成されることが好ましく、このような薄膜としては、20mm以下、好ましくは10mm以下、最も好ましくは、1mm以下の薄膜が重合過程中に形成される重合方法が好ましい。以上のような重縮合反応を行う好ましい重縮合槽としては、エステル化反応やエステル変換反応で得たテレフタル酸のPDOエステル又は/及びそのオリゴマーを細い棒や格子に上からそれらに伝わせながら落として薄膜を形成させる方法、フィルム状にしてスロープを滑り落とす方法、重合釜からヘリカル羽根、かご状羽根等を用いて連続的に掻き上げ、掻き上げ時や滴り落ちる時に薄膜状にする方法等が挙げられる。
本発明のPTTの製造方法は、バッチ重合、連続重合のいずれにも適用可能である。連続重合においては、少なくとも以下に説明する工程を含むことが重合反応性、得られたポリマーの色相、耐酸化安定性、溶融安定性の観点から重要である。すなわち、テレフタル酸又は/及びその低級アルコールエステルとPDOを連続供給し、テレフタル酸のPDOエステル及び/又はそのオリゴマーを連続的に生成させることが可能な、少なくとも1つのエステル交換反応又は/及びエステル化反応を行うための反応槽と2つ以上の重縮合反応槽を順次連結した重合装置を用いることが好ましい。重縮合反応槽は1つでもよいが、PDOの排出効率が悪くなるので、少なくとも2つ以上、好ましくは3つ以上の重縮合反応槽を直列につないで用いることが必要である。重縮合反応物は複数の重縮合反応槽を経る段階で重合度が高くなっていくが、反応温度と真空度は重縮合反応槽順に高くすることが好ましく、最終重縮合槽までに、反応物の極限粘度は少なくとも0.3dl/g、好ましくは0.5dl/g以上にすることが好ましい。
以上のようにして得られたPTTは公知の方法によりペレット化を行い、繊維、成型品、フィルムの原料として用いることができる。また、再溶融による重合度低下を抑制するために、ペレット化することなくそのまま成形機に導入し、繊維化、射出成形、押出成形、フィルム化してもよい。繊維としては、フィラメント、短繊維、サイドバイサイド糸、モノフィラメント、不織布等に用いることができる。
また、更にPTTの重合度を高めるために、また環状オリゴマー量を減らすために、得られたPTTを固相重合することも可能である。本発明のPTTを用いると、本発明以外のPTTに比べて固相重合速度が速く、得られた固相重合PTTも色相、耐酸化安定性、溶融安定性に優れるという効果が得られる。固相重合方法としては、公知の方法を適用することが可能である。すなわち、ペレット状、粉、繊維状、板状、ブロック状等の本発明のPTTを窒素、アルゴン等の不活性ガスの存在下、あるいは100torr以下、好ましくは10torr以下の減圧下で170〜220℃、3〜100時間程度行うことができる。こうして得られたPTTは溶融重合終了時点よりも少なくとも極限粘度で0.1dl/g以上、重合度を高めることが可能であり、到達極限粘度は原料PTTの極限粘度に関係なく、1.5dl/gに到達させることも可能である。また固相重合を行うことによって、環状ダイマー量は、1.5重量%未満にすることが可能である。
発明の実施の最良の形態
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例などにより何ら限定されるものでない。なお、実施例中の主な測定値は以下の方法で測定されたものである。
(1)極限粘度
この極限粘度[η]は、オストワルド粘度管を用い、35℃、o−クロロフェノールを用いて比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比ηsp/Cを濃度ゼロに外挿し、以下の式にしたがって求めた。
Figure 0003744899
(2)末端カルボキシル基量([−COOH])
PTT1gにベンジルアルコール25mlを加え、窒素雰囲気下で200℃で15分加熱した。その後、フェノールフタレイン指示薬を3滴、クロロホルム25mlを添加した後、0.02Nの水酸化カリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、末端カルボキシル基量を求めた。
(3)末端水酸基([−OH])と末端アリル基量([−CH2CH=CH2])及びP1とP2のピーク面積
PTTをCDCl3/(CF32CDODの混合溶剤(容積比1:1)に溶解させ、1H−NMR(Bruker社製 FT−NMR DPX−400)を用いて測定した。また、基準はテトラメチルシランを用いた。
(4)ビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテル量
PTT2gを2Nの水酸化カリウムのメタノール溶液25mlに加え、還流下、4時間かけて加溶媒分解し、このメタノール溶液を用いてガスクロマトグラフィーにより定量した。カラムはDURABOND DB−WAX0.25mm×30m(0.25μm)を用いてヘリウム100ml/分流しながら、150〜230℃まで20℃/分の昇温速度で測定した。検出器は水素炎イオン化型検出器を用いた。
(5)耐酸化安定性
得られたPTTを220℃、24時間、空気中で保持し、処理後のb*値を以て耐酸化安定性の指標とした。
(6)溶融安定性
加速評価方法として、下記の条件で紡糸を行い溶融安定性の評価を行った。
押出温度:265℃
紡口 :直径0.35mmφ、長さ0.7mmの孔36個が一重配列したもの
吐出量 :23g/min
巻き取り速度:4000m/min
粘度低下率:得られた繊維を洗浄した後、極限粘度を測定し、下記式より求めた。
溶融安定性(%)=(繊維の固有粘度)/(原料PTT組成物の固有粘度)×100
【比較例1】
テレフタル酸ジメチル(以下、DMTと略記する)1300g(6.7モル)、PDO1121g(14.7モル)、チタンテトラブトキシド0.78gを図1に示す板状の羽根を備えた3lのオートクレーブに仕込み、220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応率は、95%であった。エステル交換反応終了後、次いで、チタンテトラブトキシド0.52g、トリメチルホスフェート0.65gを添加し、30分攪拌後PDOを留去しながら、0.1〜0.5torrの真空度の下で100rpmで羽根を攪拌させながら260℃で重縮合反応を行った。重縮合槽内の攪拌の様子をビデオを用いて観察したところ、反応物は薄膜を形成せずに、一つの液面を形成して、ただ一体化してまわっているだけであった(図1中符号101参照)。これは攪拌羽根が板状であり、反応物を掻き挙げることができないためである。
重縮合反応は、時間の経過と共に攪拌トルクが上昇して重合度の上昇が見られた。しかしながら、重縮合反応開始から4時間位で攪拌トルクの上昇が頭打ちとなり、その後攪拌トルクがわずかな減少に転じた。攪拌トルクが頭打ちの段階でサンプリングしたPTTの極限粘度は、0.8dl/gで、L*値は87、b*値は6.2であった。このPTT重合においては、式(1)を満足していなかった。例えば、重縮合終了時点での式(1)の左項の値は32%であった。また、重合最終段階のS/Vは0.05cm2/gであった。
別途、1000lの重合機を用い、仕込み比率を333倍にして重合を行ったところ、やはり同様の現象が見られ、頭打ちの段階でサンプリングしたPTTの極限粘度は0.71dl/gであった。このPTTの重縮合反応においては、式(1)を満足していなかった。例えば、重縮合終了時点での式(1)の左項は30%で、L*値は87、b*値は7.8であった。重合最終段階のS/Vは0.01cm2/gであった。
更に別途、PDOに換えて、1,4−ブタンジオールを同じモル数用い、PTTとPBTの融点差は小さいので、他は全く同一の条件を用いて、PBTの重合を行った。重合時間が4時間経過しても攪拌トルクの頭打ちはなく、重合速度の低下も見られなかった。重合時間が4時間での極限粘度は1.0dl/gであった。この実験を1000lのスケールに拡大しても頭打ち現象は見られなかった。
PDOの代わりに、エチレングリコールを同じモル数用い、PETの重合を行った。PETの融点はPTTよりも30〜40℃程度高いので重縮合温度を290℃にした以外の条件はPTT重合と同一条件で重合を行った。PETの重合では重合時間が4時間たっても攪拌トルクの頭打ちはなく、重合速度の低下も見られなかった。重合時間が4時間での極限粘度は1.0dl/gであった。この実験を1000lスケールに拡大しても頭打ち現象は見られなかった。
このように、PTTは重合度が上昇しにくく、その傾向は重合スケールが大きくなるほど激しくなることがわかる。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例1】
図2に示すヘリカルタイプの攪拌羽根を備えた以外は、比較例1と同じ反応槽(3l)を用い、比較例1と同じ仕込量で比較例1を繰り返した。重縮合開始から1、2、3、4時間経過後の式(1)の左項の値を測定したところ、85、75、64、51%であり、重縮合中は式(1)を満足する結果が得られた。また、極限粘度が0.5dl/g以上の時のS/Vは0.17〜0.24cm2/gであった。比較例1と同様に観察したところ、ヘリカル撹拌翼に持ち上げられた反応物は、図2の符号105で示されるように下に滴り落ちるときに薄膜を形成し、上部に備えた窓から観察すると、その厚みは1mm以下であった。槽内の反応物は、釜中央部で大きくくぼみ、表面積が大きく増大していた。重縮合反応4時間経過したときの反応物の極限粘度は、1.0dl/gで、L*は90、b*は2.1、BPE量は0.17重量%、環状ダイマー量は2.63重量%であった。
別途に、前記反応槽を相似形で拡大した容量4000lの重合釜を用いて、仕込み比率を1333倍にして重合を行ったところ、重縮合反応を4時間行った時のPTTの極限粘度は0.95dl/gで、L*は88、b*は3.4であった。このPTTの重縮合反応は式(1)を満足するもので、重縮合終了段階の式(1)の左項の値は47%であった。また、反応物の極限粘度が0.5dl/g以上のときのS/Vは0.07cm2/gで、反応物中のBPE量は0.15重量%、環状ダイマー量は2.54重量%であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例2】
図3の筒型反応槽(107)の中心部に固定された格子(106)に、連続的にテレフタル酸ビス(3−ヒドロキシプロピル)を251℃でこの格子に沿うようには薄膜状で流下して落としながら(図3、符号105参照)、反応槽の下に備えた液ために落とした。筒型反応槽内は、0.5torrの減圧とし、上から下の液ために落ちる滞留時間は3時間とした。反応液が格子を落ちる時の液膜の様子をビデオで撮影して液膜を測定したところ、膜厚は1mm以下であった。重縮合反応は式(1)を満足しながら行った。例えば、格子の中央と液だめをサンプリングし、式(1)の左項の値を求めたところ、各々74、58%であった。液だめにおけるPTTの極限粘度は、1.2dl/gで、L*は90、b*2.3であった。また、得られたPTTのBPE量は0.18重量%、環状ダイマー量は2.42重量%であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例3】
テレフタル酸(以下、TPAと略記する)1112g(6.7モル)、PDO1121g(14.7モル)、チタンテトラブトキシド0.78gを図2に示すヘリカルタイプの撹拌羽根を備えた3lのオートクレーブに仕込み、250℃で水を留去しながらエステル交換反応を行った。反応におけるエステル化反応率は、97%以上であった。エステル化反応終了後、次いで、チタンテトラブトキシド0.52gを添加し、30分撹拌後、PDOを留去しながら、0.1〜0.5torrの真空度の下で、式(1)を満させながら、260℃で重縮合反応を行った。
例えば、重縮合開始から1、2、3、4時間経過後の式(1)の左項の値を測定したところ、83、74、61、52%でいずれにおいても、式(1)を満たしていた。攪拌の様子を実施例1と同様に観察したところ、持ち上げられた反応物は落ちるときに薄膜を形成し、その厚みは1mm以下となっていた。また、釜中央部は大きくくぼみ、表面積が大きく増大していた。重縮合反応4時間経過したときの反応物の極限粘度は、0.98dl/gで、L*値は91、b*値は3.8であった。反応物のBPE量は0.74重量%、環状ダイマー量は2.32重量%であった。
別途、相似形で容量を4000lに拡大した重合釜で攪拌羽根を備えた反応槽を用いて、仕込み比率を1333倍にして重合を行ったところ、重縮合反応を4時間行った時のPTTの極限粘度は0.94dl/gで、L*値は90、b*値は4.7であった。なお、このPTTの重縮合反応は、式(1)を満させながら行った。例えば、重縮合反応終了時点での式(1)の左項は46%であった。得られたPTT中のBPE量は0.86重量%、環状ダイマー量は2.26重量%であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例4】
図4に示した連続重合装置を用い、原料としてTPAとカルボニル基含有化合物含有量が300ppm以下のPDOを用いて、連続重合法により1日に20tのPTTを重合した。エステル化反応槽及び第一、第二重縮合反応槽には螺旋状攪拌翼を有した縦型攪拌反応装置を用い、第三重縮合反応槽には2軸のディスク状攪拌翼を有した横型攪拌反応装置を用いた。
重合は、1:1.5のモル比のTPAとPDOのスラリーに、テレフタル酸に対して0.1重量%のチタンテトラブトキシドを添加した混合物(スラリー状)をエステル化反応槽に連続投入し、常圧下、230℃で滞留時間200分間掛けて、水を排出させながら、テレフタル酸ビス(3−ヒドロキシプロピル)及びそのオリゴマー(極限粘度は0.10dl/gであった)を製造した。その後この反応物へ艶消し剤としてPTTに対して0.5重量%相当の二酸化チタンと20ppmのトリメチルホスフェートを添加後、この混合物を第一重縮合反応槽に連続的に導入し、300torrの減圧下、250℃で滞留時間60分間重縮合を進行させ、次に得られた反応物(極限粘度は0.15dl/gであった)を第二重縮合反応槽に連続的に導入し、20torrの減圧下、250℃で滞留時間60分間重縮合を進行させ、更に得られた反応物(極限粘度は0.30dl/gであった)を第三重縮合反応槽に連続的に導入し、1.5torrの減圧下、260℃で滞留時間60分間重縮合を行った。重縮合最終段階での式(1)の左辺の値は68%であった。第三重縮合反応槽では、反応物が重合槽の1/3以上を通過した時点で、極限粘度は0.5dl/g以上でありS/Vの値は1.5cm2/gであった。最終的に得られたPTTの極限粘度は0.95dl/g、L*値は88、b*値は2及びBPE量は1.1重量%であった。本重合法は、連続的に1年以上稼動することができる。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例5】
図4に示した連続重合装置を用い、原料としてテレフタル酸ジメチルとカルボニル基含有化合物含有量が300ppm以下のPDOを用いて、連続重合法により1日に20tのPTTを重合した。エステル化反応槽及び第一、第二重縮合反応槽には螺旋状攪拌翼を有した縦型攪拌反応装置を用い、第三重縮合反応槽には2軸のディスク状攪拌翼を有した横型攪拌反応装置を用いた。
重合は、DMT:PDOのモル比が1:2.5となるように、180℃の溶融DMT、190℃のPDO、DMTに対して0.1重量%のチタンテトラブトキシドをエステル化反応槽に連続的に投入し、常圧下、230℃で滞留時間100分間掛けて、メタノールを排出させながら、テレフタル酸ビス(3−ヒドロキシプロピル)及びそのオリゴマー(極限粘度は0.08dl/gであった)を連続製造した。
その後この反応物へ艶消し剤としてPTTに対して0.5重量%相当の二酸化チタンと20ppmのトリメチルホスフェートを添加後、この混合物を第一重縮合反応槽に連続的に導入し、300torrの減圧下、250℃で滞留時間60分間重縮合を進行させ、次に得られた反応物(極限粘度は0.1dl/gであった)を第二重縮合反応槽に連続的に導入し、20torrの減圧下、250℃で滞留時間60分間重縮合を進行させ、更に得られた反応物(極限粘度は0.30dl/gであった)を第三重縮合反応槽に連続的に導入し、1.5torrの減圧下、260℃で滞留時間60分間重縮合を行った。重縮合最終段階での式(1)の左辺は68%であった。第三重縮合反応装置では、反応物が重合槽の1/3以上を通過した時点では極限粘度は0.5dl/g以上でありS/Vは1.5cm2/gであった。最終的に得られたPTTは極限粘度0.95dl/g、L*値90、b*値は2.5であった。またBPE量は0.25重量%、環状ダイマー量は、2.56重量%であった。本重合法は連続的に1年以上稼動することができる。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例6】
実施例1の4000lの重合反応槽で得たPTTのペレットを205℃、10l/minの窒素気流下で30時間かけて、固相重合した。得られたPTTの極限粘度は1.35dl/g、式(1)の左辺の値は42%、L*値は92、b*値は1.2、BPE量は0.16重量%、環状ダイマー量は1.00重量%であった。得られたPTTの耐酸化安定性、溶融安定性(溶融紡糸は290℃で実施)共に良好であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例7】
実施例3の4000l重合で得たPTTのペレットを205℃、窒素気流下で40時間かけて、固相重合した。得られたPTTの極限粘度は1.39dl/g、式(1)の左辺は48%、L*値は92、b*値は0.7、BPE量は0.77重量%、環状ダイマー量は0.97重量%であった。耐酸化安定性、溶融安定性(溶融紡糸は290℃で実施)共に良好であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例8】
図2に示すヘリカルタイプの攪拌羽根を備えた以外は、比較例1のと同じ釜(3l)を用い、比較例1と同じ仕込量で比較例1と同じ検討を行った。ただし、重縮合反応での羽根の回転数を5rpmまで低下させた。重縮合反応時の回転数を重縮合開始から1、2、3、4時間経過後の式(1)の左項の値を測定したところ、それぞれ78、70、52、41%であり、重縮合中は式(1)を満たしていた。ただし極限粘度が0.5dl/g以上の時のS/Vの値は0.05cm2/gであった。
重縮合反応4時間経過したときのPTTの極限粘度は、0.83dl/gで、L*は87、b*は4.6であった。PTT中のBPE量は0.17重量%、環状ダイマー量は2.65重量%であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【比較例2】
実施例1の1000lの実験において、重合温度を282℃とし更に重縮合時間を2時間とした以外は実施例1を繰り返した。重合終了時点での式(1)の左辺の値は30%であった。
得られたPTTの極限粘度は、0.80dl/gで、L*は87、b*は8.7であった。また、BPE量は0.17重量%、環状ダイマー量は2.67重量%であった。得られたPTTの耐酸化安定性、溶融安定性は、不十分であった。更にこのPTTを205℃、窒素気流下で40時間掛けて固相重合したが、PTTの極限粘度は1.21dl/gまでしか到達しなかった。また、この時の式(1)の左項の値は、27であった。
重合条件と得られたPTTの特性を表1にまとめて示す。
【実施例9】
実施例1で得たPTTを265℃で射出成形し、歯車とコネクターを作成した。得られた成型品は、白度に優れ、空気中130℃、24時間処理しても色の変化はほとんどなかった。これに対し、比較例1で得たPTTで同じ成型品を作成したところ、成型品は黄色みを帯び、空気中130℃、24時間処理すると黄色みがかなり増した。
【実施例10】
実施例1で得たPTTを265℃で幅0.2mm×長さ50mmのダイを通して吐出し、得られたフィルムを縦方向に1.5倍、横方向に1.2倍、135℃で延伸して強靱なフィルムを得た。得られたフィルムは、着色がなく、空気中130℃、24時間処理しても色の変化はほとんどなかった。これに対し、比較例1で得たPTTで同じフィルムを作成したところ、黄色みを帯び、空気中130℃、24時間処理すると黄色みがかなり増した。
Figure 0003744899
発明の産業上の利用可能性
本発明を用いることにより、重合スケールがトンスケールの工業的なスケールで重合しても、色相、耐酸化安定性、溶融安定性に優れた、低分子量から高分子量までのPTTを得ることができる。また、固相重合速度も速いので、熱分解をあまり受けることなく、一層高分子量のPTTも提供可能となる。得られたPTTは、繊維化、樹脂成形、フィルム化等のあらゆる用途に使用可能となる。

Claims (19)

  1. 繰り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなり、更に下記の(1)〜(3)を満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート。
    (1)極限粘度が0.4〜1.5dl/gであること
    (2)〔−OH〕/(〔−OH〕+〔−COOH〕+〔−CH2CH=CH2〕)×100
    が40以上であること(ここで、〔−OH〕、〔−COOH〕、〔−CH2CH=CH2〕は、ポリトリメチレンテレフタレートの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。)
    (3)L*値が80以上であること
  2. 請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレートであって、更に下記(4)を満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート。
    (4)b*値が−1〜5であること
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートであって、更に下記(5)を満足することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート。
    (5)ビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテルが、2重量%以下共重合されていること
  4. (1)極限粘度が0.85〜1.5dl/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート。
  5. (2)〔−OH〕/(〔−OH〕+〔−COOH〕+〔−CH2CH=CH2〕)×100の値が50以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート。
  6. ポリトリメチレンテレフタレートに対して、リン元素量として2〜250ppmに相当するリン化合物又は/及び0.02〜0.1重量%のヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート。
  7. ポリトリメチレンテレフタレートに対して、0.0001〜0.1重量%のコバルト化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート。
  8. 溶融重合のみで得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレート。
  9. テレフタル酸又は/及びその低級アルコールエステルと1,3−プロパンジオールを反応させてテレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はそのオリゴマーを生成させ、その後、重縮合反応させて、繰り返し単位の80重量%以上がトリメチレンテレフタレート単位からなるポリトリメチレンテレフタレートを重合する方法において、重縮合反応触媒にチタン化合物を用い、重縮合反応を真空度0.0001〜2torr、235〜270℃の温度範囲で行い、更に式(1)を満足させ、かつ反応物の極限粘度が0.5dl/g以上では更に式(2)を満足させながら行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
    〔−OH〕/(〔−OH〕+〔−COOH〕+〔−CH2 CH=CH2 〕)×100≧40 ・・・ 式(1)
    (式(1)において、〔−OH〕、〔−COOH〕、〔−CH2 CH=CH2 〕は、ポリトリメチレンテレフタレートの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。)
    S/V ≧ 0.07 ・・・ 式(2)
    (ここで、Sは重縮合反応物の総表面積(cm 2 )、Vは重縮合反応物の重量(g)である。)
  10. 式(1)における〔−OH〕/(〔−OH〕+〔−COOH〕+〔−CH2 CH=CH2 〕)×100の値が50以上であることを特徴とする請求項に記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  11. 式(2)のS/Vの値が0.15cm2/g以上であることを特徴とする請求項9又は10に記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  12. エステル化反応又は/及びエステル交換反応開始から重縮合反応終了までの任意の段階でポリトリメチレンテレフタレートに対してリン元素量として2〜250ppmに相当するリン化合物又は/及び0.02〜0.1重量%のヒンダードフェノール系酸化防止剤を反応物に添加することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  13. エステル化反応又は/及びエステル交換反応開始から重縮合反応終了までの任意の段階でポリトリメチレンテレフタレートに対して0.0001〜0.1重量%のコバルト化合物を反応物に添加することを特徴とする請求項9〜12いずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  14. 繰返し単位の80重量%がトリメチレンテレフタレート単位からなるポリトリメチレンテレフタレートの連続製造方法において、重縮合反応触媒にチタン化合物を用い重縮合反応を真空度0.0001〜2torr、235〜270℃の温度範囲で行い、少なくとも(1)〜(4)までの工程を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
    (1)少なくとも1つのエステル交換反応又は/及びエステル化反応を行うための反応槽(A)と2つ以上の重縮合反応槽を順次連結した重合装置を用いること
    (2)テレフタル酸又は/及びその低級アルコールエステルと1,3−プロパンジオールを反応槽(A)に連続供給し、テレフタル酸の1,3−プロパンジオールエステル及び/又はそのオリゴマーを連続的に生成させること
    (3)(2)の工程で生成した反応物を連続的に重縮合反応槽に供給し、反応物が2つ以上の重縮合反応槽を順次通過する際に重合度を高めながら重縮合反応を行うこと
    (4)重縮合反応を式(1)を満足させ、かつ反応物の極限粘度が0.5dl/g以上では更に式(2)を満足させながら行うこと
    〔−OH〕/(〔−OH〕+〔−COOH〕+〔−CH2 CH=CH2 〕)×100 ≧ 40 ・・・ 式(1)
    (式(1)において、〔−OH〕、〔−COOH〕、〔−CH2 CH=CH2 〕は、ポリトリメチレンテレフタレートの分子末端の水酸基量、カルボキシル基量、アリル基量を示す。)
    S/V ≧ 0.07 ・・・ 式(2)
    (ここで、Sは重縮合反応物の総表面積(cm 2 )、Vは重縮合反応物の重量(g)である。)
  15. エステル化反応又は/及びエステル交換反応開始から重縮合反応終了までの任意の段階でポリトリメチレンテレフタレートに対してリン元素量として2〜250ppmに相当するリン化合物又は/及び0.02〜0.1重量%のヒンダードフェノール系酸化防止剤を反応物に添加することを特徴とする請求項14に記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  16. エステル化反応又は/及びエステル交換反応開始から重縮合反応終了までの任意の段階でポリトリメチレンテレフタレートに対して0.0001〜0.1重量%のコバルト化合物を反応物に添加することを特徴とする請求項14又は15に記載のポリトリメチレンテレフタレートの製造方法。
  17. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートから構成されたことを特徴とする繊維。
  18. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートから構成されたことを特徴とする樹脂製品。
  19. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリトリメチレンテレフタレートから構成されたことを特徴とするフィルム。
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